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JP5885015B2 - ガスセンサー - Google Patents

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JP5885015B2 JP2011193787A JP2011193787A JP5885015B2 JP 5885015 B2 JP5885015 B2 JP 5885015B2 JP 2011193787 A JP2011193787 A JP 2011193787A JP 2011193787 A JP2011193787 A JP 2011193787A JP 5885015 B2 JP5885015 B2 JP 5885015B2
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Description

本発明は、ガスセンサーに関する。
従来、ニオイは人間の感覚の中でもっとも理解の遅れている感覚の一つであり、定量化できていないが、食品製造管理や工場排気のニオイなどにおいて僅かなレベルのニオイ分子(ニオイ物質)の検出が求められている。
ニオイ物質を検出するためのガスセンサーとして重要なのは感度が十分高いことである。人の嗅覚は物質によっても異なるが、数十ppm〜0.01ppbのニオイ物質を検出できる。よってガスセンサーに必要とされる性能としてはppm〜ppbレベルのニオイ物質の検出が可能なことである。
ガスクロマトグラフィーなどの大掛かりな分析装置を用いるとppbレベルの高精度測定が可能になるが、装置導入、ランニングコスト高となる上、専門の知識を持つ技術者などが必要となるため、より簡易で低コストのガスセンサーが強く求められている。
そこで、ニオイ物質を検出するために、水晶振動子上に特定のニオイ物質を付着するポリマー膜を形成する手法(QCMデバイス)が検討されている(特許文献1〜6)。
特開2009−222619号公報 特開2008−268170号公報 特開2006−53059号公報 特開2005−189146号公報 特開2000−304673号公報 特開平9−189663号公報
しかしながら、特許文献1では、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル−ブタジエン、ポリイソプレン、及びポリスチレンの各膜を用いたガスセンサーの、トルエン(石油成分)に対する感度は数十ppm程度である。また、特許文献2では、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、及びポリカプロラクタン共重合体の各膜を用いたガスセンサーの、トルエンに対する検出下限は100ppm前後であるものと推測できる。特許文献3では、フェニルアラニンプラズマ重合膜にイオン液体を保持させた膜を用いたガスセンサーの、アルコール類に対する検出感度は数十ppmである。また、特許文献4では、D−フェニルアラニン、ポリエチレン、及びポリクロロトリフルオロエチレンの各膜を用いたガスセンサーの、揮発性硫化物に対する検出感度はサブppmである。また、特許文献5では、アミノ酸薄膜を用いたガスセンサーの光学異性体に対する感度が10ppm程度である。また、特許文献6では、銅フタロシアニンを用いたガスセンサーが数十ppm程度の感度である。
このように、ガスセンサーの感度は何れも数ppm程度であり高いと言えず、例えば人の感度閾値に達する感応膜とするにはppbレベルのニオイ物質の検出が望ましい。
そこで、数ppmレベルのニオイ物質に対する検出感度が従来よりも高く、かつ、数十ppbレベルのニオイ物質も検出可能な、ガスセンサーを提供することを目的の一つとする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、特定のポリマーを水晶振動子の少なくとも一部に備えるガスセンサーにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記のとおりである。
[1]
フルオレン構造を有するポリマーを水晶振動子の少なくとも一部に備える、ガスセンサー。
[2]
前記ポリマーは、下記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位を含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である、[1]に記載のガスセンサー。
(上記式中、R1及びR2は互いに独立して炭素数1〜10のアルキル基であり、R3、R3'、及びR3''、並びにR4、R4'、及びR4''は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリル基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アリルアルキル基、アリルアルコキシ基、アリルアルキルチオ基、アリルアルケニル基、アリルアクキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいシリル基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換されてもよいカルボキシル基、シアノ基、又はニトロ基である。)
[3]
前記ポリマーは、フルオレン構造を有するモノマーと一種以上のその他のモノマーとのコポリマーを含む、[1]又は[2]に記載のガスセンサー。
[4]
前記コポリマーは、前記フルオレン構造を有するモノマーのモノマー単位が50%以上で構成される、[3]に記載のガスセンサー。
[5]
前記その他のモノマーは、前記フルオレン構造を有するモノマーとの間でπ共役を形成するモノマーである、[3]又は[4]に記載のガスセンサー。
本発明の一実施形態に係るニオイ検出素子の断面を模式的に表す概略図である。 本発明の一実施形態に係るガスセンサーの構成の一例を表す概略図である。 本発明の一実施形態に係るガスセンサーの構成の他の一例を表す概略図である。 実施例において実施したガスセンサーの製造工程を表す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ニオイ検出素子]
本発明の一実施形態はニオイ検出素子に係る。図1はニオイ検出素子の断面を模式的に表す概略図である。本実施形態に係るニオイ検出素子は、後述するガスセンサーの一部であって、水晶振動子11と、水晶振動子11の表面及び裏面に形成された電極13と、電極13を覆うように水晶振動子11の表面及び裏面に形成されたポリマー膜12と、電極13及び外部回路、即ち発振回路(DSC)を接続するためのリード線14と、を備える。
水晶振動子11は、電極13に電圧を印加することにより、表面と裏面とが互い違いにスライドして振動する、いわゆる厚みすべり振動モードで動作するものである。動作時の共振振動数f0(MHz)は、電極13の形成された部位の水晶板厚t(μm)に反比例し、一般に下記数式(1)で示される。
そして、水晶振動子11における吸着物質量ΔMと周波数変化量Δfとの関係は、下記のSauerbreyの数式(2)で示される。
上記数式(2)において、f0は振動子の共振周波数、ρは水晶の密度、μは水晶のせん断弾性定数、Aは電極面積にほぼ等しい有効振動面積である。数式(2)より、振動子の共振周波数f0を高めることによって、感度、すなわち吸着物質量ΔMあたりの周波数変化量Δfを高められることが分かる。
電極13の材料としては、従来公知のものが使用可能であり、例えば金が挙げられる。また、リード線14の材料としては、従来公知のものが使用可能である。
ポリマー膜12は、特定の物質を選択的に吸着する特性を有する吸着膜である。ポリマー膜12は、ニオイ物質の検出対象となる周辺気体中に露出している。ポリマー膜12は水晶振動子11の少なくとも一部(一面)に形成される。中でも、より効果的に吸着の対象となる物質を吸着することができるため、ポリマー膜12は水晶振動子11の両面、すなわち表面及び裏面に形成されることが好ましい。
ポリマー膜12の厚さは、特に限定されないが、数nm〜数μmであるとよく、数μm程度が好ましい。また、ポリマー膜12は、成型の容易性及び形状安定性に優れるため、常温常圧で固体であることが好ましい。以下、ポリマー膜12の構成材料について詳細に説明する。
ポリマー膜12の構成材料は、一種以上のフルオレン構造を有するポリマー(以下、単に「フルオレン構造含有ポリマー」とも言う。)を少なくとも含む。このフルオレン構造含有ポリマーとしては、後述するようにホモポリマー及びコポリマーのうち少なくともいずれかが挙げられる。
上記のフルオレン構造としては、以下に限定されないが、例えば下記化学式(1)で表されるものが挙げられる。
上記フルオレン構造含有ポリマーは、上記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位からなってもよく、当該フルオレン構造単位とその他の構造単位(以下、「その他のモノマー」とも言う。)とからなってもよい。また、当該ポリマー一分子中のフルオレン構造単位は、一種単独からなってもよく、二種以上からなってもよい。
上記化学式(1)中、R1及びR2は互いに独立して置換基を有する。当該置換基としては、以下に限定されないが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリル基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アリルアルキル基、アリルアルコキシ基、アリルアルキルチオ基、アリルアルケニル基、アリルアクキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいシリル基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換されてもよいカルボキシル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。これらの中でも、溶媒への溶解性を一層良好なものとするため、アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
上記化学式(1)中、R3、R3'、及びR3''、並びにR4、R4'、及びR4'' は互いに独立して置換基を有する。当該置換基としては、以下に限定されないが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリル基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アリルアルキル基、アリルアルコキシ基、アリルアルキルチオ基、アリルアルケニル基、アリルアクキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいシリル基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換されてもよいカルボキシル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。これらの中でも、有機溶媒に対する溶解性に優れるため、アルキル基が好ましく、炭素数6以上のアルキル基がより好ましい。
なお、上記の「置換されてもよい」基としては、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
また、上記化学式(1)中、膜形成性に優れるため、重量平均分子量が100,000〜1,000,000であることがより好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲル浸透クロトグラフィー(GPC)により測定された値を意味するものとする。
フルオレン構造含有ポリマーは、ホモポリマー及びコポリマーのうち少なくともいずれかである。当該ホモポリマーとしては、フルオレン構造を有するモノマー(以下「フルオレンモノマー」とも言う。)が挙げられ、具体的には一種単独の上記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位からなるものが挙げられる。
当該コポリマーとしては、例えば、二種以上のフルオレンモノマーからなるもの、並びに一種以上のフルオレンモノマー及びフルオレン構造を有しないその他のモノマーからなるものが挙げられる。前者の具体例として、二種以上の上記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位からなるものが挙げられる。後者の具体例として、一種以上の上記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位と一種以上のその他のモノマーとからなるものが挙げられる。
上記その他のモノマーとしては、特に限定されることはないが、フルオレンモノマーとの間でπ共役を形成するモノマーであることが好ましい。フルオレンモノマーとの間でπ共役を形成するモノマーとして、以下に限定されないが、例えば、ベンゾチアゾール、カルバゾール、チオフェン、ビチオフェン、環状チオフェン、ビニレンフェニレン、ピロール、アセチレン、トリフェニルアミン、及びベンゾチオフェンが挙げられる。
上記コポリマーは、フルオレンモノマーのモノマー単位が、単位数換算で、好ましくは50%以上で構成される。後記の実施例において実証したとおり、フルオレンモノマーの上記モノマー単位が100%及び50%の場合、優れた効果が得られる反面、モノマー単位が0%の場合、効果に劣ることを本願発明者らは明らかにした。
また、ポリマー膜12の構成材料は、フルオレン構造含有ポリマー以外に、フルオレン構造を有しないポリマー、低分子化合物、及び無機化合物などを一種以上含んでもよい。当該フルオレン構造を有しないポリマーとして、以下に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフェノール、ポリビニルピリジン、ポリビニルポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリラウリルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート、ポリドデシルアクリレート、ポリエチレンテレフタラート、6−ナイロン、6,6−ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセチレン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリビニルスルホン酸、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン]、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(ベンゾビスイミダゾベンゾフェナントロリン、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシラン、セルロース、及びメチルセルロースが挙げられる。上記低分子化合物として、以下に限定されないが、例えばトリス(2−フェニルピリジナート)イリジウム(III)、トリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、バソクプロイン、4,4’−ビス[9−ジカルバゾイル]2−2’−ビフェニル、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾトリアゾール、(2,2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペラジン)セバケート、テトラブロモシクロオクタン、及び2,4,6−テトラブロモフェノールが挙げられる。上記無機化合物として、以下に限定されないが、例えばSiO2、TiO2、SnO、CuO、Cu2O、Al23、Fe23、FeO、MgO、CaO、CeO2、MnO3、NiO、In23、V25、P25、ZnO、及びLi2Oなどの金属酸化物、並びにNaCl、KCl、LiCl、MgCl2、CaCl2、LiF、MgF2、LiI、LiBr、MgI2、MgBr2、CaI2、及びCaBr2などの金属塩が挙げられる。
[ガスセンサー]
(ガスセンサーの構成)
本発明の一実施形態はガスセンサーに係る。図2はガスセンサーの構成の一例を表す概略図である。本実施形態に係るガスセンサーは、コンピューター31と、ニオイ検出素子アレイ32(上述のニオイ検出素子をアレイ状に並べたもの)と、ガス吸入口33と、フィルター34と、チャンバー35と、ポンプ36と、ガス排気口37と、を備える。
コンピューター31は、発振回路(DSC)、周波数測定回路(CNT)の出力周波数を読み取って周波数の変化量を解析するものである。コンピューター31は、ニオイの特定に必要な情報を格納しており、データ処理アルゴリズム(不図示)からの要求に応じて当該情報を送信するよう構成される。ここで、ニオイの特定の必要な情報とは、例えばそれぞれの水晶振動子11における発振信号の周波数変動と、ニオイ検出素子アレイ32中のそれぞれのニオイ検出素子の吸着対象となる物質の吸着量と、の関係を示すテーブルなどである。
ガス吸入口33はニオイ物質(ガス)が取り込まれる入口である。フィルター34は、ガスから粉塵などを除去するためにガス流路内に設けられるものである。チャンバー35は、ニオイ検出素子を収納する筒状体の両端にガス吸入口34及びガス排気口37を接続するものであって、ガスが吸着される部位である。ガス排気口37は、チャンバー35で処理されたガスを外部に排出するためのものであり、ポンプ36はこのガス排気口37からのチャンバー35内へのガスの導入や排出を促進するものである。
(ガスセンサーの動作)
まず、CPUは基準となる空気(好ましくは活性炭などで処理した無臭の空気)の下でニオイ検出素子アレイ32、即ち所要数(一以上)のニオイ検出素子を発振させ、ニオイ検出素子アレイ32を構成するそれぞれのニオイ検出素子に接続された周波数測定回路(CNT)から出力される信号の周波数を読み取る。
次に、所要数のニオイ検出素子で構成されるニオイ検出素子アレイ32を測定対象のガスに暴露させる。ここで、ガスにニオイがあれば、そのガス中にはそのニオイを構成するニオイ分子が含まれており、そのニオイ分子が水晶振動子11の表面に形成されたポリマー膜12に吸着される。このニオイ分子には質量があるため、ニオイ分子を吸着したポリマー膜12を有する水晶振動子11は、吸着したニオイ分子の質量に相当する負荷が増大し、この負荷の増大は周波数の減少として観測される。つまり、コンピューター31中のデータ処理アルゴリズム(不図示)によって、この周波数の減少が特定されてニオイ分子の吸着量を求めることができる。このようにして、コンピューター31内で各センサーの周波数の変化量が解析されて、観測対象のガスが100ppb程度のニオイを有していれば、ニオイの種類及び強さを特定することができる。
[ガスセンサーの変形例]
図3は、ガスセンサーの構成の一変形例を表す概略図である。この変形例は、ニオイ検出素子アレイ32中にニオイ検出素子が一つ存在する点で、図2で説明したガスセンサー(ニオイ検出素子が九つ存在)と異なる。このように、ガスセンサー中のニオイ検出素子の個数は一以上であればよい。
このように、本実施形態によれば、数ppmレベル(10ppm)のニオイ物質に対する検出感度が従来よりも高く、かつ、数十ppbレベル(100ppb)のニオイ物質も検出可能な、ガスセンサーを提供することができる。
具体的に言えば、まず、フルオレン構造を有するホモポリマー及びコポリマーのうち少なくともいずれかをポリマー膜として用いることにより、パラフィン、オレフィン、及び芳香族系化合物といった石油関連物質のニオイに対する感度を向上させることができるとともに、数十ppbレベルのニオイ物質の検出が可能となる。
また、特定のポリマーと水晶振動子とを組み合わせてニオイ物質を検出できることにより、大掛かりな装置の導入が不要となり、かつ、ランニングコストを低減することができる。また、ポリマー及び水晶振動子という安価な材料を組み合わせてセンサーを作製できることにより、高感度なセンサーを安価で提供できる。さらに、ポリマーと水晶振動子との組み合わせで構成される装置は、特殊な知識や技術が不要なため、簡単な操作でニオイ物質を検出できる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[ガスセンサーの作製]
図4に示すようにしてガスセンサーを作製した。まず、水晶振動子として、ATカット30MHzを用いた。
また、ポリマーとして、ポリ−9,9−ジオクチルフルオレン(以下「F8」と言う。)、ポリ−9,9−ジオクチルフルオレンとベンゾチアゾールとのコポリマー(ジオクチルフルオレンのモノマー単位は50%、以下「F8BT」と言う。)、ポリ−9,9−ジオクチルフルオレンとビチオフェンとのコポリマー(ジオクチルフルオレンのモノマー単位は50%、以下「F8T2」と言う。)を、それぞれ有機溶媒(p−キシレン)に溶かし、塗布溶液41とした。得られた各塗布溶液41を水晶振動子上にスピンコートで塗布し、溶媒を乾燥して水晶振動子上にポリマー膜12を形成した。このようにして、ポリマー膜12としてF8の膜、F8BTの膜、及びF8T2の膜がそれぞれ形成されたものを、ガスセンサー42とした。
[ニオイ物質の検出]
ドライエアで濃度を制御したn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、キシレン、及びトルエンをそれぞれセンサー42に暴露し、周波数変化量を測定した。比較対照として、フルオレン構造含有ポリマーの代わりにポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて、同様の操作を行った。評価結果を下記表1及び表2に示す。
さらに、フルオレン構造含有ポリマーの代わりにチオフェンポリマーを100ppbのガスに暴露したときの周波数変化量は、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、トルエン、及びp−キシレンの何れに対しても0であった。
以上の結果より、フルオレン構造を有するポリマーを水晶振動子の少なくとも一部に備えたガスセンサーは、そうでないガスセンサーに比して、数ppmレベル(10ppm)のニオイ物質に対する検出感度が顕著に高く、かつ、数十ppbレベル(100ppb)のニオイ物質も検出可能となることが分かった。そして、コポリマー中のフルオレンモノマーのモノマー単位が50%〜100%であると、ニオイ物質の検出性能に優れることが分かった。
なお、コポリマーであるF8BTやF8T2の性能がホモポリマーであるF8の性能よりも優れる点については、フルオレンモノマーとその他のモノマーとが共重合したことによる相乗効果と推察される。
11…水晶振動子、12…ポリマー膜、13…電極、14…リード線、31…コンピューター、32…ニオイ検出素子アレイ、33…ガス吸入口、34…フィルター、35…チャンバー、36…ポンプ、37…ガス排気口、41…塗布溶液、42…ガスセンサー。

Claims (3)

  1. フルオレン構造を有するポリマーを水晶振動子の少なくとも一部に備え、
    前記ポリマーは、ポリ−9,9−ジオクチルフルオレンとベンゾチアゾールとのコポリマー、およびポリ−9,9−ジオクチルフルオレンとビチオフェンとのコポリマーのうち少なくとも一以上を含む、ガスセンサー。
  2. 前記ポリマーは、下記化学式(1)で表されるフルオレン構造単位を含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である、請求項1に記載のガスセンサー。
    (上記式中、R1及びR2は互いに独立して炭素数1〜10のアルキル基であり、R3、R3'、及びR3''、並びにR4、R4'、及びR4''は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリル基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アリルアルキル基、アリルアルコキシ基、アリルアルキルチオ基、アリルアルケニル基、アリルアクキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいシリル基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換されてもよいカルボキシル基、シアノ基、又はニトロ基である。)
  3. 前記コポリマーは、前記フルオレン構造を有するモノマーのモノマー単位が50%以上で構成される、請求項1又は2に記載のガスセンサー。
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