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JP5999294B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造における鋳片の表面割れの発生を抑制した、鋼の連続鋳造方法に関するものである。
鋼板の機械的性質の向上を目的に、Cu、Ni、Nb、VおよびTiなどの合金元素を含有した低合金鋼が、特に厚鋼板に適用されている。このような低合金鋼を、例えば垂直曲げ型連続鋳造機を用いて鋳造する場合に、鋳片の矯正部や曲げ部において鋳片の鋳造方向と直交する矩形断面の四隅(以下、コーナー部ともいう)に応力が負荷され、表面割れ、とりわけコーナー部に割れが発生しやすい。このコーナー割れは厚鋼板の表面疵の原因となりやすく、鋼板製品の歩留まりを低下させる原因となる。
すなわち、低合金鋼の鋳片は、その凝固組織がオーステナイト相からフェライト相に変態するAr3変態点の近傍温度にて、熱間延性が著しく低下する。さらに、低合金鋼の鋳片では、2次冷却される過程において、AlNやNbCなどがオーステナイト粒界に析出し、脆化しやすい。そのために、鋳片表面、とりわけ応力が負荷されるコーナー部に割れが発生しやすい。
そこで、連続鋳造工程では、上述のコーナー割れを防止するために、2次冷却によって鋳片表面温度を制御し、鋳片凝固組織を割れにくい組織に制御することが一般に行われている。
例えば、特許文献1には、鋳片を矩形の鋳型から引き抜いた直後に鋳片の2次冷却を開始し、鋳片の表面温度を一旦Ar3変態点より低い温度に冷却した後に、Ar3変態点を超える温度に復熱させ、その後鋳片を矯正する際に、鋳片表面温度をAr3変態点より低い温度に保持する時間と鋳片表面温度が到達する最低の温度とを適切な範囲にすることによって、鋳片表面から少なくとも2mm深さまでの凝固組織を、オーステナイト粒界が不明瞭なフェライトおよびパーライトの混合組織とする技術が開示されている。
また、特許文献2には、凝固シェル厚が10mm以上15mm以下のところで鋳型による1次冷却を終了して2次冷却を開始し、鋳片全面の表面温度を鋳型を出てから2分以内の間に一旦600℃以上Ar3点以下の範囲まで低下させ、曲げ部における鋳片表面温度および矯正部における鋳片表面温度の両者が850℃以上となるように2次冷却を行う技術が開示されている。
特許第3702807号 特許第3058079号
しかしながら、上記した従来技術は、以下の問題点を抱えていた。
即ち、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、2次冷却スプレーから鋳片に噴射された後に鋳片を伝って流れる、垂れ水の影響が懸念される。とりわけ、鋳造速度が遅くなると、垂れ水が鋳片表面の冷却に影響して、例えば伝熱解析等により鋳片表面温度を定量的に制御することが困難になる場合があった。
さらに、特許文献2に記載の技術は、鋳片全面の温度をAr3変態点以下に低下させるために、多量のスプレー水を噴射せざるを得ない。鋳造厚みが大きい場合には更に多量のスプレー水が必要となるが、あまりに多量のスプレー水を噴射すると、鋳片の幅方向に温度バラツキが生じやすく、鋳片表層下での内部割れの発生が懸念されることになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来、2次冷却による鋳片組織の制御のみでは十分に解消されなかった鋳片の表面割れを、適切な形状の鋳造空間を有する鋳型を用いつつ2次冷却にて鋳片コーナー部の温度を制御することによって確実に抑制し、特にコーナー割れのない高品質なスラブを提供することにある。
本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)溶鋼を鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法において、
一対の鋳型長辺と一対の鋳型短辺とで区画される矩形空間の四隅を、前記鋳型長辺側の長さaに対する前記鋳型短辺側の長さbの比b/aが3.0以上6.0以下となる直角三角形状に取り除いた鋳造空間を有する、鋳型を用いて、
前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、前記鋳片の少なくともコーナー部の表面温度を、一旦Ar3点以下まで低下し、次いで、少なくとも該コーナー部の表面温度を800℃以上にしてから前記曲げ矯正点を800℃以上で通過させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(2)前記比b/aが4.0超である前記(1)に記載の鋼の連続鋳造方法。
(3)前記鋳型長辺側の長さaが4〜6mmおよび、前記鋳型短辺側の長さbが12〜36mmであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明に従って、適切な形状の鋳造空間が区画された鋳型を用いつつ、2次冷却により鋳片コーナー部の温度を制御することによって、連続鋳造鋳片のコーナー割れを防止し、高品質のスラブを提供することが可能となる。
連続鋳造機を示す図である。 鋳片コーナー部の結晶組織を示す模式図である。 鋳片コーナー部の結晶組織を示す模式図である。 鋳型を示す模式図である。 鋳型における面取り形状と鋳片コーナー部での応力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の連続鋳造方法について、図面を参照して、詳しく説明する。
さて、溶鋼は、例えば図1に示すような、垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて連続鋳造されるが、その際、特に曲げ矯正点での矯正時に鋳片コーナー部で表面割れを誘発させないために、適切な形状の鋳造空間が区画された鋳型を用いるとともに、鋳型直下の冷却帯において適切な冷却パターンを経ることが肝要である。
なお、図1において、符号1は取鍋2内に装入した溶鋼である。該溶鋼1は、取鍋2からロングノズル3、タンディッシュ4そして浸漬ノズル5を介して、水冷鋳型6内に供給される。この水冷鋳型6にて冷却された溶鋼1は、凝固殻を生成しながら鋳型6の出側へ導かれて鋳型6から引き抜かれ、鋳型6直下の2次冷却帯7にてさらに冷却されて凝固殻の成長を促進される。2次冷却帯7の出側において、鋳片は湾曲を強制されて水平方向に導かれてから、引き抜き矯正帯(曲げ部)8において曲げの矯正がなされて連続鋳造鋳片9となる。
ここで、発明者らは、図1に示した垂直曲げ型連続鋳造機にて鋳造された鋳片について、表面割れの観察を実施した。鋳片の割れは、下面コーナー及びその近傍(図2参照)に集中して発生している。なお、鋳片の下面側とは、垂直曲げ連鋳機の湾曲帯の曲げの外側、すなわち水平帯で下面となる長辺面側をいう。この割れ部をエッチングにて組織観察すると、図2に模式にて示すように、旧オーステナイト粒界に沿って割れが発生していることがわかった。これらの調査結果から、鋳片下面でのコーナー割れは、曲げ部での応力負荷によって発生すると考え、2次冷却条件を種々変更する実験を行った。
すなわち、種々の2次冷却条件にて伝熱解析を用いた実験を行ったところ、鋳型直下から曲げ部に入るまでの間に、鋳片コーナー部の表面温度を、一旦Ar3点以下に低下させ、その後、曲げ部に入るまでの間に、鋳片コーナー部の表面温度を2次冷却によって制御すれば、鋳片コーナー部の割れが低減することが分かった。
しかしながら、依然として、いくつかの鋳片では相変わらず下面側にコーナー割れが残存しており、これらコーナー割れの周囲の凝固組織を観察すると、図3に模式で示すように、鋳片表層は旧オーステナイト粒界の不明瞭なフェライト−パーライトの混合組織が得られつつあるものの、旧オーステナイト粒界も一部に残存している。そして、コーナー割れは、残存している旧オーステナイト粒界に沿って発生していることが判明した。
さらに、この現象を水モデル実験や数値解析手法を用いて調査・整理したところ、2次冷却水の垂れ水が影響していることが分かった。すなわち、2次冷却水はスプレーから鋳片に向かって噴射された後に、一部の水が鋳片表面を伝って流れ、いわゆる垂れ水となって鋳片の冷却に寄与する。この垂れ水は、鋳造速度や鋳造幅、さらには鋳片表面温度など鋳造条件が変化すると、その量も変化するため、垂れ水の影響を正確に評価することは非常に困難である。このような垂れ水が鋳片温度に影響を及ぼし、鋳片が想定以上に冷却された結果、凝固組織の一部に旧オーステナイト粒界が残存し、曲げ部の応力負荷に伴って旧オーステナイト粒界に沿う割れが発生したものと考えられた。
従って、垂れ水の影響を完璧に考慮に入れて鋳片温度を制御することができれば、凝固組織を完全なものにすることができる可能性も考えられるが、非常に緻密な解析に基づいたスプレー制御や設備メンテナンスを要することが想定され、工業的規模の製造においては現実的でない。
また、一般に、垂直曲げ型連続鋳造機は、曲げ部に入るまでの垂直部長さが例えば3.5m程度と短い鋳造機である。かように、曲げ部に入るまでの距離が短い連続鋳造機では、一旦Ar3点以下に温度を低下させる際に、垂れ水等の影響で過度に鋳片が冷却されると、その後、曲げ部に入るまでの間に復熱させるための時間を稼ぐことが難しく、凝固組織が不完全となることも想定される。
このような事情から、2次冷却スプレー水量のみを制御して鋳片表面温度をコントロールし、割れの発生しない完全な凝固組織に制御することは困難と考え、発明者らは2次冷却条件の規制に加えて、更なるコーナー部割れの抑制技術について検討を行った。
ここで、発明者らは、鋳片コーナー部への応力負荷に着目した。すなわち、図3に示したように、2次冷却条件を規制することで凝固組織は改善され、コーナー部割れの程度も図2と比較すると軽微なものとなるため、2次冷却条件に加えて、曲げ・矯正時にコーナー部にかかる応力を低減できれば、コーナー割れの発生を防止できる可能性があると考えた。
そこで、応力計算等による検討を行った結果、鋳片を、その鋳造方向と直交する矩形断面の四隅の角部を取除いた面取り形状とすることにより、鋳片のコーナー部での応力負荷を軽減できることを知見した。そして、鋳片の四隅を面取り形状とするには、矩形断面の鋳型の同様に矩形である鋳造空間の四隅(の直角部)を直角三角形状に取り除いて面取り形状とした、鋳型を用いて鋳造を行うことが肝要である。以下、このような面取り形状とした鋳造空間を有する鋳型を、チャンファーモールドとも称する。
ここで、チャンファーモールドについて、例えば特許文献3に、四隅に角落とし部を設けることが記載されている。この特許文献3に記載の技術は、鋳片コーナー部での凝固シェルの成長を正常化しコーナー部の凝固遅れによる鋳片内部欠陥を防止することを目的にしている。従って、特許文献3に記載されているチャンファーの形状が、本発明で所期する鋳片の表面割れの防止にも適しているかは不明である。すなわち、特許文献3に記載の技術では、鋼の凝固初期段階において、矩形断面の鋳型におけるコーナー部の凝固が他の部分よりも進みやすく、凝固収縮によって凝固シェルと鋳型の矩形コーナー部との間に生じたエアギャップが結果的に凝固遅れをまねいて内部欠陥となりやすかったものを、鋳型のコーナー部をチャンファー形状(面取り形状)にすることにより、コーナー部の鋳型冷却の程度をコーナー部以外の鋳型冷却に近い状態とするものである。具体的には、鋳造空間の四隅を各隅相互で均等に取除いたチャンファー形状を与えるものであるが、かようなチャンファーモールドを用いても図2に示したような、コーナー部の表面割れを抑制することはできなかった。
特許第4864559号
そこで、本発明の目的に適合する鋳型の面取り形状を明らかにすべく、鋭意検討を重ねた結果、特許文献3に記載の条件とは異なる新たな形状規定が必要であることが判明した。ここに、チャンファーモールドにおける面取り部について、矩形鋳造空間の各隅の直角部分を直角三角形状に取り除く面取りを行う場合に、図4にチャンファーモールドの上面図を示すように、該直角三角形を鋳型長辺11側の長さaに対する鋳型短辺12側の長さbの比b/aで規定し、この比b/aが鋳片のコーナー部における応力負荷に及ぼす影響について応力計算を行った。その計算結果を、面取り前の矩形モールドでの応力を100としたときの指数に整理して、図5に示す。
図5に示すように、まず、チャンファーモールドとすることによって鋳片のコーナー部への応力負荷が、矩形モールドと比較して小さくなることが分かる。特に、比b/aが3〜6の範囲において、鋳片コーナー部の応力負荷が低減する傾向にあることが分かる。更に、鋳型長辺1側の長さaが小さいほど鋳片コーナー部の応力負荷が小さくなることも分かった。
上述した知見の下、前記比b/aが1〜8の種々の鋳型を用いた連続鋳造において、鋳片が曲げ部に入るまでの間に、鋳片コーナー部の表面温度を一旦Ar3点以下に低下させ、その後曲げ部に入るまでの間に、鋳片コーナー部の表面温度を800℃以上にし、曲げ部を800℃以上で通過する条件にて2次冷却を行ったところ、比b/aが3〜6の鋳型を用いた場合に、鋳片コーナー部の表面割れを確実に抑制することができた。
なお、比b/aが3〜6の鋳型を用いても、鋳片コーナー部の表面温度がAr3点以下まで低下していない場合、曲げ部に入るまでの間に800℃以上になっていない場合、そして曲げ部の通過温度が800℃に至らない場合には、凝固組織に旧オーステナイト粒界が多く残存してしまうため、コーナー割れ発生率を十分に低減することはできない。
さらに、鋳型における比b/aは、4超であることが好ましい。なぜなら、比b/aが4以下の場合は、図5に示したように、b/aが4超〜6の場合と比較して、若干ではあるが、コーナー部にかかる応力負荷が高くなるためである。
また、鋳型長辺側の長さaが4〜6mmおよび、鋳型短辺側の長さbが12〜36mmであることが好ましい。なぜなら、図5に示したように、長辺側の長さaが短くなるほどコーナー部にかかる応力負荷は低減傾向にあり、長辺側の長さaが7mmの場合においては、4〜6mmの場合と比較して、やや応力負荷が大きくなる傾向にあるためである。
垂直曲げ型連続鋳造機により、表1に示す組成を有する、割れ感受性の高い低合金鋼を鋳造した。この鋼のAr3変態点は725℃である。鋳造条件は、鋳造厚み220〜300mm、鋳造幅1400〜2100mmおよび鋳造速度0.60〜2.50m/minの範囲であった。この条件での連続鋳造において、表2に示す種々の面取り部形状を有する鋳型を製作して用いた。比較として矩形の鋳型を使用する連続鋳造を、鋳造条件を同じくして実施した。
2次冷却水量は鋳造厚み、鋳造幅、鋳造速度に応じて変化させたが、鋳片コーナー部の表面温度を、曲げ部に入るまでに一旦、Ar3変態点以下に低下させ、その後、曲げ部に入るまでの間に復熱させて800℃以上にして曲げ部を800℃以上で通過するように伝熱解析を用いて調整した。比較として、鋳片コーナー部の温度が本発明の条件を満たさない鋳造も実施した。
なお、曲げ部通過時の鋳片温度は、熱電対や放射温度計を用いて測定することで確認した。鋳造後の鋳片は、鋳片表面の割れの観察を容易にするために、ショットブラストにより鋳片表面の酸化物を除去し、その後、カラーチェック(染色浸透探傷試験)を行って、コーナー部の割れ有無を調査した。そして、コーナー割れ発生率として、コーナー割れ鋳片本数/調査鋳片本数×100%で評価した。また、鋳片コーナー部から30mm角の凝固組織観察用サンプルを切り出し、観察面を研磨後、3%ナイタール腐食を行い、光学顕微鏡により凝固組織を観察した。
Figure 0005999294
これらの評価結果を表2に示す。なお、本発明例及び比較例ともに、各水準で10チャージ(1チャージは約300トン)の鋳造量を対象として評価している。
Figure 0005999294
比較例1及び2は、矩形モールドを用い、鋳片コーナー部温度も本発明を満たさない条件にて製造された例である。この場合、コーナー部の割れ発生率は9.4〜10.8%と高位であった。これらの凝固組織を観察したところ、図2で示したような旧オーステナイト粒界が明瞭な組織であった。
比較例3及び4は、矩形モールドを用い、鋳片コーナー温度は本発明を満たす条件である。この場合、コーナー割れ発生率は4.7〜5.2%であり、比較例1及び2と比較すると低位ではあるものの、更なる改善を要するレベルであった。これらの凝固組織は、図3で示したように、一部に旧オーステナイト粒界が残存する組織であった。
比較例5〜12は、チャンファーモールドを用い、鋳片コーナー温度は本発明を満たさない条件である。この場合も、コーナー割れ発生率は5.3〜7.3%となり、改善が必要なレベルであった。これらの凝固組織も、図2で示したような旧オーステナイト粒界が明瞭な組織であった。
比較例13〜15は、チャンファーモールドを用い、鋳辺コーナー温度も本発明を満たす条件である。但し、チャンファー部の形状について、長辺側の長さaと短辺側の長さbの比b/aは本発明を満たさない条件である。この場合も、コーナー割れ発生率は3.8〜4.5%となり、改善が必要なレベルであった。
一方、発明例1〜8は、チャンファーモールドを用い、鋳片コーナー温度が本発明を満たすように2次冷却スプレーを調整した条件である。これらについては、コーナー割れ発生率はいずれも1.4%以下と良好であった。これらの凝固組織を観察したところ、図3に示したような一部に旧オーステナイト粒界が残存する組織であり、比較例3及び4と同様の凝固組織であった。つまり、凝固組織が一部不完全であっても、チャンファーモールドを併用することにより、コーナー割れ発生を防止できることが確認できた。
上記した実施例1と同様の条件での連続鋳造を行うに際し、鋳型長辺側の長さaを4〜7mmとし、鋳型短辺側の長さbとの比b/aが3.0〜6.0の範囲で、鋳型短辺側の長さbを表3に示すように変化させた鋳型を用いた。そして、コーナー部割れの発生について、実施例1の場合と同様に評価した。その結果を、表3に併記する。
Figure 0005999294
発明例9〜32のうち、鋳型長辺側の長さaが4〜6mmで、且つ、b/aが4超〜6の条件においてはコーナー割れの発生を完全に抑制することができている。b/aが3〜4の場合にはわずかにコーナー割れの発生が認められたが、これらの発生率も0.6〜1.4%であり、十分に低位である。
一方、鋳型長辺側の長さaが7mmの場合(発明例33〜40)には、b/aが4超〜6の条件においても若干のコーナー割れ発生が認められ、発生率は0.6〜0.9%であった。また、b/aが3〜4の条件におけるコーナー割れ発生率は1.3〜1.9%であった。これらも十分に低位な発生率である。
すなわち、鋳型長辺側長さaを4〜6mmとし、b/aを3〜6、より好ましくは4超〜6の範囲とするのが本発明の好適例であることが分かる。その際、鋳型短辺側長さbは12〜36mmとなり、より好ましくは16mm超〜36mmの範囲となる。
なお、鋳型長辺側長さaが4mmを下回る場合は、鋳型の四隅において厳しい加工精度が求められるから、実操業においては4mm以上とすることが好ましい。ちなみに、面取り部は、例えば無垢の銅板に削り出し加工を施すことによって成形することができる。
上記のとおり、本発明のチャンファーモールドを使用し、鋳片コーナー部温度を適切な範囲で制御することで、コーナー割れ発生率の低い高品質な鋳片を効率良く製造できることが確認された。
1 溶鋼
2 取鍋
3 ロングノズル
4 タンディッシュ
5 浸漬ノズル
6 水冷鋳型
7 2次冷却帯
8 引き抜き矯正帯(曲げ部)
9 連続鋳造鋳片
11 鋳型長辺
12 鋳型短辺

Claims (3)

  1. 溶鋼を鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法において、
    一対の鋳型長辺と一対の鋳型短辺とで区画される矩形空間の四隅を、前記鋳型長辺側の長さaに対する前記鋳型短辺側の長さbの比b/aが3.0以上6.0以下となる直角三角形状に取り除いた鋳造空間を有する、鋳型を用いて、
    前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、前記鋳片の少なくともコーナー部の表面温度を、一旦Ar3点以下まで低下し、次いで、少なくとも該コーナー部の表面温度を800℃以上にしてから前記曲げ矯正点を800℃以上で通過させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記比b/aが4.0超である請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 前記鋳型長辺側の長さaが4〜6mmおよび、前記鋳型短辺側の長さbが12〜36mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼の連続鋳造方法。
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