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JP5962363B2 - 本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルム Download PDF

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Description

本発明は、本の包装に適した熱収縮性フィルムに関するものであり、文字、図柄、記号のいずれか1種以上が印刷された情報発信機能を有する本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムである。
従来から、立ち読みを防止するためや、本に汚れが付着したり、表紙等に折り目が付くといった本の劣化を防ぐため、本をフィルムで包装することが行われている。購入者は、きれいな状態の本を求めるため、フィルムで包装された本の方が売り上げが上がるというデータもある。こういった本のフィルム包装は、例えば、熱収縮性フィルムを本に被せ、特許文献1に記載されているような書店にある卓上シュリンク包装機を通すことで、フィルムを熱収縮させて本に密着させる、という方法で行われている。立ち読み防止には、本の半分程度を包装するだけでも構わないが、本の美観を保つためには本全体をフィルムで包装する必要があり、最近はこのような本全体をフィルムで包装(以下では、オーバーラップと称することがある)している店が多い。オーバーラップには、本の表紙が見えるように無色透明の熱収縮性フィルムが使用されており、種々ある熱収縮性フィルムの中で、主にポリ塩化ビニル系熱収縮性フィルムが使用されている。
ところが、ポリ塩化ビニル系熱収縮性フィルムは収縮特性には優れるものの、耐熱性が低い上に、廃棄されて焼却する際に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという問題がある。
登録実用新案第3067592号公報
現在行われているオーバーラップは、無色透明なフィルムで本全体を包装しているに過ぎず、立ち読み防止と本の外観の美麗さを保つ点では効果を発揮しているが、それ以上の機能は何ら発揮していない。
このため、本発明者等は、熱収縮性ポリエステル系フィルムをオーバーラップとして用いるとともに、オーバーラップに印刷して情報発信機能を付与することを考え、PETボトル用の熱収縮性ポリエステル系ラベルを本の包装に転用することを試みた。しかし、簡易の卓上シュリンク機ではフィルムがうまく収縮しなかったり、あるいは収縮力が強すぎて、フィルムを収縮させた後、本が反り返ってしまう現象が認められた。
そこで、本発明では上記の問題のない、本の包装に適した熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決した本発明は、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全モノマー成分中の、非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計が16モル%以上27モル%以下であるポリエステル樹脂から形成されており、下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムである。
(1)90℃の熱風中で測定した主収縮方向の最大熱収縮応力が1MPa以上6MPa以下、
(2)70℃の温湯で10秒間処理したときの主収縮方向の熱収縮率が15%以上50%以下、
(3)主収縮方向と、主収縮方向と直交する方向とのエルメンドルフ引裂伝播強度がいずれも300mN以下、
(4)文字、図柄、記号のうちいずれか1種以上が印刷されている。
上記本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、その厚みは3〜20μmであることが好ましい。
本発明には、本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムで本を被覆し、熱収縮させることを特徴とする本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムの使用方法も含まれる。
本発明の本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムは、低温できれいに収縮し、透明性に優れ、印刷適性にも優れているため、本に被せて熱収縮させると美麗な外観仕上がりとなる。印刷された情報を発信することもできるため、本の売り上げ向上にも寄与すること大である。
本発明の本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルム(以下、単に熱収縮性ポリエステル系フィルムということがある)は、本を包装するためのフィルムである。本発明において包装される本としては、書籍(文庫本、単行本、専門書等)、雑誌(週刊誌、月刊誌、ムック本、コミック等)いずれでもよい。外箱付きの専門書や事典等であれば、外箱の上から包装すればよい。外箱を含めて外観を美麗に保つことができる。以下、熱収縮性ポリエステル系フィルムについて説明する。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムに用いるポリエステルは、エチレンテレフタレートユニットを主たる構成成分とするものである。エチレンテレフタレートユニットは、ポリエステルの構成ユニット100モル%中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。本発明のポリエステルを構成する他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環式ジカルボン酸等を挙げることができる。
また、3価以上の多価カルボン酸(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物等)をポリエステルに含有させないことが好ましい。これらの多価カルボン酸を含有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成しにくくなる。
ポリエステルを構成するジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA等の芳香族系ジオール等を挙げることができる。
本発明で用いるポリエステルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の環状ジオールや、炭素数3〜6個を有するジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうちの1種以上を含有させて、ガラス転移点(Tg)を60〜70℃に調整したポリエステルが好ましい。
また、ポリエステルは、全モノマー成分中(ポリエステル樹脂中における多価アルコール成分100モル%中あるいは多価カルボン酸成分100モル%中)の非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計が16モル%以上、好ましくは17モル%以上、より好ましくは18モル%以上、特に好ましくは19モル%以上である。また非晶質成分となり得るモノマー成分の合計の上限は27モル%である。
非晶質成分となり得るモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオールを挙げることができる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはイソフタル酸を用いるのが好ましい。
ポリエステルには、炭素数8個以上のジオール(例えば、オクタンジオール等)、または3価以上の多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン等)を含有させないことが好ましい。これらのジオール、または多価アルコールを含有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成しにくくなる。また、ポリエステルには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールをできるだけ含有させないことも好ましい。
また、ポリエステル系エラストマーを併用すると非晶度合いが高まって、熱収縮特性、特に低温域での熱収縮特性が良好となるため、本発明の好ましい実施態様である。用い得るポリエステル系エラストマーは、高融点結晶性ポリエステルセグメント(ハードセグメント)と分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)からなるポリエステル系ブロック共重合体である。高融点結晶性ポリエステルセグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点が200℃以上になるセグメントであり、低融点軟重合体セグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点または軟化点が80℃以下になるセグメントをいう。
高融点結晶性ポリエステルセグメントは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエステル;p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸ピバロラクトン等のオキシ酸の残基からなるポリエステル;1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシメチルフェノキシ)エタン、ジ(4−カルボキシフェノキシ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエーテルエステル;ビス(N−パラカルボエトキシフェニル)テレフタルイミド等の芳香族アミドジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリアミドエステル等を示すことができる。また、上記のジカルボン酸の残基および/またはジオールの残基を2種以上使用した共重合ポリエステル等も使用することができる。
分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)は、ポリエステル系ブロック共重合体中で、実質的に非晶の状態を示すものであり、このセグメントの構成成分だけで重合体を形成した場合の融点または軟化点が80℃以下のものである。この低融点軟重合体セグメントの分子量は、400〜8000が好ましく、700〜5000がより好ましい。またポリエステル系エラストマー中の低融点軟重合体セグメントの割合は1〜90質量%であるのが好ましい。特に好ましい割合は5〜80質量%である。
代表的な低融点軟重合体セグメントとしては、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体のグリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体のグリコール等のポリエーテル、またはポリネオペンチルアゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリネオペンチルセバケート等の脂肪族ポリエステル等があるが、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステルとの相溶性の点から、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンをソフトセグメントに用いたポリエステル系エラストマーが特に好ましい。
本発明では、テレフタル酸とブタンジオールとε−カプロラクトンの共重合ポリエステルからなるε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーが、非晶度合いを高めて、熱収縮特性、特に低温域での熱収縮特性を良好にする効果が大きいため、好ましく使用できる。また、このε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの使用によって、収縮仕上がり性も向上する。これらの効果を充分に得るには、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル樹脂100モル%のうち、ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーを1〜30モル%とすることが好ましい。3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの量は1モル%より少ないと、低温域での熱収縮性が充分に得られなくなり、収縮不足や収縮仕上がり性不良を起こすおそれがある。また30モル%を超えると、フィルムの耐破れ性、強度や耐熱性等の物理的強度が充分に得られないおそれがあるため好ましくない。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを形成する樹脂の中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。また、フィルムの作業性(滑り性)を良好にする滑剤としての微粒子を添加することが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
熱収縮性ポリエステル系フィルムを形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムには、フィルム表面の接着性を良好にするために、コロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したりすることも可能である。
次に本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを本包装用として用いるに当たって必要な特性を説明する。
まず、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、90℃の熱風中で測定したフィルム主収縮方向の最大熱収縮応力が1MPa以上6MPa以下でなければならない。6MPaを超えると、本にフィルムを被せて熱収縮させた後に、本の反りが大きくなり好ましくない。90℃の熱風中の最大熱収縮応力は、5MPa以下が好ましく、4MPa以下がより好ましい。90℃の熱風中の最大熱収縮応力は小さい方が本の反りも小さくなるため好ましいが、70℃での熱収縮力を発現させるために1MPaは必要であるので、下限値を1MPaとした。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、70℃の温水中で無荷重状態で10秒間にわたって処理したときに、収縮前後の長さから、下記式(I)により算出したフィルムの主収縮方向の熱収縮率(すなわち、70℃の温湯熱収縮率)が、15%以上50%以下でなければならない。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) …式(I)
70℃における主収縮方向の温湯熱収縮率が15%を下回ると、収縮量が小さいために、熱収縮した後の包装体に、収縮ムラ、シワやタルミが生じてしまう。70℃における主収縮方向の温湯熱収縮率は、17%以上が好ましく、19%以上がより好ましい。一方、70℃における主収縮方向の温湯熱収縮率が50%を上回ると、収縮速度が上がり、緩やかに収縮することができなくなるので、熱収縮時に収縮に歪みが生じてしまう。70℃における主収縮方向の温湯熱収縮率は、48%以下が好ましく、46%以下がより好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主収縮方向と、この主収縮方向と直交する方向におけるエルメンドルフ引裂伝播強度が300mN以下でなければならない。なお、エルメンドルフ引裂伝播強度は、下記方法で求めた。
[エルメンドルフ引裂伝播強度の測定方法]
JIS K 7128−2に準じて、測定方向が63mm、非測定方向が75mmの長方形にフィルムを切断し、測定方向の中央に端縁から20mmのスリットを入れることによって試験片を作製し、エルメンドルフ引裂試験機を用いてエルメンドルフ引裂伝播強度を測定した。
フィルムの主収縮方向と、主収縮方向と直交する方向のいずれにおいても、エルメンドルフ引裂伝播強度が300mNより大きいと、熱収縮後のフィルムを本から剥ぎ取る際に容易に切れ難く、好ましくない。エルメンドルフ引裂伝播強度は、いずれの方向においても280mN以下が好ましく、260mN以下がより好ましい。エルメンドルフ引裂伝播強度は、フィルム厚みが薄くなると小さくなるので、下限は特に限定されない。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムには印刷が施されている必要があり、文字、図柄、記号のうち1種以上が印刷されている。これにより、情報発信機能を確保できる。文字としては、店名の他、本の内容や推奨する人の言葉といった従来本の帯に記載されていた情報、さらには、万引き禁止といった万引き防止用の文言等、何でもよい。図柄や記号も特に限定されず、リボンをあしらったような図柄を印刷しておけば、本をプレゼントするときに有用である。表面にくじマークを付け、フィルムの裏面に「当たり」や「はずれ」等を印刷して、購入者のみがくじ引きを行えるようにすることもできる。本の販売促進に繋がる。また、広告媒体として本を用いて、本とは関係のない広告を印刷しておいてもよい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいてフィルムの厚みは特に限定されないが、3μm以上20μm以下が好ましい。フィルムの厚みが3μmより薄いと印刷等の加工が困難になるおそれがある。またフィルム厚みが20μmより厚いと、フィルム収縮時の力(収縮応力×厚み)が大きくなり、収縮後の包装された本の反りが大きくなるので好ましくない。フィルムの厚みは5μm以上18μm以下であるとより好ましく、7μm以上16μm以下であるとさらに好ましい。
上述した本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、上記したポリエステル原料を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成し、その未延伸フィルムを以下に示す所定の方法により一軸延伸または二軸延伸することによって得ることができる。なお、ポリエステルは、前記した好適なジカルボン酸成分とジオール成分とを公知の方法で重縮合させることで得ることができる。また、通常は、チップ状のポリエステルを2種以上混合してフィルムの原料として使用する。
原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのようにポリエステル原料を乾燥させた後に、押出機を利用して、200〜300℃の温度で溶融しフィルム状に押し出す。押し出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用することができる。
そして、押し出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって未延伸フィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金から回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を好適に採用することができる。
得られた未延伸フィルムを、横延伸、縦延伸を適宜使い分けることで、フィルム長手方向あるいは幅方向が主収縮方向となる熱収縮性ポリエステル系フィルムを得ることができる。好ましい製造方法は次の通りである。
本発明の目的を達成するには、フィルムの主収縮方向はフィルム縦(長手)方向、横(幅)方向のいずれでも構わない。以下では、最初に横延伸、次に縦延伸を実施する横延伸-縦延伸法について説明するが、順番を逆にする縦延伸−横延伸であっても、主収縮方向が変わるだけなので構わない。
まず、横方向の延伸を行う。横方向の延伸は、テンター(第1テンター)内でフィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、65℃〜85℃で3.5〜5倍程度、行うことが好ましい。横方向の延伸を行う前には、予備加熱を行っておくことが好ましく、予備加熱はフィルム表面温度が70℃〜100℃になるまで行うとよい。
横延伸の後は、フィルムを積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させることが好ましい。第1テンターの横延伸ゾーンと中間熱処理ゾーンで温度差がある場合、中間熱処理ゾーンの熱(熱風そのものや輻射熱)が横延伸工程に流れ込み、横延伸ゾーンの温度が安定しないためにフィルム品質が安定しなくなることがあるので、横延伸後で中間熱処理前のフィルムを、所定時間をかけて中間ゾーンを通過させた後に、中間熱処理を実施するのが好ましい。この中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの走行に伴う随伴流、横延伸ゾーンや中間熱処理ゾーンからの熱風を遮断すると、安定した品質のフィルムが得られる。中間ゾーンの通過時間は、1秒〜5秒程度で充分である。1秒より短いと、中間ゾーンの長さが不充分となって、熱の遮断効果が不足する。また、中間ゾーンは長い方が好ましいが、あまりに長いと設備が大きくなってしまうので、5秒程度で充分である。
中間ゾーンの通過後は、縦延伸前の中間熱処理を行う。この中間熱処理で、横方向の収縮率の調整を行うためである。横延伸後の中間熱処理の温度を高くすると、収縮に寄与する分子配向が緩和されるが、結晶化が進むため収縮率は低下する。この観点から、中間熱処理は、65〜140℃で行うことが好ましい。中間熱処理ゾーンの温度が65℃より低いと、横方向の熱収縮率は、横延伸後の熱収縮率に対し、何らの変化も示さない。また、140℃より高いと横方向収縮率はゼロになるが、結晶化して続く縦方向への延伸が行いにくくなるため好ましくない。また、中間熱処理ゾーンの通過時間は、2秒〜20秒が好ましい。2秒より短いと中間熱処理ゾーンの長さが不充分で、横方向の熱収縮率の調整が難しくなる。また、中間熱処理ゾーンは長い方が好ましいが、20秒程度で充分である。これにより横一軸延伸フィルムが得られる。
本発明では、続いて縦延伸を行うことが好ましい。よって、横一軸延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へと導入するとよい。縦延伸に当たっては、予熱ロールでフィルム温度が65℃〜110℃になるまで予備加熱することが好ましい。フィルム温度が65℃より低いと、縦方向に延伸する際に延伸し難くなり(すなわち、破断が生じやすくなる)好ましくない。また110℃より高いとロールにフィルムが粘着しやすくなり、連続生産によるロールの汚れ方が早くなり好ましくない。
フィルム温度が前記範囲になったら、縦延伸を行う。縦延伸倍率は、主収縮方向を縦方向にするか、横方向にするかで異なる。主収縮方向を縦方向にする場合は、縦延伸倍率を2〜5倍とするとよい。一方、主収縮方向を横方向にする場合は、縦延伸倍率を1.2〜1.8倍とするとよい。
縦延伸後は、一旦フィルムを冷却することが好ましく、最終熱処理を行う前に、表面温度が20〜40℃の冷却ロールで冷却することが好ましい。縦延伸後に急冷することで、フィルムの分子配向が安定化し、製品となった後のフィルムの自然収縮率が小さくなるため、好ましい。
次に、縦延伸および冷却後のフィルムを、熱処理(リラックス処理)のための第2テンターへと導入し、熱処理やリラックス処理を行うと、収縮率を調整することができ、好ましい実施態様である。リラックス処理は、フィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、0%〜30%でフィルムを弛ませる工程である。リラックス率により横方向の収縮率を変化させることができる。リラックス率を高くすると、縦方向の収縮率にはあまり変化は認められないが、横方向の収縮率は低くなる。リラックス率は0%が下限であり、また上限は99%であるが、リラックス率が高いと、フィルム製品幅が短くなるというデメリットもあるので好ましくない。よって、リラックス率の上限は30%程度が好適である。
熱処理(リラックス処理)温度は、65℃〜140℃が好ましい。熱処理温度が65℃より低いとフィルムの収縮率は変化しない。一方、熱処理温度が140℃より高いと、フィルムが結晶化してしまい、縦方向・横方向の両方向に収縮しないフィルムとなるので、熱収縮性フィルムとして好ましくない。
後は、フィルム両端部を裁断除去しながら巻き取れば、熱収縮性ポリエステル系フィルムロールが得られる。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、本の包装に使用される。本の包装に用いる場合は、本の周方向がフィルムの収縮方向となるように、フィルムの両端部をジオキソラン等の溶剤で接着するか、ヒートシールしてチューブ状にして単品へとカットしたカット品か、カット後にチューブの底も接着して袋状にした袋品が有用である。カット品の場合はチューブの中に本を入れ、袋品の場合も袋の中に本を入れ、シュリンク機に通すと、フィルムが収縮して本に密着した本包装体が得られる。チューブでも袋でも、包装する本の外周長(胴回り)よりも、1.03倍〜1.1倍程度の外周長を有するようにすると、熱収縮後の外観が美麗になるため好ましい。熱収縮性フィルムには、ノッチやミシン目を設けておいてもよい。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
<ポリエステル原料の調製>
合成例1
撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、多価アルコール成分としてエチレングリコール(EG)100モル%とを、エチレングリコールがモル比でジメチルテレフタレートの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.225モル%(酸成分に対して)を添加し、280℃で26.7Paの減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル(A)を得た。このポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。
合成例2
合成例1と同様にして、表1に示したポリエステル(B)〜(F)を得た。表中、BDは1,4−ブタンジオール、NPGはネオペンチルグリコール、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、DEGはジエチレングリコール、ε−CLはε−カプロラクトンである。なお、ポリエステル(F)の製造の際には、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して7,000ppmの割合で添加した。ポリエステルB,C,D,E,Fの固有粘度は、それぞれ、0.72dl/g,0.80dl/g,1.20dl/g,0.77dl/g,0.75dl/gであった。各ポリエステルは、適宜チップ状にした。各ポリエステルの組成を表1に示す。
Figure 0005962363
熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装後の本包装体の評価方法を以下に示す。
[熱収縮率(温湯熱収縮率)]
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、70℃±0.5℃の温湯中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬し、水中から引き出してフィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記式(I)にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) …式(I)
[最大熱収縮応力値]
熱収縮性フィルムから主収縮方向の長さが200mm、幅20mmのサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン社製(現社名オリエンテック)の加熱炉付き強伸度測定機(テンシロン(オリエンテック社の登録商標)STM−50)を用いて測定した。加熱炉は予め90℃に加熱しておき、チャック間距離は100mmとした。加熱炉の送風を一旦止めて加熱炉の扉を開け、サンプルをチャックに取付け、その後速やかに加熱炉の扉を閉めて、送風を再開した。収縮応力を30秒以上測定し、30秒後の収縮応力(MPa)を最大熱収縮応力値(MPa)とした。
[エルメンドルフ引裂伝播強度の測定方法]
JIS K 7128−2に準じて、測定方向が63mm、非測定方向が75mmの長方形にフィルムを切断し、測定方向の中央に端縁から20mmのスリットを入れることによって試験片を作製し、エルメンドルフ引裂試験機を用いてエルメンドルフ引裂伝播強度を測定した。
[収縮仕上がり性・反り]
熱収縮性ポリエステル系フィルムに印刷機を用いて、東洋インキ製造会社製の草色、青色、白色のインキでこの順に印刷を行った。印刷後の熱収縮性フィルムの両端部をジオキソランで接着することにより、チューブ状ラベルを作製した。このとき、フィルムの主収縮方向は周方向(溶剤接着部に直交する方向)とした。また、外周長は、本(「ONE PIECE」単行本第50巻、集英社出版)の外周の長さよりも10%長くした。チューブ状ラベルをこの本の縦の長さ(高さ)と同一寸法にカットして、カット品を作製した。この本にチューブ状ラベルを被せ、100℃(風速12m/秒)の熱風を10秒当てて、熱収縮させた。収縮後のフィルムで被覆された本包装体が得られた。
得られた本包装体について、シワの本数を数え、シワが2本以下だと○、シワが3本〜4本だと△、シワが5本以上ある場合を×として評価した。
また、本包装体を水平においてから本の厚みを外周全周において目視で確認し、一番高い位置の厚み(最大高さ)と一番低い位置の厚み(最小高さ)を測定して、最大高さと最小高さの差を本包装体の反りとし、反りが2mm以下の場合を○、2mm超4mm以下を△、4mm超を×として評価した。
[開封性]
得られた本包装体に、ハサミを用いて本の縦方向に3mm長さのノッチを設けた。ノッチから手で収縮後のフィルムを引き裂いた。フィルムが裂けて剥がせたら良好、きれいに裂けずに剥がせなかったら不良とし、50回実施時の際に、不良が5回以下なら○、6回以上なら×として評価した。
実施例1
上記したポリエステルAとポリエステルBとポリエステルDとポリエステルFを質量比6:66:24:4で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが96μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/min.であった。しかる後、その未延伸フィルムを、横延伸ゾーン、中間ゾーン、中間熱処理ゾーンを連続的に設けたテンター(第1テンター)に導いた。なお、中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、延伸ゾーンからの熱風および熱処理ゾーンからの熱風が遮断されている。
そして、テンターに導かれた未延伸フィルムを、フィルム温度が80℃になるまで予備加熱した後、横延伸ゾーンで横方向に70℃で4倍に延伸し、中間ゾーンを通過させた後に(通過時間=約1.2秒)、中間熱処理ゾーンへ導き、90℃の温度で8秒間に亘って熱処理することによって厚み24μmの横一軸延伸フィルムを得た。
さらに、その横延伸したフィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予熱ロール上でフィルム温度が70℃になるまで予備加熱した後に3倍に延伸した。しかる後、縦延伸したフィルムを、表面温度25℃に設定された冷却ロールによって強制的に冷却した。
そして、冷却後のフィルムをテンター(第2テンター)へ導き、第2テンター内で90℃の雰囲気下で10秒間に亘って熱処理、かつ15%横方向(フィルム幅方向)にリラックスした後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、厚みが約9μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例2
実施例1において、ポリエステルBをポリエステルCに変えた以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例3
実施例2において、ポリエステルDをポリエステルEに変更した。また、第1テンターの中間熱処理温度を90℃から87℃に、縦延伸での予熱ロール温度を70℃から67℃に、第2テンターの熱処理温度を90℃から87℃に変更した。それ以外は実施例2と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例4
実施例1において、縦延伸倍率を2倍に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例5
実施例3において、原料ポリエステルを、ポリエステルBとポリエステルEとポリエステルFを質量比70:26:4に変更し、縦延伸倍率を3.5倍に変更した以外は実施例3と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例6
実施例1において、第1テンターでの横延伸倍率を4倍から3.5倍に変更し、縦延伸倍率も3倍から2倍に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例7
実施例1において、ポリエステルAとポリエステルBとポリエステルDとポリエステルFを質量比26:55:15:4に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮仕上がり性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
実施例8
実施例1において、第1テンターでの横延伸倍率を4倍から4.5倍に変更し、中間熱処理温度を90℃から70℃に変更し、縦延伸倍率を3倍から1.5倍に変更し、第2テンターでのリラックス率を15%から0%に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。このフィルムの主収縮方向は横方向である。収縮仕上り性、反り、開封性のいずれにも優れた本包装体であった。
比較例1
上記したポリエステルAとポリエステルBとポリエステルDとポリエステルFを質量比6:66:24:4で混合して押出機に投入した。次に、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが40μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/min.であった。続いて、その未延伸フィルムを、第1テンターには導かずに、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予熱ロール上でフィルム温度が70℃になるまで予備加熱した後に4倍に延伸した。その後、縦延伸したフィルムを、表面温度25℃に設定された冷却ロールによって強制的に冷却した。
そして、冷却後のフィルムをテンター(第2テンター)へ導き、第2テンター内で90℃の雰囲気下で10秒間に亘って熱処理し、両縁部を裁断除去することによって、厚みが約10μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。開封性に劣る本包装体であった。
比較例2
実施例1において、ポリエステルAとポリエステルBとポリエステルDとポリエステルFを質量比31:50:15:4に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み約9μmの二軸延伸フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。収縮応力が高いため、反りの大きな本包装体となった。
Figure 0005962363
Figure 0005962363
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、本を被覆包装するために利用できる。本発明の本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムは、低温できれいに収縮し、透明性に優れ、印刷適性にも優れているため、本に被せて熱収縮させると美麗な外観仕上がりとなる。印刷された情報を発信することもできるため、本の売り上げ向上にも寄与すること大である。

Claims (3)

  1. エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全モノマー成分中の、非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計が16モル%以上27モル%以下であるポリエステル樹脂から形成されており、下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルム。
    (1)90℃の熱風中で測定した主収縮方向の最大熱収縮応力が1MPa以上6MPa以下、
    (2)70℃の温湯で10秒間処理したときの主収縮方向の熱収縮率が15%以上50%以下、
    (3)主収縮方向と、主収縮方向と直交する方向とのエルメンドルフ引裂伝播強度がいずれも300mN以下、
    (4)文字、図柄、記号のうちいずれか1種以上が印刷されている。
  2. 厚みが3〜20μmである請求項1に記載の本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムで本を被覆し、熱収縮させることを特徴とする本包装用熱収縮性ポリエステル系フィルムの使用方法。


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