JP5865412B2 - 窓貼用赤外線遮断フイルム - Google Patents
窓貼用赤外線遮断フイルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5865412B2 JP5865412B2 JP2014054100A JP2014054100A JP5865412B2 JP 5865412 B2 JP5865412 B2 JP 5865412B2 JP 2014054100 A JP2014054100 A JP 2014054100A JP 2014054100 A JP2014054100 A JP 2014054100A JP 5865412 B2 JP5865412 B2 JP 5865412B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- infrared
- infrared shielding
- optical adjustment
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Description
(1)特許文献1記載の熱線反射フィルムは、光の干渉を利用して赤外線領域(波長域:780nm〜10,000nm)の光を選択的に反射する目的で熱線反射層が積層されたものであり、該熱線反射層は、電波透過性の観点から高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが交互に多層積層されたものである。また、該熱線反射層は、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを合計した層数は3以上とすることが好ましいとしており、特許文献1の実施例において、高屈折率誘電体層(Nb2O5層)と低屈折率誘電体層(SiO2層)とを交互に合わせて9層積層して熱線反射層を形成している。
その為、特許文献1記載の熱線反射フィルムは、該熱線反射フィルムを製造する為に、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを交互に何度も繰り返し積層して熱線反射層を積層する必要があり生産性が極めて悪いものであった。その結果、特許文献1記載の熱線反射フィルムは、製造コストが極めて高いものとなってしまう欠点があった。
その為、無機膜である高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層との密着力、及び高屈折率誘電体層と透明樹脂フィルムとの密着力が弱く、密着力試験を行った場合に、高屈折率誘電体層、または低屈折率誘電体層が該熱線反射フィルム上から剥がれてしまい、所望の全日射透過率を確実に長く維持することができない欠点があった。
そして、特許文献1記載の熱線反射フィルムを使用した合わせガラスは、全日射透過率を効果的に低減させる目的で、熱可塑性樹脂と赤外線遮蔽性微粒子(錫がドープされた酸化インジウム微粒子(ITO微粒子)等)とを含有させた接着層として使用している。
したがって、特許文献1記載の熱線反射フィルムは、特許文献1記載の熱線反射フィルムのみでは、所望の全日射透過率を得ることができない欠点があった。
また、接着層の用途で使用する熱可塑性樹脂は一般的に粘度が高く、接着層に使用する熱可塑性樹脂中に赤外線遮蔽性微粒子を均一に分散させることが困難であり、赤外線遮断性微粒子が不均一に分散した接着層となり、上記特許文献1記載の熱線反射フィルムを使用した合わせガラスの日射透過率を測定した場合に、測定する箇所によって日射透過率にバラつきが発生してしまう。したがって、特許文献1記載の熱線反射フイルムは、確実に所望の赤外線遮断性を発揮することができない欠点もあった。
下記(A)〜(D)の条件すべてを満足することを特徴とする窓貼用赤外線遮断フイルムである。
(A)光学調整層が、光学調整層と接する層よりも屈折率が低い層である。
(B)光学調整層が、少なくとも、水酸基を有するシロキサン樹脂とシリカ微粒子とを含む層である。
(C)光学調整層の屈折率が1.35〜1.53の範囲である。
(D)光学調整層の厚さが、0.1〜0.3μmの範囲である。
[2]本発明は、プラスチックフイルムの片面または両面に、樹脂と赤外線吸収色素とを少なくとも含む赤外線遮断層A、樹脂と金属酸化物微粒子とを少なくとも含む赤外線遮断層B、及び光学調整層が、少なくとも積層されている窓貼用赤外線遮断フイルムであって、
下記(A)〜(D)の条件すべてを満足することを特徴とする窓貼用赤外線遮断フイルムである。
(A)光学調整層が、光学調整層と接する層よりも屈折率が低い層である。
(B)光学調整層が、少なくとも、水酸基を有するシロキサン樹脂とシリカ微粒子とを含む層である。
(C)光学調整層の屈折率が1.35〜1.53の範囲である。
(D)光学調整層の厚さが、0.1〜0.3μmの範囲である。
[3]本発明は、前記赤外線遮断層Aが、プラスチックフイルムの片面に積層され、前記赤外線遮断層Bが、プラスチックフイルムの他の片面に積層されている上記[2]記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
[4]本発明は、前記光学調整層が、少なくとも、赤外線遮断層Bが積層されている側の面の最表層に積層されている上記[2]、または[3]記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
[5]本発明は、前記光学調整層が、赤外線遮断層Bと接するようにして積層されている上記[4]記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
[6]本発明は、前記赤外線吸収色素が、ジイモニウム系色素である上記[1]から[5]のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
[7]本発明は、前記金属酸化物微粒子が、錫がドープされた酸化インジウム微粒子(ITO微粒子)である上記[1]から[6]のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
[8]本発明は、JIS R 3106に準拠して測定した可視光透過率が、80%以上であり、かつJIS R 3107に準拠して測定した日射透過率が、50%以下である上記[1]から[7]のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルムである。
具体的には、分光光度計で測定した本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの可視光透過率が75%以上であれば優れた可視光透過性を有するものであり、また、分光光度計で測定した本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの日射透過率が50%以下であれば優れた赤外線遮断性を有しているといえる。
また、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムは、赤外線を遮断する為に本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムに積層されている赤外線遮断層を3層以上の多層積層する必要がない為、赤外線遮断層とプラスチックフイルムとの密着力、及び赤外線遮断層と光学調整層との密着力が強く、赤外線遮断層、または光学調整層が本発明の窓貼用赤外線遮断フイルム上から剥がれることがなく、所望の赤外線透過性を確実に長く維持することができる。
その為、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムとガラス板等とを貼着する場合に、使用する接着層等に、赤外線遮蔽性微粒子が含まれたものを使用する必要がなく、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの日射透過率を測定する箇所によって、日射透過率にバラつきが生じることがない。したがって、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムは、確実に優れた赤外線遮断性を発揮することができる。
本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの代表的な構成を下記(1)〜(5)に示す。尚、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの構成は、下記構成に限らない。
(1)プラスチックフイルム/赤外線遮断層/光学調整層
(2)プラスチックフイルム/光学調整層/赤外線遮断層
(3)光学調整層/プラスチックフイルム/赤外線遮断層/光学調整層
(4)赤外線遮断層/プラスチックフイルム/赤外線遮断層/光学調整層
(5)光学調整層/赤外線遮断層/プラスチックフイルム/赤外線遮断層/光学調整層
プラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
プラスチックフイルムの厚さが25μmよりも薄いと、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムをガラス板等に貼着する際に、カールやシワ等が発生しやすくなるおそれがある為、好ましくなく、100μmよりも厚いと、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを所望の大きさにカットする際に、カッターナイフ等でカットしづらい為、作業性が悪くなり、また本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを製造する際に製造コストも上がる為、好ましくない。
尚、赤外線遮断層A、及び赤外線遮断層Bについては、後述する。
赤外線遮断層に使用する樹脂の種類は、特に制限なく使用することができ、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、メラミン系樹脂、メラミンアクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂等、各種公知の樹脂が使用でき、これらのいずれか1種、または2種以上の混合樹脂としてもよく、目的に応じて適宜選択すればよい。
また、上記樹脂のうち、粘度が高いものを使用した場合には、赤外線吸収色素、及び金属酸化物微粒子が樹脂中に均一に分散しづらいおそれがある為、粘度が低いものを使用することが好ましい。
赤外線遮断層Aの厚さが、上記範囲でないと、赤外線遮断層Bの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
赤外線吸収色素の重量比率が、上記範囲でないと、赤外線遮断層Bの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
赤外線遮断層Aの屈折率が上記範囲でないと、赤外線遮断層Bの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
赤外線遮断層Bの厚さが、上記範囲でないと、赤外線遮断層Aの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する赤外線吸収色素の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
前記赤外線遮断層Bに使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子素の重量比率が、上記範囲でないと、赤外線遮断層Aの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する赤外線吸収色素の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
赤外線遮断層Bの屈折率が上記範囲でないと、赤外線遮断層Aの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する赤外線吸収色素の重量比率や、光学調整層の厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する無機微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断性、及び可視光透過性を、所望の赤外線遮断性、及び所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
赤外線遮断層A、及び赤外線遮断層Bが、いずれもプラスチックフイルムの片面上に積層されている場合、赤外線遮断層A、及び赤外線遮断層Bのいずれの層が下層(プラスチックフイルム側)となってもよく、その順序は所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
(6)プラスチックフイルム/赤外線遮断層A/赤外線遮断層B/光学調整層
(7)プラスチックフイルム/光学調整層/赤外線遮断層A/赤外線遮断層B
(8)プラスチックフイルム/赤外線遮断層B/赤外線遮断層A/光学調整層
(9)赤外線遮断層A/プラスチックフイルム/赤外線遮断層B/光学調整層
(10)赤外線遮断層B/プラスチックフイルム/光学調整層/赤外線遮断層A
(11)光学調整層/プラスチックフイルム/赤外線遮断層A/赤外線遮断層B
(12)光学調整層/プラスチックフイルム/赤外線遮断層A/赤外線遮断層B/光学調整層
光学調整層の屈折率が、上記範囲でないと、赤外線遮断層Aの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する赤外線吸収色素の重量比率や、赤外線遮断層Bの厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの可視光透過性を所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
また、光学調整層と接する層は、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムが所望の可視光透過性を得る為に、光学調整層と接する層の屈折率が1.5〜1.8の範囲であり、かつ光学調整層と接する層の厚さは、0.2〜2.5μmの範囲が好ましい。
尚、光学調整層と接する層が、前記赤外線遮断層(赤外線遮断層A、及び赤外線遮断層Bを含む)である場合には、該赤外線遮断層の屈折率、及び厚さは上記範囲となる。
光学調整層の厚さが、上記範囲でないと、赤外線遮断層Aの厚さ、屈折率、及び使用する樹脂に対する赤外線吸収色素の重量比率や、赤外線遮断層Bの厚さ、屈性率、及び使用する樹脂に対する金属酸化物微粒子の重量比率を調整したとしても、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの可視光透過性を所望の可視光透過性とすることができなくなるおそれがある為、好ましくない。
その結果、該光学調整層が最表層に積層された本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムは、光学調整層上(水分子膜上)にチリや埃等の汚れ物質が付着した場合であっても、水を使用すれば容易に光学調整層上から汚れ物質を除去することができるという防汚効果を発揮することができる。
具体的には、JIS R 3257に準拠して測定した場合に、水の接触角が10°以下であれば優れた親水性を有しているといえ、優れた防汚効果を発揮することができる。
また、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの可視光透過性を所望の可視光透過性とする為には、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムに積層された赤外線遮断層を赤外線遮断層Aと赤外線遮断層Bとし、かつ前記光学調整層が、前記に示した構成の(6)、(7)、(8)、(9)、及び(12)の構成のように、赤外線遮断層B層が積層されている側の面に積層されたものとすることがより好ましく、前記光学調整層が、(6)、(9)、及び(12)の構成のように赤外線遮断層Bと接するようにして積層されていれば、本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの可視光透過率を、確実に75%以上とすることができ、優れた可視光透過性を発揮することができる為、万全である。
また本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを製造する際に、従来よりも製造工程を少なくすることができる為、効率よく本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを製造することができる。
以下の工程を順に行い、プラスチックフイルムの片面に、赤外線遮断層Aが積層され、プラスチックフイルムの他の片面に、赤外線遮断層B、及び光学調整層が積層された実施例1の本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを得た。
(工程1)厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アクリル系樹脂と赤外線吸収色素としてジイモニウム系色素を含む混合塗料(日本カーリット株式会社製 商品名:サンバリアーN1−A)をマイクログラビアコート法でコーティングし厚さ1.0μmの赤外線遮断層Aを積層した。
尚、アクリル系樹脂に対するジイモニウム系色素の重量比率は3%あり、赤外線遮断層Aの屈折率は1.5であった。
(工程2)上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他の片面に、ウレタンアクリレート系樹脂(三菱マテリアル株式会社製 商品名:PI−3)、及び金属酸化物微粒子としてITO微粒子を含む混合塗料をマイクログラビアコート法でコーティングし厚さ1.5μmの赤外線遮断層Bを積層した。
尚、ウレタンアクリレート樹脂に対するITO微粒子の重量比率は100%であり、赤外線遮断層Bの屈折率は、1.7であった。
(工程3)上記赤外線遮断層B上に、水酸基を有するシロキサン系樹脂、及びシリカ微粒子を含む混合塗料(司化研株式会社製 商品名:DMコート)をマイクログラビアコート法でコーティングし厚さ0.2μmの光学調整層を積層した。
尚、光学調整層の屈折率は、1.49であった。
実施例1の(工程3)で使用した混合塗料(司化研株式会社製 商品名:DMコート)にかえて、ウレタンアクリレート樹脂とITO微粒子とからなる混合塗料を使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムを得た。
実施例1の(工程2)で使用した混合塗料にかえて、ウレタンアクリレート樹脂のみ(ITO微粒子を含んでいない)を使用したこと、及び実施例1の(工程3)を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の窓貼用赤外線遮断フイルムを得た。
実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルム、及び比較例1で得た窓貼用赤外線遮断フイルムを使用し、JIS R 3106に準拠して、それぞれ可視光透過率を測定した。結果は表1に示す。
実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルム、及び比較例1で得た窓貼用赤外線遮断フイルムを使用し、JIS R 3107に準拠して、それぞれ日射透過率を測定した。結果は表1に示す。
実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルム、及び比較例1で得た窓貼用赤外線遮断フイルムを使用し、JIS R 3257に準拠して、実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムに積層された光学調整層表面、及び比較例1で得た窓貼用赤外線遮断フイルムの赤外線遮断層B層表面の水の接触角を測定した。
それに対して、実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムは、いずれも可視光透過率が75%以上(実施例1:83%、実施例2:78%)、かつ日射透過率が50%以下(実施例1:48%、実施例2:47%)であり、いずれも本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムのみで、優れた可視光透過性、及び優れた赤外線遮断性を有するものであった。
それに対して、実施例1で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムは、該窓貼用赤外線遮断フイルムに積層された光学調整層表面の水の接触角が5°であり、優れた親水性を有するものであり、該光学調整層に付着した汚れを容易に除去することができ、優れた防汚効果を発揮するものであった。
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、スパッタリング法で、厚さ95nmのNb2O5層と、厚さ135nmのSiO2層とを交互に合わせて9層(Nb2O5層:5層、SiO2層:4層)積層して、比較例2の積層体(プラスチックフイルム上に、特許文献1の実施例1相当の熱線反射層を積層したもの)を得た。
(密着力の測定)
実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルム、及び比較例2で得た積層体を使用し、JIS R 5600−5−6(クロスカット法)に準拠して、実施例1、及び実施例2で得た本発明の窓貼用赤外線遮断フイルムの光学調整層表面、及び比較例2で得た積層体のNb2O5層とSiO2層とが積層されている側の表面の密着力を測定した。
尚、比較例2で得た積層体は、プラスチックフイルム上に、Nb2O5層とSiO2層とを交互に繰り返し何度も積層している為、生産性が極めて悪いものであった。
比較例2で得た積層体は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に積層したNb2O5層、またはSiO2層が、ポリエチレンテレフタレートフィルム上から剥がれていたのに対して、実施例1、及び実施例2で得た窓貼用赤外線遮断フイルムは、赤外線遮断層B、及び光学調整層が、ポリエチレンテレフタレートフィルム上から剥がれることがなかった。
Claims (8)
- プラスチックフイルムの片面または両面に、樹脂、赤外線吸収色素、及び金属酸化物微粒子を少なくとも含む赤外線遮断層、及び光学調整層が、少なくとも積層されている窓貼用赤外線遮断フイルムであって、
下記(A)〜(D)の条件すべてを満足することを特徴とする窓貼用赤外線遮断フイルム。
(A)光学調整層が、光学調整層と接する層よりも屈折率が低い層である。
(B)光学調整層が、少なくとも、水酸基を有するシロキサン樹脂とシリカ微粒子とを含む層である。
(C)光学調整層の屈折率が1.35〜1.53の範囲である。
(D)光学調整層の厚さが、0.1〜0.3μmの範囲である。 - プラスチックフイルムの片面または両面に、樹脂と赤外線吸収色素とを少なくとも含む赤外線遮断層A、樹脂と金属酸化物微粒子とを少なくとも含む赤外線遮断層B、及び光学調整層が、少なくとも積層されている窓貼用赤外線遮断フイルムであって、
下記(A)〜(D)の条件すべてを満足することを特徴とする窓貼用赤外線遮断フイルム。
(A)光学調整層が、光学調整層と接する層よりも屈折率が低い層である。
(B)光学調整層が、少なくとも、水酸基を有するシロキサン樹脂とシリカ微粒子とを含む層である。
(C)光学調整層の屈折率が1.35〜1.53の範囲である。
(D)光学調整層の厚さが、0.1〜0.3μmの範囲である。 - 前記赤外線遮断層Aが、プラスチックフイルムの片面に積層され、前記赤外線遮断層Bが、プラスチックフイルムの他の片面に積層されている請求項2記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
- 前記光学調整層が、少なくとも、赤外線遮断層Bが積層されている側の面の最表層に積層されている請求項2、または3記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
- 前記光学調整層が、赤外線遮断層Bと接するようにして積層されている請求項4記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
- 前記赤外線吸収色素が、ジイモニウム系色素である請求項1から5のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
- 前記金属酸化物微粒子が、錫がドープされた酸化インジウム微粒子(ITO微粒子)である請求項1から6のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
- JIS R 3106に準拠して測定した可視光透過率が、80%以上であり、かつJIS R 3107に準拠して測定した日射透過率が、50%以下である請求項1から7のいずれか1項記載の窓貼用赤外線遮断フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014054100A JP5865412B2 (ja) | 2014-03-17 | 2014-03-17 | 窓貼用赤外線遮断フイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014054100A JP5865412B2 (ja) | 2014-03-17 | 2014-03-17 | 窓貼用赤外線遮断フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015174406A JP2015174406A (ja) | 2015-10-05 |
JP5865412B2 true JP5865412B2 (ja) | 2016-02-17 |
Family
ID=54254010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014054100A Active JP5865412B2 (ja) | 2014-03-17 | 2014-03-17 | 窓貼用赤外線遮断フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5865412B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109632260A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-04-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种红外谱段光学隔离窗口及其安装方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6630187B2 (ja) * | 2016-02-29 | 2020-01-15 | 東洋紡フイルムソリューション株式会社 | 太陽光を利用する農業ハウスにおいて用いられる熱線反射フィルム構造体 |
WO2017150165A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 農業ハウス、この農業ハウスを用いた植物の栽培方法および熱線反射フィルム構造体 |
JP2019070247A (ja) * | 2017-10-06 | 2019-05-09 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 窓用フィルム |
KR102424722B1 (ko) * | 2021-09-01 | 2022-07-25 | 이정표 | 재귀반사시트 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI317751B (en) * | 2005-12-30 | 2009-12-01 | Ind Tech Res Inst | Infrared cut-off hard coating, method of forming the same and multi-functional optical film thereof |
JP4969168B2 (ja) * | 2006-07-11 | 2012-07-04 | 日本カーリット株式会社 | 熱線遮蔽フィルム |
JP5358976B2 (ja) * | 2008-02-29 | 2013-12-04 | 大日本印刷株式会社 | 近赤外線吸収材 |
JP2010159359A (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Toray Ind Inc | 低屈折率コーティング材料および反射防止フィルム |
JP2013169714A (ja) * | 2012-02-21 | 2013-09-02 | Dainippon Printing Co Ltd | 赤外線抑制物品 |
JP2014170171A (ja) * | 2013-03-05 | 2014-09-18 | Toppan Printing Co Ltd | 反射防止機能を有する透明遮熱フィルム |
-
2014
- 2014-03-17 JP JP2014054100A patent/JP5865412B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109632260A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-04-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种红外谱段光学隔离窗口及其安装方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015174406A (ja) | 2015-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2017131174A1 (ja) | 透明スクリーン機能を備えた透明遮熱断熱部材 | |
JP5865412B2 (ja) | 窓貼用赤外線遮断フイルム | |
WO2018074527A1 (ja) | 透明遮熱断熱部材 | |
AU2014266268A2 (en) | Infrared-shielding sheet, method for manufacturing same, and application for same | |
JPWO2015093413A1 (ja) | 光反射フィルムおよびこれを用いた光反射体 | |
WO2014010562A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルム | |
JPWO2013111735A1 (ja) | 光学フィルム | |
JP5499837B2 (ja) | 熱線遮蔽フィルム | |
JP2013202844A (ja) | ハードコート基材及びそれを用いた透明導電性フィルム | |
JP6834984B2 (ja) | 光学反射フィルム | |
JPWO2013151136A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体 | |
JP2008247623A (ja) | 熱線遮断ガラス | |
JP2014201450A (ja) | 熱線遮断性合わせガラス及び熱線遮断性合わせガラスの製造方法 | |
JP5453113B2 (ja) | ナノ粒子を含む層構造 | |
WO2015182639A1 (ja) | 合わせガラス用フィルム及び合わせガラス | |
KR101559966B1 (ko) | 유리창 부착용 필름 및 그 제조방법 | |
JP6326780B2 (ja) | 窓貼り用フィルム | |
JP6683249B2 (ja) | 光学反射フィルム | |
JP2015150851A (ja) | 機能性フィルムの製造方法 | |
KR20110032677A (ko) | 열 및 자외선 차단 필름 | |
JP2019061026A (ja) | 光学体、及び窓材 | |
JP2015125168A (ja) | 誘電体多層膜フィルム | |
EP3760434A1 (en) | Heat ray shielding structure, laminated glass including same, and manufacturing method thereof | |
JP6414081B2 (ja) | 光学反射フィルム | |
JP2018173608A (ja) | 熱線遮蔽部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150731 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5865412 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |