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JP5954186B2 - 多色感熱記録材料及びその多色感熱記録材料の発色方法 - Google Patents

多色感熱記録材料及びその多色感熱記録材料の発色方法 Download PDF

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Description

本発明は、サーマルヘッドからの加熱印加条件の違いにより、互いに異なる色調をそれぞれに発色させることができる多色感熱記録材料及びその多色感熱記録材料の発色方法に関する。
従来、染料前駆体と、該染料前駆体と加熱下に接触してこれを呈色させる顕色剤との発色反応を利用し、加熱により両発色物質を溶融接触させ、発色画像を得るようにした感熱記録材料が広く知られている。このような感熱記録材料は、比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易であるため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算機、及びその他の用途の記録媒体として、幅広い分野において使用されている。
感熱記録材料に対しては、その用途の拡大に伴って要求される品質も多様化しており、例えば、高感度化、画像安定化、多色記録化等の要望を挙げることができる。
多色記録手段には、強調したい文字や図形を他の部分とは異なる色調によって顕著に明確に表示できる等の利点がある。そのなかでも赤、青、黄や黒の2色以上の記録が可能な多色感熱記録材料は、汎用性に優れているため実用化の要望が高い。
多色感熱記録系としては、これまでに加熱温度の差、又は熱エネルギーの差を利用する試みがなされ、種々の多色感熱記録材料が提案されている。一般に、多色感熱記録材料は、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されるものであって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類に分けられる。
消色型多色感熱記録材料としては、例えば、低温発色操作により低温発色層のみが発色し、高温発色操作の際には、低温発色層の発色系に対して消色作用を有する消色剤が作用し、高温発色層のみの発色を得ることが提案されている(特許文献1〜3参照)。
加色型多色感熱記録材料としては、異なる色調に発色する2層の感熱発色層を積層し、異なる熱量を与えることにより識別可能な2色を得ることが提案されている(特許文献4〜6参照)。また、同一層内に、発色色調が異なり、且つ平均粒子径の異なる2種以上の染料前駆体を混在させること(特許文献7参照)が提案されている。
また、それぞれ互いに異なる色調に発色する発色成分を溶媒に溶解し、それぞれをガラス転移温度の異なる2種以上のマイクロカプセルに含有させることにより多色化すること(特許文献8参照)も提案されている。
一方、染料前駆体をマイクロカプセル化、或いは複合微粒子化することによって発色感度を低下させて、固体微粒子の状態で存在する染料前駆体との発色感度の差を利用して感度区分を行う多色感熱記録材料(特許文献9、10参照)も提案されている。
しかしながら、このような多色感熱記録材料は、発色層が1層又は2層で赤、青、及び赤と青の混色による紫等、最大で3色の発色記録画像しか得られなかった。
このような問題を解決するために、3色以上の発色層を設けて更に多色発色を行う方法(特許文献11)が提案されている。
特許文献11の方法では、各感熱発色層に伝達される温度を制御するために、各感熱発色層の間に中間層を設ける必要がある。各感熱発色層の間に中間層を設けることにより、製造時における塗工回数の増加や、各層の歩留まりの低下により、結果的にコストが大幅にアップする問題が発生している。また、各発色層を所望とする温度で発色させるために各発色層に融点の異なる染料前駆体が使用されているが、染料前駆体の分子構造の制約のため、限定された染料前駆体しか利用できず、材料の選択性にも課題を有するものである。
特公昭50−17865号公報 特公昭57−14320号公報 特開平2−80287号公報 特公昭49−27708号公報 特公昭51−19989号公報 特開昭51−146239号公報 特開昭56−99697号公報 特公平4−4960号公報 特開平9−76634号公報 特開平9−290565号公報 特許第4677431号
本発明は、特にサーマルヘッドからの加熱印加条件の違いにより、少なくとも4種の発色色調の多色印字(印画)が可能であり、安価で、更に材料選択性に優れる多色感熱記録材料及びその発色方法を提供することを目的とする。
本発明は、(1)支持体、
並びに支持体に近い側から
(2)第1染料前駆体、及び前記第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第1感熱発色層、
(3)中間層、
(4)第2染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第2染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第2感熱発色層、並びに
(5)第3染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第3染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第3感熱発色層
を有し、
第1染料前駆体、第2染料前駆体、及び第3染料前駆体は、それぞれ互いに異なる色調を発色し得る染料前駆体であり、
前記第2感熱発色層に含まれる前記第2染料前駆体を含有する粒子成分が、第2染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含み、
前記第3感熱発色層に含まれる前記第3染料前駆体を含有する粒子成分が、第3染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含む
多色感熱記録材料に関する。
また、本発明の多色感熱記録材料は、前記第2感熱発色層及び第3感熱発色層に含有される複合微粒子が、多価イソシアネート化合物、及び第2染料前駆体又は第3染料前駆体を含む液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子であることが好ましい。
また、本発明の多色感熱記録材料は、前記第1感熱発色層、前記第2感熱発色層、及び前記第3感熱発色層が、黄、マゼンタ、又はシアンに発色し得る層であって、それぞれ互いに異なる色調で発色し得る層であることが好ましい。
また、本発明の多色感熱記録材料は、黄、青、赤、又は黒の色調で発色し得ることが好ましい。
また、本発明の多色感熱記録材料は、黄の色調に発色し得る層に含有される染料前駆体が、分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体であることが好ましい。
本発明は、前記多色感熱記録材料をサーマルヘッドからの加熱印加によって発色させる多色感熱記録材料の発色方法にも関する。
また、本発明の多色感熱記録材料の発色方法は、前記第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層が、黄、マゼンタ、又はシアンの色調に発色し得る層であって、それぞれ互いに異なる色調で発色し得る層であることが好ましい。
さらに、本発明の多色感熱記録材料の発色方法は、黄、青、赤、又は黒の色調に発色することができる。
更にまた、本発明の多色感熱記録材料の発色方法は、サーマルヘッドからの加熱印加が1パルスの幅とパルスの繰返し回数によって、特定の静発色開始温度とすることにより発色させることが好ましい。
本発明の多色感熱記録材料によると、サーマルヘッドからの加熱印加条件の違いにより、少なくとも4種の発色色調の多色印字(印画)が可能である。特に、中間層を第1感熱発色層と第2感熱発色層との間に設けることにより、サーマルヘッドからの加熱温度を制御して、第1感熱発色層からの単独の発色を行うことができ、第2感熱発色層及び/又は第3感熱発色層からの発色との色分離を行うことが可能となる。なお、第2感熱発色層と第3感熱発色層を隣接させることにより、第2感熱発色層及び第3感熱発色層からの混色による色調の発色を速やかに行うことができる。
本発明の多色感熱記録材料の一実施形態を模式的に表した図である。 本発明の多色感熱記録材料をサーマルヘッドからの加熱印加によって、第1感熱発色層からの発色(単色1)を模式的に表わした図であり、A1(図2の上図)は、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を表したグラフであり、横軸が時間、縦軸が印加電圧(Vbus)を表し、A2(図2の下図)は、本発明の多色感熱記録材料の層構造と発色部分を表した図である。なお、A2中の矢印は、サーマルヘッドからの加熱印加を模式的に表したものである。 本発明の多色感熱記録材料をサーマルヘッドからの加熱印加によって、第1感熱発色層及び第2感熱発色層からの発色(混色1)を模式的に表わした図であり、B1(図3の上図)は、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を表したグラフであり、横軸が時間、縦軸が印加電圧(Vbus)を表し、B2(図3の下図)は、本発明の多色感熱記録材料の層構造と発色部分を表した図である。なお、B2中の矢印は、サーマルヘッドからの加熱印加を模式的に表したものである。 本発明の多色感熱記録材料をサーマルヘッドからの加熱印加によって、第2感熱発色層及び第3感熱発色層からの発色(混色2)を模式的に表わした図であり、C1(図4の上図)は、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を表したグラフであり、横軸が時間、縦軸が印加電圧(Vbus)を表し、C2(図4の下図)は、本発明の多色感熱記録材料の層構造と発色部分を表した図である。なお、C2中の矢印は、サーマルヘッドからの加熱印加を模式的に表したものである。 本発明の多色感熱記録材料をサーマルヘッドからの加熱印加によって、第1感熱発色層、第2感熱発色層及び第3感熱発色層からの発色(混色3)を模式的に表わした図であり、D1(図5の上図)は、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を表したグラフであり、横軸が時間、縦軸が印加電圧(Vbus)を表し、D2(図5の下図)は、本発明の多色感熱記録材料の層構造と発色部分を表した図である。なお、D2中の矢印は、サーマルヘッドからの加熱印加を模式的に表したものである。
本発明は、多色感熱記録材料に関するものである。以下に、本発明の多色感熱記録材料の構造を、図を用いて説明する。
図1は、本発明の多色感熱記録材料の一実施形態を模式的に表した図である。本発明の多色感熱記録材料1は、支持体2、並びに支持体2に近い側から第1感熱発色層3、中間層4、第2感熱発色層5、及び第3感熱発色層6の順で有する、少なくとも3層の感熱発色層を有する多層構造である。
感熱発色層において、第1感熱発色層3は、第1染料前駆体、及び第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含み、第2感熱発色層5は、第2染料前駆体を含有する粒子成分、及び第2染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含み、第3感熱発色層6は、第3染料前駆体を含有する粒子成分、及び第3染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む。
本発明の多色感熱記録材料は、サーマルヘッドからの加熱印加条件の違いによって、第1感熱発色層からの発色(以下、単色1ともいう)、第1感熱発色層及び第2感熱発色層の両方からの発色(以下、混色1ともいう)、第2感熱発色層及び第3感熱発色層の両方からの発色(以下、混色2ともいう)、並びに第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層の感熱発色層からの発色(以下、混色3ともいう)のいずれかを行うことができる。以下、図を用いて詳細に説明する。
<単色1>
本発明の多色感熱記録材料を単色1の色調で発色させる場合、即ち、第1感熱発色層を発色させる場合は、第2感熱発色層及び第3感熱発色層の静発色開始温度より低く、第1感熱発色層の静発色開始温度より高い温度となるように、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を設定する。このようなサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、例えば、図2の条件A1に示すように、サーマルヘッドを一定印加電圧(Vbus)で、短い印加パルス幅を、繰り返し長時間印加し、当該印加エネルギーを本発明の多色感熱記録材料の第3感熱発色層側から加えることで、低温・長時間印加が可能となり、第2感熱発色層及び第3感熱発色層を発色させることなく、第1感熱発色層を発色させることができる(図2のA2参照)。
ここで、静発色開始温度とは、それぞれの染料前駆体を単独で使用した単色の感熱記録体において、所定の温度の熱板を一定時間、一定の圧力で押しつけた時の発色を開始する温度である。
単色1の色調を発色させる場合のサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、多色感熱記録材料を構成する各層の厚さ、及び各層に含まれる成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、サーマルヘッドのヘッド密度が203dpiの場合、1ライン記録時間を好ましくは4.93〜492.61msec/line程度、より好ましくは8.21〜49.26msec/line程度、更に好ましくは8.21〜20.0msec/line程度、印加エネルギーを1ドット当たり好ましくは4.0〜8.0μJ/1回程度、より好ましくは4.8〜7.8μJ/1回程度、1パルス周期を好ましくは95〜100μsec程度、より好ましくは96〜99μsec程度、印加パルスの繰返し回数を好ましくは80〜160回、より好ましくは100〜140回の条件で印字(印画)する方法が挙げられる。
<混色1>
本発明の多色感熱記録材料を、混色1の色調で発色させる場合、即ち、第1感熱発色層と第2感熱発色層からの発色で混色させる場合は、第3感熱発色層の静発色開始温度より低く、第2感熱発色層の静発色開始温度より高い温度となるように、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を設定する。このようなサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、例えば、図3のB1に示すように、サーマルヘッドの印加エネルギーを一定印加電圧で、第1感熱発色層を発色させる場合より長い印加パルス幅を、第3感熱発色層側から繰り返し印加することで、中温・長時間印加を行い、第3感熱発色層を発色させることなく、第1感熱発色層を発色させるとともに第2感熱発色層を発色させることができる(図3のB2参照)。ここで、中温とは、単色1の低温に比べて温度が高いことを意味する。また、長時間とは、パルスが繰り返されている期間が単色1と同程度の時間であることを意味する。
混色1の色調を発色させる場合のサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、多色感熱記録材料を構成する各層の厚さ、及び各層に含まれる成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、サーマルヘッドのヘッド密度が203dpiの場合、1ライン記録時間を好ましくは4.93〜492.61msec/line程度、より好ましくは8.21〜49.26msec/line程度、更に好ましくは8.21〜20.0msec/line程度、印加エネルギーを1ドット当たり好ましくは8.0〜12.0μJ/1回程度、より好ましくは8.8〜11.2μJ/1回程度、1パルス周期を好ましくは100〜105μsec程度、より好ましくは101〜104μsec程度、印加パルスの繰返し回数を好ましくは80〜150回、より好ましくは100〜130回の条件で印字(印画)する方法が挙げられる。
<混色2>
本発明の多色感熱記録材料を、混色2の色調で発色させる場合、即ち、第2感熱発色層と第3感熱発色層からの発色で混色させる場合は、第3感熱発色層の静発色開始温度以上の温度とし、さらに、第1感熱発色層の発色を抑制するように、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を設定する。このようなサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、例えば、図4のC1に示すように、サーマルヘッドを一定印加電圧で、第1感熱発色層と第2感熱発色層を発色させて混色を得る場合より長い印加パルス幅で、第1感熱発色層と第2感熱発色層を発色させて混色を得る場合より少ない繰り返し回数のパルス、又は1回のパルスで第3感熱発色層側から印加することで、高温・短時間印加を行い、第2感熱発色層を発色させるとともに第3感熱発色層を発色させることができる(図4のC2参照)。ここで、高温とは、混色1の中温に比べて温度が高いことを意味する。また、短時間とは、パルスが繰り返されている期間が混色1より短い時間であること、又は1回のパルスによるときはそのパルス幅が混色1においてパルスが繰り返されている期間より短い時間であることを意味する。
混色2の色調を発色させる場合のサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、多色感熱記録材料を構成する各層の厚さ、及び各層に含まれる成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、サーマルヘッドのヘッド密度が203dpiの場合、1ライン記録時間を好ましくは4.93〜492.61msec/line程度、より好ましくは8.21〜49.26msec/line程度、更に好ましくは8.21〜20.0msec/line程度、印加エネルギーを1ドット当たり好ましくは32.0〜799.0μJ/1回程度、より好ましくは63.9〜639.2μJ/1回程度、更に好ましくは300.0〜639.2μJ/1回程度、1パルス周期を80〜1000μsec程度、好ましくは、160〜800μsec程度、印加パルスの繰返し回数を好ましくは1〜20回、より好ましくは1〜10回、更に好ましくは1〜3回の条件で印字(印画)する方法が挙げられる。
<混色3>
本発明の多色感熱記録材料を、混色3の色調で発色させる場合、即ち、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層の感熱発色層を発色させる場合は、第3感熱発色層の静発色開始温度以上の温度となるように、サーマルヘッドの印加エネルギー条件を設定する。このようなサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、例えば、図5のD1に示すように、サーマルヘッドを一定印加電圧で、混色2を得る場合より短い印加パルス幅だが、混色2を得る場合より多い繰り返し回数のパルスとなるように印加パルス幅と繰り返し回数を調節することで、第3感熱発色層側から高温・長時間印加を行い、全発色層が発色するのに充分な印加エネルギーを与える。このような印加エネルギー条件によって、記録面に光沢ムラや印画焼け等を生じさせる熱ダメージの影響を軽減することができ、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層を発色させて混色として得ることができる(図5のD2参照)。ここで、高温とは、混色2と同程度の温度であることを意味する。また、長時間とは、パルスか繰り返されている期間が混色2においてパルスが繰り返されている期間より長い時間であること、又は1回のパルスによるときはそのパルス幅より長い時間であることを意味する。
混色3の色調を発色させる場合のサーマルヘッドの印加エネルギー条件の具体例としては、多色感熱記録材料を構成する各層の厚さ、及び各層に含まれる成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、サーマルヘッドのヘッド密度が203dpiの場合、1ライン記録時間を好ましくは4.93〜492.61msec/line程度、より好ましくは8.21〜49.26msec/line程度、更に好ましくは8.21〜20.0msec/line程度、印加エネルギーを1ドット当たり好ましくは16.0〜319.6μJ/1回程度、より好ましくは32.0〜255.7μJ/1回程度、更に好ましくは32.0〜100.0μJ/1回程度、1パルス周期を好ましくは40〜800μsec程度、より好ましくは80〜640μsec程度、更に好ましくは80〜300μsec程度、印加パルスの繰返し回数を20〜50回、好ましくは20〜30回の条件で印字(印画)する方法が挙げられる。
第2感熱発色層及び第3感熱発色層に含有される染料前駆体を含有する粒子成分は、染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子である。この複合微粒子は、好ましくは多価イソシアネート化合物、及び第2染料前駆体又は第3染料前駆体を含む液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子である。
第2感熱発色層及び第3感熱発色層の静発色開始温度は、複合微粒子の高分子特性と顕色性化合物に依存するため、その制御が容易になる。また、好ましい発色色調を得るために複数の染料前駆体を併用する場合も、同様の制御が可能であるため、静発色開始温度は、染料前駆体の種類に制約されることがない。例えば、第2感熱発色層の静発色開始温度が、第1感熱発色層の静発色開始温度よりも高く、かつ第3感熱発色層の静発色開始温度よりも低くなるように、顕色性化合物を選択又は第2感熱発色層中の複合微粒子を調製すればよい。さらに、第3感熱発色層の静発色開始温度が、第1感熱発色層及び第2感熱発色層の静発色開始温度よりも高くなるように、顕色性化合物を選択又は第3感熱発色層中の複合微粒子を調製すればよい。
本発明において、複合微粒子の高分子特性は、使用する多価イソシアネート化合物、反応促進剤等といった複合微粒子の組成や製造条件で制御することが可能である。
本発明では、第2感熱発色層と第3感熱発色層の間に中間層を必要としない。そのため、少ない工程で良好な多色感熱記録材料を得ることができ、これらの層が隣接しているので混色2の色調を速やかに発色させて色分離を向上することができる。
本発明の多色感熱記録材料は、第1感熱発色層と第2感熱発色層の間に中間層が存在する。第1感熱発色層と第2感熱発色層の間に中間層を設けることで、単色1、混色1及び混色2の色分離が良好となる。さらに、混色2を発色させる場合、第1感熱発色層からの発色を抑制することができる。具体例として、例えば、第1感熱発色層が黄の色調に発色し得る層であり、混色2が青色である場合、第1感熱発色層と第2感熱発色層の間に中間層を設けることにより、第1感熱発色層からの発色を抑制することができ、混色2が緑色〜黒色に帯びるのを防ぐことができる。
本発明において、例えば、第2感熱発色層の静発色開始温度と第1感熱発色層の静発色開始温度の差は、特に限定するものではないが、30℃以上であることが好ましい。第2感熱発色層の静発色開始温度と第1感熱発色層の静発色開始温度の差を30℃以上とすることで、単色1と混色1の色分離が更に良好となる。一方、静発色開始温度の差を60℃以下とすることが好ましい。これにより混色1の色調を速やかに発色させて混色2との色分離を向上することができる。
上記のように、本発明の多色感熱記録材料を用いると、サーマルヘッドからの加熱印加条件の違いにより、互いに異なる発色色調を発色させることができる。即ち、低温・長時間による発色色調は、第1感熱発色層に存在する第1染料前駆体と顕色性化合物との反応の発色である。中温・長時間による発色色調は、第1感熱発色層の第1染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色と、第2感熱発色層の複合微粒子中に存在する第2染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色の混色色調となる。高温・短時間による発色色調は、第2感熱発色層の複合微粒子中に存在する第2染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色、及び第3感熱発色層の複合微粒子中に存在する第3染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色の混色色調となる。高温・長時間による発色色調は、第1感熱発色層の第1染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色、第2感熱発色層の複合微粒子中に存在する第2染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色、及び第3感熱発色層の複合微粒子中に存在する第3染料前駆体と顕色性化合物との反応による発色の混色色調となる。
本発明の第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層に含有することが可能な染料前駆体としては、下記に例示された染料前駆体が使用でき、トリアリール系、ジフェニルメタン系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フルオラン系等のロイコ体が好ましく使用できる。こうした染料前駆体は、顕色性化合物との接触において、それぞれ固有の発色色調を与えるもので、その発色色調は、黒、赤、マゼンタ、青、シアン、緑、黄と多岐にわたっており、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層の組み合わせとしては、互いに異なる発色色調となる染料前駆体を選択すればよい。
本発明では、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層が黄、マゼンタ、又はシアンの色調に発色し得る層であって、それぞれ互いに異なる色調で発色し得る層であることが好ましい。これにより、2色以上の混色発色により鮮やかな発色色調を得ることができる。
特に、赤発色系がマゼンタと黄の混色であり、青発色系がシアンとマゼンタの混色である場合、黄、マゼンタ、シアンの3色にて、青、赤、黄、黒の色調の4色の色調の発色が可能となることから、本発明の発色色調として好ましい。このような発色色調を得るために、第1感熱発色層に含まれる第1染料前駆体、第2感熱発色層に含まれる第2染料前駆体、及び第3感熱発色層に含まれる第3染料前駆体が、黄、マゼンタ、又はシアンのいずれかの色調に発色し得る染料前駆体であることが好ましい。また、第1染料前駆体が黄の色調に発色し得る染料前駆体であり、第2染料前駆体がマゼンタの色調に発色し得る染料前駆体であり、さらに、第3染料前駆体が、シアンの色調に発色し得る染料前駆体であることがより好ましい。
各染料前駆体の色調の組合せにより、単色1により黄の色調を、混色1により赤の色調(黄とマゼンタの混色)、混色2により青の色調(マゼンタとシアンの混色)、混色3により黒の色調(黄、マゼンタ及びシアンの混色)を発色することができる。
本発明では、サーマルヘッドからの加熱印加が1パルスの幅とパルスの繰返し回数によって異なる色調を発色させるに当たり、例えば上記の組合せにおいては、1パルス当たりの幅を最も長い混色2から順に、混色3、混色1、単色1と短くし、それぞれのパルスの繰返し回数を単色1と混色1が多く、更に混色3、混色2の順に少なくなるように調節することにより、サーマルヘッドの1回の走査で隣り合うドットを少なくとも4種の発色色調から選ばれる異なる色調に発色させることができる。これにより、各色を得る度にサーマルヘッドを複数回走査させることなく、強調したい文字や図形を他の部分とは異なる色調に発色させて視認性に優れた記録を行なうことができる。また、プリンター機構を簡素化して記録に要する時間を短縮できる。
以下、本発明の多色感熱記録材料における各層に含まれる成分について、より詳細に説明する。
<(1)支持体>
本発明に用いられる支持体の種類、形状、寸法等は、格別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の他、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。磁気乗車券用途に本発明を使用する場合は、紙を使用することが望ましいが、プリペイドカード、或いは磁気定期券用途として本発明を使用する場合は、厚さ100μm以上のポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基材、特に発泡基材を使用することが感熱発色感度の点から望ましい。勿論、発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムと発泡していないポリエチレンテレフタレートフィルムとのラミネート基材等を使用することもできる。
<(2)第1感熱発色層>
本発明の多色感熱記録材料において、第1感熱発色層は、第1染料前駆体及び第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む。第1染料前駆体は、単一化合物に限らず、2種或いは3種以上の異なる色調の染料前駆体を混合することで所望の発色色調を得ることもできる。
第1染料前駆体として使用できる、黒の色調の発色を与える染料前駆体としては、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
黒の色調の発色を与える染料前駆体の中でも、耐光性が比較的優れている3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、及び2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオランから選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
第1染料前躯体として使用できる、シアンの色調の発色を与える青発色系の染料前駆体としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、及び3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン等を挙げることができる。
第1染料前駆体として使用できる、シアンの色調の発色を与える好ましい染料前駆体としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド、3−〔1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド等を挙げることができる。
第1染料前駆体として使用できる、緑の色調の発色を与える染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等を挙げることができる。
また、第1染料前駆体として使用できる、近赤外領域に吸収を有する染料前駆体としては、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トリルスルホニルメタン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチルフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−(p−n−ブチルアミノアニリノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、2―メシジノ−8−ジエチルアミノ−ベンズ〔C〕フルオラン等を挙げることができる。
第1染料前駆体として使用できるマゼンタの色調の発色を与える赤発色系の染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等を挙げることができる。
更に、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、及び2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン等を挙げることができる。
更には、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、及び7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕等をマゼンタの色調を発色する染料前駆体として挙げることができる。
第1染料前駆体として使用できるマゼンタの色調の発色を与える好ましい染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン等を挙げることができる。 第1染料前駆体として使用できる黄の色調の発色を与える染料前駆体としては、4−[2−[2−(ブトキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−[2−(オクチルオキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−[2−(エトキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−(2,6−ジフェニル−4−ピリジニル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ブトシキフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−オクチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−[2−(ヘキシルオキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ヘキシルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、3,6−ジメトキシフルオラン、及び1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等が例示できる。
これらの黄の色調の発色を与える染料前駆体の中でも、分子構造にピリジン骨格を有する4−[2−[2−(ブトキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−[2−(ヘキシルオキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−[2−(オクチルオキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンは、鮮やかな黄色の発色色調が得られるため、本発明の黄の色調に発色し得る感熱発色層に含有される染料前駆体としてより好ましい。
本発明において、第1感熱発色層に含有される染料前駆体は、固体分散微粒子の形態、或いは多価イソシアネート化合物、及び第1染料前駆体を含む液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子の形態として使用することができる。複合微粒子の形態を採用することにより、第1感熱発色層の静発色開始温度が、第2感熱発色層及び第3感熱発色層の静発色開始温度よりも低い温度となるように調節することもできる。本発明では、単色1の色調を速やかに発色する観点から、第1感熱発色層に含有される染料前駆体を固体分散微粒子の形態で使用することが好ましい。
本発明の多色感熱記録材料において、第1感熱発色層で使用できる顕色性化合物とは、温度の上昇によって液化、又は溶解する性質を有し、前記第1染料前駆体と接触してこれを発色させる性質を有するものから選ばれる。代表的なものとしては、フェノール化合物、芳香族カルボン酸、或いはこれらの化合物の多価金属塩等の有機酸性物質等を挙げることができる。
顕色性化合物は、通常、複合微粒子中もしくはマイクロカプセル中に含有される形態、又は固体分散微粒子の形態として使用することができる。その使用量としては、特に限定されないが、染料前駆体100質量部に対し、30〜2000質量部程度の割合で用いられることが好ましく、より好ましくは50〜250質量部程度の割合で使用される。
代表的な顕色性化合物としては、例えば4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4−[4’−(1’−メチルエチルオキシ)フェニル]スルホニルフェノール、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン等の化合物等を挙げることができる。
更に、顕色性化合物として使用できる化合物としては、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール化合物、又は、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及び前記フェノール化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質等が挙げられる。 第1染料前駆体及び顕色性化合物の組み合わせのうち、第1染料前駆体が黄の色調の発色を与える染料前駆体である場合、第1染料前駆体及び顕色性化合物の組み合わせの具体例としては、例えば、第1染料前駆体が、4−[2−[2−(ブトキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン又は4−[2−[2−(オクチルオキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンであり、顕色性化合物が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの組み合わせが好ましい。
第1感熱発色層に含まれる第1染料前駆体において、第1染料前駆体を固体分散微粒子の形態で使用する場合、水を分散媒体として、例えば、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を第1感熱発色層用塗液の調製に用いることができる。また、第1染料前駆体を有機溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子材料を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から有機溶剤を蒸発させ染料前駆体を固体分散微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体分散微粒子の形態で使用する染料前駆体の固体分散微粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。もちろん同一の色調を有する染料前駆体を複合微粒子と共に固体分散微粒子の形態で使用することもできる。
第1感熱発色層において、主に発色記録画像の保存性向上のために、画像安定化剤をさらに用いてもよい。このような画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、及び4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、及び4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。勿論、画像安定化剤はこれらに限定されるものではなく、また、必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
第1感熱発色層において、感熱記録発色感度を向上させるために、さらに増感剤を使用することができる。増感剤としては、従来から感熱記録材料の増感剤として知られている化合物を使用することができ、例えばパラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、メタターフェニル、ジフェニル、ベンゾフェノン等を挙げることができる。
第1感熱発色層に含有される顕色性化合物、画像安定化剤及び増感剤等の成分は、染料前駆体を固体分散微粒子の形態で使用する場合と同様の方法で水中に分散させ、感熱発色層用塗液の調製において、分散液として使用することができる。また、これらの成分を溶剤に溶解し、水溶性高分子材料を乳化剤として用いて水中に乳化して使用することもできる。また、画像安定化剤及び増感剤は、染料前駆体を含有する複合微粒子中に含有させてもよい。
第1感熱発色層を構成する他の成分材料としては、接着剤が挙げられる。更に必要により、助剤として顔料、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、撥油剤、有色染料、有色顔料、紫外線吸収剤及び蛍光増白剤等を用いることができる。
接着剤としては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体等の水不溶性重合体等を挙げることができる。なお、水不溶性重合体を接着剤として用いるときは、ラテックスの状態で用いればよい。
顔料の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が挙げられる。白色度向上、及び画像の均一性向上の観点から、白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料が好ましい。
架橋剤の具体例としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリオキシル酸塩、ジメチロールウレア化合物、ヒドラジン系化合物、アジリジン系化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物、又は硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。架橋剤の含有割合としては、特に限定されないが、感熱発色層の耐水性を向上する観点から、第1感熱発色層の全固形量中1〜10質量%程度の範囲で用いることが好ましい。
ワックスの具体例としては、例えばパラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。特にメチロール化脂肪酸アミドは、地肌カブリを悪化させずに増感効果を得ることができるので好ましく使用できる。
金属石鹸の具体例としては、高級脂肪酸多価金属塩が挙げられ、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。本発明では、低温発色色調に対して補色の関係にある色調を有する有色染料、及び/又は有色顔料を感熱発色層中に含有させることは、印画(印字)前の多色感熱記録材料の色調を調節する観点から好ましい。
本発明では、第1感熱発色層中に助剤として紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、又は紫外線吸収剤の固体分散微粒子を含有させることにより、耐光性を大幅に向上させることもできる。
紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤を挙げることができる。
更には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系の紫外線吸収剤等を挙げることができる。勿論、これらに限られるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。
これらの紫外線吸収剤の中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物は、とりわけ顕著な耐光性改良効果を発揮するためより好ましい。
紫外線吸収剤の含有割合については、特に限定するものではないが、第1感熱発色層の全固形量中5〜70質量%程度が好ましい。特に好ましくは15〜50質量%程度の範囲に調節する。5質量%以上とすることにより耐光性をより一層高めることができる。70質量%以下とすることにより感熱発色層の記録感度を向上することができる。なお、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、又は紫外線吸収剤の固体分散微粒子は、第1感熱発色層中に含有させるより後述の保護層中に含有させることにより、より有効に耐光性を改善することができる。
紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルは、各種公知の方法で調製することができ、一般には上記の常温で固体ないし液体の紫外線吸収剤を必要に応じて有機溶剤に溶解して得た芯物質(油性液)を水性媒体中に乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜を形成する方法によって調製される。マイクロカプセルの壁膜となる高分子物質の具体例としては、例えばポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明においては、第1感熱発色層に蛍光増白剤を用いることも耐光性の改善に効果があり、好ましい。蛍光増白剤は、紫外線領域の光を吸収し、より長波長の可視光領域の光を放出する作用があるため増白剤として広く用いられている。本発明で使用する複合微粒子中に含有させた染料前駆体は、エネルギーの高い紫外線領域の光で分解して、黄変し易い性質を持つが、蛍光増白剤によって紫外線をより無害な長波長領域の光に変化させることで、黄変を防止できるだけでなく、白色度に対する効果も得ることができる。また、印画(印字)部の光による消色も蛍光増白剤を含有させることで改善できる。
蛍光増白剤の具体例としては、例えば、ピレン、クマリン、オキサゾール、イミダゾール、イミダゾロン、ピラゾール、ベンジジン、ジアミノカルバゾール、ナフタール酸、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体を挙げることができる。より具体的には、1,2−ビス(5−メチルオキサゾール−2−イル)エチレン、β,4−ビス(5−メチルオキサゾール−2−イル)−スチレン、3−エチルオキシカルボニル−7,8−ベンゾクマリン、N−メチル−4−メトキシナフタレン−1,8−ジカルボン酸イミド、4−〔3−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−1−ピラゾリン−1−イル〕−ベンゼンスルホン酸ソーダ、1,2−ビス〔4−(フェニルアミノカルボニルアミノ)−2−ソジウムオキシスルホニルフェニル〕エチレン、1,2−ビス{4−〔2−(p−ソジウムオキシスルホニルアニリノ)−4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−6−イル〕アミノ−2−ソジウムオキシスルホニルフェニル}エチレン等が挙げられる。これらの化合物のなかでも、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体である1,2−ビス{4−〔2−(p−ソジウムオキシスルホニルアニリノ)−4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−6−イル〕アミノ−2−ソジウムオキシスルホニルフェニル}エチレンが塗液調製時の取扱いの容易さの観点からも好ましい。
蛍光増白剤の含有割合については、特に限定するものではないが、第1感熱発色層の全固形量中0.5〜15質量%程度が好ましい。特に好ましくは、1〜10質量%程度の範囲となるように調節する。0.5質量%以上とすることにより耐光性をより一層高めることができる。10質量%以下とすることにより蛍光増白剤自身の色により地肌が着色するのを抑制し、自然紙感に優れた感熱記録材料とすることができる。
第1感熱発色層は、一般に水を分散媒体として、例えば第1染料前駆体及び顕色性化合物、必要により画像安定化剤、増感剤等の分散液、接着剤、助剤、更に添加剤等を混合することにより調製された第1感熱発色層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。添加剤としては、消泡剤、粘度調節剤、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩及びステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。
第1感熱発色層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で2.0〜10.0g/m程度が好ましく、3.0〜7.0g/m程度がより好ましい。
<(3)中間層>
第1感熱発色層と第2感熱発色層の間に設けられる中間層としては、従来より公知の感熱記録材料に使用されている水溶性高分子材料を用いることができる。具体例としては、前記<(2)第1感熱発色層>において挙げられた、接着剤として用いられる具体例と同様のものが挙げられる。また、中間層に助剤としてシリカや焼成カオリン等の空隙率の高い顔料やプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体、ガラス転移点や融点を持つポリエチレンワックス等の有機化合物を含有させることもできる。
中間層は、一般に水を分散媒体として、例えば水溶性高分子材料、必要により助剤、界面活性剤等の各種添加剤を混合することにより調製された中間層用塗液を第1感熱発色層上に塗布及び乾燥して形成される。
中間層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で3.0〜40.0g/m程度が好ましく、8.0〜35.0g/m程度がより好ましい。
<(4)第2感熱発色層>
本発明の多色感熱記録材料において、第2感熱発色層は、第2染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第2染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む。第2染料前駆体は、単一化合物に限らず、2種或いは3種以上の異なる色調の染料前駆体を混合することで所望の発色色調を得ることもできる。
第2染料前駆体を含有する粒子成分としては、第2染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含む。第2感熱発色層に含有される複合微粒子は、例えば多価イソシアネート化合物、多価イソシアネート化合物、及び第2染料前駆体を含む液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子であることが好ましい。
多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレア、又はポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物単独であってもよいし、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオール、ポリアミンとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、多価イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。これらの多価イソシアネート化合物に、第2染料前駆体を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、更に必要によりポリエチレンイミン等のポリアミン化合物等を反応促進剤として用いて、この乳化分散液を加温することにより、多価イソシアネート化合物を重合させる。これによって多価イソシアネート化合物を高分子化し、第2染料前駆体又を含む複合微粒子を形成することができる。
第2感熱発色層に含まれる複合微粒子は、ポリウレア又はポリウレタン−ポリウレアより選ばれる少なくとも1種の高分子物質(樹脂)からなる母材と、その中に含有されている第2染料前駆体からなるものであって、第2染料前駆体と高分子物質が固溶体状態で存在していると考えられる。複合微粒子中には、油性溶媒等の液体を含有していないことが圧力カブリを抑制する点から望ましい。
複合微粒子中に含有させた第2染料前駆体の発色体は、固体分散微粒子状態で発色させた発色体に比べて極めて良好な保存性、特に油や可塑剤に対する耐性の優れたものとなる。その理由については必ずしも明確ではないが、発色体と高分子物質(母材)が何らかの相互作用を有し、安定化していることが考えられる。
本発明で使用する複合微粒子の外観は、電子顕微鏡で観察するとほぼ球状をしているか、又は多少なりとも窪んだ赤血球状である。電子顕微鏡による断面観察では、その形状は、内実体であるか、多孔質体、又は中空体である。また平均粒子径は、適正な発色感度を得るために0.2〜1.5μm程度とすることが望ましい。前記平均粒子径を0.2μm以上に設定することにより、油や可塑剤等に対する発色部の保存性を悪化することが抑制できるという観点から望ましい。
本発明で使用する複合微粒子の製造方法においては、例えば特開平9−295457号公報に記載の方法等が使用できる。
第2感熱発色層で使用される第2染料前駆体において、黒、青、シアン、緑、赤、マゼンタ及び黄の色調の発色を与える染料前駆体、及び近赤外領域に吸収を有する染料前駆体の具体例としては、前記<(2)第1感熱発色層>において挙げられた、第1染料前駆体として用いられる染料前駆体の具体例と同様のものが挙げられる。
また、第2感熱発色層で使用される顕色性化合物の具体例としては、前記<(2)第1感熱発色層>において挙げられた、第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物と同様のものが挙げられる。
前記の第2感熱発色層及び顕色性化合物の組み合わせとしては、例えば、第2感熱発色層がマゼンタの色調を発色し得る層である場合における、第2染料前駆体及び顕色性化合物の組み合わせの具体例としては、例えば、第2染料前駆体が、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオランであり、顕色性化合物が2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン等の組み合わせが好ましい。
本発明で使用する複合微粒子には、染料前駆体のほかに、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤の他、感熱記録材料で知られているような増感剤等が含有されていてもよい。このような物質の具体例は、
前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられたものを用いることができる。
本発明における第2感熱発色層には、主に発色記録画像の保存性向上のために画像安定化剤、感熱記録発色感度を向上させるために増感剤を含んでいてもよく、これらの成分の具体例、及びその含有割合としては、前記<(2)第1感熱発色層>と同様のものが挙げられる。
また、第2感熱発色層には、更に必要により、前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられた接着剤、助剤、添加剤等を用いることもできる。
なお、助剤として用いられる紫外線吸収剤は、マイクロカプセルに内包していることが好ましい。紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルとは、紫外線吸収剤が液体部分として芯物質となって、カプセル壁材によって保護されているものであり、染料前駆体が高分子物質と固溶体状態で存在していると考えられる染料前駆体を含有する複合微粒子とは、その存在状態、形状、望まれる機能は全く異なっている。
第2感熱発色層は、一般に水を分散媒体として、例えば第2染料前駆体を含む複合微粒子及び顕色性化合物、必要により画像安定化剤、増感剤等の分散液、接着剤、助剤、更に添加剤等を混合することにより調製された第2感熱発色層用塗液を中間層上に塗布及び乾燥することにより形成される。
第2感熱発色層の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で2.0〜10.0g/m程度が好ましく、3.0〜7.0g/m程度がより好ましい。
<(5)第3感熱発色層>
本発明の多色感熱記録材料において、第3感熱発色層は、第3染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第3染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む。第3染料前駆体は、単一化合物に限らず、2種或いは3種以上の異なる色調の染料前駆体を混合することで所望の発色色調を得ることもできる。
第3染料前駆体を含有する粒子成分としては、第3染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含む。第3感熱発色層に含有される複合微粒子は、多価イソシアネート化合物、及び第3染料前駆体を含む液状組成物を水中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の重合反応により得られる複合微粒子である。
前記第3染料前駆体を含む多価イソシアネート化合物の重合反応によって得られる複合微粒子の具体例及びその製造方法としては、前記<(4)第2感熱発色層>に含まれる複合微粒子と同様のものが挙げられる。
第3感熱発色層で使用される第3染料前駆体において、黒、青、シアン、緑、赤、マゼンタ及び黄の色調に発色を与える染料前駆体、及び近赤外領域に吸収を有する染料前駆体、の具体例としては、前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられた第1染料前駆体として用いられる染料前駆体と同様のものが挙げられる。
また、第3感熱発色層で使用される顕色性化合物の具体例としては、前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられた第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物と同様のものが挙げられる。
前記の第3感熱発色層及び顕色性化合物の組み合わせとしては、例えば、第3感熱発色層がシアンの色調を発色し得る層である場合における、第3染料前駆体及び顕色性化合物の組み合わせの具体例としては、例えば、第3染料前駆体が、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリドであり、顕色性化合物が4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸の亜鉛塩等の組み合わせが好ましい。
本発明で使用する複合微粒子には、染料前駆体のほかに、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤の他、感熱記録材料で知られているような増感剤等が含有されていてもよい。このような物質の具体例は、前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられたものを用いることができる。
本発明における第2感熱発色層には、主に発色記録画像の保存性向上のために画像安定化剤、感熱記録発色感度を向上させるために増感剤を含んでいてもよく、これらの成分の具体例、及びその含有割合としては、前記<(2)第1感熱発色層>と同様のものが挙げられる。
また、第3感熱発色層には、更に必要により、前記<(2)第1感熱発色層>において、挙げられた接着剤、助剤、添加剤等を用いることもできる。
特に、助剤として顔料を用いる場合、サーマルヘッドに対するカス付着、及びスティッキング防止のためには、吸油量が50ml/100g以上の顔料を使用することが好ましい。顔料の含有割合は、特に限定されないが、発色濃度を低下させない程度の量、即ち、感熱発色層の全固形量中50質量%以下であることが好ましい。
また、助剤として用いられる紫外線吸収剤は、マイクロカプセルに内包していることが好ましく、特に、ポリウレタン−ポリウレア樹脂、或いはアミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセルは、耐熱性に優れるため、サーマルヘッドへのスティッキングを防止する目的で感熱発色層中、或いは保護層中に添加される無機顔料の機能をも果たすという優れた付随効果を発揮し、しかも、他の壁膜からなるマイクロカプセルや通常の顔料に比較して屈折率が低く、且つ形状が球形であるため、第3感熱記録層中に多量に含有させても光の乱反射に起因する濃度低下を招く恐れがないので好ましく用いられる。
第3感熱発色層は、一般に水を分散媒体として、例えば第3染料前駆体を含む複合微粒子及び顕色性化合物、必要により画像安定化剤、増感剤等の分散液、接着剤、助剤、その他添加剤等を混合することにより調製された第3感熱発色層用塗液を第2感熱発色層上に塗布及び乾燥することにより形成される。
第3感熱発色層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で2.0〜10.0g/m程度が好ましく、3.0〜7.0g/m程度がより好ましく、3.5〜7.0g/m程度が更に好ましい。
<(6)保護層>
本発明においては、感熱発色層の上に従来より公知の感熱記録材料に使用されているような水溶性高分子材料と顔料を含有する保護層を設けることが望ましい。水溶性高分子材料及び顔料としては、前述の<(2)第1感熱発色層>で例示したような材料を使用することができる。このとき架橋剤を助剤として用いることにより、保護層に耐水性を付与することがより望ましい。
本発明においては、助剤として紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、又は紫外線吸収剤の固体分散微粒子を保護層に含有することで、耐光性を大幅に向上させることもできる。特に、ポリウレタン−ポリウレア樹脂、或いはアミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセルは、耐熱性に優れるため、サーマルヘッドへのスティッキングを防止する目的で感熱発色層中、或いは保護層中に添加される無機顔料の機能をも果たすという優れた付随効果を発揮し、しかも、他の壁膜からなるマイクロカプセルや通常の顔料に比較して屈折率が低く、且つ形状が球形であるため、保護層中に多量に含有させても光の乱反射に起因する濃度低下を招く恐れがないので好ましく用いられる。
また、保護層に蛍光増白剤を添加することにより、耐光性改善効果が得られるため、好ましく使用できる。
さらに、顔料を添加することにより、サーマルヘッドに対するカス付着、及びスティッキング防止することができる。顔料の吸油量としては、50ml/100g以上の顔料を使用することが好ましい。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程度の量、即ち、保護層の全固形量中50質量%以下であることが好ましい。
保護層は、一般に水を分散媒体として、例えば水溶性高分子材料、顔料、架橋剤、ワックス等の助剤、必要により界面活性剤等の各種添加剤を混合することにより調製された保護層用塗液を第3感熱発色層上に塗布及び乾燥して形成される。
保護層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で0.5〜10g/m程度が好ましく、1〜5g/m程度がより好ましい。
<(7)樹脂層>
本発明では、電子線硬化性樹脂又は光重合開始剤を含む紫外線硬化性樹脂に電子線又は紫外線を照射することにより硬化された樹脂層を感熱発色層上、或いは保護層上に形成することもできる。電子線で硬化した樹脂の例としては、特開昭58−177392号公報、特開昭58−177392号公報等に記載がある。このような樹脂中に、非電子線硬化性樹脂、顔料、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、及び可塑剤等の添加剤を適宜添加することもできる。特に、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の顔料や、ワックス類、シリコン等の滑剤を添加することは、サーマルヘッドに対するスティッキング防止に役立つため好ましい。
電子線や紫外線で硬化された樹脂層は、乾燥後の塗工量が0.5〜10g/m程度となるように塗布することが好ましく、より好ましくは1〜5g/m程度である。
本発明においては、多色感熱記録材料をUVインキ、フレキソインキ等で印刷することもできる。この場合、印刷は、支持体の表裏、感熱発色層、中間層、保護層、電子線硬化性樹脂層、或いは紫外線硬化性樹脂層等のいずれの表面に印刷してもよく、これらの表面の全てもしくは一部に印刷してもよい。
<(8)その他の層>
本発明においては、多色感熱記録材料の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等による塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙とすることができる。特に、本発明の多色感熱記録材料に粘着加工を施したものはその視認性の良さから感熱ラベルとして有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録用紙、ゼログラフィー用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録紙とすることもできる。もちろん両面感熱記録材料とすることもできる。更にまた、記録材料裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制するため、又はカールコントロールや帯電防止のためにバック層を設けることもできる。
本発明においては、支持体の感熱発色層が設けられていない面上、或いは支持体と感熱発色層の間に磁気記録層を設けることもできる。磁気記録層は、従来から磁気乗車券、プリペイドカード、磁気定期券等に使用されている磁気記録層を使用することができる。磁気記録層は、支持体と感熱発色層の間に設ける場合は当然として、支持体の感熱発色層が設けられていない面に設ける場合においても、感熱発色層を塗布する工程の前に形成することが感熱発色層の白色度を高く保つために望ましい。
本発明においては、従来より公知の感熱記録材料に使用されている下塗り層も利用することができる。特に紙を支持体とした場合は、下塗り層を設けることが望ましい。下塗り層に、シリカ、焼成カオリン等の空隙率の高い顔料を使用することにより、感熱発色層の発色感度を上げることができる。また下塗り層中にプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体等を含有させることもその上に形成される感熱発色層の発色感度向上に効果がある。
<多色感熱記録材料の製造方法> 各感熱発色層は、染料前駆体と顕色性化合物を含む感熱発色層用塗液を用いて、また、中間層は、水溶性高分子材料を含む中間層用塗液を用いて、1層ずつ塗布及び乾燥して形成してもよく、2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行ってもよい。ここで同時多層塗布とは、2層以上の層を塗布するに際し、上下層を同時に塗布する方法であり、下層を塗布した後に乾燥することなく上層を塗布する方法を含む。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、スロットダイ法、スライドダイ法及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。
本発明では、各層を形成し終えた後、また、全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することが好ましい。これにより、発色感度を高め、画質と色分離性を向上することができる。感熱発色層側の表面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
多色感熱記録材料の製造する上での、各層の乾燥後の塗布量としては、前記であげられた量が挙げられる。また、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層の合計の塗布量としては、好ましくは6.0〜30.0g/m程度、より好ましくは9.0〜21.0g/m程度である。
以下に実施例を挙げて本発明の多色感熱記録材料をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、顕色性化合物、染料前駆体、複合粒子及び保護層に配合する顔料の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200((株)島津製作所製)を用いて測定した。
実施例1
・A液(黄の色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液)の調製
4−[2−[2−(ブトキシ)フェニル]−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、体積平均粒子径が0.7μmとなるように粉砕、分散し、黄の色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液(A液)を得た。
・B液(マゼンタの色調の発色を与える染料前駆体を含有する複合微粒子分散液)の調製
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン20部を、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(商品名:デスモジュール(登録商標)W、住化バイエルウレタン(株)製)9.5部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(商品名:TMXDI(登録商標)、日本サイテックインダストリーズ(株)製)9.5部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:ポバール(登録商標)PVA−217EE、(株)クラレ製)8.8部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィン(登録商標)E1010、日信化学工業(株)製)2部を含む水溶液90部に徐々に添加し、ホモジナイザーを用いて、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水50部、多価アミン化合物(商品名:エポミンSP−006、(株)日本触媒製)1.5部を水13.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を80℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、体積平均粒子径0.8μmのマゼンタの色調の発色を与える染料前駆体を含有する複合微粒子分散液(B液)を調製し、固形分濃度が25%となるように水で希釈した。
・C液(シアンの色調の発色を与える染料前駆体を含有する複合微粒子分散液)の調製
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド20部を、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(商品名:デスモジュール(登録商標)W、住化バイエルウレタン(株)製)14部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(商品名:TMXDI(登録商標)、日本サイテックインダストリーズ(株)製)5部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:ポバール(登録商標)PVA−217EE、(株)クラレ製)8.8部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィン(登録商標)E1010、日信化学工業(株)製)2部を含む水溶液90部に徐々に添加し、ホモジナイザーを用いて、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水50部、多価アミン化合物(商品名:エポミンSP−006、(株)日本触媒製)1.5部を水13.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を80℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、体積平均粒子径0.8μmのシアンの色調の発色を与える染料前駆体を含有する複合微粒子分散液(C液)を調製し、固形分濃度が25%となるように水で希釈した。
・D液(顕色性化合物分散液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕し、顕色性化合物分散液(D液)を得た。
・E液(顕色性化合物分散液)の調製
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が0.80μmとなるまで粉砕し、顕色性化合物分散液(E液)を得た。
・F液(顕色性化合物分散液)の調製
4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が0.80μmとなるまで粉砕し、顕色性化合物分散液(F液)を得た。
・G液(増感剤分散液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒子径が1.0μmとなるように粉砕、分散し、増感剤分散液(G液)を得た。
・中間層用塗液(1)の調製
10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)100部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)1部を混合、攪拌して中間層用塗液(1)を得た。
<静発色開始温度>
下記の各感熱発色層用塗液を用いて、それぞれ乾燥後の塗布量が6g/mとなるように合成紙(商品名:FPG−80、(株)ユポ・コーポレーション社製、厚さ80μm)の片面上に、塗布及び乾燥し、単層からなる静発色開始温度測定用シートを作成した。得られた各シートについて、熱傾斜試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、熱板の押圧9.8×10Pa、接触時間5秒間の条件で、50〜220℃の範囲で、10℃毎に発色させ、濃度計(X-Lite580)にて黄、シアン、マゼンタ成分の発色濃度を測定し、発色濃度が0.2を挟む温度の間で、線形補間を行って、発色濃度0.2に相当する温度を求め、静発色開始温度とした。
・第1感熱発色層用塗液(I)の調製
A液20部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、D液23部、G液11部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水17部からなる組成物を混合撹拌して第1感熱発色層用塗液(I)を得た。静発色開始温度は、73℃であった。
・第2感熱発色層用塗液(II)の調製
B液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、E液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第2感熱発色層用塗液(II)を得た。静発色開始温度は、115℃であった。
・第3感熱発色層用塗液(III)の調製
C液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、F液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第3感熱発色層用塗液(III)を得た。静発色開始温度は、185℃であった。
・H液(カオリン分散液)の調製
カオリン(商品名:UW−90(登録商標)、BASF社製)80部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成(株)製)1部、及び水53部を混合し、サンドミルを用いて体積平均粒子径が1.6μmとなるまで粉砕してカオリン分散液(H液)を得た。
・保護層用塗液の調製
H液25部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−200、日本合成化学工業(株)製、重合度:約1000、鹸化度:約98モル%)の15%水溶液50部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンP−7、中京油脂(株)製、固形分濃度30%)7.5部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)5部、グリオキザール(日本合成化学工業(株)製、固形分濃度40%)0.3部、及び水12.5部からなる組成物を混合、攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録材料1の作製
合成紙(商品名:FPG−80、(株)ユポ・コーポレーション製、厚さ80μm)の片面上に、第1感熱発色層用塗液(I)を、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗布量が6g/mとなるように塗布及び乾燥して第1感熱発色層を設け、その上に中間層用塗液(1)を、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗布量が30g/mとなるように塗布及び乾燥して中間層を設け、その上に第2感熱発色層用塗液(II)を、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布及び乾燥して第2感熱発色層を設け、その上に第3感熱発色層用塗液(III)を、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布及び乾燥して第3感熱発色層を設けた。更に、第3感熱発色層上に、保護層用塗液を、メイヤーバーを用いて、乾燥後の塗布量が3g/mとなるように塗布及び乾燥して保護層を設け、感熱記録材料1を得た。
実施例2
・感熱記録材料2の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、中間層の塗布量を30g/mに代えて20g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料2を得た。
実施例3
・感熱記録材料3の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、第3感熱発色層用塗液(III)の塗布量を5g/mに代えて3g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料3を得た。
実施例4
・第2感熱発色層用塗液(IV)の調製
B液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、D液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第3感熱発色層用塗液(IV)を得た。静発色開始温度は、105℃であった。
・I液(顕色性化合物分散液)の調製
3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸の亜鉛塩40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が0.80μmとなるまで粉砕して顕色性化合物分散液(I液)を得た。
・第3感熱発色層用塗液(V)の調製
C液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、I液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第3感熱発色層用塗液(V)を得た。静発色開始温度は、180℃であった。
・感熱記録材料4の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、第2感熱発色層用塗液(II)の代わりに、上記の第2感熱発色層用塗液(IV)を用い、第3感熱発色層用塗液(III)の代わりに、上記の第3感熱発色層用塗液(V)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料4を得た。
実施例5
・中間層用塗液(2)の調製
10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)60部、40%ポリエチレンワックス(商品名:SNコート289)10部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)1部を混合、攪拌して中間層用塗液(2)を得た。
実施例1の感熱記録材料1の作製において、中間層用塗液(1)に代えて、上記の中間層用塗液(2)を用い、塗布量を30g/mに代えて10g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料5を得た。
比較例1
・感熱記録材料6の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、中間層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料6を得た。
比較例2
・J液(マゼンタの色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液)の調製
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒子径が0.7μmとなるように粉砕、分散し、マゼンタの色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液(J液)を得た。
・第2感熱発色層用塗液(VI)の調製
J液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、E液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第2感熱発色層用塗液(VI)を得た。静発色開始温度は、95℃であった。
・感熱記録材料7の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、第2感熱発色層用塗液(II)の代わりに、上記の第2感熱発色層用塗液(VI)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料7を得た。
比較例3
・K液(シアンの色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液)の調製
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒子径が0.6μmとなるように粉砕、分散し、シアンの色調の発色を与える染料前駆体の固体微粒子分散液(K液)を得た。
・第3感熱発色層用塗液(VII)の調製
K液27部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成(株)製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、(株)クラレ製)25部、F液30部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ(株)製)2部、及び水11部からなる組成物を混合攪拌して第3感熱発色層用塗液(VII)を得た。静発色開始温度は、145℃であった。
・感熱記録材料8の作製
実施例1の感熱記録材料1の作製において、第3感熱発色層用塗液(III)の代わりに、上記の第3感熱発色層用塗液(VII)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料8を得た。
このようにして得られた8種類の感熱記録材料をスーパーカレンダーにて、感熱発色層側の表面を弾性ロールに当てて、ベック平滑度(JIS P 8119)が1200〜1500秒となるように平滑化処理を行った。
・多色感熱記録材料の評価
実施例1〜5及び比較例1〜3の8種の感熱記録材料について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
<発色色調の評価>
感熱印字試験装置の記録密度8dot/mmのサーマルヘッド(KPW−80−8TBB−1、ヘッド抵抗値690Ω、京セラ(株)製)を用いて、24Vの一定印加電圧にて、単色1を記録する条件、即ち、1ライン記録時間:12.33msec/line、副走査線密度:8ライン/mm、印加エネルギーを1ドット当たり6.4μJ/1回、1パルス周期を98μsec、印加パルスの繰返し回数を109〜124回の条件下に256ラインのベタ印字を施し、単色1の発色記録を行った。ここで、1パルスの1ドット当たり1回の印加エネルギーは、次式V×V/R×(パルス幅)で求められる値である。なお、Vは印加電圧(V)、Rはヘッド抵抗値(Ω)、パルス幅は電圧が印加されている時間(μsec)を表す。
24Vの一定印加電圧にて、混色1を記録する条件、即ち、1ライン記録時間:12.33msec/line、副走査線密度:8ライン/mm、印加エネルギーを1ドット当たり9.6μJ/1回、1パルス周期を102μsec、印加パルスの繰返し回数を110〜120回の条件下に256ラインのベタ印字を施し、混色1の発色記録を行った。
24Vの一定印加電圧にて、混色2を記録する条件、即ち、1ライン記録時間:12.33msec/line、副走査線密度:8ライン/mm、印加エネルギーを1ドット当たり400.0〜639.2μJ/1回、印加パルスの繰返し回数を1回の条件下に256ラインのベタ印字を施し、混色2の発色記録を行った。
24Vの一定印加電圧にて、混色3を記録する条件、即ち、1ライン記録時間:12.33msec/line、副走査線密度:8ライン/mm、印加エネルギーを1ドット当たり63.9μJ/1回、1パルス周期を130μsec、印加パルスの繰返し回数を20〜25回の条件下に256ラインのベタ印字を施し、混色3の発色記録を行った。
このようにして得られた各感熱記録材料の発色記録部について、目視により発色色調を評価すると共に、濃度計(X-Lite580)にて黄成分の発色濃度(Y濃度)、シアン成分の発色濃度(C濃度)、マゼンタ成分の発色濃度(M濃度)を測定した。
Figure 0005954186
表1によれば、本発明の実施例1〜5からは、それぞれ単色1において黄に発色し得る層からの単色として黄の色調、混色1においてマゼンタに発色し得る層と黄に発色し得る層からの混色として赤の色調、混色2においてシアンに発色し得る層とマゼンタに発色し得る層からの混色として青の色調、混色3においてシアンとマゼンタと黄にそれぞれ発色し得る層からの混色として黒の色調が得られることが分かる。これに対し、比較例からは、色分離性が劣り、少なくとも4種の発色色調が得られないこと、所望する黄、青、赤、又は黒の色調が得られないことが分かる。
1 多色感熱記録材料
2 支持体
3 第1感熱発色層
4 中間層
5 第2感熱発色層
6 第3感熱発色層

Claims (8)

  1. (1)支持体、
    並びに支持体に近い側から
    (2)第1染料前駆体、及び前記第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第1感熱発色層、
    (3)中間層、
    (4)第2染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第2染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第2感熱発色層、並びに
    (5)第3染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第3染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第3感熱発色層
    を有し、
    第1染料前駆体、第2染料前駆体、及び第3染料前駆体は、それぞれ互いに異なる色調を発色し得る染料前駆体であり、
    前記第2感熱発色層に含まれる前記第2染料前駆体を含有する粒子成分が、第2染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含み、
    前記第3感熱発色層に含まれる前記第3染料前駆体を含有する粒子成分が、第3染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含み、
    第2感熱発色層が第3感熱発色層と隣接していることを特徴とする
    多色感熱記録材料。
  2. 前記第2感熱発色層又は第3感熱発色層に含有される複合微粒子が、ポリウレア及びウレタン−ポリウレアより選ばれる少なくとも1種の高分子物質からなる母材の中に、第2染料前駆体又は第3染料前駆体が含有されているものである請求項1に記載の多色感熱記録材料。
  3. 前記第1感熱発色層、前記第2感熱発色層、及び前記第3感熱発色層が、黄、マゼンタ、又はシアンに発色し得る層であって、それぞれ互いに異なる色調で発色し得る層である、請求項1又は2に記載の多色感熱記録材料。
  4. 黄、青、赤、又は黒の色調で発色し得る、請求項3に記載の多色感熱記録材料。
  5. 黄の色調に発色し得る層に含有される染料前駆体が、分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体である、請求項3又は4に記載の多色感熱記録材料。
  6. (1)支持体、
    並びに支持体に近い側から
    (2)第1染料前駆体、及び前記第1染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第1感熱発色層、
    (3)中間層、
    (4)第2染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第2染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第2感熱発色層、並びに
    (5)第3染料前駆体を含有する粒子成分、及び前記第3染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色性化合物を含む第3感熱発色層
    を有し、
    第1染料前駆体、第2染料前駆体、及び第3染料前駆体は、それぞれ互いに異なる色調を発色し得る染料前駆体であり、
    前記第2感熱発色層に含まれる前記第2染料前駆体を含有する粒子成分が、第2染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含み、
    前記第3感熱発色層に含まれる前記第3染料前駆体を含有する粒子成分が、第3染料前駆体と高分子化合物を含む複合微粒子を含み、
    第2感熱発色層が第3感熱発色層と隣接していることを特徴とする
    多色感熱記録材料を、サーマルヘッドからの加熱印加によって発色させる多色感熱記録材料の発色方法であって、
    前記サーマルヘッドからの加熱印加が1パルスの幅とパルスの繰返し回数によって発色させる方法であって、
    (1)第2感熱発色層及び第3感熱発色層の静発色開始温度より低く、第1感熱発色層の静発色開始温度より高い温度を与えることにより第1感熱発色層を発色させる方法、
    (2)第3感熱発色層の静発色開始温度より低く、第2感熱発色層の静発色開始温度より高い温度を与えることにより第1感熱発色層と第2感熱発色層からの発色で混色させる方法、
    (3)第3感熱発色層の静発色開始温度以上の温度を与え、更に第1感熱発色層の発色を抑制することにより、第2感熱発色層と第3感熱発色層からの発色で混色させる方法、又は
    (4)第3感熱発色層の静発色開始温度以上の温度を与えて、第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層の感熱発色層を発色させる方法
    を含む、多色感熱記録材料の発色方法
  7. 前記第1感熱発色層、第2感熱発色層、及び第3感熱発色層が、黄、マゼンタ、又はシアンの色調に発色し得る層であって、それぞれ互いに異なる色調で発色し得る層である、請求項6に記載の多色感熱記録材料の発色方法。
  8. 黄、青、赤、又は黒の色調に発色する、請求項6又は7に記載の多色感熱記録材料の発色方法。
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