JP5842396B2 - 調光材料および調光フィルム - Google Patents
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Description
本発明は、耐熱性に優れる調光材料、およびこれを用いて構成される調光フィルムを提供することを課題とする。
<1> エネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体と、
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体であり、且つ前記第一の構造単位と前記第二の構造単位のモル比が5/95〜20/80である樹脂分散剤並びに光調整粒子を含有し、前記高分子媒体中に分散された光調整懸濁液と
を含む調光材料である。
樹脂マトリックスと、
前記樹脂マトリックス中に分散され、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体であり、且つ前記第一の構造単位と前記第二の構造単位のモル比が5/95〜20/80である樹脂分散剤と光調整粒子とを含有する、光調整懸濁液と
を有する調光フィルムである。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」の少なくとも一方を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」の少なくとも一方を意味する。
本発明の調光材料は、エネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体と、
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体であり、且つ前記第一の構造単位と前記第二の構造単位のモル比が5/95〜20/80である樹脂分散剤並びに光調整粒子を含有し、前記高分子媒体中に分散された光調整懸濁液と
を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
即ち、本発明の調光材料においては、樹脂分散剤及び光調整粒子を含有する光調整懸濁液がエネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体中に分散されており、該光調整懸濁液に含まれる樹脂分散剤がヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位と炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位とを所定のモル比で含む共重合体である。これにより、充分な耐熱性が確保できるとともに、光調整懸濁液に含まれる光調整粒子の分散性が向上し、安定な光透過率を維持することが可能になる。
従って、本発明によれば、長期に亘り、優れた耐熱性を有する調光材料を提供することができる。
前記光調整懸濁液は、前記樹脂分散剤の少なくとも1種と、光調整粒子の少なくとも1種とを含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
光調整懸濁液が、特定構造の樹脂分散剤を含むことで、光調整粒子の分散安定性が向上し、耐熱性に優れる調光材料を構成することができる。これは例えば、前記樹脂分散剤が適度な割合のヒドロキシ基を有することで、光調整粒子と樹脂分散剤の親和性がより向上するためと考えることができる。
前記樹脂分散剤は、光調整粒子が分散した光調整懸濁液を構成する流動可能な分散媒として用いられる。
前記樹脂分散剤は、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体(以下、「特定共重合体」ということがある)である。
ここで、構造単位とは、共重合体中に含まれる、モノマー由来の繰り返し単位をいう。
本発明においては、第一の構造単位と第二の構造単位とを所定の比率で含む特定共重合体を樹脂分散剤として用いることにより、光調整粒子の分散性を高めることができ、耐熱性に優れた調光材料を得ることができる。
かかる特定共重合体は、必要に応じて第一の構造単位及び第二の構造単位以外に、その他の構造単位を含んでいてもよい。
前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記式(I)で表される1つのヒドロキシ基がアルキレン基の末端に位置するヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
・・・式(I)
前記式(I)において、R1は水素原子又はメチル基であるが、メチル基であることが好ましい。
また、R2で表されるアルキレン基は、環状、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、中でも直鎖状であることが好ましい。炭素数は2〜8であるが、耐熱性の観点から、2〜4であることが好ましい。
R1、R2が上述のような条件を満たすことにより、光調整粒子の分散性を高めることができ、調光層において優れた耐熱性が実現できる。
前記炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレートとしては、光調整粒子の分散性を確保する視点より、炭素数8〜16のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数10〜14のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
前記炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリメチルヘプチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でもヘキシル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリメチルヘプチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレートが好ましく、特に2,4,6−トリメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
かかる特定共重合体としては、後述する高分子媒体及びその硬化物である樹脂マトリックスと完全に相分離するもの、もしくは部分的に相分離可能なものであることが好ましい。より好ましくは、光調整粒子を流動可能な状態で分散させる役割を果たすとともに、光調整粒子に選択的に付着被覆し、高分子媒体との相分離の際に光調整粒子が相分離された液滴相に移動するように作用し、電気導電性が小さく、高分子媒体との親和性が小さく、調光フィルムとした際に高分子媒体から形成される樹脂マトリックスとの屈折率が近似した液状共重合体を使用することがより好ましい。
中でも、β位およびγ位にヒドロキシ基を有するアルキルスルフィド構造を有する化合物を用いることが好ましい。このような連鎖移動剤としては、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2,3−ジヒドロキシブタン、1−メルカプト−2,3−ジヒドロキシヘキサン等を挙げることができる。
前記光調整懸濁液は、光調整粒子の少なくとも1種を含む。光調整粒子としては、前駆体であるピラジン−2,3−ジカルボン酸・2水和物、ピラジン−2,5−ジカルボン酸・2水和物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸・1水和物からなる群の中から選ばれた1つの物質とヨウ素及びヨウ化物とニトロセルロースとを反応させて得られるポリヨウ化物が好ましい。
ヨウ化物としては、ヨウ化カルシウム等が挙げられる。このようにして得られるポリヨウ化物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
CaI2(C6H4N2O4)・xH2O (x:1〜2)
CaIa(C6H4N2O4)b・cH2O (a:3〜7、b:1〜2、c:1〜3)
これらのポリヨウ化物は針状結晶であることが好ましい。
光調整粒子の長径は、225nm〜625nmが好ましく、250nm〜550nmがより好ましく、300nm〜500nmがさらに好ましい。
また、光調整粒子の短径に対する長径の比率、すなわちアスペクト比は3〜8が好ましく、3.3〜7がより好ましく、3.6〜6がさらに好ましい。
本発明における光調整粒子の長径と短径は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡で光調整粒子を撮影し、撮影した画像より任意に50個の光調整粒子を抽出し、各光調整粒子の長径と短径を平均値として算出することができる。ここで、長径とは、前記撮影した画像により二次元視野内に投影された光調整粒子について、最も長い部分の長さとする。また、短径とは、前記長径に直交する最も長い部分の長さとする。
このZ average値は、例えば光相関法や動的光散乱法に基づいた、違う粒度分布計の測定値、具体的には上述の透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡で測定される光調整粒子の長径、短径とよい相関を示すことが知られおり、粒子径を評価する指標として適当である。
以上のようにして光調整粒子分散液を得ることができる。
さらに正確な濃度決定方法としては、例えば、光調整粒子分散液の密度を測定し、この密度の値から濃度を求める方法が挙げられる。具体的には、光調整懸濁液の製造方法においては、光調整粒子分散液の密度を測定する工程と、測定した前記密度に基づいて、前記光調整粒子分散液の濃度を算出する工程とを設けることができる。このような粒子と媒体である溶剤の密度に差があれば、粒子の濃度と分散液の密度には相関関係があると考えられる。溶剤、分散液の密度を測定する装置は特に制限されないが、例えば、アントンパール社製の振動式デジタル密度計を用いると、小数点以下第4位から6位までの密度を求めることが可能である。
前記光調整粒子が分散した光調整懸濁液は、流動可能な分散媒として上述の樹脂分散剤を含むが、必要に応じて可塑剤の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。これにより光調整懸濁液の粘度をより低減することができる。
可塑剤は上述の樹脂分散剤と同様に流動可能な状態で、光調整粒子を分散させる役割を果たすものであればよい。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルオクチル等のフタル酸アルキルエステル類、イソフタル酸ジオクチル等のイソフタル酸アルキルエステル類、オレイン酸ブチル、オレイン酸−n−プロピル等のオレイン酸アルキルエステル類、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸アルキルエステル類、ジ安息香酸ジエチレングリコール等の安息香酸アルキルエステル、トリメリット酸オクチル、トリメリット酸ドデシル、トリメリット酸イソデシル等を挙げることができる。
光調整懸濁液中の分散媒として樹脂分散剤と可塑剤の割合に特に制限はなく、必要に応じて適宜選択できる。例えば、樹脂分散剤と可塑剤の総量中における樹脂分散剤の割合が3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。
溶剤の除去方法として具体的には、所定の濃度の光調整粒子分散液と分散高分子を混合した後、加熱しながら溶剤を減圧留去する方法が好ましい。ロータリーエバポレータにアスピーレータやダイヤフラム式もしくは油回転式ポンプを接続し、減圧すると効率的に溶剤を留去できる。また光調整粒子分散液の濃度は上述のようにして算出することができる。
本発明の調光材料はエネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体の少なくとも1種を含む。エネルギー線を照射することにより硬化する高分子媒体としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線等のエネルギー線により硬化する高分子化合物、及び光重合開始剤を含む高分子組成物が挙げられる。
前記エチレン性不飽和基を有する高分子化合物としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が合成容易性、調光性能、耐久性等の点から好ましい。
これらの樹脂は、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基をさらに有することが、調光性能、耐久性等の点から好ましい。
また、前記シリコーン系樹脂は、例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサン、両末端シラノールポリジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、両末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン等の両末端シラノールシロキサンポリマー、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合含有シラン化合物などを、有機スズ系触媒である2−エチルヘキサン錫の存在下で、脱水縮合反応及び脱アルコール反応させて合成される。
シリコーン系樹脂の形態としては、無溶剤型が好ましい。すなわち、樹脂の合成に溶剤を用いた場合には、合成反応後に溶剤を除去することが好ましい。
シリコーン系樹脂の調製における(3−アクリロキシプロピル)メトキシシラン等のエチレン性不飽和結合含有シラン化合物の使用量は、原料シロキサン及びシラン化合物総量の2質量%〜30質量%とすることが好ましく、5質量%〜18質量%とすることがより好ましい。
前記エチレン性不飽和基含有モノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
光重合開始剤として具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン等を挙げることができる。
これらの光重合開始剤の使用量は、前記エチレン性不飽和基を有する高分子化合物100質量部に対して0.05質量部〜20質量部であることが好ましく、0.1質量部〜5質量部であることがより好ましい。
さらに高分子媒体中には、ジブチル錫ジラウレート等の着色防止剤等の添加物を必要に応じて添加してもよく、必要に応じて溶剤が含まれていてもよい。
本発明の調光フィルムは、2つの透明導電性樹脂基材と、前記2つの透明導電性樹脂基材に挟持され、前記調光材料を用いて形成される調光層とを有するものである。前記調光材料から、高分子媒体から形成された樹脂マトリックスと、樹脂マトリックス中に分散した光調整懸濁液とを含む調光層が形成される。
調光層が前記調光材料から形成されることで、高温環境におかれた後であっても光透過性の変化が抑制される耐熱性に優れた調光フィルムを構成することができる。また調光層における光調整粒子濃度のバラつきが抑えられ、透過率のバラつきや外観差が抑えられた調光フィルムを構成することができる。
透明導電性樹脂基材としては、一般的に、透明樹脂基材に、光透過率が80%以上の透明導電膜(ITO、SnO2、In2O3、有機導電膜等の膜)がコーティングされている表面抵抗値が3Ω〜3000Ωの透明導電性樹脂基材を使用することができる。なお、透明樹脂基材の光透過率はJIS K7105の全光線透過率の測定法に準拠して測定することができる。また、透明樹脂基材としては、例えば、高分子フィルム等を使用することができる。
プライマー層形成に用いる溶剤としては、プライマー層を形成する材料を溶解あるいは分散し、プライマー層形成後に乾燥等により除去できるものであればよく、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、アニソール、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、シクロヘキサン、エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコール、ジメチルジグリコール、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル等を用いることができ、これらの混合溶媒でもよい。
本発明における調光層は、樹脂マトリックスと該樹脂マトリックス中に分散した前記光調整懸濁液とを含む。なお、樹脂マトリックスは、調光材料に含まれるエネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体(好ましくは、エチレン性不飽和基含有高分子化合物)を硬化したものである。前記高分子媒体及び分散媒(光調整懸濁液中の樹脂分散剤および可塑剤等の分散媒)としては、前記高分子媒体及びその硬化物と分散媒とが、少なくともフィルム化したときに互いに相分離しうるものを用いる。互いに非相溶又は部分相溶性の前記高分子媒体と分散媒とを組み合わせて用いることが好ましい。
光調整懸濁液と高分子媒体とを混合する方法は特に制限されず、通常の液体混合方法から適宜選択して適用することができる。
また、液晶を利用した従来技術による調光窓の場合には、液晶が紫外線に容易に劣化し、またネマチック液晶の熱的特性によりその使用温度の範囲も狭い。更に、光学特性面においても、電界が印加されていない場合には光散乱による乳白色の半透明な状態を示し、電界が印加される場合にも、完全には鮮明化せず、乳濁状態が残存する問題点がある。従って、このような調光窓では、既存の液晶表示素子で動作原理として利用されている光の遮断及び透過による表示機能が不可能である。しかし、本発明による調光フィルムを使用すれば、このような問題点が解決できる。
図1に、本発明の調光フィルムの一態様を構造概略図として示す。図1に示す調光フィルムでは、透明導電膜5aがコーティングされた透明樹脂基材5bからなる透明導電性樹脂基材4の2枚の間に、調光層1が挟持されている。調光層1と透明導電性樹脂基材4の間にはプライマー層6が設けられている。
(基準粒子密度決定のための光調整粒子分散液の調製)
ヨウ素(JIS試薬特級、和光純薬工業(株)製)と酢酸イソアミル(試薬特級、和光純薬工業(株)製)から8.5質量%ヨウ素の酢酸イソアミル溶液を、またニトロセルロース1/4LIG(商品名:ベルジュラックNC社製)と酢酸イソアミルから20.0質量%ニトロセルロースの酢酸イソアミル溶液を調製した。ヨウ化カルシウム水和物(化学用、和光純薬工業(株)製)を加熱乾燥して無水化して酢酸イソアミルに溶解させ、20.9質量%ヨウ化カルシウム溶液を調製した。20Lフラスコに撹拌機と冷却管を備え、ヨウ素溶液を6905g、ニトロセルロース溶液を8723g、を加え水浴温度を35℃〜40℃としてフラスコを加熱した。ニトロセルロース溶液中の水分比(%)は平沼産業(株)製、平沼水分測定装置AQ−7(発生液:ハイドラナールアクアライトRS、対極液:アクアライトCN)を用いて測定したところ、0.61%であり、加えた溶液質量からニトロセルロース溶液中の水分量は53.2gであった。フラスコ内容物の温度が35℃〜40℃となった後、脱水メタノール(試薬特級、和光純薬工業(株)製)を260g、精製水(和光純薬工業(株)製)を55.6g加えて撹拌した。ヨウ化カルシウム溶液を1643g、次いでピラジン−2,5−ジカルボン酸(日化テクノサービス(株)製)を390g加えた。水浴温度を42℃〜44℃として4時間撹拌した後、放冷した。
得られた合成液を9260Gで5時間遠心分離後、傾斜して上澄み液を除き、底部に残存した沈殿に、この沈殿の質量の5倍に相当する酢酸イソアミルを加え超音波で沈殿を分散し、次に710Gで10分間遠心分離後、上澄みを9260Gで3時間遠心分離した。傾斜して上澄みを除き、底部に残存した沈殿に、この沈殿の質量の5倍に相当する酢酸イソアミルを加え超音波で沈殿を分散して光調整粒子分散液を調製した。
上述の光調整分散液の密度を25.00℃で測定したところ、0.92854g/cm3だった。この分散した液を1g金属プレートに秤量し、120℃1時間で乾燥後、再び質量を測定し、光調整分散液における不揮発成分の質量比である不揮発分比NV値を求めたところ、6.98%であった。この不揮発分比NV値を粒子濃度とし、密度の値とともに既述の式(3)に代入して得られた密度2.9722g/cm3を基準粒子密度として、以下密度から粒子濃度を求めるときはすべてこの値を用いた。
(光調整粒子分散液の調製)
水分比が0.68%のニトロセルロース溶液を用いたこと、及び脱水メタノールと一緒に加える精製水を57.3gとしたこと以外は前記参考例と同様にして光調整粒子分散液を調製した。調製した光調整粒子分散液の密度は0.90732g/cm3、粒子濃度は6.1213%となった。
この光調整粒子分散液529.9g、トリメリット酸イソデシル(花王製)300.78gを1Lナス型フラスコに加えロータリーエバポレータにセットし、80℃で加熱しながら油回転ポンプでゆっくり減圧を開始し、約45分間で溶媒を留去した後、そのまま減圧を継続した。減圧開始から1時間経過後に真空度1000Pa以下を確認し、3時間後に減圧と加熱を停止して脱溶した。次に、フラスコに内容物重量と同量の酢酸イソアミルを加え、再び同じ手順で脱溶2回目を実施して粒子濃度9.73%の光調整粒子混合液を得た。
トルエン(試薬特級、和光純薬工業(株)製)164g、メタクリル酸ドデシル231.4g(共栄社化学)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(試薬特級、和光純薬工業(株)製)7.56g、ヘキシルメルカプタン(東京化成)18.40gを3つ口フラスコに加え窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃に加熱した。1時間後、アゾイソブチロニトリル(試薬特級、和光純薬工業(株)製)1.84gをトルエン80gに溶解させた後、全量滴下した。そのまま21時間加熱した後、115℃に加熱して2時間撹拌した。その後、減圧して溶剤を留去した。これにメタノールを200g加えて分液ロートに移して激しく振って30分放置した。上層と下層に分離し、下層を分液ロートに移し、メタノール200gを加え激しく振って30分放置した。上層と下層に分離し、下層を分液ロートに移し、メタノール200gを加え激しく振って30分放置した。上層と下層に分離し、回収した下層から減圧下に溶剤を留去した後、110Pa200℃条件で短行程蒸留精製を行い、樹脂分散剤(分散高分子[P−6])を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は6:94であった。
(光調整懸濁液の調製)
前記光調整粒子混合液7.50g、樹脂分散剤[P−6](重量平均分子量3420)14.22g、トリメリット酸イソデシル26.51gをポリカップに量り取り、攪拌して光調整懸濁液を得た。光調整懸濁液から粒子を除いた質量のうち、樹脂分散剤(分散高分子[P−6])の質量の比率は3.36%であった。
ディーンスタークトラップ、冷却管、撹拌機、加熱装置を備えた四つ口フラスコに、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン(商品名:KBM−5102、信越化学工業(株)製)150.0g、蒸留水19.0g、酢酸(和光純薬工業(株)製)375.0g、質量比でエタノール/メタノール=9/1の混合溶媒89gを仕込み、65℃に昇温して5時間反応させた。反応溶液を40℃以下まで冷却した後、300Pa以下に減圧して70℃まで昇温して2時間、脱溶工程を行った。その後、室温まで冷却してアルコキシシランの一部をシラノールへ変換した化合物140gを得た。また、シラノールへの変換率は54.5%であった。
この変換反応を繰り返し行い、アルコキシシランの一部をシラノールへ変換した化合物14.0gを得た。変換率は54.5%であった。
ディーンスタークトラップ、冷却管、撹拌機、加熱装置を備えた四つ口フラスコに、両末端シラノールポリジメチルシロキサン(商品名:X−21−3114、信越化学工業(株)製)44.0g、両末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン(商品名:X−21−3193B、信越化学工業(株)製)156.0g、前記KBM−5102のメトキシ基をシラノールに変換したもの22.0g、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫(商品名:KCS−405T、城北化学工業(株)製)0.01gを仕込み、ヘプタン中100℃で5時間還流して反応を行った。温度を50℃まで冷却し、トリメチルメトキシシラン(商品名:KBM−31、信越化学工業(株)製)168.0gを添加し、再び85℃において2時間還流スしてエンドキャップ反応させた。次いで温度を75℃に冷却してリン酸ジエチル(別名:エチルアシッドホスフェート)(商品名:JP−502、城北化学工業(株)製)0.01g(脱水縮合触媒ビス(2−エチルヘキサン酸)錫に対して100質量部に対して100質量部)を添加し20分攪拌した後30℃まで冷却した。次いでメタノールを210g、エタノールを90g添加し20分攪拌した。12時間静置した後にアルコール層を除去し、100Pa以下に減圧して、115℃に昇温した。そのまま5時間、脱溶を行い、高分子媒体である重量平均分子量49,000のポリシロキサン樹脂188.3gを得た。NMRの水素積分比からこの樹脂に含まれる3−アクリロキシプロピルメチルシロキサン繰り返し単位量は、3.5質量%であった。
上記で得られた高分子媒体31.3g、光重合開始剤のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製)とテトラヒドロフラン(和光純薬、特級)を各0.2g、上述のようにして調製した光調整懸濁液18.7gをポリカップに量り取り、攪拌して調光材料を得た。
ITO(インジウム錫の酸化物)の透明導電膜(厚み30nm)がコーティングされている表面電気抵抗値が200Ω〜700ΩのPETフィルム(300R、東洋紡績(株)製、厚み125μm)からなる透明導電性樹脂基材の透明導電膜上に前記調光材料を全面塗布した。次いで、その上に同様にプライマー層を形成した同じ透明導電性樹脂基材を、透明導電膜が調光材料の塗布層に向くようにして積層して密着させた。最後に、メタルハライドランプを用いて3000mJ/cm2の紫外線を前記積層した透明導電性樹脂基材のポリエステルフィルム側から照射し、光調整懸濁液が球形の液滴として紫外線硬化した樹脂マトリックス内に分散形成されたフィルム状の厚み90μm〜98μmの調光層が透明導電性樹脂基材に挟まれた厚み330μm〜350μm調光フィルムを製造した。
分光式色差計SZ−Σ90(日本電色工業(株)製)を使用し、A光源、視野角2度で測定したY値(%)を光透過率とした。なお、電界印加時と未印加時の光透過率を測定した。また、電界印加時は、50Hzの交流電圧(実効値)100Vの印加時の透過率をTon(%)、電圧印加がないときをToff(%)、透過率差をΔT(%)=Ton(%)−Toff(%)とし、印加後60秒後のΔT0(%)値を測定したところ54.55%であった。この調光フィルムを100℃で528時間保管した後に同様にΔT1(%)値を測定したところ54.27%、1008時間保管した後ではΔT2(%)は54.08%、1488時間保管した後ではΔT3(%)は51.64%、1992時間保管した後ではΔT4(%)は50.01%、2496時間保管した後ではΔT5(%)は46.85%、3000時間保管した後ではΔT6(%)は48.43%、3504時間保管した後ではΔT7(%)は46.79%、4008時間保管した後ではΔT8(%)は45.80%であった。
耐熱性の目安として、加熱後の透過率差(ΔT1〜ΔT7)を加熱前の透過率差(ΔT0)で除した値をΔT保持率として算出し、これを評価したところ、このフィルムの100℃、528時間におけるΔT保持率は99.5%、1008時間でのΔT保持率は99.1%、1488時間でのΔT保持率は94.7%、1992時間でのΔT保持率は91.7%、2496時間でのΔT保持率は85.9%、3000時間でのΔT保持率は88.8%、3504時間でのΔT保持率は85.8%、4008時間でのΔT保持率は84.0%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)[P−10]の合成)
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を13.15gに変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−10] (重量平均分子量3550))を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は10:90であった。
実施例1で樹脂分散剤として用いた分散高分子[P−6]を前記分散高分子[P−10]に変更した以外は実施例1と同じ方法で、光調整懸濁液を調製した。
(調光材料の調製と調光フィルムの作製、透過率の測定及び耐熱性評価)
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値の測定及び耐熱性評価を行った。
この結果、ΔT0(%)値は57.44%であった。この調光フィルムを100℃で528時間保管した後に同様にΔT1(%)値を測定したところ57.82%、1008時間保管した後ではΔT2(%)は58.46%、1488時間保管した後ではΔT3(%)は57.31%、1992時間保管した後ではΔT4(%)は56.75%、2496時間保管した後ではΔT5(%)は55.04%、3000時間保管した後ではΔT6(%)は56.53%、3504時間保管した後ではΔT7(%)は56.69%、4008時間保管した後ではΔT8(%)は56.03%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)[P−0]の合成)
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を0gに変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−0] (重量平均分子量3220)を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は0:100であった。
実施例1で樹脂分散剤として用いた分散高分子[P−6]を前記分散高分子[P−0]に変更した以外は実施例1と同じ方法で、光調整懸濁液を調製した。
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値の測定及び耐熱性評価を行った。
この結果、ΔT0(%)値は44.51%であった。この調光フィルムを100℃で528時間保管した後に同様にΔT1(%)値を測定したところ34.06%、1008時間保管した後ではΔT2(%)は14.11%、1488時間保管した後ではΔT3(%)は3.35%であった。
また、このフィルムの100℃、528時間におけるΔT保持率は76.5%、1008時間でのΔT保持率は31.7%、1488時間でのΔT保持率は7.5%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)[P−1]の合成)
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を1.20gに変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−1] (重量平均分子量3240)を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は1:99であった。
実施例1で樹脂分散剤として用いた分散高分子[P−6]を前記分散高分子[P−1]に変更した以外は実施例1と同じ方法で、光調整懸濁液を調製した。
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値の測定及び耐熱性評価を行った。
この結果、ΔT0(%)値は47.53%であった。この調光フィルムを100℃で528時間保管した後に同様にΔT1(%)値を測定したところ42.46%、1008時間保管した後ではΔT2(%)は32.05%、1488時間保管した後ではΔT3(%)は15.41%であった。
また、このフィルムの100℃、528時間におけるΔT保持率は89.3%、1008時間でのΔT保持率は67.4%、1488時間でのΔT保持率は32.4%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)[P−2]の合成)
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を2.41gに変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−2] (重量平均分子量3310)を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は2:98であった。
実施例1で樹脂分散剤として用いた分散高分子[P−6]を前記分散高分子[P−2]に変更した以外は実施例1と同じ方法で、光調整懸濁液を調製した。
(調光材料の調製と調光フィルムの作製、透過率の測定及び耐熱性評価)
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値の測定及び耐熱性評価を行った。
また、このフィルムの100℃、528時間におけるΔT保持率は91.0%、1008時間でのΔT保持率は77.1%、1488時間でのΔT保持率は49.2%、1992時間でのΔT保持率は24.0%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)の合成[P−4])
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を4.77gに変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−4] (重量平均分子量3370)を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は4:96であった。
実施例1で樹脂分散剤として用いた分散高分子[P−6]を前記分散高分子[P−4]に変更した以外は実施例1と同じ方法で、光調整懸濁液を調製した。
(調光材料の調製と調光フィルムの作製、透過率の測定及び耐熱性評価)
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値の測定及び耐熱性評価を行った。
また、このフィルムの100℃、528時間におけるΔT保持率は98.4%、1008時間でのΔT保持率は92.5%、1488時間でのΔT保持率は82.7%、1992時間でのΔT保持率は66.3%、2496時間でのΔT保持率は52.7%であった。
(樹脂分散剤(分散高分子)の合成[P−30])
実施例1で合成した樹脂分散剤の組成中、メタクリル酸ドデシルの量を178.1gに、またメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を39.05g、ヘキシルメルカプタンの量を36.99gにそれぞれ変更した以外は実施例1と同じ方法で樹脂分散剤(分散高分子[P−30] (重量平均分子量2240)を得た。ヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比は30:70であった。
実施例1で作製した光調整粒子分散液71.81gと、前記分散高分子[P−30]81.45gを1Lナス型フラスコに加えロータリーエバポレータにセットし、80℃で加熱しながら油回転ポンプでゆっくり減圧を開始し、約45分間で溶媒を留去した後、そのまま減圧を継続した。減圧開始から1時間経過後に真空度1000Pa以下を確認し、3時間後に減圧と加熱を停止した。次に、フラスコに内容物重量と同量の酢酸イソアミルを加え、再び同じ手順で脱溶2回目を実施して粒子濃度5.27%の光調整粒子混合液を得た。
得られた光調整粒子混合液14.10g、トリメリット酸イソデシル6.42gをポリカップに量り取り、攪拌して光調整懸濁液を得た。光調整懸濁液中における粒子の質量の比率は3.62%であった。
(調光材料の調製と調光フィルムの作製、透過率の測定及び耐熱性評価)
この光調整懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調光材料を調製し、その調光材料を用いて調光フィルムを作製し、ΔT0(%)値を測定した。
以上の結果を図5に示す。図5中、100℃での放置時間を横軸に、ΔT保持率を縦軸としてプロットした。尚、図5中の()内の数値は、実施例1〜2及び比較例1〜4における樹脂分散剤中のヒドロキシ基をもつメタクリル酸エステルとアルキル基をもつメタクリル酸エステルのモル比を表す。
図5から、上述の分散高分子[P−6]、 [P−10]を使用した本発明にかかる調光フィルムは、耐熱性に優れ、高温環境下におかれた後であっても優れたΔT保持率を示すことがわかった。
2 樹脂マトリックス
3 液滴
4 透明導電性樹脂基材
5a 透明導電膜
5b 透明樹脂基材
6 プライマー層
7 電源
8 スイッチ
9 分散媒
10 光調整粒子
11 入射光
12 調光層を除去して露出した透明導電膜の表面
13 透明導電膜に電圧印加する導線
Claims (2)
- エネルギー線照射により硬化可能な高分子媒体と、
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体であり、且つ前記第一の構造単位と前記第二の構造単位のモル比が5/95〜20/80である樹脂分散剤並びに光調整粒子を含有し、前記高分子媒体中に分散された光調整懸濁液と
を含む調光材料。 - 2つの透明導電性樹脂基材と、前記2つの透明導電性樹脂基材に挟持された調光層とを有し、前記調光層が、
樹脂マトリックスと、
前記樹脂マトリックス中に分散され、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する第一の構造単位及び炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する第二の構造単位を含む共重合体であり、且つ前記第一の構造単位と前記第二の構造単位のモル比が5/95〜20/80である樹脂分散剤と光調整粒子とを含有する、光調整懸濁液と
を有する調光フィルム。
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