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JP6003839B2 - 引上式連続鋳造方法及び引上式連続鋳造装置 - Google Patents

引上式連続鋳造方法及び引上式連続鋳造装置 Download PDF

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JP6003839B2 JP2013158201A JP2013158201A JP6003839B2 JP 6003839 B2 JP6003839 B2 JP 6003839B2 JP 2013158201 A JP2013158201 A JP 2013158201A JP 2013158201 A JP2013158201 A JP 2013158201A JP 6003839 B2 JP6003839 B2 JP 6003839B2
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Description

本発明は引上式連続鋳造方法、引上式連続鋳造装置及び連続鋳造体に関する。
特許文献1には、鋳型を要しない画期的な引上式連続鋳造方法として、自由鋳造方法が提案されている。特許文献1に示したように、溶融金属(溶湯)の表面(すなわち湯面)にスタータを浸漬させた後、当該スタータを引き上げると、溶湯の表面膜や表面張力によりスタータに追従して溶湯も導出される。ここで、湯面近傍に設置された形状規定部材を介して、溶湯を導出し、冷却することにより、所望の断面形状を有する鋳物を連続鋳造することができる。
通常の連続鋳造方法では、鋳型によって断面形状とともに長手方向の形状も規定される。とりわけ、連続鋳造方法では、鋳型内を凝固した金属(すなわち鋳物)が通り抜ける必要があるため、鋳造された鋳物は長手方向に直線状に延びた形状となる。
これに対し、自由鋳造方法における形状規定部材は、鋳物の断面形状のみを規定し、長手方向の形状は規定しない。そして、形状規定部材は、湯面に平行な方向(すなわち水平方向)に移動可能であるから、長手方向の形状が様々な鋳物が得られる。例えば、特許文献1には、長手方向に直線状でなく、ジグザグ状あるいは螺旋状に形成された中空鋳物(すなわちパイプ)が開示されている。
特開2012−61518号公報
発明者は以下の課題を見出した。
特許文献1に記載の自由鋳造方法では、形状規定部材を介して導出された溶湯を冷却ガスによって冷却している。具体的には、凝固した直後の鋳物に冷却ガスを吹き付け、間接的に溶湯を冷却している。ここで、冷却ガス流量を増やす程、鋳造速度を高め、生産性を向上させることができる。しかしながら、冷却ガス流量を増やすと、形状規定部材から導出された溶湯が冷却ガスによって搖動し、鋳物の寸法精度や表面品質が劣化してしまう。そのため、冷却ガス流量の増加による生産性の向上には限界があった。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、生産性に優れる引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る引上式連続鋳造方法は、
保持炉に保持された溶湯に外力を印加して湯面から引き上げながら冷却して溶湯を凝固させる引上式連続鋳造方法において、
溶湯を湯面から引き上げる際に、前記保持炉の内部に導入された芯材とともに溶湯を引き上げるものである。
このような構成により、生産性に優れる引上式連続鋳造方法を提供することができる。
本発明の他の態様に係る引上式連続鋳造方法は、
保持炉に保持された溶湯を、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材の溶湯通過部を通過させ、引き上げるステップと、
前記溶湯通過部を介して引き上げられた前記溶湯を冷却するステップと、を備え、
前記溶湯を引き上げるステップにおいて、前記保持炉の内部に導入された芯材とともに、前記溶湯通過部を介して前記溶湯を引き上げるものである。
このような構成により、生産性に優れる引上式連続鋳造方法を提供することができる。
前記溶湯を引き上げるステップにおいて、前記形状規定部材と同調させながら、前記芯材を水平方向へ移動させることが好ましい。
前記芯材として線材を用いることが好ましい。特に前記芯材として複数の線材を用いることが好ましい。この際、前記溶湯通過部において、前記複数の線材を等間隔に配置することが好ましい。さらに、前記溶湯をアルミニウム合金とし、前記線材を鉄系の金属線とすることが好ましい。
前記溶湯を冷却するステップにおいて、前記溶湯通過部を通過した前記溶湯から形成された前記鋳物に対し、冷却ガスを吹き付けることが好ましい。
本発明の一態様に係る引上式連続鋳造装置は、
溶湯を保持する保持炉と、
前記保持炉に保持された前記溶湯の湯面近傍に設置され、前記溶湯が通過する溶湯通過部により、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材と、
前記溶湯通過部を介して引き上げられた前記溶湯を冷却する冷却部と、
前記保持炉の内部に導入された芯材を前記溶湯通過部に導く位置決めガイドと、を備えたものである。
このような構成により、生産性に優れる引上式連続鋳造装置を提供することができる。
前記形状規定部材と同調させながら、前記位置決めガイドを水平方向へ移動させる第1の駆動部をさらに備えることが好ましい。前記位置決めガイドが、前記形状規定部材に固定されていてもよい。
また、前記芯材を前記保持炉の外部から内部に導く第1のガイドロールと、前記保持炉の内部に導入された前記芯材を前記位置決めガイドに導く第2のガイドロールと、を更に備えることが好ましい。連続的に芯材を供給することができる。ここで、前記形状規定部材と同調させながら、前記第2のガイドロールを水平方向へ移動させる第2の駆動部をさらに備えることが好ましい。
さらに、前記冷却部は、前記溶湯通過部を通過した前記溶湯から形成された前記鋳物に対し、冷却ガスを吹き付けることが好ましい。
また、前記芯材が線材であることが好ましい。
本発明の一態様に係る連続鋳造体は、長手方向に伸びた一方向凝固組織を有するマトリクスと、前記長手方向に伸びた複合相と、を備えたものである。長手方向に優れた強度を有している。
前記複合相が線材であることが好ましい。特に、前記マトリクスがアルミニウム合金を含み、前記線材が鉄系の金属線を含むことが好ましい。
本発明により、生産性に優れる引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法を提供することができる。
実施の形態1に係る自由鋳造装置の模式的断面図である。 実施の形態1に係る形状規定部材102の平面図である。 比較例に係る凝固界面における表面張力と保持溶湯の重力との釣り合いを示す図である。 実施の形態1に係る凝固界面における表面張力と保持溶湯の重力との釣り合いを示す図である。 実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102の平面図である。 実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102の側面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、実施の形態1に係る自由鋳造装置(引上式連続鋳造装置)について説明する。図1は、実施の形態1に係る自由鋳造装置の模式的断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る自由鋳造装置は、溶湯保持炉101、形状規定部材102、支持ロッド104、111、アクチュエータ105、112、冷却ガスノズル106、引上機108、ガイドロール109a、109b、位置決めガイド110を備えている。図1におけるxy平面は水平面を構成し、z軸方向が鉛直方向である。より具体的には、z軸のプラス方向が鉛直上向きとなる。
溶湯保持炉101は、例えばアルミニウムやその合金などの溶湯M1を収容し、溶湯Mが流動性を有する所定の温度に保持する。図1の例では、鋳造中に溶湯保持炉101へ溶湯を補充しないため、鋳造の進行とともに溶湯M1の表面(つまり湯面)は低下する。他方、鋳造中に溶湯保持炉101へ溶湯を随時補充し、湯面を一定に保持するような構成としてもよい。ここで、保持炉の設定温度を上げると凝固界面SIFの位置を上げることができ、保持炉の設定温度を下げると凝固界面SIFの位置を下げることができる。なお、当然のことながら、溶湯M1は他のアルミニウム以外の金属や合金であってもよい。
形状規定部材102は、例えばセラミックスやステンレスなどからなり、湯面近傍に配置されている。図1の例では、形状規定部材102の下側の主面(下面)が湯面に接触するように配置されている。形状規定部材102は、鋳造する鋳物M3の断面形状を規定するとともに、溶湯M1の表面に形成される酸化膜や溶湯M1の表面に浮遊する異物の鋳物M3への混入を防止する。図1に示した鋳物M3は、水平方向の断面(以下、横断面と称す)の形状が板状の中実鋳物である。なお、当然のことながら、鋳物M3の断面形状は特に限定されない。鋳物M3は、丸パイプや角パイプなどの中空鋳物でもよい。
図2は、実施の形態1に係る形状規定部材102の平面図である。ここで、図1の形状規定部材102の断面図は、図2のI−I断面図に相当する。図2に示すように、形状規定部材102は、例えば矩形状の平面形状を有し、中央部に溶湯が通過するための厚さt1×幅w1の矩形状の開口部(溶湯通過部103)を有している。図2には、溶湯通過部103を通過する5本の芯材200も点線で併せて図示されている。なお、図2におけるxyz座標は、図1と一致している。
図1に示すように、溶湯M1は、その表面膜、表面張力、芯材200との濡れ性などにより鋳物M3に追従して引き上げられ、形状規定部材102の溶湯通過部103を通過する。すなわち、溶湯M1が形状規定部材102の溶湯通過部103を通過することにより、溶湯M1に対し形状規定部材102から外力が印加され、鋳物M3の断面形状が規定される。ここで、溶湯の表面膜、表面張力、芯材200との濡れ性などによって、鋳物M3に追従して湯面から引き上げられた溶湯を保持溶湯M2と呼ぶ。また、鋳物M3と保持溶湯M2との境界が凝固界面SIFである。
支持ロッド104は、形状規定部材102を支持する。
アクチュエータ(第1の駆動部)105には、支持ロッド104が連結されている。アクチュエータ105によって、支持ロッド104を介して形状規定部材102が上下方向(鉛直方向)及び水平方向に移動可能となっている。このような構成により、鋳造の進行による湯面の低下とともに、形状規定部材102を下方向に移動させることができる。また、形状規定部材102を水平方向に移動させることができるため、鋳物M3の長手方向の形状を変化させることができる。
冷却ガスノズル(冷却部)106は、冷却ガス供給部(不図示)から供給される冷却ガス(空気、窒素、アルゴンなど)を鋳物M3に吹き付け、冷却する冷却手段である。冷却ガスの流量を増やすと凝固界面SIFの位置を下げることができ、冷却ガスの流量を減らすと凝固界面SIFの位置を上げることができる。なお、図示されていないが、冷却ガスノズル(冷却部)106も形状規定部材102の移動に合わせて、水平方向や上下方向に移動することができる。
スタータSTに連結された引上機108により鋳物M3を引き上げつつ、冷却ガスにより鋳物M3を冷却することにより、凝固界面SIF近傍の保持溶湯M2が順次凝固し、鋳物M3が形成されていく。引上機108による引上速度を速くすると凝固界面SIFの位置を上げることができ、引上速度を遅くすると凝固界面SIFの位置を下げることができる。
実施の形態1に係る自由鋳造装置では、溶湯M1中に芯材200を供給し、この芯材200を溶湯M1とともに形状規定部材102の溶湯通過部103を通過させる点に1つの特徴を有している。このように、芯材200とともに溶湯M1を引き上げるため、引上速度を速くして生産性を向上させることができる。同時に、製造される鋳物M3を芯材200により強化することができる。以下に詳細に説明する。
ガイドロール(第1のガイドロール)109aは、自由鋳造装置の外部から供給される芯材200を溶湯保持炉101の内部(すなわち溶湯M1中)に導入するためのガイドロールである。図1に示すように、ガイドロール109aは、溶湯保持炉101の近傍かつ上側に設けることが好ましい。
ガイドロール(第2のガイドロール)109bは、ガイドロール109aを介して溶湯M1中に導入された芯材200を形状規定部材102の溶湯通過部103に誘導するためのガイドロールである。図1に示すように、ガイドロール109bは、溶湯保持炉101の底面近傍かつ形状規定部材102の直下に設けることが好ましい。
なお、ガイドロール109a、109bについては、短尺の鋳物M3を製造する場合には必要ない。また、ガイドロール109a、109bの間に他のガイドロールを設けてもよい。
位置決めガイド110は、形状規定部材102に対する芯材200の位置を決定するためのガイドである。位置決めガイド110の位置決め穴110aを通過した芯材200は、形状規定部材102の溶湯通過部103内において所定の位置に配置される。そのため、位置決めガイド110は、溶湯通過部103の近傍かつ直下に設けられ、形状規定部材102と同調して移動する。図1の例では、位置決めガイド110は、形状規定部材102に固定されている。なお、位置決めガイド110は、形状規定部材102と同調して移動可能であれば、形状規定部材102に固定されなくてもよい。すなわち、形状規定部材102を駆動するアクチュエータ105とは異なる駆動機構により、位置決めガイド110を移動可能としてもよい。
支持ロッド111は、溶湯保持炉101の内部に設けられたガイドロール109bを支持する。
アクチュエータ(第2の駆動部)112には、支持ロッド111が連結されている。アクチュエータ112によって、ガイドロール109bを形状規定部材102と同調させて水平方向に移動させることができる。すなわち、ガイドロール109bと形状規定部材102との水平方向の位置関係(鉛直方向から見た位置関係)を維持することができる。
なお、図1の例では、ガイドロール109bは、上下方向(鉛直方向)には移動しない。そのため、鋳造の進行による湯面の低下とともに、ガイドロール109bと形状規定部材102とが接近する。もちろん、アクチュエータ112により、ガイドロール109bを上下方向にも移動可能としてもよい。
芯材200としては、溶湯M1の温度よりも融点が高い金属線(金属繊維)、表面処理を施したセラミックファイバ、カーボンファイバなどを用いることができる。溶湯M1がアルミニウム合金である場合、鉄系の金属線が特に好ましい。
また、芯材200は、溶湯M1と反応し難い方が好ましく、一方、溶湯M1との濡れ性は良い方が好ましい。濡れ性を向上させるために、芯材200に表面処理を施してもよい。具体的には、溶湯M1がアルミニウム合金である場合、芯材200にNiめっきを施してもよい。
芯材200の形状は特に限定されず、断面円形状の通常の線材に限らず、例えば平角線、金属箔なども用いることができる。さらに、金属線(金属繊維)、セラミックファイバ、カーボンファイバなどを編んだ布状の部材を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、芯材200として5本の線材が用いられているが、芯材200の本数は特に限定されない。芯材200の形状、本数、間隔などは製造する鋳物M3の断面形状や引上速度などに基づいて適宜決定される。しかしながら、図1に示すように、複数の芯材200が溶湯通過部103内において等間隔に配置されていることが好ましい。また、幅方向(y軸方向)だけでなく、厚さ方向(y軸方向)に芯材200を複数配置してもよい。
次に、芯材200を用いることにより、引上速度を速くすることができる原理について説明する。
まず、芯材200を用いない比較例について説明する。図3は、比較例に係る凝固界面における表面張力と保持溶湯の重力との釣り合いを示す図である。図3に示すように、凝固界面SIFにおける鋳物M3の厚さt、幅w、単位長さ当たりの表面張力γを用いて、保持溶湯M2を保持するための表面張力は、2γ(w+t)と表すことができる。
他方、溶湯の密度ρ、凝固界面SIFの溶湯表面(湯面)からの臨界高さh、重力加速度gを用いて、保持溶湯M2に掛かる重力はρwthgと近似することができる。ここで、保持溶湯M2を保持するための表面張力が保持溶湯M2に掛かる重力よりも大きい必要があるため、2γ(w+t)>ρwthgが成立する。そのため、凝固界面SIFの臨界高さh<2γ(w+t)/(ρwtg)となる。
なお、図3に示すように、保持溶湯M2は、末広がりな形状となるため、鋳物M3の厚さt、幅wは、溶湯通過部103の厚さt1、幅w1よりもそれぞれ小さい値となる。また、図3におけるxyz座標は、図1と一致している。
次に、芯材200を用いた本実施の形態について説明する。図4は、実施の形態1に係る凝固界面における表面張力と保持溶湯の重力との釣り合いを示す図である。図4に示すように、表面張力としては、上記の2γ(w+t)の他に、芯材200による表面張力が加わる。芯材200の本数n、芯材200の1本当たりの円周の長さc、芯材200による単位長さ当たりの表面張力γ’とすると、芯材200による表面張力は、nγ’cとなる。従って、保持溶湯M2を保持するための表面張力は、2γ(w+t)+nγ’cと表すことができる。
他方、溶湯の密度ρ、凝固界面SIFの溶湯表面(湯面)からの臨界高さh’、重力加速度gを用いて、保持溶湯M2に掛かる重力はρwth’gと近似することができる。ここで、保持溶湯M2を保持するための表面張力が保持溶湯M2に掛かる重力よりも大きい必要があるため、2γ(w+t)+nγ’c>ρwth’gが成立する。そのため、凝固界面SIFの臨界高さh’<{2γ(w+t)+nγ’c}/(ρwtg)となる。
ここで、明らかに臨界高さh<臨界高さh’である。すなわち、芯材200を用いることにより、凝固界面SIFの臨界高さがより高くなり、引上速度を速くすることができる。凝固界面SIFの高さを高くできれば、冷却される保持溶湯M2の表面積が増える。そのため、凝固界面SIFにおける凝固速度が向上し、結果的に凝固界面SIFを一定に維持するための引上速度が速くなるものと考えられる。
次に、図1を参照して、実施の形態1に係る自由鋳造方法について説明する。
まず、スタータSTに芯材200の先端を固定する。固定方法は特に限定されない。図1の例では、2枚のスタータSTに芯材200が挟持されている。芯材200を挟持したスタータSTを降下させ、形状規定部材102の溶湯通過部103を通して、スタータSTの先端部を溶湯M1に浸漬させる。
次に、所定の速度でスタータSTの引き上げを開始する。ここで、スタータSTが湯面から離間しても、表面膜や表面張力によって、スタータSTに追従して湯面から引き上げられた保持溶湯M2が形成される。図1に示すように、保持溶湯M2は、形状規定部材102の溶湯通過部103に形成される。つまり、形状規定部材102により、保持溶湯M2に形状が付与される。
次に、スタータSTは、冷却ガスノズル106から吹き出される冷却ガスにより冷却されているため、保持溶湯M2が上側から下側に向かって順に凝固し、鋳物M3が成長していく。このようにして、鋳物M3を連続鋳造することができる。
以上に説明した通り、実施の形態1に係る自由鋳造装置では、芯材200とともに溶湯M1を引き上げるため、引上速度を速くして生産性を向上させることができる。同時に、製造される鋳物M3を芯材200により強化することができる。
鋳物M3は、マトリクスが長手方向に伸びた一方向凝固組織を有している上、複合相として長手方向に伸びた芯材200を備えている。そのため、長手方向の強度に極めて優れている。このような組織を有する連続鋳造体は、過去に例がない。このような連続鋳造体は、自動車用のクラッシュボックス、バンパー、サイドメンバーなどに特に好適である。
(実施の形態1の変形例)
次に、図5、6を参照して、実施の形態1の変形例に係る自由鋳造装置について説明する。図5は、実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102の平面図である。図6は、実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102の側面図である。なお、図5、6におけるxyz座標も、図1と一致している。
図2に示された実施の形態1に係る形状規定部材102は、1枚の板から構成されていたため、溶湯通過部103の厚さt1、幅w1は固定されていた。これに対し、実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102は、図5に示すように、4枚の矩形状の形状規定板102a、102b、102c、102dを備えている。すなわち、実施の形態1の変形例に係る形状規定部材102は、複数に分割されている。このような構成により、溶湯通過部103の厚さt1、幅w1を変化させることができる。また、4枚の矩形状の形状規定板102a、102b、102c、102dは、同調してz軸方向に移動することができる。
図5に示すように、形状規定板102a、102bは、y軸方向に並んで対向配置されている。また、図6に示すように、形状規定板102a、102bは、z軸方向には同じ高さで配置されている。形状規定板102a、102bの間隔が、溶湯通過部103の幅w1を規定している。そして、形状規定板102a、102bが、独立してy軸方向に移動可能であるため、幅w1を変化させることができる。なお、溶湯通過部103の幅w1を測定するために、図5、6に示すように、形状規定板102a上にレーザ変位計S1、形状規定板102b上にレーザ反射板S2が設けてもよい。
また、図5に示すように、形状規定板102c、102dは、x軸方向に並んで対向配置されている。また、形状規定板102c、102cは、z軸方向には同じ高さで配置されている。形状規定板102c、102dの間隔が、溶湯通過部103の厚さt1を規定している。そして、形状規定板102c、102dが、独立してx軸方向に移動可能であるため、厚さt1を変化させることができる。
形状規定板102a、102bは、形状規定板102c、102dの上側に接触するように配置されている。
次に、図5、6を参照して、形状規定板102aの駆動機構について説明する。図5、6に示すように、形状規定板102aの駆動機構は、スライドテーブルT1、T2、リニアガイドG11、G12、G21、G22、アクチュエータA1、A2、ロッドR1、R2を備えている。なお、形状規定板102b、102c、102dも形状規定板102aと同様に駆動機構を備えているが、図5、6では省略されている。
図5、6に示すように、形状規定板102aは、y軸方向にスライド可能なスライドテーブルT1に載置、固定されている。スライドテーブルT1は、y軸方向に平行して延設された1対のリニアガイドG11、G12上に、摺動自在に載置されている。また、スライドテーブルT1は、アクチュエータA1からy軸方向に延設されたロッドR1に連結されている。以上のような構成により、形状規定板102aは、y軸方向にスライドすることができる。
また、図5、6に示すように、リニアガイドG11、G12、及びアクチュエータA1は、z軸方向にスライド可能なスライドテーブルT2上に載置、固定されている。スライドテーブルT2は、z軸方向に平行して延設された1対のリニアガイドG21、G22上に、摺動自在に載置されている。また、スライドテーブルT2は、アクチュエータA2からz軸方向に延設されたロッドR2に連結されている。リニアガイドG21、G22、及びアクチュエータA2は、水平な床面や台座(不図示)などに固定されている。以上のような構成により、形状規定板102aは、z軸方向にスライドすることができる。なお、アクチュエータA1、A2として、油圧シリンダ、エアシリンダ、モータなどを挙げることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
101 溶湯保持炉
102 形状規定部材
102a〜102d 形状規定板
103 溶湯通過部
104、111 支持ロッド
105、112 アクチュエータ
106 冷却ガスノズル
108 引上機
109a、109b ガイドロール
110 位置決めガイド
110a 位置決め穴
200 芯材
A1、A2 アクチュエータ
G11、G12、G21、G22 リニアガイド
M1 溶湯
M2 保持溶湯
M3 鋳物
R1、R2 ロッド
S1 レーザ変位計
S2 レーザ反射板
SIF 凝固界面
ST スタータ
T1、T2 スライドテーブル

Claims (12)

  1. 保持炉に保持された溶湯を、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材の溶湯通過部を通過させ、引き上げるステップと、
    前記溶湯通過部を介して引き上げられた前記溶湯を冷却するステップと、を備え、
    前記溶湯を引き上げるステップにおいて、前記保持炉の内部に導入された芯材とともに、前記溶湯通過部を介して前記溶湯を引き上げ、かつ、前記形状規定部材と同調させながら、前記芯材を水平方向へ移動させる、引上式連続鋳造方法。
  2. 前記芯材として線材を用いる、
    請求項に記載の引上式連続鋳造方法。
  3. 前記芯材として複数の線材を用いる、
    請求項に記載の引上式連続鋳造方法。
  4. 前記溶湯通過部において、前記複数の線材を等間隔に配置する、
    請求項に記載の引上式連続鋳造方法。
  5. 前記線材を金属線、カーボン繊維、セラミック繊維のいずれかで構成する、
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の引上式連続鋳造方法。
  6. 前記溶湯を冷却するステップにおいて、前記溶湯通過部を通過した前記溶湯から形成された前記鋳物に対し、冷却ガスを吹き付ける、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の引上式連続鋳造方法。
  7. 溶湯を保持する保持炉と、
    前記保持炉に保持された前記溶湯の湯面近傍に設置され、前記溶湯が通過する溶湯通過部により、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材と、
    前記溶湯通過部を介して引き上げられた前記溶湯を冷却する冷却部と、
    前記保持炉の内部に導入された芯材を前記溶湯通過部に導く位置決めガイドと、
    前記形状規定部材と同調させながら、前記位置決めガイドを水平方向へ移動させる第1の駆動部と、を備えた引上式連続鋳造装置。
  8. 前記位置決めガイドが、前記形状規定部材に固定されている、
    請求項に記載の引上式連続鋳造装置。
  9. 前記芯材を前記保持炉の外部から内部に導く第1のガイドロールと、
    前記保持炉の内部に導入された前記芯材を前記位置決めガイドに導く第2のガイドロールと、を更に備える、
    請求項7又は8に記載の引上式連続鋳造装置。
  10. 前記形状規定部材と同調させながら、前記第2のガイドロールを水平方向へ移動させる第2の駆動部をさらに備える、
    請求項に記載の引上式連続鋳造装置。
  11. 前記冷却部は、前記溶湯通過部を通過した前記溶湯から形成された前記鋳物に対し、冷却ガスを吹き付ける、
    請求項7〜10のいずれか一項に記載の引上式連続鋳造装置。
  12. 前記芯材が線材である、
    請求項7〜11のいずれか一項に記載の引上式連続鋳造装置。
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