以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 物理量検出デバイス
まず、本実施形態に係る物理量検出デバイスについて、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、本実施形態に係る物理量検出デバイス100を模式的に示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る物理量検出デバイス100を模式的に示す平面図である。図4は、本実施形態に係る物理量検出デバイス100を模式的に示す図3のIV−IV線断面図である。なお、便宜上、図2では、質量部80,82および接合部材86を省略し、図3では、質量部80,82を省略して図示している。また、図1〜図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
物理量検出デバイス100は、図1〜図4に示すように、基部10と、継ぎ手部12と、可動部14と、第1支持部20と、第2支持部30と、物理量検出素子70と、を含む。さらに、物理量検出デバイス100は、連結部40と、第3支持部50と、第4支持部60と、質量部80,82と、を含むことができる。
基部10は、継ぎ手部12を介して、可動部14を支持している。継ぎ手部12は、基部10と可動部14との間に設けられ、基部10および可動部14に接続されている。継ぎ手部12の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、基部10の厚さ、および可動部14の厚さよりも小さい。例えば、水晶基板の両主面側からハーフエッチングによって溝部12a,12b(図4参照)を形成して、継ぎ手部12を形成することができる。図示の例では、溝部12a,12bは、X軸に沿って形成されている。継ぎ手部12は、可動部14が基部10に対して変位(回動)する際に、支点(中間ヒンジ)としてX軸に沿った回転軸となることができる。
可動部14は、基部10に継ぎ手部12を介して設けられている。図示の例では、可動部14は、基部10から継ぎ手部12を介して、Y軸に沿って(+Y軸方向に)延出している。可動部14は、板状であり、互いに反対を向く(対向する)主面14a,14bを有している。可動部14は、主面14a,14bと交差する方向(Z軸方向)に加わる加速度に応じて、継ぎ手部12を支点(回転軸)として主面14a,14bと交差する方向(Z軸方向)に変位可能である。
第1支持部20は、基部10を支持している。第1支持部20は、第1固定部29を備えている。第1固定部29は、第1支持部20の先端部に設けられている。第1支持部20は、第1固定部29において、パッケージや回路基板などの外部部材に固定されることができる。すなわち、第1固定部29は、第1支持部20を外部部材に固定するための部分である。
第1支持部20は、基部10から第1固定部29まで延出している。第1支持部20は、図3に示すように、第1延出部22と、第1折返し部24と、第2延出部26と、を有している。
第1延出部22は、可動部14の変位方向(Z軸方向)に沿った平面視において(Z軸方向から見て、以下「平面視において」ともいう)、基部10から、基部10よりも第1方向(+Y軸方向)に位置している第1折返し部24まで、延出している。図示の例では、第1延出部22は、平面視において、基部10から−X軸方向に延出している第1部分22aと、第1部分22aから+Y軸方向に延出している第2部分22bと、第2部分22bから+X軸方向に延出している第3部分22cと、第3部分22cから+Y軸方向に延出している第4部分22dと、を有した曲がった構造である。なお、曲がった構造とは、折れ曲がった形、曲線的な形など、真っ直ぐではない形を意味している。
第1折返し部24は、第1延出部22に接続されている。より具体的には、第1折返し部24は、第1延出部22の第4部分22dに接続されている。第1折返し部24は、第4部分22dから−X軸方向に延出している。
第2延出部26は、平面視において、第1折返し部24から、第1折返し部24よりも第2方向(−Y軸方向)に位置している第1固定部29まで、延出している。図示の例では、第2延出部26は、平面視において、第1折返し部24から−Y軸方向に延出している第5部分26aと、第5部分26aから+X軸方向に延出している第6部分26bと、第6部分26bから−Y軸方向に延出している第7部分26cと、第7部分26cから−X軸方向に延出している第8部分26dと、第8部分26dから−Y軸方向に延出している第9部分26eと、第9部分26eから+X軸方向に延出している第10部分26fと、を有した曲がった構造である。第10部分26fは、その先端部に第1固定部29を備えている。すなわち、第10部分26fは、第1固定部29から第3方向(−X軸方向)に延出している。
第1延出部22は、平面視において、基部10から−X軸方向に延出している第1部分22a、および第4部分22dから+X軸方向に延出している第3部分22cを有することにより、第2延出部26側に曲がっている。第1延出部22は、第2延出部26側に曲がることによって第2延出部26に近づく。これにより、第1延出部22は、第2延出部26に近い部分(第2部分22b)を有することができる。第2部分22bと第2延出部26との間の距離(X軸方向における距離)は、基部10と第2延出部26との間の距離、および第4部分22dと第2延出部26との間の距離よりも小さい。
第2延出部26は、平面視において、第5部分26aから+X軸方向に延出している第6部分26b、および第9部分26eから+X軸方向に延出している第8部分26dを有することにより、第1延出部22側に曲がっている。第2延出部26は、第1延出部22側に曲がることによって第1延出部22に近づく。これにより、第2延出部26は、第1延出部22に近い部分(第7部分26c)を有することができる。第7部分26cと第1延出部22との間の距離(X軸方向における距離)は、第5部分26aと第1延出部22との間の距離、および第9部分26eと第1延出部22との間の距離よりも小さい。第2延出部26の第7部分26cは、第1延出部22の第2部分22bと対向配置されている。
第1延出部22の第2部分22bは、第1側面21bを備えている。第2延出部26の第7部分26cは、第1側面21bと対向している第2側面21cを備えている。側面21b,21cは、互いに平行であってもよい。側面21b,21cは、平坦な面である。
第10部分26fと第1部分22aとの間の距離(Y軸方向における距離)は、第10部分26fと第8部分26dとの間の距離よりも小さい。第1部分22aの側面21aおよび第10部分26fの側面21dは、互いに対向している。側面21a,21dは、互いに平行であってもよい。側面21a,21dは、平坦な面である。
第1支持部20の厚さは、第1支持部20の幅よりも大きい。ここで、第1支持部20の幅とは、第1支持部20が基部10から第1固定部29まで延出する間において、第1支持部20の延出方向と直交する方向の大きさである。第1支持部20の厚さは、例えば、0.5mm以上1mm以下であり、第1支持部20の幅は、0.1mm以上0.4mm以下である。
第2支持部30は、基部10を支持している。第2支持部30は、第2固定部39を備えている。第2固定部39は、第2支持部30の先端部に設けられている。第2支持部30は、第2固定部39において、パッケージや回路基板などの外部部材に固定されることができる。すなわち、第2固定部39は、第2支持部30を外部部材に固定するための部分である。
第2支持部30は、基部10から第2固定部39まで延出している。第2支持部30は、図3に示すように、第3延出部32と、第2折返し部34と、第4延出部36と、を有している。
第3延出部32は、平面視において、基部10から、基部10よりも第1方向(+Y軸方向)に位置している第2折返し部34まで、延出している。図示の例では、第3延出部32は、平面視において、基部10から+X軸方向に延出している第1部分32aと、第1部分32aから+Y軸方向に延出している第2部分32bと、第2部分32bから−X軸方向に延出している第3部分32cと、第3部分32cから+Y軸方向に延出している第4部分32dと、を有した曲がった構造である。
第2折返し部34は、第3延出部32に接続されている。より具体的には、第2折返し部34は、第3延出部32の第4部分32dに接続されている。第2折返し部34は、第4部分32dから+X軸方向に延出している。
第4延出部36は、平面視において、第2折返し部34から、第2折返し部34よりも−Y軸方向に位置している第2固定部39まで、延出している。図示の例では、第4延出部36は、平面視において、第2折返し部34から−Y軸方向に延出している第5部分36aと、第5部分36aから−X軸方向に延出している第6部分36bと、第6部分36bから−Y軸方向に延出している第7部分36cと、第7部分36cから+X軸方向に延出している第8部分36dと、第8部分36dから−Y軸方向に延出している第9部分36eと、第9部分36eから−X軸方向に延出している第10部分36fと、を有した曲がった構造である。第10部分36fは、その先端部に第2固定部39を備えている。すなわち、第10部分36fは、第2固定部39から第4方向(+X軸方向)に延出している。
第3延出部32は、平面視において、基部10から+X軸方向に延出している第1部分32a、および第4部分32dから+X軸方向に延出している第3部分32cを有することにより、第4延出部36側に曲がっている。第3延出部32は、第4延出部36側に曲がることによって第4延出部36に近づく。これにより、第3延出部22は、第4延出部36に近い部分(第2部分32b)を有することができる。第2部分32bと第4延出部36との間の距離(X軸方向における距離)は、基部10と第4延出部36との間の距離、および第4部分32dと第2延出部36との間の距離よりも小さい。
第4延出部36は、平面視において、第5部分36aから−X軸方向に延出している第6部分36b、および第9部分36eから−X軸方向に延出している第8部分36dを有することにより、第3延出部32側に曲がっている。第4延出部36は、第3延出部32側に曲がることによって第3延出32に近づく。これにより、第4延出部36は、第3延出部32に近い部分(第7部分36c)を有することができる。第7部分36cと第3延出部32との間の距離(X軸方向における距離)は、第5部分36aと第3延出部32との間の距離、および第9部分36eと第3延出部32との間の距離よりも小さい。第4延出部36の第7部分36cは、第3延出部32の第2部分32bと対向配置されている。
第3延出部22の第2部分32bは、第3側面31bを備えている。第4延出部36の第7部分26cは、第3側面31bと対向している第4側面31cを備えている。側面31b,31cは、互いに平行であってもよい。側面31b,31cは、平坦な面である。
第10部分36fと第1部分32aとの間の距離(Y軸方向における距離)は、第10部分36fと第8部分36dとの間の距離よりも小さい。第1部分32aの側面31aおよび第10部分36fの側面31dは、互いに対向している。側面31a,31dは、互いに平行であってもよい。側面31a,31dは、平坦な面である。
第2支持部30の厚さは、第2支持部30の幅よりも大きい。ここで、第2支持部30の幅とは、第2支持部30が基部10から第2固定部39まで延出する間において、第2支持部30の延出方向と直交する方向の大きさである。第2支持部30の厚さは、例えば、0.5mm以上1mm以下であり、第2支持部30の幅は、0.1mm以上0.4mm以下である。
第1支持部20および第2支持部30は、物理量検出デバイス100の重心Gを通るY軸と平行な直線(図示せず)に関して、対称に設けられていてもよい。
連結部40は、第1支持部20および第2支持部30から延出している。連結部40は、第1支持部20と第2支持部30とを連結している。連結部40は、可動部14と間隙を介して可動部14に沿って設けられている。
図示の例では、連結部40は、第1支持部20の第4部分22dと第1折返し部24との接続部から+Y軸方向に延出している第1部分42aと、第1部分42aから+X軸方向に延出している第2部分42bと、第2部分42bから第2支持部30の第4部分32dと第2折返し部34との接続部まで−Y軸方向に延出している第3部分42cと、を有している。
第3支持部50は、連結部40および第1支持部20を介して、基部10を支持している。第3支持部50は、第3固定部59を備えている。第3固定部59は、第3支持部50の先端部に設けられている。第3支持部50は、第3固定部59において、パッケージや回路基板などの外部部材に固定されることができる。すなわち、第3固定部59は、第3支持部50を外部部材に固定するための部分である。
第3支持部50は、連結部40から第3固定部59まで延出している。より具体的には、第3支持部50は、連結部40の第1部分42aと第2部分42bとの接続部から延出している。第3支持部50は、平面視において、曲がっている。図示の例では、第3支持部50は、連結部40から−X軸方向に延出している第1部分52aと、第1部分52aから−Y軸方向に延出している第2部分52bと、第2部分52bから+X軸方向に延出している第3部分52cと、第3部分52cから−Y軸方向に延出している第4部分52dと、第4部分52dから−X軸方向に延出している第5部分52eと、第5部分52eから+Y軸方向に延出している第6部分52fと、を有した曲がった構造である。第6部分52fは、その先端部に第3固定部59を備えている。すなわち、第6部分52fは、第3固定部59から−Y軸方向に延出している。
第6部分52fと第2部分52bとの間の距離(X軸方向における距離)は、第6部分52fと第4部分52dとの間の距離よりも小さい。第2部分52bの側面51aおよび第6部分52fの側面51cは、互いに対向している。側面51a,51cは、互いに平行であってもよい。側面51a,51cは、平坦な面である。
連結部40と第4部分52dとの間の距離(X軸方向における距離)は、連結部40と第2部分52bとの間の距離よりも小さい。第4部分52dの側面51bおよび連結部40の側面41aは、互いに対向している。側面41a,51bは、互いに平行であってもよい。側面41a,51bは、平坦な面である。
第3支持部50の厚さは、第3支持部50の幅よりも大きい。ここで、第3支持部50の幅とは、第3支持部50が連結部40から第3固定部59まで延出する間において、第3支持部50の延出方向と直交する方向の大きさである。第3支持部50の厚さは、例えば、0.5mm以上1mm以下であり、第3支持部50の幅は、0.1mm以上0.4mm以下である。
第4支持部60は、連結部40および第2支持部30を介して、基部10を支持している。第4支持部60は、第4固定部69を備えている。第4固定部69は、第4支持部60の先端部に設けられている。第4支持部60は、第4固定部69において、パッケージや回路基板などの外部部材に固定されることができる。すなわち、第4固定部69は、第4支持部60を外部部材に固定するための部分である。
第4支持部60は、連結部40から第4固定部69まで延出している。より具体的には、第4支持部60は、連結部40の第2部分42bと第3部分42cとの接続部から延出している。第4支持部60は、平面視において、曲がっている。図示の例では、第4支持部60は、連結部40から+X軸方向に延出している第1部分62aと、第1部分62aから−Y軸方向に延出している第2部分62bと、第2部分62bから−X軸方向に延出している第3部分62cと、第3部分62cから−Y軸方向に延出している第4部分62dと、第4部分62dから+X軸方向に延出している第5部分62eと、第5部分62eから+Y軸方向に延出している第6部分62fと、を有した曲がった構造である。第6部分62fは、その先端部に第4固定部69を備えている。すなわち、第6部分62fは、第4固定部69から−Y軸方向に延出している。
第6部分62fと第2部分62bとの間の距離(X軸方向における距離)は、第6部分62fと第4部分62dとの間の距離よりも小さい。第2部分62bの側面61aおよび第6部分62fの側面61cは、互いに対向している。側面61a,61cは、互いに平行であってもよい。側面61a,61cは、平坦な面である。
連結部40と第4部分62dとの間の距離(X軸方向における距離)は、連結部40と第2部分62bとの間の距離よりも小さい。第4部分62dの側面61bおよび連結部40の側面41bは、互いに対向している。側面41b,61bは、互いに平行であってもよい。側面41b,61bは、平坦な面である。
第4支持部60の厚さは、第4支持部60の幅よりも大きい。ここで、第4支持部60の幅とは、第4支持部60が連結部40から第4固定部69まで延出する間において、第4支持部60の延出方向と直交する方向の大きさである。第4支持部60の厚さは、例えば、0.5mm以上1mm以下であり、第4支持部60の幅は、0.1mm以上0.4mm以下である。
第3支持部50および第4支持部60は、物理量検出デバイス100の重心Gを通るY軸と平行な直線(図示せず)に関して、対称に設けられていてもよい。
物理量検出デバイス100の重心Gは、図3に示すように平面視において、固定部29,39,59,69に囲まれた範囲A内に位置している。より具体的には、重心Gは、平面視において、第1固定部29の中心と第2固定部39の中心を結ぶ直線、第2固定部39の中心と第4固定部69の中心を結ぶ直線、第4固定部69の中心と第3固定部59の中心を結ぶ直線、および第3固定部59の中心と第1固定部29の中心とを結ぶ直線に囲まれた範囲A(領域A)内に位置している。
基部10、継ぎ手部12、可動部14、支持部20,30,50,60、および連結部40は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を、パターニングすることにより、構造体101として一体に形成されている。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって行われる。なお、基部10、継ぎ手部12、可動部14、支持部20,30,50,60、および連結部40の材質は、水晶に限定されるものではなく、ガラスやシリコンなどの半導体材料であってもよい。
物理量検出素子70は、基部10と可動部14とに掛け渡されている。物理量検出素子70は、振動梁部71a,71bと、ベース部72a,72bと、を含んで構成されている。例えば、可動部14が変位することで、振動梁部71a,71bに力が生じ、振動梁部71a,71bに発生する物理量検出情報が変化する。
振動梁部71a,71bは、可動部14の延出方向に沿って(Y軸に沿って)、ベース部72aからベース部72bまで延出している。振動梁部71a,71bの形状は、例えば、角柱状である。振動梁部71a,71bは、振動梁部71a,71bに設けられた励振電極(図示せず)に駆動信号(交番電圧)が印加されると、X軸に沿って、互いに離間または近接するように屈曲振動することができる。
ベース部72a,72bは、振動梁部71a,71bの両端に接続されている。図示の例では、ベース部72aは、基部10の主面10aに接合部材84を介して固定され、ベース部72bは、可動部14の主面14a(基部10の主面10aと同じ側の主面)に接合部材84を介して固定されている。接合部材84としては、例えば、低融点ガラス、共晶接合可能なAu/Sn合金被膜を用いる。
なお、振動梁部71a,71bと、基部10および可動部14と、の間には、可動部14の変位時に、振動梁部71a,71bと、基部10および可動部14と、が接触しないように、所定の間隙が設けられている。この間隙は、例えば、接合部材84の厚みで管理されていてもよい。
また、図示はしないが、可動部14の主面14aであって、平面視おいて接合部材84と振動梁部71a,71bとの間の位置に、可動部14をハーフエッチングすることにより形成された凹部が形成されていてもよい。例えば、接合部材84が所定の位置からはみ出した場合に、該凹部によって接合部材84を受け止めることができ、接合部材84が振動梁部81a,81bに付着することを抑制できる。
物理量検出素子70は、上記のように、2本の振動梁部71a,71bと、一対のベース部72a,72bと、を有している。すなわち、物理量検出素子70は、双音叉素子(双音叉型振動素子)である。
物理量検出素子70は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によってパターニングすることにより形成される。これにより、振動梁部71a,71bおよびベース部72a,72bを、一体に形成することができる。
なお、物理量検出素子70の材質は、水晶に限定されるものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体を皮膜として備えたシリコンなどの半導体材料であってもよい。ただし、物理量検出素子70の線膨張係数と、基部10および可動部14の線膨張係数と、の差を小さくすることを考慮すれば、物理量検出素子70の材質は、基部10および可動部14の材質と同じであることが望ましい。
物理量検出素子70のベース部72a上には、例えば、引き出し電極74a,74bが設けられている。引き出し電極74a,74bは、振動梁部71a,71bに設けられた励振電極(図示せず)と電気的に接続されている。
引き出し電極74a,74bは、例えばAu、Alなどの金属ワイヤー78によって、基部10の主面10aに設けられた接続端子76a,76bと電気的に接続されている。より具体的には、引き出し電極74aは、接続端子76aと電気的に接続され、引き出し電極74bは、接続端子76bと電気的に接続されている。
接続端子76a,76bは、図示しない配線によって、外部接続端子79a,79bと電気的に接続されている。より具体的には、接続端子76aは、外部接続端子79aと電気的に接続され、接続端子76bは、接続端子79bと電気的に接続されている。外部接続端子79a,79bは、例えば、支持部20,30のパッケージなどに実装される側の面(基部10の主面10b側の面)であって、平面視において固定部29,39と重なる位置に設けられている。
励振電極、引き出し電極74a,74b、接続端子76a,76b、および外部接続端子79a,79bとしては、例えば、Cr層を下地として、その上にAu層を積層した積層体を用いる。励振電極、引き出し電極74a,74b、接続端子76a,76b、および外部接続端子79a,79bは、例えば、スパッタ法などによって導電層(図示せず)を成膜し、該導電層をパターニングすることによって形成される。
質量部80,82は、図1および図4に示すように、可動部14の主面14a,14bに設けられている。より具体的には、質量部80は、接合部材86を介して主面14aに設けられ、質量部82は、接合部材86を介して主面14bに設けられている。質量部80,82の材質としては、例えば、Cu、Auなどの金属が挙げられる。質量部80,82によって、物理量検出デバイス100に加わる加速度の検出感度を向上させることができる。
接合部材86としては、例えば、シリコーン樹脂系の熱硬化型接着剤を用いる。接合部材86は、熱応力抑制の観点から、可動部14および質量部80,82の一部の範囲を接着するように塗布されることが好ましい。
図3に示すように平面視において、接合部材86と、物理量検出素子70のベース部72bと、の間の可動部14には、貫通孔16が設けられていてもよい。貫通孔16は、可動部14をZ軸方向に貫通している。例えば可動部14と質量部80,82との熱膨張係数の差によって可動部14に応力が生じたとしても、該応力に起因して物理量検出素子70の共振周波数が変動することを、貫通孔16により抑制できる。
なお、図示はしないが、質量部の数は、限定されず、例えば、可動部14の1つの主面14a,14bに対して複数の質量部が設けられてもよい。また、図示はしないが、主面14a,14bのうち、いずれか一方の主面にのみ、質量部が設けられていてもよい。
次に、物理量検出デバイス100の動作について説明する。図5および図6は、物理量検出デバイス100の動作を説明するための断面図である。なお、図5および図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
図5に示すように、物理量検出デバイス100では、−Z軸方向に加速度α1(例えば重力加速度)が加わると、加速度α1に応じて、可動部14が継ぎ手部12を支点にして−Z軸方向に変位する。これにより、物理量検出素子70には、Y軸に沿ってベース部72aとベース部72bとが互いに離れる方向の力(張力)が加わり、振動梁部71a,71bには引っ張り応力が生じる。そのため、振動梁部71a,71bの振動周波数(共振周波数)は、高くなる。
一方、図6に示すように、物理量検出デバイス100では、+Z軸方向に加速度α2が加わると、加速度α2に応じて、可動部14が継ぎ手部12を支点にして+Z軸方向に変位する。これにより、物理量検出素子70には、Y軸に沿ってベース部72aとベース部72bとが互いに近づく方向の力(圧縮力)が加わり、振動梁部71a,71bには圧縮応力が生じる。そのため、振動梁部71a,71bの振動周波数(共振周波数)は、低くなる。
物理量検出デバイス100では、上記のような物理量検出素子70の共振周波数の変化を検出している。具体的には、物理量検出デバイス100に加わる加速度は、上記の検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
連結部40は、図5および図6に示すように、Z軸方向に加わる加速度が所定の大きさより大きい場合、質量部80,82と接触することができる。そのため、物理量検出デバイス100では、Z軸方向の可動部14の変位を、所定の範囲内に規制することができる。これにより、可動部14が過度の変位により破損することを抑制できる。
なお、物理量検出デバイス100を傾斜計に用いた場合には、傾斜の姿勢の変化に応じて、傾斜計に対する重力加速度が加わる方向が変化し、振動梁部71a,71bに引っ張り応力や圧縮応力が生じる。そして、振動梁部71a,71bの共振周波数が変化する。
また、上記の例では、物理量検出素子70として、いわゆる双音叉素子を用いた例について説明したが、可動部14の変位に基づいて物理量を検出することができれば、物理量検出素子70の形態は、特に限定されない。
また、図示はしないが、固定部29,39,59,69の各々は、複数設けられていてもよい。このような形態によれば、外部部材との固定強度を高めることができる。そのため、耐衝撃性の向上を図ることができる。
また、上記の例では、連結部40が、第1支持部20と第2支持部30とを連結するように第1支持部20および第2支持部30から延出している形態について説明したが、連結部40は、第1支持部20および第2支持部30の一方から延出していてもよい。また、連結部40は、基部10から直接延出していてもよい。
本実施形態に係る物理量検出デバイス100は、例えば、以下の特徴を有する。
物理量検出デバイス100によれば、第1延出部22は、平面視において、基部10から、基部10よりも+Y軸方向に位置している第1折返し部24まで延出している。第2延出部26は、平面視において、第1折返し部24から、第1折返し部24よりも−Y軸方向に位置している第1固定部29まで、延出している。同様に、第3延出部32は、平面視において、基部10から、基部10よりも+Y軸方向に位置している第2折返し部34まで延出している。第4延出部36は、平面視において、第2折返し部34から、第2折返し部34よりも−Y軸方向に位置している第2固定部39まで、延出している。そのため、第1固定部29および第2固定部39をパッケージや回路基板などの外部部材に固定して、物理量検出デバイス100を実装する際に、構造体101(基部10、継ぎ手部12、可動部14、支持部20,30,50,60、および連結部40を含んで構成されている構造体)の線膨張係数と外部部材の線膨張係数との差により基部10に応力が生じることを抑制できる。そのため、基部10に生じる応力によって、物理量検出素子70の共振周波数が変動することを抑制できる。その結果、物理量検出デバイス100は、高い検出感度を有することができる。例えば、第1支持部および第2支持部が直線状に設けられている場合は、構造体の線膨張係数と外部部材の線膨張係数との差により基部に生じる応力によって、物理量検出素子の共振周波数が変動することがある。
さらに、物理量検出デバイス100では、平面視において、第1延出部22は、第2延出部26側に曲がっており、第2延出部26は、第1延出部22側に曲がっている。これにより、第1延出部22は、第2延出部26に近い部分(第2部分)22bを有し、第2延出部26は、第1延出部22に近い部分(第7部分)26cを有することができる。そのため、例えば、物理量検出デバイス100にX軸方向の衝撃が加えられた場合に、第2部分22bと第7部分26cとが接触することができる。これにより、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。その結果、例えば、可動部14がX軸方向に過度に変位することによって、物理量検出デバイス100が破損することを抑制できる。同様に、物理量検出デバイス100では、例えば、X軸方向の衝撃が加えられた場合に、支持部30の第2部分32bと第7部分36cとが接触することができる。これにより、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。
物理量検出デバイス100によれば、第1延出部22の第2部分22bは、第1側面21bを備えており、第2延出部26の第7部分26cは、第1側面21bと対向している第2側面21cを備えている。側面21b,21cは、平坦な面である。そのため、例えば、物理量検出デバイス100にX軸方向の衝撃が加えられた場合に、より確実に、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。同様に、第3延出部32の第2部分32bは、第3側面31bを備えており、第4延出部36の第7部分36cは、第3側面31bと対向している第4側面31cを備えている。側面31b,31cは、平坦な面である。そのため、例えば、物理量検出デバイス100にX軸方向の衝撃が加えられた場合に、より確実に、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。
さらに、物理量検出デバイス100では、第1支持部20の第1部分22aの側面21aと、第1支持部20の第10部分26fの側面21dと、によって、物理量検出デバイス100にY軸方向の衝撃が加えられた場合に、可動部14がY軸方向に変位することを抑制できる。同様に、第2支持部30の第1部分32aの側面31aと、第2支持部30の第10部分36fの側面31dと、によって、可動部14がY軸方向に変位することを抑制できる。
さらに、物理量検出デバイス100では、第3支持部50の第2部分52bの側面51aと、第3支持部50の第6部分52fの側面51cと、によって、物理量検出デバイス100にX軸方向の衝撃が加えられた場合に、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。同様に、第4支持部60の第2部分62bの側面61aと、第4支持部60の第6部分62fの側面61cと、によって、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。
さらに、物理量検出デバイス100では、第3支持部50の第4部分52dの側面51bと、連結部40の側面41aと、によって、物理量検出デバイス100にX軸方向の衝撃が加えられた場合に、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。同様に、第4支持部60の第4部分62dの側面61bと、連結部40の側面41bと、によって、可動部14がX軸方向に変位することを抑制できる。
物理量検出デバイス100によれば、平面視において、連結部40から第3固定部59まで延出している第3支持部50は、曲がっており、連結部40から第4固定部69まで延出している第4支持部60は、曲がっている。そのため、第3固定部59および第4固定部69をパッケージや回路基板などの外部部材に固定して、物理量検出デバイス100を実装する際に、構造体101の線膨張係数と外部部材の線膨張係数との差により基板10に生じる応力によって、物理量検出素子70の共振周波数が変動することを抑制できる。
物理量検出デバイス100によれば、第2延出部26は、第1固定部29から−X軸方向に延出する部分(第10部分26f)を有し、第4延出部36は、第2固定部39から+X軸方向に延出する部分(第10部分36f)を有している。さらに、第3支持部50は、第3固定部59から−Y軸方向に延出する部分(第6部分52f)を有し、第4支持部60は、第4固定部69から−Y軸方向に延出する部分(第6部分62f)を有している。そのため、例えば、物理量検出デバイス100に衝撃が加えられた場合に、支持部20,30,50,60によって、X軸方向の衝撃およびY軸方向の衝撃を緩和することができる。
物理量検出デバイス100によれば、物理量検出デバイス100の重心Gは、平面視において、固定部29,39,59,69に囲まれた範囲A内に位置している。これにより、物理量検出デバイス100は、安定して、パッケージなどの外部部材に固定されることができる。
物理量検出デバイス100によれば、第1支持部20の厚さは、第1支持部20の幅よりも大きく、第2支持部30の厚さは、第2支持部30の幅よりも大きい。そのため、物理量検出デバイス100では、支持部20,30がZ軸方向に変位することを抑制することができる。これにより、物理量検出デバイス100は、例えば、高い検出感度を有することができる。さらに、物理量検出デバイス100では、支持部50,60の厚さは、支持部50,60の幅よりも大きい。そのため、物理量検出デバイス100では、支持部50,60がZ軸方向に変位することを抑制することができる。
2. 物理量検出デバイスの変形例
次に、本実施形態の変形例に係る物理量検出デバイスについて、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の変形例に係る物理量検出デバイス200を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態の変形例に係る物理量検出デバイス200を模式的に示す平面図であって、図7で示す破線で囲まれた領域Bの拡大図である。なお、便宜上、図7では、質量部80,82を省略して図示している。また、図7および図8では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
以下、本実施形態の変形例に係る物理量検出デバイス200において、本実施形態に係る物理量検出デバイス100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量検出デバイス100では、図3に示すように、例えば、第1支持部20の第1部分22aと第2部分22bとの接続部は、直角をなす角部を有していた。これに対し、物理量検出デバイス200では、図7および図8に示すように、第1支持部20の第1部分22aと第2部分22bとの接続部は、直角をなす角部を有さずに、平面視において、X軸方向およびY軸方向に対して傾斜した傾斜面2を有している。
同様に、第1支持部20のX軸方向またはY軸方向に延出している各部分の接続部、および支持部30,50,60のX軸方向またはY軸方向に延出している各部分の接続部についても、傾斜面2を有している。さらに、基部10、可動部14、および連結部40についても、直角をなす角部を有さずに、傾斜面2を有している。
例えば、構造体101を、水晶のZ軸に垂直な平面を主面とするZ板をウェットエッチングすることによって形成した場合、上述のように、構造体101は、直角をなす角部を有さずに、傾斜面2を有する。
傾斜面2は、図8に示すように平面視において、X軸またはY軸に平行な平坦面4(XZ平面またはYZ平面に平行な面)に接続されている。すなわち、物理量検出デバイス200では、傾斜面2同士は、接続されていない。
物理量検出デバイス200によれば、傾斜面2は、平坦面4に接続されており、傾斜面2同士は、接続されていない。すなわち、物理量検出デバイス200では、支持部20,30,50,60の形状を、傾斜面2同士が接続されてないように設計している。例えば、傾斜面同士が接続されている形態では、衝撃が加わった場合、該衝撃によって、2つの傾斜面によって形成される角部に亀裂が生じる場合があり、物理量検出デバイスが破損する場合がある。物理量検出デバイス200では、このような問題を回避することができる。
なお、図9および図10に示すように、傾斜面2の代わりに、平面視において、円弧の形状を有する曲面6が設けられていてもよい。なお、図10は、図9で示す破線で囲まれた領域Cの拡大図である。
3. 物理量検出器
次に、本実施形態に係る物理量検出器について、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係る物理量検出器300を模式的に示す平面図である。図12は、本実施形態に係る物理量検出器300を模式的に示す図11のXII−XII線断面図である。なお、図11では、便宜上、リッド330の図示を省略している。
物理量検出器300は、図11および図12に示すように、本発明に係る物理量検出デバイスと、パッケージ310と、を含む。以下では、本発明に係る物理量検出デバイスとして、物理量検出デバイス100を用いた例について説明する。
パッケージ310は、物理量検出デバイス100を収容している。パッケージ310は、パッケージベース320と、リッド330と、を有することができる。
パッケージベース320には、凹部321が形成され、凹部321内に物理量検出デバイス100が配置されている。パッケージベース320の平面形状は、凹部321内に物理量検出デバイス100を配置することができれば、特に限定されない。パッケージベース320としては、例えば、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラス、シリコンなどの材料を用いる。
なお、パッケージベース320の材質は、物理量検出デバイス100の構造体101の材質と同じであってもよいし、異なってもよいが、本発明は、パッケージベース320の材質と構造体101の材質とが異なることにより、パッケージベース320の線膨張係数と構造体101の線膨張係数とが異なる場合に、特に有効である。
パッケージベース320は、パッケージベース320の内底面(凹部の内側の底面)322から、リッド330側に突出した段差部323を有することができる。段差部323は、例えば、凹部321の内壁に沿って設けられている。段差部323には、内部端子340,342が設けられている。
内部端子340,342は、物理量検出デバイス100の固定部29,39に設けられた外部接続端子79a,79bと対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。例えば、外部接続端子79aは、内部端子340と電気的に接続され、外部接続端子79bは、内部端子342と電気的に接続されている。
パッケージベース320の外底面(内底面322と反対側の面)324には、外部の部材に実装される際に用いられる外部端子344,346が設けられている。外部端子344,346は、図示しない内部配線を介して内部端子340,342と電気的に接続されている。例えば、外部端子344は、内部端子340と電気的に接続され、外部端子346は、内部端子342と電気的に接続されている。
内部端子340,342および外部端子344,346は、Wなどのメタライス層に、Ni、Auなどの皮膜をめっきなどの方法により積層した金属膜からなる。
パッケージベース320には、凹部321の底部にパッケージ310の内部(キャビティー)を封止する封止部350が設けられている。封止部350は、パッケージベース320に形成された貫通孔325内に配置されている。貫通孔325は、外底面324から内底面322まで貫通している。図示の例では、貫通孔325は、外底面324側の孔径が内底面322側の孔径より大きい段付きの形状を有している。封止部350は、貫通孔325に、例えば、Au/Ge合金、はんだなどからなる封止材を配置し、加熱溶融後、固化させることで形成される。封止部350は、パッケージ310の内部を気密に封止する構成である。
支持部20,30,50,60の固定部29,39,59,69は、接合部材343を介して、パッケージベース320の段差部323に固定されている。これにより、物理量検出デバイス100は、パッケージベース320に実装され、パッケージ310内に収容される。
固定部29,39が段差部323に固定されることにより、固定部29,39に設けられた外部接続端子79a,79bと、段差部323に設けられた内部端子340,342とは、接合部材343を介して、電気的に接続される。接合部材343としては、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合されたシリコーン樹脂系の導電性接着剤を用いる。
リッド330は、パッケージベース320の凹部321を覆って設けられている。リッド330の形状は、例えば、板状である。リッド330としては、例えば、パッケージベース320と同じ材料や、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属を用いる。リッド330は、例えば、シームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材332を介して、パッケージベース310に接合されている。
リッド330をパッケージベース310接合した後、パッケージ310の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、貫通孔325内に封止材を配置し、加熱溶融後、固化させて封止部350を形成することにより、パッケージ310内を気密に封止することができる。パッケージ310の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
物理量検出器300において、外部端子344,346、内部端子340,342、外部接続端子79a,79b、接続端子76a,76bなどを経由して、物理量検出デバイス100の励振電極に駆動信号がされると、物理量検出素子100の振動梁部71a,71bは、所定の周波数で振動(共振)する。そして、物理量検出器300は、印加される加速度に応じて変化する物理量検出素子100の共振周波数を出力信号として、出力することができる。
物理量検出器300によれば、高い検出感度を有することができる物理量検出デバイス100を含む。そのため、物理量検出器300は、高い検出感度を有することができる。
なお、図示はしないが、物理量検出デバイス100が配置される凹部は、パッケージベース320およびリッド330の両方に形成されていてもよいし、リッド330にのみ形成されていてもよい。
4. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器について説明する。以下では、本実施形態に係る電子機器として、本発明に係る物理検出デバイス(以下の例では物理検出デバイス100)を含む傾斜計について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係る傾斜計400を模式的に示す斜視図である。
傾斜計400は、図13に示すように、物理量検出デバイス100を、傾斜センサーとして含んでいる。
傾斜計400は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計400は、外部からケーブル410を介して電源が供給され、または電源を内蔵し、図示しない駆動回路によって物理量検出デバイス100に駆動信号が送られている。
そして、傾斜計400は、図示しない検出回路によって、物理量検出デバイス100に加わる重力加速度に応じて変化する共振周波数から、傾斜計400の姿勢の変化(傾斜計400に対する重力加速度が加わる方向の変化)を検出し、それを角度に換算して、例えば、無線などで基地局にデータ転送する。これにより、傾斜計400は、異常の早期発見に貢献することができる。
傾斜計400によれば、高い検出感度を有することができる物理量検出デバイス100を含む。そのため、傾斜計400は、高い検出感度を有することができる。
本発明に係る物理量検出デバイスは、上記の傾斜計に限らず、地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話などの加速度センサー、傾斜センサーなどとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記実施形態および変形例で説明した効果を奏する電子機器を提供することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。