JP5827714B2

JP5827714B2 - 航空機の乗客用シートのリクライニング機構

Info

Publication number: JP5827714B2
Application number: JP2014050939A
Authority: JP
Inventors: 正路尾崎; 望田神; 早苗大竹
Original assignee: Jamco Corp
Current assignee: Jamco Corp
Priority date: 2014-03-14
Filing date: 2014-03-14
Publication date: 2015-12-02
Anticipated expiration: 2034-03-14
Also published as: EP3118115A1; EP3118115A4; WO2015136727A1; US9731830B2; EP3118115B1; JP2015174509A; US20170073076A1

Description

本発明は航空機の乗客用シートのリクライニング機構の改良に関する。

図１２は、一般の航空機の乗客用シートの概要を示す説明図である。
乗客用シート１は、座面を構成するシートボトム２と、背もたれを構成するシートバック３を備え、乗客Ｐが着席する。
乗客用シート１は、機体の進行方向に沿って一定間隔をもって配置されており、乗客Ｐは前のシート１の背中に設けられている映像装置を注視する構成となっている。

特開平１０−２３９４１号公報特表２００８−５１０５５４号公報

航空機の乗客用シート１はリクライニング機構を備えている。
乗客Ｐがシートバック３をリクライニングさせると、図１２に示すように、乗客Ｐの視線Ｓはシートがリクライニングするにつれて上方に上がっていき、前シートの画像装置５から外れてしまう不具合が起こる。
そこで本発明の目的は、上述した不具合を解消する航空機の乗客用シートのリクライニング機構を提供するものである。

上記目的を達成するために、本発明の航空機の乗客用シートのリクライニング機構は、基本的手段として、航空機の床面に固定されてシートの構造部材の両側部を支持する枠体であるフレームと、フレームに形成されるカム溝に係合する２個のカムフォロアが取り付けられたリンクアームを両側部に備える背もたれを構成するシートバックフレームと、シートバックフレームの上端部に回動可能に取り付けられるヘッドレストフレームと、シートバックフレームの両側に取り付けられたヘッドレストフレームを操作するリンクプレートと、座面を構成するシートボトムフレームと、シートボトムフレームの下面を支持する偏心カムと、シートボトムフレームの下側に装備される直動式のアクチュエータと、アクチュエータのロッドとリンクアームを連結する機構を備える。

そして、アクチュエータのロッドの伸長に伴いリンクアームが前方に回動すると、シートバックがリクライニングを開始し、シートバックフレームの両側に取り付けたリンクプレートがヘッドレストフレームの上端を前側に回動させるように構成されたものである。

また、シートバックのリクライニングに連動して、偏心カムが回動してシートボトムフレームの先端を下側に移動させるよう構成されたものである。

本発明は、以上の手段を備えることにより、乗客がシートバックをリクライニングすると、リクライニングの角度に応じてヘッドレストの先端が前方に回動する。そこで、乗客の目線は前のシートの背中に設けた映像装置の画面から外れることはなく、快適に映像を楽しむことができる効果がある。

図１は本発明の航空機の乗客用シートの概要を示す説明図である。図２は本発明の航空機の乗客用シートの全体構成を示す斜視図である。図３は本発明の航空機の乗客用シートの概要を示す側面図である。図４は本発明の航空機の乗客用シートの要部を示す斜視図である。図５は本発明の航空機の乗客用シートの要部を示す斜視図である。図６は本発明の航空機の乗客用シートの作用を示す説明図である。図７は本発明の航空機の乗客用シートの作用を示す説明図である。図８は本発明の航空機の乗客用シートの作用を示す説明図である。図９は本発明の航空機の乗客用シートの効果を示す説明図である。図１０は本発明の航空機の他の形態に係る乗客用シートの概要を示す側面図である。図１１は本発明の航空機の他の形態に係る乗客用シートの概要を示す側面図である。図１２は従来の航空機の乗客用シートの概要を示す説明図である。

図１において、全体を符号１００で示す本発明の航空機の乗客用シートは、シートボトム１５０とシートボトム１５０の先端に装備されるレッグレスト１５５を有する。そして、
航空機の乗客用シート１００はバックシェル１０で周囲を囲まれる状態で機体に取り付けられる。

図２、図３は、本発明の航空機の乗客用シート１００の全体の骨格構成を示す。航空機の乗客用シート１００は、取付部材１１０により機体の床面に固定される。取付部材１１０は２本のパイプ１２０を支持し、２本のパイプ１２０に対してシートの構造部材が取り付けられる。

シートの構造部材の両サイドにはスプレーダーと称するフレーム１３０が配備される。このフレーム１３０は、内側にカム溝１３２が形成されており、このカム溝１３２にカムフォロア２４０、２４２が係合する。

カムフォロア２４０、２４２の運動は、シートボトムフレーム１５２とシートバックフレーム１６２に伝達されてリクライニングの動作を行う。シートバックフレーム１６２の上端部にはピン１７４を介してヘッドレストフレーム１７２が回動自在に装備される。シートボトムフレーム１５２の前方の下面には偏心カム２１０が配備される、偏心カム２１０はシートのフレームに回転自在に取付けられ、シートボトムフレーム１５２を支える。

次に、シートのリクライニング機構を説明する。
シートボトムフレーム１５２の下部にはアクチュエータ２００が配備されている。アクチュエータ２００は直動式のもので、ロッド２０２を伸長・収縮させる。アクチュエータ２００のロッド２０２はシート前部に設けたリンクプレート２０５に連結され、リンクプレート２０５がロッド２０２の伸長により図２で反時計まわりに回動する。この動作はリンクを介してシート後部のリンクアーム２３０に伝達され、リンクアーム２３０を矢印Ｒ_１（反時計まわり）方向に回動する。この動作により、カムフォロア２４０、２４２はスプレーダー１３０のカム溝１３２内を下方に移動する。

カムフォロア２４０、２４２がカム溝１３２内を下降するのに伴い、シートバックフレーム１６２はカム溝１３２の傾斜に従い後方にリクライニングを開始する。一方シートボトムフレーム１５２の下部を支える偏心カム２１０はピン２１２を中心に時計まわりに回動してシートボトムフレーム１５２の先端を下方に降下させる。リンクアーム２２０はこの動作を後方に伝達する。リンクプレート２５０はプレート２６０を駆動して、リンクプレート２７０を矢印Ｆ_１方向に移動させる。
この動作によりヘッドレストフレーム１７２がピン１７４を中心に矢印θ方向に回動する。

図４は、ヘッドレストフレーム１７２を背面から見た斜視図で、リンクプレート２７０が矢印Ｆ_１方向に動いてヘッドレストフレーム１７２が矢印θ方向に回動する状態を示す。

図５は、ヘッドレストフレーム１７２の作動に伴い発生するガタつきを防止する装置の構成を示す図４と同様の斜視図である。
シートバックフレーム１６２の一方の側部に設けられるチャンネル部材１６３の上部に設けられるガタつき防止装置１８０は、リンクプレート２７０の上部にピン１８２で連結されるリンクプレート１８１を有する。リンクプレート１８１の他端部に形成されるピン孔１８５に挿入されるピン１８４は、チャンネル部材１６３内に配置されるコイルスプリング１８６の端部部材１８８に連結される。

リンクプレート２７０が矢印F₁方向に移動すると、リンクプレート１８１も同時に移動する。コイルスプリング１８６の上部の端部部材１８７はチャンネル部材１６３の溝の端部に突き当り、コイルスプリング１８６は圧縮される。コイルスプリング１８６の反発力F₂はヘッドレストフレーム１７２の傾動を阻止する方向に作用し、ガタつきG₁の発生を防止する。

図６〜図８は、シートのリクライニング動作を示す説明図である。
図６はリクライニング機構を作動させないアップライトポジションであるオリジナル位置で、ＴＴＬと称する地上滑走時(Taxiing）、離陸時（Take-off）、着陸時(Landing)に使用される姿勢である。シートバックフレーム１６２に対するヘッドレストフレーム１７２の角度θ_０は初期状態となる。

図７はリクライニング機構を浅い位置Ｂ_１まで作動させた状態を示し、シートボトムフレーム１５０の先端位置は、偏心カム２１０の作用によってオリジナル位置より少し低い位置Ａ_１に下がる。シートバックフレーム１６２に対するヘッドレストフレーム１７２の角度θ_１は初期状態より増加する。

図８はリクライニング機構を最大限深い位置Ｂ_２まで作動させた状態を示し、シートボトムフレーム１５２の先端位置は、偏心カム２１０の作用によってオリジナル位置に対して最も低い位置Ａ_２に下がる。シートバックフレーム１６２に対するヘッドレストフレーム１７２の角度θ_２は最大角度まで増加する。

この結果、図９に示すように、乗客Ｐの後頭部を支えるヘッドレスト３ａが前方に傾き、乗客Ｐの視線Ｓは前方のシートの画像装置５に保たれる。

図１０は、本発明の航空機の乗客用シートの他の形態を示す側面図である。
航空機の乗客用シート４００は、シートの取付構造４１０を備える。このシートの取付構造４１０は、先の形態で説明したものと同様であるので説明を省略する

。
このシート４００は、２分割したシートバック４５０を備える。シートボトム４２２、レッグレスト４３０は先の実施例と同様である。２分割したシートバック４５０は、下部シートバック４６２と上部シートバック４７２に分かれ、折曲部４５５は、乗客Pの胸椎C近傍に設定される。このシートにあってはヘッドレスト４７４は上部シートバック４７２と一体に形成される。

図１１は、乗客用シート４００の構造を示す。
シートバック４５０は、下部シートバックフレーム４６０と、上部シートバックフレームに分割されており、ピン４８２により回動可能に接続されている。

シートバック４５０がリクライニングを開始し、下部シートバックフレーム４６０が後方に倒れるとともにリンクプレート４８０が矢印F₁に延びると、上部シートバックフレーム４７０はピン４８２を中心に矢印θ方向に前方に回動する。

本発明の航空機の乗客用シートは以上のように、シートバックをリクライニングさせたときにもヘッドレストや分割されたシートバックの角度が変化するので、前シートの背中に配置した映像装置に対する乗客の視線は変わらず快適に映像を楽しむことができる。また広い耐圧分布を得て、筋肉や背骨に負担をかけずに休息する姿勢を取ることが出来るため、長時間の使用に対しても楽な姿勢ですごすことができるものである。

１００航空機の乗客用シート
１１０取付部材
１２０パイプ
１３０フレーム
１３２カム溝
１５０シートボトム
１５２シートボトムフレーム
１６０シートバック
１６２シートバックフレーム
１７０ヘッドレスト
１７２ヘッドレストフレーム
２００アクチュエータ
２１０偏心カム
２３０リンクアーム
２４０カムフォロア
２４２カムフォロア
２７０リンクプレート
２８０ガタつき防止装置

Claims

航空機の床面に固定されてシートの構造部材の両側部を支持する枠体であるスプレーダーと、スプレーダーに形成されるカム溝に係合する２個のカムフォロアが取り付けられたリンクアームを両側部に備える背もたれを構成するシートバックフレームと、シートバックフレームの上端部に回動可能に取り付けられるヘッドレストフレームと、シートバックフレームの両側に取り付けられたヘッドレストフレームを操作するリンクプレートと、座面を構成するシートボトムフレームと、シートボトムフレームの下面を支持する偏心カムと、シートボトムフレームの下側に装備される直動式のアクチュエータと、アクチュエータのロッドとリンクアームを連結する機構を備え、
アクチュエータのロッドの伸長に伴いリンクアームが前方に回動すると、シートバックフレームがリクライニングを開始し、シートバックフレームの両側に取り付けたリンクプレートがヘッドレストフレームの上端を前側に回動させるように構成された航空機の乗客用シートのリクライニング機構。
航空機の床面に固定されてシートの構造部材の両側部を支持する枠体であるスプレーダーと、スプレーダーに形成されるカム溝に係合する２個のカムフォロアが取り付けられたリンクアームを両側部に備える下部シートバックフレームと、下部シートバックフレームの上端部に回動可能に取り付けられる上部シートバックフレームと、下部シートバックフレームの両側に取り付けられた上部シートバックフレームを操作するリンクプレートと、座面を構成するシートボトムフレームと、シートボトムフレームの下面を支持する偏心カムと、シートボトムフレームの下側に装備される直動式のアクチュエータと、アクチュエータのロッドとリンクアームを連結する機構を備え、
アクチュエータのロッドの伸長に伴いリンクアームが前方に回動すると、シートバックフレームがリクライニングを開始し、下部シートバックフレームの両側に取り付けたリンクプレートが上部シートバックフレームの上端を前側に回動させるように構成された航空機の乗客用シートのリクライニング機構。
シートバックのリクライニングに連動して、偏心カムが回動してシートボトムフレームの先端を下側に移動させるよう構成された請求項１または２記載の航空機の乗客用シートのリクライニング機構。