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JP6003550B2 - 成形材料および成形材料の製造方法 - Google Patents

成形材料および成形材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐指紋性、および反射防止性に優れた表面層を有する成形材料、および成形材料の製造方法に関する。
物の表面に人の指が触れることによって指紋(指紋とは、指先の皮膚にある汗腺の開口部が隆起した線(隆線)により出来る紋様、及び前記文様が物体の表面に付着した跡をいう)が付着すると、指紋が認識されて見た目が汚れたような不快な印象を与えるという問題がある。例えば、携帯電話の筐体を掴むことで指紋が付着し、指紋が目立って清潔感が損なわれるというようなことである。特に最近では指で操作する電子機器が増加しており、例えば、スマートフォン・タブレットPC、キーボード、テレビ、エアコンのリモコン等である。
更に、画像表示機器の画像表示部、警告灯などの信号表示部、レンズ・鏡の表面等に指紋が付着すると、表示画像、表示信号、反射像における不鮮明感や、指紋が付着している箇所と付着していない箇所の反射率の違いなどによって視認性が悪化するという問題がある。例えば、スマートフォン・テレビ・カーナビゲーション・パソコンの液晶画面、案内・警告・避難誘導のための信号表示灯、メガネ・サングラス・望遠鏡・カメラのレンズ、時計の文字盤の透明カバー、車のバックミラー・ルームミラー等である。これらの機器に一旦指紋が付着すると指紋によって対象物の視認性が低下する。
また、スマートフォン、テレビ、パソコンのモニターなどの各種ディスプレイでは画像のコントラストを高く見せるため、表面に光沢感のある反射防止部材(アンチリフレクション)が用いられるが、このような反射防止部材は指で触ると指紋が視認されやすいという問題があり、指紋が視認されにくい、または拭き取りやすいことが求められている。(以降、物品表面への指紋が視認されにくい、または拭き取りやすい特性を「耐指紋性」と呼ぶ)。
このような問題に対して、指紋の視認されにくい反射防止部材として特許文献1では「基材の一方の面上に、光の波長550nmでの屈折率が1.75未満である低屈折率層、または、光の波長550nmでの屈折率が1.75以上である高屈折率層、または、その両方、を少なくとも含む薄膜層を形成してなる光学薄膜フィルムであって、前記薄膜層の面上に、乾燥膜厚が20μmであるオレイン酸を塗布したときに、前記オレイン酸を塗布した前記光学薄膜フィルムと、前記オレイン酸を塗布していない前記光学薄膜フィルムと、のD65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)の色差ΔE ab(={(ΔL+(Δa+(Δb1/2)が5以下であることを特徴とする光学薄膜フィルム。」が提案されている。
また、防汚層と反射防止層を積層したタッチパネル用の反射防止フィルム部材として、特許文献2では「光透過性の基材と、該基材とは所定の間隔をもって対向配置される光透過性のフィルム基材とを有し、上記基材上及び上記フィルム基材の上記基材との対向面上に、光透過性の導電層が形成されて成るタッチパネルにあって、上記フィルム基材上に、少なくともハードコート層、密着層、反射防止層及び防汚層がこの順に積層されて成り、上記反射防止層は、所定の屈折率を有する屈折率層が少なくとも2層以上積層されて成ることを特徴とするタッチパネル。」が提案されており、また、特許文献3では「少なくとも片面に透明導電性膜を有する第一の透明基板と第二の透明基板とが、透明導電膜同士が対向するように配置されたタッチパネルであって、(a)該タッチパネルの最外層として、活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂の硬化物からなるハードコート層及び屈折率の異なる2層以上の層からなる反射防止ハードコート層を有し、かつ(b)該反射防止ハードコート層の屈折率の異なる各層が、活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂の硬化物を主体とする層または該硬化物と金属酸化物粒子とを主体とする層である、ことを特徴とするタッチパネル。」が提案されている。
さらに、指紋を視認されにくくするために表面の形状に着目した技術として、特許文献4では「基板と、前記基板の表面にケイ素化合物と平均粒子径1〜100nmの親水性金属酸化物微粒子を含む耐指紋付着性コーティング被膜が形成された複合材であって、前記コーティング被膜の光沢度が8以下、色差が4.6未満であることを特徴とする耐指紋付着性コーティング被膜が形成された複合材。」が提案されている。
特開2009−122416号公報 特開2004−21550号公報 特開2004−46728号公報 特開2010−259971号公報
本発明が解決しようとする課題は、光沢感または透明性と実用上必要な耐擦傷性を維持しつつ、耐指紋性と反射防止性を両立可能な表面層を有する成形材料、および成形材料の製造方法を提供することにある。上記課題に対し前述の公知技術は次の状況にある。
まず特許文献1から3では、反射防止性は優れるが、本発明者らが様々な条件にて指紋の視認性を確認したところ、特許文献1から3の構成、および特性では耐指紋性が不十分であった。
特許文献4は、耐指紋性は良好だが、光沢感が大幅に低下し、また反射防止機能を得ることができない。また、表面の形状についても本発明において用いている微細な形状については着想に至っていない。
上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
1) 支持基材の少なくとも片面に、屈折率の異なる第2層及び第1層からなる表面層をこの順に有し、前記第1層表面の原子間力顕微鏡(AFM)によって観察される2乗平均粗さ(RMS)を超える高さを有するピーク数が25μm あたり500個以上1500個以下であり、かつ下記条件1から4を満たすことを特徴とする成形材料。
条件1.第1層表面のJIS Z8741(1997)で規定する60°鏡面光沢度が40%以上。
条件2.第1層表面のオレイン酸の後退接触角θが60°以上。
条件3.第1層表面のオレイン酸の前進接触角θと後退接触角θが式(1)を満たす。
(θ−θ)≦ 15° ・・・ 式(1)
条件4.入射光の波長380nmから780nmにおける最低反射率が2%以下。
2) 前記第1層が下記条件5および6を満たし、前記第2層が下記条件7を満たすことを特徴とする、1)に記載の成形材料。
条件5.入射光の波長580nmにおける屈折率が1.45以上1.50以下。
条件6.層厚みが80nm以上120nm以下。
条件7.入射光の波長580nmにおける屈折率が1.60以上1.75以下。
3) 前記第1層がフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有するフッ素化合物Aと、バインダー成分Aと、数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aとを含むことを特徴とする、1)または2)のいずれかに記載の成形材料。
) 前記粒子aが数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカであることを特徴とする、)に記載の成形材料。
) 前記成形材料の製造方法において、
(1)支持基材上に第2層を形成する工程
(2)(1)にて形成された第2層上に、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有するフッ素化合物A、バインダー原料A、および数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aを含む塗料組成物Aを塗布、乾燥、および硬化することにより前記第1層を形成する工程、を含む1)から)のいずれかに記載の成形材料の製造方法。
) 前記粒子aが、数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカであることを特徴とする、)に記載の成形材料の製造方法。
本発明によれば、光沢感もしくは透明性と実用上必要な耐擦傷性を維持しつつ、耐指紋性と反射防止性を両立する成形材料、および成形材料の製造方法を得ることができる。
本発明を実施するための形態を説明する前に、従来技術の問題点について本発明者の視点で考察する。
まず、観察者が指紋を認識するメカニズムは、指紋を構成する成分が付着した部分と、未付着部分の間で、光沢と色味の差が検知されたものと考えている。この光沢の差は付着部分と未付着部分間の光反射率の差と付着物の形態に起因し、光反射率の差は付着した成分の屈折率と表面層の屈折率の差に起因すると考えられる。
一方で一般的な反射防止部材は、可視光領域での光の干渉効果を用いて反射防止機能を発現するものであり、最も大気側、すなわち人の手が触れる層の屈折率をできるだけ大気の屈折率に近づけることが光学設計上有利になるため、通常この方法が用いられている。
そして、従来の反射防止部材での指紋付着対策は、前述のようにフッ素系材料等の撥油材料を添加することにより、指紋の付着を防ぐ、または取れやすくするなどの方法を用いているが、この方法では、最表面との屈折率差が大きく、接触角が高い状態の付着物が1箇所に集まりやすいため、非常に目立ちやすくなり、結果として効果不十分であった。
以上の点から従来の反射防止部材において指紋が目立ちやすい理由は、反射防止部材表面の屈折率の低い層に相対的に屈折率の高い指紋の構成成分が付着するため、一般的な透明材料に比べて非常に目立ちやすいと考えられる。
そこで本発明者らは耐指紋性と反射防止性の両立を次の3つの指針で達成した。すなわち、第1には指から表面への転移量の削減、および表面への付着物の拭き取り性向上による付着量の削減、第2には付着物の形態制御による光散乱の低減、第3には付着物と表面の屈折率を近づけることによる反射率差の低減、である。
前記指針に基づいた本発明の形態として、前記課題を解決するためには、表面層の第1層表面のJIS Z8741(1997)で規定する60°鏡面光沢度、オレイン酸の後退接触角、オレイン酸の前進接触角θaと後退接触角θrの差、および反射率を規定することで、達成可能なことを見出した。
すなわち、第1層表面のJIS Z8741(1997)に規定される60°鏡面光沢度の測定値は、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましく、値が大きいほど光沢感の点で良好であるものの、反射防止性との両立を可能とする現実的な上限値は100%程度と思われる。また、鏡面光沢度が40%未満では光沢感が不十分と感じられる場合がある。
また、前述の第1層表面のオレイン酸の後退接触角θは、60°以上であることが好ましく、70°以上がより好ましい。後退接触角の測定方法と意味については後述する。後退接触角は高い分には問題なく、一方で60°よりも低くなると指紋成分が付着しやすくなり、耐指紋性が低下する場合がある。
さらに、前述の第1層表面のオレイン酸の前進角接触角θ、後退接触角θは下記の式(1)を満たすこと、すなわち15°以下であることが好ましく、12°以下がより好ましく、10°以下が特に好ましい。式(1)の値は0もしくは正の値であれば小さい分には好ましく、一方でこの値が15°よりも大きくなると、指紋の拭き取り性が不十分なため、耐指紋性が低下する場合がある。
(θ−θ)≦ 15° ・・・ 式(1)
ここで、前述の後退接触角と前進接触角について説明する。固体表面の液体の接触角は本来熱力学的な量であり、系が定まれば1つの値をとるはずである。しかし実際には液体が固体表面を動く場合には、進行方向の接触角と反対側(後退側)の接触角は同じ値を取らないことが多い。このときの進行方法の接触角を前進接触角、反対側の接触角を後退接触角と呼ぶ。
前進接触角、後退接触角の値には、いくつかの測定方法があるが、転落角法のように原理的に液滴質量の影響を受ける方法は、避けるべきである。ここでは、拡張−収縮法による測定を説明する。拡張−収縮法による前進接触角の値は、第1層表面上に液体(オレイン酸)を付与して液滴を拡張するとき、液滴の接触角を連続的に複数回測定し、接触角が一定になったところの平均値で表される。同様にして後退接触角の値は、第1層表面上に液体(オレイン酸)を付与して液体を徐々に吐出して液滴を拡張した後、その液滴を吸引し液滴が収縮する過程で、液滴の接触角を連続的に複数回測定し、接触角が一定になったところの平均値で表される。具体的に、例えば1〜50μLの間で液体を吐出−吸引(液滴を拡張収縮)させる場合において、前進接触角は液液吐出時の1μLから50μL、後退接触角は液滴吸引時の50μLから1μLまでの間、1μLの間隔で測定し、液体の拡張、もしくは収縮過程において液滴の接触角がほぼ一定になったところの値を求めることにより決定することができる。拡張収縮法における接触角の測定は、例えば、Drop Master(協和界面科学株式会社製)を用いて測定することができる。
また、入射光の波長380nmから780nmにおける最低反射率が2%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.5%以下であり、値が小さいほど反射防止、視認性の点で良好であるものの、0%とすることは困難であり、現実的な下限値は0.01%程度と思われる。また、反射率が2%よりも大きい場合、フィルム表面での反射光量が大きくなるため、外光の写りこみなどが生じ、視認性が低下する場合がある。最低反射率の測定方法の詳細は、後述する。
次に、本発明の成形材料において、前述の特性を達成するためには、第1層の屈折率と層厚み、および第2層の屈折率を特定の範囲にすることが好ましい。すなわち本発明の第1層の入射光の波長580nmにおける屈折率は、1.45以上1.50以下が好ましく、より好ましくは1.46以上、1.48以下である。該屈折率が1.45未満または1.50より大きい場合、表面に付着した場合指紋が視認されやすくなることにより、耐指紋性が低下する場合がある。
また、第1層の層厚みは80nm以上120nm以下が好ましく、85nm以上115nm以下がより好ましく、90nm以上110nm以下が特に好ましい。
さらに、第2層の入射光の波長580nmにおける屈折率は1.60以上1.75以下が好ましく、1.60以上1.72以下がより好ましく、1.65以上1.70以下が特に好ましい。
第1層の層厚みが80nm未満や120nmより厚くなる場合、および第2層の屈折率が1.60未満、もしくは1.75よりも大きくなる場合には、視感度領域において光の干渉効果が得られず、外光の映り込みを強く感じるため反射防止機能が不十分となる場合がある。各層の屈折率、層厚みの測定方法は後述する。
次に、本発明の成形材料において、前記特性を得るためには第1層表面に微細な凹凸を有する層があることが好ましく、特に特定範囲の凹凸が単位面積当たりに存在する個数には好ましい範囲がある。この理由は明確ではないが、特定の微細な凹凸構造を導入することにより付着した指紋の成分が作る油滴を微細化し、付着物により引き起こされる光散乱および吸収を低減することにより視認されにくくなるためと推定している。なおここで油滴とは、第1層表面に付着した指紋を構成する液体および固体の微視的な凝集物をいう。
具体的には第1層表面の原子間力顕微鏡(AFM)によって観察される2乗平均粗さ(RMS)を超える高さを有するピーク数が、25μmあたり500個以上1500個以下であることが好ましく、800個以上1200個以下であることがより好ましい。この範囲を外れると、前述の指紋を構成する油滴の大きさを微細化する効果が不十分になる場合がある。
ここで、前記2乗平均粗さ(RMS)とは、平均線から測定曲線までの偏差の2乗を平均した値の平方根で、粗さ曲線から求めるものを指し、ピークとは平均線を基準に測定曲線までの距離が前記2乗平均粗さを超えるものを指す。
なお、一般的にはJIS R1683(2007)に基づく算術平均荒さ(Ra)が表面形状の指標として用いられるが、Raは表面全域の平均的な深さ情報を表す数値であり、本発明の成形材料が有するような局所的な凹凸構造の形状や数を評価する指標としては不向きである。
次に本発明の成形材料の第1層はフッ素化合物Aとバインダー成分Aと数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aとを含むことが好ましい。前記フッ素化合物A、バインダー成分A、粒子aの詳細については後述するが、フッ素化合物Aは表面エネルギーを低下させることにより、指紋を構成する液体の接触角を上昇させて付着量を低減させると共に、屈折率を調整する機能を持つものであり、バインダー成分Aは粒子aを結着させ、実用上必要な耐擦傷性を付与する役目を有する。粒子aは前述の微細な凹凸構造を形成するために用いている。なお、フッ素化合物A、バインダー成分A、粒子aのそれぞれの好ましい比率についても後述する。ここで粒子aの数平均粒子径は、JIS Z8819−2(2001)記載の個数基準算術平均長さ径を意味し、前記成形材料の断面を透過電子顕微鏡(TEM)によって観察して得られる値であり、その具体的な測定方法は後述する。
次に本発明の成形材料において、前述の粒子aの集合体には好ましい形態があり、具体的には数珠状に連結したおよび/または分岐した形態で存在することが好ましい。この粒子aの詳細については後述するが、粒子としてシリカを用いることにより、塗布−乾燥過程にて粒子aの表面状態に起因する粒子間相互作用と粒子間に存在する横毛管力によるいわゆる自己組織化が起こり、前記の好ましい凹凸構造を形成しやすい。
次に本発明の成形材料において、前記フッ素化合物Aはフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイルからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有する化合物が好ましく、より好ましくは、一つは含フッ素デンドリマーであり、もう一つはフルオロポリエーテル部位を有する材料である。これらの材料を用いることにより、最表面に低表面エネルギーを示す分子を高密度に存在させることができる。前記、含フッ素デンドリマー、フルオロポリエーテル部位については後述する。以下、本発明を要素ごとに説明する。
[成形材料、および表面層]
本発明の成形材料は本発明の特性、およびまたは材料を含む表面層をその表面に有していれば平面状(フィルム、シート、プレート)、3次元形状(成形体)のいずれであってもよい。ここで、本発明における「表面層」は、屈折率の異なる第2層および第1層からなり、支持基材の少なくとも片面に、第2層及び第1層がこの順に配置されている。表面層は、前記成形材料の表面から厚み方向に向かい、隣接する部位と元素組成、含有物(粒子等)の形状、物理特性が不連続な境界面を有することにより区別でき、有限の厚さを有する部位を指す。より具体的には、前記成形材料を表面から厚み方向に各種組成/元素分析装置(IR、XPS、XRF、EDAX、SIMS等)、電子顕微鏡(透過型、走査型)または光学顕微鏡にて断面観察した際、前記不連続な境界面により区別され、有限の厚さを有する部位を指す。
前記表面層は耐指紋性及び反射防止性に加えて、ハードコート、帯電防止、防汚性、導電性、熱線反射、近赤外線吸収、易接着等の他の機能を有してもよい。
[塗料組成物A]
前記塗料組成物Aは、本発明の製造方法において、塗布、乾燥、および硬化からなる一般的な塗布プロセスにより、前記第1層を第2層上に形成可能な常温にて液状の組成物を指し、フッ素化合物Aとバインダー原料A、および数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aを含んでいることが好ましく、塗料組成物Aは、上記以外にこの他に溶媒や、光重合開始剤、硬化剤、触媒などの各種添加剤を含んでもよい。構成材料の詳細については後述する。
[フッ素化合物A]
フッ素化合物Aとは、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有するフッ素化合物を指す。
ここで、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、フルオロオキシアルカンジイル基とはアルキル基、オキシアルキル基、アルケニル基、アルカンジイル基、オキシアルカンジイル基が持つ水素の一部、あるいは全てがフッ素に置き換わった置換基であり、いずれも主にフッ素原子と炭素原子から構成される置換基であり、構造中に分岐があってもよく、これらの部位が複数連結したダイマー、トリマー、オリゴマー、ポリマー構造を形成していてもよい。
また、反応性部位とは、熱または光などの外部エネルギーにより他の成分と反応する部位を指す。このような反応性部位として、反応性の観点からアルコキシシリル基及びアルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基や、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる、反応性、ハンドリング性の観点から、アルコキシシリル基、シリルエーテル基あるいはシラノール基や、エポキシ基、アクリロイル(メタクリロイル)基が好ましく、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基が特に好ましい。
フッ素化合物Aの一例は次の一般式(1)で表される化合物である。
f1−R−D ・・・一般式(1)
(Rf1はフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、フルオロオキシアルカンジイル基を含む部位を、Rはアルカンジイル基、アルカントリイル基、およびそれらから導出されるエステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、トリアジン構造を、Dは反応性部位を示す)。
一般式(1)の例としては2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリアクリロイル−ヘプタデカフルオロノネニル−ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらフッ素化合物Aのハンセンの溶解度パラメーターは前述の反応性部位の特性に応じて特徴付けられる。
また、フッ素化合物Aに好ましい材料のひとつは、フルオロポリエーテル部位を有する材料である前記フルオロポリエーテル部位とは、フルオロアルキル基、オキシフルオロアルキル基、オキシフルオロアルキルジイル基などからなる部位で、一般式(2)、(3)に代表される構造である。
CFn1(3−n1)−(CFn2(2−n2)O−
−(CFn3(2−n3)O−
・・・一般式(2)
−(CFn4(2−n4)O−(CFn5(2−n5)O−
・・・一般式(3)
ここで、n1は1〜3の整数を、n2〜n5は1または2の整数を、k、m、p、sは0以上の整数を指す。好ましくはn1は2以上、n2〜n5は1または2の整数であり、より好ましくはn1は3、n2とn4は2、n3とn5は1または2の整数である。
このフルオロポリエーテル部位の鎖長には好ましい範囲があり、炭素数が4以上12以下が好ましく、4以上10以下がより好ましく、6以上8以下がさらに好ましい。炭素数が、4未満では表面エネルギーが低下する場合があり、12超では溶媒への溶解性が低下する場合がある。
なお、フッ素化合物Aは1分子あたり複数のフルオロポリエーテル部位を有していてもよい。
上記フッ素化合物Aの市販されている例としては含フッ素デンドリマーとしては、FA−200(日産化学株式会社)、炭素数4以上12以下のフルオロポリエーテル部位を有する材料としては、RS−75(DIC株式会社)、オプツールDSX、オプツールDAC(ダイキン工業株式会社)、C10GACRY、C8HGOL(油脂製品株式会社)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
[粒子]
本発明の成形材料の表面層、および成形材料の製造方法に用いられる塗料組成物は、粒子を含むことが好ましく、表面層を構成する第1層、第2層の一方が含んでもよいし、両方が含んでもよい。この粒子とは無機粒子、有機粒子のいずれでもよいが、耐久性の観点から無機粒子が好ましい。無機粒子の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましい。無機粒子の種類数は1種類以上10種類以下がさらに好ましく、1種類以上3種類以下が特に好ましい。
ここで、「無機粒子」とは表面処理を施したものも含む。この表面処理とは、粒子表面に化合物を化学結合(共有結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、疎水結合等を含む)や吸着(物理吸着、化学吸着を含む)によって導入することを指す。
ここで無機粒子の種類とは、無機粒子を構成する元素の種類によって決まり、何らかの表面処理を行う場合には、表面処理される前の粒子を構成する元素の種類によって決まる。例えば、酸化チタン(TiO)と酸化チタンの酸素の一部をアニオンである窒素で置換した窒素ドープ酸化チタン(TiO2−x)とでは、無機粒子を構成する元素が異なるために、異なる種類の無機粒子である。また、同一の元素、例えばZn、Oのみからなる粒子(ZnO)であれば、その数平均粒子径が異なる粒子が複数存在しても、またZnとOとの組成比が異なっていても、これらは同一種類の粒子である。また酸化数の異なるZn粒子が複数存在しても、粒子を構成する元素が同一である限りは(この例ではZn以外の元素が全て同一である限りは)、これらは同一種類の粒子である。
[粒子a]
粒子aは無機粒子、有機粒子のいずれでもよいが、耐久性の観点から無機粒子であることが好ましく、金属や半金属の酸化物、窒化物、ホウ素化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩であることが好ましく、2種類の金属、半金属を含む複合酸化物や、格子間に異元素が導入されたり、格子点が異種元素で置換されたり、格子欠陥が導入されていてもよい。
無機粒子はSi、Al、Ca、Zn、Ga、Mg、Zr、Ti、In、Sb、Sn、BaおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属や半金属が酸化された酸化物粒子であることがさらに好ましい。
具体的にはシリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化アンチモン(Sb)およびインジウムスズ酸化物(In)からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属酸化物や半金属酸化物である。特に好ましくはシリカ(SiO)である。
さらに粒子aの数平均粒子径は、5nm以上250nm以下が好ましい。無機粒子の数平均粒子径が5nmよりも小さくなると、凹凸を形成する能力が十分ではない場合があり、250nmよりも大きくなると光沢感が低下する場合がある。
さらに、粒子aの形態は特に限定するものではないが、シリカが数珠状に連結(複数のシリカが連鎖状につながった形状)した長鎖の構造を有するもの、または、連結したシリカが分岐したものが好ましい。以降これらを数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカと呼ぶ。
前記数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカは、シリカの一次粒子を2価以上の金属イオンを介在させ粒子−粒子間を結合させたもので、少なくとも3個以上、好ましくは5個以上、更に好ましくは7個以上連結したものをいう。前記数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカの連結、分岐、屈曲状態は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて確認することができる。この数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカの市販品としては日産化学工業株式会社製の、PS−S、PS−M(水分散体)、IPA−ST(IPA分散体)、MEK−ST(MEK分散体)、扶桑化学工業株式会社製のPL−1−IPA(IPA分散体)、PL−1−MEK(MEK分散体)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
本発明の特に好ましい表面形状を得るためには、前述の数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカが、塗料組成物A中に含まれるバインダー原料Aの良溶媒中で安定に分散するのに必要な表面修飾がなされていることが特に好ましい。例えば、バインダー原料としてアクリル系モノマー、オリゴマーを使用する場合には、表面修飾としては炭素数1〜5以内のアルキル基、アルケニル基、ビニル基、(メタ)アクリル基などが必要最低限、表面に導入されていることが好ましい。これを満たす市販品としては、MEK−ST−UP(MEK分散体)がある。
本発明の塗料組成物A中に含まれる粒子aは、塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理において、熱や電離放射線などによりその表面状態を変化させた状態で前記第1層中に含まれる場合がある。すなわち、前記塗料組成物Aにおいて塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理がなされ、前記塗料組成物A中の粒子aは反応することにより、前記表面層中に含まれる粒子aとは粒子表面の官能基が異なる場合と、塗料組成物Aにおいて塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理がなされた後でも、表面層中に含まれる一部の粒子aについては、塗料組成物A中に含まれる粒子aと同様の状態で存在する場合(すなわち、未反応のまま存在する場合)がある。
粒子aの数平均粒子径は、後述のとおり、成形材料、塗料組成物のいずれにおいても走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡等を用いて一次粒子を観察し、各一次粒子の外接円の直径を等価粒子径とし、その数平均値から求めた値を指す。
粒子aの数平均粒子径は、表面、または断面を観察することにより数平均粒子径を求めることが可能であり、また、粒子aの数平均粒子径は、溶媒で希釈した塗料組成物Aを滴下、乾燥することによりサンプルを調製して観察することが可能である。
[第2層構成材料]
前記成形材料の第2層の屈折率に好ましい範囲があることは前述の通りである。さらに、第2層の層厚みは、80nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。第2層の層厚みが80nm未満であると反射防止機能が不十分になる場合がある。第2層の層厚みは80nm以上であれば特に問題ない。ただし、第2層の層厚みの上限は4000nm程度であり、それより厚い場合、反射防止性能、透明性が不十分になる場合がある。
前記成形材料の第2層は、粒子bとバインダー成分Bを主成分とすることが好ましい。本明細書で、主成分とは、特に断らない限り、全成分のうち50質量%以上を占める成分であることをいう。この場合は、粒子bとバインダー成分Bとの合計が50質量%以上であることを指す。また、前記成形材料の第2層の製造方法については特に限定されないが、支持基材上に塗料組成物(以下塗料組成物Bとする)を支持基材上に塗布、乾燥、および硬化する方法を用いることが好ましい。この塗料組成物Bは、粒子bとバインダー原料Bを主成分とすることが好ましい。バインダー成分B、バインダー原料Bについては後述する。
本発明の塗料組成物B中に含まれる粒子bは、塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理において、熱や電離放射線などによりその表面状態を変化させた状態で、前記第2層に含まれる場合がある。
すなわち、前記塗料組成物Bにおいて塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理がなされ、前記塗料組成物B中の粒子bは反応することにより、前記表面層中に含まれる粒子bとは粒子表面の官能基が異なる場合と、塗料組成物Bにおいて塗工、乾燥、硬化処理もしくは蒸着等の処理がなされた後でも、表面層中に含まれる一部の粒子bについては、塗料組成物B中に含まれる粒子bと同様の状態で存在する場合(すなわち、未反応のまま存在する場合)がある。
粒子bは無機粒子、有機粒子のいずれでもよいが、耐久性の観点から無機粒子であることが好ましく、金属や半金属の酸化物、窒化物、ホウ素化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩であることが好ましく、2種類の金属、半金属を含む複合酸化物や、格子間に異元素が導入されたり、格子点が異種元素で置換されたり、格子欠陥が導入されていてもよい。
粒子bは、粒子aとは異なる種類の無機粒子であることが好ましい。粒子bは特に限定されないが、金属元素、半金属元素の酸化物、窒化物、ホウ素化物、炭酸塩、硫酸塩であることが好ましく、Ga、Zr、Ti、Al、In、Zn、Sb、Sn、およびCeからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子であることがさらに好ましい。
粒子bは、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化アンチモン(Sb)、およびインジウムスズ酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つ、あるいはこれらの間の固溶体、および一部元素を置換、または一部元素が格子間に侵入、一部元素が欠損した固溶体、または種類の異なる無機粒子が接合した無機粒子である。粒子bは、特に好ましくはリン含有酸化スズ(PTO)、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)や酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)である。
また、粒子bは、粒子aよりも屈折率が高い無機粒子であることが好ましい。粒子bの屈折率は、好ましくは1.60〜2.80、より好ましくは1.65〜2.50である。粒子bの無機粒子部分の屈折率が1.60よりも小さくなると、得られる成形材料の粒子bを含む第2層の屈折率が低下し、粒子a含む第1層との屈折率差が小さくなるため、反射部防止機能が不十分になる場合がある、粒子bの屈折率が2.80よりも大きくなると、反射色が強く場合がある。
さらに、本発明の製造方法により得られる成形材料において、粒子aがシリカ粒子の場合は、粒子bは該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることが特に好ましく、このような屈折率が高い無機粒子としては、屈折率が1.60から2.80の無機化合物が好ましく用いられる。そのような無機化合物の具体例としては、アンチモン酸化物、アンチモン含有酸化亜鉛、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、および/または酸化チタン(TiO)が挙げられ、特に屈折率が高い酸化チタン、酸化ジルコニウムがより好ましい。
[バインダー成分A、バインダー成分B、バインダー原料A、バインダー原料B]
前記成形材料の第1層はバインダー成分Aを含むことが好ましく、前記成形材料の第2層はバインダー成分Bを含むことが好ましく、前記塗料組成物Aはバインダー原料Aを含むことが好ましく、前記塗料組成物Bは、バインダー原料Bを含むことが好ましい。
ここで前記バインダー原料A、バインダー原料Bとは前記塗料組成物A、塗料組成物B中に含まれる化合物であり、前記塗料組成物A、塗料組成物Bを塗布、乾燥、および硬化することにより形成された前記層に存在する前記バインダー成分A、バインダー成分Bの原料である。つまり、前記塗料組成物A、塗料組成物B中に含まれるバインダー原料A、バインダー原料Bが、熱や電離放射線などにより硬化して、第1層、第2層に含まれるものを、バインダー成分A、バインダー成分Bという。なお、一部のバインダー原料については、成形材料中でも塗料組成物中と同様の状態で存在する場合もあり(未反応のまま存在する場合もあり)、その場合でも成形材料中のものはバインダー成分という。
前記塗料組成物中のバインダー原料A、バインダー原料Bは特に限定するものではなく、同一でも、異なっていてもよい。また、製造性の観点より、熱および/または活性エネルギー線などにより、硬化可能であることが好ましい。塗料組成物A、塗料組成物B中のバインダー原料A、バインダー原料Bは、一種類であってもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、粒子a、粒子bを表面層中に保持する観点より、分子中にアルコキシ基、シラノール基、反応性二重結合、および開環反応可能な官能基を有しているモノマー、オリゴマーがバインダー原料A、バインダー原料Bであることが好ましい。さらにUV線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、嫌気性雰囲気下で硬化する方がより好ましい。酸素濃度を下げることにより最表面の硬化状態が向上し、耐薬品耐性が良化する場合がある。
このような塗料組成物中のバインダー原料A、バインダー原料Bは、具体的には多官能アクリレートモノマー、オリゴマー、アルコキシシラン、アルコキシシラン加水分解物、アルコキシシランオリゴマー等が好ましく、多官能アクリレートモノマー、オリゴマーがより好ましい。
多官能アクリレートモノマーの例としては、1分子中に3(より好ましくは4または5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートおよびその変性ポリマー、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートを「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、アクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基を総称して、表すものとする(上記以外に化合物中に「(メタ)アクリ・・・」が含まれる場合も同様である)。
市販されている多官能アクリル系組成物としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”(登録商標)シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”(登録商標)シリーズなど)、新中村化学株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名“UNIDIC”(登録商標)など)、東亞合成株式会社;(“アロニックス”(登録商標)シリーズなど)、日油株式会社;(“ブレンマー”(登録商標)シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”(登録商標)シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
多官能アクリレートオリゴマーの例としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが挙げられるが、本発明の成形材料の表面形状を得るためにはウレタンアクリレートが好ましい。さらに粒子の分散の観点から、ウレタンアクリレートのうちポリオール骨格に脂環式炭化水素(シクロヘキシル、トリシクロデカニル、イソボニル骨格)を有し、かつ1分子中に9(より好ましくは12)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単位構造からなるものが特に好ましい。
バインダー原料Aのハンセンの溶解度パラメーターはその官能基に応じて特徴付けられる。バインダー原料のハンセンの溶解度パラメーターには好ましい条件が存在する。具体的にはフッ素化合物Aのハンセンの溶解度パラメーターの分散項をσ、極性項をσ、水素結合項をσとし、バインダー成分のハンセンの溶解度パラメーターの分散項をσBd、極性項をσBp、水素結合項をσBhとしたとき、
R=[(σ−σBd+(σ−σBp+(σ−σBh1/2
により定義されるパラメーターRが3(MPa)1/2以上12(MPa)1/2以下の値を有することが好ましく、3(MPa)1/2以上8(MPa)1/2以下の値を有することがより好ましく、4(MPa)1/2以上6(MPa)1/2以下の値を有することが特に好ましい。パラメーターRが12(MPa)1/2を超える場合には透明性や光沢感が低下する。一方パラメーターRが3(MPa)1/2に満たない場合、またはσ<σBdを満たさない場合には指紋付着量が増加する。
[溶媒]
前記塗料組成物A、塗料組成物Bは溶媒を含んでもよい。溶媒の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下である。ここで「溶媒」とは、前述の粒子a、粒子b、フッ素化合物A、バインダー原料A、バインダー原料Bを溶解、もしくは分散することができ、塗布、乾燥、および硬化工程を経ることによって、ほぼ全量を蒸発させることが可能な常温、常圧で液体である物質を指す。
ここで、溶媒の種類とは溶媒を構成する分子構造によって決まる。すなわち、同一の元素組成で、かつ官能基の種類と数が同一であっても結合関係が異なるもの(構造異性体)、前記構造異性体ではないが、3次元空間内ではどのような配座をとらせてもぴったりとは重ならないもの(立体異性体)は、種類の異なる溶媒として取り扱う。例えば、2−プロパノールと、n−プロパノールは異なる溶媒として取り扱う。
[その他の添加剤]
前記塗料組成物A、塗料組成物Bとしては、更に光重合開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。光重合開始剤及び触媒は、無機粒子間、バインダー原料間、無機粒子とバインダー原料間の反応を促進するために用いられる。該開始剤としては、塗料組成物をラジカル反応等による重合および/またはシラノール縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
該開始剤、該硬化剤、及び触媒は、種々のものを使用できる。また、複数の開始剤を同時に用いてもよいし、単独で用いてもよい。さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤や光重合開始剤を併用してもよい。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、蟻酸、酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アルキルフェノン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではないが、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましく、具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、などが挙げられる。
なお、該開始剤及び該硬化剤の含有割合は、塗料組成物中のバインダー原料の合計100質量部に対して0.001質量部から30質量部が好ましく、より好ましくは0.05質量部から20質量部であり更に好ましくは0.1質量部から10質量部である。
前記塗料組成物A、塗料組成物Bは更に、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜含有させてもよい。
[塗料組成物A中の各成分の含有量]
前記塗料組成物Aは、フッ素化合物A、バインダー原料A、粒子aを含むが、塗料組成物A中のそれぞれの質量関係について説明する。
塗料組成物A100質量%において、フッ素化合物Aが0.025質量%以上40質量%以下、粒子aが0.2質量%以上55質量%以下、バインダー原料Aが0.8質量%以上66質量%以下、溶媒が10質量%以上95質量%以下、開始剤、硬化剤、触媒のその他の成分は0.025質量%以上7質量%以下が好ましく例示される。
より好ましくは、フッ素化合物Aが0.05質量%以上30質量%以下、粒子aが0.4質量%以上50質量%以下、バインダー原料Aが3.2質量%以上56質量%以下、溶媒が40質量%以上90質量%以下、開始剤、硬化剤、触媒のその他の成分が0.05質量%以上6質量%以下である。
[塗料組成物B中の各成分の含有量]
前記塗料組成物Bは、バインダー原料B、粒子bを含むが、塗料組成物B中のそれぞれの質量関係について説明する。
塗料組成物B100質量%において、粒子bが0.2質量%以上95質量%以下、バインダー原料Bが0.8質量%以上60質量%以下、溶媒が30質量%以上95質量%以下、開始剤、硬化剤、触媒のその他の成分が0.025質量%以上7質量%以下好ましく例示される。
より好ましくは、粒子bが0.4質量%以上90質量%以下、バインダー原料Bが3.2質量%以上50質量%以下、溶媒が40質量%以上90質量%以下、開始剤、硬化剤、触媒のその他の成分が0.05質量%以上6質量%以下である。
[支持基材]
本発明の成形材料が平面状である場合には、前記表面層を設けるため支持基材を必要とする。支持基材に特に限定はなく、ガラス板、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチックレンズ、金属板のいずれでもよい。
プラスチックフィルム、プラスチックシートを支持基材に使用する場合の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンなどが含まれるが、これらの中でも得にトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。
支持基材の表面には、前記層を形成する前に各種の表面処理を施すことも可能である。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[成形材料の製造方法]
本発明の成形材料の表面に形成される前記表面層、つまり第2層と第1層は蒸着、スパッタリング、CVDなどの気相処理、塗布、含浸、めっき、ケン化などの液相処理、転写、貼合などの固相処理、およびこれら処理の組み合わせによって成形材料の表面に形成してもよいが、蒸着による気相処理、塗布による液相処理が好ましく、塗料組成物を支持基材等に塗布することにより形成する液相処理がより好ましい。また、2層の形成を異なる方法で行ってもよいし、同じ方法で行ってもよい。
塗布による成形材料の製造方法は特に限定されないが、塗料組成物をディップコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法(米国特許第2681294号明細書)などにより支持基材等に塗布することにより層を形成することが好ましい。さらに、これらの塗布方式のうち、グラビアコート法または、ダイコート法が塗布方法としてより好ましい。塗料組成物の製造方法については後述する。
次いで、支持基材等の上に塗布された液膜を乾燥する。得られる成形材料中から完全に溶媒を除去する事に加え、液膜中の粒子により表面の構造の形成を促進する観点からも、乾燥工程では液膜の加熱を伴うことが好ましい。
乾燥方法については、伝熱乾燥(高熱物体への密着)、対流伝熱(熱風)、輻射伝熱(赤外線)、その他(マイクロ波、誘導加熱)などが挙げられる。この中でも、本発明の製造方法では、精密に幅方向でも乾燥速度を均一にする必要から、対流伝熱、または輻射伝熱を使用した方式が好ましい。さらに、フッ素化合物Aの表面への移動や配向、粒子の自己組織化の進行を制御する観点からは、輻射伝熱と対流伝熱を併用する乾燥方式が特に好ましい。
乾燥過程は一般的に(A)恒率乾燥期間、(B)減率乾燥期間に分けられ、前者は、液膜表面において溶媒分子の大気中への拡散が乾燥の律速になっているため、乾燥速度は、この区間において一定で、乾燥速度は大気中の被蒸発溶媒分圧、風速、温度により支配され、膜面温度は熱風温度と大気中の被蒸発溶媒分圧により決まる値で一定になる。後者は、液膜中での溶媒の拡散が律速となっているため、乾燥速度はこの区間において一定値を示さず低下し続け、液膜中の溶媒の拡散係数により支配され、膜面温度は上昇する。ここで乾燥速度とは、単位時間、単位面積当たりの溶媒蒸発量を表わしたもので、g・m−2・s−1の次元からなる。
前記乾燥速度には、好ましい範囲があり、10g・m−2・s−1以下であることが好ましく、5g・m−2・s−1以下であることがより好ましい。恒率乾燥区間における乾燥速度をこの範囲にすることにより、乾燥速度の不均一さに起因するムラを防ぐことができる。
0.1g・m−2・s−1以上10g・m−2・s−1以下の範囲の乾燥速度が得られるならば、特に特定の風速、温度に限定されない。
本発明の製造方法では、減率乾燥期間では残存溶媒の蒸発と共に、粒子の配列による緻密化が行われる。この過程においては粒子の配列のための時間を必要とするため、減率乾燥期間における膜面温度上昇速度には好ましい範囲が存在し、5℃/秒以下であることが好ましく、1℃/秒以下であることがより好ましい。
さらに、熱またはエネルギー線を照射する事によるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、硬化反応の活性化エネルギーの観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下である。
また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。また紫外線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3000mW/cm、好ましくは200〜2000mW/cm、さらに好ましくは300〜1500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3000mJ/cm、好ましくは200〜2000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[フッ素化合物A]
[フッ素化合物A1]
フッ素化合物A1としてフルオロポリエーテル部位を含む化合物(RS−75 DIC株式会社製)を使用した。
[フッ素化合物A2]
フッ素化合物A2として含フッ素デンドリマー(FA−200 日産化学工業株式会社製)を使用した。
[塗料組成物Aの作成]
[塗料組成物A1]下記材料を混合し塗料組成物A1を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 18.7 質量%
粒子a: 連鎖状オルガノシリカゾル MEK−ST−UP
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度20%) 45 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 13.5 質量%
溶媒: MEK 21.8 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A2] 下記材料を混合し塗料組成物A2を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 11.2 質量%
粒子a: 連鎖状オルガノシリカゾル MEK−ST−UP
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度20%) 45 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 16.5 質量%
溶媒: MEK 26.3 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A3] 下記材料を混合し塗料組成物A3を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 2.2 質量%
粒子a: 連鎖状オルガノシリカゾル MEK−ST−UP
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度20%) 15 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 26.1 質量%
溶媒: MEK 55.7 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A4] 下記材料を混合し塗料組成物A4を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A2 7.5 質量%
粒子a: 連鎖状オルガノシリカゾル MEK−ST−UP
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度20%) 45 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 13.5 質量%
溶媒: MEK 33 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A5] 下記材料を混合し塗料組成物A5を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 37.5 質量%
粒子a: 連鎖状オルガノシリカゾル MEK−ST−UP
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度20%) 45 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 6 質量%
溶媒: MEK 10.5 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A6] 下記材料を混合し塗料組成物A6を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 3.7 質量%
粒子a: 含酸化ジルコニウム粒子 F75
(CIKナノテック株式会社製 固形分濃度30%)25 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 21 質量%
溶媒: MEK 49.3 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A7] 下記材料を混合し塗料組成物A7を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A1 37.5 質量%
粒子a: オルガノシリカゾル IPA−ST−L
(日産化学工業株式会社製 固形分濃度30%) 30 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 6 質量%
溶媒: MEK 25.5 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A8] 下記材料を混合し塗料組成物A8を得た。
フッ素化合物A: フッ素化合物A2 37.5 質量%
粒子a: シリカ粒子 ハイプシカSP 600nm
(宇部日東化成株式会社 粉末) 30 質量%
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 6 質量%
溶媒: MEK 25.5 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物A9] 下記材料を混合し塗料組成物A9を得た。
フッ素化合物A: なし
粒子a: なし
バインダー原料A:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 30 質量%
溶媒: MEK 69 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%。
[塗料組成物Bの作成]
[塗料組成物B1]下記材料を混合し塗料組成物B1を得た。
粒子b: 含酸化チタン粒子 TO−1027TIV
(日揮触媒化成株式会社製 固形分濃度30%) 80 質量%
バインダー原料B:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 6 質量%
溶媒: MEK 13 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物B2]下記材料を混合し塗料組成物B2を得た。
粒子b: 含酸化チタン粒子 TO−1027TIV
(日揮触媒化成株式会社製 固形分濃度30%) 90 質量%
バインダー原料B:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 3 質量%
溶媒: MEK 6 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物B3]下記材料を混合し塗料組成物B1を得た。
粒子b: 含酸化チタン粒子 TO−1027TIV
(日揮触媒化成株式会社製 固形分濃度30%) 10 質量%
バインダー原料B:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 27 質量%
溶媒: MEK 62 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%
[塗料組成物B4]下記材料を混合し塗料組成物B1を得た。
粒子b: 含酸化チタン粒子 TO−1027TIV
(日揮触媒化成株式会社製 固形分濃度30%) 95 質量%
バインダー原料B:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 1.5 質量%
溶媒: MEK 2・5 質量%
光重合開始剤: 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン
(イルガキュア184 BASF社製) 1 質量%。
[成形材料の作製]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗工されている“ルミラー”U46(東レ株式会社製)を用いた。まず第2層目の形成として、前記塗料組成物Bを搬送速度10m/分の条件で、小径グラビアコーターおよび乾燥室前半部に赤外線パネルヒーターを有する連続塗工装置を用いて、固形分塗工膜厚が希望する膜厚になるようにグラビア線数、およびグラビアロール速度比を調整して塗工し、第2層目形成した。塗工から乾燥、硬化および液膜にあたる風の条件は下記条件の通りである。
第1乾燥
送風温湿度 : 温度:45℃、 相対湿度:10%
風速 : 塗工面側:5m/秒、 反塗工面側:5m/秒
風向 : 塗工面側:基材に対して平行、反塗工面側:基材に対して垂直
滞留時間 : 1分間
パネルヒーター設定温度:80℃
第2乾燥
送風温湿度 : 温度:100℃、 相対湿度:1%
風速 : 塗工面側:5m/秒、 反塗工面側:5m/秒
風向 : 塗工面側:基材に対して平行、反塗工面側:基材に対して垂直
滞留時間 : 1分間
硬化工程
照射出力 : 600W/cm
積算光量 : 120mJ/cm
酸素濃度 : 0.1体積%
なお、風速、温湿度は熱線式風速計(日本カノマックス株式会社 アネモマスター風速・風量計 MODEL6034)による測定値を使用した。
続いて、前記第2層目形成した表面上に、第1層目の形成として、前記塗料組成物Aを搬送速度10m/分の条件で、小径グラビアコーターおよび乾燥室前半部に赤外線パネルヒーターを有する連続塗工装置を用いて、固形分塗工膜厚が希望する膜厚になるようにグラビア線数、およびグラビアロール速度比を調整して塗工し、第1層目を形成した。塗工から乾燥、硬化および液膜にあたる風の条件は第2層目形成時と同様の条件である。
以上の方法により、実施例1〜13、比較例1〜2について、成形材料を作成した。
[成形材料の評価]
作製した成形材料について、次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表に示す。特に断らない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[60°鏡面光沢度]
成形材料の対象とする面の光沢度測定は、測定面の裏面をサンドペーパーで粗面化し、黒色塗料で塗りつぶしたものを日本電色工業株式会社製 VG7000を用いて、成形材料表面の光沢度をJIS Z 8741(1997)に従い60°鏡面光沢度を測定し、100%以上を合格とした。
[オレイン酸前進接触角、後退接触角]
前進接触角、後退接触角の測定は拡張−収縮法により測定を行い、協和界面科学株式会社製接触角計Drop Master DM−501を用いて、同装置の拡張−収縮法測定マニュアルに従った。前進接触角は、具体的にはシリンジからオレイン酸(ナカライ規格一級 ナカライテスク製)を液吐出速度8.5μL/秒で最終液量50μLまで連続的に吐出し、液滴の形状を0.5秒毎に30回撮影し、同画像から、同装置付属の統合解析ソフト“FAMAS”を用いてそれぞれの接触角を求めた。液滴の拡張過程での接触角は最初、拡張につれて変化し、次いでほぼ一定になる挙動を示すため、測定順に接触角データを並べ、その順に連続した5点を選択したとき、連続した5点の標準偏差が最初に1°以下になった時の平均値をその測定の前進接触角とし、この測定を1サンプルについて5回行い、その平均値を試料の前進接触角とした。
後退接触角は、初期液滴量50μL、液吐出速度8.5μL/秒で液滴を連続的に吸引し、同液滴の縮小過程の形状を撮影し、同様の方法でそれぞれの接触角を求めた。液滴の収縮過程の接触角は最初、収縮につれて変化し、次いでほぼ一定になる挙動を示すため、液滴の収縮していく方向に接触角を並べ、その順に連続した5点を選択したとき、連続した5点の標準偏差が最初に1°以下になったときの平均値をその測定の後退接触角とし、この測定を1サンプルについて5回行い、その平均値を試料の後退接触角とした。なお、サンプルによっては液滴の収縮過程の接触角が一定にならず、連続的に低下し続けるものもあるが、これについては後退接触角を0°とした。
[最低反射率]
反射防止機能の測定は測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗面化し、黒色塗料で塗りつぶしたものを株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて光の波長380〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた380から780nmの範囲の分光反射率から最低値を求め、これを最低反射率とし、2%以下を合格とした。
[第1層と第2層の平均膜厚]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、支持基材上の第1層と第2層の厚みを測定した。各層の厚みは、以下の方法に従い測定した。積層膜の断面の超薄切片をTEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から、ソフトウェア(画像処理ソフトImageJ)にて各層の厚みを読み取った。合計で30点の層厚みを測定して求めた平均値を、平均膜厚とした。
[第1層、第2層の屈折率]
第1層、第2層の個々の屈折率は、成形材料の積層膜に対して反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製、商品名[FE−3000])により、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア[FE−Analysis]を用い、大塚電子株式会社製[膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法)]に記載の方法に従い、550nmにおける屈折率を求めた。
屈折率の波長分散の近似式としてCauchyの分散式(数式1)を用い最小二乗法(カーブフィッティング法)により、光学定数(C1、C2、C3)を計算し、580nmにおける屈折率を測定した。
[ピーク数の測定]
成形材料を任意の場所で切り出した後、原子間力顕微鏡(SII社製、SPI3800)を用いて、観察モード=DFMモード、スキャナー=FS−20A、カンチレバー=DF−3、観察視野=5×5μm、分解能1024×512pixelsにて表面形態観察を行い観察像を得た。次いで2乗平均粗さの100%をピーク閾値にするため、「Peak Thrsh (%rms)」を100%に設定して解析を行い、ピーク数を求めた。
[粒子aの数平均粒子径]
走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察、測定した。観察試料は前記塗料組成物Aを分散媒(イソプロピルアルコール)に固形分濃度0.5質量%に希釈し、超音波にて分散後、導電テープ上に滴下、乾燥して調製した。数平均粒子径は、1視野あたり一次粒子の集合体としての個数が10個以上50個以下になる倍率にて観察を行い、得られた画像から一次粒子の外接円の直径を求めてこれを等価粒子径とし、観察数を増やし一次粒子100個について測定した値から数平均粒子径を求めた。
[耐指紋性(指紋付着性)]
指紋付着性は、成形材料の評価する面を上にして黒画用紙上に置き、指紋を押し付ける指(人差し指)と親指を3回こすってから、前記第1層表面の表面にゆっくりと押し付け、付着した指紋の視認性を下記の評価基準で評価し、5点以上を合格とした。
10点: 指紋が視認されない、もしくは未付着部との差がわからない
7点: 指紋がほとんど視認できない、もしくは指紋だとは認識されない
5点: 指紋が僅かに視認されるが、ほとんど気にならない
3点: 指紋が視認される
1点: 指紋が明確に視認され、非常に気になる
上記評価を10人の対象者について行い、その平均値を求めた。小数点以下については四捨五入して取り扱った。
[耐指紋性(指紋拭取り性)]
前述の方法で、指紋を付着させた後、次いで、折り上げ寸法が12.5×12.5cmのセルロース長繊維不織布ガーゼ(“ハイゼ”ガーゼ NT−4 川本産業株式会社製)を用いて拭取りを行った。指紋拭取り性は、この拭取り方法で拭いた後の視認性を下記の評価基準で評価し、5点以上を合格とした。
10点: 1回拭くと、ほぼ視認されなくなる
7点: 1回拭くと、ほぼ気にならない程度になる
5点: 3回拭くと、ほぼ視認されなくなる
3点: 5回拭けば、ほぼ気にならない程度になる
1点: 5回以上拭いても、汚れが残る
上記評価を10人の対象者について行い、その平均値を求めた。小数点以下については四捨五入して取り扱った。
[耐擦傷性]
成形材料の対象とする面に500g/cm荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを20往復した際に目視される傷の本数を記載し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
5点: 0本
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上。
Figure 0006003550
Figure 0006003550
本発明にかかる成形材料、塗料組成物、および成形材料の製造方法は、耐指紋性と反射防止性を付与するために好適に使用できるだけでなく、種々プラスチック成形品、カメラの最表面部のレンズ、メガネのレンズ、スマートフォン・テレビ・カーナビゲーション・パソコンの液晶画面
建築物や車両などの窓ガラスおよび種々の印刷物のそれぞれの表面に同様の機能を付与するためにも用いることができる。

Claims (6)

  1. 支持基材の少なくとも片面に、屈折率の異なる第2層及び第1層からなる表面層をこの順に有し、前記第1層表面の原子間力顕微鏡(AFM)によって観察される2乗平均粗さ(RMS)を超える高さを有するピーク数が25μm あたり500個以上1500個以下であり、かつ下記条件1から4を満たすことを特徴とする成形材料。
    条件1.第1層表面のJIS Z8741(1997)で規定する60°鏡面光沢度が40%以上。
    条件2.第1層表面のオレイン酸の後退接触角θが60°以上。
    条件3.第1層表面のオレイン酸の前進接触角θと後退接触角θが式(1)を満たす。
    (θ−θ)≦ 15° ・・・ 式(1)
    条件4.入射光の波長380nmから780nmにおける最低反射率が2%以下。
  2. 前記第1層が下記条件5および6を満たし、前記第2層が下記条件7を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の成形材料。
    条件5.入射光の波長580nmにおける屈折率が1.45以上1.50以下。
    条件6.層厚みが80nm以上120nm以下。
    条件7.入射光の波長580nmにおける屈折率が1.60以上1.75以下。
  3. 前記第1層がフルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有するフッ素化合物Aと、バインダー成分Aと、数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aとを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の成形材料。
  4. 前記粒子aが数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカであることを特徴とする、請求項に記載の成形材料。
  5. 前記成形材料の製造方法において、
    (1)支持基材上に第2層を形成する工程
    (2)(1)にて形成された第2層上に、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基およびフルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む部位と反応性部位とを有する化合物であるフッ素化合物A、バインダー原料A、および数平均粒子径が5nm以上250nm以下の粒子aを含む塗料組成物Aを塗布、乾燥、および硬化することにより前記第1層を形成する工程、を含む請求項1からのいずれかに記載の成形材料の製造方法。
  6. 前記粒子aが数珠状に連結したおよび/または分岐したシリカであることを特徴とする、請求項に記載の成形材料の製造方法。
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