JP5961067B2 - 非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、前記特許文献1では多孔質集電体を用いることによる活物質保持量の増加は少量であり、また、正極又は/及び負極の塗膜層の厚膜化は困難であることから、現在の市場を満足する程の高容量化を達成し得るものではない。
また、正極又は/及び負極の乾燥工程やプレス工程において集電体から正、負極活物質が脱落してしまう恐れがあり、現在の市場を満足する程の長寿命化を達成し得るものではない。
更に、負極活物質として繊維状、球形、多角形のグラファイトを用いているため、特に高温領域では、正極と物理的に接触する非水電解質が酸化分解され、ガスが発生し電池膨れ、破裂、漏液等の不良を引き起こすだけでなく、活物質に含まれる遷移金属が非水電解質中に溶出して負極上に析出、微小内部短絡(ショート)に至るため、安全性を著しく損なう恐れがある。
前記アルミニウム粉末の粒径は、1〜50μmでもよい。
前記三次元多孔質アルミニウム集電体の空孔率は80%以上、95%以下でもよい。
また本発明は、所定の体積割合で混合したアルミニウム粉末と支持粉末の混合粉末を加圧成形して成る成形体を不活性雰囲気中で熱処理してアルミニウム粉末から液相を生じさせ、アルミニウム粉末同士を接合し、前記支持粉末を除去して、前記支持粉末が除去された空隙と、その空隙の周囲を形成する接合したアルミニウム粉末の結合金属粉末壁とによって構成され、前記結合金属粉末壁には多くの微細な孔が形成されており、空隙同士がこれら微細孔によって連結したオープンセル型の構造の三次元多孔質アルミニウム集電体を製造する工程と、前記三次元多孔質アルミニウム集電体に正極活物質を充填した正極と、前記三次元多孔質アルミニウム集電体に金属酸リチウムの負極活物質を充填した負極とを製造する工程とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法を提供する。
更に、正極、負極集電体を多孔質アルミニウム集電体とすることで放電容量に優れた非水電解質二次電池が得られる。
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、正極、負極共に多孔質アルミニウム集電体であって、リチウムイオンを吸蔵及び放出する正極、負極活物質を夫々溶媒に分散したスラリーを充填することにより構成されている。この溶媒には、正極活物質、負極活物質の他に、導電助剤、結着剤及び増粘剤を更に加えても良い。
本実施形態の多孔質アルミニウム集電体は、所定の体積割合で混合したアルミニウム粉末と支持粉末の混合粉末を加圧成形した後に、その成形体を不活性雰囲気中で熱処理してアルミニウム粉末又はアルミニウム板から液相を生じさせ、アルミニウム粉末同士及びアルミニウム粉末とアルミニウム板とを接合し、最終的に支持粉末を除去することで得られる。また、混合粉末を金属板と複合化してもよい。多孔質アルミニウム集電体は、支持粉末が除去された空隙と、その空隙の周囲を形成する接合したアルミニウム粉末の結合金属粉末壁とによって構成される。結合金属粉末壁には多くの微細な孔が形成されており、空隙同士がこれら微細孔によって連結したオープンセル型の構造となっている。
また、多孔質アルミニウム集電体の空孔率は80%以上、95%以下あり、好ましくは85%以上である。この範囲にすることより、電極としての強度を保ちつつ、集電体の孔内に所望量の活物質スラリーを充填することができ、かつ、電池の高出力化、高容量化が可能となる。
なお、本発明に係る非水電解質二次電池に用いる多孔質アルミニウム集電体は、次のようにして製造することができる。
本発明で用いるアルミニウム粉末には、純アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末又はこれらの混合物が用いられる。使用環境下において合金成分が耐食性劣化の原因となるような場合には、純アルミニウム粉末を用いるのが好ましい。純アルミニウムとは、純度99.0mass%以上のアルミニウムである。
純アルミニウム粉末に添加元素粉末を加えた混合物を用いてもよい。このような添加元素には、マグネシウム、珪素、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛等から選択される単独又は二つ以上の任意の組み合わせからなる複数の元素が好適に用いられる。このような混合物は、熱処理によりアルミニウムと添加元素との合金を形成する。また、添加元素の種類によっては、アルミニウムと添加元素との金属間化合物が更に形成される。このようなアルミニウムの合金や金属間化合物の含有により、様々な効果が得られる。例えば、珪素や銅などの添加元素とアルミニウムとのアルミニウム合金では、アルミニウム粉末の融点が低下し、熱処理に必要な温度を下げることができるので製造に必要なエネルギーを削減できると共に、合金化によって強度が向上する。また、アルミニウムとニッケルなど添加元素との金属間化合物が形成される際に発熱が起こって焼結が促進されると共に、金属間化合物が分散した組織が形成されることで高強度化が図れる。
また、添加元素粉末の粒径は、1〜50μmが好ましい。純アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、支持粉末との十分な混合を図るためにより微細であるのが好ましく、少なくとも支持粉末より細かいものが用いられる。添加元素粉末の粒径は、アルミニウム粉末と同様にレーザー回折散乱法(マイクロトラック法)で測定したメジアン径で規定する。
本発明では支持粉末としては、アルミニウム粉末の融点よりも高い融点を有するものを用いる。また、混合粉末を金属板と複合化する場合には、アルミニウム粉末と金属板の低い方の融点よりも高い融点を有するものを用いる。このような支持粉末としては水溶性塩が好ましく、入手の容易性から塩化ナトリウムや塩化カリウムが好適に用いられる。支持粉末が除去されることで形成された空間が多孔質アルミニウムの孔になることから、支持粉末の粒径が孔径に反映される。そこで、本発明で用いる支持粉末の粒径は、10〜1000μmとするのが好ましい。支持粉末の粒径は、ふるいの目開きで規定する。従って、分級によって支持粉末の粒径を揃えることで、孔径の揃った多孔質アルミニウムが得られる。
本発明においては、混合粉末を金属板と複合化した状態で用いてもよい。金属板とは無孔の板や箔及び、有孔の金網、エキスパンドメタル、パンチングメタル等の網状体である。金属板が支持体となり多孔質アルミウニム集電体の強度が向上し、更に導電性が向上する。金属板としては熱処理時に蒸発又は分解しない素材、具体的にはアルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅等の金属やその合金製のものが好適に利用できる。
網状体の有孔の孔径は、接合した混合粉末から支持粉末を除去して得られる孔の径より大きくても、小さくてもよい。
網状体の有孔の開口率は、多孔質アルミニウム集電体の気孔率を損なわないためにも大きい方が好ましい。
アルミニウム粉末と支持粉末の混合割合は、それぞれの体積をVal、Vsとしてアルミニウム粉末の体積率であるVal/(Val+Vs)が5〜20%とするのが好ましく、より好ましくは10〜15%である。ここで体積Val、Vsはそれぞれの質量と比重から求めた値である。アルミニウム粉末の体積率が20%を超える場合には、支持粉末の含有率が少な過ぎるために支持粉末同士が接触することなく独立して存在することになり、支持粉末を十分に除去しきれない。除去しきれない支持粉末は、多孔質アルミニウムの腐食の原因となる。一方、アルミニウム粉末の体積率が5%未満の場合には、多孔質アルミニウムを構成する壁が薄くなり過ぎることで、多孔質アルミニウムの強度が不十分となり、取り扱いや形状維持が困難となる。
また、支持粉末をアルミニウム粉末で十分に覆れた状態を達成するために、アルミニウム粉末の粒径(dal)が支持粉末の粒径(ds)に比べて十分に小さいこと、例えば、dal/dsが0.1以下であることが好ましい。
混合粉末を成形用金型に充填する際に、混合粉末と金属板とを複合化してもよい。複合化の形態としては、混合粉末の間に金属板を挟んでも、混合粉末を金属板で挟んでも構わない。また、混合粉末と金属板の複合化を繰り返して多段にすることもできる。複合化の際にはアルミニウム粉末や支持粉末の粒径、混合割合の異なる混合粉末や、種類の異なる複数の金属板を組み合わせることもできる。
加圧成形時の圧力は、200MPa以上とするのが好ましい。十分な圧力を加えて成形することでアルミニウム粉末同士が擦れ合い、アルミニウム粉末同士の焼結を阻害するアルミニウム粉末表面の強固な酸化皮膜が破壊される。この酸化皮膜は融解したアルミニウムを閉じ込め、互いに接触することを妨げると共に、融解アルミニウムとの濡れ性に劣り、液体状のアルミニウムを排斥する作用がある。そのため、加圧成形の圧力が200MPa未満の場合にはアルミニウム粉末表面の酸化皮膜の破壊が不十分で、加熱時に融解したアルミニウムが成形体の外に滲み出し玉状のアルミニウムの塊が形成される場合がある。アルミニウム塊が形成されたことで多孔質アルミニウムの気孔率は狙いよりも高くなる。従って、このようなアルミニウムの塊の形成は、多孔質アルミニウムの気孔率が制御できなくなってしまう点で弊害となる。また、アルミニウム塊の形成によって形状が崩れ、これを除去しなければならなくなる点でも問題となる。成形圧力は使用する装置や金型が許容する限り大きい方が形成される多孔質アルミニウム壁が強固になって好ましい。しかしながら、400MPaを超えると効果が飽和する傾向がある。加圧成形体の離型性を高める目的でステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、各種ワックス、合成樹脂、オレフィン系合成炭化水素等の潤滑剤を使用することが好ましい。
熱処理は使用するアルミニウム粉末の融点以上で、かつ、支持粉末の融点未満の温度で行う。混合粉末を金属板と複合化する場合には、アルミニウム粉末と金属板の低い方の融点以上で、かつ、支持粉末の融点未満の温度で熱処理を行う。また、アルミニウム粉末の融点とは、純アルミニウム又はアルミニウム合金の液相が生じる温度であり、金属板の融点とは、同様に液相が生じる温度である。液相が生じる温度まで加熱することで、アルミニウム粉末から液相が滲み出し、液相同士が接触することでアルミニウム粉末同士が金属的に結合する。
焼結体中の支持粉末の除去は、支持粉末を水に溶出させて行う方法が好適に用いられる。焼結体を十分な量の水浴または流水浴に浸漬する等の方法により、支持粉末を容易に溶出することができる。支持粉末として水溶性塩を用いる場合には、これを溶出させる水は、イオン交換水や蒸留水等、不純物の少ない方が好ましいが、水道水でも特に問題は無い。浸漬時間は、通常、数時間〜24時間程度の範囲で適宜選択される。浸漬中に超音波等によって振動を与えることにより、溶出を促進することもできる。
リチウムイオンを吸蔵及び放出する金属酸リチウムとしては、例えば、リチウムチタン複合酸化物、リチウムタングステン複合酸化物、リチウムニオブ複合酸化物、リチウムモリブデン複合酸化物などが挙げられる。これらの金属酸リチウムの中でも非水電解質二次電池の高容量化、長寿命化及び安全性の観点から、リチウムチタン複合酸化物を用いることが好ましい。
本実施形態に用いられる導電助剤は特に限定されるものではなく、公知または市販のものを使用することができる。例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等を挙げることができる。さらに、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液等を用いることができる。
本実施形態に用いられる結着剤は特に限定されるものではなく、公知または市販のものを使用することができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、コアシェルバインダー、ポリイミドやポリアミドイミドなどのイミド系樹脂などが用いられる。
このようにして得られる非水電解質二次電池用負極は、ロールプレス機や平板プレス機等を用いて加圧するプレス処理によって活物質の電極密度を向上させることが好ましい。特に、平板プレス機によるプレス処理が望ましい。ロールプレス機を用いたプレス処理では、多孔質アルミニウム集電体が歪曲して電極が崩落するおそれがあるためである。
なお、平板プレス機によるプレス処理は10〜100MPaの圧力でプレスすることが好ましい。
正極は、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な活物質を溶媒に分散したスラリーを多孔質アルミニウム集電体に充填することで得られる。この溶媒には、正極活物質の他に、導電助剤、結着剤及び増粘剤を更に加えても良い。
正極活物質は、非水電解質二次電池に使用できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウム等のリチウム金属酸化物を挙げることができる。
また、導電助剤は負極に用いるのと同様のもの、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等を挙げることができる。更に、増粘剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液等を用いることができる。
負極と正極のセパレータは、一般的に用いられているポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの高分子膜が用いられる。
また、非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネ-ト(DEC)などの有機溶媒に溶解させた六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)を用いることができる。
まず、本発明に係る非水電解質二次電池用電極に用いる多孔質アルミニウム集電体を以下のようにして作製した。
アルミニウム粉末として、純アルミニウム粉末(メジアン径3μm、融点660℃)を用い、支持粉末として、塩化ナトリウム粉末(粒径400μm(ふるい目開き中央値、融点800℃)を用いた。各粉末を純アルミニウム粉末8vol%:塩化ナトリウム粉末92vol%の体積割合で混合し、混合粉末を調製した。
この混合粉末をφ20mmの穴を有する金型に充填し、400MPaの圧力で加圧成形した。混合物の充填量は加圧成形体の厚さが1mmとなる質量とした。この加圧成形体を最大到達圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気下において、670℃、5分間、熱処理することで焼結体を作製し、得られた焼結体を流水(水道水)中に6時間浸漬して支持粉末を溶出させ、多孔質アルミニウム集電体(直径20mm×厚さ1mm)を作製した。
(非水電解質二次電池用負極の作製)
負極活物質としてチタン酸リチウム90重量部、導電助剤としてアセチレンブラック5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン5重量部を、溶媒である適量のN−メチル−2−ピロリドンに分散して攪拌混合し、スラリーを調製した。
上述の浸漬法を用いて、負極活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散したスラリー中に前記方法により作製した多孔質アルミニウム集電体(φ20、空孔率93%、孔径300μm)を浸漬し、減圧した(−0.1MPa)。浸潰後、多孔質アルミニウム集電体の表裏面に付着した余分なスラリーを、ヘラを用いて擦り切り落とした。次いで、スラリーを充填した多孔質アルミニウム集電体を乾燥装置内に配置し、80℃で2時間乾燥させ、密度2.0g/ccになるまでプレス処理(60MPa)をし、非水電解質二次電池用負極の試料(以下、負極試料と言う)を作製した。
正極活物質として炭素被覆リン酸鉄リチウム100重量部、導電助剤としてアセチレンブラック6.8重量部、結着剤として水分散バインダである固形分濃度40質量%のアクリル系共重合体3重量部(固形分として)、ならびに、分散剤として水溶液中の固形分濃度2質量%のカルボキシメチルセルロース2重量部(固形分として)を、溶媒である所望のイオン交換水に分散してスラリーを調製した。
上述の浸漬法を用いて、正極活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散したスラリー中に、上記方法により作製した多孔質アルミニウム集電体(φ20、空孔率93%、孔径300μm)を浸漬し、減圧した(−0.1MPa)。浸漬後、多孔質アルミニウム集電体表裏面に付着した余剰スラリーを、ヘラを用いて擦り切り落とした。次いで、スラリーを充填した多孔質アルミニウム集電体を乾燥装置内に配置し、80℃で2時間乾燥させ、密度1.8g/ccになるまでプレス処理(60MPa)をし、非水電解質二次電池用正極の試料(以下、正極試料と言う)を作製した。
即ち、本実施例では正極、負極とも集電体を多孔質アルミニウム集電体としたものである。
上記のプレス処理した負極試料、正極試料を用いて評価セルを作製した。電解液として、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートとの混合溶媒(体積比で2:5:3)にLiPF6を1.3mol/L溶解させた非水電解液を用い、セパレータとして微多孔質ポリエチレン膜を用いた。外装体には、ポリプロピレンブロックを加工した樹脂製容器を用い、負極試料、及び正極試料に設けた各端子の開放端部が外部露出するように電極群を収納封口した。
この比較例1は、実施例1において、負極の集電体に金属箔を用いたものである。
すなわち、比較例1では、負極を多孔質アルミニウム集電体に替えて、厚さ20μmのアルミニウム箔を集電体に用い、この集電体上に、上記実施例1で作製したスラリーを塗布して乾燥させ、負極試料を作製した。その後、実施例1と同様にして評価セルを作製し、電池試験を行った。
この比較例2は、実施例2において、負極の集電体に金属箔を用いたものである。
すなわち、比較例2では、負極を多孔質アルミニウム集電体に替えて、厚さ20μmのアルミニウム箔を集電体に用い、この集電体上に、上記実施例2で作製したスラリーを塗布して乾燥させ、負極試料を作製した。その後、実施例1と同様にして評価セルを作製し、電池試験を行った。
この比較例3は、実施例1において、正極の集電体に金属箔を用いたものである。
すなわち、比較例3では、正極を多孔質アルミニウム集電体に替えて、厚さ20μmのアルミ箔を集電体に用い、この集電体上に、上記実施例1で作製したスラリーを塗布して乾燥させ、正極試料を作製した。その後、実施例1と同様にして評価セルを作製し、電池試験を行った。
この比較例4は、実施例1において、正極、負極の集電体に金属箔を用いたいものである。
すなわち、比較例4では、負極を多孔質アルミニウム集電体に替えて、厚さ20μmのアルミニウム箔を集電体に用い、この集電体上に、上記実施例1で作製したスラリーを塗布して乾燥させ、負極試料を作製した。また、正極を多孔質アルミニウム集電体に替えて、厚さ20μmのアルミ箔を集電体に用い、この集電体上に、上記実施例1で作製したスラリーを塗布して乾燥させ、正極試料を作製した。その後、実施例1と同様にして評価セルを作製し、電池試験を行った。
なお、電極容量は、電極容量(mAh)=活物質の理論容量(mAh/g)×作製した各電極の活物質重量(g)から求めた。また、負極、正極の試料の厚さは夫々膜厚計を用いて計測した。
実施例1、実施例2、比較例1乃至比較例4で得られた電池を用いて、充放電特性の評価試験を行った。
初回充放電試験は0.5mAの電流で2.2Vまで充電し、0.5mAの電流で1.5Vまで放電した。面積あたりの初回放電容量を表2に示す。
またサイクル試験は0.5mAの電流で2.2Vまで充電し、0.5mAの電流で1.2Vまで放電するサイクルを1サイクルとし、100サイクル行った。このサイクル試験の100サイクル後の容量維持率を表3に示す。
なお、100サイクル後の容量維持率は、初期容量を100%としたときの100サイクル後の容量を比率で表したものである。
これに加え、本発明によれば、集電体の多孔質構造により正、負極活物質が保持されているため、充放電の繰り返しに伴う正、負極活物質の脱落といった劣化挙動が抑制される。特に、高容量化のため多量の正、負極活物質層を金属箔の集電体に塗布した場合、電極の乾燥工程やプレス工程において集電体から正、負極活物質が脱落してしまうが、多孔質集電体を用いればこれを抑制できる。
更に、負極に多孔質アルミニウム集電体を集電体として用いることで、銅を集電体として用いる場合に比べてコストを下げることができる。
従って、本発明によれば、正極、負極共に多孔質アルミニウム集電体を用いることにより、電池特性の劣化を抑え、高容量かつ充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
Claims (4)
- 三次元多孔質アルミニウム集電体に正極活物質を充填した正極と、三次元多孔質アルミニウム集電体に負極活物質を充填した負極とを備え、
前記正極及び前記負極に使用される前記三次元多孔質アルミニウム集電体は、所定の体積割合で混合したアルミニウム粉末と支持粉末の混合粉末を加圧成形して成る成形体を不活性雰囲気中で熱処理してアルミニウム粉末から液相を生じさせ、アルミニウム粉末同士を接合し、前記支持粉末を除去して製造された三次元多孔質アルミニウム集電体であって、前記支持粉末が除去された空隙と、その空隙の周囲を形成する接合したアルミニウム粉末の結合金属粉末壁とによって構成され、前記結合金属粉末壁には多くの微細な孔が形成されており、空隙同士がこれら微細孔によって連結したオープンセル型の構造であり、
前記負極活物質は金属酸リチウムであることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記アルミニウム粉末の粒径は、1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記三次元多孔質アルミニウム集電体の空孔率は80%以上、95%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 所定の体積割合で混合したアルミニウム粉末と支持粉末の混合粉末を加圧成形して成る成形体を不活性雰囲気中で熱処理してアルミニウム粉末から液相を生じさせ、アルミニウム粉末同士を接合し、前記支持粉末を除去して、前記支持粉末が除去された空隙と、その空隙の周囲を形成する接合したアルミニウム粉末の結合金属粉末壁とによって構成され、前記結合金属粉末壁には多くの微細な孔が形成されており、空隙同士がこれら微細孔によって連結したオープンセル型の構造の三次元多孔質アルミニウム集電体を製造する工程と、
前記三次元多孔質アルミニウム集電体に正極活物質を充填した正極と、前記三次元多孔質アルミニウム集電体に金属酸リチウムの負極活物質を充填した負極とを製造する工程と
を備えることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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