JP5845891B2 - 複層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔8〕を要旨とする。
前記ウレタン樹脂層は、
(a)ポリウレタン、
(b)エポキシ化合物、
(c)不揮発性塩基、並びに、
(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤
を含む樹脂(A)を硬化させた層である、複層フィルム。
〔3〕前記ウレタン樹脂層の厚さが30〜250nmである、〔1〕または〔2〕に記載の複層フィルム。
(a)ポリウレタン、
(b)エポキシ化合物、
(c)不揮発性塩基、並びに、
(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤
を含む樹脂(A)の水分散体を塗布し、硬化させることを含む、複層フィルムの製造方法。
〔6〕前記樹脂(A)の水分散体中の、(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤の濃度が、0.01〜1重量%である、〔4〕または〔5〕に記載の製造方法。
〔8〕偏光子と、〔7〕記載の偏光板保護フィルムとを備える、偏光板。
基材フィルムは、基材フィルムの表面に脂環式構造含有重合体を含む樹脂(以下、脂環式構造含有重合体を含む樹脂を「脂環式構造含有重合体樹脂」と呼ぶことがある。)からなる層を表面に有する。したがって、基材フィルムが1層のみを有する単層構造のフィルムである場合、脂環式構造含有重合体樹脂からなる層のみによって基材フィルムが形成される。また、基材フィルムが2層以上の層を有する複層構造のフィルムである場合、基材フィルムの少なくとも一方の最外層が脂環式構造含有重合体樹脂からなる層であれば、その基材フィルムは他に任意の層を有していてもよい。
脂環式構造含有重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有する重合体であり、主鎖に脂環式構造を有する重合体、及び、側鎖に脂環式構造を有する重合体のいずれを用いてもよい。脂環式構造含有重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好ましい。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
基材フィルムは、一層のみを備える単層構造のフィルム層であってもよく、二層以上の層を備える複層構造のフィルム層であってもよい。基材フィルムを複層構造のフィルム層とすることにより、様々な特性を有する偏光板を製造することができる。ただし、基材フィルムが二層以上の層を備える場合、脂環式構造含有重合体樹脂からなる層が、基材フィルムの最表面に位置するようにする。この際、基材フィルムの2面の最表面(おもて面及び裏面)のうち、一方の最表面にのみ脂環式構造含有重合体樹脂からなる層が位置していてもよく、両方の最表面に脂環式構造含有重合体樹脂からなる層が位置していてもよい。
延伸温度は、未延伸の基材フィルムを形成する材料のガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは(Tg−30℃)以上、より好ましくは(Tg−10℃)以上であり、好ましくは(Tg+60℃)以下、より好ましくは(Tg+50℃)以下である。
延伸倍率は、使用する基材フィルムの光学特性に応じて適宜選択してもよく、通常1.05倍以上、好ましくは1.1倍以上であり、通常10.0倍以下、好ましくは2.0倍以下である。
基材フィルムは、1mm厚でのヘイズが0.3%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、ヘイズが0.2%以下である。ヘイズが0.3%を超えると、基材フィルムの透明性が低下することがある。
基材フィルムの厚み変動幅は、長尺方向及び幅方向にわたって、前記平均厚みの±3%以内であることが好ましい。厚み変動を上記範囲にすることにより、基材フィルムの位相差(レターデーション)などの光学特性のバラツキを小さくすることができる。
ウレタン樹脂層は、(a)ポリウレタン、(b)エポキシ化合物、(c)不揮発性塩基、並びに、(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤、を含む未硬化状態のウレタン樹脂(A)を硬化させた層である。以下、(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤を、「(d)成分」と呼ぶことがある。
ウレタン樹脂層は、基材フィルムの一方の表面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。基材フィルムの両面にウレタン樹脂層を設けることにより、基材フィルムの取り扱い性を効果的に改善できる。
ポリウレタンとしては、例えば、(i)1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分と(ii)多価イソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタン;または、上記(i)成分及び(ii)成分をイソシアネート基過剰の条件下で、反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒中でウレタン化反応させてイソシアネート基含有プレポリマーとし、次いで、該プレポリマーを中和し、鎖延長剤を用いて鎖延長し、水を加えて分散体とすることによって製造されるポリウレタン;などが挙げられる。これらのポリウレタンには酸構造(酸残基)を含有させてもよい。
ポリオール化合物として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、2,5−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチルプロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、例えば、前記のポリオール化合物のアルキレンオキシド付加物;アルキレンオキシドと環状エーテル(例えばテトラヒドロフランなど)との開環(共)重合体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールの共重合体;グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリオクタメチレングリコールなどのグリコール類;などが挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、例えば、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸又はその無水物と、上記(1)で挙げられたようなエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコールなどのポリオール化合物とを、水酸基過剰の条件で重縮合させて得られたものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、エチレングリコール−アジピン酸縮合物、ブタンジオール−アジピン縮合物、ヘキサメチレングリコール−アジピン酸縮合物、エチレングリコール−プロピレングリコール−アジピン酸縮合物、或いはグリコールを開始剤としてラクトンを開環重合させたポリラクトンジオールなどが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとして、例えば、エーテル基含有ポリオール(例えば、前記(2)のポリエーテルポリオールやジエチレングリコール等)または、これと他のグリコールとの混合物を上記(3)で例示したようなジカルボン酸又はその無水物に加えてアルキレンオキシドを反応させてなるものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール−アジピン酸縮合物などが挙げられる。
ポリカーカーボネートポリオールとしては、例えば、一般式HO−R−(O−C(O)−O−R)x−OH(ただし、式中、Rは炭素原子数1〜12の飽和脂肪酸ポリオール残基を示す。また、xは分子の繰り返し単位の数を示し、通常5〜50の整数である。)で示される化合物などが挙げられる。これらは、飽和脂肪族ポリオールと置換カーボネート(例えば、炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートなど)とを、水酸基が過剰となる条件で反応させるエステル交換法;前記飽和脂肪族ポリオールとホスゲンとを反応させるか、または必要に応じて、その後さらに飽和脂肪族ポリオールを反応させる方法;などにより得ることができる。
なお、ポリウレタンは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は架橋剤として機能する成分であり、エポキシ化合物を用いることによってウレタン樹脂層の機械的強度を高めることができる。また、エポキシ化合物が有する極性構造により、接着力を向上させる作用も見込まれる。
本発明に用いる樹脂(A)は、不揮発性塩基を含有する。ポリウレタンが酸構造を含む場合、酸構造の一部又は全部は、不揮発性塩基により中和されていることが好ましい。酸構造含有水系ウレタン樹脂の酸構造のうちの20%以上が不揮発性塩基により中和されていることがより好ましく、50%以上が不揮発性塩基により中和されているのが特に好ましい。酸構造のうちの20%以上が不揮発性塩基により中和されることにより、本発明の複層フィルムが高温下に曝された熱履歴を有しても、光学材料としての特性を維持しつつ、他の光学フィルム、特に偏光子に積層して使用されるときに、積層されたフィルムとの密着性をより一層維持することができる。なお、酸構造含有水系ウレタン樹脂の残りの酸構造は中和されていなくてもよく、又は揮発性塩基により中和されていてもよい。
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン水酸化カリウム、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトシキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、シクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンペンタミン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−プロパンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルエタノールアミン、アミノヘキシルエタノールアミン、アミノエチルプロパノールアミン、アミノプロピルプロパノールアミン、アミノヘキシルプロパノールアミン、5−アミノピラゾール、1−メチル−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−5−アミノピラゾール、1−ベンジル−5−アミノピラゾール、1,3−ジメチル−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−3−メチル−5−アミノピラゾール、1−ベンジル−3−メチル−5−アミノピラゾール、1−メチル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、1−メチル−4−アシノ−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、3−メチル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、1−ベンジル−4−クロロ−5−アミノピラゾールなどの一級アミン;
N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシカルボン酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、グリコリック酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物;
トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ[(2−ヒドロキシ)−1−プロピル]アミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどの三級アミン;
イミダゾリン、2−メチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン化合物;などが挙げられる。
(d)成分は、三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤である。(d)成分の添加により未硬化状態の樹脂(A)の発泡を抑制しつつ濡れ性を改善できるので、基材フィルムに塗布した際のはじきムラの発生を防止できる。
未硬化状態のウレタン樹脂(A)は、通常、溶剤を含む流体状の樹脂である。具体的には、(a)ポリウレタン、(b)エポキシ化合物、(c)不揮発性塩基、(d)成分、並びに必要に応じて用いられるその他の成分が、溶剤に溶解又は分散した液状の組成物となっている。この際、溶剤としては、水又は水溶性の溶剤を用いる。
未硬化状態のウレタン樹脂(A)は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述したもの以外の成分を含んでいてもよい。
なお、微粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
非ブロック型のイソシアネート化合物としては、例えば、多官能イソシアネート化合物と一価又は多価のノニオン性ポリアルキレンエーテルアルコールとを反応させて得られる化合物が挙げられる。
ウレタン樹脂層は、通常、基材フィルムの表面に上記未硬化状態のウレタン樹脂(A)の層を形成し、その後、当該ウレタン樹脂を硬化させることにより製造する。未硬化状態のウレタン樹脂は、上記各成分が溶解又は分散した組成物であり、例えば、エマルション、コロイド分散系、水溶液などの形態としてもよい。
通常、未硬化状態のウレタン樹脂は溶剤を含むので、硬化させる際には溶剤を乾燥させて除去する。乾燥方法は任意であり、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥など任意の方法で行ってもよい。中でも、樹脂中において架橋反応等の反応を速やかに進行させる観点から、加熱乾燥によって樹脂を硬化させることが好ましい。
ウレタン樹脂層の厚みは、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、30nm以上が特に好ましく、また、1,000nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、250nm以下が特に好ましい。前記範囲内にあると、基材フィルムとウレタン樹脂層との十分な接着強度が得られ、かつ、本発明の複層フィルムの反りなどの欠陥を無くすことができる。
本発明の複層フィルムは、本発明の要旨を逸脱しない限り、基材フィルムのウレタン樹脂層を形成しない側の表面に、他の層を備えていてもよい。その例を挙げると、反射防止層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層、防汚層、セパレーターフィルム等が挙げられる。
本発明の複層フィルムは、光学部材としての機能を安定して発揮させる観点から、1mm厚換算での全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計「V−570」)を用いて測定できる。
なお、面内位相差Reは、フィルムの遅相軸方向の屈折率nx、遅相軸に面内で直交する方向の屈折率ny、及び厚み方向の屈折率nz、フィルムの平均厚みDとしたときに、(nx−ny)×Dで定義される値である。また、厚み方向の位相差Rthは、((nx+ny)/2−nz)×Dで定義される値である。
本発明の複層フィルムは、光学フィルムとして任意の用途に用いることができる。本発明の複層フィルムは他の部材と接着性に優れ、且つ、その接着性が高温高湿度下においても低下し難いという利点を有するので、この利点を有効に活用する観点からは、他の部材と貼り合せて用いる用途に適用することが好ましい。具体的な用途の例を挙げると、本発明の複層フィルムは、偏光板保護フィルムとして用いることが好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂(ZEONOR1430、日本ゼオン社製;ガラス転移温度135℃)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥した。その後、65mm径のスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式のフィルム溶融押出し成形機を使用し、溶融樹脂温度270℃、Tダイの幅500mmの成形条件で、厚さ100μm、長さ1000mの基材フィルムを製造した。この基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂からなる基材フィルムである。
厚み80μmのポリビニルアルコールフイルムを0.3%のヨウ素水溶液中で染色した。その後、4%のホウ酸水溶液及び2%のヨウ化カリウム水溶液中で5倍まで延伸した後、50℃で4分間乾燥させて偏光子を製造した。
ゴーセファイマーZ410(日本合成化学工業製、アセトアセチル基を含むポリビニルアルコール)に水を加えて固形分3%に希釈し、接着液を製造した。
500mlのメスシリンダーに50mlの水分散液を量り取る。G3のガラスフィルターを先端に取り付けた直径5mmのチューブを通じ、前記分散液に流量0.1L/minで1分間空気を送り、次いで30秒静置した後の泡の体積を読み取る。体積が少ないほど泡の発生を抑制できるといえる。
製造した複層フィルムを、LPL社製ビデオライトVLG−301にて照射した。このフィルムの反射光を斜めから目視で観察し、直径0.5mm以上で略円状に透明に光ぬけしている箇所をはじきムラとして個数を数え、1m2あたりの数に換算した。
実施例又は比較例で製造した複層フィルムのウレタン樹脂層の表面と、製造例2で製造した偏光子の片面とを、製造例3で製造した接着剤を用いてロールラミネーターで貼り合わせることにより、偏光板を製造した。得られた偏光板を幅10mmに切断し、偏光子とフィルムとを90°方向に引っ張り、剥がれる際の引っ張り力(90°ピール強度)を測定した。測定は20mmの長さで行い、その際の平均値(平均ピール強度)を求めた。なお、測定機としては万能引張圧縮試験機(TCM−500CR:新興通信工業社製)を用い、引張速度20mm/分で試験を実施した。
ウレタン樹脂の水分散体の、塗布量と塗布面積から未硬化状態での膜厚を算出し、固形分濃度から換算して求めた。
〔ウレタン樹脂の水分散体の製造〕
温度計、攪拌機、窒素導入管および冷却管を備えた反応器に、ポリエステルポリオールであるマキシモールFSK−2000(川崎化成工業社製、水酸基価56mgKOH/g)840部、トリレンジイソシアネート119部、およびメチルエチルケトンを200部入れ、窒素を導入しながら75℃で1時間反応させた。反応終了後、60℃まで冷却し、ジメチロールプロピオン酸35.6部を加え、75℃で反応させて、酸構造を含有するポリウレタンの溶液を得た。前記のポリウレタンのイソシアネート基(−NCO基)の含有量は0.5%であった。
コロナ処理装置(春日電機社製)を用いて、出力300W、電極長240mm、ワーク電極間3.0mm、搬送速度4m/minの条件で、製造例1で得た基材フィルムの表面に放電処理を施した。
(d)成分(サーフィノール465)の添加量を、得られる水系樹脂に対し1,000ppmとなる量とした他は、実施例1と同様にして複層フィルム2を得た。この複層フィルム2についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
(d)成分(サーフィノール465)の添加量を、得られる水系樹脂に対し10,000ppmとなる量とした他は、実施例1と同様にして複層フィルム3を得た。この複層フィルム3についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
水系樹脂の塗布量を、乾燥後のウレタン樹脂層の厚さが30nmになるようにした他は、実施例1と同様にして複層フィルム4を得た。この複層フィルム4についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
水系樹脂の塗布量を、乾燥後のウレタン樹脂層の厚さが250nmになるようにした他は、実施例1と同様にして複層フィルム5を得た。この複層フィルム5についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
(d)成分として、サーフィノール465に替えて、4,7−ジヒドロキシ−2,4,7,9−テトラメチル−5−デシンのエチレンオキサイド(40)付加物(日信化学工業社製「サーフィノール440」)を、得られる水系樹脂に対し100ppmとなる量用いた他は、実施例1と同様にして複層フィルム6を得た。この複層フィルム6についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
(d)成分(サーフィノール440)の添加量を、得られる水系樹脂に対し500ppmとなる量とした他は、実施例6と同様にして複層フィルム7を得た。この複層フィルム7についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表1に示す。
(d)成分(サーフィノール465)を使用しなかった他は、実施例1と同様にして複層フィルム8を得た。この複層フィルム8についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表2に示す。
イソフタル酸ジヒドラジドを使用しなかった他は、実施例1と同様にして複層フィルム9を得た。この複層フィルム9についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表2に示す。
(d)成分(サーフィノール465)に替えて、シリコン系界面活性剤(信越シリコーン社製「KM−7750」)を、得られる水系樹脂に対し100ppmとなる量用いた他は、実施例1と同様にして複層フィルム10を得た。この複層フィルム10についてはじきムラおよび接着力を評価した結果を、表2に示す。
Claims (8)
- 脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる層を表面に有する基材フィルムと、ウレタン樹脂層とを備え、
前記ウレタン樹脂層は、
(a)ポリウレタン、
(b)エポキシ化合物、
(c)不揮発性塩基、並びに、
(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤
を含む樹脂(A)を硬化させた層であって、
前記(d)成分の添加量が、未硬化状態の前記樹脂(A)の総量に対し、重量基準で、10ppm以上10,000ppm以下である、複層フィルム。 - 前記樹脂(A)が(e)微粒子をさらに含有する、請求項1記載の複層フィルム。
- 前記ウレタン樹脂層の厚さが30〜250nmである、請求項1または2に記載の複層フィルム。
- 脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる層を表面に有する基材フィルムの前記表面に、
(a)ポリウレタン、
(b)エポキシ化合物、
(c)不揮発性塩基、並びに、
(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤
を含む樹脂(A)の水分散体を塗布し、硬化させることを含む、複層フィルムの製造方法であって、
前記(d)成分の添加量は、未硬化状態の前記樹脂(A)の総量に対し、重量基準で、10ppm以上10,000ppm以下である、複層フィルムの製造方法。 - 前記樹脂(A)が(e)微粒子をさらに含有する、請求項4記載の製造方法。
- 前記樹脂(A)の水分散体中の、(d)三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤の濃度が、0.01〜1重量%である、請求項4または5に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複層フィルムを備える、偏光板保護フィルム。
- 偏光子と、請求項7記載の偏光板保護フィルムとを備える、偏光板。
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