以下、本発明の第一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係る薬液回収機能付きプレフィルドシリンジ(以下、単にプレフィルドシリンジという)は、図1に示す如く、第一端と反対側の第二端とを有するとともに、第一端に筒先部20aを有する筒状のシリンダ20と、シリンダ20の第二端から該シリンダ20に挿入されるとともに、シリンダ20の軸線方向に移動可能に設けられたピストン21とを備えたシリンジ2であって、ピストン21と筒先部20aとの間にあるシリンダ20の内部空間に所定量の薬液Mが入れられたシリンジ2と、シリンダ20の筒先部20aに接続される薬液回収具3とを備える。
薬液回収具3は、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、患者に対して投薬するときの薬液の流路又は薬液を混注するときの薬液の流路を構成する薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
薬液回収部30は、薬液Mを収容可能な容器を採用し得る。本実施形態に係る薬液回収部30には、重ね合わされた二枚のシート(採番しない)の外周端部同士が接続(例えば、ヒートシール)され、二枚のシート間に薬液Mを収容する空間を形成した袋状の容器が採用されている。
本実施形態に係る流路形成部31は、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する筒状の本体部310と、本体部310における軸心方向の途中位置から延出した分岐部311であって、第一流路R1と第三流路R3との接続位置に対して第二流路R2を接続した状態で形成した分岐部311とを備える。
本体部310は、上述の如く、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する。すなわち、本実施形態において、本体部310の一端側の半分の領域が第一流路R1を形成し、本体部310の他端側の半分の領域が第三流路R3を形成している。
そして、本体部310の一端部には、薬液流通部材4を流体的に接続するための被接続部(以下、第一被接続部という)310aが設けられ、本体部310の他端部には、シリンジ2(シリンダ20)の筒先部20aに流体的に接続される被接続部(以下、第三被接続部という)310bが設けられている。
本実施形態において、第一被接続部310aは、薬液流通部材4に設けられたコネクタ40であって、第一流路R1内に挿入される軸状部41を有するコネクタ40と接続可能に構成されている。
ここで、薬液流通部材4を含めて第一被接続部310aについて具体的に説明する。薬液流通部材4は、患者に対する投薬や薬液の混注を行うときに、薬液を通過させる流路を形成するもので、例えば、注射針や、点滴用或いは混注用のチューブを備えたものを意味する。本実施形態に係る薬液流通部材4は、点滴用又は混注用のチューブCと、チューブCをプレフィルドシリンジ1(シリンジ2)に接続するためのコネクタ40とを備える。
コネクタ40は、図2及び図3に示す如く、第一端と反対側の第二端とを有し、第一端部に点滴用又は混注用のチューブCを接続する第一接続部42が設けられる一方、第二端部に第一被接続部310aを接続する第二接続部43が設けられている。第一接続部42は、筒状をなし、チューブCを外嵌可能な外径に設定されている。第二接続部43は、筒状に形成され、外周上に雄ネジ(採番しない)が形成されている。
そして、コネクタ40の軸状部41は、第二接続部43と同心になるように第二接続部43内に配置されている。軸状部41は、中空軸状に形成され、内部空間が第一接続部42の孔と連通している。なお、本実施形態に係る軸状部41の先端が封止されている。これに伴い、軸状部41の先端部には、当該軸状部41の軸心方向と直交する方向に貫通した孔(採番しない)が設けられている。
本実施形態において、第一被接続部310aは、筒状に形成され、コネクタ40の第二接続部43に設けられた雄ネジと螺合可能な雌ネジが内周上に形成されている。これにより、第一被接続部310aにコネクタ40の第二接続部43が螺合されることで、軸状部41が第一被接続部310aの中心(後述する第一弁機構33の弁体330と対応する位置)に挿入されるようになっている。
図1に戻り、本実施形態において、分岐部311全体によって第二流路R2が形成される。本実施形態に係る分岐部311は、本体部310に対して直交方向に延設されたストレート部312と、ストレート部312に対してシリンジ2側に傾斜した傾斜部313とを備える。本実施形態において、ストレート部312は、第一端と第二端とを有する第一ストレート部312aであって、第一端が本体部310に接続された第一ストレート部312aと、第一端と第二端とを有する第二ストレート部312bであって、第一端が傾斜部313に接続された第二ストレート部312bと、第一ストレート部312aの第二端及び第二ストレート部312bの第二端に接続された後述する第二弁機構34(後述する外装体340)とによって構成される。
ストレート部312及び傾斜部313のそれぞれは、筒状にされ、互いの内部空間を連続させている。これにより、分岐部311のストレート部312及び傾斜部313は、第二流路R2を画定している。そして、本実施形態において分岐部311の先端側(傾斜部313の先端側)は、薬液回収部30に封着されている。
具体的には、本実施形態に係る分岐部311の先端部(傾斜部313の先端部)には、薬液回収部30が接続される被接続部(以下、第二被接続部という)311aが設けられている。そして、上述の如く、二枚のフィルムを接続することで薬液回収部30が袋状に形成されるに伴い、傾斜部313の第二被接続部311aは、薬液回収部30を構成する二枚のフィルムに挟み込まれた上で薬液回収部30(フィルム)に溶着されている。これにより、第二流路R2は薬液回収部30の内部空間と連通している。
流路切換構造32は、第一流路R1上に設けられた第一弁機構33であって、第一流路R1を開閉可能な第一弁機構33と、第二流路R2上に設けられた第二弁機構34であって、第二流路R2を開閉可能な第二弁機構34とを備える。
本実施形態において、第一弁機構33は、薬液流通部材4の接続に伴って開弁して第一流路R1を開放するように構成される。第一被接続部310aに接続されるコネクタ40は、上述の如く、第一被接続部310aの中心に挿入される軸状部41を有する。これに伴い、本実施形態に係る第一弁機構33は、第一被接続部310aの中心位置に配置される弁体330を備える。
より具体的に説明する。第一弁機構33は、図2及び図3に示す如く、第一端と第二端とを有し、第一端が流路形成部31に接続された状態で第一被接続部310a内に同心で配置される筒状の弁体収容部331であって、第二端に環状の弁座部331aを有する弁体収容部331と、該弁体収容部331内に同心で収容された弁体330であって、弁体収容部331の軸線方向に移動可能に設けられた弁体330と、弁体330を弁座部331aに向けて付勢する付勢部材332とを備える。
本実施形態において、第一弁機構33は、流路形成部31と一体的に構成されている。これに伴い、弁体収容部331は、第一端(弁座部331a)をコネクタ40側に位置させるとともに、内部を第三流路R3と連通させた状態で流路形成部31(本体部310)に固定されている。これにより、弁体収容部331の内部空間は、第一流路R1の一部を構成している。
そして、第一弁機構33は、図2に示す如く、常態において、付勢部材332による付勢で弁体330が弁座部331aに押し付けられ、弁体収容部331の第一端(弁座部331aによって画定される孔)が閉じられるようになっている。そして、図3に示す如く、第一弁機構33は、第一被接続部310aにコネクタ40(第二接続部43)が螺合されたときに、軸状部41が弁座部331aの画定する孔に進入し、該軸状部41によって弁体330が弁座部331aから離間する方向に押圧されるようになっている。
これにより、弁体収容部331の内部を閉塞していた弁体330(第一流路R1を遮断していた弁体330)が弁座部331aから離間する(開弁する)のに併せて、軸状部41の先端部が弁体収容部331内に進入し、第三流路R3と連通する弁体収容部331の内部と軸状部41の内部とが連通する(第一流路R1が開放する)ようになっている。
これに対し、第二弁機構34は、図4及び図5に示す如く、第二流路R2の一部を形成する筒状の外装体340であって、径方向に弾性変形可能な外装体340と、外装体340に内装された球状弁341とを備える。第二弁機構34は、常態において外装体340の内周面と球状弁341の外周とが密接して第二流路R2を遮断する一方、外装体340が径方向に押圧されたときに球状弁341と外装体340との間に流路が形成されるようになっている。
より具体的に説明する。外装体340は、シリコンゴム等の弾性材料によって成形される。外装体340は、筒状に形成され、軸線方向に第一端と第二端とを有する。
外装体340が筒状に形成されるに伴い、外装体340には、貫通孔Hが形成されている。かかる外装体340の貫通孔Hは、球状弁341を収容する拡大孔部Haと、拡大孔部Haの両側に該拡大孔部Haと連続して形成された一対の小径孔部Hb,Hcとを備える。
拡大孔部Haの内径は、球状弁341と同径又は球状弁341よりも小径に設定されている。また、外装体340の軸心方向における拡大孔部Haの長さは、球状弁341の外径よりも長く設定されている。これにより、拡大孔部Ha内の球状弁341は、常態において、図4に示す如く、外装体340の内周面(拡大孔部Haを画定する内周面)に密接している。
そして、外装体340の一方の小径孔部Hbには、第一ストレート部312aの第二端が嵌着され、外装体340の他方の小径孔部Hcには、第二ストレート部312bの第二端が嵌着されている。これにより、第二弁機構34は、分岐部311の途中位置に介設されている。即ち、第二弁機構34は、第一ストレート部312aと第二ストレート部312bとの間に介設され、分岐部311におけるストレート部312の一部を構成する。これに伴い、拡大孔部Haが第二流路R2の一部を構成する。
そして、外装体340は、上述の如く、弾性材料で成形されているため、図5Aに示す如く、径方向に押圧されたときに、その押圧位置を中心にして弾性変形する。これに伴い、外装体340における拡大孔部Ha内の球状弁341と対応する位置が押圧されたとき、外装体340が周方向に延びつつ弾性変形する。
これにより、第二弁機構34は、図5Bに示す如く、外装体340を押圧したときに、外装体340が球状弁341から部分的に離間して外装体340と球状弁341との間に隙間Sが形成され、第一流路R1側と薬液回収部30側とが連通した状態になるようになっている。すなわち、第二弁機構34は、外装体340を押圧したときに第二流路R2を開放するようになっている。また、第二弁機構34は、図4に示す如く、外装体340に対する押圧を解除したときに、外装体340全体が自己の弾性によって復元して球状弁341に密接するようになっている。これにより、第二弁機構34は、外装体340に対して押圧していない状態で、第二流路R2を遮断するようになっている。
以上のように、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1の薬液回収具3は、第一端と反対側の第二端とを有するとともに、筒先部20aを第一端に有する筒状のシリンダ20と、シリンダ20の第二端から該シリンダ20に挿入されるとともに、シリンダ20の軸線方向に移動可能に設けられたピストン21とを備えたシリンジ2であって、ピストン21と筒先部20aとの間にあるシリンダ20の内部空間に所定量の薬液Mが入れられたシリンジ2を含むプレフィルドシリンジ1用の薬液回収具3であって、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を有し、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
従って、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)において、流路形成部31に対し、注射針や点滴用のチューブCを含む薬液流通部材4、薬液回収部30、及びシリンジ2の筒先部20aが接続される。これにより、薬液流通部材4が第一流路R1に流体的に接続され、第二流路R2が薬液回収部30に流体的に接続され、第三流路R3がシリンジ2の筒先部20aに流体的に接続される。
そして、図6Aに示す如く、流路切換構造32が第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させると、第二流路R2及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液回収部30とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、必要のない量の薬液M、或いは、シリンジ2内に残存したガスとともに排出される僅かな薬液Mが薬液回収部30に送り出されて回収される。
このとき、薬液Mが必要以上に押し出されると、シリンジ2内の薬液Mが投薬に必要な量よりも少なくなる。しかしながら、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1は、流路切換構造32(第二弁機構34)によって第二流路R2と第三流路R3とを連通させることで、薬液回収部30に回収された薬液Mをシリンジ2内に戻すことができ、シリンジ2内の薬液Mを投薬に必要な量にすることができる。なお、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1において、薬液回収部30が可撓性のある容器であるため、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、薬液回収部30を外部から圧迫することで、薬液回収部30内の薬液をシリンジ2に戻すことができるが、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、シリンジ2のピストン21を引き操作するだけでも、薬液回収部30内の薬液Mをシリンジ2に戻すことができる。
そして、シリンジ2内の薬液Mを適量にした後、図6Bに示す如く、流路切換構造32が第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させると、第一流路R1及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液流通部材4とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、シリンジ2内の薬液Mが薬液流通部材4に送り込まれ、患者に対する投薬或いは薬液の混注が行われる。
このように、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)によれば、投薬前に薬液Mが周囲に飛散することなく薬液回収部30に回収される。これにより、医療現場において、周囲の環境を衛生的に保つことができ、また、使用者(医師や看護師)の健康を害することも防止できる。
本実施形態において、流路切換構造32は、第一流路R1上に設けられた第一弁機構33であって、第一流路R1を開閉可能な第一弁機構33と、第二流路R2上に設けられた第二弁機構34であって、第二流路R2を開閉可能な第二弁機構34とを備えるため、図6A及び図6Bに示す如く、第一弁機構33による第一流路R1の開閉操作と、第二弁機構34のよる第二流路R2の開閉操作を組み合わせることで、第一流路R1を遮断しつつ第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態と、第二流路R2を遮断しつつ第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態とに切り換えることができる。
また、第一弁機構33は、薬液流通部材4の接続に伴って開弁するように構成されているため、薬液流通部材4を接続するだけで、第一弁機構33が開弁するため、第一弁機構33に対する開閉操作を独立して行う必要がなく、迅速な作業が要求される医療現場において最適である。
より具体的には、本実施形態において、流路形成部31は、図2及び図6Aに示す如く、薬液流通部材4に設けられたコネクタ40であって、第一流路R1内に挿入される軸状部41を有するコネクタ40と接続可能な第一被接続部310aを有し、第一弁機構33は、第一被接続部310aにコネクタ40が接続された状態で軸状部41に押圧されて開弁する弁体330を有するため、常態において第一弁機構33の弁体330が第一流路R1を遮断する。そして、図3及び図6Bに示す如く、薬液流通部材4のコネクタ40を流路形成部31(第一被接続部310a)に接続すると、コネクタ40の軸状部41が弁体330を押圧する。これに伴い、弁体330は、第一流路R1を遮断した位置から第一流路R1を開放した位置に移動する。従って、薬液流通部材4を接続するのに併せて第一流路R1が自動的に開放される。
また、第二弁機構34は、第二流路R2の一部を形成する筒状の外装体340であって、径方向に弾性変形可能な外装体340と、外装体340に内装された球状弁341とを備え、常態において外装体340の内周面と球状弁341の外周とが密接して第二流路R2を遮断する一方、外装体340が径方向に押圧されたときに球状弁341と外装体340との間に隙間状の流路が形成されるため、外装体340が径方向に弾性変形可能に構成されているため、外装体340は、図5及び図6Aに示す如く、径方向に押圧されると扁平状に変形し、外装体340の変形によって球状弁341と外装体340との間に隙間が形成され、その隙間が第三流路R3と薬液回収部30とを連通させる流路となる。これに対し、外装体340は、図4及び図6Bに示す如く、押圧が解除されると元の状態(筒状の状態)に復元し、球状弁341と密接して第二流路R2を遮断する。
従って、第二弁機構34は、常態で第二流路R2を遮断することになるため、第二流路R2を遮断することを忘れて第一流路R1と第三流路R3とを連通させてしまうことを防止することができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るプレフィルドシリンジは、第一実施形態と同様にシリンジ及び薬液回収具を備え、シリンジについては第一実施形態のシリンジと同一のものを備える。従って、ここではシリンジの説明は、第一実施形態の説明を代用することとする。また、本実施形態に係るプレフィルドシリンジは、シリンジ以外に第一実施形態と同様の構成又は相当する構成を有するため、これらの構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。
薬液回収具3は、図7に示す如く、第一実施形態と同様に、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
薬液回収部30は、薬液Mを収容可能な容器であればよく、本実施形態においても、重ね合わされた二枚のシートの外周端部同士が接続され、二枚のシート間に薬液Mを収容する空間を形成した袋状の容器が採用されている。
本実施形態に係る流路形成部31において、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3は、一箇所で合流するように形成されている。すなわち、流路形成部31は、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する筒状の本体部310と、本体部310における軸心方向の途中位置から延出した分岐部311であって、第一流路R1と第三流路R3との接続位置に対して第二流路R2を接続した状態で形成した分岐部311とを備える。
本体部310は、上述の如く、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する。すなわち、本実施形態において、本体部310の一端側の半分の領域が第一流路R1を形成し、本体部310の他端側の半分の領域が第三流路R3を形成する。
そして、本体部310の一端部には、薬液流通部材4を流体的に接続するための第一被接続部310aが設けられ、本体部310の他端部には、シリンジ2(シリンダ20)の筒先部20aに流体的に接続される第三被接続部310bが設けられている。なお、本実施形態において、第一被接続部310aには、薬液流通部材4が直接接続され、第三被接続部310bは、シリンジ2(シリンダ20)の筒先部20aに直接接続されている。
分岐部311は、全体で第二流路R2を形成する。本実施形態に係る分岐部311は、本体部310に対して直交方向に延設されたストレート部312と、ストレート部312に対してシリンジ2側に傾斜した傾斜部313とを備える。
ストレート部312及び傾斜部313のそれぞれは、筒状にされ、互いの内部空間を連続させている。これにより、分岐部311のストレート部312及び傾斜部313は、第二流路R2を画定している。
本実施形態において分岐部311の第三被接続部310b(傾斜部313の先端部)は、薬液回収部30に封着されている。具体的には、本実施形態に係る分岐部311の先端部(傾斜部313の先端部)には、薬液回収部30が接続される第二被接続部311aが設けられている。そして、上述の如く、薬液回収部30が二枚のフィルムを接続することで袋状に形成されるに伴い、傾斜部313の第二被接続部311aが薬液回収部30を構成する二枚のフィルムに挟み込まれた上で薬液回収部30(フィルム)に溶着されている。これにより、第二流路R2は薬液回収部30の内部空間と連通している。
本実施形態において、流路切換構造32は、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3の合流位置に設けられた三方弁である。より具体的に説明する。本実施形態に係る流路切換構造32は、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3の合流位置を通る回転軸線回りに回転可能に設けられた弁体320を有する。弁体320は、流路形成部31の内部空間における第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3の合流位置に配置されている。すなわち、本実施形態に係る流路切換構造32において、流路形成部31が弁体320を収容するハウジングとして兼用されている。
かかる弁体320には、第一流路R1と第三流路R3とが連通可能な直線路320aであって、当該弁体320の外周上で両端を開放させた直線路320aと、第一端と第二端とを有し、第一端が直線路320aの中間位置に接続された分岐路320bであって、第二端を弁体320の外周上で開放させた分岐路320bとを有する。直線路320a及び分岐路320bは、回転軸線と直交する方向延びている。なお、本実施形態に係る弁機構は、弁体320を回転させるためのハンドル(採番しない)であって、流路形成部31の外側に配置されたハンドルを備える。これにより、本実施形態に係る流路切換構造32は、ハンドルを操作して弁体320を回転させることで、第一流路R1を遮断しつつ第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態と、第二流路R2を遮断しつつ第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態とに切り替わるようになっている。
以上のように、本実施形態に係る薬液回収機能付きプレフィルドシリンジ1の薬液回収具3は、第一端と反対側の第二端とを有するとともに、筒先部20aを第一端に有する筒状のシリンダ20と、シリンダ20の第二端から該シリンダ20に挿入されるとともに、シリンダ20の軸線方向に移動可能に設けられたピストン21とを備えたシリンジ2であって、ピストン21と筒先部20aとの間にあるシリンダ20の内部空間に所定量の薬液Mが入れられたシリンジ2を含むプレフィルドシリンジ1用の薬液回収具3であって、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を有し、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
従って、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)において、流路形成部31に対し、薬液流通部材4、薬液回収部30、及びシリンジ2の筒先部20aが接続される。これにより、薬液流通部材4が第一流路R1に流体的に接続され、第二流路R2が薬液回収部30に流体的に接続され、第三流路R3がシリンジ2の筒先部20aに流体的に接続される。
そして、図8Aに示す如く、流路切換構造32が第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させると、第二流路R2及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液回収部30とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、必要のない量の薬液M、或いは、シリンジ2内に残存したガスとともに排出される僅かな薬液Mが薬液回収部30に送り出されて回収される。
このとき、薬液Mが必要以上に押し出されると、シリンジ2内の薬液Mが投薬に必要な量よりも少なくなる。しかしながら、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1においても、流路切換構造32によって第二流路R2と第三流路R3とを連通させることで、薬液回収部30に回収された薬液Mをシリンジ2内に戻すことができ、シリンジ2内の薬液Mを投薬に必要な量にすることができる。なお、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1において、薬液回収部30が可撓性を有するため、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、薬液回収部30を外部から圧迫することで、薬液回収部30内の薬液をシリンジ2に戻すことができるが、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、シリンジ2のピストン21を引き操作するだけでも、薬液回収部30内の薬液Mをシリンジ2に戻すことができる。
そして、シリンジ2内の薬液Mを適量にした後、図8Bに示す如く、流路切換構造32が第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させると、第一流路R1及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液流通部材4とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、シリンジ2内の薬液Mが薬液流通部材4に送り込まれ、患者に対する投薬或いは薬液の混注が行われる。
このように、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)によれば、投薬前に薬液Mが周囲に飛散することなく薬液回収部30に回収される。これにより、医療現場において、周囲の環境を衛生的に保つことができ、また、使用者(医師や看護師)の健康を害することも防止できる。
特に、本実施形態において、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3は、一箇所で合流するように形成され、流路切換構造32は、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3の合流位置に設けられた三方弁であるため、単一の三方弁に対する操作により、第一流路R1を遮断しつつ第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態と、第二流路R2を遮断しつつ第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態とに切り換えることができる。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るプレフィルドシリンジは、第一実施形態と同様に、シリンジ及び薬液回収具を備え、シリンジについては第一実施形態のシリンジ2と同一ものを備える。従って、ここではシリンジの説明は第一実施形態の説明を代用することとする。また、本実施形態に係るプレフィルドシリンジは、シリンジ以外に第一実施形態と同様の構成又は相当する構成を有するため、これらの構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。
薬液回収具3は、図9に示す如く、第一実施形態と同様に、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を有し、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
薬液回収部30は、薬液Mを収容可能な容器であればよく、本実施形態においても、重ね合わされた二枚のシートの外周端部同士が接続され、二枚のシート間に薬液Mを収容する空間を形成した袋状の容器が採用されている。
本実施形態に係る流路形成部31において、第一流路R1、第二流路R2、及び第三流路R3は、一箇所で合流するように形成されている。すなわち、流路形成部31は、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する筒状の本体部310と、本体部310における軸心方向の途中位置から延出した分岐部311であって、第一流路R1と第三流路R3との接続位置に対して第二流路R2を接続した状態で形成した分岐部311とを備える。
本体部310は、上述の如く、第一流路R1と第三流路R3とを連続的に形成する。すなわち、本実施形態において、本体部310の一端側の半分の領域が第一流路R1を形成し、本体部310の他端側の半分の領域が第三流路R3を形成する。
本体部310の一端部には、薬液流通部材4を流体的に接続するための第一被接続部310aが設けられ、本体部310の他端部には、シリンジ2(シリンダ20)の筒先部20aに流体的に接続される第三被接続部310bが設けられている。なお、本実施形態において、第一被接続部310aには、薬液流通部材4が直接接続され、第三被接続部310bは、シリンジ2(シリンダ20)の筒先部20aに直接接続されている。
分岐部311は、全体で第二流路R2を形成する。本実施形態に係る分岐部311は、本体部310に対して直交方向に延設されたストレート部312と、ストレート部312に対してシリンジ2側に傾斜した傾斜部313とを備える。ストレート部312及び傾斜部313のそれぞれは、筒状にされ、互いの内部空間を連続させている。これにより、分岐部311のストレート部312及び傾斜部313は、第二流路R2を画定している。
本実施形態において、分岐部311の先端側(傾斜部313の先端側)は、薬液回収部30に封着されている。具体的には、本実施形態に係る分岐部311の先端部(傾斜部313の先端部)には、薬液回収部30が接続される第二被接続部311aが設けられている。そして、上述の如く、薬液回収部30が二枚のフィルムを接続することで袋状に形成されるに伴い、傾斜部313の第二被接続部311aが薬液回収部30を構成する二枚のフィルムに挟み込まれた上で薬液回収部30(フィルム)に溶着されている。これにより、第二流路R2は薬液回収部30の内部空間と連通している。
流路切換構造32は、第一流路R1上に設けられた第一弁機構33であって、第一流路R1を開閉可能な第一弁機構33と、第二流路R2上に設けられた第二弁機構34であって、第二流路R2を開閉可能な第二弁機構34とを備える。
本実施形態において、第一弁機構33及び第二弁機構34のそれぞれには、二方弁が採用されている。
より具体的に説明する。本実施形態に係る第一弁機構33は、第一流路R1上に配置される弁体330であって、第一流路R1の中心線を直交する回転軸線回りに回転可能に設けられた弁体(以下、第一弁体という)333を有する。第一弁体333は、流路形成部31(本体部310)における第一流路R1となる内部空間に配置されている。すなわち、本実施形態に係る第一弁機構33において、流路形成部31(本体部310)が第一弁体333を収容するハウジングとして兼用されている。そして、第一弁体333は、回転軸線と直交する方向で真っ直ぐに延びる貫通孔で構成された直線路333aであって、第一流路R1と第三流路R3とを連通させる直線路333aを有する。
これに対し、本実施形態に係る第二弁機構34は、第二流路R2上に配置される弁体330であって、第二流路R2の中心線を直交する回転軸線回りに回転可能に設けられた弁体(以下、第二弁体という)343を有する。第二弁体343は、流路形成部31(分岐部311)における第二流路R2となる内部空間に配置されている。すなわち、本実施形態に係る第二弁機構34において、流路形成部31(分岐部311)が第二弁体343を収容するハウジングとして兼用されている。そして、第二弁体343は、回転軸線と直交する方向で真っ直ぐに延びる貫通孔で構成された直線路343aであって、第二流路R2における上流側と下流側とが連通させる直線路343aを有する。
なお、本実施形態において、第一弁機構33は、第一弁体333を回転させるためのハンドル(採番しない)であって、流路形成部31の外側に配置されたハンドルを備え、第二弁機構34は、第二弁体343を回転させるためのハンドル(採番しない)であって、流路形成部31の外側に配置されたハンドルを備える。
これにより、第一弁機構33は、ハンドルを操作して第一弁体333を回転させることで、第一流路R1を開放した状態と遮断した状態とに切り替わるようになっている。また、第二弁機構34は、ハンドルを操作して第二弁体343を回転させることで、第二流路R2を開放した状態と遮断した状態とに切り替わるようになっている。すなわち、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1は、第一弁機構33及び第二弁機構34の開閉の組み合わせにより、第一流路R1を遮断しつつ第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態と、第二流路R2を遮断しつつ第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態とに切り替わるようになっている。
以上のように、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1の薬液回収具3は、第一端と反対側の第二端とを有するとともに、筒先部20aを第一端に有する筒状のシリンダ20と、シリンダ20の第二端から該シリンダ20に挿入されるとともに、シリンダ20の軸線方向に移動可能に設けられたピストン21とを備えたシリンジ2であって、ピストン21と筒先部20aとの間にあるシリンダ20の内部空間に所定量の薬液Mが入れられたシリンダ20を含むプレフィルドシリンジ1用の薬液回収具3であって、薬液Mを収容可能に構成された薬液回収部30と、薬液流通部材4に流体的に接続される第一流路R1、薬液回収部30に流体的に接続される第二流路R2、及び筒先部20aに流体的に接続される第三流路R3を互い合流させた状態で形成した流路形成部31と、第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる一方で、第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる流路切換構造32とを備える。
従って、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)において、流路形成部31に対し、薬液流通部材4、薬液回収部30、及びシリンジ2の筒先部20aが接続される。これにより、薬液流通部材4が第一流路R1に流体的に接続され、第二流路R2が薬液回収部30に流体的に接続され、第三流路R3がシリンジ2の筒先部20aに流体的に接続される。
そして、図10Aに示す如く、流路切換構造32が第一流路R1を遮断した状態で第二流路R2と第三流路R3とを連通させる。すなわち、第一弁機構33によって、第一流路R1が遮断されるとともに、第二弁機構34によって、第二流路R2が開放される。これにより、第二流路R2及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液回収部30とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、必要のない量の薬液M、或いは、シリンジ2内に残存したガスとともに排出される僅かな薬液Mが薬液回収部30に送り出されて回収される。
このとき、薬液Mが必要以上に押し出されると、シリンジ2内の薬液Mが投薬に必要な量よりも少なくなる。しかしながら、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1においても、流路切換構造32(第二弁機構34)によって第二流路R2と第三流路R3とを連通させることで、薬液回収部30に回収された薬液Mをシリンジ2内に戻すことができ、シリンジ2内の薬液Mを投薬に必要な量にすることができる。なお、本実施形態に係るプレフィルドシリンジ1において、薬液回収部30が可撓性を有するため、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、薬液回収部30を外部から圧迫することで、薬液回収部30内の薬液をシリンジ2に戻すことができるが、第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、シリンジ2のピストン21を引き操作するだけでも、薬液回収部30内の薬液Mをシリンジ2に戻すことができる。
そして、シリンジ2内の薬液Mを適量にした後、図10Bに示す如く、流路切換構造32が第二流路R2を遮断した状態で第一流路R1と第三流路R3とを連通させる。すなわち、第一弁機構33によって、第一流路R1が開放されるとともに、第二弁機構34によって、第二流路Rが遮断される。これにより、第一流路R1及び第三流路R3を介してシリンジ2と薬液流通部材4とが連通する。従って、この状態でピストン21を押圧することで、シリンジ2内の薬液Mが薬液流通部材4に送り込まれ、患者に対する投薬が行われる。
このように、上記構成のプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)によれば、投薬前に薬液Mが周囲に飛散することなく薬液回収部30に回収される。これにより、医療現場において、周囲の環境を衛生的に保つことができ、また、使用者(医師や看護師)の健康を害することも防止できる。
特に、本実施形態係る流路切換構造32は、第一実施形態と同様に、第一流路R1上に設けられた第一弁機構33であって、第一流路R1を開閉可能な第一弁機構33と、第二流路R2上に設けられた第二弁機構34であって、第二流路R2を開閉可能な第二弁機構34とを備えるため、図10A及び図10Bに示す如く、第一弁機構33による第一流路R1の開閉操作と、第二弁機構34のよる第二流路R2の開閉操作を組み合わせることで、第一流路R1を遮断しつつ第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態と、第二流路R2を遮断しつつ第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態とに切り換えることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記各実施形態において、シリンジ2と薬液回収具3とを備えた排液回収機能付きのプレフィルドシリンジ1について説明したが、薬液回収具3は、シリンジ2と一体的にされたものに限定されない。例えば、薬液回収具3は、薬液Mの封入されたシリンジ2に対して取り付け可能な独立した部品であってもよい。また、上記各実施形態において、特に言及しなかったが、薬液回収機能付きプレフィルドシリンジ1(薬液回収具3)は、公知の滅菌方法により適宜滅菌することができる。
上記各実施形態において、薬液回収部30が袋状の容器で構成されたが、これに限定されない。例えば、薬液回収部30は、ボトル状の容器であってもよい。このように、薬液回収部30にボトル状の容器が採用される場合、薬液回収部30の破損を防止することや、薬液Mの不足時に薬液回収部30に収容された薬液Mをシリンジ2に戻すこと考慮すれば、薬液回収部30を可撓性のある軟質なものにすることが好ましい。
上記各実施形態において、薬液回収部30が流路形成部31に対して取り外し不能に接続されたが、これに限定されるものではない。例えば、薬液回収部30が流路形成部31に対して取り外し可能に設けられてもよい。
上記各実施形態において、点滴用又は混注用のチューブCを備えた薬液流通部材4を一例に説明したが、これに限定されない。例えば、第一被接続部310aに接続される薬液流通部材4は、第一被接続部310aに接続可能な注射針であってもよい。
上記各実施形態において、流路切換構造32が第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、薬液回収部30に収容された薬液Mがシリンジ2に向けて流通可能に構成されたが、これに限定されない。例えば、流路切換構造32(第二弁機構34)は、流路切換構造32が第二流路R2と第三流路R3とを連通させた状態で、薬液Mがシリンジ2側から薬液回収部30に向けてのみ流通可能に構成されてもよい。但し、シリンジ2から必要以上に薬液Mを押し出したときに、その薬液Mをシリンジ2に戻せるようにする(シリンジ2内の薬液Mの液量を調整可能とする)には、上記各実施形態と同様にすることが好ましいことは言うまでもない。
上記第一実施形態において、流路切換構造32の第一弁機構33は、軸状部41を有するコネクタ40の接続を前提としたが、これに限定されない。第一弁機構33は、流路の開閉が可能な弁機構であれば種々変更可能である。また、第二弁機構34も同様である。
上記第一実施形態において、第一弁機構33が薬液流通部材4のコネクタ40の接続に伴って開弁するように構成されたが、これに限定されない。例えば、第一実施形態に係るプレフィルドシリンジ1において、第一弁機構33は、第三実施形態と同様に、薬液流通部材4の接続に関連せずに使用者の操作で第一流路R1を開閉する二方弁であってもよい。
上記第二実施形態において、流路切換構造32として三方弁が採用されることで、未使用時(保管時)に三方弁(弁体320)によって第三流路R3(第一流路R1に向かう流路)を遮断することが可能であるが、例えば、第一被接続部310aを封止するキャップを備えてもよい。このようにすれば、弁体320の直線路320aが第一流路R1と第三流路R3とを連通させた状態になっても、薬液Mが漏出することが防止される。