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JP5891080B2 - 顎運動シミュレーション方法、顎運動シミュレーション装置、及び顎運動シミュレーションシステム - Google Patents

顎運動シミュレーション方法、顎運動シミュレーション装置、及び顎運動シミュレーションシステム Download PDF

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JP5891080B2 JP2012062060A JP2012062060A JP5891080B2 JP 5891080 B2 JP5891080 B2 JP 5891080B2 JP 2012062060 A JP2012062060 A JP 2012062060A JP 2012062060 A JP2012062060 A JP 2012062060A JP 5891080 B2 JP5891080 B2 JP 5891080B2
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Description

本発明は、歯科分野等における顎運動シミュレーション方法、顎運動シミュレーション装置、及び顎運動シミュレーションシステムに関し、詳しくは、患者ごとに高い精度で顎運動のシミュレーションを可能とする方法、装置、及びシステムに関する。
歯科の分野において、患者の顎運動を解析し、そのデータを咬み合わせや顎関節の不具合の診断、治療に用いることがある。そのために、例えば特許文献1や特許文献2等の様々な顎運動解析装置、及び解析手法が知られている。
また、特許文献3には患者自身のCT情報を用いてこれを顎運動解析結果と組み合わせる技術が開示されている。
特開2000−107207号公報 特開2005−349176号公報 特開2011−177451号公報
特許文献1、2に記載された顎運動解析装置では、顎運動をデータとして取得することは可能である。又は、解析した後に、そのデータに基づいて顎運動を一般的な頭蓋の図を用いて視覚的に表示することもできる。しかしながら、本来、このような顎運動は各患者固有の頭蓋の構成や顎の状態、さらには歯科治療の有無やその種類によっても変化するため、単なる顎運動のデータや一般的な頭蓋形状データを用いた視覚的表示では、患者ごとの詳細な状況を把握することに限界があった。そして、より詳細な患者ごとの顎運動を把握し、精度よく適切な診断をすることが望まれていた。
これに対して特許文献3に記載された発明では、患者ごとの顎部構造に基づいた詳細な顎運動を把握することが可能である。しかしながら、その際には患者自身の頭蓋をCT撮影する必要があり、十分な許容範囲内であるとしてもX線を人体の頭部に照射することは可能な限り少ない方がよい。また、患者が金属製の歯科補綴物を装着している場合、X線の乱反射が生じ、特に治療歯における正確なX線情報を取得することができないことがあった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、患者への負担を軽減するとともに、患者の咬合面形態の情報を踏まえた態様で、より正確に患者ごとの詳細な顎運動を把握することが可能な顎運動シミュレーション方法を提供することを課題とする。また、このような顎運動シミュレーション装置、顎運動シミュレーションシステムを提供する。
以下、本発明について説明する。ここでは分かりやすさのため、図面に付した参照符号を括弧書きで併せて記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データ、及び通常の口の開け閉めにおける顎運動データを取得する過程(S10)と、基準姿勢とした上下歯列の少なくとも一部の石膏模型のCTデータを取得する過程(S20)と、取得したCTデータに基準姿勢における顎運動データを統合する過程(S32)と、統合の結果に基づいて、取得したCTデータ及び通常の口の開け閉めにおける顎運動データから顎運動のシミュレーションを行う過程(S33)と、を含む顎運動シミュレーション方法(S1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の顎運動シミュレーション方法(S1)において、静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データでは、上顎に対する下顎の立体的相対位置を得るものとする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の顎運動シミュレーション方法(S1)において、CTデータを取得する過程(S20)では、石膏模型における上下歯列間にバイトを装着して基準姿勢と同位置における石膏模型でのCTデータを取得する(S22)ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データ、通常の口の開け閉めにおける顎運動データ、及び基準姿勢とした上下歯列の少なくとも一部の石膏模型のCTデータを受信する受信手段(11)と、受信したCTデータに基準姿勢における顎運動データを統合する演算をするデータ統合演算手段(12)と、統合の結果に基づいて、CTデータ及び通常の口の開け閉めにおける顎運動データから顎運動のシミュレーションの演算をする顎運動演算手段(12)と、を備える顎運動シミュレーション装置(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の顎運動シミュレーション装置における静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データには、上顎に対する下顎の立体的相対位置が含まれる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の顎運動シミュレーション装置(10)と、石膏模型が基準姿勢を保持するために、石膏模型の上下歯列間に装着されるバイトと、が備えられる、顎運動シミュレーションシステム(1)である。
本発明によれば、患者ごとに該患者の顎部構造に基づいた詳細な顎運動を把握することができ、患者個別の状況に合わせて適切に顎運動のシミュレーションをすることが可能である。また、患者に直接X線を照射する機会を減らし、患者のX線被ばくを軽減することができるとともに、CT画像に基づいた、患者に装着されている金属補綴物の影響も受けない精度の高い顎運動シミュレーションが可能になる。
1つの実施形態にかかる顎運動シミュレーション装置10を含む顎運動シミュレーションシステム1を概念的に示したブロック図である。 1つの実施形態にかかる顎運動シミュレーション方法S1の流れを示した図である。 顎運動データ取得過程S10の流れを示した図である。 CTデータ取得過程S20の流れを示した図である。 顎運動シミュレーション過程S30の流れを示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態にかかる顎運動シミュレーション装置10を含む顎運動シミュレーションシステム1を概念的に表すブロック図である。顎運動シミュレーションシステム1は、顎運動解析装置2、CT装置3、入力手段4、バイト(不図示)、顎運動シミュレーション装置10、及び表示装置20を備えている。以下、それぞれについて説明する。
顎運動解析装置2は、患者の顎運動を計測する装置であり、公知の装置を用いることができる。顎運動解析装置2は、口の開け閉めに応じた下顎や上顎(頭部)の動きをセンサにより検知することにより顎の運動をデータ化するものである。より具体的には次の通りである。顎運動解析装置2としては例えば上記特許文献1(特開2000−107207号公報)に記載されているように、3つのターゲット(LED)を具備して患者の頭部に装着されるヘッドフレーム、3つのターゲット(LED)を具備して患者の下顎に装着される下顎用フレーム、2つのターゲットを有して任意の位置を特定できるポインタペン、これらターゲットを撮影する少なくとも2台のカメラ、及びカメラからの情報を処理する手段、を有して構成されている。これによりヘッドフレームに具備されたターゲットが上顎の動きに追随し、下顎用フレームに具備されたターゲットが下顎の動きに追随する。また、その際には、ポインタペンを用いることによりポインタペンのターゲットと、他のターゲットとの相対的な位置関係を特定することができ、ポインタペンにより必要に応じて特定の部位を指定することもできる。
そしてターゲットの動きを2台のカメラにより撮影して演算することによってステレオ法による三次元的な座標の計測が行われ、顎の動きを3次元的にデータ化することができる。より精密な測定をする観点から、顎運動解析装置2は3次元6自由度を有して計測されることが好ましい。3次元6自由度とは、並進3自由度(X、Y、Z)と、回転3自由度(θx、θy、θz)のことを意味し、運動解析を行う上で精密な測定を行うために必要な自由度とされている。
CT装置3は、例えば歯科用CT装置等を挙げることができる。歯科用CT装置は測定対象である上下歯列の石膏模型、並びに実際の人の歯牙、及び軟組織の断層X線測定結果(3次元)を得ることができる装置であり、公知の装置を適用することができる。歯科用CTの典型的な構成として、例えば、略水平に配置されたアームの一端にX線照射器、他端に受光器が配置され、アームが水平面内で回転可能とされるものを挙げることができる。測定対象である上下歯列の石膏模型や患者はX線照射器と受光器との間に配置され、アームが回転しながらX線照射器及び受光器が測定対象の周りを回動する。そして、該回動の各角度位置でX線の照射及びその受光がおこなわれることにより測定対象の形状データ(測定結果)を得る。
入力手段4は、利用者の操作に供され、顎運動シミュレーション装置10に対して情報を入力したり、指令を与えたりする機器である。利用者は入力手段4により、各種必要な情報を入力することもできる。このような入力手段4の具体的な態様は特に限定されることはないが、例えばキーボードやマウス等を挙げることができる。
バイト(不図示)は、患者の口腔内に挿入し、上顎の歯列と下顎の歯列とを所定の間隔に保持し、当該所定の姿勢を維持することができるようにするための部材である。また、後述するように、石膏模型の上下歯列間にバイトを挿入することによりCTデータを取得するとき上下歯列の位置関係と、患者の顎運動測定に際して基準となる姿勢(基準姿勢)における上下歯列の位置関係と、を同じにすることができる。上下歯列の一部に対応する石膏模型を用いる場合においては、当該上下歯列の一部に対応する石膏模型の位置関係を基準姿勢位置と同じにすることもできる。
このようなバイトとして例えばマウスピース等を用いることができる。また、このようなバイトは、患者が一度咬むことによりその歯列形状、歯牙の凹凸が転写され、その後硬化するものが好ましい。後述するように、バイトはCT装置によるデータ取得、及び顎運動解析装置によるデータ取得の両方に用いられる。従って、患者の歯列形状、歯牙の凹凸が転写されたバイトであれば、歯列とバイトとの位置合わせ精度を向上させることができる。このようなバイトは、患者をCT撮影する場合においても、基準姿勢における石膏模型のCT撮影をする場合においても、上下歯列がCT画像上において重ならないようにするため、一定の厚さを有することが好ましい。この厚さは特に限定されることはないが、3mm〜5mmが好ましい。
また、バイトはCT装置によるデータ取得のときに用いられるので、X線を透過することによりX線画像には映らない材料により構成されている。このような材料であれば特に限定されることはないが、例えばアクリル樹脂等の有機材料を挙げることができる。
バイトは必ずしも全ての歯列を覆うように形成されている必要はない。欠損歯がない、又は少ない状態の患者に用いる場合では、顎運動解析装置2で行われる計測において計測装置を阻害しない部位に形成されていることが好ましく、左右の歯列の臼歯部間の範囲であることがさらに好ましい。一方、欠損歯を有する患者では、上下の各顎平面が後述する基準姿勢計測過程S13の計測時間内において歯列の姿勢を保持できるように、十分な範囲にわたって形成されることが好ましい。
また、顎運動シミュレーションシステム1には、外部記憶手段(不図示)が備えられてもよい。外部記憶手段は、顎運動シミュレーション装置10に接続され、ここに対してデータを提供することができる記憶媒体である。例えば、顎運動解析装置2、CT装置3に含まれていない設定や情報等が記憶されている。上記のように、入力手段4から直接このような情報を入力することも可能であるが、外部記憶手段から一括してデータとして顎運動シミュレーション装置10に情報を提供することにより利便性が向上する。
顎運動シミュレーション装置10は、顎運動解析装置2、CT装置3、入力手段4、外部記憶手段等から情報を取得し、顎運動解析装置2からの顎運動のデータとCT装置3からの上下歯列の石膏模型の形状データとを統合する演算、これら統合されたデータに基づいて顎運動シミュレーションをする顎運動演算を行うとともに、その演算結果を表示装置20に出力する機器である。
顎運動シミュレーション装置10は、受信手段11、中央演算子12、記憶手段13、RAM14、及び送信手段15を有して構成されている。
受信手段11は、上記した顎運動解析装置2、CT装置3、入力手段4、外部記憶手段等からの情報を顎運動シミュレーション装置10に適切に取り入れる機能を有する部材であり、顎運動解析装置2、CT装置3、入力手段4、外部記憶手段が接続される。いわゆる入力ポート、入力コネクタ等もこれに含まれる。
中央演算子12はいわゆるCPUであり、データ統合演算手段、及び顎運演算手段として機能する。従って、後述するような、顎運動解析装置による顎運動のデータとCT装置による上下歯列の石膏模型の形状データとの統合演算、及び患者本人から取得した上下歯列の石膏模型のCT画像を用いた顎運動シミュレーションをする顎運動演算はこの中央演算子12で演算することができる。
また、中央演算子12は、その他にも顎運動シミュレーション装置10に含まれる各部材に接続されて、これらを制御することができるように構成されている。すなわち、中央演算子12は、記憶媒体として機能する記憶手段13に記憶された各種プログラムを実行し、これに基づいて各種演算を行う。
記憶手段13は、データ統合演算手段や顎運動演算手段の演算の根拠となる各種プログラムやデータが保存される記憶媒体として機能する部材である。また記憶手段13には、プログラムの実行により得られた中間、最終の各種結果を保存することができてもよい。
RAM14は、中央演算子12による演算の作業領域や一時的なデータの記憶手段として機能する部材である。RAM14は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等で構成することができ、公知のRAMと同様である。
送信手段15は、得られた結果のうち表示装置20に対して出力すべき情報を適切に出力する機能を有する部材であり、表示装置20が接続される。いわゆる出力ポート、出力コネクタ等もこれに含まれる。
このような顎運動シミュレーション装置10を形成する具体的な態様の例としては、コンピュータを挙げることができる。コンピュータに備えられる受信手段及び送信手段を受信手段11及び送信手段15として用い、コンピュータの記憶装置を記憶手段13として各プログラム等を記憶させておくことができる。そして各演算や顎運動シミュレーション装置10自体の制御のための指令については、コンピュータに備えられる中央演算子(CPU)が中央演算子12として機能し、記憶手段13に記憶された各種プログラムを実行する。
表示装置20は顎運動シミュレーション装置10に接続され、顎運動シミュレーション装置10からの信号を受信して表示する機器である。表示装置として例えばモニタを挙げることができる。表示装置20は、顎運動シミュレーション装置10からの情報を映像として表示する手段であり、これにより、顎運動シミュレーション装置10で得られた各情報を視覚的に把握することができ、施術者が診断するための有力な情報源となり得る。
以上のように構成される顎運動シミュレーション装置10を含む顎運動シミュレーションシステム1によれば、患者ごとに該患者自身の顎部構造に基づいた詳細な顎運動のシミュレーションをすることができ、患者個別の状況に合わせて適切に顎運動のシミュレーションをすることができる。また、このシミュレーションに基づいた患者個別に合わせた適切な診断を得ることが可能となる。また、後述するように顎運動シミュレーション装置10によれば、CT装置3からの、患者自身から取得した上下歯列の石膏模型の形状データと顎運動解析装置2からの顎運動のデータとを精度よく統合することができる。詳しい顎運動シミュレーション方法は以下の顎運動シミュレーション方法S1で説明する。
ここで、CT装置3の形状データは、患者本人から取得した歯列の石膏模型を用いるので、患者本人をCT装置3で測定する必要がなく、患者がX線に晒される機会を減じることができる。また、患者に金属性の補綴物が装着されている場合には、X線が乱反射して適切なデータを取得することができない場合があったが、石膏模型を用いるのでこのような不具合も生じない。
次に、1つの実施形態にかかる顎運動シミュレーション方法S1について説明する。ここでは分かりやすさのため、上記顎運動シミュレーション装置10を用いた例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の趣旨を含む方法を可能とするものであれば他の構成を備える装置によるものであってもよい。
図2に顎運動シミュレーション方法S1の流れを示した。図2から分かるように、顎運動シミュレーション方法S1は、顎運動データ取得過程S10、CTデータ取得過程S20、及び顎運動シミュレーション過程S30を含んでいる。以下各過程について説明する。
顎運動データ取得過程S10は、患者の顎運動データを取得する過程である。顎運動データは例えば上記した顎運動解析装置2等により取得することができる。より具体的には次の通りである。図3に顎運動データ取得過程S10の流れを示した。顎運動データ取得過程S10は、測定準備過程S11、基準点設定過程S12、基準姿勢計測過程S13、及び顎運動計測過程S14を含んでいる。
測定準備過程S11は、通常の顎運動測定における準備と同様の準備を行う過程である。例えば顎運動解析装置2のヘッドフレーム及び下顎用フレームを患者に装着して各ターゲット及びカメラの校正や設定を行う。
基準点設定過程S12は、後述するように顎運動のデータをCTデータと統合する際に基準となる点を決定し、これを座標系に組み込む過程である。
基準点は上下の各歯牙上で少なくとも3つ選択される。それぞれができるだけ離隔した位置となるように設定されることが好ましい。これにより当該3点により特定される座標平面の形態の精度を向上させることができる。
そして決められた基準点は、顎運動解析装置2により測定され、座標系の位置座標に表されるように組み込まれる。具体的には、基準点の位置座標がポインタペンのターゲット(例えばLED)等により示され、この位置座標を、ヘッドフレームや下顎用フレームに装着されたターゲット(例えばLED)の位置座標に対する相対的な位置座標として中央演算子12により算出され、座標系に組み込まれる。
基準姿勢計測過程S13は、上記したバイトを患者の口腔内に装着させ、これを基準姿勢として静止状態で所定の時間顎運動計測を行う過程である。バイトを患者の口腔内に装着させることにより患者の顎の姿勢が所定の状態に保持され、これを基準の姿勢(基準姿勢)とすることができる。また、バイトはスペーサーとしても機能し、上顎の歯列と下顎の歯列とを所定の間隔で維持するので、後述のCTデータを作成する際に、上顎の歯列と下顎の歯列とを区別することが容易になる。
また、本実施形態では、基準姿勢計測過程S13により、基準点設定過程S12で得られた上顎の基準点に基づく基準平面座標系に対して、下顎の基準点を上顎の基準平面座標系に対する相対位置として表すように座標変換を行う。このような座標系変換により、基準姿勢における上顎位置に対する下顎位置を規定することが可能となり、CT画像における石膏模型の上下歯列の基準姿勢に対して、顎運動のデータの座標系を容易に精度よく一致させることが可能となる。
これにより基準姿勢における、ターゲット位置及び基準点設定過程S12で設定した基準点の情報を得ることができる。
基準姿勢計測過程S13により計測する時間は特に限定されることはないが、3秒以上であることが好ましい。3秒以上の計測により患者の微動による座標変動誤差を低減することができる。計測の上限は特に限定されることはないが、5秒以下であることが好ましい。あまり長い時間の計測では取り扱うべきデータの量が大きくなってしまうとともに、同一姿勢を維持するなどの患者に対する計測負担が増大するからである。
基準姿勢計測過程S13の終了後にはバイトを患者から離脱させる。
顎運動計測過程S14は、通常通りに顎運動を計測する過程であり、患者の口の開け閉めにより顎運動のデータを取得する。
これら顎運動データ取得過程S10により患者の顎運動の3次元データを得ることができる。
次にCTデータ取得過程S20について説明する。CTデータ取得過程S20は、患者本人から取得した口腔内における上下歯列の石膏模型の形状のCTデータを取得する過程である。CTデータは例えば上記したCT装置3等により取得することができる。より具体的には次の通りである。図4にCTデータ取得過程S20の流れを示した。CTデータ取得過程S20は、上下歯列の石膏模型作製過程S21、バイト装着過程S22、スキャン過程S23、データ作成過程S24、及び基準点決定過程S25を含んでいる。
上下歯列の石膏模型作製過程S21は、患者の上下歯列のそれぞれについて石膏模型を作製する過程である。石膏模型の製作方法は公知の方法を用いればよく特に限定されることはない。また、患者の口腔内状況により全体ではなく一部のみの石膏模型を作製する過程であってもよい。歯肉等の軟組織を含むように石膏模型を製作した場合においては、顎運動における軟組織の機能もシミュレーションにより検証できる。
バイト装着過程S22は、上記した基準姿勢計測過程S13で患者の口腔内に装着したバイトを、作製した上下歯列の石膏模型間に装着させる過程である。これにより上下歯列の石膏模型の姿勢が基準姿勢に保持され、基準姿勢計測過程S13における患者の歯列の姿勢と同じ姿勢をとることができる。
また、上記したようにバイトはスペーサーとしても機能し、石膏模型において上顎側の歯列石膏模型と下顎側の歯列石膏模型とを所定の間隔で維持するので、CTデータを作成した際に、上下の区別を明確にすることができる。上下歯列を、該歯列の異なる部位ごとに分けるようにして石膏模型を複数作製した場合は、該複数の石膏模型の各歯列における位置をバイトにより保持することで、上下歯列全体の石膏模型と同様な位置を再現することができる。
ここで、バイトはX線によっては像が写らない物質により構成されているので、データの作成を阻害することがない。
スキャン過程S23は、X線照射器及び受光器をスキャンし、バイト装着過程S22までで作製した、バイトを装着した状態の上下歯列の石膏模型の断層X線画像を取得する過程である。これは通常のCT装置によるスキャン過程と同様である。
データ作成過程S24は、スキャン過程S23で得られた断層X線画像に基づいて、バイトを装着した状態の上下歯列の石膏模型の3次元形状データ(CTデータ)を作成する過程である。この過程は公知の方法により行うことができる。
基準点決定過程S25は、データ作成過程S24で作成されたCTデータから基準点を指定する過程である。基準点として指定する位置は、上記した基準点設定過程S12で設定した位置と同じとする。基準点設定過程S12で設定した基準点の座標は、基準姿勢計測過程S13により上顎の座標系に対する相対座標として与えられているため、ここではCTデータから、基準点設定過程S12の下顎の3点で与えられた基準点のいずれか1つ基準点を設定すればよい。
これらCTデータ取得過程S20により、患者本人の上下歯列の石膏模型の3次元形状データを得ることができる。
次に顎運動シミュレーション過程S30について説明する。顎運動シミュレーション過程S30は、上記顎運動データ取得過程S10、CTデータ取得過程S20で取得されたデータに基づいて患者の顎運動を3次元的にシミュレーションする過程である。このような過程は、例えば上記した顎運動シミュレーション装置10等により行うことができる。より具体的には次の通りである。図5に顎運動シミュレーション過程S30の流れを示した。顎運動シミュレーション過程S30は、データ取得過程S31、データ統合過程S32、及びシミュレーション過程S33を含んでいる。
データ取得過程S31は、顎運動データ取得過程S10、CTデータ取得過程S20で取得されたデータを取得する過程である。これは例えば顎運動シミュレーション装置10の受信手段11等を介して顎運動シミュレーション装置10にデータを取り込むこと等が挙げられる。データはCT装置や顎運動解析装置から直接送信されてもよいが、データを別の記憶媒体に記憶させ、ここから取り込んでもよい。
データ統合過程S32は、CTデータによる上下歯列の石膏模型の3次元形状データと、顎運動データによる顎運動の3次元データと、を統合する過程である。この統合は、上記した基準点設定過程S12及び基準点決定過程S25で設定した基準点を一致させることにより行う。また、その際には、上記CTデータと、基準姿勢計測過程S13で得ておいた基準姿勢における静止状態の顎運動計測データと、を用いる。これにより両者の上顎側歯列と下顎側歯列の相対的位置関係が同じであることが保証され、基準点を一致させることで、精度よいデータの統合が行われる。
また、上下歯列をデータ上で分離する作業もデータ統合過程S32に含む場合がある。上下歯列をデータ情報として分離することにより、後述するシミュレーション過程S33における上下歯列の顎運動形態を表示することが容易となる。上下歯列を分離する操作を行うために、基準姿勢計測過程S13とスキャン過程S23においてバイトを装着し、上下歯列がCT画像上で重ならないような位置に上下顎を保持する。これにより、上下歯列の分離が容易でかつCTの座標系と顎運動解析装置の座標系との座標統合が容易な基準点設定が可能となる。
このようなデータの統合は例えばデータ統合演算手段として機能する顎運動シミュレーション装置10の中央演算子12により演算して行われる。その際、その根拠となるプログラムが記憶手段13に記憶されている。
シミュレーション過程S33は、データ統合過程S32の統合の結果に基づいて、データ取得過程S31で取得したCTデータ、及び通常の口の開け閉めにおける顎運動データ(顎運動計測過程S14のデータ)から顎運動のシミュレーションを行う過程である。すなわち、顎運動データに基づき、頭蓋が動く(口の開け閉め)頭蓋の形状データを得ることができる。
ここでは、単にデータ上の処理だけでなく、表示装置に画像(映像)として顎運動が視覚的に表されることが好ましい。これにより施術者及び患者が視覚的に顎運動を知ることができる。
このようなシミュレーションは例えば顎運動演算手段として機能する顎運動シミュレーション装置10の中央演算子12により演算して行われる。その際、その根拠となるプログラムが記憶手段13に記憶されている。そしてその結果が画像(映像)として送信手段15を介して表示装置20に表示される。画像(映像)は、上下歯列の透過度や色を施術者により任意に設定できることが好ましい。これにより、透過度の設定を変更することにより所望の歯列の部位を視覚的に取り除いて表示することができ、診断を容易にすることが可能である。
以上のような顎運動シミュレーション方法S1によれば、患者自身の歯列形状に基づいた顎運動シミュレーションができるので、患者ごとの詳細な顎運動を把握することが可能となる。そして患者個別の状況に合わせて適切に顎運動のシミュレーションをすることができる。
また、その際には、基準姿勢計測過程S13により、顎運動データの中に、CTデータに含まれる上下歯列の相対的位置関係が同じであることが保証されたデータが存在するので、当該基準姿勢を基準としてデータの統合を行うことができ、データ統合の精度を高めることができる。
ここで、CTの形状データは患者本人から取得した歯列の石膏模型を用いるので、患者本人をCT装置で測定する必要がなく、患者がX線に晒される機会を減じることができる。また、患者に金属性の補綴物が装着されている場合には、X線が乱反射して適切なデータを取得することができない場合があったが、石膏模型を用いるのでこのような不具合も生じない。
以上説明したように本実施形態では患者がX線に晒される機会を減じることができる。ここで、本発明は他の目的で患者自身にX線を照射してデータを取得することを妨げるものではない。例えば上顎と下顎との嵌合位における下顎頭位を知る必要があるときには、歯列とは異なる部位のCTデータが必要となるので患者に直接X線を照射してCTデータを取得する。この場合であっても、上記した実施形態で得た石膏模型のCTデータの一部を利用することも可能であり、重複した部位に対して患者本人へX線照射して形状データを取得する必要がないという利点もある。
すなわち、上下歯列の相対位置関係を顎運動解析装置2で得られたデータと、CT装置3で得られたデータと、で同じくするために用いられるバイトにより、いわゆる口頭嵌合位における下顎頭位を得ることができない。そのため、患者自身に対するCT撮影(X線照射)を行いデータを取得する場合においては、施術者の治療方針により、口頭嵌合位でのCTデータ取得及びバイト装着時のCTデータ取得の双方が必要となる場合がある。
1 顎運動シミュレーションシステム
2 顎運動解析装置
3 CT装置
10 顎運動シミュレーション装置
11 中央演算子(データ統合演算手段、顎運動演算手段)
20 表示装置

Claims (6)

  1. 静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データ、及び通常の口の開け閉めにおける顎運動データを取得する過程と、
    前記基準姿勢とした上下歯列の少なくとも一部の石膏模型のCTデータを取得する過程と、
    取得した前記CTデータに前記基準姿勢における顎運動データを統合する過程と、
    前記統合の結果に基づいて、取得した前記CTデータ及び前記通常の口の開け閉めにおける顎運動データから顎運動のシミュレーションを行う過程と、を含む顎運動シミュレーション方法。
  2. 前記静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データでは、上顎に対する下顎の立体的相対位置を得る、請求項1に記載の顎運動シミュレーション方法。
  3. 前記CTデータを取得する過程では、前記石膏模型における前記上下歯列間にバイトを装着して前記基準姿勢と同位置における前記石膏模型での前記CTデータを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の顎運動シミュレーション方法。
  4. 静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データ、通常の口の開け閉めにおける顎運動データ、及び前記基準姿勢とした上下歯列の少なくとも一部の石膏模型のCTデータを受信する受信手段と、
    受信した前記CTデータに前記基準姿勢における顎運動データを統合する演算をするデータ統合演算手段と、
    前記統合の結果に基づいて、前記CTデータ及び前記通常の口の開け閉めにおける顎運動データから顎運動のシミュレーションの演算をする顎運動演算手段と、を備える顎運動シミュレーション装置。
  5. 前記静止した基準姿勢における顎運動のデータである顎運動データには、上顎に対する下顎の立体的相対位置が含まれる請求項4に記載の顎運動シミュレーション装置。
  6. 請求項4又は5に記載の顎運動シミュレーション装置と、
    前記石膏模型が前記基準姿勢を保持するために、前記石膏模型の上下歯列間に装着されるバイトと、が備えられる、顎運動シミュレーションシステム。
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