JP5839422B2 - 成膜速度が速いアーク式蒸発源及びこのアーク式蒸発源を用いた皮膜の製造方法 - Google Patents
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カソード放電型アーク式蒸発源は、カソードであるターゲットの表面にアーク放電を発生させ、ターゲットを構成する物質を瞬時に溶解し、イオン化したその物質を処理物である基板の表面に引き込むことで薄膜を形成している。このアーク式蒸発源は、蒸発速度が速く、蒸発したターゲットを構成する物質のイオン化率が高いことから、成膜時に基板にバイアスを印加することで緻密な皮膜を形成できるため切削工具などの耐摩耗性皮膜を形成するために産業的に用いられている。
アークスポットから放出される溶融ターゲット物質(マクロパーティクル)の量は、アークスポットが高速で移動する場合に抑制される傾向があり、その移動速度はターゲットに印加された磁界に影響されることが知られている。
これらの問題を解消するために、ターゲットに磁界を印加し、アークスポットの移動を制御する下記のような試みが提案されており、ターゲット周囲にリング状の磁力発生機構(永久磁石、電磁コイル)を配置し、ターゲット表面に垂直磁場を印可する技術(特許文献1)、イオン化されたターゲットを構成する物質を効率よく基板方向に収束させるように、ターゲットの前方に収束のための磁力発生機構(電磁コイル)を配置する技術(特許文献2)、アーク式蒸発源のターゲット背面中心に永久磁石を設置し、それを取り巻くようにターゲット背面に極性の異なるリング磁石を配置し、アーク放電を閉じこめるような磁場成分を形成すると共に、リング磁石とほぼ同じ直径の電磁コイルを設ける技術(特許文献3)、ターゲット周囲に配置されたリング状磁石と背面の電磁コイルによりターゲット表面に平行な磁場を形成する技術(特許文献4)が開示されている。
さらに、特許文献3に開示された配置では、アーク放電は磁場の垂直成分(ターゲット表面に対する磁場の垂直方向の成分)が0になる点で優先的に放電する傾向があることから、永久磁石とリング磁石のほぼ中間部分にトラップされ、電磁コイルを使用しても、それより内周の部分にアーク放電を制御するのは困難であり、ターゲットの利用効率は高くならない。また、このような配置ではターゲットから前方に向かって伸びる磁力線の成分が無いことから、ターゲットから放出されたイオンは基板に向かって効率的に収束されない。
前述した問題に鑑み、本発明は、成膜速度が速いアーク式蒸発源を提供することを目的とする。
本発明に係るアーク式蒸発源は、ターゲットの外周を取り囲んでいて磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置された1又は複数の外周磁石と、前記ターゲットの背面側に配置された背面磁石とを備え、前記背面磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されている非リング状の第1の永久磁石を有していて、前記背面磁石は、前記第1の永久磁石と前記ターゲットの間、もしくは、前記第1の永久磁石の背面側に、前記第1の永久磁石と間隔を空けて配置された非リング状の第2の永久磁石をさらに有し、前記第2の永久磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されていることを特徴とする。
好ましくは、前記ターゲットは円盤状であり、前記外周磁石はリング状の永久磁石であるとよい。
好ましくは、前記第1の永久磁石は、ターゲットに対向する表面の面積が前記ターゲット表面の面積の4分の1以上であるとよい。
本発明に係る皮膜の製造方法は、上記したアーク式蒸発源を用い、2種類以上の元素を含むターゲットから上記2種以上の元素を含む皮膜を形成することを特徴とする。
なお、本発明にかかるアーク式蒸発源の最も好ましい形態は、ターゲットの外周を取り囲んでいて磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されたリング状の外周磁石と、前記ターゲットの背面側に配置された背面磁石とを備え、前記背面磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されている非リング状の第1の永久磁石を有していて、前記背面磁石は、前記第1の永久磁石と前記ターゲットの間、もしくは、前記第1の永久磁石の背面側に、前記第1の永久磁石と間隔を空けて配置された非リング状の第2の永久磁石をさらに有し、前記第2の永久磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されていて、前記外周磁石の径方向における投影面が前記ターゲットの蒸発面と重なるように配置されていて、前記外周磁石及び前記背面磁石が、前記蒸発面に対して垂直な方向の磁力線の成分が0となる点を持つ磁界をターゲット表面上に形成していることを特徴とする。
好ましくは、前記ターゲットは円盤状であり、前記外周磁石は永久磁石であるとよい。
図1には、本発明の参考実施形態に係るアーク式蒸発源1(以下、蒸発源1)が備えられた成膜装置5が示されている。
成膜装置5は、真空チャンバ11を備え、真空チャンバ11内には処理物である基板6を支持する回転台12と、基板6に向けて取り付けられた蒸発源1が配備されている。真空チャンバ11には、当該真空チャンバ11内へ反応ガスを導入するガス導入口13と、真空チャンバ11内から反応ガスを排出するガス排気口14とが設けられている。
図1に示すように、蒸発源1は、円盤状(以下、「円盤状」とは所定の高さを有した円柱状のものも含む)のターゲット2と、ターゲット2の近傍に配備された磁界形成手段7と、ターゲット2の外周部に配置されたアノード17とを有している。なお、アノード17はグランド18に接続されており、同電位にある真空チャンバ11もアノード17として作用することができる。すなわち、蒸発源1は、カソード放電型のアーク式蒸発源である。
磁界形成手段7は、ターゲット2の外周に配置された外周磁石3と、ターゲット2の背面側に配置された背面磁石4とを有している。また、磁界形成手段7は、外周磁石3の極性の向きと背面磁石4の極性の向きとが同方向となるように外周磁石3及び背面磁石4が配置されている。
これら外周磁石3及び背面磁石4は、保持力の高いネオジム磁石により形成された永久磁石によって構成されている。
外周磁石3は、リング状であって、ターゲット2と同心軸状となるように配置されている。外周磁石3の磁化方向は、ターゲット2の軸心に沿うように(ターゲット2を構成する物質の蒸発面に対して垂直になるように)、且つ外周磁石3の径方向における投影面が
ターゲット2の径方向における投影面と重なるように配置されている。すなわち、外周磁石3は、ターゲット2の蒸発面と平行な方向に外周磁石3とターゲット2とを投影することにより形成される影が互いに重なるように配置されている。
背面磁石4は、その磁化方向がターゲット2の軸心に沿うように(ターゲット2を構成する物質の蒸発面に対して垂直になるように)、且つターゲット2の背面側に配置されている。
磁界形成手段7が前述した構成であるため、ターゲット2の外周部の外周磁石3によって形成される磁界と、ターゲット2の背面側の背面磁石4によって形成される磁界の組合せにより、磁力線を基板6方向に誘導することが可能となる。
すなわち、「非リング状」とは、表面から外方へ向くいずれの法線も互いに交わらない形状をいう。
まず真空チャンバ11を真空引きにより真空にした後、アルゴンガス(Ar)等をガス導入口13より導入する。そして、ターゲット2及び基板6上の酸化物等の不純物をスパッタすることにより除去し、真空チャンバ11内を再び真空にした後、反応ガスをガス導入口13より真空チャンバ11内に導入する。この状態で真空チャンバ11に設置されたターゲット2上でアーク放電を発生させることによりターゲット2を構成する物質をプラズマ化し反応ガスと反応させることで、回転台12に置かれた基板6上に窒化膜、酸化膜、炭化膜、炭窒化膜、或いは非晶質炭素膜等を成膜する。
[参考実施例1]
本発明に係る蒸発源1を用いた参考実施例1について説明する。
外周磁石3は、外径が170mm、内径が150mm、厚さが10mmである。
参考実施例1において、反応ガスとして窒素(N2)を選択し、その圧力は4Pa、成膜時間は30分とした。ターゲット2にはアーク電源15を使用して150Aで放電させ、基板6にはバイアス電源16を用いて30Vの負電圧を印加している。基板6は、15mm×15mm×5mmの鏡面研磨した超硬合金のチップを用い、ターゲット2表面から約180mm離れた位置に配置され、基板6の温度を500℃としている。
測定例3〜測定例8では、円盤背面磁石4Aを、異なる形状(直径、厚み)、位置(ターゲット2表面から円盤背面磁石4A表面までの距離)や個数にて形成し、前述した条件下にて成膜を行っている。なお、測定例8は、本発明にかかる実施形態(本実施形態)での測定結果を示したものである。
成膜速度は、アーク放電により基板6に流れるイオン電流に比例することから、基板6に流れる電流値が大きいほど成膜速度が速いことがわかる。生産性、作業効率などを鑑みたとき、成膜速度に比例する電流値は1.5A以上であることが望ましいため、1.5A以上で合格とした。
測定例1及び測定例2の磁力線分布図は図5、図6であるが、これらの図に示されたように、測定例1及び測定例2は、ターゲット2から前方に向かって伸びる磁力線がターゲット2の正面方向(すなわち、基板6方向)から大きくそれている。
詳しくは、測定例1においては、ターゲット2の軸心から最も離れた側の磁力線が、ターゲット2表面から基板6方向に約75mmしか進んでいない地点で、すでにターゲット2の軸心から200mmも離れている、つまり大きくそれていることがわかる(図5中の矢印A参照)。
このように、ターゲット2から前方に向かって伸びる磁力線が基板6方向から大きくそれるために、イオンの軌跡も基板6方向からそれる傾向にある。
つまり、測定例3〜測定例8においては、ターゲット2の軸心から最も離れた側の磁力線が、ターゲット2表面から基板6方向に約90〜約120mmまで進んだ地点でなくては、ターゲット2の軸心から200mm離れることはなく(例えば、図7中の矢印C、図8中の矢印D参照)、より多くの磁力線がターゲット2の基板6方向へ向かって伸びている。
測定例4における円盤背面磁石4Aの直径は80mmであって、円盤背面磁石4Aの表面の面積は1600πmm2、つまりターゲット2表面の面積2500πmm2の0.64倍(100分の64)となる。
したがって、円盤背面磁石4Aの表面の面積は、ターゲット2表面の面積が0.25倍(4分の1)以上である場合には、ターゲット2の軸心からそれることなく、より多くの磁力線が基板6へ直接伸びることから、より効率的にターゲット2から蒸発したイオンを基板6に誘導することができる。
これは、アーク放電はターゲット2表面と平行な方向の磁力線の成分(以下、「平行成分」という)に対して直角方向(つまり基板6方向)に移動する力を受けており、アークスポットの移動速度は磁力線の平行成分の強さに比例するためである。なお、磁力線の平行成分は、ターゲット2表面に垂直な磁力線の成分(以下、「垂直成分」という)が0(0近傍の値を含む。以下同じ)となる点で強くなる。また、アーク放電は磁力線の垂直成分が0となる点で優先的におこる傾向がある。この垂直成分が0となる点はターゲット2表面から円盤背面磁石4A表面までの距離で決まるが、距離が近い場合にはアーク放電が外周部で生じる傾向があり、イオンが外側で発生するが、距離を離すと磁力線の垂直成分が0となる点が中央部により、イオンを効率的に基板6へと到達させることができる。しかしながら、距離が遠すぎる場合にはターゲット2表面上の磁力線及び基板6方向に伸びる磁力線が弱くなり、イオンを効率的に運ぶことができないことから、測定例6で最も成膜レートが早く、皮膜残留応力が小さくなったと考えられる。
これによって、背面側に配置された円盤背面磁石4A(第1の永久磁石)から生じる磁力線の直進性がいっそう向上し、より多くの磁力線が基板6へ直接伸び、測定例8(本実施形態)の基板6に流れる電流値が測定例6よりも大きくなっており、成膜速度を速くし、皮膜の残留応力を小さくすることが可能となっている。
[参考実施例2]
本発明に係る蒸発源1を用いたその他の参考実施例について説明する。
形成されているため、磁界形成手段7全体のコンパクト化が図れる。
[参考実施例3]
参考実施例3は、背面磁石4として、第1の永久磁石である円盤背面磁石4Aと、リング状の永久磁石であるリング背面磁石4B(リング永久磁石)とを同時に用いた場合である。また、円盤背面磁石4Aとリング背面磁石4Bとは、ターゲット2と同心軸状に配置されている。さらに、円盤背面磁石4Aは、リング背面磁石4Bの内側(リング背面磁石4Bの内周面から軸方向)に配置されている。そして、外周磁石3、円盤背面磁石4A、リング背面磁石4Bの極性は同方向である。
なお、参考実施例3におけるリング背面磁石4Bは、複数の円柱状の永久磁石をターゲット2の背面側で円盤背面磁石4Aの周囲を取り囲むようにリング状に配置することで形成している。
面磁石4Bの厚みとターゲット2表面からの距離とに違いがある。
測定例12と測定例15とは、同一形状の円盤背面磁石4A及びリング背面磁石4Bを使用しており、円盤背面磁石4A及びリング背面磁石4Bのターゲット2表面からの距離とに違いがある。
なお、測定例11〜15のいずれにおいても、外周磁石3とリング背面磁石4Bとは、同じ内径及び外径を有している。
表3は、参考実施例3における測定例12〜測定例16の2つの背面磁石4の形状、ターゲット2表面からの距離及び個数と、基板6に流れる電流値と、成膜速度の評価と、皮膜の残留応力値及び皮膜の残留応力の評価とを示している。
測定例12と測定例15とを比較すると、円盤背面磁石4A及びリング背面磁石4Bの形状は同一であるものの、ターゲット2表面から円盤背面磁石4A表面及びリング背面磁石4B表面までの距離が異なっている。
前述のように、アーク放電は磁力線の垂直成分が0となる点で優先的に放電する傾向があるが、そのときのアークスポットの移動速度は基本的にはその点における磁力線の平行成分の強さに比例し、アークスポットが高速で移動する場合にマクロパーティクルの発生が抑制される。
磁力線の平行成分が強すぎる場合には、磁界の拘束が強く放電エリアがきわめて狭くなり、背面磁石4が移動手段を持たない場合にターゲット2が偏消耗することから、磁力線の平行成分の強さは200Gauss以下である必要があり、より好ましくは100Ga
uss以下である。
なお、背面磁石4の磁束をより効率的に基板6方向に導くために、鉄などの透磁率の高い材料(ヨーク)をターゲット2の背面側に背面磁石4とともに配置することも望ましい。
また、ターゲット2表面における磁力線の平行成分の発生する位置を制御するために、円盤背面磁石4Aとリング背面磁石4Bとともに、これらの同軸心上に電磁コイルを設置してもよい。
[参考実施例4]
次に、本発明に係る蒸発源1を用いた参考実施例4について説明する。
また、表4中の使用ターゲット組成比はAl:Ti=50:50であって、表5中の使用ターゲット組成比はAl:Ti=70:30である。
一方、本発明に係る測定例10では、測定例2に比べて、ターゲット2の組成と皮膜中のAlとTiの組成比のずれ(相違)が小さくなっていることが分かる。このように、本発明によるアーク式蒸発源1によれば、ターゲット2から基板6方向に磁力線を誘導しているため、ターゲット2から蒸発したイオン粒子を基板6に効率的に到達させることができるため、ターゲット2と形成した皮膜の組成比のずれを小さくすることが出来る。
くなるので、ターゲット2の組成に基づいて皮膜の組成を精確に制御することができる。
さらに、従来は基板6上で膜厚を厚くすると残留応力により剥離しやすい皮膜しか得られなかったが、上述したアーク式蒸発源1によれば、残留応力の小さい皮膜を形成することができるので、5μm以上の厚さでも剥離しにくい実用的な厚膜が得られる。
ところで、本発明は、前述した各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した本発明の範囲内で適宜変更可能である。
ターゲット2は、円盤状以外の任意の形状であってもよい。
外周磁石3は、ターゲット2の外周を取り囲むものであればよく、ターゲット2の投影面形状に沿う形で且つリング状の永久磁石(例えば、ターゲット2が楕円であれば、これを取り囲むように形成された楕円形状の永久磁石)でもよい。
背面磁石4は、円盤状や円形のリング状以外の任意の形状でもよく、投影面形状が点対称な図形(正方形、六角形等)や長手方向を有した図形(楕円、長方形等)、又はこれらを外周及び内周の投影面形状とするリング状の永久磁石であってもよい。
また、外周磁石3、背面磁石4をそれぞれ複数備えていてもよい。
2 ターゲット
3 外周磁石
4 背面磁石
4A 円盤背面磁石
4B リング背面磁石
5 成膜装置
6 基板
7 磁界形成手段
11 真空チャンバ
12 回転台
13 ガス導入口
14 ガス排気口
15 アーク電源
16 バイアス電源
17 アノード
18 グランド
A 測定例1にてターゲットの軸心から最も離れた側の磁力線を示す矢印
B 測定例2にてターゲットの軸心から最も離れた側の磁力線を示す矢印
C 測定例3にてターゲットの軸心から最も離れた側の磁力線を示す矢印
D 測定例4にてターゲットの軸心から最も離れた側の磁力線を示す矢印
A’ 測定例1にてターゲットの軸心から最も近い側の磁力線を示す矢印
B’ 測定例2にてターゲットの軸心から最も近い側の磁力線を示す矢印
C’ 測定例3にてターゲットの軸心から最も近い側の磁力線を示す矢印
D’ 測定例4にてターゲットの軸心から最も近い側の磁力線を示す矢印
E 測定例3にてターゲット中心付近から直接基板に向かう磁力線の成分を示す矢印
F 測定例4にてターゲット中心付近から直接基板に向かう磁力線の成分を示す矢印
Claims (6)
- ターゲットの外周を取り囲んでいて磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されたリング状の外周磁石と、前記ターゲットの背面側に配置された背面磁石とを備え、
前記背面磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されている非リング状の第1の永久磁石を有していて、
前記背面磁石は、前記第1の永久磁石と前記ターゲットの間、もしくは、前記第1の永久磁石の背面側に、前記第1の永久磁石と間隔を空けて配置された非リング状の第2の永久磁石をさらに有し、前記第2の永久磁石は、極性が前記外周磁石と同方向で且つ磁化方向が前記ターゲット表面と直交する方向に沿うように配置されていて、
前記外周磁石の径方向における投影面が前記ターゲットの蒸発面と重なるように配置されていて、
前記外周磁石及び前記背面磁石が、前記蒸発面に対して垂直な方向の磁力線の成分が0となる点を持つ磁界をターゲット表面上に形成している
ことを特徴とするアーク式蒸発源。 - 前記ターゲットは円盤状であり、前記外周磁石は永久磁石であることを特徴とする請求項1に記載のアーク式蒸発源。
- 前記第1の永久磁石は、ターゲットに対向する表面の面積が前記ターゲット表面の面積の4分の1以上であることを特徴とする請求項1に記載のアーク式蒸発源。
- 前記第1の永久磁石をその表面と直交する方向に沿って投影した面の形状は、前記ターゲットをその表面と直交する方向に沿って投影した面の形状と相似であることを特徴とする請求項1に記載のアーク式蒸発源。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク式蒸発源を用い、2種類以上の元素を含むターゲットから上記2種以上の元素を含む皮膜を形成することを特徴とする皮膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク式蒸発源を用いて、Al、Ti、Crのうちの少なくとも1種を含む窒化物、炭化物または炭窒化物の皮膜を5μm以上の厚さとなるように形成することを特徴とする皮膜の製造方法。
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