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JP5919213B2 - 定着部材、加熱装置及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

定着部材、加熱装置及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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JP5919213B2 JP2013064248A JP2013064248A JP5919213B2 JP 5919213 B2 JP5919213 B2 JP 5919213B2 JP 2013064248 A JP2013064248 A JP 2013064248A JP 2013064248 A JP2013064248 A JP 2013064248A JP 5919213 B2 JP5919213 B2 JP 5919213B2
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Description

本発明は、例えば複写機やプリンターなどの電子写真画像形成装置に用いられる定着部材、並びにこの定着部材を用いた加熱装置及び電子写真画像形成装置に関するものである。
電子写真画像形成装置などにおける加熱装置に用いられている定着部材は、トナー等を過度に押しつぶすことのないように、シリコーンゴムを含む弾性層を有するのが一般的である。また、弾性層の表面には、トナー等の付着を抑えるために、フッ素樹脂を含む表面層が設けられている。しかしながら、フッ素樹脂を含む表面層と弾性層とは接着性が低いという課題がある。
特許文献1では、このような課題の解決のために、エラストマー基材に金属酸化物を含有させると共に、該基材上にリン酸基を含有するフッ素樹脂被覆層を設けることが提案されている。かかる構成によって、リン酸基と金属酸化物とが相互作用し、フッ素樹脂とエラストマー基材との間で十分な接着強度が得られること、また、特許文献1は、該フッ素樹脂被覆層を介して更にフッ素樹脂層を形成して積層体とすることも提案しており、このような構成においては、フッ素樹脂被覆層とフッ素樹脂層とは親和性を有するため、フッ素樹脂被覆層が、フッ素樹脂層のプライマーとして機能することを開示している。
特開2005−212318号公報
本発明者らは、特許文献1の開示に基づき、リン酸基を有するフッ素樹脂被覆層を、金属酸化物としてアルミナを含むシリコーンゴム層上にフッ素樹脂層を形成する際のプライマーとして用いた定着部材について検討を行った。その結果、当該定着部材を、長期に亘って電子写真画像の熱定着に用いた場合には、フッ素樹脂を含む表面層とシリコーンゴムを含む弾性層との界面剥離を生じることがあった。すなわち、表面層とシリコーンゴムとの接着耐久性には未だ改善の余地があることが分かった。
そこで、本発明は、長期に亘って熱定着装置に用いた場合においても、フッ素樹脂を含む表面層とその下層との間の界面における剥離が生じにくい、耐久性に優れた定着部材の提供に向けたものである。
また、本発明は、電子写真画像の熱定着を長期に亘って安定して行うことのできる熱定着装置を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、長期に亘って高品位な電子写真画像を安定して形成可能な電子写真電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、基材、弾性層、中間層及びフッ素樹脂を含む表面層をこの順番で有する、電子写真装置に用いる定着部材であって、
該弾性層は、シリコーンゴム及びナトリウムイオンを含み、
該中間層は、アミノ基を含有するポリシロキサンを含み、
該表面層は、該中間層の、該弾性層に対向する表面とは反対側の表面に、
リン酸基が結合した、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含むプライマー層を形成し、次いで、
該プライマー層上にテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含む塗膜、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含む塗膜を形成し、該プライマー層中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体と、該塗膜中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とを熔融させることによって形成されたものである定着部材が提供される。
また、本発明の他の態様によれは、上記の定着部材を用いた加熱装置が提供される。更に、本発明によれば、上記の加熱装置を用いた電子写真画像形成装置が提供される。
(a)本発明に係る電子写真画像形成装置の一例を示す断面図である。(b)本発明に係る加熱装置の一例を示す断面図である。 定着部材である定着フィルムの層構成を示す概略断面図である。 定着フィルムを作製するためのリングコート塗布機の模式図である。 定着フィルムのコート層の剥離強度の測定方法を示す図である。 剥離強度試験における定着フィルム表面の剥がし端と剥離の進行方向を示した定着フィルムの横断面模式図である。
本発明者らは、特許文献1に係る発明を適用した定着部材に関して、長期の使用によって、表面層が剥離してくる原因について究明した。その結果、弾性層中に含まれるナトリウムイオンが1つの原因であることを解明した。すなわち、弾性層には、熱伝導性を調整するためのフィラーが分散されている。そして、かかるフィラーとして一般的なアルミナは不純物としてのナトリウムイオンを含んでいる。そのため、アルミナをフィラーとして用いている弾性層には、ナトリウムイオンが多く含まれることとなる。
一方、加熱装置における定着部材は、像定着時には、200℃〜250℃程度の高温に晒される。このとき、弾性層中のナトリウムイオンが、リン酸基を含むプライマー層中に侵入し、表面層と弾性層との接着力を低下させていることが判明した。
そこで、本発明者は、このような技術的知見に鑑み、弾性層中のナトリウムイオンが表面層と弾性層との間の接着に与える影響を緩和させるべく検討を重ねた。
具体的には、弾性層上にフッ素を含む表面層を形成するにあたって、弾性層の表面に、アミノ基を含有するポリシロキサンを含む中間層を形成した。次に、該中間層の、弾性層と対向する側とは反対側の表面に、リン酸基が結合した、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含むプライマー層を形成し、次いで、該プライマー層上にテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含む塗膜、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含む塗膜を形成し、該プライマー層中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体と、該塗膜中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とを熔融させることによって中間層を被覆してなる表面層を形成した。こうして形成されてなる表面層を有する定着部材は、長期の使用によっても弾性層からの表面層の剥離が極めて生じにくかった。
なお、本明細書中、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を、「PFA」と記載する場合がある。
アミノ基を有するポリシロキサンを含む中間層を介して表面層を設けることで表面層の剥離耐久性が大幅に改善される理由を以下のように推測している。
すなわち、特許文献1において、プライマーとして用いられているフッ素樹脂が有するリン酸基は、多数の酸素を有するため電気的にマイナスを帯びている。そのため、弾性層中に存在する陽イオンであるナトリウムイオンが、リン酸基に引き付けられやすいと考えられる。そのため、高温環境下で、弾性層から多くのナトリウムイオンがプライマー層に侵入してきたときに、リン酸基による弾性層中の金属酸化物との相互作用による接着力向上効果が阻害され、接着力が低下すると考えられる。
一方、本発明においては、中間層中のアミノ基がナトリウムイオンをトラップし、高温環境下で、弾性層から多くのナトリウムイオンが表面層側にブリードしたとしても、中間層を容易には通過できないものと考えられる。
これにより、プライマー中のリン酸基と弾性層中の金属酸化物との相互作用による接着力向上効果が、ナトリウムイオンによって阻害されることが抑制され、接着力の耐久性が維持されるものと考えられる。
本発明は、上記した実験結果および検討に基づきなされたものである。
(1)電子写真画像形成装置
図1の(a)は、本発明に係る定着部材としての定着フィルムを用いた加熱装置114を、記録材上の未定着トナー像を加熱処理して定着する定着装置として搭載した電子写真画像形成装置100の一例の構成模型図である。この電子写真画像形成装置100は電子写真方式を用いたカラープリンタである。電子写真画像形成装置100は、パーソナルコンピュータ、イメージリーダー等の外部ホスト装置200から電子写真画像形成装置側の制御回路部(制御手段)101に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pにカラー画像形成を行う。制御回路部101はCPU(演算部)、ROM(記憶手段)などを含み、ホスト装置200や電子写真画像形成装置100の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受を行う。また、制御回路部101は電子写真画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、電子写真画像形成装置内において下から上に順に配列されている。各画像形成部Y、C、M、Kは、それぞれ、像担持体としての電子写真感光体ドラム51と、このドラム51に作用するプロセス手段としての、帯電装置52、現像装置53、クリーニング装置54等を有している。イエローの画像形成部Yの現像装置53には現像剤としてイエロートナーが収容されている。シアンの画像形成部Cの現像装置53には現像剤としてシアントナーが収容されている。マゼンタの画像形成部Mの現像装置53には現像剤としてマゼンタトナーが収容されている。ブラックの画像形成部Kの現像装置53には現像剤としてブラックトナーが収容されている。ドラム51に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系55が上記4色の画像形成部Y、C、M、Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y、C、M、Kにおいて、帯電装置52により一様に帯電されたドラム51に対して光学系55より画像データに基づいた走査露光がなされる。これにより、ドラム面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。それらの静電潜像が現像装置53によりトナー画像として現像される。即ち、イエローの画像形成部Yのドラム51にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応したイエロートナー画像が形成される。シアンの画像形成部Cのドラム51にはフルカラー画像のシアン成分像に対応したシアントナー画像が形成される。マゼンタの画像形成部Mのドラム51にはフルカラー画像のマゼンタ成分像に対応したマゼンタトナー画像が形成される。
ブラックの画像形成部Kのドラム51にはフルカラー画像のブラック成分像に対応したブラックトナー画像が形成される。各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上に形成された上記の色トナー画像は各ドラム51の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体56上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体56上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
本実施例においては、中間転写体56として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ57、二次転写ローラ対向ローラ58、テンションローラ59の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ57によって駆動される。
各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上からベルト56上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ60を用いている。ローラ60に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上からベルト56に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y、C、M、Kにおいてドラム51上からベルト56への一次転写後、ドラム51上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置54により除去される。
上記工程をベルト56の回転に同調して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対して行い、ベルト56上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット61内の記録材Pが給送ローラ62により所定のタイミングで一枚分離給送される。そして、その記録材Pがレジストローラ63により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ58に巻きかけられている中間転写ベルト部分と二次転写ローラ64との圧接部である転写ニップ部に搬送される。ベルト56上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ64に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後にベルト56上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置65により除去される。記録材P上に二次転写された未定着トナー画像は、加熱装置114により記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス66を通って排紙トレイ67に送り出される。
(2)加熱装置
図1の(b)は本発明に係る定着部材としての、無端ベルト状の定着フィルムと、当該定着フィルムの内側にヒータを配置してなる加熱装置114の要部の横断面模式図である。ここで、以下の説明において、加熱装置及びこの加熱装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。長さとは長手方向の寸法である。
本実施例における加熱装置114は、基本的には公知技術であるいわゆるテンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置である。このタイプのフィルム加熱方式の加熱装置は、定着部材として、可撓性を有するエンドレスベルト状若しくは円筒状の耐熱性の定着フィルム2を用いている。そして、この定着フィルム2の周長の少なくとも一部は常にテンションフリー、すなわち、テンションが加わらない状態とし、定着フィルム2は加圧ローラ(加圧回転体)6に接して配置されており、加圧ローラ6の回転駆動力によって従動回転するように構成されてなる装置である。本実施例においては、定着部材としての定着フィルム2が本発明に係る構成のフィルムである。
図1(b)において、1は加熱体支持部材兼フィルムガイド部材としてのステーである。ステー1は、長手方向(図面に垂直方向)に長い横断面略半円形樋型の耐熱樹脂製の剛性部材である。本実施例では、ステー1の材料として高耐熱性の液晶ポリマーを用いた。また、ステー1の長手方向中央部の近傍には、ヒータ3に接触するように配置されるサーミスタ(温度検知素子)5を収納する孔1bが溝部1aと連通させて設けてある。ヒータ3としては、例えば、セラミックヒータを用いることができる。ステー1の下面において短手方向中央にステー1の長手方向に沿って設けられた溝部1a内に嵌入させて固定支持させてある。定着部材としての、可撓性を有し、耐熱性に優れた円筒状の耐熱性の定着フィルム2は、ヒータ3を支持させたステー1の外周に、周長に余裕を持たせてルーズに外嵌されている。さらに定着フィルム2の内周面(内面)には、ヒータ3との摺動性を向上させるためにグリスが塗られている。上記のステー1、ヒータ3、定着フィルム2等により加熱アセンブリ4が構成されている。6はバックアップ部材としての加圧ローラ(加圧回転体)である。本実施例における加圧ローラ6は、鉄、ステンレス、アルミ等の丸軸の芯金6a上に、耐熱性弾性層6bとして、シリコ−ン発泡体を被覆し、さらにその上に表面層6cとしてフッ素樹脂チューブを被覆したものである。加圧ローラ6はステー1に保持されているヒータ3と定着フィルム2を挟んで対向している。そして、加圧機構(不図示)によりステー1と加圧ローラ6の間には所定の圧力が掛けられている。この圧力によりローラ6の弾性層6bが定着フィルム2を挟んでヒータ3に沿って長手方向に弾性変形する。これによってローラ6は定着フィルム2を挟んでヒータ3と記録材Pが担持する未定着トナー画像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
加圧ローラ6は、少なくとも電子写真画像の形成時には、制御回路部101で制御されるモータ(駆動手段)Mによって所定の速度で矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ6の回転による加圧ローラ6と定着フィルム2とのニップ部Nにおける摩擦力で定着フィルム2に回転力が作用する。これにより、定着フィルム2は、その内面がニップ部Nにおいてヒータ3の面に密着して摺動しながら矢印の時計方向にステー1の外回りを加圧ローラ6の回転周速度にほぼ対応した周速度で回転する。即ち、画像転写部側から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転される。また、ヒータ3は電源装置102から電力が供給されて昇温する。ヒータ3の温度は、サーミスタ5で検知される。サーミスタ5で検知された温度の情報が制御回路部101にフィードバックされる。
制御回路部101は、サーミスタ5から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように電源装置102からヒータ3に入力する電力を制御する。ヒータ3が所定の定着温度に立ち上げられて温調され、またローラ6が回転駆動されている状態において、ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着フィルム2側にして導入される。
記録材Pはニップ部Nにおいて定着フィルム2の外面に密着して定着フィルム2と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、記録材Pに対してヒータ3の熱が定着フィルム2を介して付与され、またニップ部Nの加圧力が付与されて、未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った記録材Pは定着フィルム2の外周面から自己分離して加熱装置の外へ搬送される。
(3)定着フィルムの構成
図2は、上記の加熱装置114における定着部材である定着フィルム2の一部分の層構成を示した概略断面図である。2Aは定着フィルム2の基材であり、金属または耐熱性樹脂よりなる無端状のベルト基材である。定着フィルム2は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、総膜厚が薄いほど良く、基材2Aの厚みも薄いほど、加熱装置114のクイックスタートに有利となる。そこで、フィルムとしての強度も考慮して、基材2Aの厚みとしては、20〜100μmとすることが好ましい。
また、基材2Aの外周面には、弾性層2Bが形成されている。弾性層2Bは、記録材Pや未定着トナー画像Tの凹凸に追従して包み込むようにして、ヒータ3からの熱を記録材Pや未定着トナー画像Tへ伝える役割を有する。弾性層2Bの膜厚としても薄いほど加熱装置114のクイックスタートに有利となる。そのため、記録材Pやトナーの包み込みの効果も考慮して、弾性層2Bの層厚としては50μm〜1mm、特には、80μm〜300μmの範囲内とすることが好ましい。
2Eは定着フィルム2の表面層であり、記録材P上のトナーTがオフセットしないように良好な離型性を有するフッ素樹脂よりなる。また弾性層2Bと表面層2Eの間には、中間層2Cとプライマー層2Dが設けてある。ヒータ3からの熱を記録材PとトナーTへ伝えやすくするため、中間層2Cとプライマー層2Dと表面層2Eをあわせた厚みは、25μm以下であることが望ましい。
(3−1)基材2A
基材2Aとしては、SUS、ニッケル、ニッケル合金などの金属の他に、耐熱性、強度、耐久性等のある熱硬化性樹脂であるポリイミド、ポリアミドイミドなどを使用できる。
(3−2)弾性層2B
弾性層2Bはシリコーンゴムを含む。そして、弾性層の形成には、加工性に優れる付加硬化型シリコーンゴムを用いることが好ましい。具体的には、付加硬化型シリコーンゴム及び後述するフィラーを含む液状のシリコーンゴム混合物の層を基材上に形成し、当該層を硬化せしめることによって、該混合物の硬化物からなる弾性層を形成することができる。
(3−2−1)付加硬化型シリコーンゴム
一般に、付加硬化型シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、及び架橋触媒として白金化合物を含む。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記(a)および(b)のオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(a)分子両末端が、(R1)(R2)SiO1/2で表され、中間単位が、(R1)SiO及びR1R2SiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン。
(b)分子両末端が、(R1)(R2)SiO1/2で表され、中間単位が、(R1)SiO3/2またはSiO4/2で表される部分を含む分岐状ポリオルガノシロキサン。
ここで、R1はケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表す。R1の具体例を以下に挙げる。
・アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)。
・アリール基(フェニル基等)。
・置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−シアノプロピル、3−メトキシプロピル等)。
中でも、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、R1の50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1がメチル基であることが特に好ましい。
また、R2はケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表す。R2の具体例としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。中でも、合成や取扱いが容易で、容易に架橋反応させることのできるビニル基が好ましい。
また、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤として機能するものである。ケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均3個を越える数である。ケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ範囲である非置換又は置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成及び取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
また、当該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは10mm/s以上100,000mm/s以下、さらに好ましくは15mm/s以上1,000mm/s以下の範囲である。保存中に揮発して所望の架橋度や成形品の物性が得られないということがなく、また合成や取扱いが容易で、系に容易に均一に分散させることができるからである。
オルガノポリシロキサンとしては、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造を有するものでも用いることができる。また、これらの構造を有するオルガノポリシロキサンの混合物を用いてもよい。中でも、合成が容易なことから、直鎖状のオルガノポリシロキサンが特に好適に用いられる。
Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、(R1)HSiO1/2単位のような分子末端のシロキサン単位に存在することが好ましい。付加硬化型シリコーンゴムとしては、不飽和脂肪族基の量が、ケイ素原子1モルに対して0.1モル%以上2.0モル%以下であるものが好ましい。特には、0.2モル%以上1.0モル%以下である。また、不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が、0.3以上0.8以下となるような割合で配合されていることが好ましい。不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合は水素核磁気共鳴分析(例えば、1H−NMR(商品名:AL400型FT−NMR;日本電子株式会社製を用いた測定)により定量・算出することができる。不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が上記数値範囲内とすることで、硬化後のシリコーンゴム層の硬度を安定なものとでき、また、硬度の過度の上昇を抑えられる。
(3−2−2)弾性層2B中のフィラー及び弾性層の熱伝導率
弾性層2Bのゴム材料中に含有させる高熱伝導性フィラーとしては、アルミナ、酸化亜鉛などが熱伝導率やコストの点から望ましく、これらを単独ないし混ぜて用いることができる。充分な定着性を得るためには、弾性層の熱伝導率が、0.7W/m・K以上2.0W/m・K以下となるように上記高熱伝導性フィラーを弾性層中に含有させることが好ましい。
(3−2−3)ナトリウムイオンの存在
本発明に係る課題の発生原因として、本発明に係る弾性層は、ナトリウムイオンを含むことを前提とする。そして、アルミナや酸化亜鉛は、製造時の不純物としてナトリウムを含んでいる。そのため、アルミナや酸化亜鉛をフィラーとしてシリコーンゴムに分散させてなる弾性層中には、ナトリウムイオンが含まれることとなる。
(3−3)中間層2C
弾性層2B上には、中間層2Cとしてアミノ基を含有するポリシロキサンを含む層が形成されている。中間層2Cは層中のアミノ基により弾性層2B中に存在するナトリウムイオンの移動をブロックする役割と、シランカップリング剤から形成されることにより弾性層2Bとプライマー層2Dの間に介在し接着する役割を担う。そして、中間層2Cは、アミノシランカップリング剤を塗布し、該アミノシランカップリング剤を加水分解及び縮合させることにより形成される。
(3−4)プライマー層2D
中間層2Cの、弾性層と対向する側とは反対側の表面に、プライマー層2Dを形成する。なお、プライマー層2Dは、該プライマー層2D上に形成される、後述する塗膜中のフッ素樹脂と共に表面層を構成することとなる。
そして、プライマー層2Dは、リン酸基が結合した、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含む。
本構成では中間層2C中のポリシロキサンが有するシロキサン結合とリン酸基とが相互作用し、強固な接着力を発現している。
リン酸基が結合した、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体は、たとえば重合によってフッ素樹脂を製造する際に、リン酸基単位を含有するペンダント型側基を有するフッ素化モノマーを共重合させることによって得ることができる。リン酸基を有するフッ素化モノマーの好ましい例として、トリフルオロビニルエーテル基を含有するリン酸二水素エステル化合物を挙げることができる。その具体例として、リン酸二水素2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イル(EVE−P)を挙げることができる。また、リン酸二水素2,2,3,3,4,4,6,7,7−ノナフルオロ−5−オキサヘプタ−6−エン−1−イルなどを挙げることができる。
フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン(TFE)と少なくとも1種のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)とを、従来公知の方法で共重合させて得ることができる共重合体類である。
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、炭素原子数が3−8のパーフルオロアルキルビニル類、及びアルキル基の炭素原子数が1−5のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)類を挙げることができる。
TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体(PFA)又はTFEとパーフルオロアルキルビニル類との共重合体が好ましいフッ素樹脂である。リン酸基を含有するフッ素樹脂は、重合によってフッ素樹脂を製造する際に、リン酸基単位を含有するフッ素化モノマーを共重合させることによって得られたものである。リン酸基を含有するフッ素樹脂の融点は200〜300℃、好ましくは220〜280℃であり、そのために、アルキルビニルエーテル成分又はアルキルビニル成分の割合は共重合体に対して3〜15mol%、好ましくは5〜12mol%の範囲にある。
プライマー層2D中には、リン酸基を有しないフッ素樹脂を含有させてもよい。
プライマー層2D中に、リン酸基が結合したフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂とを共存させることで、プライマー層2D中のリン酸基の含有量を容易にかつ任意に調整することができる。
リン酸基を有しないフッ素樹脂としては、例えば、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はTFE/パーフルオロアルキルビニル共重合体が好ましく用いられる。そのアルキルビニルエーテル又はアルキルビニル成分の割合を共重合体に対して3〜15mol%、好ましくは5〜12mol%である共重合体は、望ましい融点を有するという観点から好ましい。
リン酸基を含有するフッ素樹脂は、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物に対して100〜10質量%、特には、80〜30質量%の割合で混合されていることが好ましい。リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物の融点は、後述する表面層の形成の際に、フッ素樹脂の被膜を形成するときに、弾性層を熱によって劣化させないように200〜300℃、特には、220〜280℃とすることが好ましい。
従って、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物に対するアルキルビニルエーテル又はアルキルビニル成分の割合を共重合体に対して3〜15mol%、特には、5〜12mol%である共重合体は、望ましい融点を有するという観点から好ましい。リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物中のリン酸基の量は、混合物に対して0.02〜5.00モル%、特には0.10〜2.50モル%、更には、0.20〜1.00モル%が好ましい。またプライマー層の形成にあたっては、上記混合物が微小粉体として水溶媒中に分散した分散液の塗料が用いられる。
(3−5)表面層2E
表面層2Eは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含む塗膜、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含む塗膜を形成し、該プライマー層中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体と、該塗膜中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とを熔融させることによって形成される。
なかでも、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体(PFA)は、融点が280℃〜320℃であり、非常に良好な耐熱性を有し、加工性も良いことから表面層の形成に用いる塗膜材料としては特に好ましい。
(4)定着フィルムの製造方法
(4−1)弾性層2Bの形成
予めプライマー処理された基材2Aの上に弾性層2Bを形成する。弾性層2Bを形成する方法としては、リングコート法を用いることができる。図3は基材2A上に弾性層2Bとなるシリコーンゴム層を形成する工程の一例であり、所謂リングコート法を説明するための模式図である。無端状のベルト部材である基材2Aを、断面が真円であり、周長が基材2Aの内周長とほぼ等しい円筒状の中子18に被せる。次に基材2Aを装着した中子18をチャッキングアタッチメント35により、移動ステージ34に固定する。付加硬化型シリコーンゴムと高熱伝導性フィラーとを含む液状のシリコーンゴム混合物をシリンダポンプ32に充填する。そして、その混合物を圧送モータM1で圧送することで、シリコーンゴム混合物をノズル33から基材2Aの周面に塗布する。
このとき、塗布と同時に基材2Aと中子18を固定した移動ステージ34ごと、駆動モータM2により図面右方向(矢印で示す)に一定速度で移動させる。これにより、弾性層2Bとなる付加硬化型シリコーンゴム組成物Gの塗膜を基材2Aの外周面全域に形成することができる。弾性層2Bとなる該塗膜の厚みは、塗布液供給ノズル33と基材2A表面とのクリアランス、シリコーンゴム組成物の供給速度、基材2A(ステージ34)の移動速度、などによって制御することができる。
基材2A上に形成された液状のシリコーンゴム混合物は、電気炉や赤外線ヒータなどの従来公知である加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化させて弾性層2Bとすることができる。弾性層2Bを形成する方法としては、上記のリングコート法に限定されない。たとえば液状のシリコーンゴム等の材料をブレードコート法などの手段によって金属層上に均一な厚みでコート、加熱硬化する方法を用いることもできる。また、液状のシリコーンゴム等の材料を成形型に注入し加熱硬化する方法、押し出し成形後に加熱硬化する方法、射出成形後に加熱硬化する方法などを用いることもできる。
(4−2)弾性層表面の前処理
弾性層2Bの表面に対しては、中間層2Cの形成を行う前に表面処理をすることが望ましい。例えばUV処理(紫外線照射処理)などにより親水化処理することが望ましい。このUV処理は必須ではないが、これにより弾性層表面にOH基が形成されるため、引き続いて行われるアミノシランシランカップリング剤と弾性層との反応点が増える結果、弾性層と中間層との接着力向上を図ることができる。
(4−3)中間層2Cの形成
中間層2Cの形成方法としては、上記(4−2)において、前処理を行った弾性層2B表面にアミノシランカップリング剤を塗布する。例えば、弾性層2B表面に、スプレーなどによりアミノシランカップリング剤を均一に塗布し、常温常湿環境下で乾燥させる。アミノシランカップリング剤としてはアミノプロピルトリエトキシシランや、アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
このアミノシランカップリング剤による表面処理層の上に、後述のプライマー層の材料、表面層形成用の材料を含む塗膜の形成及び乾燥を行い、焼成を経て、アミノシランカップリング剤の加水分解、及び脱水縮合反応が行われ、最終的にアミノ基を含有するポリシロキサンの層である中間層2Cが弾性層2B表面に形成される。
(4−4)プライマー層の形成、および表面層形成用の塗膜の形成
弾性層の表面に塗布した、アミノ基を含有するシランカップリング剤の中間層が乾燥後、又は、軽い湿潤状態にあるときに、該シランカップリング剤の中間層の表面に、前記のプライマーの水系分散液(塗料)をスプレーで塗布し、乾燥させてプライマー層2Dを形成する。乾燥後のプライマー層2Dの厚みとしては約1〜2μm程度になるようにする。
またさらにその表面に表面層形成用のフッ素樹脂材料の塗膜を形成する。表面層2Eの形成用のフッ素樹脂材料の塗膜の形成方法としては、ローラ表面でレベリングされて凹凸の少ない平滑な塗膜が形成されれば良く、特に限定されない。具体的な塗布方法としては、例えば、スプレーコーティング、ディッピングなどが挙げられる。塗膜の厚みとしては、4μm以上〜25μm以下とすることが好ましい。
(4−5)焼成
塗膜の焼成手段としては、少なくともプライマーおよび塗膜中に含まれるフッ素樹脂の融点以上、好ましくは、その融点+20〜50℃の温度まで加熱できるものであれば良い。熱風を循環させる電気オーブンや、放射により加熱する赤外線ヒータ、筒状ないしコイル状の発熱体などにより高温の空気を局所的に作り出し、局所的に熱い空気の中を通すことで焼成させるやり方などが例示できる。
しかし表面層2Eの下の弾性層2Bは通例フッ素樹脂ほどの耐熱性を有していないため、焼成手段とその焼成条件は、表面層の成膜性とともに弾性層の劣化が極力生じない、両立したやり方で行う必要がある。この焼成により、プライマー層中のフッ素樹脂材料、すなわち、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体と、塗膜中のフッ素樹脂、すなわち、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とを熔融させる。これにより、アミノ基を有するポリシロキサンを含む中間層と、フッ素樹脂を含む表面層とが積層されてなる本発明に係る定着部材が得られる。
なお、本発明に係る加熱装置は、電子写真画像形成装置に用いられるものに限られず、例えば、記録材に定着された画像を加熱処理して画像の光沢を増大させる光沢増大化装置、インクジェットで画像形成された記録材を加熱処理して乾燥させる装置等をも含む。また、本発明に係る定着部材には、加熱装置に用いられる定着ローラ、定着用フィルム、加圧ローラ等を含む概念である。
本発明によれば、長期間の使用によっても表面層の剥離が生じにくい定着部材を得ることができる。また、本発明によれば、長期間に亘って安定して電子写真画像の熱定着を行うことができる加熱装置および電子写真画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明について実施例を上げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(A)定着フィルムの弾性層の形成
基材2Aとして、長さ240mm、厚さ40μm、外径30mmのSUS製金属ベルト(可撓性を有する無端状のベルト部材)を用いた。その外周面上に、長さ230mmの領域(両端5mmを除く領域)にプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング製)を薄く均一に塗布した。そして、これを電気オーブンに入れ、200℃にて30分間乾燥させた。
また、弾性層2Bは、以下のようにして形成した。まず、付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物に対して熱伝導性フィラーとしてアルミナ(商品名:アルナビーズCB−A10S、昭和電工(株)社製)を48体積%混合した。得られた液状シリコーンゴム組成物を用いて、厚さが10mmのシリコーンゴムのシートを作成し、このシートの熱伝導率を、ホットディスク法熱物性率測定装置(HotDisc Thermal Conductivity Analyzer)(商品名:TPA−501、京都電子工業(株)製)を用いて測定した。その結果、1.3W/m・Kであった。
次に、上記液状シリコーンゴム組成物を、前記のリングコート法(図3)により、厚さ300μm、長さ230mmに基材2A上のプライマー塗布領域に成膜し、赤外線ヒータによりローラを回転させながら表面温度を140℃×10分にて一次加硫した。次に、200℃にて4時間焼成することで、シリコーンゴム円筒(弾性層)をSUS製金属ベルト(基材)に接着させつつ、2次加硫を行った。
(B)中間層の形成
次に、SUS製金属ベルト2A上に形成した弾性層2Bの表面をUV処理した。具体的にはエキシマUV装置にて約100秒間の処理を行った。これによりシリコーンゴムである弾性層2Bの表面の撥水性が変化し親水性になった。
上記UV処理後、3−アミノプロピルトリエトキシシランを含むシランカップリング剤(商品名:Z6011、東レ・ダウコーニング製)をエタノールで重量比5倍に希釈した液をスプレーにて塗布し、常温常湿(23℃/45%)にて自然乾燥させて、乾燥膜厚が1.0μmの中間層2Cを形成した。
(C)プライマー層の形成
(C−1)プライマーの調製
中間層2Cの形成後、水系のディスパージョンである、リン酸基が結合したPFA樹脂の粒子の水分散体を含むフッ素樹脂プライマーを製造した。その際、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物中のリン酸基の量が、混合物に対して0.03モル%になるように調整した。
具体的には、容積4リットル、横型攪拌羽根が取り付けられたステンレス製の重合容器に、パーフルオロオクタン酸アンモニウム4.9gを加えた純水2.2Lを入れた。重合容器内から酸素を除去し、また、重合容器内の温度を85℃に維持した。この重合容器内に容器内圧力に対して差圧(pressure difference)0.03MPaでエタンを加えた。次にプレチャージ分としてパーフルオロエチルビニルエーテルを104g加え、テトラフルオロエチレンを加えて重合容器内の圧力を2.06MPaに上昇させた。
ここに過硫酸アンモニウム69mgを水に溶かして加えた。圧力が0.03MPa低下したところから、テトラフルオロエチレンで2.06MPaに保ちつつ過硫酸アンモニウムとパーフルオロエチルビニルエーテルを重合容器に連続的に注入しながら重合反応を進行させた。
重合は、温度85℃、圧力2.06MPaの下で行った。反応開始から110分経過後、0.6質量%のリン酸二水素2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イルの水溶液(以下、「EVE−P水溶液」ともいう。)を26m l/min.の速度で10分間加えた。EVE−P水溶液を加え終わると同時に攪拌を停止し、反応を終了させた。
反応中に追加した過硫酸アンモニウムは100mg、パーフルオロエチルビニルエーテルは84gであった。
重合容器内から重合残ガスを除去後、重合容器を開き、約30質量%の固形分を含む白濁分散液を得た。この白濁分散液に含まれる固体を凍結凝集させた後、水およびアセトンで洗浄し、乾燥して白色固体を得た。
この固体に界面活性剤として2,6,8−トリメチル1−4ノナノールエチレンオキサイド付加物を2.0質量%、及び溶剤として水を71質量%となるように加え、フッ素樹脂プライマーを調製した。
(C−2)プライマー層の形成
上記(C−1)で調製したフッ素樹脂プライマーを、中間層2C上にスプレー塗布し、自然乾燥させて、乾燥膜厚が2.0μmのプライマー層を形成した。
(D)表面層の形成
次に、プライマー層の上に、PFA樹脂粒子の水分散体(商品名:HP350、デュポン社製)をスプレー塗布し、常温常湿(23℃/45%)環境下で乾燥させて、PFA樹脂粒子の層を形成した。なお、PFAの水分散体は、当該分散体の塗膜の乾燥後において、上記中間層との合計の膜厚が15μmになるように塗布した。
基材上に弾性層、中間層、プライマー層およびPFA樹脂粒子の層がこの順番に形成された積層体を、電気オーブンに入れて、温度330℃で10分間焼成し、プライマー層及びPFA樹脂粒子の層中のPFA樹脂とを熔融せしめることで厚さ15μmの表面層を形成して、本実施例1の定着フィルムを得た。
得られた定着フィルムの表面をポリッシャ(商品名:クロスセクションポリッシャ(SM09010;日本電子社製)及び集束イオンビーム加工観察装置(FIB)(商品名:FB−2100、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いてプライマー層を露出させた。
次いで、当該プライマー層を、TOF−SIMS(PHI TRIFT IV、アルバック・ファイ社製)を用いて、下記の条件で分析した。
測定温度:23℃、照射一次イオン:Au3+ 30kV、観測イオン:負イオン、観察mass number:0〜1850、測定範囲:プライマー層200μm角。
その結果、当該プライマー層からは、リン酸基に該当する質量数(mass number)のピークが検出された。
(実施例2)
実施例1において、弾性層2Bの形成に用いた高熱伝導シリコーンゴムに替えて、あらかじめ熱伝導性フィラーとして酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛1種、堺化学工業(株)社製)が混ざった熱伝導率が約1.0W/m・Kである高熱伝導シリコーンゴムを用いた以外は実施例1の製造方法と全く同じ方法で、定着フィルムを得た。
(実施例3)
実施例1のフッ素樹脂プライマーを製造する工程において、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物中のリン酸基の量が、混合物に対して0.5モル%になるように、10質量%のEVE−P水溶液を用いて重合させたこと以外は実施例1の製造方法と全く同じ方法で定着フィルムを得た。
(実施例4)
実施例1のフッ素樹脂プライマーを製造する工程において、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物中のリン酸基の量が、混合物に対して0.2モル%になるように、4.0質量%のEVE−P水溶液を用いて重合させたこと以外は実施例1の製造方法と全く同じ方法で定着フィルムを得た。
(実施例5)
実施例1のフッ素樹脂プライマーを製造する工程において、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物中のリン酸基の量が、混合物に対して1.0モル%になるように、20質量%のEVE−P水溶液を用いて重合させたこと以外は実施例1の製造方法と全く同じ方法で定着フィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、中間層を形成しなかったこと、従って、シランカップリング剤の塗布をしなかったこと以外は実施例1の製造方法と全く同じ方法で、定着フィルムを得た。
(比較例2)
実施例2において、中間層を形成しなかったこと以外は実施例2の製造方法と全く同じ方法で、定着フィルムを得た。
ここで説明の都合上、以上の方法で弾性層上のコーティングにより形成された部分(実施例1及び実施例2の場合では中間層2Cとプライマー層2Dそして表面層2Eを合わせた層、比較例の場合ではプライマー層と表面層を合わせた層)を「コート層」と称する。
次に、実施例1及び実施例2と比較例1及び比較例2の定着フィルムのコート層の高温環境下での接着性を比較するために高温環境(温度230℃に設定された恒温槽)に各定着フィルムを放置し、定着フィルム表面部の剥離強度を放置してからの経過時間ごとに測定した。
ここで剥離強度の測定方法を、図4に模式的に示す。すなわち定着フィルム2に中子(不図示)を入れ、中子の両端を図中R方向に回転自在のベアリング軸受(不図示)で外側から挟み込み保持する。次に定着フィルムの表面部を図5に示すように剥がし、剥がし端H(幅10mm、周方向長さ5〜20mm程度(引っ張るのに不都合が無い程度の長さで有れば良い)、厚み40〜200μm程度(弾性層中に達する深さであればよい))を設ける。
この剥がし端Hを、中子の回転軸の真上から垂直方向、すなわち、図4において、矢印Pの方向に分速50mm/minにて、表面部を引きはがしながら引っ張っていくのに要する力をフォースゲージにて測定した。この測定値(単位:gf)をコート層の剥離強度と定義する。
上記方法を用いると剥がし端Hからの剥離の進行は、基本的に定着フィルムの厚み方向で最も脆い部分に沿って進むため、コート層の弾性層との密着力、それと弾性層の凝集力の大小により、剥離面が変わり剥離強度のあらわす意味も異なる。
すなわち(1)コート層の弾性層に対する密着力が、弾性層の凝集力よりも強い場合には、剥離面は弾性層中(図5中のD1方向)に進行(凝集破壊)し、このときの剥離強度とは弾性層の凝集力に相当する。
逆に(2)弾性層の凝集力が、コート層の弾性層との密着力よりも強い場合には、剥離面はコート層と弾性層の界面(図5中のD2方向)を進行(界面剥離)し、このときの剥離強度とはコート層の弾性層に対する密着力に相当する。基本的に弾性層の凝集力は、高温放置により大きく変わることはないため、初期(高温放置前)には凝集破壊する場合でも、高温放置によるコート層の密着力低下の進行があると、いずれ界面剥離が発生するようになる。
この剥離強度の測定結果を表1に示す。
Figure 0005919213
ここでナトリウムイオン濃度とは、各弾性層ゴムの試験片(大きさ5mm×5mm×1mmに成型し、2次加硫(温度200℃×4時間)したもの)を温度100℃に保たれた純水中に24時間入れたときの純水中に溶け出したナトリウムイオンの総量を液体クロマトグラフィーで定量して、この値を試験片の重量で割った値(単位μg/g)である。
表1の結果から、実施例1〜5で得られた定着フィルムはともに高温環境下に長時間放置してもコート層の弾性層に対する密着力が強く、界面剥離が発生しないことが分かる。
また、中間層が形成されていない比較例1及び2の定着フィルムは、いずれも、高温環境下での放置時間とともに、界面剥離が発生し、その後、剥離強度の低下がおきている。比較例1よりもナトリウムイオンの量が多い比較例2の定着フィルムは、より短い時間で剥離が発生していることが分かる。
リン酸基は多数の酸素を有するため電気的にマイナスを帯びており、これに陽イオンであるナトリウムイオンが引き付けられやすいと考えられる。よって比較例における剥離強度の低下は、プライマー層中のリン酸基による接着作用が、高温放置によりゴム中から染み出すようになるナトリウムイオンにより阻害されるようになるためと考えられる。
一方、実施例1〜5に係る定着フィルムのようにプライマー層と弾性層との間に中間層としてアミノ変性シランカップリング剤によるシランカップリング処理を行ってポリシロキサンを含む層を設けると中間層中のアミノ基にナトリウムイオンがトラップされ、ナトリウムイオンが中間層を容易には通過できないものと考えられる。
これにより中間層としてアミノ変性シランカップリング剤によるシランカップリング処理を行ってポリシロキサンを含む層を弾性層とプライマー層の間に設けると、コート層の密着力は低下しなくなり、コート層の界面剥離は発生しなくなる。
以上、実施例では定着フィルムを挙げたが、本発明は弾性層とその上の表面層を要するローラであれば、他にも応用できる。たとえば、熱ローラ定着方式の定着ローラなどにも応用できることは言うまでもない。

Claims (11)

  1. 基材、弾性層、中間層及びフッ素樹脂を含む表面層をこの順番で有する、電子写真装置に用いる定着部材であって、
    該弾性層は、シリコーンゴム及びナトリウムイオンを含み、
    該中間層は、アミノ基を含有するポリシロキサンを含み、
    該表面層は、該中間層の、該弾性層に対向する表面とは反対側の表面に、
    リン酸基が結合した、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含むプライマー層を形成し、次いで、
    該プライマー層上にテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体を含む塗膜、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を含む塗膜を形成し、
    該プライマー層中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体と、該塗膜中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、又は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とを熔融させることによって形成されたものであることを特徴とする定着部材。
  2. 前記弾性層が、ナトリウムイオンを含むフィラーと、付加硬化型シリコーンゴムとを含有する液状のシリコーンゴム混合物の硬化物である請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記フィラーとして、アルミナ及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一方を含む請求項2に記載の定着部材。
  4. 前記弾性層の熱伝導率が、0.7W/m・K以上2.0W/m・K以下である請求項1に記載の定着部材。
  5. 前記定着部材が、前記基材として、厚さが20〜100μmの無端状のベルト基材を有し、前記弾性層の厚みが50μm〜1mmである、定着フィルムである請求項1に記載の定着部材。
  6. 前記プライマー層に含まれるリン酸基の量は、リン酸基を有するフッ素樹脂とリン酸基を有しないフッ素樹脂との混合物に対して0.20〜1.00モル%である、請求項1に記載の定着部材。
  7. 前記弾性層の厚みが、80μm〜300μmである請求項5に記載の定着部材。
  8. 請求項1に記載の定着部材を用いたことを特徴とする加熱装置。
  9. 請求項5に記載の定着部材と、
    該定着部材の内側に配置されているヒータと、
    該定着部材と接して配置されている加圧ローラと、を有することを特徴とする加熱装置。
  10. 前記ヒータが、前記定着部材の内周面に接している請求項9に記載の加熱装置。
  11. 請求項8に記載の加熱装置を定着装置として有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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