以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として、プリンター機能と複写機能とを備えた複合機を例示するが、画像形成装置は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置であってもよい。
<画像形成装置の説明>
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する装置本体10と、装置本体10上に配置される自動原稿給送装置20とを備える。装置本体10の内部には、複写する原稿画像を光学的に読み取る読取ユニット25と、シートにトナー像を形成する画像形成部30と、前記トナー像をシートに定着させる定着部60と、画像形成部30へ搬送されるシートを貯留する給紙部40と、シートを給紙部40又は給紙トレイ46から画像形成部30及び定着部60を経由してシート排出口10Eまで搬送する搬送経路50と、この搬送経路50の一部を構成するシート搬送路を内部に有する搬送ユニット55とが収容されている。
自動原稿給送装置(ADF)20は、装置本体10の上面に回動自在に取り付けられている。ADF20は、装置本体10における所定の原稿読取位置に向けて、複写される原稿シートを自動給送する。一方、ユーザーが手置きで原稿シートを所定の原稿読取位置に載置する場合は、ADF20は上方に開かれる。ADF20は、原稿シートが載置される原稿トレイ21と、自動原稿読取位置を経由して原稿シートを搬送する原稿搬送部22と、読取後の原稿シートが排出される原稿排出トレイ23とを含む。
読取ユニット25は、装置本体10の上面のADF20から自動給送される原稿シート又は手置きされる原稿シートの画像を光学的に読み取る。読取ユニット25内には、光源、移動キャリッジ、反射ミラー等を含む走査機構と、撮像素子とが収容されている(図略)。走査機構は、原稿シートに光を照射し、その反射光を撮像素子に導く。撮像素子は、前記反射光をアナログ電気信号に光電変換する。前記アナログ電気信号は、A/D変換回路でデジタル電気信号に変換された後、画像形成部30に入力される。
画像形成部30は、フルカラーのトナー画像を生成しこれをシート上に転写する処理を行うもので、タンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つのユニット32Y、32M、32C、32Bkを含む画像形成ユニット32と、該画像形成ユニット32の上に隣接して配置された中間転写ユニット33と、中間転写ユニット33上に配置されたトナー補給部34とを含む。
各画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkは、感光体ドラム321(像担持体)と、この感光体ドラム321の周囲に配置された、帯電器322、露光器323、現像装置324、一次転写ローラー325及びクリーニング装置326とを含む。
感光体ドラム321は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム321としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器322は、感光体ドラム321の表面を均一に帯電する。露光器323は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム321の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
現像装置324は、感光体ドラム321上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム321の周面にトナーを供給する。現像装置324は、2成分現像剤用のものであり、スクリューフィーダー、磁気ローラー、及び現像ローラーを含む。この現像装置324の詳細については、後記で詳細に説明する。
一次転写ローラー325は、中間転写ユニット33に備えられている中間転写ベルト331を挟んで感光体ドラム321とニップ部を形成し、感光体ドラム321上のトナー像を中間転写ベルト331上に一次転写する。クリーニング装置326は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム321の周面を清掃する。また、クリーニングローラーと感光体ドラム321との間にトナーが介在された状態で、クリーニングローラーが回転駆動されることで、感光体ドラム321の表面が研磨される。この際、トナーに含まれる酸化チタンなどの研磨作用を備える外添剤によって、前記研磨が好適に促進される。感光体ドラム321の表面が研磨されることによって、感光体ドラム321の表面に付着した放電生成物などによって、画像みだれが発生することが抑止される。
中間転写ユニット33は、中間転写ベルト331、駆動ローラー332及び従動ローラー333を備える。中間転写ベルト331は、駆動ローラー332及び従動ローラー333に架け渡された無端ベルトであって、該中間転写ベルト331の外周面には、複数の感光体ドラム321からトナー像が、同一箇所に重ねて転写される。中間転写ユニット33は図1では反時計回りに回転される。
駆動ローラー332の周面に対向して、二次転写ローラー35(転写手段)が配置されている。駆動ローラー332と二次転写ローラー35とのニップ部は、中間転写ベルト331に重ね塗りされたフルカラーのトナー像をシートに転写する二次転写部となる。駆動ローラー332又は二次転写ローラー35のいずれか一方のローラーに、トナー像と逆極性の二次転写バイアス電位が印加され、他方のローラーは接地される。また、駆動ローラー332よりも、中間転写ベルト331の回転方向上流側の位置には、中間転写ベルト331の周面に対向する位置に、濃度センサー35Aが対向配置されている。濃度センサー35Aは、中間転写ベルト331上に形成された画像の濃度に応じた電気信号を出力する。
トナー補給部34は、イエロー用トナーコンテナ34Y、マゼンタ用トナーコンテナ34M、シアン用トナーコンテナ34C、及びブラック用トナーコンテナ34Bkを含む。これらトナーコンテナ34Y、34C、34M、34Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkの現像装置324に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
給紙部40は、画像形成処理が施されるシートを収容する2段の給紙カセット40A、40Bを備える。これら給紙カセット40A、40Bは、装置本体10の前方から手前方向に引出可能である。
定着部60は、シートにトナー像を定着させる定着処理を施す誘導加熱方式の定着装置であって、加熱ローラー61、定着ローラー62、加圧ローラー63、定着ベルト64及び誘導加熱ユニット65を含む。定着ローラー62に対して加圧ローラー63が圧接され、定着ニップ部が形成されている。加熱ローラー61及び定着ベルト64は誘導加熱ユニット65によって誘導加熱され、その熱を前記定着ニップ部に与える。シートが定着ニップ部を通過することで、シートに転写されたトナー像が当該シートに定着される。
<現像装置の構成>
続いて、現像装置324について詳細に説明する。図2は、現像装置324の内部構造を概略的に示す上下および左右方向の断面図、図3は、現像装置324の前後および左右方向の断面図である。現像装置324は、該現像装置324の内部空間を画定する現像ハウジング80を含む。この現像ハウジング80には、非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む現像剤を貯留する現像剤貯留部81が備えられている。また、現像ハウジング80の内部には、現像剤貯留部81の上方に配置された磁気ローラー82(現像剤担持体)と、磁気ローラー82の斜め上方位置で磁気ローラー82に対向配置された現像ローラー83(トナー担持体)と、磁気ローラー82に対向配置された現像剤規制ブレード84とが配設されている。
現像剤貯留部81は、現像装置324の長手方向に延びる2つの隣り合う現像剤貯留室81a、81bを含む。現像剤貯留室81a、81bは、現像ハウジング80に一体に形成され長手方向に延びる仕切り板801によって互いに仕切られているが、図3に示すように、長手方向における両端部において連通路803、804によって互いに連通されている。各現像剤貯留室81a、81bには、軸回りに回転することにより現像剤を攪拌及び搬送するスクリューフィーダー85、86が収容されている。スクリューフィーダー85、86は、後記の駆動部962により回転駆動されるが、その回転方向が互いに逆方向に設定されている。これにより現像剤は、図3に矢印で示すように、現像剤貯留室81aおよび現像剤貯留室81b間を攪拌されつつ循環搬送される。この攪拌により、非磁性トナーとキャリアとが混合され、非磁性トナーが例えばプラスに帯電される。
本実施形態における非磁性トナーは、結着樹脂、着色剤などで構成されている。結着樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するのがよい。
着色剤としては、特に限定されるものではないが、例えばブラック、マゼンタ、シアンおよびイエローの顔料などが挙げられる。これらの着色剤は結着樹脂100質量部に対して、通常2〜20質量部、好ましくは5〜15質量部の割合で配合される。
トナーには、本実施形態の効果を害しない範囲でその他の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば電荷制御剤、ワックスなどが挙げられる。電荷制御剤としては、公知の電荷制御剤を使用できる。正帯電性電荷制御剤としては、例えばニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等を使用できる。
ワックスとしては、特に限定はなく、例えばカルナバワックスやエステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスなどが挙げられる。この中でも分散性の点から、エステルを側鎖に有すFTワックスやポリエチレンワックスの使用が推奨される。
また、非磁性トナーには、必要に応じて無機酸化物微粒子が外添される。このような外添剤としては、シリカ微粒子、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの微粒子が使用できる。また、必要に応じて樹脂微粒子等の有機系外添剤を用いることもできる。外添剤の体積平均径は、0.001〜1.0μm、好ましくは0.005〜0.3μmであるのがよい。外添剤の添加量は、トナー100質量部に対して0.1〜2.0質量部の範囲であるのが好ましい。
ここで、シリカ微粒子は主に流動化剤として用いられる。酸化チタンやアルミナ、樹脂微粒子等はトナーの帯電調整剤として用いられる。また、酸化チタン等は感光体表面の研磨剤として好適に用いられる。
磁気ローラー82は、現像装置324の長手方向に沿って配設されており、図2では時計方向に回転可能である。磁気ローラー82の内部には、固定式の所謂磁石ロール(図示せず)が配置されている。磁石ロールは複数の磁極を有しており、本実施形態では汲上極821、規制極822及び主極823を有する。汲上極821は現像剤貯留部81に対向し、規制極822は現像剤規制ブレード84に対向し、主極823は現像ローラー83に対向している。
磁気ローラー82は、汲上極821の磁力によって現像剤貯留部81から現像剤をその周面82A上に磁気的に汲み上げる(受け取る)。汲み上げられた現像剤は、磁気ローラー82の周面82A上に磁気的に現像剤層(磁気ブラシ層)として保持され、磁気ローラー82の回転に伴って現像剤規制ブレード84に向けて搬送される。
現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の回転方向から見て現像ローラー83よりも上流側に配置され、磁気ローラー82の周面82Aに磁気的に付着した現像剤層の層厚を規制する。現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の長手方向に沿って延びる磁性材料からなる板部材であり、現像ハウジング80の適所に固定された所定の支持部材841によって支持されている。また、現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の周面82Aとの間で所定の寸法の規制ギャップGを形成する規制面842(つまり現像剤規制ブレード84の先端面)を有する。
磁性材料から形成された現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の規制極822によって磁化される。これにより、現像剤規制ブレード84の規制面842と規制極822との間には、すなわち規制ギャップGには、磁路が形成される。汲上極821によって磁気ローラー82の周面82A上に付着した現像剤層が、磁気ローラー82の回転に伴って規制ギャップG内に搬送されると、現像剤層の層厚は規制ギャップGにおいて規制される。これにより、周面82A上には所定厚さの均一な現像剤層が形成される。
現像ローラー83は、現像装置324の長手方向に沿って、且つ、磁気ローラー82に対して平行に延びるように配設されており、図2では時計方向に回転可能である。現像ローラー83は、磁気ローラー82の周面82A上に保持された現像剤層に接触した状態で回転しつつ、前記現像剤層からトナーを受け取ってトナー層を担持する周面83Aを有する。現像動作が行なわれる現像時には、前記トナー層のトナーが感光体ドラム321の周面に供給される。
現像ローラー83および磁気ローラー82は、駆動部962(回転駆動手段)によって回転駆動される。現像ローラー83の周面83Aと磁気ローラー82の周面82Aとの間には、所定の寸法の隙間Sが形成されている。隙間Sは例えば約250μmに設定されている。現像ローラー83は、現像ハウジング80に形成された開口を通して感光体ドラム321に臨むように配置され、周面83Aと感光体ドラム321の周面との間にも所定の寸法の隙間が形成されている。
<電気的構成、ブロック図>
続いて、画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部90を備える。図4は、制御部90の機能ブロック図である。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部90には、前述の画像形成部30に加え、第1印加部88(バイアス印加手段)、第2印加部89(バイアス印加手段)、駆動部962(回転駆動手段)、画像メモリー963、I/F964、定着部温度センサー965、環境センサー966などが電気的に接続されている。
第1印加部88は、直流電源と交流電源とから構成され、バイアス制御部92(バイアス制御手段)からの制御信号に基づき、現像装置324内の磁気ローラー82にバイアスを印加する。同様に、第2印加部89は、直流電源と交流電源とから構成され、バイアス制御部92からの制御信号に基づき、現像装置324内の現像ローラー83にバイアスを印加する。
駆動部962は、モーター及びそのトルクを伝達するギア機構からなり、制御部90からの制御信号に応じて、後記の現像動作及びリフレッシュ動作時に、現像装置324内の現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86などを回転駆動させる。本実施形態では、現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86は、駆動部962によって同期して回転駆動される。また、駆動部962は、現像動作及びリフレッシュ動作時に、感光体ドラム321を回転駆動させる。本実施形態では、感光体ドラム321と現像ローラー83とは、互いに対向する部分において、同方向に回転駆動される。また、駆動部962は、後記の駆動制御部91から出力される制御信号を受け、感光体ドラム321に対する現像ローラー83の回転速度比(S/D)を変更する。
画像メモリー963は、当該画像形成装置1がプリンターとして機能する場合に、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリー963は、画像形成装置1が複写機として機能する場合には、ADF20により光学的に読み取られた画像データを一時的に記憶する。
I/F964は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば画像形成装置1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F964を介して制御部90に与えられ、また画像データは、I/F964を介して画像メモリー963に記憶される。
定着部温度センサー965は、定着部60に配置される。定着部温度センサー965は、定着部60の温度を検出する。また、定着部温度センサー965によって検出された定着部60の温度は、リフレッシュ制御部95によって参照され、リフレッシュ動作の実行要否が判断される。
環境センサー966は、画像形成装置1の装置本体10に装着される。環境センサー966Hは、装置本体10が設置される環境の温度および湿度を検出する。また、環境センサー966によって検出された周辺の温度および湿度は、リフレッシュ制御部95によって参照され、リフレッシュ動作の実行要否が判断される。
制御部90は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部91、バイアス制御部92(バイアス制御手段)、印字率算出部93(印字率算出手段)、消費条件変更部94(供給条件変更手段)、リフレッシュ制御部95(リフレッシュ手段)を備えるように機能する。
駆動制御部91は、駆動部962を制御して、現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86を回転駆動させる。また、駆動制御部91は、駆動部962を制御して、感光体ドラム321を回転駆動させる。本実施形態では、駆動制御部91は、現像動作、非現像動作において、上記の部材を回転駆動させる。また、駆動制御部91は、消費条件変更部94からの制御信号を受け、感光体ドラム321に対する現像ローラー83の回転速度比を変更する。
バイアス制御部92(バイアス制御手段)は、現像動作の実行に際し、現像ローラー83および磁気ローラー82へのバイアス設定値を決定し、第1印加部88および第2印加部89を制御して、第1現像バイアスBdを印加させる。また、バイアス制御部92は、リフレッシュ動作時に、現像ローラー83および磁気ローラー82へのバイアス設定値を決定し、第1印加部88および第2印加部89を制御して、第2現像バイアスBpを印加させる。
印字率算出部93は、画像メモリ963に記憶された画像データに基づいて、印字率を算出する。本実施形態では、印字率算出部93は、過去100枚分の感光体ドラム321上に形成された画像データから、1枚あたりの平均印字率を算出する。なお、他の実施形態において、印字率算出部93は、直前の1分間に感光体ドラム321上に形成された画像データから1枚あたりの平均印字率を算出してもよい。
消費条件変更部94は、印字率算出部93によって算出された前記印字率に応じて、リフレッシュ動作時において前記外添剤が現像ローラー83から感光体ドラム321に供給される供給条件を変更する。詳しくは、消費条件変更部94は、リフレッシュ動作時において、バイアス制御部92を制御して、第1現像バイアスBdにおける交流バイアスの振幅値に対して、相対的に第2現像バイアスBpにおける交流バイアスの振幅値を変更する。また、消費条件変更部94は、バイアス制御部92を制御して、トナーが現像ローラー83から感光体ドラム321に移動する側の極性の交流バイアスのDuty比において、第1現像バイアスBdのDuty比に対して、相対的に第2現像バイアスBpのDuty比を変更する。また、消費条件変更部94は、リフレッシュ動作時における現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比を変更する。
<現像バイアスの印加、現像動作について>
次に、図5を参照して、現像装置324のバイアス印加のための構成及び現像動作について説明する。現像装置324は、現像動作を制御するために、前述の第1印加部88と、第2印加部89と、制御部90とを含む。同図に示すように、第1印加部88は、直列に接続された直流電圧源881と交流電圧源882とを有し、磁気ローラー82に接続されている。直流電圧源881から出力された直流バイアスに交流電圧源882から出力された交流バイアスが重畳された電圧が磁気ローラー82に印加される。第2印加部89は、直列に接続された直流電圧源891と交流電圧源892とを有し、現像ローラー83に接続されている。直流電圧源891から出力された直流バイアスに交流電圧源892から出力された交流バイアスが重畳された電圧が、現像ローラー83に印加される。
磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される直流バイアスおよび交流バイアスの値は、現像装置324が感光体ドラム321の周面上にトナーを供給する(静電潜像を現像する)現像動作に際し、供給されるトナーの帯電性に応じて変更される。また、リフレッシュ動作において、更に異なるバイアスの値が磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される。
次に、現像動作における感光体ドラム321上の静電潜像の現像メカニズムについて説明する。磁気ローラー82の周面82A上の磁気ブラシ層は、現像剤規制ブレード84によって層厚が均一に規制された後、磁気ローラー82の回転に伴って現像ローラー83に向けて搬送される。その後、隙間S(図2)の領域において、磁気ブラシ層中の多数の磁気ブラシDBが、回転中の現像ローラー83の周面83Aに接触する。
このとき、バイアス制御部92は、第1印加部88および第2印加部89を制御して所定の直流バイアスおよび交流バイアスを磁気ローラー82および現像ローラー83のそれぞれに印加する。これにより、磁気ローラー82の周面82Aと現像ローラー83の周面83Aとの間に所定の電位差(現像用電位差)が生じる。この電位差により、周面82Aと周面83Aとの対向位置において(主極823(図2)と周面83Aとの対向位置において)、磁気ブラシDBからトナーTのみが周面83Aに移動し、磁気ブラシDBのキャリアCと残留する一部のトナーとは周面82A上に残る。この際、磁気ローラー82の周面82Aから現像ローラー83の周面83Aに、トナーTが供給される。これにより、現像ローラー83の周面83A上に所定厚さのトナー層TLが担持される。
周面83A上のトナー層TLは、現像ローラー83の回転に伴って感光体ドラム321の周面に向けて搬送される。現像ローラー83には、直流電圧と交流電圧との重畳電圧が印加されている。したがって、静電潜像に応じて表面に電位を有している感光体ドラム321の周面と該現像ローラー83の周面83Aとの間には所定の電位差が生じている。この電位差により、トナー層TLのトナーTが感光体ドラム321の周面に移動する。これにより、感光体ドラム321の周面上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
なお、本実施形態において、バイアス制御部92が、現像動作時において第1印加部88及び第2印加部89を制御して、磁気ローラー82及び現像ローラー83に印加する第1現像バイアスBdの一例およびその他の諸条件は次の通りである。
磁気ローラー82の直流バイアスVmag_dc;200V
現像ローラー83の直流バイアスVslv_dc;50V
磁気ローラー82の交流バイアス(Vpp)Vmag_ac;300V(4.0kHz)
現像ローラー83の交流バイアス(Vpp)Vslv_ac;1700V(4.0kHz)
感光体ドラム321−現像ローラー83間のバイアスのDuty比(Duty1);43%
現像ローラー83−磁気ローラー82間のバイアスのDuty比(Duty2);57%
感光体ドラム321の線速;200mm/sec
感光体ドラム321の表面電位;背景部(暗電位)230V、画像部(明電位)20V
現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比(S/D);1.5
トナーの帯電性Q/m;20μC/g
<リフレッシュ動作の説明>
次に、本実施形態におけるリフレッシュ動作について説明する。リフレッシュ動作は、感光体ドラム321の表面を研磨するための動作である。なお、ここでいう感光体ドラム321の表面の研磨とは、感光体ドラム321を構成する材料を研磨することだけではなく、感光体ドラム321の表面上に付着した放電生成物を研磨することを含む。このリフレッシュ動作は、先の現像動作が実行されていないタイミングであって、たとえばシートに画像が形成される画像形成動作前後や、複数のシートに画像が形成される際の一のシートとその後続のシートとの間の紙間に対応して実行される。
帯電器322によってもたらされたNOxに代表される放電生成物が、感光体ドラム321の表面に付着した場合、該付着した領域の静電潜像の電位が乱れることによって画像みだれが発生する。このような放電生成物の付着は、特に、高温高湿環境において顕著となる。すなわち、画像形成装置1が高温高湿環境に設置された上で、電源がオフされた場合やスリープモードが継続された場合、一時的に感光体ドラム321の表面温度が低下される。そして、次に電源がオンされた場合やスリープモードから復帰した場合に、画像形成装置1が使用されると、感光体ドラム321の表面に付着していた放電生成物が、結露によって生じた水分を得て、感光体ドラム321の表面に吸着される。
このため、本実施形態に係るリフレッシュ動作では、現像装置324から感光体ドラム321に、酸化チタンに代表される外添剤、または該外添剤を含むトナーが供給された上で、感光体ドラム321が回転駆動される。この際、本実施形態では、感光体ドラム321に対向して配置されるクリーニング装置326のクリーニングローラーが回転駆動されることで、感光体ドラム321の表面が好適に研磨される。すなわち、前述のように、クリーニングローラーと感光体ドラム321との間に外添剤が介在された状態で、クリーニングローラーが回転駆動されることで、前記外添剤が研磨剤としての作用を発現する。
リフレッシュ動作では、現像動作時と同様に、感光体ドラム321に加え、現像ローラー83を含む現像装置324の各部材が回転駆動される。そして、現像ローラー83および磁気ローラー82に、第2現像バイアスBpが印加されることによって、現像ローラー83上にトナー層が形成される。そして、現像ローラー83上に印加されるバイアスによって、現像ローラー83から感光体ドラム321に、外添剤または該外添剤を含むトナーが供給される。
<外添剤の消費について>
現像動作中および紙間などにおいて、磁気ローラー82と現像ローラー83との間、または現像ローラー83と感光体ドラム321との間に形成される交流バイアスの電界によって、現像ローラー83上に担持されるトナーから外添剤が離脱され、感光体ドラム321側に移動されることがある。図6は、現像ローラー83に印加される現像バイアスのうち、トナーが現像ローラー83から感光体ドラム321に移動する側の極性における交流バイアスの最大ピーク値Vpp−MAXと感光体ドラム321の暗電位との間の電位差を変化させた場合の感光体ドラム321への外添剤の飛翔量を示したグラフである。このように、現像ローラー83に印加される交流バイアス成分に応じて、現像装置324から感光体ドラム321側に外添剤が単独で消費される。
外添剤は現像動作時にトナーとともに消費されるだけでなく、紙間などにおいても、前記交流バイアスによって外添剤が単独で像担持体側に消費されてしまう。また、現像動作時にトナー像の印字率が低い場合には、外添剤が単独で感光体ドラム321の背景電位部に消費される。一方、印字率が高い場合は、トナー補給部34から現像装置324に新しいトナーとともに外添剤が供給される。このため、現像装置324内の外添剤の量が相対的に上昇する。そして、このような現像装置324内の外添剤の量の変動によって、トナーの帯電性が変動され、画像上に濃度変動やトナーかぶりがもたらされるという課題があった。すなわち、外添剤が過多になるとトナーかぶりが生じ、外添剤が過少になるとトナーの帯電性不良による濃度低下がもたらされる。
一方、このような現像装置324内の外添剤の量の変動とは無関係に、前述のリフレッシュ動作が実行され、現像装置324から外添剤が感光体ドラム321側に供給されると、現像装置324内の外添剤の量が更に変動され、上記のような濃度変動やトナーかぶりなどの課題が更に顕著となる。
<リフレッシュ動作について>
本実施形態では、上記のような課題を解決するために、消費条件変更部94が、印字率算出部93によって算出された前記印字率に応じて、リフレッシュ動作時において前記外添剤が現像ローラー83から感光体ドラム321に消費される消費条件を変更する。以下、図7を参照して、本実施形態に係るリフレッシュ動作の制御について説明する。
図7は、本実施形態において、リフレッシュ制御部95がリフレッシュ動作を実行する際のフローチャートである。なお、本実施形態では、リフレッシュ動作の前後において実行される現像動作において、前述の第1現像バイアスBdが現像ローラー83および磁気ローラー82に印加される。画像形成装置1において電源がオンまたはスリープモードが解除されると(ステップS001)、リフレッシュ制御部95によって周辺環境が確認される(ステップS002)。すなわち、リフレッシュ制御部95は、環境センサー966の検出湿度を参照し、該検出湿度が予め設定された閾値を越えているか否かを判定する。本実施形態では、前記閾値は相対湿度80%に設定されている。リフレッシュ制御部95は、前記検出湿度が80%を超えている場合、周辺が高湿環境であると判断する(ステップS002でYES)。また、リフレッシュ制御部95は、前記検出湿度が80%を下回っている場合、周辺が高湿環境には至っていないと判断する(ステップS002でNO)。なお、この場合リフレッシュ制御部95は感光体ドラム321のリフレッシュ動作を実行せず、一連の制御は終了する。
リフレッシュ制御部95によって、周辺が高湿環境であると判断された場合(ステップS002でYES)、リフレッシュ制御部95は更に定着部温度センサー965の検出温度を参照する。ここで、定着部温度センサー965によって検出される温度が、50℃を下回っている場合(ステップS003でYES)、リフレッシュ制御部95は感光体ドラム321のリフレッシュ動作が必要であると判断する(ステップS004)。一方、定着部温度センサー965によって検出される温度が、50℃を上回っている場合(ステップS003でNO)、リフレッシュ制御部95は感光体ドラム321のリフレッシュ動作は不要であると判断し、一連の制御は終了する。
ステップS004において、感光体ドラム321のリフレッシュ動作が必要であると判断された場合について換言すれば、感光体ドラム321の周辺の相対湿度は80%以上の高湿環境であり、かつ、定着部60の周辺温度が一時的に50℃以下に低下されている。すなわち、画像形成装置1が長時間使用されていないために、装置本体10の内部の温度が低下している。この状態で、画像形成装置1が使用された場合、NOxなどの放電生成物が、結露に伴う水分に吸着され、感光体ドラム321の表面に付着する。したがって、感光体ドラム321のリフレッシュ動作が必要とされる。
リフレッシュ制御部95によってリフレッシュ動作が必要と判断されると、消費条件変更部94は、印字率算出部93によって算出、格納されている過去100枚分の平均印字率と予め設定された閾値とを比較する(ステップS005)。なお、本実施形態では、前記閾値は5%に設定されている。前記平均印字率が5%を下回っている場合(ステップS005でYES)、消費条件変更部94は、リフレッシュ動作における現像バイアスとして、第2現像バイアスBp11を設定する。詳しくは、消費条件変更部94は、第2現像バイアスBp11の交流バイアスを、現像動作時の第1現像バイアスBdと同じ条件に設定する。また、現像動作時と同じ回転速度比(S/D)をもって、感光体ドラム321および現像ローラー83が回転駆動される。
消費条件変更部94によって、リフレッシュ動作時の交流バイアスが設定されると、リフレッシュ制御部95によってリフレッシュ動作が実行される(ステップS007)。詳しくは、リフレッシュ制御部95は、駆動制御部91を介して駆動部962を制御し、感光体ドラム321および現像装置324の各部材を回転駆動させる。なお、本実施形態では、リフレッシュ動作に際して、感光体ドラム321の表面は帯電されない。換言すれば、現像ローラー83に印加される第2現像バイアスBp11によって、現像ローラー83と感光体ドラム321との間に電位差が形成され、外添剤およびトナーが現像ローラー83から感光体ドラム321側に供給される。この際、過去の平均印字率が5%を下回っているため、現像装置324の現像ハウジング80の中では、外添剤(酸化チタン)が少ない状態となっている。このため、感光体ドラム321のリフレッシュ動作に伴い、前記外添剤とトナーとが同時に感光体ドラム321側に供給されることによって、現像装置324内におけるトナーと外添剤とのバランスが悪化することが抑止される。このため、消費条件変更部94が設定する第2現像バイアスBp11の直流バイアスによって、感光体ドラム321と現像ローラー83との間に、現像ローラー83から感光体ドラム321にトナーが移動する極性の電位差が設定される。
また、上記の第2現像バイアスBp11では、第1現像バイアスBdと比較して、交流バイアスの条件が変更されることがないため、現像動作時と比較して、現像ローラー83から感光体ドラム321側に過剰に外添剤が供給されることが抑止される。
一方、ステップS005において、過去100枚分の平均印字率が5%を上回っている場合(ステップS005でNO)、消費条件変更部94は、リフレッシュ動作における現像バイアスとして、第2現像バイアスBp12を設定する。詳しくは、消費条件変更部94は、現像動作時の第1現像バイアスBdと比較して、第2現像バイアスBp12の交流バイアスの振幅値Vppを増大させる。また、消費条件変更部94は、トナーが現像ローラー83から感光体ドラム321に移動する側の極性の交流バイアスのDuty比において、第1現像バイアスBdのDuty比よりも、第2現像バイアスBp12のDuty比を小さく設定する。更に、本実施形態では、第2現像バイアスBp12が選択されると、現像動作時とは異なる回転速度比をもって、感光体ドラム321および現像ローラー83が回転駆動される。この場合、現像動作時と比較して、現像ローラー83の回転速度が増大され、感光体ドラム321に対する現像ローラー83の回転速度比(S/D)が増大される。
消費条件変更部94によって、リフレッシュ動作時の交流バイアスが設定されると、同様にリフレッシュ制御部95によってリフレッシュ動作が実行される(ステップS009)。リフレッシュ制御部95は、駆動制御部91を介して駆動部962を制御し、感光体ドラム321および現像装置324の各部材を回転駆動させる。同様に、リフレッシュ動作に際して、感光体ドラム321の表面は帯電されない。換言すれば、現像ローラー83に印加される第2現像バイアスBp12によって、現像ローラー83と感光体ドラム321との間に電位差が形成され、外添剤およびトナーが現像ローラー83から感光体ドラム321側に供給される。ステップS009では、過去の平均印字率が5%を上回っているため、現像装置324の現像ハウジング80の中では、外添剤(酸化チタン)が十分な状態となっている。このため、感光体ドラム321のリフレッシュ動作に伴い、前記外添剤だけが選択的に感光体ドラム321側に供給されることが可能である。このため、消費条件変更部94が設定する第2現像バイアスBp12の直流バイアスによって、感光体ドラム321と現像ローラー83との間に、感光体ドラム321から現像ローラー83にトナーが移動する極性の電位差が設定される。すなわち、感光体ドラム321の暗電位に対して、現像ローラー83の周面は、プラスの電位に設定される。この結果、現像ローラー83から感光体ドラム321側にトナーが消費されることが抑止される。なお、他の実施形態において、第2現像バイアスBp12の直流バイアスによって、感光体ドラム321および現像ローラー83の電位が同電位に設定されてもよい。この場合、現像ローラー83から感光体ドラム321側に、僅かなトナーが移動する(かぶる)場合があるが、前述の低印字率の場合(ステップS007)と比較して、トナーの消費が抑制される。
また、上記の第2現像バイアスBp12では、第1現像バイアスBdと比較して、交流バイアスの条件が変更されることで、現像ローラー83から感光体ドラム321側への外添剤の供給が促進される。
図8は、現像ローラー83に異なるDuty比の現像バイアスが印加される場合の交流バイアスの1周期分の波形を示した模式図である。上記の第1現像バイアスBdから第2現像バイアスBp12への変更におけるDuty比の縮小効果について付言すれば、図8(A)、(B)、(C)の順に、Duty比がそれぞれ37%、40%、43%と設定される。この場合、トナーが現像ローラー83から感光体ドラム321側に移動される側の極性における交流バイアスの最大ピーク値(Vpp−MAX)に関して、Vpp−MAX(A)>Vpp−MAX(B)>Vpp−MAX(C)と変化される。したがって、リフレッシュ動作時の感光体ドラム321の表面の暗電位と前記Vpp−MAXとの間の電位差が、Duty比の縮小とともに拡大される。この結果、Duty比の縮小によって、現像ローラー83から感光体ドラム321への外添剤の供給が促進される。
また、図9は、図7のステップS006およびS008において設定された第2現像バイアスBp11およびBp12の交流バイアスの振幅値Vppについてグラフ化したものである。図9に示されるように、本実施形態では、現像動作時に、第1現像バイアスBdの交流バイアスの振幅値がVpp(1)(第1の振幅値)に設定される。そして、消費条件変更部94は、印字率が予め設定された閾値(5%)以上の場合に、第2現像バイアスBp12の振幅値を、第1現像バイアスBdの振幅値Vpp(1)よりも大きいVpp(3)(第2の振幅値)に設定する。一方、消費条件変更部94は、前記印字率が前記閾値(5%)未満の場合に、第2現像バイアスBp11の振幅値を、第1現像バイアスBdのVpp(1)と同じVpp(2)に設定する。
このように、第1現像バイアスBdから第2現像バイアスBp12への振幅値Vppの変更においても、感光体ドラム321の表面の暗電位と前記Vpp−MAXとの間の電位差が拡大されるため、前記外添剤の供給が更に促進される。また、第2現像バイアスBp12が選択されることに伴って、現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比が増大されると、現像ローラー83上のトナー層が、感光体ドラム321の表面に接触する接触時間が増大される。このため、上記の外添剤の供給が更に促進される。
ここで、消費条件変更部94の制御信号によって、バイアス制御部92および駆動制御部91がリフレッシュ動作のために設定する第2現像バイアスBpおよび駆動条件の一例は、次の通りである。
<低印字率の第2現像バイアスBp11およびその他の諸条件>
磁気ローラー82の直流バイアスVmag_dc;30V
現像ローラー83の直流バイアスVslv_dc;−180V
磁気ローラー82の交流バイアス(Vpp)Vmag_ac;300V(4.0kHz)
現像ローラー83の交流バイアス(Vpp)Vslv_ac;1700V(4.0kHz)
感光体ドラム321−現像ローラー83間のバイアスのDuty比(Duty1);43%
現像ローラー83−磁気ローラー82間のバイアスのDuty比(Duty2);70%
感光体ドラム321の線速;200mm/sec
感光体ドラム321の表面電位;背景部(暗電位)0V
現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比(S/D);1.5
リフレッシュ動作実行時間(感光体ドラム321の回転時間):400msec
<中、高印字率の第2現像バイアスBp12およびその他の諸条件>
磁気ローラー82の直流バイアスVmag_dc;200V
現像ローラー83の直流バイアスVslv_dc;50V
磁気ローラー82の交流バイアス(Vpp)Vmag_ac;300V(4.0kHz)
現像ローラー83の交流バイアス(Vpp)Vslv_ac;1800V(4.0kHz)
感光体ドラム321−現像ローラー83間のバイアスのDuty比(Duty1);40%
現像ローラー83−磁気ローラー82間のバイアスのDuty比(Duty2);70%
感光体ドラム321の線速;200mm/sec
感光体ドラム321の表面電位;背景部(暗電位)230V
現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比(S/D);1.8
リフレッシュ動作実行時間(感光体ドラム321の回転時間):300msec
上記の設定例では、前述のように第2現像バイアスBp11と比較して、第2現像バイアスBp12では、現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比(S/D)が増大され、現像ローラー83の交流バイアス(Vpp)Vslv_acが増大され、感光体ドラム321−現像ローラー83間のバイアスのDuty比が縮小されている。更に、低印字率の場合のリフレッシュ動作(図7のステップS007)では、中、高印字率の場合のリフレッシュ動作(図7のステップS009)よりも100msec長い間、感光体ドラム321が回転駆動される。この結果、相対的に少ない量の外添剤が、感光体ドラム321に供給された場合であっても、感光体ドラム321の表面を研磨することが可能となる。
以上、上記の実施形態によれば、現像動作が行われていない非現像動作時において、リフレッシュ制御部95は、現像ローラー83から感光体ドラム321の表面に外添剤を供給し、感光体ドラム321の表面を研磨するリフレッシュ動作を実行する。低印字率のトナー像が印字され、現像ハウジング80の中の外添剤の量が少なくなった場合、リフレッシュ動作のために多くの外添剤が感光体ドラム321側に供給されると、現像ハウジング80内のトナーのストレスが増加され、トナー像に濃度低下が生じることがある。このような場合であっても、消費条件変更部94は、印字率算出部93によって算出された印字率に応じて、リフレッシュ動作時に外添剤が現像ローラー83から感光体ドラム321に供給される供給条件を変更する。このため、印字率が変動する場合であっても、リフレッシュ動作に伴う現像ハウジング80内の外添剤の消費量を好適に調整することが可能となる。また、感光体ドラム321側に供給される外添剤によって、感光体ドラム321の表面が好適に研磨される。
また、上記の実施形態によれば、現像ハウジング80内に比較的多くの外添剤が存在する高印字率条件において、リフレッシュ動作時の交流バイアスの振幅値Vppが現像動作時よりも拡大されることによって、現像ハウジング80内の外添剤を積極的に感光体ドラム321側に供給することができる。このため、感光体ドラム321のリフレッシュ動作が安定して実現される。また、現像ハウジング80内に比較的多くの外添剤が存在するため、同外添剤が枯渇することがない。
また、上記の実施形態によれば、現像ハウジング80内の外添剤の量が少なくなりやすい低印字率条件において、現像動作時の交流バイアスの振幅値Vppが、リフレッシュ動作時においても維持される。このため、リフレッシュ動作時に多量の外添剤が感光体ドラム321側に供給されることによって、現像ハウジング80内の外添剤が低減することが抑止される。この結果、トナーの帯電性が悪化し、トナー像の濃度低下が生じることが抑制される。
また、上記の実施形態によれば、現像ハウジング80内に比較的多くの外添剤が存在する高印字率条件において、リフレッシュ動作時の交流バイアスのDuty比が、現像動作時よりも縮小されることによって、現像ハウジング80内の外添剤を積極的に感光体ドラム321側に供給することができる。このため、感光体ドラム321のリフレッシュ動作がより安定して実現される。
また、上記の実施形態によれば、現像ハウジング80内に比較的多くの外添剤が存在する高印字率条件において、現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比が増大される。このため、現像ローラー83のトナー層が感光体ドラム321の表面に接触する接触時間が増大されることによって、現像ハウジング80内の外添剤を積極的に感光体ドラム321側に供給することができる。このため、感光体ドラム321のリフレッシュ動作がより安定して実現される。
また、上記の実施形態によれば、リフレッシュ制御部95は、前記印字率が閾値未満の場合に、感光体ドラム321と現像ローラー83との間に、現像ローラー83から感光体ドラム321にトナーが移動する極性の直流バイアスの電位差を設定する。この構成によれば、現像ハウジング80内の外添剤の量が少なくなりやすい低印字率条件において、リフレッシュ動作時に外添剤とともにトナーを感光体ドラム321に供給することができる。この結果、外添剤が単独で感光体ドラム321に供給されることによって、現像ハウジング80内のトナーと外添剤とのバランスがより悪化することが抑制される。
また、上記の実施形態によれば、リフレッシュ制御部95は、前記印字率が閾値以上の場合、感光体ドラム321と現像ローラー83との間に、感光体ドラム321から現像ローラー83にトナーが移動する極性の直流バイアスの電位差を設定する。または、リフレッシュ制御部95は、感光体ドラム321および現像ローラー83の直流バイアスの電位を同電位に設定する。この構成によれば、現像ハウジング80内に比較的多くの外添剤が存在する高印字率条件において、リフレッシュ動作時にトナーを現像ハウジング80側に保持することできる。このため、トナー消費を抑制しながら、現像ハウジング80内に潤沢に存在する外添剤を選択的に感光体ドラム321側に供給することができる。
また、上記の実施形態によれば、リフレッシュ制御部95は、前記印字率が閾値以上の場合よりも、閾値未満の場合の方が、リフレッシュ動作に伴う感光体ドラム321の回転時間を長くする。この構成によれば、低印字率条件において感光体ドラム321への外添剤の供給が抑制された場合であっても、リフレッシュ動作に伴う感光体ドラム321の回転時間が長く設定される。このため、少ない外添剤の量でも、好適にリフレッシュ動作を実現することが可能となる。
また、上記の実施形態によれば、研磨作用を備える酸化チタンが、外添剤として感光体ドラム321に供給されることによって、感光体ドラム321の表面が好適に研磨される。また、磁気ローラー82から現像ローラー83を介して、感光体ドラム321にトナーが供給されるタッチダウン方式の現像装置324において、現像ハウジング80内の外添剤の量を安定して維持するとともに、感光体ドラム321の表面を好適にリフレッシュすることが可能となる。更に、リフレッシュ動作が、画像形成動作の実行前、実行後、または紙間を利用して実行され、現像ハウジング80内の外添剤の量が好適に調整可能とされる。
以上、本発明の実施形態に係る現像装置324およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、外添剤が現像ローラー83から感光体ドラム321側に供給される供給条件として、現像ローラー83の感光体ドラム321に対する回転速度比、第2現像バイアスBpにおけるVppおよびDuty比の変更を用いて説明したが、これらの条件のうちの1つまたは少なくとも2つが設定されるものであってもよい。
(2)上記の実施形態では、印字率の閾値として5%をもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像剤として使用されるトナーおよび外添剤の特性に応じて、前記閾値は設定されればよい。また、上記の実施形態における低印字率、高印字率なる表現は、相対的なものであり、本発明における印字率の値を限定するものではない。
(3)また、上記の実施形態では、図7のステップS006において、第2現像バイアスBp11の交流バイアスおよび回転速度比S/Dの条件が、現像動作時と同じ条件に設定される態様で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第2現像バイアスBp11の交流バイアスの振幅値(低印字率条件)は、第2現像バイアスBp12の前記振幅値(高印字率条件)よりも小さく設定されるものであってもよい。この場合であっても、低印字率の場合のリフレッシュ動作時に、高印字率の場合と比較して、多量の外添剤が感光体ドラム321側に供給されることによって、現像ハウジング80内の外添剤が低減することが抑止される。この結果、トナーの帯電性が悪化し、トナー像の濃度低下が生じることが抑制される。
(4)また、上記の実施形態では、リフレッシュ動作において、感光体ドラム321の表面が帯電されず、現像ローラー83に印加される現像バイアスによって、感光体ドラム321と現像ローラー83との間に電位差が設定される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像動作時と同様に、感光体ドラム321の表面が帯電され、更には、前記帯電された領域が露光されることによって、いわゆるトナーバンドが形成され、リフレッシュ動作における外添剤およびトナー消費が実現されるものであってもよい。