JP5974986B2 - シリカ付着珪素粒子及び焼結混合原料、ならびにシリカ付着珪素粒子及び疎水性球状シリカ微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
SiO2(s)+Si(s)→2SiO(g)
SiO2(s)+C(s)→SiO(g)+CO(g)
上記方法に示された代表的な酸化珪素製造方法において、原料の水分による装置部材の劣化及び配管閉塞、一方で原料の嵩密度が低いため反応器への充填量が少なく、生産性が低くなる等の問題があった。また、二酸化珪素粒子に比較して珪素粒子は付着性が強く、混合槽への安定した供給が難しく、混合物を成型した場合には珪素粒子の凝集物を生じやすく、このため反応性が低下するという問題があった。
[1].珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法の原料珪素粒子として用いるシリカ付着珪素粒子であって、珪素核粒子と、珪素核粒子表面に付着し、平均粒子径が5nm〜1.00μm、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である球状シリカ微粒子とを有するシリカ付着珪素粒子。
[2].球状シリカ微粒子の付着量が、珪素核粒子に対して0.01〜5質量%である[1]記載のシリカ付着珪素粒子。
[3].球状シリカ微粒子が、疎水性球状シリカ微粒子である[1]又は[2]記載のシリカ付着珪素粒子。
[4].珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法の原料として用いるものであって、[1]〜[3]のいずれかに記載のシリカ付着珪素粒子と二酸化珪素粒子との焼結混合原料。
[5].4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はそれらの組み合わせを、加水分解・縮合して、SiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異種の、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程とを含む、疎水性球状シリカ微粒子の製造方法。
[6].(A1):親水性球状シリカ微粒子の調製工程
下記一般式(I)
Si(OR3)4 (I)
(式中、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされる4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水との混合溶媒中で加水分解・縮合することによって、SiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得、
(A2):3官能性シラン化合物による第1疎水化表面処理工程
(A1)で得られた分散液に、下記一般式(II)
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表わされる3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、上記親水性球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は上記と同じである。)が導入された球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得、
(A3):濃縮工程
(A2)で得られた分散液から、親水性有機溶媒と水の一部とを除去し、濃縮することにより、濃縮分散液を得、
(A4):1官能性シラン化合物による第2疎水化表面処理工程
(A3)で得られた濃縮分散液に、下記一般式(III)
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、R2は、同一又は異種の、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされるシラザン化合物、下記一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は上記と同じであり、XはOH基又は加水分解性基である。)で表わされる1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、
上記R1SiO3/2単位が導入された球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR2 3SiO1/2単位(式中、R2は上記と同じである。)を導入する、疎水性球状シリカ微粒子の製造方法。
[7].珪素核粒子と、珪素核粒子表面に付着し、平均粒子径が5nm〜1.00μm、粒度分布D 90 /D 10 の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である球状シリカ微粒子とを有するシリカ付着珪素粒子の製造方法であって、上記珪素核粒子と、[5]又は[6]記載の製造方法で得られた疎水性球状シリカ微粒子とを混合する工程を含む製造方法。
本発明のシリカ付着珪素粒子は、珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法の原料珪素粒子として用いるものであって、あらかじめ珪素核粒子の表面に、平均粒子径が5nm〜1.00μm、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である球状シリカ微粒子を付着させた、珪素核粒子とその珪素核粒子の表面に付着した球状シリカ微粒子とを有する、二次粒子を形成するものである。
珪素については特に制限されることはなく、単結晶でも多結晶でもよく、金属不純物濃度が各々1ppm以下の高純度シリコン粒子、塩酸で洗浄したのちフッ化水素酸及びフッ化水素酸と硝酸の混合物で処理することで金属不純物を取り除いたケミカルグレードのシリコン粒子、冶金的に精製された金属珪素を粒子状に加工したもの、さらにそれらの合金等を用いることができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
珪素粒子の表面に付着している球状シリカ微粒子は、その平均粒子径が通常5nm〜1.00μmであり、10〜300nmが好ましく、30〜200nmがより好ましく、30〜100nmがさらに好ましい。この粒子径が5nmより小さいと、珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物の凝集が激しく、取り扱いがしにくい場合があり、一方、1.00μmよりも大きいと、珪素粒子に良好な流動性や充填性を付与できないおそれがある。なお、本発明において、球状シリカ微粒子の平均粒子径とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒度分布において、体積基準メジアン径をいう。
<製造方法(A)>
(A1):親水性球状シリカ微粒子の調製工程
(A2):3官能性シラン化合物による第1疎水化表面処理工程
(A3):濃縮工程
(A4):1官能性シラン化合物による第2疎水化表面処理工程
下記一般式(I)
Si(OR3)4 (I)
(式中、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされる4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水との混合溶媒中で加水分解・縮合することによって、SiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得る。
R5OH (V)
(式中、R5は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされるアルコールが挙げられる。
(A1)で得られた分散液に、下記一般式(II)
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表わされる3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、上記親水性球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は上記と同じである。)が導入された球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得る。
(A2)で得られた分散液(A2)から、親水性有機溶媒と水の一部とを除去し、濃縮することにより、濃縮分散液を得る。
親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去等が挙げられる。その温度は用いた親水性有機溶媒やその割合によって適宜選定されるが、60〜110℃程度である。この際、分散液(A2)に、予め又は濃縮中に疎水性溶媒を添加してもよい。使用する疎水性溶媒としては、炭化水素系、ケトン系溶媒が好ましく、1種単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。具体的には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。
(A3)で得られた濃縮分散液に、下記一般式(III)
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、R2は、同一又は異種の、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされるシラザン化合物、下記一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は上記と同じであり、XはOH基又は加水分解性基である。)で表わされる1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、上記R1SiO3/2単位が導入された球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR2 3SiO1/2単位(式中、R2は上記と同じである。)を導入する。シラザン化合物、1官能性シラン化合物は1種単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
シリカ付着珪素粒子は、珪素核粒子とその珪素核粒子の表面に付着した球状シリカ微粒子とを有し、二次粒子である。なお、本発明において、「付着」とは珪素核粒子に球状シリカ微粒子を添加し、珪素核粒子表面上に物理吸着させて付着させることよりなるものであり、珪素核粒子の表面の一部又は全部に球状シリカ微粒子が付着した状態、その表面を被覆した状態を含むものである。
〜300m2/gが好ましく、より好ましくは0.5〜150m2/g、さらに好ましくは1.0〜100m2/gである。
本発明のシリカ付着珪素粒子は、珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法において、酸化珪素製造用原料として用いるものである。さらに、もう一つの原料である二酸化珪素粒子との焼結混合原料を製造してもよい。
ゆるめ嵩密度(g/cm3)=試料の質量(g)/体積(cm3)
酸化珪素は、珪素と二酸化珪素との混合物を加熱して生成するSiOガスを冷却し、酸化珪素固体として析出させて得られる非晶質珪素酸化物であり、一般式SiOxで表わされ、xの範囲は1.0≦x<1.2が好ましく、1.0≦x≦1.05がより好ましい。上記焼結混合原料を、減圧下で加熱して生成するSiOガスを冷却し、酸化珪素固体として析出させる方法が好ましい。
〈疎水性球状シリカ微粒子の合成〉
[合成例1]
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の調製工程
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール989.5g(水に対する質量比5.4)と、水135.5g(水の量はテトラメトキシシランに対して3.6mol比)、28質量%アンモニア水66.5g(アンモニアの量はテトラメトキシシランに対して0.38mol比)とを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。この滴下が終了した後も、さらに0.5時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。
上で得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル、親水性球状シリカ微粒子のSi原子に対して0.01mol比)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌を継続し、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ微粒子分散液を得た。分散液中の疎水性球状シリカ微粒子濃度は、11質量%であった。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前工程で得られた分散液を60〜70℃に加熱してメタノールと水の混合物1,021gを留去し、疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒濃縮分散液を得た。このとき、濃縮分散液中の疎水性球状シリカ微粒子濃度は28質量%であった。
前工程で得られた濃縮分散液に、室温において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル、親水性球状シリカ微粒子のSi原子に対して0.3mol比)を添加した後、この分散液を50〜60℃に加熱し、9時間反応させることにより、分散液中のシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6,650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ微粒子(1)186gを得た。
1.工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子の平均粒子径測定
メタノールにシリカ微粒子懸濁液を、シリカ微粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を平均粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
メタノールにシリカ微粒子を、0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を平均粒子径とした。
また粒度分布D90/D10の測定は、上記粒子径測定した際の分布において小さい側から累積が10%となる粒子径をD10、小さい側から累積が90%となる粒子径をD90とし測定された値からD90/D10を計算した。
電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S−4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、形状を確認した。「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。なおこのような粒子の形状は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものとする。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。
合成例1において、工程(A1)でメタノール、水、及び28質量%アンモニア水の量をメタノール1045.7g、水112.6g、28質量%アンモニア水33.2gに変えたこと以外は同様にして、疎水性球状シリカ微粒子(2)188gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子について合成例1と同様に測定した。この結果を表1に示す。
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の調製工程
攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール623.7g、水41.4g、28質量%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン1,163.7g及び5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴
下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間攪拌を続け加水分解を行いシリカ微粒子の懸濁液を得た。
こうして得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌しシリカ微粒子表面の処理を行った。
該ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、上記の表面処理を施したシリカ微粒子を含む分散液にメチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80〜110℃に加熱しメタノール水を7時間かけて留去した。
こうして得られた分散液に室温でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し120℃に加熱し3時間反応させ、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して球状疎水性シリカ微粒子(3)472gを得た。得られた疎水性球状シリカ微粒子について合成例1と同様に測定した。この結果を表1に示す。
シリカ微粒子の合成の際にテトラメトキシシランの加水分解温度を35℃の代りに20℃とした以外は合成例3と同様にして各工程を行ったところ、疎水性球状シリカ微粒子(4)469gを得た。得られた疎水性球状シリカ微粒子について合成例1と同様に測定した。この結果を表1に示す。
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料及び生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(5)100gを得た。得られた球状シリカ微粒子について合成例1と同様に測定した。この結果を表1に示す。
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、メチルトリメトキシシラン1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。次にヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料及び生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(6)101gを得た。得られたシリカ微粒子について合成例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
平均粒子径2)最終的に得られた球状シリカ微粒子の平均粒子径
合成例で得られたシリカ微粒子を、表2に記載されている量で珪素核粒子(多結晶珪素、平均粒子径5.1μm)に添加し、サンプルミルにより3分攪拌混合を行った。得られたものは、シリカ微粒子が珪素核粒子表面に付着した二次粒子であり、以下の評価を行った。
珪素粒子(多結晶珪素、平均粒子径5.1μm、一次粒子)について、実施例と同様の評価を行った。
〈珪素粒子測定方法〉
1.平均粒子径D50
レ−ザー回折散乱法粒度分布の測定:マイクロトラックMT330(日機装(株)製)を使用して累積50%体積径D50を測定した。
2.BET比表面積
モデル1201((株)マウンテック製)を使用して窒素吸着1点法で測定した。
1.流動性
粉体流動性の指標である基本流動性エネルギー測定を行った。
粉体流動性分析装置FT−4(シスメックス(株)製)を用いて測定した。この装置の測定原理を説明する。垂直に置かれた筒型容器に粉体を充填し、該粉体中を垂直な軸棒の先端に設けられた二枚の回転翼(ブレード)を回転させながら一定の距離(高さH1からH2まで)下降させる。このときに粉体から受ける力をトルク成分と荷重成分とに分けて測定することにより、ブレードがH1からH2まで下降するのに伴うそれぞれの仕事量(エネルギー)を求め、次いで両者のトータルエネルギー量を求める。こうして測定されたトータルエネルギー量が小さいほど粉体の流動性が良好であることを意味するので、粉体流動性の指標として使用する。この装置にて安定性試験も行なった。
ブレード:円筒型容器内の中央に鉛直に装入されるステンレス製の軸棒の先端に水平に対向する形で二枚取り付けられている。ブレードは、直径48mmのものを使用する。H1からH2までの長さは69mmである。
珪素粒子(上記で得られた実施例1、比較例1,5で得られたもの)29kgとヒュームドシリカ粒子(平均粒子径D50 0.05μm、BET比表面積300m2/g)60kgとを、高速剪断型混合機を用いて粒子充填率30体積%,回転数500rpmの条件で30分混合した後、水89kgを混合した。これをロータリーファイングラニュレーター(ターボ工業製)を用いて造粒し、アーモンド状のペレットを得た。このペレットを150℃で5時間乾燥した。乾燥後のペレットを電気炉で常圧・アルゴン通気下、1,000℃で3時間保持し焼結し、焼結混合原料を得た。焼結混合原料のゆるめ嵩密度を、マルチテスターMT1000(セイシン企業製)を使用して測定した。
上記で得られた焼結混合原料を使用して、下記方法で酸化珪素を製造した。
マッフル炉(カーボン成型+SiCコートで内寸φ500mm×H500mmの円筒形の縦型、内容積は約0.1m3)に、原料を充填し、真空ポンプを用いて炉内を10Pa以下に減圧した後、ヒーターに通電し、1,420℃の温度に昇温して5時間保持した。発生したSiOガスを冷却して酸化珪素固体として析出させた。反応率:98.5%、反応速度:17.3kg/Hrであった。
Claims (7)
- 珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法の原料珪素粒子として用いるシリカ付着珪素粒子であって、珪素核粒子と、珪素核粒子表面に付着し、平均粒子径が5nm〜1.00μm、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である球状シリカ微粒子とを有するシリカ付着珪素粒子。
- 球状シリカ微粒子の付着量が、珪素核粒子に対して0.01〜5質量%である請求項1記載のシリカ付着珪素粒子。
- 球状シリカ微粒子が、疎水性球状シリカ微粒子である請求項1又は2記載のシリカ付着珪素粒子。
- 珪素粒子及び二酸化珪素粒子の混合物を反応させ、酸化珪素を製造する方法の原料として用いるものであって、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリカ付着珪素粒子と二酸化珪素粒子との焼結混合原料。
- 4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はそれらの組み合わせを、加水分解・縮合して、SiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異種の、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程とを含む、疎水性球状シリカ微粒子の製造方法。
- (A1):親水性球状シリカ微粒子の調製工程
下記一般式(I)
Si(OR3)4 (I)
(式中、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされる4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水との混合溶媒中で加水分解・縮合することによって、SiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得、
(A2):3官能性シラン化合物による第1疎水化表面処理工程
(A1)で得られた分散液に、下記一般式(II)
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表わされる3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、上記親水性球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は上記と同じである。)が導入された球状シリカ微粒子が分散した混合溶媒分散液を得、
(A3):濃縮工程
(A2)で得られた分散液から、親水性有機溶媒と水の一部とを除去し、濃縮することにより、濃縮分散液を得、
(A4):1官能性シラン化合物による第2疎水化表面処理工程
(A3)で得られた濃縮分散液に、下記一般式(III)
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、R2は、同一又は異種の、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で表わされるシラザン化合物、下記一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は上記と同じであり、XはOH基又は加水分解性基である。)で表わされる1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、
上記R1SiO3/2単位が導入された球状シリカ微粒子を表面処理し、その表面にR2 3SiO1/2単位(式中、R2は上記と同じである。)を導入する、疎水性球状シリカ微粒子の製造方法。 - 珪素核粒子と、珪素核粒子表面に付着し、平均粒子径が5nm〜1.00μm、粒度分布D 90 /D 10 の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である球状シリカ微粒子とを有するシリカ付着珪素粒子の製造方法であって、上記珪素核粒子と、請求項5又は6記載の製造方法で得られた疎水性球状シリカ微粒子とを混合する工程を含む製造方法。
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