以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図8を参照しながら、コモンレール式のエンジン1の概略構造について説明する。なお、以下の説明では、出力軸3に沿う両側部(出力軸3を挟んだ両側部)を左右、冷却ファン9配置側を前側、フライホイル11配置側を後側、排気マニホールド7配置側を左側、吸気マニホールド6配置側を右側と称し、これらを便宜的に、エンジン1における四方及び上下の位置関係の基準としている。
図1〜図8に示すように、建設土木機械や農作業機といった作業機に搭載される原動機としてのエンジン1は、連続再生式の排気ガス浄化装置2(DPF)を備えている。排気ガス浄化装置2によって、エンジン1から排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)が除去されると共に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が低減される。
エンジン1は、出力軸3(クランク軸)とピストン(図示省略)とを内蔵するシリンダブロック4を備える。シリンダブロック4上にシリンダヘッド5を搭載している。シリンダヘッド5の右側面に吸気マニホールド6を配置する。シリンダヘッド5の左側面に排気マニホールド7を配置する。すなわち、エンジン1において出力軸3に沿う両側面に、吸気マニホールド6と排気マニホールド7とを振り分けて配置する。シリンダヘッド5の上面にヘッドカバー8を配置する。エンジン1において出力軸3と交差する一側面、具体的にはシリンダブロック4の前面に、冷却ファン9を設ける。シリンダブロック4の後面にマウンティングプレート10を設ける。マウンティングプレート10に重なるようにフライホイル11を配置する。
出力軸3にフライホイル11を軸支する。作業機の作動部に出力軸3を介してエンジン1の動力を取り出すように構成している。また、シリンダブロック4の下面にはオイルパン12を配置する。オイルパン12内の潤滑油は、シリンダブロック4の右側面に配置されたオイルフィルタ13を介して、エンジン1の各潤滑部に供給される。
シリンダブロック4の右側面のうちオイルフィルタ13の上方(吸気マニホールド6の下方)には、燃料を供給するための燃料供給ポンプ14を取付ける。電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ(図示省略)付きの3気筒分のインジェクタ15をエンジン1に設ける。各インジェクタ15に、燃料供給ポンプ14及び円筒状のコモンレール16及び燃料フィルタ(図示省略)を介して、作業機に搭載される燃料タンク(図示省略)を接続する。
前記燃料タンクの燃料が燃料フィルタ(図示省略)を介して燃料供給ポンプ14からコモンレール16に圧送され、高圧の燃料がコモンレール16に蓄えられる。各インジェクタ15の燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール16内の高圧の燃料が各インジェクタ15からエンジン1の各気筒に噴射される。なお、マウンティングプレート10にエンジン始動用スタータ18を設けている。エンジン始動用スタータ18のピニオンギヤはフライホイル11のリングギヤに噛み合っている。エンジン1を始動させる際は、スタータ18の回転力にてフライホイル11のリングギヤを回転させることによって、出力軸3が回転開始する(いわゆるクランキングが実行される)。
シリンダヘッド5の前面側(冷却ファン9側)には、冷却水ポンプ21が冷却ファン9のファン軸と同軸状に配置されている。エンジン1の左側、具体的には冷却水ポンプ21の左側方に、エンジン1の動力にて発電する発電機としてのオルタネータ23が設けられている。出力軸3の回転にて、冷却ファン駆動用Vベルト22を介して、冷却ファン9と共に冷却水ポンプ21及びオルタネータ23が駆動する。作業機に搭載されるラジエータ19(図3及び図4参照)内の冷却水が、冷却水ポンプ21の駆動によって、シリンダブロック4及びシリンダヘッド5に供給され、エンジン1を冷却する。
オイルパン12の左右側面には、機関脚取付け部24がそれぞれ設けられている。各機関脚取付け部24には、防振ゴムを有する機関脚体(図示省略)をそれぞれボルト締結可能である。実施形態では、作業機における左右一対のエンジン支持シャーシ25にオイルパン12を挟持させ、当該オイルパン12側の機関脚取付け部24を各エンジン支持シャーシ25にボルト締結することによって、作業機の両エンジン支持シャーシ25がエンジン1を支持する。
なお、左右一対のエンジン支持シャーシ25には、ファンシュラウド20を背面側に取り付けたラジエータ19を、エンジン1の前面側に位置するように立設する。ファンシュラウド20は、冷却ファン9の外側(外周側)を囲っていて、ラジエータ19と冷却ファン9とを連通させている。冷却ファン9の回転によって、冷却風はラジエータ19に吹き当たり、その後、ラジエータ19からファンシュラウド20を経由してエンジン1に向けて流れる。
図4〜図6等に示すように、吸気マニホールド6の入口部には、EGR装置26(排気ガス再循環装置)を介してエアクリーナ(図示省略)を連結する。EGR装置26は主としてエンジン1の右側、具体的にはシリンダヘッド5の右側方に配置されている。エアクリーナに吸い込まれた新気(外部空気)は、当該エアクリーナにて除塵及び浄化された後、ターボ過給機60のコンプレッサケース62(詳細は後述する)及びEGR装置26を介して吸気マニホールド6に送られ、エンジン1の各気筒に供給される。
EGR装置26は、エンジン1の排気ガスの一部(EGRガス)と新気とを混合させて吸気マニホールド6に供給するEGR本体ケース27と、コンプレッサケース62にEGR本体ケース27を連通させる吸気スロットル部材28と、排気マニホールド7にEGRクーラ29を介して接続される再循環排気ガス管30と、再循環排気ガス管30にEGR本体ケース27を連通させるEGRバルブ部材31とを備えている。
すなわち、吸気マニホールド6には、EGR本体ケース27を介して吸気スロットル部材28が連結されている。EGR本体ケース27には、再循環排気ガス管30の出口側を接続する。再循環排気ガス管30の入口側は、EGRクーラ29を介して排気マニホールド7に接続する。EGRバルブ部材31内のEGR弁の開度を調節することによって、EGR本体ケース27へのEGRガスの供給量が調節される。なお、EGR本体ケース27は、吸気マニホールド6に着脱可能にボルト締結される。
上記の構成において、エアクリーナからコンプレッサケース62及び吸気スロットル部材28を介してEGR本体ケース27内に新気を供給する一方、排気マニホールド7からEGR本体ケース27内にEGRガスを供給する。エアクリーナからの新気と排気マニホールド7からのEGRガスとがEGR本体ケース27内で混合された後、当該混合ガスが吸気マニホールド6に供給される。エンジン1から排気マニホールド7に排出された排気ガスの一部を吸気マニホールド6からエンジン1に還流することによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、エンジン1からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減する。
シリンダヘッド5の左側方で排気マニホールド7の上方には、ターボ過給機60を配置する。ターボ過給機60は、タービンホイル内蔵のタービンケース61と、ブロアホイル内蔵のコンプレッサケース62とを備えている。排気マニホールド7の出口部にタービンケース61の排気ガス取込管63を連結する。タービンケース61の排気ガス排出管64には、排気ガス浄化装置2が接続される。すなわち、エンジン1の各気筒から排気マニホールド7に排出された排気ガスは、ターボ過給機60及び排気ガス浄化装置2等を経由して外部に放出される。
コンプレッサケース62の給気取込側は、給気管65を介してエアクリーナの給気排出側に接続される。コンプレッサケース62の給気排出側は、過給管66及びEGR装置26を介して吸気マニホールド6に接続される。すなわち、エアクリーナにて除塵された新気は、コンプレッサケース62から過給管66を介してEGR装置26に送られ、その後、エンジン1の各気筒に供給される。
次に、排気ガス浄化装置2について説明する。排気ガス浄化装置2は、浄化入口管36を有する浄化ケーシング38を備える。浄化ケーシング38の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒39と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ40とを、排気ガス移動方向に直列に並べている。ディーゼル酸化触媒39及びスートフィルタ40は、浄化ケーシング38に収容されるガス浄化フィルタと言える。なお、浄化ケーシング38の排気ガス出口41に排気管を介して例えば消音器やテールパイプを連結し、排気ガス出口41から消音器やテールパイプを介して排気ガスを外部に排出する。
上記の構成において、ディーゼル酸化触媒39の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)がスートフィルタ40内に取り込まれる。エンジン1の排気ガス中に含まれる粒子状物質はスートフィルタ40に捕集され、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。エンジン1の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、エンジン1の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
浄化ケーシング38の排気上流側の外周部に浄化入口管36を設ける。浄化ケーシング38の排気下流側の端部には蓋体42を溶接固定する。浄化ケーシング38の排気下流側の端部を蓋体42によって塞いでいる。蓋体42の略中央部に排気ガス出口41を開口させている。
浄化ケーシング38に排気圧力センサ44を取り付けている。排気圧力センサ44はスートフィルタ40の上流側と下流側との間の排気ガスの圧力差を検出するものであり、排気ガスの圧力差を電気信号に変換して、エンジンコントローラ(図示省略)に出力するように構成している。スートフィルタ40の上下流間の排気圧力差に基づき、スートフィルタ40における粒子状物質の堆積量を演算し、スートフィルタ40内の詰り状態が把握される。
図1〜図8に示すように、浄化ケーシング38の中間挟持フランジ45に、貫通穴付きのセンサ締結部46を、浄化ケーシング38の外周部のうち冷却ファン9と反対側(ヘッドカバー8側)に位置するように設ける。そして、電気配線コネクタ44aを一体的に設けた排気圧力センサ44を、中間挟持フランジ45のセンサ締結部46にボルト締結している。すなわち、排気ガス浄化装置2の外周部のうち冷却ファン9と反対側に、排気ガス浄化装置2に対する排気圧力センサ44用の電気配線コネクタ44aを配置している。排気圧力センサ44が検出部材に相当する。
排気圧力センサ44には、上流側センサパイプ47及び下流側センサパイプ48の一端側がそれぞれ接続される。浄化ケーシング38内のスートフィルタ40を挟むように、上流側及び下流側の各センサ配管ボス体49,50を浄化ケーシング38に設ける。管継手ボルト53を介して、各センサパイプ47,48の他端側に設けられた締結ボス体51,52を各センサ配管ボス体49,50に締結する。
上記の構成において、スートフィルタ40の上流(流入)側の排気ガス圧力と、スートフィルタ40の下流(流出)側の排気ガス圧力の差(排気ガスの差圧)が、排気圧力センサ44によって検出される。スートフィルタ40に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ40に残留する粒子状物質量が所定以上に増加したときに、排気圧力センサ44の検出結果に基づき、スートフィルタ40の粒子状物質量を減少させる再生制御(例えば排気温度を上昇させる制御)が実行される。また、再生制御可能範囲以上に、粒子状物質の残留量がさらに増加したときには、浄化ケーシング38を着脱分解して、スートフィルタ40を掃除し、粒子状物質を人為的に除去するメンテナンス作業が行われる。
上記のように、排気ガス浄化装置2の外周部のうち冷却ファン9と反対側に、排気ガス浄化装置2に対する排気圧力センサ44用の電気配線コネクタ44aを配置すると、排気ガス浄化装置2の上端とほぼ変わらないかそれよりも低い高さに、電気配線コネクタ44aを位置させることが可能になり、排気ガス浄化装置2を含むエンジン1全高に対して、電気配線コネクタ44aひいては排気圧力センサ44の配置の影響を少なくできるか又はなくせる。このため、排気ガス浄化装置2を組み付けたエンジン1において、全高を極力低く抑えるのに効果的であり、エンジン1のコンパクト化に貢献する。
また、排気圧力センサ44自体も、排気ガス浄化装置2の外周部のうち冷却ファン9と反対側に位置するから、冷却ファン9からの冷却風が排気圧力センサ44や各センサパイプ47,48に当たりにくい。このため、排気圧力センサ44や各センサパイプ47,48内の排気ガスが冷却ファン9からの冷却風によって冷やされるのを極力回避して、排気圧力センサ44の誤検出を防止でき、スートフィルタ40の粒子状物質量を減少させる再生制御の精度を向上できる(適正に実行できる)。
図5〜図8に示すように、排気ガス浄化装置2はエンジン1の上面側のうち冷却ファン9寄りの箇所でシリンダヘッド5に支持させている。このため、エンジン1に排気ガス浄化装置2を組み込んでから出荷可能なものでありながら、エンジン1の高剛性部品であるシリンダヘッド5を用いて、排気ガス浄化装置2を高剛性に支持でき、振動等による排気ガス浄化装置2の損傷を防止できる。また、排気マニホールド7に排気ガス浄化装置2を至近距離で連通できることになり、排気ガス浄化装置2を適正温度に維持し易く、高い排気ガス浄化性能の維持が可能になる。その結果、排気ガス浄化装置2の小型化にも貢献する。しかも、エンジン1の上面側のうち冷却ファン9寄りの箇所に排気ガス浄化装置2を配置するから、シリンダヘッド5、吸気マニホールド6及び排気マニホールド7の上面側を広範囲に露出でき、エンジン1関連のメンテナンス作業もし易くなる。
実施形態では、エンジン1の上面側のうちヘッドカバー8と冷却ファン9との間の空間がデッドスペースとして存在する。そこで、排気ガス浄化装置2の長手方向がエンジン1の出力軸3と直交するように、排気ガス浄化装置2をエンジン1の上面側のうちヘッドカバー8と冷却ファン9との間に位置させている。このため、排気ガス浄化装置2を組み付けたエンジン1であっても、全高を極力低く抑えた構造にでき、ヘッドカバー8と冷却ファン9との間のデッドスペースを有効利用して、エンジン1のコンパクト化を図れる。
実施形態では、冷却ファン9の外周側をファンシュラウド20にて囲っているので、冷却ファン9からの冷却風が排気ガス浄化装置2に直接吹き当たるのを抑制できる。このため、排気ガス浄化装置2中の排気ガス温度が冷却ファン9からの冷却風によって低下するのを極力回避して、排気ガス浄化装置2の排気ガス浄化性能を適正に維持できる。ただし、位置関係上、冷却水ポンプ21は冷却ファン9に対峙していて、冷却ファン9からの冷却風は冷却水ポンプ21に直接吹き当たる。従って、排気ガス浄化装置2の存在が冷却水ポンプ21の空冷を妨げることはない。
図1に示すように、排気ガス浄化装置2は、正面視において、発電機であるオルタネータ23とEGR装置26との設置幅L2内で、且つ、冷却水ポンプ21の上方に位置している。すなわち、エンジン1全幅に相当する前記設置幅L2よりも排気ガス浄化装置2の長手方向の長さL1の方が小さい。そして、エンジン1全幅に相当する前記設置幅L2内に収まる状態で、排気ガス浄化装置2を冷却水ポンプ21の上方に位置させている。このため、排気ガス浄化装置2を組み付けたエンジン1であっても、全幅を極力低く抑えた構造にでき、この点でもエンジン1のコンパクト化に寄与する。
また、ターボ過給機60と排気ガス浄化装置2との間の配管64、ターボ過給機60とEGR装置26との間の配管66を、排気ガス浄化装置2に規制されることなく配置でき、配管64,66設置の自由度を向上できる。
次に、エンジン1に排気ガス浄化装置2を組み付ける構造について説明する。排気マニホールド7とターボ過給機60のタービンケース61とに、排気ガス排出管64をボルト締結している。排気ガス浄化装置2(浄化ケーシング38)の浄化入口管36を排気ガス排出管にボルト締結している。排気ガス排出管64を介して、排気マニホールド7の排気ガスがターボ過給機60のタービンケース61から排気ガス浄化装置2に供給される。排気ガス排出管64は、排気ガス浄化装置2を支持するケーシング支持体としても機能している。
図9〜図11に詳細に示すように、エンジン1には、排気ガス浄化装置2を支持固定するための入口側ブラケット体71及び出口側ブラケット体72を備えている。実施形態では、入口側ブラケット体71が板金製であり、出口側ブラケット体72が鋳鉄製である。入口側ブラケット体71が板金製ブラケット体に相当し、出口側ブラケット体72が鋳鉄製ブラケット体に相当する。つまり、入口側ブラケット体71と出口側ブラケット体72との組合せが2種類のブラケット体に相当する。前述の通り、実施形態では各ブラケット体71,72の素材を鋳鉄製又は板金製と異ならせている。各ブラケット体71,72の素材自体は、鋳鉄製又は板金製に限らず、ダイカスト製といった他の素材でも差し支えない。
シリンダヘッド5の左側面前部に入口側ブラケット体71の下端側をボルト締結している。シリンダヘッド5の前面側には出口側ブラケット体72の下端側をボルト締結すると共に、吸気マニホールド6の上面に連結ブラケット73を介して出口側ブラケット体72の上下中途部をボルト締結する。連結ブラケット73は、入口側ブラケット体71と同じ板金製であり、板金製補助ブラケットに相当する。シリンダヘッド5の前側に入口側ブラケット体71と出口側ブラケット体72とを立設させている。
上記のように、シリンダヘッド5の前面側に出口側ブラケット体72の下端側を締結することによって、エンジン1に対する排気ガス浄化装置2の取付け基準位置を高精度に設定できる。このため、後処理装置であるマフラー等に比べて重量の重い排気ガス浄化装置2であっても、所定の位置に適正に搭載できる。また、連結ブラケット73を介しての吸気マニホールド6と出口側ブラケット体72との連結によって、エンジン1に対する出口側ブラケット体72の連結強度(剛性)を充分に確保でき、エンジン1の振動等による排気ガス浄化装置2の劣化・損傷を防止して、排気ガス浄化装置2の耐久性向上に寄与できる。
入口側ブラケット体71の上端側には補強プレート部74を設ける。入口側ブラケット体71の補強プレート部74の先端部(右端部)を出口側ブラケット体72の上端側に連結する。すなわち、補強プレート部74を介して入口側ブラケット体71と出口側ブラケット体72とを連結することによって、単一の取付け台70を構成している。
入口側ブラケット体71の上端側に固定された補強プレート部74の基端部(左端部)に、浄化ケーシング38の外周面のうち排気下流側に溶接固定された受けブラケット75をボルト締結する。出口側ブラケット体72の上端側は浄化ケーシング38の中間挟持フランジ45にボルト締結する。単一の取付け台70である入口側ブラケット体71と出口側ブラケット体72とによって、エンジン1のシリンダヘッド5に排気ガス浄化装置2(浄化ケーシング38)を支持させている。このため、吸排気マニホールドを利用して排気ガス浄化装置を支持する前記従来技術に比べて、排気ガス浄化装置2の配置規制を少なくでき、エンジン1の上部側での排気ガス浄化装置2の配置自由度が向上する。出口側ブラケット体72と入口側ブラケット体71とからなる単一の取付け台70によって、省スペースで支持強度を十分に確保しながら、エンジン1の上部側に排気ガス浄化装置2を搭載することが可能になる。
上記の記載並びに図1〜図8から明らかなように、エンジン1からの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置2を備えており、前記排気ガス浄化装置2の長手方向が前記エンジン1の出力軸3と直交するように、前記排気ガス浄化装置2を前記エンジン1に搭載しているエンジン装置であって、前記エンジン1において前記出力軸3と交差する一側面に冷却ファン9を設け、前記エンジン1の上面側のうち前記冷却ファン9寄りの箇所で前記排気ガス浄化装置2をシリンダヘッド5に支持させているから、前記エンジン1に前記排気ガス浄化装置2を組み込んでから出荷可能なものでありながら、前記エンジン1の高剛性部品である前記シリンダヘッド5を用いて、前記排気ガス浄化装置2を高剛性に支持でき、振動等による前記排気ガス浄化装置2の損傷を防止できる。
また、前記排気マニホールド7に前記排気ガス浄化装置2を至近距離で連通できることになり、前記排気ガス浄化装置2を適正温度に維持し易く、高い排気ガス浄化性能の維持が可能になる。その結果、前記排気ガス浄化装置2の小型化にも貢献する。しかも、前記エンジン1の上面側のうち前記冷却ファン9寄りの箇所に前記排気ガス浄化装置2を配置するから、前記シリンダヘッド5、前記吸気マニホールド6及び前記排気マニホールド7の上面側を広範囲に露出でき、前記エンジン1関連のメンテナンス作業もし易くなる。
上記の記載並びに図5及び図8から明らかなように、前記排気ガス浄化装置2は、前記シリンダヘッド5上のヘッドカバー8と前記冷却ファン9との間に位置しているから、前記エンジン1の上面側のうち前記ヘッドカバー8と前記冷却ファン9との間に存在するデッドスペースを有効利用して、前記排気ガス浄化装置2を配置できる。従って、前記排気ガス浄化装置2を組み付けた前記エンジン1であっても、全高を極力低く抑えた構造にでき、前記エンジン1のコンパクト化を図れる。
上記の記載並びに図1〜図4から明らかなように、前記排気ガス浄化装置2の外周部のうち前記冷却ファン9と反対側に、前記排気ガス浄化装置2に対する検出部材44用の電気配線コネクタ44aを配置しているから、前記排気ガス浄化装置2の上端とほぼ変わらないかそれよりも低い高さに、前記電気配線コネクタ44aを位置させることが可能になり、前記排気ガス浄化装置2を含む前記エンジン1全高に対して、前記電気配線コネクタ44aの配置の影響を少なくできるか又はなくせる。このため、前記排気ガス浄化装置2を組み付けた前記エンジン1において、全高を極力低く抑えるのに効果的であり、この点でも前記エンジン1のコンパクト化に貢献する。
上記の記載並びに図1〜図4から明らかなように、前記エンジン1において前記出力軸3に沿う両側面に、前記吸気マニホールド6と前記排気マニホールド7とを振り分けて配置し、前記エンジン1の前記排気マニホールド7側に発電機23を配置し、前記エンジン1の前記吸気マニホールド6側にEGR装置26を配置し、前記エンジン1の前記冷却ファン9側に冷却水ポンプ21を配置し、前記発電機23と前記EGR装置26との設置幅内で、且つ、前記冷却水ポンプ21の上方に、前記排気ガス浄化装置2を位置させているから、前記排気ガス浄化装置2を組み付けた前記エンジン1であっても、全幅を極力低く抑えた構造にでき、この点でも前記エンジン1のコンパクト化に寄与する。また、例えばターボ過給機60と前記排気ガス浄化装置2との間の配管64や、前記ターボ過給機60と前記EGR装置26との間の配管66を、前記排気ガス浄化装置2に規制されることなく配置でき、前記配管64,66設置の自由度を向上できる。更に、前記冷却ファン9からの冷却風は前記冷却水ポンプ21に直接吹き当たることになり、前記排気ガス浄化装置2の存在が前記冷却水ポンプ21の空冷を妨げない。
上記の記載並びに図9〜図11から明らかなように、エンジン1の排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置2を備えており、前記エンジン1の上部側に取付け台70を介して前記排気ガス浄化装置2を搭載しているエンジン装置であって、2種類のブラケット体71,72の連結によって単一の前記取付け台70を構成し、前記両ブラケット体71,72に前記排気ガス浄化装置2を支持させているから、吸排気マニホールドを利用して排気ガス浄化装置を支持する前記従来技術に比べて、前記排気ガス浄化装置2の配置規制を少なくでき、前記エンジン1の上部側での前記排気ガス浄化装置2の配置自由度が向上する。前記2種類のブラケット体71,72からなる単一の前記取付け台70によって、省スペースで支持強度を十分に確保しながら、前記エンジン1の上部側に前記排気ガス浄化装置2を搭載することが可能になる。
上記の記載並びに図9〜図11から明らかなように、前記両ブラケット体71,72は素材を異ならせていて、一方を鋳鉄製ブラケット体72とし、他方を板金製ブラケット体71とし、前記エンジン1のシリンダヘッド5に前記鋳鉄製ブラケット体72を締結しているから、当該締結によって、前記エンジン1に対する前記排気ガス浄化装置2の取付け基準位置を高精度に設定でき、後処理装置であるマフラー等に比べて重量の重い前記排気ガス浄化装置2であっても、所定の位置に適正に搭載できる。
上記の記載並びに図9〜図11から明らかなように、前記両ブラケット体71,72は素材を異ならせていて、一方を鋳鉄製ブラケット体72とし、他方を板金製ブラケット体71とし、前記鋳鉄製ブラケット体72の上端側を前記排気ガス浄化装置2に締結し、前記鋳鉄製ブラケット体72の下端側を前記エンジン1のシリンダヘッド5に締結し、前記エンジン1の吸気マニホールド6に板金製補助ブラケット73を介して前記鋳鉄製ブラケット体72の上下中途部を連結しているから、前記板金製補助ブラケット73を介しての前記吸気マニホールド6と前記鋳鉄製ブラケット体72との連結によって、前記エンジン1に対する前記鋳鉄製ブラケット体72の連結強度(剛性)を充分に確保でき、前記エンジン1の振動等による前記排気ガス浄化装置2の劣化・損傷を防止して、前記排気ガス浄化装置2の耐久性向上に寄与できる。
次に、図12〜図15を参照しながら、エンジン1に対する制御用ハーネス101の配置構造について説明する。図12及び図13に示すように、シリンダヘッド5上のうちヘッドカバー8の外側に3気筒分のインジェクタ15を設けている。実施形態の各インジェクタ15は、シリンダヘッド5上のうちヘッドカバー8と吸気マニホールド6との間に位置している。各インジェクタ15は、燃料噴射管102を介してコモンレール16に接続される。また、各インジェクタ15は燃料戻り管103を介して互いに接続される。燃料戻り管103を通じて、余分な燃料を燃料タンク(図示省略)側に戻すように構成している。各インジェクタ15の搭載位置から分かるように、燃料噴射管102及び燃料戻り管103は、シリンダヘッド5上であってヘッドカバー8の外側(ヘッドカバー8と吸気マニホールド6との間)に露出している。燃料噴射管102及び燃料戻り管103は、燃料配管に相当するものである。
実施形態のエンジン1は、例えばインジェクタ15等の制御対象とコントローラ(図示省略)とを接続する複数本の制御用ハーネス101a〜101hをひとまとめにしたハーネス集合体100を備えている。ハーネス集合体100の一端側(各制御用ハーネス101a〜101hの一端側)は、前述したインジェクタ15等の制御対象に接続される。ハーネス集合体100の他端側(各制御用ハーネス101a〜101hの他端側)は、シリンダブロック4の右側面のうちコモンレール16とオイルフィルタ13との間に配置したハーネスコネクタ104に接続される。図示は省略するが、ハーネスコネクタ104には、コントローラにつながる外部ハーネスが接続される。コントローラから外部ハーネスを経由した電力や制御信号が、ハーネスコネクタ104及びハーネス集合体100(各制御用ハーネス101a〜101h)を介して、例えばインジェクタ15等の制御対象に伝送され、これらを電子制御したり制御状態を検出したりする。
実施形態の制御用ハーネス101a〜101hとして、各インジェクタ15に接続されるインジェクタハーネス101aと、燃料供給ポンプ14に接続されるポンプ用ハーネス101bと、吸気スロットル部材28に接続されるスロットル用ハーネス101cと、EGRバルブ部材31に接続されるバルブ用ハーネス101dと、排気マニホールド7の内部温度を検出する排気センサ105に接続される排気センサハーネス101eと、吸気マニホールド6の内部温度を検出する吸気センサ106に接続される吸気センサハーネス101fと、給気管65に設けられた新気温度センサ107に接続される新気センサハーネス101gと、再循環排気ガス管30の出口側に設けられたEGRガス温度センサ108に接続されるEGRガスセンサハーネス101hとを備えている。
なお、吸気センサ106、新気温度センサ107及びEGRガス温度センサ108は、混合ガスのEGR率を求めるのに用いられる。EGR率とは、EGRガス量と新気量との和で、EGRガス量を割った値(=EGRガス量/(EGRガス量+新気量))のことを言う。
ハーネス集合体100は、シリンダブロック4の右側面のうちコモンレール16とオイルフィルタ13との間から、EGR本体ケース27とEGRバルブ部材31との間を経て、ヘッドカバー8の上方にまで延びている。ハーネス集合体100の下部側から分岐した下部分岐ハーネス集合体109の先端側から、ポンプ用ハーネス101b、バルブ用ハーネス101d及び新気センサハーネス101g等が露出して延びていて、それぞれ対応する制御対象14,31,107に接続される。ポンプ用ハーネス101bの先端側が燃料供給ポンプ14に接続され、バルブ用ハーネス101dの先端側がEGRバルブ部材31に接続され、新気センサハーネス101gの先端側が新気温度センサ107に接続される。
ハーネス集合体100の長手中途部からは、スロットル用ハーネス101c及びEGRガスセンサハーネス101h等が露出して延びている。スロットル用ハーネス101cの先端側が吸気スロットル部材28に接続され、EGRガスセンサハーネス101hの先端側がEGRガス温度センサ108に接続される。ハーネス集合体100の上部側からは、排気センサハーネス101e及び吸気センサハーネス101fが露出して延びている。排気センサハーネス101eの先端側が排気マニホールド7の排気センサ105に接続され、吸気センサハーネス101fの先端側が吸気マニホールド6の吸気センサ106に接続される。
ハーネス集合体100の上端側からは、3気筒分のインジェクタ15にそれぞれ接続されるインジェクタハーネス101aが露出して延びている。各インジェクタハーネス101aの先端側が対応するインジェクタ15に接続される。この場合、シリンダヘッド5上には、ハーネス集合体100上端側を取り付けるためのハーネス支持体110を配置している。ハーネス支持体110は、最前方のインジェクタ15の上方において、燃料噴射管103及び燃料戻り管103を跨ぐように配置される。実施形態のハーネス支持体110は金属板製のものである。ハーネス支持体110の上端側はヘッドカバー8の上面に締結され、下端側は吸気マニホールド6の上面に締結される。ハーネス支持体110の上面側に、ハーネス集合体100の上端側(詳しくは排気センサハーネス101e及び吸気センサハーネス101fの分岐部分より上部側)を、ハーネス支持体110の長手方向に沿わせて載せ、例えば結束バンド等にて着脱可能に固定している。
このように構成すると、ハーネス支持体110上にハーネス集合体100の上端側を載せて固定することによって、エンジン1の高温部であるシリンダヘッド5から離してハーネス集合体100の上端側を配置できると共に、燃料噴射管102及び燃料戻り管103とハーネス集合体100の上端側との接触も回避できる。従って、高温(熱)によるハーネス集合体100の劣化を抑制できる一方、燃料噴射管102及び燃料戻り管103の帯電も防止できる。また、ハーネス支持体110の存在によって、組付けの際にハーネス集合体100の配線経路を把握し易く、ハーネス集合体100の組付け作業性向上の一助にもなる。
更に、ハーネス支持体110の一端側はヘッドカバー8の上面に締結し、ハーネス支持体110の他端側は吸気マニホールド6に締結するから、ハーネス支持体110は各インジェクタ15や燃料噴射管102及び燃料戻り管103を確実に跨ぐブリッジの役割を果たすことになり、シリンダヘッド5、燃料噴射管102及び燃料戻り管103に対するハーネス集合体100の接触を確実に回避できる。
なお、実施形態では、ヘッドカバー8と各インジェクタ15との位置関係上、ハーネス支持体110の下端側を吸気マニホールド6に締結したが、これに限らず、シリンダヘッド5自体に締結してもよいし、排気マニホールド7に締結しても差し支えない。
図12〜図15に示すように、実施形態では、ハーネス集合体100から分岐した分岐ハーネスとしての排気センサハーネス101eは、中継コネクタ111を介して排気マニホールド7の排気センサ105にまで延びている。ハーネス支持体110には、コネクタ取付け部110aを一体的に設けている。排気センサハーネス101eの中継コネクタ111は、ハーネス支持体110のコネクタ取付け部110a上に載せてネジ止めされている。従って、ハーネス集合体100の上端側と中継コネクタ111とは、ハーネス支持体110上に横並びの状態で取り付けられている。このように、ハーネス集合体100だけでなく排気センサハーネス101eの中継コネクタ111も併せて、ハーネス支持体110上に載せて固定できるから、部品点数の削減や省スペース化を図りつつ、ハーネス集合体100や中継コネクタ111といった配線群をエンジン1に対して適正に取り付けできる。
上記の記載並びに図12〜図15から明らかなように、シリンダヘッド5にインジェクタ15を有するエンジン1の外側に、前記インジェクタ15に燃料を供給する燃料配管102,103と制御用ハーネス100(101a〜101h)とを近接させて配置しているエンジン装置であって、前記制御用ハーネス100を取り付けるためのハーネス支持体110を、前記燃料配管102,103を跨ぐように前記シリンダヘッド5上に配置しているから、前記ハーネス支持体110上に前記制御用ハーネス100を載せて固定することによって、前記エンジン1の高温部である前記シリンダヘッド5から離して前記制御用ハーネス100を配置できると共に、前記燃料配管102,103と前記制御用ハーネス100との接触も回避できる。従って、高温(熱)による前記制御用ハーネス100の劣化を抑制できる一方、前記燃料配管102,103の帯電も防止できる。また、前記ハーネス支持体110の存在によって、組付けの際に前記制御用ハーネス100の配線経路を把握し易く、前記制御用ハーネス100の組付け作業性向上の一助にもなる。
上記の記載並びに図12〜図15から明らかなように、前記シリンダヘッド5上にヘッドカバー8を設け、前記シリンダヘッド5において出力軸3と交差する両側面には吸気マニホールド6及び排気マニホールド7をそれぞれ振り分けて設け、前記インジェクタ15は前記シリンダヘッド5における前記ヘッドカバー8の外側に位置し、前記ハーネス支持体110の一端側は前記ヘッドカバー8に締結し、前記ハーネス支持体110の他端側は前記両マニホールド6,7のうち前記インジェクタ15を挟んで前記ヘッドカバー8と反対側のマニホールド6に締結しているから、前記ハーネス支持体110は前記インジェクタ15や前記燃料配管102,103を確実に跨ぐブリッジの役割を果たせる。従って、請求項1の作用効果を確実に得られる。つまり、前記シリンダヘッド5及び前記燃料配管102,103に対する前記制御用ハーネス100の接触を確実に回避できる。
上記の記載並びに図12〜図15から明らかなように、前記ハーネス支持体110には、前記制御用ハーネス100から分岐した分岐ハーネス101eの中継コネクタ111を支持するコネクタ取付け部110aを一体的に設けているから、前記制御用ハーネス100だけでなく前記分岐ハーネス101eの前記中継コネクタ111も併せて、前記ハーネス支持体110上に載せて固定できる。従って、部品点数の削減や省スペース化を図りつつ、前記制御用ハーネス100や前記中継コネクタ111といった配線群を前記エンジン1に対して適正に取り付けできる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。