JP5821884B2 - 転写部材および画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような中間転写部材としては、用紙対応性や画像品質などの転写機能の向上策として、例えばポリイミド樹脂などを基層とし、その表面にクロロプレンゴム(CR)などの弾性体を形成した構成が採用されている。
しかしながら、弾性体と表面層とに追随性が得られず、表面層が割れたり、剥がれたりして高い耐久性が得られないという問題がある。
弾性体層上に表面層が形成されてなり、
前記表面層が、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタンアクリレートおよび低表面エネルギー基を有する重合性成分の3種を含有する活性エネルギー線硬化型組成物を硬化することによって得られる硬化樹脂中に、表面処理が施された金属酸化物微粒子を含有してなるものであることを特徴とする。
中間転写ベルトが上記の転写部材からなることを特徴とする。
本発明の転写部材は、電子写真方式の画像形成装置を構成する無端ベルト状のものであって、弾性体層上に表面層が形成されてなるものであり、この表面層が、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタンアクリレートおよび低表面エネルギー基を有する重合性成分の少なくとも3種を含有する活性エネルギー線硬化型組成物を硬化することによって得られる硬化樹脂中に、表面処理が施された金属酸化物微粒子を含有してなるものである。
本発明の転写部材1を構成する基体2は、無端ベルト状のものであり、単層構成であっても、2層以上の複数層構成であってもよい。
基体2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などよりなるものを用いることでき、ポリイミド樹脂よりなるものを用いることが好ましい。また、基体2は、上記のような樹脂に導電剤を分散させ、導電性を有するものであることが好ましい。
本発明の転写部材1を構成する弾性体層3は、弾性体よりなり、その構成材料としては、例えば、ゴム、エラストマー、樹脂などが挙げられる。特に、架橋系のゴム材料が含有されることが、圧縮永久歪みなどの観点から好ましい。
架橋系のゴム材料としては、例えば、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)などが挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の転写部材1を構成する表面層4は、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタンアクリレートおよび低表面エネルギー基を有する重合性成分の少なくとも3種を含有する活性エネルギー線硬化型組成物を硬化することによって得られる硬化樹脂よりなるものであり、また、この硬化樹脂中に、表面処理が施された属酸化物微粒子が含有されてなるものである。
活性エネルギー線硬化型組成物を構成する多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもので、転写部材1の表面層4の耐摩耗性、強靱性、密着性を発現させるために用いられる。具体的には、ビス(2−アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどの2官能性単量体;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ウレタンアクリレート、多価アルコールと多塩基酸および(メタ)アクリル酸とから合成されるエステル化合物、例えばトリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸=2/1/4モルから合成されるエステル化合物などの3官能以上の多官能単量体などが挙げられる。塗膜にハードコート性を持たせるためには、3官能以上の多官能アクリレートを使用することが望ましい。
多官能(メタ)アクリレートの数平均分子量が上記範囲であることにより、硬化樹脂の密度を向上させることができ、高い強度が得られる。
活性エネルギー線硬化型組成物を構成するポリウレタンアクリレートは、ウレタン結合を有し、かつ、1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有する重合体である。
ポリウレタンアクリレートとしては、例えば、主鎖にウレタン結合を有し、1個以上のアクリロイルオキシ基が主鎖の末端または側鎖に結合しているものが挙げられる。
本発明において、ポリウレタンアクリレートは、表面層4の弾性体層3に対する追随性を付与する機能を有する。
また、ポリウレタンアクリレートの伸び率は250%以上であることが好ましく、特に好ましくは250%以上400%以下であり、引張強度が200kg/cm2 以上であることが好ましく、特に好ましくは250kg/cm2 以上350kg/cm2 以下である。
ポリウレタンアクリレートが上記物性のものであることにより、表面層4を構成する硬化樹脂が下層の弾性体層3と追随性を有すると共に、耐傷性を有する。
活性エネルギー線硬化型組成物を構成する低表面エネルギー基を有する重合性成分において、低表面エネルギー基とは、表面層の表面自由エネルギーを低減する機能を有する官能基をいい、具体的には、シリコーン変性またはフッ素変性されたアクリレート基のことをいう。このようなシリコーン変性部位としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、フッ素変性部位としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
低表面エネルギー基を有する重合性成分としては、具体的には、1つ以上のポリオルガノシロキサン鎖またはポリフルオロアルキル鎖、および、3つ以上のラジカル重合性二重結合を有する数平均分子量5,000以上100,000以下のビニル共重合体(以下、「特定のビニル共重合体」ともいう。)が挙げられる。
ラジカル重合性二重結合とポリオルガノシロキサン基とを有する単量体(a)としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
なお、R1 〜R8 で示された水素原子は、本発明の効果を逸しない範囲で、水素原子以外の公知の置換基に置換されていてもよい。
本発明の転写部材1を構成する表面層4には、表面処理が施された金属酸化物微粒子が含有されている。表面層4に金属酸化物微粒子が含有されていることにより、表面層4に強靱性が得られ、高い耐久性が得られる。
金属酸化物微粒子は、未処理の金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」という。)を、表面処理剤によって表面処理することにより得ることができる。
また、低表面エネルギー性を付与するため、シリコーンオイルやポリフルオロアルキル基を有する化合物などを表面処理剤として用いることもできる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル(例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)など)、変性シリコーンオイルなどを用いることができる。
本発明においては、金属酸化物微粒子は、その表面が少なくともラジカル重合性官能基および低表面エネルギー官能基のいずれかが導入されたものであることが好ましい。ここで、低表面エネルギー官能基とは、低表面エネルギー性を付与するために用いる表面処理剤によって導入された官能基であって、例えば、シランカップリングされた、シリコーンオイル基やポリフルオロアルキル基などである。両者を導入する場合においては、ラジカル重合性官能基と低表面エネルギー官能基との比率は2:1〜1:2であることが好ましい。
上記一般式(2)で表わされる化合物として、下記S−1〜S−30が挙げられる。
S−2 CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3 CH2 =CHSiCl3
S−4 CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5 CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6 CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OC2 H5 )(OCH3 )2
S−7 CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8 CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9 CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10 CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11 CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20 CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21 CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22 CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23 CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24 CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25 CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26 CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27 CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28 CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29 CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
また、上記一般式(2)で表わされる化合物以外でも、ラジカル重合性官能基を有する化合物として、下記S−31〜S−33を用いてもよい。
また、金属酸化物微粒子は、表面層中に5〜25質量%の割合で含有されることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型組成物中には必要に応じて、有機溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤などの添加成分を含ませることができる。
本発明の転写部材1の製造方法は、例えば、基体2上に弾性体層3を形成するための弾性体層形成用塗布液を塗布して、塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることにより、弾性体層3を形成し、当該弾性体層3上に表面層12を形成するための表面層形成用塗布液を塗布して、塗膜を形成し、この塗膜に対して活性エネルギー線を照射して硬化することにより、表面層4を形成することが行われる。
弾性体層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、ノズルによるスパイラル塗布などが挙げられる。
以上の様な分散処理により、表面層形成用塗布液を得ることができる。
重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物などの光重合開始剤を用いることができる。
具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
表面層形成用塗布液の固形分濃度は、3〜10質量%であることが好ましい。なお、表面層形成用塗布液において、固形分は、金属酸化物微粒子、並びに、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタンアクリレートおよび低表面エネルギー基を有する重合性成分とされる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、γ線などで、形成された活性エネルギー線硬化型樹脂を活性化させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましい。特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光なども用いることができる。スポット状の活性エネルギー線を照射するには紫外線レーザーを使用することが好ましい。
照射光量は、UIT250(ウシオ電機(株)製)で測定した値を示す。
酸素濃度は、雰囲気ガス管理用酸素濃度計「OX100」(横河電機(株)製)で測定した値を示す。
塗膜の乾燥は、重合性成分の重合の前後、およびその重合中のいずれにおいて行われてもよく、これらを組み合わせて適宜選択することができるが、具体的には、塗膜の流動性がなくなる程度まで一次乾燥した後、重合性成分の重合を行い、その後、さらに表面層中の揮発性物質の量を規定量にするために二次乾燥を行うことが好ましい。
塗膜の乾燥方法は、溶剤の種類、形成すべき表面層の層厚などよって適宜選択することができるが、乾燥温度は、例えば40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは60℃程度である。乾燥時間は、例えば1〜5分間であることが好ましく、より好ましくは3分間程度である。
以上のような転写部材は、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置における、中間転写ベルトとして好適に用いることができる。
この中間転写ベルト16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
そして、中間転写ベルト16は、基体上の弾性体層の外周面に、本発明に係る硬化樹脂および金属酸化物微粒子を含有する特定の表面層が形成されてなる構造を有するものである。
カラー像が転写された画像支持体Pは、熱ローラ定着器が装着された定着装置30により定着処理され、排紙ローラに挟持されて機外の排紙トレイ上に載置される。
一方、二次転写ローラ13Aにより画像支持体Pにカラー像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した無端の中間転写ベルト16は、クリーニング手段12により残留トナーが除去される。
本発明の画像形成装置において用いられる現像剤は、磁性または非磁性のトナーによる一成分現像剤であってもよく、トナーとキャリアとが混合された二成分現像剤であってもよい。
現像剤を構成するトナーとしては、特に限定されずに公知の種々のものを使用することができるが、例えば体積基準のメジアン径が3〜9μmであり、重合法によって得られたいわゆる重合トナーを用いることが好ましい。重合トナーを用いることにより、形成される画像において高い解像力および安定した画像濃度が得られると共に画像カブリの発生が極めて抑制される。
本発明の画像形成装置に使用される画像支持体Pとしては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)無端ベルト状基体の作製
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液「ユーワニスS(固形分18質量%)」(宇部興産製)に、乾燥した酸化処理カーボンブラック「SPECIAL BLACK4」(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるよう添加して、衝突型分散機「GeanusPY」(シーナス製)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2 で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
このカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を、円筒状金型の内周面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、およびイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、円筒状金型から剥離することにより、厚み0.1mmの無端ベルト状基体〔1〕を作製した。
ファーネスブラック(旭カーボン社製)をクロロプレンゴム(電気化学社製)に30質量部にて混錬し、そのコンパウンドを、固形分濃度が20質量%となるよう、溶剤:トルエン中に溶解、分散させることにより、弾性層形成用塗布液〔1〕を調製した。
無端ベルト状基体〔1〕上に、ノズルを使用したスパイラル塗布により、弾性層形成用塗布液〔1〕を塗布して、乾燥膜厚が200μmの弾性層〔1〕を形成した。
多官能(メタ)アクリレート:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 40質量部
ポリウレタンアクリレート:「UV−3520TL」(日本合成化学社製) 45質量部
低表面エネルギー基を有する重合性成分:「メガファック」(DIC社製) 10質量部
金属酸化物微粒子:酸化錫(表面処理剤(S−5)) 5質量部
を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤:プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液〔1〕を調製した。
上記の弾性体層の外周面上に、表面層形成用塗布液〔1〕を、塗布装置を使用して浸漬塗布方法によって下記の塗布条件で乾燥膜厚が2μmとなるように塗膜を形成し、この塗膜に活性エネルギー線として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して表面層を形成し、これにより、転写部材〔1〕を得た。紫外線の照射は、光源を固定し、弾性体層の外周面上に塗膜が形成された基材を周速度60mm/sで回転しながら行った。
−塗布条件−
塗布液供給量:1L/min
−紫外線の照射条件−
光源の種類:高圧水銀ランプ「H04−L41」(アイグラフィックス社製)
照射口から塗膜の表面までの距離:100mm
照射光量:1J/cm2
照射時間(基材を回転させている時間):240秒間
転写部材の製造例1において、表面層形成用塗布液の調製工程において表1の処方に従って表面層形成用塗布液を調製し、表面層の形成工程においてそれぞれこれらを用いたことの他は同様にして、転写部材〔2〕〜〔10〕を製造した。
以上のようにして得られた転写部材〔1〕〜〔10〕に対して、φ5mm、φ10mmおよびφ20mmの円筒状部材にそれぞれ巻き付けて、60秒間保持後表面を観察しクラックの状態を観察した。下記評価基準によって評価した。結果を表2に示す。
−評価基準−
○:φ5mmでクラック未発生
△:φ10mmでクラック未発生
×:φ20mmでクラック未発生
以上のようにして得られた転写部材〔1〕〜〔10〕に対して、厚み400μmの用紙エッジ部を部材表面に面圧80N/cm2 にて押し当て、回転駆動を行うことでエッジ領域の傷の状態を観察した。下記評価基準によって評価した、結果を表2に示す。
−評価基準−
○:圧紙耐久連続10k枚において傷なし
△:圧紙耐久連続5k枚において傷なし
×:圧紙耐久連続5k枚未満で傷発生
以上のようにして得られた転写部材〔1〕〜〔10〕を、画像形成装置「C6000」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)の中間転写体として搭載し、耐久印刷を実施した。耐久印刷前後の表面状態を観察した。評価方法は初期状態から異物の付着により色味が変化することに着目し、評価機として分光測色計「CM−2600d」(コニカミノルタ製)を用いて色味を測定し、耐久印刷前後の色差を算出した。結果を表2に示す。
−評価基準−
○:耐久枚数500k枚において色差10以下
△:耐久枚数300k枚において色差10以下
×:耐久枚数100k枚において色差10以下
以上のようにして得られた転写部材〔1〕〜〔10〕を、画像形成装置「C6000」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)の中間転写体として搭載した。凹凸紙(レザック紙)を用いて、トナー濃度100%画像(ベタ画像)を出力し画像濃度を測定し、下記評価基準によって評価した。結果を表2に示す。なお、画像濃度はスキャナーを用いて、画像を取り込み、フォトショップ(Adobe製)を用い、画像処理により平均濃度を算出し以下の評価基準により比較を行った。
−評価基準−
○:平均濃度90%以下の面積率が3%以下
△:平均濃度90%以下の面積率が5%以下
×:平均濃度90%以下の面積率が10%以下
2 基体
3 弾性体層
4 表面層
10 中間転写部
11Y,11M,11C,11Bk 感光体
12 クリーニング手段
13Y,13M,13C,13Bk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写ベルト
16a〜16d 支持ローラ
20Y,20M,20C,20Bk 画像形成ユニット
21Y,21M,21C,21Bk 現像手段
22Y,22M,22C,22Bk 露光手段
23Y,23M,23C,23Bk 帯電手段
25Y,25M,25C,25Bk クリーニング手段
30 定着装置
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a,44b,44c,44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
N1 定着ニップ部
P 画像支持体
Claims (6)
- 電子写真方式の画像形成装置を構成する無端ベルト状の転写部材であって、
弾性体層上に表面層が形成されてなり、
前記表面層が、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタンアクリレートおよび低表面エネルギー基を有する重合性成分の3種を含有する活性エネルギー線硬化型組成物を硬化することによって得られる硬化樹脂中に、表面処理が施された金属酸化物微粒子を含有してなるものであることを特徴とする転写部材。 - 前記ポリウレタンアクリレートが、数平均分子量が10,000以上のものであり、かつ、伸び率が250%以上、引張強度が200kg/cm2 以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の転写部材。
- 前記弾性体層は、架橋系のゴム材料が含有されてなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転写部材。
- 前記金属酸化物微粒子は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシラン化合物、シリコーンオイルおよびポリフルオロアルキル基を有する化合物から選ばれる少なくとも1種によって表面処理されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の転写部材。
- 前記低表面エネルギー基を有する重合性成分は、1つ以上のポリオルガノシロキサン鎖またはポリフルオロアルキル鎖、および、3つ以上のラジカル重合性二重結合を有する数平均分子量5,000以上100,000以下のビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の転写部材。
- 像担持体上に静電的に形成されたトナー像を、循環移動する中間転写ベルトに一次転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上に形成される中間トナー像を画像支持体に二次転写する二次転写手段とを具える電子写真方式の画像形成装置において、
中間転写ベルトが請求項1〜請求項5のいずれかに記載の転写部材からなることを特徴とする画像形成装置。
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