JP5983353B2 - 吸収シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
吸収体には、吸収した液体、特に水分を保持する保液性が要求される。しかし、保液性の高い吸収体は、液体を透過させず自らに保持する性質を有するため、液体の吸収速度が遅い傾向があり、吸収体表面の液体残存量は通常高くなる。吸収体表面に液体が残存していると、吸収対象物が吸収性物品外に漏れたり、該吸収性物品と接触した部分が汚れる等の原因となる。そこで、吸収性物品においては、吸収体の上に、吸収体よりも透過性の高いトップシートを配置することが行われている。このような吸収性物品のトップシートと接した液体は、迅速にトップシートを透過して表面下に移行し、その後、吸収体に吸収される。この方法は、吸収対象物が尿などの低粘度の液体である場合は有効である。しかし、吸収対象物が高粘度の液体や固形分を含むもの、例えば粥状食品、クリーム状化粧料、軟便、泥状便などの排泄物は、トップシート上に残存しやすい。
例えば特許文献5には、水解性が良好で、液の吸収性と防漏性に優れた吸収物品として、肌側表面に現れる液透過性の表面シートと、着衣側表面に現れる水解性の裏面シートとを有し、前記表面シートとして特定の水解性不織布を用いたものが記載されている。
しかし、従来の吸収体や吸収性物品は、これらの特性を充分に満足するものとはいえない。特に、生分解性の吸収体や吸収性物品、なかでも水解性の吸収体や吸収性物品の場合、使用し得る原料が限定されており、吸水性能向上のために適用し得る技術も限定される。
したがって、高粘度の吸収対象物であっても迅速に吸収して吸収面側から見た吸収対象物の拡散面積を小さく出来、且つ保持し得る優れた吸収性能と、水解性の吸収体や吸収性物品として使用可能な優れた生分解性とを両立させ得る技術が求められる。
[1] 第一の原料繊維で構成される第一のウェブと、第二の原料繊維で構成される第二のウェブとが積層したエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層を備え、
前記第一の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を0.25質量%以上50質量%以下、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維を0.15質量%以上95質量%以下、セルロース繊維を0質量%以上5質量%未満含有し、
前記第二の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を2.5質量%以上50質量%以下、セルロース繊維を2.5量%以上95質量%以下含有することを特徴とする吸収シート。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸、酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と前記樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
[3] 前記第一の原料繊維が、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有する[1]または[2]に記載の吸収シート。
[4] 前記第一の原料繊維が、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維を含有する[1]乃至[3]のいずれかに記載の吸収シート。
[5] 前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上10質量%以下である[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の吸収シート。
[6]前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の繊度が10dtex以上である[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の吸収シート。
[7] 前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、ポリビニルアルコール樹脂繊維の含有量が、前記熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上である[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の吸収シート。
[8] 前記第二の原料繊維が、さらに、前記熱融着性繊維(X)を含有し、
前記第二の原料繊維中の、前記セルロース繊維の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、前記熱融着性繊維(X)の含有量が5質量%以上15質量%以下である[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の吸収シート。
[9] 前記第一のウェブの坪量が100g/m2以上500g/m2以下である[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の吸収シート。
得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程と、を有し、
前記第一の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を0.25質量%以上50質量%以下、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維を0.15質量%以上95質量%以下、セルロース繊維を0質量%以上5質量%未満含有し、
前記第二の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を2.5質量%以上50質量%以下、セルロース繊維を2.5量%以上95質量%以下含有することを特徴とする吸収シートの製造方法。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。
図1は、本発明の第一の実施形態の吸収シート10の構成を説明する概略縦断面図である。
吸収シート10は、第一領域1と第二領域2とからなる吸収層3を備えるものである。吸収層3は、第一のウェブと第二のウェブとが積層したエアレイドウェブを熱処理した不織布からなるもので、第一領域1、第二領域2はそれぞれ、該エアレイドウェブの第一のウェブ、第二のウェブに由来する。
なお、エアレイドウェブは、後述するように、第一のウェブを構成する第一の原料繊維、第二のウェブを構成する第二の原料繊維を、この順で、または逆の順で順次堆積させて形成されるものであり、これを熱処理して得られる不織布において、第一領域1と第二領域2との間に明確な界面は存在しない。
吸収シート10は、吸収層3の第一領域1側の表面にまず吸収対象物が接触するように用いられる。
「エアレイドウェブを熱処理した不織布」とは、ウェブ形成工程でエアレイド法によりウェブ(エアレイドウェブ)を形成し、繊維結合工程でサーマルボンド法により原料繊維を結合したものである。エアレイド法とは、空気流を利用して原料繊維を3次元的にランダムに積層させてウェブを形成する方法である。サーマルボンド法は、ウェブに対して熱処理を行ってウェブ中の熱融着性成分(本実施形態においては樹脂(A))を溶融させて原料繊維間に結合を形成させる方法である。エアレイド法とサーマルボンド法を組み合わせることによって、他の方法と比べて、吸収性能に優れた不織布が得られる。
例えば、ウェブの形成方法として、ローラーカード機(カーディングマシン)を用い、繊維塊を機械的に梳り、繊維長の長い原料繊維によりシート状のウェブを形成するカーディング法がある。カーディング法はエアレイド法と同じ乾式法であるが、得られる不織布は、同じ密度、厚みであっても、エアレイドウェブから形成された不織布の方が、吸収性能に優れ、高粘度の吸収対象物であっても、迅速に吸収し且つ保持し得る。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維長の短い原料繊維を積層させるウェブの形成方法であるため、得られたエアレイドウェブ中では、原料繊維が3次元的にランダムに配向する。このようなウェブに対し、サーマルボンド法を適用することで、得られるエアレイドウェブ中に、高粘度の吸収対象物の吸収、保持に適した空隙が多く形成されるものと考えられる。一方、例えばウェブをカーディング法で形成した場合、得られたカードウェブ中では、繊維がほぼ2次元に配向するため、空隙が少なくなると考えられる。
吸収層3においては、第一領域1側の表面にまず吸収対象物が接触する。
第一のウェブに対応する第一領域1は、原料繊維間の空隙が大きく、高粘度の吸収対象物であっても迅速に透過し、表面下に吸収し得る優れた透過性を有しており、吸収対象物の逆戻りをできるだけ抑制するため、吸収体の表面に吸収対象物が残留しない様に、吸収面側から見た吸収対象物の拡散面積を小さくすることが出来る透過層として機能する。また、第一領域1は、保形性に優れ、例えば吸収対象物の自重による厚みの減少といった型崩れが生じにくい。そのため厚みの減少等による吸収対象物の透過・吸収能力の低下が生じにくい。
第二のウェブに対応する第二領域2は、優れた吸液性と保液性を有し、第一領域1を透過した吸収対象物に含まれる液体(水分等)を吸収、保持する吸収層として機能する。吸収対象物が固形分を含む場合、固形分が第二領域2における原料繊維間の空隙を透過し得る微細なものであれば該固形分も保持し得る。また、第二領域2は保形性に優れる。そのため、第二領域2での液体吸収量が飽和状態になった場合でも液体自重による厚み減少は小さく、かつ第二領域2に外部から力が加わったときに、保持し得る液体量の減少につながる厚みの減少が生じにくい。
さらに、第一領域1、第二領域2はいずれも水解性を有している。また、第一領域1、第二領域2を構成する第一の原料繊維、第二の原料繊維は、それぞれ、生分解性を有する材料(樹脂(A)、樹脂(B)、ポリビニルアルコール、セルロース等)で構成されている繊維を一定量以上含んでいる。そのため、第一領域1と第二領域2はいずれも生分解性に優れる。そのため、吸収層3からなる吸収シート10は、使用後、そのまま水洗トイレットに流したり土に埋めたりする等の簡単な方法で廃棄できる。また、土に埋めて廃棄しても短い期間で分解する。
第一領域1は、第一の原料繊維で構成される第一のウェブに由来する。
第一の原料繊維は、当該第一の原料繊維中の、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が0.25質量%以上50質量%以下、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維を0.15質量%以上95質量%以下、セルロース繊維の含有量が0質量%以上5質量%未満である。なお、各含有量は、第一の原料繊維の総量(100質量%)に対する割合である。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。
第一のウェブは、上述のとおりエアレイド法により形成されるため嵩高い。 第一の原料繊維中に熱融着性繊維(X)を0.25質量%以上含有させると、形成される第一領域1内における原料繊維間の結着点が充分に存在し、保形性が向上する。第一の原料繊維中には、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維も含有される。 この複合繊維は中空部を有しているために、第一のウェブの坪量を低減できるとともに、クッション性が付与され、結果的に、本発明の吸収シートの剛性を低減することができる。該潜在捲縮性複合繊維は、例えば、熱収縮性の異なる樹脂がサイドバイサイド型に配されていることなどにより、シート形成時に加えられる熱によって捲縮(クリンプ、カール、スパイラル)し、効果的にシートにクッション性を付与することができる。 本発明においては、分子量の異なるポリ乳酸樹脂をサイドバイサイド型に配し、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの潜在捲縮性複合繊維が好ましく用いられる。 また、セルロース繊維を含まないか、含んでもその含有量が5質量%未満であることで、第一領域1における含水率(保水率)が低くなる。そのため形成される第一領域1は、嵩高く、低密度で、且つ型崩れしにくいものとなり、高粘度の吸収対象物に対しても優れた透過性を発揮する。
水解性の観点から、第一の原料繊維は、熱融着性繊維(X)に加えて、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有することが好ましい。これにより、相対的に熱融着性繊維(X)の比率が低くなり、第一領域1内における原料繊維同士の結着点が少なくなるため、第一領域1の水解性が向上する。
水解性の観点から、第一の原料繊維は、熱融着性繊維(X)に加えて、または熱融着性繊維(X)および高融点繊維(Y)に加えて、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維(以下、PVA繊維という。)を含有することが好ましい。水溶性の繊維であるPVA繊維を組み合わせることで、多量の水と接したときに、PVA繊維が溶解することで第一領域1内における原料繊維間の結着点が減少し、第一領域1が分解(水解)する。また、土に埋める等の処理を行ったときにも分解しやすくなるなど生分解性が向上する。
熱融着性繊維(X)としての繊維(x1)、繊維(x2)はそれぞれ、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
ここで「熱融着性繊維」とは、繊維群をなす原料繊維の少なくとも一部が、熱融着性成分であるため、熱処理による熱融着が可能とされた原料繊維のことをいう。
繊維(x1)、繊維(x2)はいずれも樹脂(A)を熱融着性成分とするものである。
繊維(x1)は、樹脂(A)からなり、熱処理によりその一部または全部が溶融し、溶融した部分が原料繊維の表面同士を融着するバインダーとして作用する。
繊維(x2)は、樹脂(A)と樹脂(B)とからなるもので、熱処理により、樹脂(A)で構成される部分(例えば芯鞘構造の鞘の部分)の一部または全部が溶融し、溶融した部分がバインダーとして作用する。
樹脂(B)は、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種である。樹脂(B)は、生分解性に優れるとともに、サーマルボンド法による繊維結合工程で溶融せず繊維形態を維持するのに適した170℃以上の融点を有する。樹脂(B)の融点は、170〜250℃であることが好ましい。
なお、本明細書において、樹脂の融点は、微量融点測定法 DSC(走査熱量計)などにより測定される値である。
繊維(x1)を構成する樹脂(A)は1種でも2種以上でもよい。
繊維(x1)を構成する樹脂(A)が2種以上である場合、繊維(x1)は、2種以上の樹脂(A)の混合物からなるものであってもよく、2種以上の樹脂(A)を複合化した複合合成繊維であってもよい。複合合成繊維としては、例えば、異なる2種の樹脂(A)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。
繊維(x2)を構成する樹脂(A)、樹脂(B)はそれぞれ1種でも2種以上でもよい。
繊維(x2)としては、例えば、樹脂(A)と樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造の場合、樹脂(A)が鞘部分を構成し、樹脂(B)が芯部分を構成する。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。
繊維(x2)における樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(例えば芯鞘型構造における芯鞘複合比)は、樹脂(A)/樹脂(B)=2/8〜8/2が好ましく、4/6〜6/4がより好ましい。
潜在捲縮合成繊維は、熱により捲縮(クリンプ、カール、スパイラル)が顕在化する合成繊維である。エアレイドウェブに対して熱処理した際に捲縮が顕在化することで、より嵩高くなる。
繊維(x2)として用いられる潜在捲縮合成繊維としては、例えば、樹脂(A)と樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、偏芯芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。
潜在捲縮合成繊維は、あらかじめ緩やかな捲縮を有しているものでもよいし、有していないものでもよい。
原料繊維の繊維径は、単位「dtex(デシテックス)」で表す。1dtexとは、長さ10000mで1gの重さの糸の太さである。
繊維(x2)として潜在捲縮合成繊維を用いると、さらに嵩が高く、高粘度の吸収対象物の吸収性に優れる傾向にあり好ましい。
第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、保形性、透過性の観点では、5質量%以上が好ましく、水解性、生分解性の観点では、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
ただし、第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量を10質量%以上とする場合は、充分な水解性を得るためには、さらに、第一の原料繊維にPVA繊維を含有させることが好ましい。
これらを考慮すると、第一の原料繊維がPVA繊維を含まない場合は、第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、2質量%以上20質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
第一の原料繊維がPVA繊維を含む場合は、第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、2質量%以上50質量%以下の範囲内であれば特に限定されないが、10質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下が特に好ましい。
第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下である場合、第一の原料繊維中のPVA繊維の含有量は、熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上であることが好ましく、100〜200質量%であることがより好ましい。
第一の原料繊維中にはポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの複合繊維も含有される。 この複合繊維は中空部を有しているために、第一のウェブの坪量を低減できるとともに、クッション性が付与され、結果的に、本発明の吸収シートの剛性を低減することができる。 さらに、該複合繊維は熱により捲縮(クリンプ、カール、スパイラル)が顕在化する潜在捲縮合成繊維である。エアレイドウェブに対して熱処理した際に捲縮が顕在化することで、本発明の第一のウェブはより嵩高くなる。 該複合繊維の平均繊度はとしては、5〜50dtexの範囲のものが使用される。 該複合繊維の平均繊度が5dtex未満であると形成される第一のウェブを構成する繊維間の空隙が小さくなり、吸収対象の液体が速やかにウェブ中を透過しにくく、吸収シートの表面に吸収対象物が残留しない様に、吸収面側から見た吸収対象物の拡散面積を小さくすることが出来ないため好ましくない。 一方、50dtexを越えると、吸収シート表面の第一のウェブに粗い繊維が含有されるため感触が劣るため好ましくない。
第一の原料繊維中に含有される、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの潜在捲縮性繊維の量は0.15質量%以上95質量%以下である。 0.15質量%未満であると、嵩高性付与に充分な効果が認められなくなることから好ましくなく、95質量%を越えるとシート中の繊維間の接着点が少ないために十分な接着性を得られず、シートとして形態が保てなくなるため好ましくない。
本発明に用いられる中空部を有した潜在捲縮性繊維としては、熱収縮性の異なる樹脂(B)が、例えば、サイドバイサイド型に配置された中空の複合繊維を挙げることができる。 特に、分子量の異なるポリ乳酸樹脂をサイドバイサイド型に配し、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの複合繊維を好ましく使用することが出来る。
高融点繊維(Y)は、前記樹脂(B)からなる繊維である。
高融点繊維(Y)としては、樹脂(B)からなるものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
高融点繊維(Y)を構成する樹脂(B)は1種でも2種以上でもよい。
高融点繊維(Y)を構成する樹脂(B)が2種以上である場合、高融点繊維(Y)は、2種以上の樹脂(B)の混合物からなるものであってもよく、2種以上の樹脂(B)を複合化した複合合成繊維であってもよい。複合合成繊維としては、例えば、異なる2種の樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。
高融点繊維(Y)の繊維長は、熱融着性繊維(X)と同様、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。
高融点繊維(Y)の繊維径は、熱融着性繊維(X)と同様、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。
高融点繊維(Y)としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第一の原料繊維中の高融点繊維(Y)の割合は、0〜93質量%が好ましく、0〜90質量%がより好ましく、40〜88質量%がさらに好ましい。
PVA繊維は、多量の水と接したときに溶解するものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
PVA繊維を構成するポリビニルアルコール樹脂としては、生分解プラスチックのJIS規格K6950(ISO14851)を満たすものが望ましい。
PVA繊維の繊維長は、熱融着性繊維(X)と同様、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。
PVA繊維の繊維径は、熱融着性繊維(X)と同様、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。
第一の原料繊維は、前記熱融着性繊維(X)、前記高融点繊維(Y)及びPVA樹脂繊維以外の他の繊維を含有してもよい。
該他の繊維として、第一領域1の生分解性を損なわないものであればよく、例えば、セルロース系繊維(パルプ、レーヨン、キュプラ、コットンなど)、天然繊維等が挙げられる。
セルロース繊維としては、後述する第二領域2の説明で挙げるものと同様のものを使用できる。
ただしセルロース繊維は、含有量が多すぎると、第一領域1の透過性を損なうおそれがある。そのため、第一の原料繊維中のセルロース繊維の割合は、5質量%未満であり、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
なかでも、水解性に優れた吸収シートが得られる点で、下記の原料繊維(I−1)または(I−2)であることが好ましい。
原料繊維(I−1):高融点繊維(Y)とPVA繊維との合計量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上)であり、熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上20質量%以下(さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下)である原料繊維。
原料繊維(I−2):熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、PVA繊維の含有量が、熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上(好ましくは100質量%以上)である原料繊維。
原料繊維(I−1)、(I−2)はそれぞれ、高融点繊維(Y)と、PVA繊維と、熱融着性繊維(X)との合計量が100質量%であることが特に好ましい。
該他の成分としては、吸収シートにおける添加剤として公知の添加剤を特に制限することなく用いることができ、例えば機能性粉体、機能性繊維、機能性液体等が挙げられる。
機能性粉体、機能性繊維としては、消臭機能、抗菌機能、抗ウイルス機能、抗アレルゲン機能、防カビ機能、芳香機能、機能性液体 等のいずれか1種以上の機能を有するものが好ましく、例えばゼオライト、活性炭、キチン、キトサン、ホタテ貝殻、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、植物抽出物、キノコ抽出物、カテキン、フラボノール、シクロデキストリン、コラーゲン繊維、酸化鉄、クエン酸、ジンクピリチオン、ヒノキチオール、ユーカリエキス等が挙げられる。
第二領域2は、第二の原料繊維で構成される第二のウェブに由来する。
第二の原料繊維は、当該第二の原料繊維中の、セルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下である。なお、該含有量は、第二の原料繊維の総量(100質量%)に対する割合である。
また、セルロース繊維を含むことで、第二領域2内における原料繊維間の結着点が過剰にならず、多量の水と接したときに第二領域2が分解(水解)する。また、土に埋める等の処理を行ったときにも分解しやすくなるなど生分解性が向上する。
この場合、第二の原料繊維中の、セルロース繊維の含有量が2.5質量%以上95質量%以下であり、熱融着性繊維(X)の含有量が2.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、セルロース繊維の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、熱融着性繊維(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
上述のとおり、熱融着性繊維(X)における樹脂(A)は、比較的融点が低い樹脂であり、サーマルボンド法による繊維結合工程にて熱融着性成分として機能する。そのため、第二の原料繊維中に熱融着性繊維(X)を5質量%以上含有させると、形成される第二領域2内における原料繊維間の結着点が充分に存在し、保形性が向上する。保形性が向上することで、第二領域2での液体吸収量が飽和状態になった場合でも液体自重による厚み減少は小さく、かつ第二領域2に外部から力が加わったときに厚みが減少しにくい。そのため厚みの減少によって、吸液可能な液体量が低下することを抑制できる。これらが相乗的に作用することで保液性が向上すると考えられる。
熱融着性繊維(X)を含有させても、その含有量が15質量%以下であれば、優れた生分解性を維持できる。
セルロース繊維としては、従来、吸収体に用いられている各種セルロース繊維が使用できる。セルロース繊維の材質としては、例えばパルプ、レーヨン、コットン、キュプラ等が挙げられる。
セルロース繊維としては繊維長、異物、生産性、原料価格などの点で、パルプ繊維が好ましい。
パルプ繊維としては、木材パルプ(針葉樹、広葉樹)、ラグパルプ、リンターパルプ、リネンパルプ、楮・三椏・雁皮パルプなどの非木材パルプ、古紙パルプなどの原料パルプから得られたものが例示できる。また、原料パルプとしては、機械パルプ(GP、RGP、TMPなど。)、化学パルプ(亜硫酸パルプ、クラフトパルプなど。)のいずれも使用できる。これらのなかでは、供給量、品質の安定性、コストなどの点から、クラフトパルプが好ましい。
パルプ繊維の繊維長は、4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
パルプ繊維としては、通常の木材パルプ等が使用できるが、低密度の不織布とするため、及び熱可塑性合成樹脂繊維との混綿のし易さのため等から、長さ平均加重で求められるコースネスが0.1mg/mから0.3mg/m、好ましくは0.12mg/m〜0.25mg/mのものが好適に使用される。
第二の原料繊維中のセルロース繊維の割合は、5質量%以上98質量%以下であり、50質量%以上95質量%以下が好ましい。セルロース繊維の割合が5質量%以上であることにより、生分解性、水解性が充分に向上する。98質量%以下であることにより保液性が向上する。
熱融着性繊維(X)における繊維(x1)、繊維(x2)としてはそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
第二の原料繊維に含まれる熱融着性繊維(X)と第一の原料繊維に含まれる熱融着性繊維(X)は同じでも異なってもよい。
第二の原料繊維において、熱融着性繊維(X)(繊維(x1)、繊維(x2))の繊維長は2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。このような繊維長であると、エアレイドウェブを形成する際に、これらの繊維が3次元的にランダムに積層し、その結果、第二領域2が、嵩高く、優れた保液性を発現するものとなりやすい。また、型崩れもしにくくなる。一方、繊維長がこの範囲の下限値未満では、第二領域2において繊維が密になり、吸収性が低下するおそれがある。
熱融着性繊維(X)の繊維径は、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。このような繊維径であると、第二領域2が、嵩高く、優れた保液性を発現するものとなりやすい。また、型崩れもしにくくなる。一方、繊維径がこの範囲の下限値未満では、液体を吸収する際の抵抗が大きくなるなどして吸収性に劣る傾向がある。繊維径がこの範囲の上限値を超えると、繊維自体が剛直になるためにチクチク感が増し、肌触りが悪くなる傾向にある。
第二の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の割合は、2.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
第二の原料繊維中の熱融着性繊維(X)とセルロース繊維の合計の割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。該合計の割合が50質量%以上であることにより、保液性、水解性、生分解性が良好となる。該割合の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。任意に配合される他の繊維を考慮して適宜設定できる。
第二の原料繊維は、前記熱融着性繊維(X)及びセルロース繊維以外の他の繊維を含有してもよい。
該他の繊維として、第二領域2の生分解性を損なわないものであればよく、例えば、前記高融点繊維(Y)、PVA繊維等が挙げられる。高融点繊維(Y)、PVA繊維はそれぞれ前記と同じものが挙げられる。
高融点繊維(Y)を含有する場合、第二の原料繊維中の高融点繊維(Y)の含有量は、3質量%以上48質量%以下が好ましい。
なかでも、吸水後のシートの保形性と保水性に優れる点で、セルロース繊維5質量%以上95質量%以下と、熱融着性繊維(X)5質量%以上15質量%以下とを含有するものが好ましく、セルロース繊維5質量%以上95質量%以下と、熱融着性繊維(X)5質量%以上15質量%以下と、高融点繊維(Y)0質量%以上48質量%以下とからなるものがより好ましい。
該他の成分としては、吸収シートにおける添加剤として公知の添加剤を特に制限することなく用いることができ、例えば機能性粉体、機能性繊維、機能性液体等が挙げられる。
機能性粉体としては、消臭機能、抗菌機能、抗ウイルス機能、抗アレルゲン機能、防カビ機能、芳香機能、機能性液体 等のいずれか1種以上の機能を有するものが好ましく、例えばゼオライト、活性炭、キチン、キトサン、ホタテ貝殻、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、植物抽出物、キノコ抽出物、カテキン、フラボノール、シクロデキストリン、コラーゲン繊維、酸化鉄、クエン酸、ジンクピリチオン、ヒノキチオール、ユーカリエキス等が挙げられる。
吸収層3を構成する原料繊維(第一の原料繊維および第二の原料繊維の合計)は、少なくとも、熱融着性繊維(X)、セルロース繊維を含み、好ましくはさらに高融点繊維(Y)およびPVA繊維のいずれか一方または両方を含む。
吸収層3を構成する原料繊維においては、生分解性の観点から、熱融着性繊維(X)、セルロース繊維、高融点繊維(Y)及びPVA繊維の合計が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
吸収層3の厚みは、4〜30mmであることが好ましく、6〜25mmであることがより好ましく、8〜20mmであることがさらに好ましい。
吸収シート10は、例えば、
メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、第二の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第二のウェブを形成し、続いて、第一の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第一のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、
得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)と、を有する製造方法により製造できる。
透気性キャリアシートとしては、吸気流が通過可能で、かつエアレイドウェブを保持できるものであれば特に限定されない。
各原料繊維を構成する繊維の種類と配合量、第一の原料繊維と第二の原料繊維との比率等を調整することで、形成される第一領域1や第二領域2、吸収層3の性能を調整できる。
例えば、第一領域1を形成する第一の原材料繊維として、潜在捲縮合成繊維や高融点繊維(Y)を高配合する、あるいは熱融着性繊維(X)の繊維径を太くすることで、形成される第一領域1内における原料繊維間の結着点は減少し、空隙が大きくなるため、風合い、肌触りに優れた吸収シートが得られる。また、熱融着性繊維(x2)における樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(例えば芯鞘型構造における芯鞘複合比)を下げることでも同様の効果が得られる。
逆に、吸収対象物が高粘度の液体、もしくは半固体であった場合、熱融着性繊維(X)を高配合する、あるいは繊維径を細くすることで、第一領域1の保型性が向上し、吸収対象物の通過性に優れる吸収シートを得ることができる。
熱風処理としては、ウェブが、周面に通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤを通過することにより熱処理される方法(熱風循環ロータリードラム方式)や、ウェブが、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤを通過することにより熱処理される方法(熱風循環コンベアオーブン方式)などが挙げられる。
なお、熱風処理によるサーマルボンド法は、エアスルー法あるいはスルーエア法などと呼称されることがある。
熱処理温度は、エアレイドウェブに含まれる樹脂(A)(熱融着性繊維(X)に含まれる樹脂(A))の融点以上であればよい。樹脂(A)の融点以上の温度に加熱すると、樹脂(A)が溶融し、溶融した樹脂(A)を介して繊維同士が結合する。ただし原料繊維として繊維(x2)や高融点繊維(Y)を含む場合は、それらの繊維に含まれる樹脂(B)の融点未満の温度とする。
エアレイドウェブが潜在捲縮合成繊維を含む場合、繊維結合工程での熱処理は、該潜在捲縮合成繊維の捲縮を顕在化させるための熱処理を兼ねてもよい。
また、繊維結合工程の前後に、潜在捲縮合成繊維の捲縮を顕在化させるための熱処理を行う工程を別途設けてもよい。
なお、透気性キャリアシートは、剥離せずそのまま残してもよい。剥離せずにそのまま残す場合は、透気性キャリアシートとして、生分解性を有するものを用いることが好ましい。このようなシートとしては、例えばティッシュペーパーが挙げられる。
つまり、メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、第一の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第一のウェブを形成し、続いて、第二の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第二のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程と、
得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程と、を有する製造方法により吸収層3を得てもよい。
ただし、第二の原料繊維を先に供給する方が好ましい。通常、吸収対象物の保液性を持たせる第二の原料繊維の方が、坪量が高く、吸収対象物を透過させる第一の原料の方が密度が低い傾向にある。そのため、第二の原料繊維を先に供給する方が、第一の原料繊維と第二の原料繊維とが混ざりにくく、第一領域1、第二領域2それぞれの機能が充分に発揮されやすい。
図2は、本発明の第二の実施形態の吸収シート20の構成を説明する概略縦断面図である。なお、以下に記載する実施形態において、上述した第一の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
吸収シート20は、吸収層3の第一領域1側の表面に、透液性の表面層4が積層している以外は、吸収シート10と同様の構成である。
吸収シート20は、吸収層3の第一領域1側の表面にまず吸収対象物が接触するように用いられる。
本実施形態においては、表面層4の選択によって、風合い、肌触り、生分解性、水解性等を向上させることが可能である。また、吸収対象物の表面残渣も低減可能である。例えば第一領域1を構成する原料繊維よりも繊維長の長い原料繊維から形成された不織布を表面層4として設けると、短い原料繊維に起因するチクチク感を抑制でき、肌触りが向上する。
表面層4を構成する不織布(以下、不織布(D))を構成する原料繊維は、吸収シート10の生分解性を損なわないものが好ましく、例えば前記熱融着性繊維(X)、高融点繊維(Y)、PVA繊維、セルロース繊維等が挙げられる。
ニードルパンチ不織布としては、水解性、生分解性に優れることから、PVA繊維を含む原料繊維を機械的に絡めたものが好ましい。このニードルパンチ不織布を構成する原料繊維はPVA繊維のみであってもよく、他の繊維を含有してもよい。該他の繊維としては、上記で例示した各種繊維が使用できる。
ここで、開口率(%)は、不織布に形成されている開口部の数(開口数(個/m2))と開口面積(mm2/個)とから、一定面積中に占める全開口部の合計面積の割合を百分率で求めたものである。開口数(個/m2)とは、例えばキーエンス社製デジタルマイクロスコープにて、不織布の表面を観察し、所定領域内に形成されている開口部の数を目視で数え、不織布1m2あたりの数に換算したものである。また、開口面積(mm2/個)とは、例えばキーエンス社製デジタルマイクロスコープにて、不織布の表面を観察し、所定領域内に形成されている各開口部の面積を計測し、計測された面積の平均値である。
開口率は、例えば繊維結合工程で、ネット(金網など)上に配されたウェブに対してノズルから高圧水流を噴射して繊維同士を絡めるスパンレース法を採用する場合、水流の圧力、ネットのメッシュサイズなどを変更することにより調整できる。ニードルパンチ法(刺のあるニードルをウェブに突き刺して機械的に繊維を絡める繊維結合工程。)やサーマルボンド法を採用した場合には、パンチングにより開口部を形成するなどの後処理により、得られる不織布の開口率を調整できる。
穴開け加工により物理的空隙が形成され、この空隙により、固形分を含む吸収対象物の透過性が向上する。
吸収シート20は、例えば、
メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、第二の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第二のウェブを形成し、続いて、第一の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第一のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、
得られたエアレイドウェブ(吸収層3)の第一のウェブ側(第一領域1側)の表面に表面層4を積層する工程(積層工程)と、
前記エアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)
を有する製造方法により製造できる。
表面層4を積層する方法としては、熱融着することにより接着作用を発揮する接着物質(例えば樹脂(A)の粉体など)を用い、これにより吸収層3と表面層4とを接着する方法(接着剤の使用量は、例えば3〜15g/m2。)がある。この際、吸収層3と表面層4との周縁部だけを接着してもよい。あるいは接着物質を使用せず、吸収層3に含まれる熱融着性繊維(X)の熱融着性を利用して、これらの全面または周縁部のみを熱融着により接合してもよい。さらには、表面層4(例えば前記不織布(D))を袋状に形成し、その中に吸収層3を挿入する方法、吸収層3と表面層4の周縁部を折り返す方法などで、これらを接着せずに一体化してもよい。
具体的には、
メッシュ状無端ベルト上に表面層4を配置し、該表面層4上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、第一の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第一のウェブを形成し、続いて、第二の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第二のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、
得られたエアレイドウェブを、該エアレイドウェブに含まれる前記樹脂(A)の融点以上の温度に加熱する工程(繊維結合工程)と、
を有する製造方法により吸収シート20を製造することができる。
この方法は、透気性キャリアシートとして表面層4を用い、ウェブ形成工程にて、原料繊維として、まず第一の原料繊維を供給し、続いて第二の原料繊維を供給する以外は、前記吸収シート10の製造方法で説明したのと同様にして実施できる。
第一領域1、第二領域2それぞれ1つ存在する例を示したが、第一領域1を構成する第一のウェブが、繊維の種類や組成、繊維長、繊維径のいずれかが異なる複数種の第一の原料繊維を順次堆積させたものであってもよい。同様に、第二領域2を構成する第二のウェブが、繊維の種類や組成、繊維長、繊維径のいずれかが異なる複数種の第二の原料繊維を順次堆積させたものであってもよい。
たとえば、原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を低くすると、保形性、透過性は低下するが、風合い、肌触りが良くなる傾向がある。そのため、第一領域1の外側(吸収層3の表面となる側)を構成する原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を低め(例えば5〜10質量%)にし、第一領域1の内側(第二領域2側)を構成する原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を高め(例えば20〜50質量%)にすると、外側表面の風合いや肌触りが良く、かつ保形性、透過性の良好な第一領域1が得られる。
吸収シートは、吸収層3および表面層4以外の他の層を有していてもよい。
また、本発明の吸収シートは、吸収層が水解性を有しており、廃棄しやすい利点もある。例えば使用後、水洗トイレット等にそのまま廃棄できる。また、生分解性を有するため、土に埋めて廃棄できる。
したがって、本発明の吸収シートは、水や有機溶剤、インク、油、それらに他の成分が溶解した溶液やゲル、それらと固形分とが混在するものなど、多様な吸収対象物に適用でき、既存の種々の吸収性物品として、又は吸収性物品のトップシート(吸収対象物が接する面を構成するシート)として有用である。
本発明の吸収シートは、吸収層の第一の原料繊維で構成される側(第一領域1側)の表面が、第二の原料繊維で構成される側(第二領域2側)の表面よりも先に吸収対象物と接触するように用いられる。
以下の各例で使用した原料繊維は以下のとおりである。
[熱融着性繊維]
PBS/PLA3.3dt:ポリブチレンサクシネート(PBS)を鞘、ポリ乳酸(PLA)を芯とする偏芯芯鞘型構造の合成繊維(繊維径3.3dtex、繊維長5mm、芯鞘複合比=6/4)。ダイワボウポリテック製NBF(KK)PLV(6/4) 3.3dt
PBS/PLA17dt:PBSを鞘、PLAを芯とする偏芯芯鞘型構造の合成繊維(繊維径17dtex、繊維長5mm、芯/鞘複合比=6/4)。ダイワボウポリテック製NBF(KK)PLV(6/4) 17dt
PBS/PLA17dt:PBSを鞘、PLAを芯とする偏芯芯鞘型構造の合成繊維(繊維径17dtex、繊維長5mm、芯/鞘複合比=8/2)。ダイワボウポリテック製NBF(KK)PLV(8/2) 17dt
PLA11dt:PLA繊維(繊維径11dtex、繊維長5mm)。日本エステル(株)製PL01
[中空を有した潜在捲縮性繊維]
PLA/PLA17dt:PLA/PLAをサイドバイサイド型に配し、かつ中空部を有する構造の合成繊維(繊度17dtex、繊維長5mm)。日本エステル(株)製HP8F 17.T5mm
[PVA繊維]
PVA2.2dt:PVA繊維(繊維径2.2dtex、繊維長5mm)。(株)クラレ製WN2×6
[セルロース繊維]
パルプ:針葉樹クラフト漂白パルプ
[セルロース繊維]
パルプ:針葉樹クラフト漂白パルプ。
図1に示す吸収シート10と同様の構成の吸収シート(比較例1乃至4及び実施例1乃至2、参考例3、実施例4乃至7)を以下の手順で製造した。
コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上にティッシュペーパーを繰り出しつつ、エアレイド法のウェブフォーミング機に、パルプおよび熱融着性繊維PBS/PLA3.3dtを、表1〜2の第一領域欄に示す質量比で、第一領域の坪量が表1〜3に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、ティッシュペーパー上に第一のウェブを形成した。引き続き、熱融着性繊維PBS/PLA17dt、PLA/PLA17dtおよびPVA繊維を、第二領域の坪量が表1〜2に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、第一のウェブ上に第二のウェブを形成してエアレイドウェブを得た。
次いで、このエアレイドウェブを、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤ(熱風循環コンベアオーブン)を通過させて熱風処理して不織布(吸収層)とした。熱風処理温度(熱風循環コンベアオーブン温度)は、145℃とした。その後、吸収層からティッシュペーパーを剥がし取り、吸収層からなる吸収シートを得た。
得られた吸収シートのトータル坪量および厚さ、第一領域1、第二領域それぞれの密度を測定した。結果を表1〜2に示す。
また、各例の吸収シートについて、吸収性を評価するため、以下の手順で水平吸水量(g/m2)、液体吸収時間(秒)、及び液体拡散面積(cm2)を測定した。また、下記手順によって各吸収シートの水解性を評価した。結果を表1〜2に示す。
10×10cmのサンプルを0.9%生理食塩水に10分間浸漬し、1分間網上げ後に吸水量を測定した。
[水平吸水量(g/m2)]=(吸水、網上げ後サンプル質量(g)−吸水前サンプル質量(g))×100
3×3cmのサンプル、および水300mlを入れた300mlビーカーをマグネティックスターラーに載せ、直径35mm、厚さ12mmの円盤状回転子を用いて、回転数800rpmで3分攪拌し、攪拌前後のサンプルの崩壊状態を確認した(JIS P 4501 トイレットペーパー ほぐれやすさ試験方法参考)。
サンプルが崩壊してほぼ水解しているものを◎、ほとんど崩壊して原型を留めていないものを○、崩壊しているが、わずかに形状が残存しているものを△、一部崩壊しているものの、原型が残存しているものを×として評価した。
<吸収シート、第一領域および第二領域の厚さの測定>
吸収シートの断面を観察し、スケールを当てて第一領域、第二領域および吸収シート全体の厚さを測定した。断面各層の厚さの合計は吸収シートの全体の厚さに等しい。
10×10cmの吸収シート上にシリンジに入れた10mlの粘性液体を約0.3ml/secで滴下し、吸収シート表面から粘性液体が消失し吸収されるまでの時間を秒単位まで測定した。
粘性液体:ベントナイト、グリセリン、水により粘度50mPa・sに調整した水溶液
<液体拡散面積の評価>
10×10cmの吸収シート上に10mlの粘性液体を約0.3ml/secで滴下し、吸収シート表面から粘性液体残留による光沢が消失し吸収されたときの液体の吸収シート表面に残る液で濡れた部分の面積を測定した。
粘性液体:ベントナイト、グリセリン、水により粘度50mPa・sに調整した水溶液
一方、比較例の吸収シートはいずれも水解性は問題なかったものの、何れも液体吸収時間は長く、また、液体吸収面積も大きく、吸収性能に問題があった。
Claims (9)
- 第一の原料繊維で構成される第一のウェブと、第二の原料繊維で構成される第二のウェブとが積層したエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層を備え、
前記第一の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を0.25質量%以上50質量%以下、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維を0.15質量%以上95質量%以下、セルロース繊維を0質量%以上5質量%未満含有し、
前記第二の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を2.5質量%以上50質量%以下、セルロース繊維を2.5量%以上95質量%以下含有し、
前記第一のウェブの坪量が105g/m 2 以上500g/m 2 以下であることを特徴とする吸収シート。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸、酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と前記樹脂(A)からなる熱融着性繊維。 - 前記潜在捲縮性複合繊維が分子量の異なるポリ乳酸樹脂をサイドバイサイド型に配したものである請求項1に記載の吸収シート。
- 前記第一の原料繊維が、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有する請求項1乃至2のいずれか一項に記載の吸収シート。
- 前記第一の原料繊維が、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸収シート。
- 前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上10質量%以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸収シート。
- 前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の繊度が10dtex以上である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸収シート。
- 前記第一の原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、ポリビニルアルコール樹脂繊維の含有量が、前記熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収シート。
- 前記第二の原料繊維が、さらに、前記熱融着性繊維(X)を含有し、
前記第二の原料繊維中の、前記セルロース繊維の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、前記熱融着性繊維(X)の含有量が5質量%以上15質量%以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の吸収シート。 - メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、第二の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第二のウェブを形成し、続いて、第一の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて第一のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程と、
得られたエアレイドウェブを、該エアレイドウェブに含まれる前記樹脂(A)の融点以上の温度に加熱する工程と、を有し、
前記第一の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を0.25質量%以上50質量%以下、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexである潜在捲縮性複合繊維を0.15質量%以上95質量%以下、セルロース繊維を0質量%以上5質量%未満含有し、
前記第二の原料繊維が、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)を2.5質量%以上50質量%以下、セルロース繊維を2.5量%以上95質量%以下含有し、
前記第一のウェブの坪量が105g/m 2 以上500g/m 2 以下であることを特徴とする吸収シートの製造方法。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。
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