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JP5971230B2 - 内燃機関の異常判定装置 - Google Patents

内燃機関の異常判定装置 Download PDF

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Description

この発明は、内燃機関の異常判定装置に関するものである。
従来、内燃機関に生じる異常を検出する診断装置が知られている。たとえば、特許文献1には、気筒への燃料供給及び点火を停止させた状態でクランク軸を回転させるクランキング回転状態において、圧縮圧力不足、所謂圧縮抜けの発生している気筒を判定する構成が開示されている。この圧縮抜け判定は、圧縮圧力が低下する異常が気筒に生じているときには、クランキング回転時のクランク軸の角速度の変動が大きくなる、という原理に基づいている。
特開2012‐202241号公報
ところで、圧縮抜けの原因としては、ピストンリングの損傷や動弁系の故障などの機械的な要因による気筒の密閉性の低下が挙げられる。また、吸気バルブや排気バルブにデポジットが噛み込むことによって閉弁が阻害され、気筒の密閉性が保たれなくなることも圧縮抜けの原因となり得る。こうしたデポジットの噛み込みは、機関運転中に突発的に生じるものであるため、機関運転を停止させた後、クランキング回転状態を発生させたとしても、こうしたデポジットの噛み込みによる圧縮抜けを再現することは難しい。そのため、特許文献1に開示されているようにクランキング回転状態を発生させて圧縮抜けの生じている気筒を判定する診断装置では、再現性の高い機械的な要因に基づく圧縮抜けの発生の有無を判定することはできるものの、デポジットの噛み込みなどに起因する圧縮抜けが機関運転中に発生していたかどうかを判定することはできない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼が行われている通常の機関運転中に、圧縮抜けの発生を判定することのできる異常判定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための内燃機関の異常判定装置は、前記内燃機関のクランク軸の角加速度を算出する算出部と、圧縮抜けが発生していることを判定する判定部とを備えている。そして、この異常判定装置では、前記算出部は、機関運転中に前記角加速度を算出し、前記判定部は、膨張行程において前記算出部が算出した前記角加速度が負の値であり、且つ膨張行程において前記算出部が算出した前記角加速度が圧縮上死点から判定期間が経過するまでの間に連続して低下しているときに、圧縮抜けが発生していることを判定する。
圧縮抜けが発生しておらず、圧縮行程において正常に圧縮が行われていれば、燃焼に伴い膨張行程においてクランク軸の角速度が上昇する。したがって、この場合には膨張行程においてクランク軸の角加速度が正の値になる。
しかし、圧縮抜けが発生しているときには、燃焼が生じないため、膨張行程においてもクランク軸の角速度は上昇しない。そればかりか、膨張行程では燃焼室内に負圧が作用するようになるため、クランク軸の角速度は低下していく。したがって、圧縮抜けが発生しているときには膨張行程においてクランク軸の角加速度が負の値になる。
また、圧縮抜けが発生していない場合であっても、失火が発生した場合には、燃焼が生じない。しかし、圧縮抜けが生じていない場合には、燃焼が生じなかった場合であっても、圧縮行程において圧縮された空気が膨張行程において膨張し、その反発力によってピストンが押し戻されるため、膨張行程においてクランク軸の角速度が上昇することになる。したがって、この場合には、膨張行程においてクランク軸の角加速度が正の値になる。
上記構成では、こうした機関運転中の膨張行程におけるクランク軸の角加速度の正負に基づいて圧縮抜け判定を行うため、通常の機関運転中に圧縮抜けの発生を判定することができる。
なお、内燃機関のクランク軸に作用している負荷が大きい場合には、失火が生じたときにクランク軸の角速度が上昇しにくくなる。そのため、膨張行程におけるクランク軸の角加速度が負の値であるか否かのみに基づいて圧縮抜けが発生しているか否かを判定するようにした場合には、大きな負荷が作用している状態で失火が生じたときに、圧縮抜けが発生していないにも拘わらず、圧縮抜けが発生していると誤った判定をしてしまう虞がある。
そこで、上記構成では、膨張行程におけるクランク軸の角加速度が負の値であることに加えて、膨張行程におけるクランク軸の角加速度が圧縮上死点から判定期間が経過するまでの間に連続して低下していることに基づいて圧縮抜けが発生していることを判定するようにしている。
圧縮抜けが発生している場合には、圧縮行程において圧縮された空気による反発力が生じにくく、圧縮上死点通過後に燃焼室内に負圧が生じるようになるため、圧縮上死点通過後に速やかにクランク軸の角加速度が低下し続ける状態になる。これに対して、圧縮抜けが発生しておらず、大きな負荷が作用している状態で失火が生じた場合には、圧縮行程において圧縮された空気による反発力が生じる。そのため、圧縮抜けが発生している場合と比較して、圧縮上死点通過後もクランク軸の角加速度が低下しにくく、圧縮抜けが発生している場合よりも、角加速度が低下し続ける状態になるまでに時間がかかる。
したがって、上記構成のように、膨張行程におけるクランク軸の角加速度が圧縮上死点から判定期間が経過するまでの間に連続して低下していることに基づいて圧縮抜けが発生していることを判定するようにすれば、圧縮された空気による反発力の作用が生じにくくなっている状態を判別し、圧縮抜けが発生していることを判定することができる。そのため、大きな負荷が作用している状態で失火が生じたときに、圧縮抜けが発生していないにも拘わらず、圧縮抜けが発生していると誤った判定をしてしまうことを抑制することもできる。
内燃機関の異常判定装置の一実施形態である電子制御ユニットの機能的構成を示すブロック図。 同電子制御ユニットが実行する圧縮抜け判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。 (A)は角速度ωの変化を示すタイミングチャート、(B)は角加速度αの変化を示すタイミングチャート。
以下、内燃機関の異常判定装置を、車両に搭載された内燃機関を制御する電子制御ユニット10に具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。なお、この実施形態における電子制御ユニット10が制御する内燃機関は4つの気筒を有する直列4気筒エンジンである。
図1に示すように、電子制御ユニット10には、内燃機関のクランク軸の回転角であるクランク角の変化に応じたクランク角信号を出力するクランク角センサ20が接続されている。電子制御ユニット10は、クランク角センサ20から出力されたクランク角信号に基づいてクランク軸の角速度ω及びクランク角の角加速度αを算出する算出部11を備えている。さらに、電子制御ユニット10は、内燃機関に圧縮抜けが発生していることを判定する判定部12と、圧縮抜けが発生していると判定した回数を記憶する記憶部13とを備えている。
次に、図2を用いて、電子制御ユニット10が実行する圧縮抜け判定ルーチンの処理手順を説明する。この判定ルーチンは、クランク角が30°CA進角する毎に繰り返し実行される。
なお、以下の説明では、圧縮上死点をTDCと称し、TDCを0°CAとしてクランク角を表記する。また、膨張下死点をBDCと称する。
この判定ルーチンが開始されると、まずステップS100において、圧縮抜け判定の前提条件が成立しているか否かが判定される。ここでは、(1)クランク角センサ20が正常に動作していること、(2)内燃機関が搭載された車両のアクセルペダルの操作量が「0」であること、(3)車速が「0」であること、(4)内燃機関がアイドル運転状態であること、を前提条件として設定している。そして、これら(1)〜(4)の前提条件が1つでも成立していないときには、ステップS100において前提条件が成立していないと判定され(S100:NO)、この判定ルーチンは一旦終了される。
一方、(1)〜(4)の前提条件がすべて成立しているときにはステップS100において前提条件が成立していると判定され(S100:YES)、ステップS110以降の処理が行われる。
ステップS110では、算出部11において、クランク角センサ20から入力されるクランク角信号に基づいて角加速度αが算出される。すなわち、このステップS110では、算出部11は、クランク角信号に基づいて把握したクランク角を微分することによりクランク軸の角速度ωを算出し、さらに角速度ωを微分することにより角加速度αを算出する。
次にステップS120において、TDC以降の膨張行程における角加速度αが負の値であるか否かが判定される。このときの判定タイミングが膨張行程ではないときや、膨張行程であっても角加速度αが負の値でないときには(S120:NO)、この判定ルーチンは一旦終了される。
一方、TDC以降の膨張行程における角加速度αが負の値であるときには(S120:YES)、ステップS130以降の処理が行われる。
ステップS130では、判定期間中に角加速度αが連続低下しているか否かが判定される。
このステップS130では、ステップS110において算出された角加速度αと、前回のルーチンにおけるステップS110において算出された角加速度α´との比較を行い、α´>αの関係が成立しているか否かが判定される。つまり、クランク角の進角に伴い角加速度αが低下しているか否かが判定される。そして、角加速度αが低下しているという判定が2回連続で行われると、角加速度αが連続低下していると判定される。
ただし、ここではクランク角が0°CAから90°CAまでの期間を判定期間としている。すなわち、TDCを通過してからこの判定ルーチンが3回行われるまでの期間が判定期間であり、このステップS130では、TDCを通過してからこの判定ルーチンが3回終了するまでの判定期間中に角加速度αが連続低下していると判定されれば肯定判定がなされる。一方で、TDCを通過してからこの判定ルーチンが3回終了するまでの判定期間中に角加速度αが連続低下していると判定されなければ、否定判定がなされる。
そして、ステップS130において否定判定がなされたときには(S130:NO)、この判定ルーチンは一旦終了される。
一方、ステップS130において、肯定判定がなされたとき(S130:YES)、すなわちTDCから判定期間が経過するまでの間に角加速度αが連続低下していることが判定されたときには、圧縮抜けが発生していると判定され、ステップS140の処理が行われる。
ステップS140では、記憶部13において圧縮抜け回数を記憶している圧縮抜けカウンタが1つ加算される。このように圧縮抜けカウンタが加算されると、この判定ルーチンは一旦終了される。
次に、図3を用いて、TDCからBDCまでの膨張行程における角速度ω及び角加速度αの変化について説明する。なお、図3(A)はクランク軸の角速度ωの変化を示しており、図3(B)はクランク軸の角加速度αの変化を示している。図3(A)における細線L11は、圧縮抜けが発生していない正常な状態における角速度ωの変化を示しており、図3(B)における細線L21はそのときの角加速度αの変化を示している。また、図3(A)における二点鎖線L12は、圧縮抜けは発生していないものの、燃料噴射系や点火系等の異常によって失火が発生している状態における角速度ωの変化を示しており、図3(B)における二点鎖線L22は、そのときの角加速度αの変化を示している。なお、一点鎖線L13は、圧縮抜けは発生していないものの、失火が発生し、さらに内燃機関に大きな負荷が作用している状態における角速度ωの変化を示しており、図3(B)における一点鎖線L23はそのときの角加速度αの変化を示している。そして、図3(A)における太線L14は、圧縮抜けが発生している状態における角速度ωの変化を示しており、図3(B)における太線L24はそのときの角加速度αの変化を示している。
圧縮抜けが発生しておらず、正常に燃焼が生じている場合には図3(A)に細線L11で示すように、角速度ωはTDCから60°CAの範囲で上昇する。この角速度ωの上昇は、圧縮された混合気の燃焼によるトルクの発生に伴うものである。したがって、図3(B)に示すようにこのときの角加速度αは一時的に正の値になる。
また、失火が発生している場合においても、図3(A)に二点鎖線L12で示すようにTDCから60°CAの範囲で角速度ωが上昇する。したがって、図3(B)に示すようにこのときの角加速度αも一時的に正の値になる。これは、圧縮行程において圧縮された空気が膨張行程において膨張することに伴って生じる反発力によるものである。すなわち、失火の発生により燃焼は生じていないものの、圧縮抜けが発生していないために、気筒内で圧縮された空気が膨張するときに生じる反発力によってピストンが押し戻されて角速度ωが上昇するのである。ただし、この場合には、燃焼による大きなトルクが得られないため、角加速度αは図3(B)に二点鎖線L22で示すように細線L21で示した正常に燃焼が生じている状態における角加速度αよりも低くなる。したがって、図3(A)に二点鎖線L12で示した角速度ωの上昇の程度も、図3(A)に細線L11で示した正常に燃焼が生じている状態における角速度ωの変化と比較すると小さくなっている。
また、失火が発生し、且つ内燃機関に大きな負荷が作用している場合には、図3(A)に一点鎖線L13で示すように角速度ωは、TDC通過後も上昇せず、クランク角がBDCに至るまで徐々に低下する。これは、内燃機関に作用する負荷が上記反発力を相殺するように働くためである。そのため、このときの角加速度αは、図3(B)に一点鎖線L23で示すように、正の値にはならず、30°CAから90°CAの範囲でほぼ一定の水準を維持した後、90°CAからは低下する。すなわち、TDC通過後、角加速度αは常に負の値になる。
これに対して、圧縮抜けが発生している場合には、圧縮行程において燃焼室から空気が抜けてしまうため、膨張行程において上記のような空気による反発力が生じにくい。さらには、TDCを通過すると、燃焼室に空気が流入しにくい状態でピストンが降下し、燃焼室内に負圧が生じるようになる。そのため、圧縮抜けが発生している場合には、図3(A)に太線L14で示すように角速度ωはTDC通過直後から低下し続ける。したがって、このときの角加速度αは図3(B)に太線L24で示すように常に負の値になり、角加速度αが低下し続けるようになるタイミング(図3(B)における30°CAのタイミング)は圧縮抜けの生じていない二点鎖線L22や一点鎖線L23の場合(図3(B)における90°CAのタイミング)よりも早くなる。
次に、図2を参照して説明した圧縮抜け判定ルーチンを繰り返し実行することによって生じる作用について、図2及び図3を参照して説明する。
上述したように圧縮抜けが発生していない正常な場合(図3(B)における細線L21の場合)及び失火が発生していて大きな負荷が作用していない場合(図3(B)二点鎖線L22)には、TDC以降の膨張行程における角加速度αが一時的に正の値になる。したがって、これらの場合、角加速度αが正の値になっているときに図2に示す圧縮抜け判定ルーチンが実行され、その処理がステップS120に進むと、ステップS120での判定によって否定判定がなされ、圧縮抜けが発生していることが判定されずに判定ルーチンが終了される。また、これらの場合であっても、図3(B)に示すように90°CA以降では角加速度αが負の値になるが、このときには判定期間が終了しているため、ステップS120において肯定判定がなされたとしてもステップS130において否定判定がなされることになる。したがって、この場合にも圧縮抜けが発生していることが判定されることなく判定ルーチンが終了される。このように圧縮抜けが発生していない正常な場合及び失火が発生していて大きな負荷が作用していない場合には、ステップS120又はステップS130において否定判定がなされることになり、圧縮抜け判定ルーチンを通じて圧縮抜けが発生していると判定されることはない。
一方、失火が発生し、且つ内燃機関に大きな負荷が作用している場合(図3(B)における一点鎖線L23の場合)には、上述したようにTDC以降の膨張行程における角加速度αが常に負の値になる。したがって、この場合には、図2に示す圧縮抜け判定ルーチンが実行されてその処理がステップS120に進むと、ステップS120での判定によって肯定判定がなされ、ステップS130の処理に進む。しかし、この場合には、上述したように圧縮された空気による反発力が生じるため、角加速度αは図3(B)に一点鎖線L23で示すように30°CAから90°CAの範囲でほぼ一定の水準を維持した後、90°CAから低下し始める。したがって、この場合には90°CAまでの判定期間の間に角加速度αが連続低下の状態になることがないため、ステップS130において否定判定がなされることになる。したがって、この場合にも圧縮抜けが発生していることが判定されることなく判定ルーチンが終了される。このように、失火が発生し、且つ内燃機関に大きな負荷が作用している場合にはステップS130において否定判定がなされることになるため、この場合にも圧縮抜け判定ルーチンを通じて圧縮抜けが発生していると判定されることはない。
これに対して、圧縮抜けが発生している場合(図3(B)における太線L24の場合)には、上述したようにTDC以降の膨張行程における角加速度αが常に負の値になる。したがって、この場合には、図2に示す圧縮抜け判定ルーチンが実行されてその処理がステップS120に進むと、ステップS120での判定によって肯定判定がなされ、ステップS130の処理に進む。圧縮抜けが発生している場合には、上記のような空気による反発力が生じにくく、膨張行程において燃焼室内に負圧が生じるため、角加速度αが30°CAを越えたあたりから低下し始める。したがって、判定ルーチンが繰り返し実行されるうちに、ステップS130において肯定判定がなされるようになる。
具体的には、圧縮抜けが発生している場合には、図3(B)に太線L24で示すように、30°CA以降において角加速度αが低下し続けるようになる。したがって、60°CAにおいて判定ルーチンが実行されたときには、ステップS130において30°CA時点での角加速度α30と60°CA時点での角加速度α60が比較され、角加速度αが低下していると判定される。しかし、この低下判定は1回目の判定であるため、このときのステップS130では否定判定がなされ、このときには圧縮抜けが発生していることは判定されず、判定ルーチンが一旦終了される。
続いて、90°CAにおいて判定ルーチンが実行されたときには、ステップS130において60°CA時点での角加速度α60と、90°CA時点での角加速度α90とが比較され、角加速度αが低下していると判定される。このときの低下判定が先ほどの低下判定と連続する2回目の低下判定となるため、このときに角加速度αが連続低下していると判定される。その結果、90°CAまでの判定期間において角加速度αが連続低下していると判定されるため、肯定判定がなされることになる。
このように圧縮抜けが発生しているときには、判定ルーチンを繰り返すうちにステップS130において肯定判定がなされるようになり、圧縮抜けが発生していると判定され、ステップS140において圧縮抜けカウンタが加算されるようになる。
すなわち、この圧縮抜け判定ルーチンによれば、ステップS130における角加速度αの連続低下判定によって、負荷の作用によって角速度ωが上昇しにくくなっている状態と、圧縮された空気による反発力が生じにくくなっている圧縮抜けが発生している状態とを判別することができる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)機関運転中の膨張行程におけるクランク軸の角加速度αに基づいて圧縮抜け判定を行うため、通常の機関運転中に圧縮抜けの発生を判定することができる。
(2)膨張行程におけるクランク軸の角加速度αが、TDCから90°CAまでの間に連続して低下していることに基づいて圧縮抜けが発生していることを判定するため、圧縮された空気による反発力の作用が生じにくくなっている状態を判別し、圧縮抜けが発生していることを判定することができる。そのため、大きな負荷が作用している状態で失火が生じたときに、圧縮抜けが発生していないにも拘わらず、圧縮抜けが発生していると誤った判定をしてしまうことを抑制することができる。
(3)圧縮抜けが発生していることが判定された回数が記憶部13に記憶されるため、判定された回数に基づき内燃機関の状態を把握することができる。内燃機関の整備の際などに、記憶部13に記憶されている情報を参照して内燃機関の状態を判断し、内燃機関の状態に応じた的確な対応を行うことができる。
(4)圧縮抜け判定をアイドル運転中に行うため、運転状態の変化による角加速度αの変動の影響を受けることなく圧縮抜けの判定を行うことができる。そのため、判定精度を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、ステップS100の処理において、内燃機関がアイドル運転状態であることを圧縮抜け判定前提条件に含めたが、アイドル運転状態であることを前提条件に含めなくてもよい。アイドル運転状態であれば、圧縮抜けの判定精度が向上されるが、アイドル運転状態でなくとも圧縮抜け判定を行うことができる。前提条件が緩和されるため、圧縮抜け判定を行う機会を増やすことができる。
・上記実施形態では、ステップS100の処理において、前提条件を4つ設定したが、これら以外の条件を設定してもよい。または、前提条件を適宜減らしてもよい。また、前提条件がすべて成立しているときにステップS110以降の処理を行うようにしたが、これに限らない。たとえば、前提条件4つのうち3つが成立していることをもってステップS110以降の処理を行うように構成してもよい。
・上記実施形態では、ステップS130における判定期間をクランク角が0°CAから90°CAまでの期間とし、角加速度αの低下判定がTDC通過後に3回行われるまでの期間としたが、これ以外の判定期間を設定してもよい。たとえば、TDCを通過した時点からクランク角が所定量変化するまでの期間や、TDCを通過した時点から所定時間経過するまでの期間といった判定期間を設定しても、膨張行程の前半における角加速度αの連続低下を判定することができる。
・上記実施形態のように判定期間を設定する構成に替えて、上記実施形態における圧縮抜け判定ルーチンを実行する期間を制限するようにしてもよい。たとえば、圧縮抜け判定ルーチンの実行期間をTDCから90°CAと設定し、90°CAにおけるルーチンの処理が終了すると別の気筒のTDCが到来するまで圧縮抜け判定ルーチンを行わないように構成してもよい。この場合には、ステップS130において、判定期間中であるか否かに拘わらず、角加速度αが連続低下しているか否かを判定することによって圧縮抜けが生じていることを判定することができる。
・上記実施形態における圧縮抜け判定をもって、内燃機関に異常が発生したと判定してもよい。また、圧縮抜けカウンタの値が所定の値以上になったときに内燃機関に異常が発生したと判定するようにしてもよい。さらに、内燃機関に異常が発生したと判定された際に内燃機関の運転を停止するように構成することもできる。
・図1に二点鎖線で示すように、記憶部13に記憶された圧縮抜け判定回数を表示する表示部30を電子制御ユニット10に接続してもよい。圧縮抜け判定を可視化できるようになるため、内燃機関が搭載された車両の運転者は運転中に圧縮抜け発生を知ることができる。また、内燃機関に異常が発生していると表示部30に表示してもよい。
・上記実施形態では、4つの気筒を有する直列4気筒エンジンに採用される異常判定装置を例示したが、圧縮抜け判定を行うことのできる内燃機関の気筒数は4気筒に限らない。たとえば、6気筒の場合であっても圧縮抜け判定を行うことができる。ただし、上記実施形態では、30°CA間隔で行われる角加速度αの低下判定がTDC通過後に3回行われるまでの期間、すなわち0°CAから90°CAまでの期間を判定期間として設定していたが、これは4気筒の内燃機関の場合に限られる。各気筒における燃焼の間隔は、気筒数の多い内燃機関ほど短くなる。そのため、すべての内燃機関において一定の判定期間を設定して圧縮抜けの判定を行うように構成すると、別の気筒において生じた燃焼に伴い角加速度αが変動し、角加速度αの連続低下を正確に判定できなくなる虞がある。したがって、圧縮抜け判定の精度を向上させるためには、別の気筒の燃焼に伴う角加速度αの変動の影響を受けやすい期間を避けて判定期間を設定する必要がある。
以上のように、異なる気筒数の内燃機関を採用する場合には、その気筒数に応じて角加速度αの連続低下判定を行う判定期間を設定することが好ましい。6気筒の場合は、各気筒における燃焼の間隔が120°CAであるため、TDCから120°CA以内の範囲に判定期間を設定するとよい。
・上記実施形態では、30°CA進角する毎に圧縮抜け判定ルーチンを実行するように構成したが、圧縮抜け判定ルーチンを実行する間隔は適宜変更してもよい。この場合、判定ルーチンの実行回数に応じて判定期間を設定する場合には、その設定回数を変更することになる。また圧縮抜け判定を行う機会を確保するためには、判定ルーチンを実行する間隔を短く設定することが好ましい。
10…電子制御ユニット、11…算出部、12…判定部、13…記憶部、20…クランク角センサ、30…表示部。

Claims (1)

  1. 内燃機関の異常を判定する内燃機関の異常判定装置であり、
    前記内燃機関のクランク軸の角加速度を算出する算出部と、
    圧縮抜けが発生していることを判定する判定部と、を備え、
    前記算出部は、機関運転中に前記角加速度を算出し、
    前記判定部は、膨張行程において前記算出部が算出した前記角加速度が負の値であり、且つ膨張行程において前記算出部が算出した前記角加速度が圧縮上死点から判定期間が経過するまでの間に連続して低下しているときに、圧縮抜けが発生していることを判定する
    内燃機関の異常判定装置。
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