[go: up one dir, main page]

JP5863265B2 - 光学素子および多層回折光学素子 - Google Patents

光学素子および多層回折光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5863265B2
JP5863265B2 JP2011086139A JP2011086139A JP5863265B2 JP 5863265 B2 JP5863265 B2 JP 5863265B2 JP 2011086139 A JP2011086139 A JP 2011086139A JP 2011086139 A JP2011086139 A JP 2011086139A JP 5863265 B2 JP5863265 B2 JP 5863265B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
optical element
refractive index
resin
diffractive optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011086139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012220711A (ja
Inventor
宇久田 秀雄
秀雄 宇久田
英史 岩佐
英史 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2011086139A priority Critical patent/JP5863265B2/ja
Priority to PCT/JP2012/002230 priority patent/WO2012137452A1/en
Publication of JP2012220711A publication Critical patent/JP2012220711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5863265B2 publication Critical patent/JP5863265B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1866Transmission gratings characterised by their structure, e.g. step profile, contours of substrate or grooves, pitch variations, materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/0073Optical laminates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/0074Production of other optical elements not provided for in B29D11/00009- B29D11/0073
    • B29D11/00769Producing diffraction gratings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

本発明はカメラやビデオ等に使用される光学素子および多層回折光学素子に関するものである。
従来から光の屈折を利用した屈折光学系では、分散特性の異なる硝材からなるレンズを組み合わせることによって色収差を減らしている。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとし、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。しかしながら、レンズの構成や枚数が制限される場合や、使用される硝材が限られている場合などでは、色収差を十分に補正することが困難な場合があった。
非特許文献1には、屈折面を有する屈折光学素子と回折格子を有する回折光学素子とを組み合わせて用いることで、少ないレンズの枚数で色収差を抑制することが開示されている。
これは、光学素子としての屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対する色収差の発生する方向が、逆になるという物理現象を利用したものである。また回折光学素子に連続して形成された回折格子の周期を変化させることで、非球面レンズと同等の特性を発現することができる。
しかしながら、回折光学素子に入射した1本の光線は、回折作用により各次数の複数の光に分かれる。この時、設計次数以外の回折光は、設計次数の光線とは別な所に結像してフレアの発生要因となる。
特許文献1には、相対的に低屈折率高分散な光学材料と高屈折率低分散な光学材料を用いて使用波長領域の光束を特定の次数(以後設計次数と言う)に集中させることで、それ以外の回折次数の回折光の強度を低く抑え、フレアの発生を防止している。
また、特許文献1では、広い波長範囲で高い回折効率を有する構成を得るために、相対的に低屈折率高分散な光学材料に屈折率が低く(nが1.48<n<1.57)かつ屈折率分散が高く(アッベ数《ν》が14<ν<28)かつ2次分散特性の低い(《θgF》が0.34<θgF<0.47)性質の材料と、相対的に高屈折率低分散な光学材料に屈折率が高く(nが1.54<n<1.63)かつ屈折率分散が高い(アッベ数《ν》が44<ν<57)性質の材料を紫外線硬化等により、形状を付与することにより可視領域全域における回折効率を向上させている。
特許文献1における低屈折率高分散な光学材料は、屈折率分散が高く、2次分散特性の低い性質を示す透明導電性金属酸化物を、低屈折率のバインダー樹脂に微粒子として混合・分散させた複合材料を紫外線により硬化する事により得られる。また、透明導電性金属酸化物としては、ITO等の透明導電性金属酸化物が用いられている。
特開2008−203821号公報
A.D.Kathman and S.K.Pitalo、「Binary Optics in Lens Design」、International Lens Design Conference」、1990、SPIE Vol.1354、p297から309
ITO等の透明導電性微粒子の分散材料を一部に用いた多層回折光学素子は、可視域全体の高い回折効率状態を示す。しかしながら、使用環境下で、ITO分散材料の光学特性が変動する。その事により、多層回折光学素子の可視域全体の高い回折効率の状態がなくなる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、可視域全体の高い回折効率状態を経時変化することなく維持することができる光学素子および多層回折光学素子を提供するものである。
上記の課題を解決する光学素子は、2つの透明基板の間に樹脂層を有する光学素子であって、一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成された第1の層と、酸素透過する第2の層とが積層されており、前記第2の層と他方の透明基材の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、前記酸素を供給する閉鎖空間の酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする。
また、上記の課題を解決する光学素子は、2つの透明基板の間に樹脂層を有する光学素子であって、一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成された第1の層を有し、前記第1の層と他方の透明性基材の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、前記酸素を供給する閉鎖空間に含有される酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする。
上記の課題を解決する多層回折光学素子は、2つの透明基板の間に樹脂層が設けられた多層回折光学素子であって、一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成されており、回折格子形状を有する第1の層と、酸素透過する、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第2の層とが、前記第1の層と前記第2の層の回折格子形状が対向するように積層されており、前記第2の層と他方の透明基板の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、前記酸素を供給する閉鎖空間に含有される酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする。
上記の課題を解決する多層回折光学素子は、2つの透明基板の間に樹脂層が設けられた多層回折光学素子であって、回折格子形状を有し、高屈折低分散材料からなる一方の透明基板上にインジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成されており、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第1の層が、前記一方の透明基板と前記第1の層の回折格子形状が対向するように積層されており、前記第1の層と他方の透明基板の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、
前記酸素を供給する閉鎖空間に含有される酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、可視域全体の高い回折効率状態を経時変化することなく維持することができる光学素子および多層回折光学素子を提供することができる。
本発明の多層回折光学素子の一実施態様を示す模式的図である。 本発明の多層回折光学素子の他の実施態様を示す模式的図である。 本発明の多層回折光学素子の一実施態様を示す模式的図である。 本発明の多層回折光学素子の他の実施態様を示す模式的図である。 屈折率測定用サンプルの作製方法を示す模式図である。 回折効率の評価用多層回折光学素子の作製方法を示す模式図である。 回折効率の評価用多層回折光学素子の作製方法を示す模式図である。 実施例の屈折率測定用サンプル構造を示す模式図である。 実施例の回折効率の評価用多層回折光学素子の構造を示す模式図である。 比較例1の屈折率測定用サンプル構造を示す模式図である。 比較例1の回折効率の評価用多層回折光学素子の構造を示す模式図である。
光学素子の作製において、ITO微粒子および単量体を含有する樹脂組成物に紫外線および短波長の可視光を照射して硬化させて樹脂からなる光学材料を作製する。通常の使用下においては、紫外線および短波長の可視光による樹脂の光化学反応により、ラジカルが発生する。発生したラジカルはITO微粒子にトラップされ、ITOのキャリアとして作用する。この際に、ラジカルによりITOは還元され、屈折率、光の吸収等の光学特性が変動して影響を与える。具体的には、可視域の長波長側(λ=500から700nm)の屈折率・吸収が大きく変化する。その結果、初期の光学素子の高回折効率状態がITO分散材料の屈折率変動により、回折条件からずれ、回折効率が悪化する。
本発明者らは、大気中の酸素を取り込んでITO分散材料に接触させることにより、ITO微粒子にトラップされたラジカルを酸素により消滅させ、還元状態のITOを酸化して元の状態に戻すことにより、屈折率、光の吸収等の光学特性を改善することを見出した。
本発明に係る光学素子は、透明基板上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含有する樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した第1の層と、酸素透過する第2の層とが積層されており、かつ前記第2の層の上に酸素を供給する空間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る光学素子は、透明基板上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含有する樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した第1の層を有し、前記第1の層の上に酸素を供給する空間が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る多層回折光学素子は、透明基板上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含む樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した樹脂よりなる、回折格子形状を有する第1の層と、酸素透過する、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第2の層とが、前記第1の層と前記第2の層の回折格子形状が対向するように積層されており、かつ前記第2の層の上に酸素を供給する空間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る多層回折光学素子は、回折格子形状を有し、高屈折低分散材料からなる透明基板上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含む樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した樹脂からなり、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第1の層が、前記透明基板と前記第1の層の回折格子形状が対向するように積層されており、かつ前記第1の層の上に酸素を供給する空間が設けられていることを特徴とする。
上記の様に、本発明の光学素子において、第2の層の上に酸素を供給する空間をもつことにより、透明導電性物質を分散した材料が紫外線や光により長波長の屈折率・透過率の変動を、抑制することが出来る。
前記第1の層が低屈折率高分散材料からなり、前記第2の層が高屈折低分散材料からなることが好ましい。
前記第1の層及び第2の層がエネルギー硬化型の樹脂からなり、前記樹脂がアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂から選ばれる少なくとも一種からなるラジカル硬化型の樹脂であることが好ましい。
以下、本発明に係る光学素子を詳細に説明する。
本発明に係る光学素子は、透明基板上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含有する樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した第1の層と、酸素透過する第2の層とが積層されており、かつ前記第2の層の上に酸素を供給する空間が設けられていることを特徴とする。
透明基板には、例えばガラス基板およびガラスレンズ等が用いられる。
(第1の層について)
本発明において、第1の層を形成するための樹脂組成物は、透明導電性物質からなる微粒子、単量体、分散溶媒、表面処理剤、分散剤(界面活性剤)、単量体等を含有する組成物からなる。
本発明の第1の層を構成する樹脂に含有される微粒子の透明導電性物質の好適な例としては、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、インジウム錫酸化物(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、及び、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)が挙げられる。特に、インジウム錫酸化物(ITO)を用いることが好ましい。インジウム錫酸化物(ITO)は現存する物質の中で2次分散特性(θgF)が小さく中で最も透明性を維持する物質である。ただし、これは将来、2次分散特性(θgF)が小さくインジウム錫酸化物(ITO)よりも透明性な物質が出現した際、その使用を限定するものではない。
またベース樹脂となる単量体、前記微粒子を、あらかじめ分散させておく溶媒に適応させて、微粒子表面に種々の表面処理剤、分散剤を用いることが好適である。
微粒子の平均粒径としては、光透過率、光学散乱等に悪影響を及ぼさない大きさの粒子径であることが望ましく、1nm以上100nm以下、好ましくは2nm以上30nm以下、特に2nm以上20nm以下の範囲であることが好ましい。しかし例えば平均粒径が20nm以下であっても、微粒子の凝集した場合も含めて、粒子径の分布が幅広く30nmより大きな粒子径の粒子が体積分率で全微粒子の5%以上の割合になると光学散乱に大きな悪化の影響を及ぼす。その場合には、取り除きたい粒子サイズより比較的小さな細孔を持つフィルターで濾過処理をして、不要な大きな微粒子を取り除くことが好ましい。微粒子を取り除く時期は、ベース樹脂を混ぜる前の溶媒に微粒子が分散した状態(微粒子分散液)か、若しくは微粒子分散液にベース樹脂を溶解させた状態か、若しくは粘度により可否はあるが、前記状態で溶媒を除去してベース樹脂と微粒子の無溶媒系にした状態が好ましい。
微粒子には必要に応じて表面処理を施しておくことが望ましい。各表面処理は微粒子の合成、作製段階で行っても良いし、単独で微粒子を得た後に別途行っても良い。
前記第1の層を形成するための樹脂組成物における前記透明導電性物質からなる微粒子の体積含有率が1vol.%以上29vol.%以下、好ましくは5vol.%以上23vol.%以下であることが望ましい。
本発明に用いる分散溶媒の例としては、バインダー成分を溶解するため若しくは微粒子を溶媒に分散させておくため、必要に応じて表面処理剤、分散剤を溶解させるため、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、DMAc、NMP等のアミド系、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ブチルカルビトール等のエチル類、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。用いる微粒子の親和性、表面処理剤、分散剤の親和性に合わせて分散溶媒を選択することができ、また有溶媒は1種類のみで使用することもできるし、分散性を損なわない範囲において2種類以上を併用して使用することもできる。分散溶媒は樹脂組成物の作成工程で除去される。
第1の層を形成するための樹脂組成物に含有される分散溶媒の含有量は、第1の層を形成する樹脂組成物に対して0.2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下が望ましい。
また、本発明において微粒子を凝集しないよう均一に分散させるための表面処理剤、分散剤(界面活性剤)に関しては以下のものが望ましい。一般に表面処理剤、分散剤を用いて微粒子を溶媒、樹脂等に分散する場合、添加する表面処理剤、分散剤の種類、添加量、分子量、極性、親和性等によって全く異なった分散状態を示すことが知られている。本発明に使用する表面処理剤、分散剤としては顔料の誘導体や樹脂型や活性剤型のものを好適に用いることができる。ここで表面処理剤、分散剤としては、カチオン系、弱カチオン系、ノニオン系あるいは両性界面活性剤が有効である。特にポリエステル系、ε−カプロラクトン系、ポリカルボン酸塩、ポリリン酸塩、ハイドロステアリン酸塩、アミドスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、オレフィンマレイン酸塩共重合物、アクリル−マレイン酸塩共重合物、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル系、シリコーン系、フッ素系を用いることができるが、本発明においてはアンモニアよび有機アミン類から選択される少なくとも一種の塩基系のものを用いることが好適である。具体的にはディスパービックシリーズ(ビッグケミー・ジャパン社製)の中ではディスパービック161、162、163、164、ソルスパースシリーズ(ゼネガ社製)の中ではソルスパース3000、9000、17000、20000、24000、41090あるいはTAMNシリーズ(日光ケミカル社製)の中ではTAMN−15等のアルキルアミンのPO若しくはEO変成物がある。また、分散剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
第1の層を形成するための樹脂組成物に含有される表面処理剤、分散剤の含有量は、大きく分けて表面処理剤、分散剤の種類、微粒子の種類、微粒子の表面積(微粒子径)、微粒子を混合する分散樹脂の種類等、分散溶媒の種類に応じて異なってくるが、微粒子の重量に対して0.1重量%以上25.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以上20.0重量%以下の範囲であることが望ましい。分散剤の添加量が25.0重量%より多すぎると白濁の原因となり光学的散乱が生じてしまうため、また微粒子を含有して得られた組成物の特性(屈折率、アッベ数、2次分散特性、弾性率等)を必要以上に低下させる。
本発明においてベース樹脂としてのバインダー成分である単量体の選択としては前記透明導電性を有する金属酸化物微粒子が分散等している溶媒、表面処理剤、分散剤に良好に相溶するものが望ましい。
単量体としては分子内に1個以上の2重結合や3重結合を有するものであれば、特に限定はされないが、不飽和基含有化合物の単量体又はオリゴマーの具体的な例としては、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4,4−ジメチル−ヘプタ−1−エン−6−イン、ジビニルベンゼン、1,6−ジビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、エトキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、プロポキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、クリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−417G8号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
フッ素系の場合、好適な樹脂の例としては、フッ素アクリル系、フッ素メタクリル系、フッ素エポキシ系、フッ素ビニル系の単量体が挙げられる。具体的には2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロへキサン1,6−ジアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロへキサン1,6−ジメタクリレート、ヘキサフルオロエポキシプロパン、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニロキシ)−1,2−エポキシプロパン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン等の単量体、及びそれらに類するものが挙げられる。
それら単量体のいずれか一種に特に制限されるものではなく、重合体のフッ素樹脂を選択しても良い。またコポリマーとしてはセントラル硝子(株)の中では、No.702C、703C、704C、705C、706C、707Cに類するものが挙げられる。
バインダー成分中の分子内に重合官能基を有するフッ素系単量体は一種類のみで使用することもできるし、二種類以上を併用して使用することもできる。また、先に述べたアクリレートやメタクリレートとの二種類以上を併用して用いることもできる。
第1の層を形成するための樹脂組成物に含有される単量体の含有量は、第1の層を形成する樹脂組成物に対して30重量%以上99重量%以下、好ましくは37重量%以上78重量%以下が望ましい。
エネルギー硬化の方法としてはプラズマ処理、熱処理、放射性、紫外線等のエネルギーにより開始剤を刺激して重合させることが可能であるが、レンズ等のレプリカ成形を考えた場合、光硬化であることが好ましい。具体的に利用可能な光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ビス(2,46,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン等を好適なものとして挙げることができる。硬化した樹脂の透明性を考慮した場合、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを用いるのが好ましい。
本発明にかかる樹脂の硬化・成形に利用する場合、可視光に吸収を有する微粒子の添加量によっても異なってくるが、バインダー成分に対して、光重合開始剤の添加量は0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲に選択することが好ましい。光重合開始剤はバインダー成分との反応性、光照射の波長によって1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
(第2の層について)
本発明において、酸素透過する第2の層を形成するための高屈折率低分散な樹脂組成物は、高屈折率低分散な物質からなる微粒子、単量体、分散溶媒、表面処理剤、分散剤(界面活性剤)、単量体を含有する組成物からなる。
本発明の第2の層を構成する樹脂に含有される微粒子の高屈折率低分散の好適な例としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等があげられる。ただし、これは将来、高屈折率低分散な物質が出現した際、その使用を限定するものではない。また、第2の層に樹脂にフッ素樹脂等を用いた場合、その屈折率差より屈折率を高める微粒子が不要な場合もある。
またベース樹脂となる単量体、前記微粒子を、あらかじめ分散させておく溶媒に適応させて、微粒子表面に種々の表面処理剤、分散剤を用いることが好適である。
微粒子の平均粒径としては、光透過率、光学散乱等に悪影響を及ぼさない大きさの粒子径であることが望ましく、1nm以上100nm以下、好ましくは2nm以上30nm以下、特に2nm以上20nm以下の範囲であることが好ましい。しかし例えば平均粒径が20nm以下であっても、微粒子の凝集した場合も含めて、粒子径の分布が幅広く30nmより大きな粒子径の粒子が体積分率で全微粒子の5%以上の割合になると光学散乱に大きな悪化の影響を及ぼす。その場合には、取り除きたい粒子サイズより比較的小さな細孔を持つフィルターで濾過処理をして、不要な大きな微粒子を取り除くことが好ましい。微粒子を取り除く時期は、ベース樹脂を混ぜる前の溶媒に微粒子が分散した状態(微粒子分散液)か、若しくは微粒子分散液にベース樹脂を溶解させた状態か、若しくは粘度により可否はあるが、前記状態で溶媒を除去してベース樹脂と微粒子の無溶媒系にした状態が好ましい。
微粒子には必要に応じて表面処理を施しておくことが望ましい。各表面処理は微粒子の合成、作製段階で行っても良いし、単独で微粒子を得た後に別途行っても良い。
前記第2の層を形成するための樹脂組成物における前記透明導電性物質からなる微粒子の体積含有率が1vol.%以上29vol.%以下、好ましくは5vol.%以上23vol.%以下であることが望ましい。
本発明に用いる分散溶媒の例としては、バインダー成分を溶解するため若しくは微粒子を溶媒に分散させておくため、必要に応じて表面処理剤、分散剤を溶解させるため、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、DMAc、NMP等のアミド系、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ブチルカルビトール等のエチル類、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。用いる微粒子の親和性、表面処理剤、分散剤の親和性に合わせて分散溶媒を選択することができ、また有溶媒は1種類のみで使用することもできるし、分散性を損なわない範囲において2種類以上を併用して使用することもできる。分散溶媒は樹脂組成物の作成工程で除去される。
第2の層を形成するための樹脂組成物に含有される分散溶媒の含有量は、第2の層を形成する樹脂組成物に対して0.2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下が望ましい。
また、本発明において微粒子を凝集しないよう均一に分散させるための表面処理剤、分散剤(界面活性剤)に関しては以下のものが望ましい。一般に表面処理剤、分散剤を用いて微粒子を溶媒、樹脂等に分散する場合、添加する表面処理剤、分散剤の種類、添加量、分子量、極性、親和性等によって全く異なった分散状態を示すことが知られている。本発明に使用する表面処理剤、分散剤としては顔料の誘導体や樹脂型や活性剤型のものを好適に用いることができる。ここで表面処理剤、分散剤としては、カチオン系、弱カチオン系、ノニオン系あるいは両性界面活性剤が有効である。特にポリエステル系、ε−カプロラクトン系、ポリカルボン酸塩、ポリリン酸塩、ハイドロステアリン酸塩、アミドスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、オレフィンマレイン酸塩共重合物、アクリル−マレイン酸塩共重合物、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル系、シリコーン系、フッ素系を用いることができるが、本発明においてはアンモニアよび有機アミン類から選択される少なくとも一種の塩基系のものを用いることが好適である。具体的にはディスパービックシリーズ(ビッグケミー・ジャパン社製)の中ではディスパービック161、162、163、164、ソルスパースシリーズ(ゼネガ社製)の中ではソルスパース3000、9000、17000、20000、24000、41090あるいはTAMNシリーズ(日光ケミカル社製)の中ではTAMN−15等のアルキルアミンのPO若しくはEO変成物がある。また、分散剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
第2の層を形成するための樹脂組成物に含有される表面処理剤、分散剤の含有量は、大きく分けて表面処理剤、分散剤の種類、微粒子の種類、微粒子の表面積(微粒子径)、微粒子を混合する分散樹脂の種類等、分散溶媒の種類に応じて異なる。表面処理剤、分散剤の含有量は、微粒子の重量に対して0.1重量%以上25.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以上20.0重量%以下の範囲であることが望ましい。分散剤の添加量が25.0重量%より多すぎると白濁の原因となり光学的散乱が生じてしまうため、また微粒子を含有して得られた組成物の特性(屈折率、アッベ数、弾性率等)を必要以上に低下させる。
本発明においてベース樹脂としてのバインダー成分である単量体の選択としては前記透明導電性を有する金属酸化物微粒子が分散等している溶媒、表面処理剤、分散剤に良好に相溶するものが望ましい。
単量体としては分子内に1個以上の2重結合や3重結合を有するものであれば、特に限定はされないが、不飽和基含有化合物の単量体又はオリゴマーの具体的な例としては、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4,4−ジメチル−ヘプタ−1−エン−6−イン、ジビニルベンゼン、1,6−ジビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、エトキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、プロポキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、クリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−417G8号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
バインダー成分中の分子内に重合官能基を有するフッ素系単量体は一種類のみで使用することもできるし、二種類以上を併用して使用することもできる。また、先に述べたアクリレートやメタクリレートとの二種類以上を併用して用いることもできる。
第2の層を形成するための樹脂組成物に含有される単量体の含有量は、第2の層を形成する樹脂組成物に対して30重量%以上99重量%以下、好ましくは37重量%以上78重量%以下が望ましい。
エネルギー硬化の方法としてはプラズマ処理、熱処理、放射性、紫外線等のエネルギーにより開始剤を刺激して重合させることが可能であるが、レンズ等のレプリカ成形を考えた場合、光硬化であることが好ましい。具体的に利用可能な光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ビス(2,46,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン等を好適なものとして挙げることができる。硬化した樹脂の透明性を考慮した場合、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを用いるのが好ましい。
本発明にかかる樹脂の硬化・成形に利用する場合、可視光に吸収を有する微粒子の添加量によっても異なってくるが、バインダー成分に対して、光重合開始剤の添加量は0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲に選択することが好ましい。光重合開始剤はバインダー成分との反応性、光照射の波長によって1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
(樹脂組成物としての光学材料の調製工程について)
次に、本発明における樹脂組成物としての光学材料の調製工程について述べる。代表して光重合可能なバインダー成分を用いた場合を記載する。
まず選択した溶媒に好適な表面処理剤若しくは分散剤を適量溶解させ、微粒子を加えせん断力を加え、微粒子の凝集体を破砕し、残った凝集体を遠心分離とフィルター処理により取り除き、均一な微粒子分散液を得る。その後、選択した光重合可能なバインダー成分及び光重合開始剤を溶解させる。バインダー成分を微粒子分散液に溶解させるにあたっては、バインダー成分の添加で微粒子の分散状態の悪化がより生じにくい溶媒、表面処理剤、分散剤の組み合わせにすることが望ましい。また必要に応じてフィルタリング処理を行い、凝集微粒子を除去することができる。完全に溶解後、微粒子の沈殿等なく好適に分散していることを確認した後、エバポレーターを用いて溶媒を除去する。この際、溶媒の沸点、残留溶媒量等に応じて減圧度を適宜調整することが望ましい。急激な溶媒の蒸発、除去により微粒子の凝集の程度を悪化させ、分散性を損なうことがある。また減圧による溶媒除去の際、必要に応じて分散性を損なわない程度に加熱することも可能である。このようにして本発明の光学材料を得る。
得られた光学材料には除去し切れなかった残留溶剤を含有することがある。その含有率が0.1重量%よりも大きいとエネルギー硬化時の微粒子移動を助長する作用があるらしく、屈折率勾配(GI)や光散乱が大きくなる。そのため残留溶媒の含有率は0.1重量%以下であることが望ましい。ただし、減圧度が高すぎると、または減圧と同時に加熱を伴うことで、若しくは長時間にわたる減圧工程を経ることで、溶媒と共に添加した表面処理剤、分散剤およびバインダー成分等の単量体類も留去される恐れがある。そのため個々の分子量、沸点、昇華性等を考慮した減圧度、温度、時間等の調整が必要である。
次に、本発明の光学素子および回折光学素子の成形において、光重合法を利用して、上記の樹脂組成物をエネルギー硬化により型成形体層を形成する過程を示す。
基板に利用する光透過性材料上に、膜厚の薄い第1および第2の層を形成する際には、例えば、ガラス平板を基板に利用する。一方、微細な回折格子構造に対応する型に金属材料を利用する際、両者の間に、流動性を示す樹脂組成物の光学材料を流し込み、軽く抑えることで、型成形を成す。その状態に保ったまま該光学材料の光重合を行う。かかる光重合反応に供する光照射は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に対応して、好適な波長の光、通常、紫外光もしくは可視光を利用して行う。例えば、前記基板に利用する光透過性材料、具体的には、ガラス平板を介して、成形されている光学材料調製用の樹脂組成物等の原料体に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
続いて、酸素透過する第2の層を積層する。可視域全体で高効率な回折光学素子として用いる場合、第2の層に用いる材料は第1の層の光学定数により決定され、第1の層に相対的に硬化後に高屈折率低分散な値を示す。第2の層の材料としては、樹脂単体を用いたり、樹脂にジルコニアやアルミナの微粒子を混合したものを用いている。
第2の層の樹脂の樹脂組成物を金型、もしくはガラス型に配置し、上記、第1の層の重合成形体(回折格子等)を軽く押し付け、その状態に保ったまま該光学材料の光重合を行う。かかる光重合反応に供する光照射は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に対応して、好適な波長の光、通常、紫外光もしくは可視光を利用して行う。例えば、前記基板に利用する光透過性材料、具体的には、第1の層の透明基板側もしくはガラス型側から、成形されている光学材料調製用の単量体等原料体に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
上記方法で第2の層の樹脂組成物を硬化した後、金型、もしくはガラス型から離型する事により、光学素子が得られる。
第2の層の膜厚が厚すぎると酸素の透過率が小さくなり、酸素透過層としての効果がなくなる。
次に、本発明を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明の多層回折光学素子の一実施態様を示す模式的図であり、上方の図は平面図、下方の図はAA線断面図である。図1(a)において、多層回折光学素子100は、透明基板3上に、透明導電性物質からなる微粒子および単量体を含む樹脂組成物をエネルギー硬化させて形成した樹脂よりなる、回折格子形状を有する第1の層2と、酸素透過する、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第2の層1とが、互いの回折格子形状が対向するように積層されて構成されている。前記第1の層2は低屈折率高分散材料からなり、前記第2の層1は高屈折低分散材料からなる。前記第2の層の上は大気中に開放され、酸素を供給する空間となっている。
本発明の多層回折光学素子を用いることで、屈折率波長分散の異なる材料からなる層複数を基板上に積層し、使用波長域全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くする設計とし、かつ、可視光もしくは紫外線による特性に変化することの無い回折光学素子を提供することが可能となる。
図1(b)は、本発明の多層回折光学素子の他の実施態様を示す模式的図である。図1(b)は、微細な回折格子構造に対応する型に金属材料の変わりに、多層回折光学素子の他の材料、具体的には相対的に高屈折率低分散材料を微細な回折格子構造に成形したものを透明基材(ガラス基板やガラスレンズ等)とし、その上に第1の層2を形成したものである。
図1(b)の構成の多層回折光学素子を用いることで、屈折率波長分散の異なる材料からなる層複数を基板上に積層し、使用波長域全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くする設計とし、かつ、可視光もしくは紫外線による特性に変化することの無い回折光学素子を提供することが可能となる。
図1(c)は、本発明の多層回折光学素子の他の実施態様を示す模式的図である。図1(c)は、図1(a)の第2の層1の上に、周囲と上下を閉鎖した、酸素を供給する空間5を設けたものである。前記酸素を供給する空間の高さ(第2の層1と透明基板3との距離)が50μm以上5mm以下で、空間に含有される酸素の濃度が10%以上100%以下(体積%)で、かつ空間に含有される水の濃度が230g/m(25℃の相対湿度10%)以下であることが好ましい。その空間の水の濃度を230g/m(25℃の相対湿度10%)以下に保つ為、空間5の端部はスペーサ4および封止剤6により、外部からの水分の侵入を遮断している。封止剤としては封止材料OE−6450A/B(東レダウコーニング)等が挙げられる。
本発明における図1(c)に示す構成の多層回折光学素子を用いることで、屈折率波長分散の異なる材料からなる層複数を基板上に積層し、使用波長域全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くする設計とし、かつ、可視光もしくは紫外線による特性に変化、および、吸湿による特性変化がない、回折光学素子を提供することが可能となる。
図1(d)は、本発明の多層回折光学素子の他の実施態様を示す模式的図である。図1(d)は、図1(b)の多層回折光学素子の第1層2の上に、周囲と上下を閉鎖した、酸素を供給する空間5を設けたものである。前記酸素を供給する空間の高さ(第1の層2と透明基板3との距離)が50μm以上5mm以下で、空間に含有される酸素の濃度が10%以上100%以下(体積%)で、かつ空間に含有される水の濃度が230g/m(25℃の相対湿度10%)以下であることが好ましい。その空間の水分濃度を230g/m(25℃の相対湿度10%)以下に保つ為、図1(d)に示す様に、空間5の端部はスペーサ4および封止剤6により、外部からの水分の侵入を遮断している。
図1(d)に示す構成の多層回折光学素子を用いることで、屈折率波長分散の異なる材料からなる層複数を基板上に積層し、使用波長域全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くする設計とし、かつ、可視光もしくは紫外線による特性に変化、および、吸湿による特性変化がない、回折光学素子を提供することが可能となる。
以下に本発明における光学材料の調製について具体的に説明する。
参考例
〔低屈折率高分散材料11の調整〕
まず、キシレン溶媒にインジウム錫酸化物(ITO)を分散した微粒子分散液(平均粒経20nmのインジウム錫酸化物濃度9.96w%、分散剤量2.19w%)を51.63gと、紫外線硬化型アクリル系樹脂として、トリス(2―アクリロキシエチル)イソシアヌレート20w%、ペンタエリスリトールトリアクリレート25w%、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート40w%、ウレタン変性ポリエステルアクリレート13w%、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物3.72gとを混合した。この混合溶液をエバポレーターに入れ、最終的にはオイルバス温度45℃ 設定気圧2hPas、15時間にてキシレン溶剤を除去し、低屈折率高分散材料11を調製した。
なお、インジウム錫酸化物(ITO)の粒径は、レーザー方式の粒度分布計(ELS:大塚電子)で測定を行った。
また、TGA(パーキンエルマー製)にて、低屈折率高分散材料11を焼成し、低屈折率高分散材料11中の無機固形分量を定量した。51.2重量%であった。
残留溶剤(キシレン)の測定は、ガスクロマトグラフィー(5890 seriesII:Hewlett Packard製)で行い、0.015w%であった。
〔高屈折率低分散材料21の調整〕
トルエン溶媒に酸化ジルコニウムを分散した微粒子分散液(平均粒経10nmの酸化ジルコニウム濃度10.11w%、分散剤量2.27w%)を160.2gと、紫外線硬化型アクリル系樹脂として、トリス(2―アクリロキシエチル)イソシアヌレート20w%、ペンタエリスリトールトリアクリレート25w%、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート40w%、ウレタン変性ポリエステルアクリレート13w%、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物9.41gとを混合した。この混合溶液をエバポレーターに入れ、最終的にはオイルバス温度45℃、設定気圧3hPas、15時間にてトルエン溶剤を除去し、高屈折率低分散材料21を調製した。
なお、酸化ジルコニウムの粒径は、レーザー方式の粒度分布計(ELS:大塚電子)で測定を行った。
また、TGA(パーキンエルマー製)にて、高屈折率低分散材料21を焼成し、高屈折率低分散材料21中の無機固形分量を定量した。53.7重量%であった。
残留溶剤(キシレン)の測定は、ガスクロマトグラフィー(5890 seriesII:Hewlett Packard製)で行い、0.005w%以下であり検出限界以下であった。
〔光学特性の評価〕
低屈折率高分散材料11、高屈折率低分散材料21の光学特性の評価は以下の様に行った。
<屈折率>
各光学素子の屈折率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
図2は、屈折率測定用サンプルの作製方法を示す模式図である。まず、図2(a)に示すように、厚さ1mmの高屈折ガラス(S−TIH11:オハラ製)7の上に、厚さ12.5μmのスペーサー10と測定材料8(低屈折率高分散材料11)を配置した。その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー10を介して載せ、測定材料8を押し広げた。これを、20mW/cm(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料8を硬化した。硬化した後、石英ガラス9をはがし、80℃、72時間でアニールした。その後、図2(b)の様に50μmのスペーサー11と測定材料12(高屈折率低分散材料21)を配置し、その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー11を介して載せ、測定材料12を押し広げてサンプルとした。これを、20mW/cm(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料12を硬化した。硬化した後、石英ガラス9をはがし、80℃72時間でアニールしたものを屈折率測定用サンプルとした。図2(c)に測定用サンプルの構成を示す。
硬化したサンプルは、屈折計(KPR−30、(株)島津製作所)を用いて、高屈折率ガラス4側からg線435.8nm、f線486.1nm、e線546.1nm、d線587.6nm、c線656.3nmの屈折率を測定した。また、測定した屈折率より、アッペ数を算出した。
<多層回折光学素子>
次に、低屈折率高分散材料11で回折光学形状を成形し、空間を空ける事無く、高屈折率低分散材料21を積層し多層回折光学素子を作成し、その評価を行なった。
<多層回折格子の作成>
図3および図4は、回折効率の評価用多層回折光学素子の作製方法を示す模式図である。まず、図3(a)に示す様に、回折格子形状の金型13の上に測定材料8(低屈折率高分散材料11)、その上に2mm平板ガラス14を配置した。14.2mW/cm、211秒の条件と、20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、80℃、72時間、大気中でアニールして、回折格子を作成した。アニール後に測定した回折格子の格子高さは11.7μm、ピッチは80μmであった(図3(b)。
次に、平板ガラス14上に成形された測定材料8を、平板ガラス14とともに成形治具16にセットし、次いで測定材料8上に測定材料12(高屈折率低分散材料21)を滴下した(図4(a))。その上に平板ガラス14をのせ、樹脂の厚みが格子の高さよりも30μm高くになるように押し広げサンプルとした。(図4(b))。このサンプルに、14.2mW/cm、211秒の条件と、20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。その後、平板ガラス14を外し、80℃72時間にアニールし、多層回折光学素子作成した。図4(c)に多層回折格子の構成を示す。
<回折効率の評価>
回折効率は、スポット光を上記の多層回折光学素子にあて、受光部密着して、すべての透過光の光量を測定した後、設計次数(1次の回折光)の光量を測定し、その光量比(設計次数の光量/全透過光光量)を回折効率と定義した。
<耐光性の評価>
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される屈折率測定サンプルおよび多層回折光学素子を、耐光試験機(キセノンウェザーメーターX75スガ試験機株式会社製)にて5mW(300から400nmの照射強度)、100時間にて耐光試験を行った。その後、屈折率測定サンプルの屈折率、および多層回折光学素子の回折効率を測定した。
<高温高湿耐久性の評価>
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される屈折率測定サンプルおよび多層回折光学素子を高温高湿試験機(小型環境試験機IW241、ヤマト科学製)にて60℃、90%、500時間にて高温高湿試験を行った。その後、屈折率測定サンプルの屈折率、および多層回折光学素子の回折効率を測定した。
<評価結果>
(1)初期評価結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子11は可視域全体の回折効率が99%以上となる。
からnは屈折率、νはアッペ数、θgFは部分分散比(2次分散)を表す。(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6037,1.5916,1.5809,1.5740,1.5640)
(ν,θgF)=(20.8,0.44)
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.641,1.633,1.627,1.623,1.619)
(ν,θgF)=(43.9,0.57)
(2)耐光性評価結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子11は可視域全体の回折効率が99%以上と初期に対して大きな変動はない。
(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6027,1.5909,1.5802,1.5733,1.5632)
(ν,θgF)=(20.7,0.43)
初期に対して屈折率変動が−0.0007〜−0.0010であった。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6416,1.6336,1.6271,1.6237,1.6196)
(ν,θgF)=(43.9,0.57)
初期に対して屈折率変動が+0.0003〜+0.0005であった。
(3)高温高湿耐久性評価の結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子11は可視域全体の回折効率が98%以上と初期に対して1から2%変動する。
(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6015,1.5895,1.5787,1.5720,1.5621)
(ν,θgF)=(20.9,0.44)
初期に対して屈折率変動が−0.0019〜−0.0022であった。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6364,1.6285,1.6219,1.6186,1.6143)
(ν,θgF)=(43.7,0.56)
初期に対して屈折率変動が−0.0046〜−0.0049であった。
実施例
参考例1と異なり、屈折率評価サンプルおよび、多層回折光学素子上に酸素を供給する空間の高さ(図5の測定材料12と9石英ガラス9との距離)が50μm以上5mm以下の空間を設け、水分が入ってこない様に、周りを封止剤により封止した。
〔光学特性の評価〕
低屈折率高分散材料11、高屈折率低分散材料21の光学特性の評価は以下の様に行った。
<屈折率測定用サンプルの作成>
各光学素子の屈折率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
まず、図2(a)に示すように、厚さ1mmの高屈折ガラス(S−TIH11:オハラ製)7の上に、厚さ12.5μmのスペーサー10と測定材料8(低屈折率高分散材料11)を配置した。その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー10を介して載せ、測定材料8を押し広げた。これを、20mW/cm(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料8を硬化した。硬化した後、石英ガラス9をはがし、80℃、72時間でアニールした。その後、図2(b)の様に50μmのスペーサー11と測定材料12(高屈折率低分散材料21)を配置し、その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー11を介して載せ、測定材料12を押し広げてサンプルとした。これを、20mW/cm(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料12を硬化した。硬化した後、石英ガラス9をはがし、80℃、72時間でアニールした。
その後、図5に示す様に、75μmから5mmのスペーサー17を介して、石英ガラス9を載せ、封止剤18(LED用封止材料OE−6450A/B)を配し、80℃、24時間で封止剤18硬化させ、25μmから5mmの酸素を供給する空間19を配した屈折率測定サンプルを作成した。
その屈折率測定サンプル構成を図5示す。
・屈折率測定サンプル12−0は75μmスペーサー17を用いて25μmの酸素を供給する空間を配した屈折率測定サンプルを作成した。
・屈折率測定サンプル12−1は100μmスペーサー17を用いて50μmの酸素を供給する空間を配した多屈折率測定サンプルを作成した。
・屈折率測定サンプル12−2は150μmスペーサー17を用いて100μmの酸素を供給する空間を配した多屈折率測定サンプルを作成した。
・屈折率測定サンプル12−3は500μmスペーサー17を用いて450μmの酸素を供給する空間を配した多屈折率測定サンプルを作成した。
・屈折率測定サンプル12−4は1mmスペーサー17を用いて950μmの酸素を供給する空間を配した多屈折率測定サンプルを作成した。
・屈折率測定サンプル12−5は5mmスペーサー17を用いておおよそ5mmの酸素を供給する空間を配した多屈折率測定サンプルを作成した。
硬化したサンプルは、屈折計(KPR−30、(株)島津製作所)を用いて、高屈折率ガラス4側からg線435.8nm、f線486.1nm、e線546.1nm、d線587.6nm、c線656.3nmの屈折率を測定した。また、測定した屈折率より、アッペ数を算出した。
<多層回折格子の作成12>
図3に示す様に、まず、回折格子形状の金型13の上に測定材料8(低屈折率高分散材料11)、その上に2mmガラス基板14を配置した。14.2mW/cm、211秒の条件と20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、80℃、72時間、大気中でアニールして、回折格子を作成した。
アニール後に測定した回折格子の格子高さは11.7μm、ピッチは80μmであった。
次に、図4に示す様に、平板ガラス14上に成形された測定材料8を、平板ガラス14とともに成形治具16にセットし、次いで測定材料8上に測定材料12(高屈折率低分散材料21)を滴下した(図4(a))。その上に平板ガラス14をのせ、樹脂の厚みが格子の高さよりも30μm高くになるように押し広げサンプルとした。(図4(b))。このサンプルに、14.2mW/cm、211秒の条件と20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した後、平板ガラス14を外し、80℃72時間にアニールし、多層回折光学素子作成した。図4(c)に多層回折格子の構成を示す。
その後、75μmから5mmのスペーサー17を介して、平板ガラス14を載せ、封止剤18(LED用封止材料OE−6450A/B)を配し、80℃、24時間で硬化し、50μmから5mmの酸素を供給する空間19を配した多層回折光学素子を作成した。図6にその多層回折光学素子の構成の概要を示す。
以下にその多層回折光学素子の構成を示す。
・多層回折格子12−0は75μmスペーサー17を用いて25μm酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した(参考例2)
・多層回折格子12−1は100μmスペーサー17を用いて50μm酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した。
・多層回折格子12−2は150μmスペーサー17を用いて100μm酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した。
・多層回折格子12−3は500μmスペーサー17を用いて450μm酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した。
・多層回折格子12−4は1mmスペーサー17を用いて950μm酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した。
・多層回折格子12−5は5mmスペーサー17を用いておおよそ5mmの酸素を供給する空間を配した多層回折光学素子を作成した。
<回折効率の評価>参考例1の方法に準ずる
<耐光性の評価>
参考例1の方法に準ずる
<高温高湿耐久性の評価>
参考例1の方法に準ずる
<評価結果>
(1)初期評価結果
多層回折光学素子12−0、12−1、12−2、12−3、12−4、12−5は可視域全体の回折効率が99%以上となる。
(屈折率および光学定数)
屈折率測定サンプル:12−0、12−1、12−2、12−3、12−4、12−5の結果
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6037,1.5916,1.5809,1.5740,1.5640)
(ν,θgF)=(20.9,0.44)
Δn=±0.0003となり、大きな違いは見受けられない。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.641,1.633,1.627,1.623,1.619)
(ν,θgF)=(43.9,0.57)
Δn=±0.0003となり、大きな違いは見受けられない。
(2)耐光性評価結果
多層回折光学素子12−1、12−2、12−3、12−4、12−5は可視域全体の回折効率が99%以上と初期に対して大きな変動はない。
多層回折光学素子12−0は可視域全体の回折効率が98%以上と初期に対して1〜2%変動する。
(屈折率および光学定数)
屈折率測定サンプ12−1、12−2、12−3、12−4、12−5は、低屈折率高分散材料11および高屈折率低分散材料21の変動が、初期値に対してΔn=±0.0003と大きな変化はない。
(参考例2)
屈折率測定サンプ12−0は、高屈折率低分散材料21の変動は初期値に対してΔn=−0.0002と大きな変化はない。
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6019,1.5898,1.5786,1.5714,1.5606)
(ν,θgF)=(19.6,0.42)
初期に対してΔn=−0.0018〜−0.0034と大きい。
(3)高温高湿耐久性評価の結果
多層回折光学素子12−0、12−1、12−2、12−3、12−4、12−5は可視域全体の回折効率が99%以上と初期に対して大きな変動はない。
(屈折率および光学定数)
屈折率測定サンプ12−0、12−1、12−2、12−3、12−4、12−5は、低屈折率高分散材料11および高屈折率低分散材料21の変動が、初期値に対してΔn=±0.0003と大きな変化はない。
比較例1
参考例1と異なり、屈折率測定用サンプルおよび多層回折光学素子を作成する際、石英ガラス9および平板ガラス14を外さなかった。
<屈折率測定サンプル13の作成>
各光学素子の屈折率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
まず、図2(a)に示すように、厚さ1mmの高屈折ガラス(S−TIH11:ホヤ製)7の上に、厚さ12.5μmのスペーサー10と測定材料8(低屈折率高分散材料11)を配置した。その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー10を介して載せ、測定材料8を押し広げた。これを、20mW/cm2(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料8を硬化した。硬化した後、石英ガラス9をはがし、80℃、72時間でアニールした後、図2(b)の様に50μmのスペーサー11と測定材料12(高屈折率低分散材料21)を配置し、その上に厚みが1mmの石英ガラス9をスペーサー11を介して載せ、測定材料12を押し広げてサンプルとした。これを、20mW/cm(石英ガラスを通した照度)、1300秒の条件(26J)で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、測定材料12を硬化した。
硬化した後、参考例1とは異なり、石英ガラス9をはがさず、80℃72時間でアニールしたものを測定用サンプルとした。
図7に測定用サンプルの構成を示す。
硬化したサンプルは、屈折計(KPR−30、(株)島津製作所)を用いて、高屈折率ガラス4側からg線435.8nm、f線486.1nm、e線546.1nm、d線587.6nm、c線656.3nmの屈折率を測定した。また、測定した屈折率より、アッペ数を算出した。
<多層回折光学素子>
次に、低屈折率高分散材料11で回折光学形状を成形し、空間を空ける事無く、高屈折率低分散材料21を積層し多層回折光学素子13を作成し、その評価を行った。
<多層回折格子の作成13>
図3に示す様に、まず、回折格子形状の金型13の上に測定材料8(低屈折率高分散材料11)、その上に2mmガラス基板14を配置した。14.2mW/cm、211秒の条件と20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、80℃、72時間 大気中でアニールして、回折格子を作成した。
アニール後に測定した回折格子の格子高さは12μm、ピッチは80μmであった。
参考例1と屈折率の評価結果が異なる為、回折格子の格子高さは屈折率の測定結果に基づいて最適化を行っている。
次に、図4に示す様に、平板ガラス14上に成形された測定材料8を、平板ガラス14とともに成形治具16にセットし、次いで測定材料8上に測定材料12(高屈折率低分散材料21)を滴下した(図4(a))。その上に平板ガラス14をのせ、樹脂の厚みが格子の高さよりも30μm高くになるように押し広げサンプルとした。(図4(b))。このサンプルに、14.2mW/cm、211秒の条件と20mW/cm、600秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。硬化後、参考例1とは異なり、平板ガラス14を外さず、80℃、72時間にアニールし、多層回折光学素子作成した。図8にその構成を示す。
<回折効率の評価>
参考例1の方法に準ずる。
<耐光性の評価>
参考例1の方法に準ずる
<高温高湿耐久性の評価>
参考例1の方法に準ずる
<評価結果>
(1)初期評価結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子13は可視域全体の回折効率が99%以上となる。
(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6009,1.5888,1.5776,1.5704,1.5596)
(ν,θgF)=(19.6,0.42)
参考例1に対してΔn=−0.0028〜−0.0044であった。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6364,1.6285,1.6220,1.6186,1.6145)
(ν,θgF)=(44.3,0.57)
参考例1に対してΔn=−0.0045〜−0.0048であった。
(2)耐光性評価結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子13は可視域全体の回折効率が98%以上と初期に対して1から2%変動する。
(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.5997,1.5874,1.5755,1.5683,1.5572)
(ν,θgF)=(18.8,0.41)
初期に対して屈折率変動が−0.0011〜−0.0025であった。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6365,1.6286,1.6220,1.6187,1.6146)
(ν,θgF)=(44.3,0.57)
初期に対して屈折率変動が+0.0001であった。
(3)高温高湿耐久性評価の結果
低屈折率高分散材料11と高屈折率低分散材料21より作成される多層回折光学素子13は可視域全体の回折効率が99%以上と初期に対して大きな変動はない。
(屈折率および光学定数)
〈低屈折率高分散材料11〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6009,1.5889,1.5777,1.5704,1.5597)
(ν,θgF)=(19.6,0.41)
初期に対して屈折率変動が0.0000〜+0.0001であった。
〈高屈折率低分散材料21〉
屈折率(n,n,n,n,n)=(1.6364,1.6285,1.6220,1.6186,1.6145)
(ν,θgF)=(44.3,0.57)
初期に対して屈折率変動はほとんどなかった。
以上の実施例、参考例および比較例の結果から、次のことが分る。
比較例1においては、ITO微粒子および単量体を含有する樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させて、低屈折率高分散材料11(第1の層)と高屈折率低分散材料21(第2の層)を石英ガラス9および平板ガラス14で密閉し、酸素の供給を遮断した多層回折光学素子を作製する。この酸素の供給を遮断した条件においては、紫外線による樹脂の光化学反応により、ラジカルが発生する。発生したラジカルはITO微粒子にトラップされ、ラジカルによりITOは還元された状態にあり、屈折率、光の吸収等の光学特性が変動して影響を与える。
初期の状態では、屈折率の変化を考慮し、格子高さの補正により、回折効率を可視域全体で99%以上を達成する事が可能である。しかし、耐光試験等で上記の同様な状況で、屈折率変動が−0.0011〜−0.0025になる場合、回折効率が98%以上となり悪化する。
一方、実施例1及び参考例1の低屈折率高分散材料11(第1の層)と高屈折率低分散材料21(第2の層)を積層した多層回折光学素子は、高屈折率低分散材料21(第2の層)の上に酸素を供給する空間が設けられている。そのために、第2の層が大気中の酸素を取り込んで第1の層のITO材料に酸素を接触させることにより、ITO微粒子にトラップされたラジカルを酸素により消滅させ、還元したITOを酸化して元の状態に戻す。このことにより、屈折率、光の吸収等の光学特性は耐光試験等での変動が小さくなる。
本発明は、可視光もしくは紫外線による特性に変化および吸湿による特性変化がない、回折光学素子を提供することが可能となる。これにより、光学素子、回折光学素子、多層回折光学素子および光学系、特にカメラ、ビデオカメラ等の撮像光学系に利用することが出来る。
1 第2の層(高屈折率低分散層)
2 第1の層(低屈折率高分散層)
3 透明基板層
4 スペーサー
5 酸素を供給する空間
6 封止剤
7 高屈折ガラス(裏側)
8 測定材料
9 石英ガラス(照射側)
10 スペーサー
11 スペーサー
12 測定材料
13 金型
14 ガラス
15 離型治具
16 成形治具
17 スペーサー
18 封止剤
19 酸素を供給する空間
100 多層回折光学素子
110 多層回折光学素子
120 多層回折光学素子
130 多層回折光学素子

Claims (14)

  1. 2つの透明基板の間に樹脂層を有する光学素子であって、
    一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成された第1の層と、酸素透過する第2の層とが積層されており、
    前記第2の層と他方の透明基材の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、
    前記酸素を供給する閉鎖空間の酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする光学素子。
  2. 2つの透明基板の間に樹脂層を有する光学素子であって、
    一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を1体積%以上29体積%以下含有する樹脂で形成された第1の層を有し、
    前記第1の層と他方の透明性基材の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、
    前記酸素を供給する閉鎖空間の酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする光学素子。
  3. 前記第1の層が低屈折率高分散材料であり、前記第2の層が高屈折低分散材料であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  4. 記酸素を供給する空間に含有される水の濃度が230g/m以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記透明導電性物質の微粒子の平均粒径が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記第1の層及び第2の層がエネルギー硬化型の樹脂であり、前記エネルギー硬化型の樹脂がアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂から選ばれる少なくとも一種を有するラジカル硬化型の樹脂であることを特徴とする請求項1又は3に記載の光学素子。
  7. 前記2つの透明基板は、ガラス基板又はガラスレンズ基板であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学素子。
  8. 2つの透明基板の間に樹脂層が設けられた多層回折光学素子であって、
    一方の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を含有する樹脂で形成されており、回折格子形状を有する第1の層と、酸素透過する、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第2の層とが、前記第1の層と前記第2の層の回折格子形状が対向するように積層されており、
    前記第2の層と他方の透明基板の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、
    前記酸素を供給する閉鎖空間の酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする多層回折光学素子。
  9. 2つの透明基板の間に樹脂層が設けられた多層回折光学素子であって、
    回折格子形状を有し、高屈折低分散材料からなる一方の透明基板上にインジウム錫酸化物(ITO)の微粒子を含有する樹脂で形成されており、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有する第1の層が、前記一方の透明基板と前記第1の層の回折格子形状が対向するように積層されており、
    前記第1の層と他方の透明基板の間に、高さが50μm以上5mm以下の酸素を供給する閉鎖空間が設けられており、
    前記酸素を供給する閉鎖空間の酸素の濃度は、10体積%以上100体積%以下であることを特徴とする多層回折光学素子。
  10. 前記第1の層が低屈折率高分散材料であり、前記第2の層が高屈折低分散材料であることを特徴とする請求項に記載の多層回折光学素子。
  11. 前記酸素を供給する閉鎖空間に含有される水の濃度が230g/m以下であることを特徴とする請求項乃至10のいずれか項に記載の多層回折光学素子。
  12. 前記透明導電性物質の微粒子の平均粒径が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項乃至11のいずれか一項に記載の多層回折光学素子。
  13. 前記第1の層及び第2の層がエネルギー硬化型の樹脂であり、前記エネルギー硬化樹脂がアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂から選ばれる少なくとも一種であるラジカル硬化型の樹脂であることを特徴とする請求項8又は10に記載の多層回折光学素子。
  14. 前記2つの透明基板は、ガラス基板又はガラスレンズ基板であることを特徴とする請求項乃至13のいずれか一項に記載の多層回折光学素子。
JP2011086139A 2011-04-08 2011-04-08 光学素子および多層回折光学素子 Expired - Fee Related JP5863265B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011086139A JP5863265B2 (ja) 2011-04-08 2011-04-08 光学素子および多層回折光学素子
PCT/JP2012/002230 WO2012137452A1 (en) 2011-04-08 2012-03-30 Optical element and multilayer diffractive optical element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011086139A JP5863265B2 (ja) 2011-04-08 2011-04-08 光学素子および多層回折光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012220711A JP2012220711A (ja) 2012-11-12
JP5863265B2 true JP5863265B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=46025840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011086139A Expired - Fee Related JP5863265B2 (ja) 2011-04-08 2011-04-08 光学素子および多層回折光学素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5863265B2 (ja)
WO (1) WO2012137452A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140139923A1 (en) * 2012-05-25 2014-05-22 Panasonic Corporation Diffraction optical element and manufacturing method therefor
US10234695B2 (en) * 2015-02-16 2019-03-19 Apple Inc. Low-temperature hermetic sealing for diffractive optical element stacks
JP6825115B2 (ja) 2017-09-05 2021-02-03 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化物、及び、レンズユニット

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS559814B2 (ja) 1971-09-25 1980-03-12
JPS5324989B2 (ja) 1971-12-09 1978-07-24
JPS5420669B2 (ja) 1972-09-02 1979-07-24
NO132509C (ja) 1972-11-28 1975-11-26 Kristoffer Asla
JPS5311314B2 (ja) 1974-09-25 1978-04-20
JPS5230490A (en) 1975-09-03 1977-03-08 Denki Kagaku Keiki Co Ltd Gas concentration measuring electrode stable in air
JP4266732B2 (ja) * 2002-08-30 2009-05-20 キヤノン株式会社 積層型回折光学素子
JP4958144B2 (ja) * 2005-06-08 2012-06-20 三菱マテリアル電子化成株式会社 透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ
JP2008203821A (ja) * 2007-01-22 2008-09-04 Canon Inc 積層型回折光学素子
EP1947488B1 (en) * 2007-01-22 2010-05-12 Canon Kabushiki Kaisha Laminated diffraction optical element
JP5287080B2 (ja) * 2007-10-18 2013-09-11 日油株式会社 プラズマディスプレイパネル用ハードコートフィルム及びプラズマディスプレイパネル
JP5132284B2 (ja) * 2007-12-03 2013-01-30 キヤノン株式会社 回折光学素子およびそれを有する光学系並びに光学機器
JP2011086139A (ja) 2009-10-16 2011-04-28 Honda Motor Co Ltd 車両の衝突を回避するための装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012137452A1 (en) 2012-10-11
JP2012220711A (ja) 2012-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6108740B2 (ja) 光学素子および光学素子の製造方法
JP5424623B2 (ja) 樹脂組成物およびそれにより成形された光学素子、回折光学素子及び積層型回折光学素子
JP5843524B2 (ja) 有機無機複合組成物、有機無機複合材料、光学素子および積層型回折光学素子
JP2010097195A (ja) 光学材料および光学素子
JP5773579B2 (ja) 多層型回折光学素子
JP5863265B2 (ja) 光学素子および多層回折光学素子
JP5773668B2 (ja) 積層型回折光学素子
JP6887761B2 (ja) 積層型の回折光学素子の製造方法
US11346985B2 (en) Cured product, and optical element, diffractive optical element, optical apparatus, and imaging device using the cured product
JP2006276195A (ja) 紫外線硬化樹脂組成物及びそれにより成形した光学素子、積層型回折光学素子及び光学系
US20230110024A1 (en) Optical element, optical equipment, and imaging apparatus
JP7327979B2 (ja) 硬化物、硬化物を用いた光学素子、回折光学素子、光学機器および撮像装置
JP2006342254A (ja) 光硬化型樹脂組成物の製造方法
JP2006232907A (ja) 光学材料、及び該光学材料を用いた光学素子の成形方法、該成形方法によって成形された光学素子、該光学素子を有する光学系装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151014

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151222

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5863265

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees