[go: up one dir, main page]

JP5796583B2 - 冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

冷延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5796583B2
JP5796583B2 JP2013011757A JP2013011757A JP5796583B2 JP 5796583 B2 JP5796583 B2 JP 5796583B2 JP 2013011757 A JP2013011757 A JP 2013011757A JP 2013011757 A JP2013011757 A JP 2013011757A JP 5796583 B2 JP5796583 B2 JP 5796583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tic
steel sheet
less
rolled steel
rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013011757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014141717A (ja
Inventor
克美 山田
克美 山田
典晃 ▲高▼坂
典晃 ▲高▼坂
田中 裕二
裕二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013011757A priority Critical patent/JP5796583B2/ja
Publication of JP2014141717A publication Critical patent/JP2014141717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5796583B2 publication Critical patent/JP5796583B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

本発明は、自動車の骨格部品などに好適な伸びなどの加工性に優れた高強度冷延鋼板、特に、引張強度(TS)590MPa以上の引張強度を有する安価な冷延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車車体の軽量化を図るために、自動車の骨格部品や足まわり部品には高強度鋼板が多用されつつある。また、鋼板の成分組成に関しては、原材料のグローバル調達性に対応し、希少な合金元素をできるだけ使用しないことが求められている。
ここで、熱延鋼板の高強度化には、フェライト相中にTi、Nb、Vなどの炭窒化物を形成させる析出強化法が積極活用されるようになってきた。特許文献1には、重量%で、C:0.02〜0.10%、Ti:0.3%以下、Nb:0.2%以下で、かつ、0.50<{(Ti−3.43N−1.5S)/4+Nb/7.75}/Cとなる量のTi及びNbの1種以上を含み、Feを主成分とし、アシキュラー・フェライト組織からなり、かつ、微細なTiC及び/又はNbCが析出している組織を有することを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板が提案されている。また特許文献2には、質量%で、C<0.10%、Ti:0.03〜0.10%、Mo:0.05〜0.6%を含み、Feを主成分とし、フェライト単相組織のマトリックス中に粒径が10nm未満の微細析出物が分散析出している、TSが550MPa以上のプレス加工性に優れた薄鋼板が提案されている。さらに、特許文献3には質量%で、C:0.02〜0.08%、Ti:0.03〜0.06%を含有し、更に、Nb、Mo、Vの含有量の合計を0.01%以下に制限し、C量に対するTi量の比が、Ti/C:0.375〜1.6であり、結晶粒内のTiC析出物の平均直径が0.8〜3nmであり、平均個数密度が、1×1017[個/cm]以上であり、引張強度が540〜650MPaであることを特徴とする省合金型高強度熱延鋼板も提案されている。
特開平7−11382号公報 特開2002−322539号公報 特開2011−26690号公報 特開2009−31269号公報
しかしながら、熱延鋼板においては、上記したように、TiC等の炭化物を微細に制御して、強度と延性のバランスに優れた鋼板を得る技術が開発されているものの、もっぱら板厚2mm程度までの鋼板を対象とするものである。これら熱延鋼板よりもさらに板厚の薄い薄鋼板、具体的には板厚1mm程度以下の薄鋼板の製造においては、熱間圧延後さらに冷間圧延を行い、再結晶焼鈍するプロセスが一般的に実施されており、再結晶焼鈍の際に炭化物の粗大化が起こるため、析出強化を活用したフェライトを主体とする組織では440MPaを超える強度を達成することは困難であった。このため、590MPa以上の引張強度を有する冷延鋼板を製造する場合、SiやMnといった固溶強化元素の添加が必要とされ、コスト高となるとともに、めっき性に劣るという問題があった。
そこで、本発明では、原料コストや、めっき性などの観点から、Si、Mn等の固溶強化によらず、微細炭化物の析出強化を活用して、590MPa以上の引張強度を有し、良好な伸びを有して加工性に優れる冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討したところ、鋼中のC量とTi量のバランスを適正化するとともに、P含有量の適正化により、冷延焼鈍板製造の前段階である熱延鋼板のフェライト相中に、特許文献2に開示されているようなTiとMoを含む炭化物の代わりに厚み1nm前後の板状のTi炭化物(TiC)を析出させて高強度化すること、このような熱延鋼板を素材として、適正な冷間圧延率で冷間圧延を行い、組織の回復と析出物の粗大化抑制を両立する焼鈍条件によって焼鈍することで、590MPa以上の引張強度を有するとともに加工性に優れる冷延鋼板を製造できることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づきなされたもので、その要旨は下記のとおりである。
質量%で、
C:0.07〜0.12%、
Si+Al:0.05〜0.10%、
Mn:0.15〜0.45%、
P:0.01〜0.05%、
S:0.004%以下、
N:0.0045%以下、
Ti:0.09〜0.14%を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)で規定されるTiが下記の式(2)を満足する組成を有し、体積率:90〜95%のフェライト相および体積率:5〜10%のセメンタイトを有し、前記フェライト相は再結晶率が15%以上30%以下の回復組織からなるとともに、該フェライト相中にはTi炭化物(TiC)が析出し、該Ti炭化物の平均の長さが10nm未満であり、Tiの析出率が85%以上である組織を有し、引張強度が590MPa以上であることを特徴とする冷延鋼板;
Ti=Ti−(3.43N+1.5S)・・・(1)
2.4≦4C/Ti≦4.5・・・(2)
ただし、式中のTi、N、S、Cは各元素の含有量(質量%)を表す。
また、Ti炭化物の平均の長さとは、透過電子顕微鏡によりマトリックスであるフェライト相の[001]方位において観察されるTiCの長さを200個以上に対して求め、算術平均した値である。
本発明の冷延鋼板は、さらに、質量%で、B:0.0003〜0.0010%を含有することが好ましい。
本発明の冷延鋼板は、上記の組成を有する鋼を、1150〜1250℃に加熱後、仕上げ圧延終了温度:880〜930℃で熱間圧延し、10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して巻取温度:575〜650℃で巻取り、酸洗後、圧延率:45〜65%で冷間圧延し、昇温速度:30℃/s以下で800〜860℃に加熱後、60〜180s保持の焼鈍を行い、引き続き280℃以上350℃以下で240s以上保持の過時効処理を施す方法によって製造できる。
本発明により、伸びなどの加工性に優れる板厚の薄い高強度冷延鋼板、たとえば板厚1mm以下で590MPa以上のTSを有する加工性の良好な冷延鋼板を安価で製造できるようになった。本発明の鋼板は、自動車の骨格部品などに好適である。
本発明では、回復フェライト相中に一辺が10nm未満の微細な板状TiCを、Tiの析出率を85%以上として多数析出させることで、伸び特性を劣化させることなく高強度化を図っている。特許文献2に開示されているようなTiとMoを含む炭化物の代わりに、TiCのみを用いているので高価なMoの使用は必要なく、また固溶強化元素として多用されるSi、Mnを低減することで、さらに合金コストを大幅に削減している。
本発明において焼鈍後の析出強化を維持する上で最も重要なポイントは、このような低合金の成分系で、熱延鋼板の段階での微細炭化物の粗大化をできるだけ抑制することである。本発明においては、C量とTi量のバランスを最適化し、かつ、Pの適正添加により、熱延鋼板の段階でのTiCを厚み1nm前後の板状形態に維持することに成功した。この初期微細析出形態の確保に加え、主として板厚を調整するための冷間圧延の後、冷間圧延により形成された加工組織を速やかに回復させる焼鈍を施すことにより、再結晶率が15%以上30%以下となる回復フェライト内に、一辺の長さが10nm未満の板状TiCを分散させ、590MPa以上のTSを確保する。なお、本発明の冷延鋼板は概ね20%以上の伸び特性を有しており、高強度と良好な加工性を両立するものである。
熱延鋼板の段階で板状形態を有し微細に析出したTiCは母相フェライトとの間にBaker−Nuttingの方位関係(Baker−Nuttingの方位関係:体心立方構造(bcc)である母相Feに、NaCl型のMC炭化物が整合析出する際の典型的方位関係。(100)bcc//(100)MC ,[001]bcc//[011]MC)を有している。一般に冷間圧延後の焼鈍工程において、TiCがオストワルド成長することにより、TiCの析出強化能は急激に低下する。しかし、初期の析出物と母相の方位関係が維持される回復粒においては、焼鈍時の成長が抑制される。一方、再結晶が起こると、初期の析出物の方位関係は解消するため、TiCは速やかに球状形態に遷移し、急激に粗大化する。このため、本発明においてはフェライト組織の再結晶率を15%以上30%以下に抑制する。
以下に、本発明の詳細について説明する。なお、各成分元素の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
1)成分組成
C:0.07〜0.12%
CはTiCとしてフェライト相中に微細に析出し、高強度化に寄与する重要な元素である。C量が0.07%未満だと熱延鋼板の段階で十分な強度が得られず、冷延焼鈍後に590MPa以上のTSが確保できない。一方、0.12%を超えるとベイナイト相やパーライトなどの硬質相が形成されやすくなり、伸び特性の低下を招き、さらに、伸びフランジ性の劣化も招く。したがって、C量は0.07〜0.12%とする。
Si+Al:0.05〜0.10%
SiやAlは、製鋼時の脱酸に必要な元素である。本鋼は同じく脱酸元素であるTiをTiCとして析出させるのに利用するため、Si、Alによる脱酸は必須であり、そのためにSiとAlの合計の含有量であるSi+Alを0.05%以上とすることが必要である。一方、AlもSiもA変態温度を上昇させる元素であり、その合計の含有量が0.10%を超えると、二相域圧延を回避するため熱間圧延の仕上げ温度を高くする必要があり、このため、スラブ加熱温度を高温化せざるを得ず、製造コスト高を招く。さらに、変態点上昇により、TiCを析出させるために高温巻取りとする必要が生じ、TiCの粗大化を招いてしまう。このため、Si量+Al量は0.10%以下とする。
なお、Si量は脱酸の効果を得る上では、0.03%以上とすることが好ましいが、一方、めっき性に悪影響を及ぼす元素のひとつであるため、0.08%以下とすることが好ましい。Al量は脱酸の効果を得る上では、0.02%以上とすることが好ましいが、過剰に添加しても脱酸効果は飽和し、いたずらに変態点が上昇するため、0.05%以下とすることが好ましい。
Mn:0.15〜0.45%
Mnは、固溶強化能の高い元素であるため鋼の強度レベルの調整に、また、鋼の変態温度を低下させるため熱間圧延前の加熱温度低下に効果的であり、このような効果を得るため、Mn量は0.15%以上とする。一方で、過剰な添加は高コストとなる上、偏析によりバンド状組織が形成されやすく、伸びの低下を招き、さらに伸びフランジ性の低下も招くため、Mn量は0.45%以下とする。
P:0.01〜0.05%
上述したように、PはTiCの微細化を促進し、高強度化に有効な元素である。こうした効果を得るには、P量を0.01%以上にする必要がある。一方、P量が0.05%を超えるとFe−Ti−P等を形成し、TiCとして析出するために有効となるTi量の低下を招くため、P量は0.01〜0.05%とする。
S:0.004%以下
本発明においては、Sは主にTiSとして固定され、前記の式(1)で規定するTi(有効Ti量)の低下につながるため、Sは低いほど好ましいが、0.004%程度までは許容できるため、S量の上限を0.004%とする。
N:0.0045%以下
N量が0.0045%を超えると粗大なTiNが形成され、後述する有効Ti量の低下を招き、TiCによる析出強化が十分に発揮できないうえ、伸びが低下し、さらに伸びフランジ性も低下する。このため、N量は0.0045%以下とする。一方、N量を0.0020%未満に制御するには製鋼工程で特別の処理が必要となり製造コスト高を招くため、N量の下限は0.0020%程度とすることが好ましい。
Ti:0.09〜0.14%
本発明では、TiはTiCを析出させる元素であり、析出強化に用いる最も重要な元素である。本発明においては、熱延鋼板の段階で十分な析出強化量を確保するためにTi量の下限を0.09%とする。一方、Tiを過剰に添加した場合、固溶Tiにより焼鈍時の組織回復が遅延するため、高温焼鈍が必要となり、TiCの粗大化によって目標強度が到達できなくなるため、上限を0.14%とする。
2.4≦4C/Ti≦4.5(ただし式中のTi、Cは各元素の含有量)
本発明において、TiCとしての析出量は、含有するTi量のうち、TiNとして固定される量、およびTiSとして固定される量を考慮した有効Ti量、すなわちTiに支配される。なお、ここで有効Ti量(Ti)は前記の式(1)で定義され、Ti=Ti−(3.43N+1.5S)(ただし式中のTi、N、Sは各元素の含有量)である。
本発明では、TiCのサイズおよび量の最適化のため、2.4≦4C/Ti≦4.5の関係を満足する必要がある。ここで、4C/Tiは、Cと有効Tiの原子濃度比を表しており、本発明では、鋼中のCを全てTiCとして形成する場合に必要最小限となる4C/Ti=1よりも炭素過剰である2.4≦4C/Tiとする。これは、固溶炭素によるγ→α変態の遅延を利用するためであり、結果的にTiCの析出温度域を低下し、熱延鋼板中にTiCを析出微細化させるためである。一方、4C/Tiが4.5を超える炭素過剰側では、熱間圧延後の冷却過程でパーライト変態が優先し、TiCの析出が著しく抑制されるため、4C/Ti≦4.5とする必要がある。
残部はFeおよび不可避的不純物であるが、以下の理由でB:0.0003〜0.0010%を含有させることが好ましい。
B:0.0003〜0.0010%
Bは、本発明において、CやPと同様、熱延鋼板の段階での初期TiC析出を微細にする効果のある元素であり、この効果を得る上では、0.0003%以上含有させることが必要となる。一方、B量が0.0010%を超えると、効果が飽和するばかりでなく、熱間圧延時の荷重増大につながるため、B量は0.0010%以下とする必要がある。
2)ミクロ組織
本発明の鋼板は、体積率:90%〜95%のフェライト相および体積率:5%〜10%のセメンタイトを有し、前記フェライト相は再結晶率が15%以上30%以下の回復組織からなるとともに、該フェライト相中にはTi炭化物(TiC)が析出し、該Ti炭化物の平均の長さが10nm未満であり、Tiの析出率が85%以上である組織を有する。
再結晶率が15%以上30%以下の回復組織からなるフェライト相の体積率:90%〜95%
本発明の鋼板の焼鈍時に、完全再結晶組織を得るために高温焼鈍を施すと、製造上コスト高になるばかりでなく、上記したように、熱延鋼板の段階で板状形態を有し微細に析出していたTiCが急激に粗大化して強度低下を招き、また再結晶組織が微細であるため高伸び特性を得ることが難しくなる。このため、本発明においては、再結晶率が15%以上30%以下である回復組織からなるフェライト組織を主相とする。フェライト相の再結晶率が30%を超えると、上記のように、所望の強度を得ることが困難となるため、再結晶率は30%以下とする。一方、再結晶率が15%未満になると、伸びが低下し加工性に悪影響を与えるため、再結晶率は15%以上とする。また、フェライト相の体積率が90%未満では、良好な伸び特性を得ることが困難であり、一方、95%を超えると、後述するセメンタイトの体積率を確保することができない。このため、前記フェライト相の体積率は90%〜95%とする。
ここで、再結晶率は、焼鈍後の冷延鋼板について、圧延方向に沿った断面組織(L断面組織)を走査透過電子顕微鏡(STEM)により観察して得られた、観察視野における全フェライトの面積に対する再結晶フェライトの面積の比率(面積率)を求め、これを再結晶率とした。
セメンタイトの体積率:5〜10%
本発明の鋼板の成分組成では、前述のように4C/Tiを所定範囲として、Cと有効Tiの原子濃度の比を1よりも大きくしているため、セメンタイトが熱延鋼板組織中の粒界に析出する。粒界セメンタイトが組織形成に及ぼす影響は必ずしも明らかではないが、熱間圧延後の冷間圧延時に歪が集中し、焼鈍時の再結晶を促進すると考えられる。この熱延鋼板の段階で析出しているセメンタイトの多くは、焼鈍後は一旦固溶するが、後述する過時効処理によって固溶炭素を固着し、伸び特性確保に有用となる。このような効果を得るため、本発明の鋼板中のセメンタイトの体積率は5%以上とする。一方、セメンタイトの体積率が大きくなりすぎると、TiCの析出を抑制することとなり、また、所望のフェライト量を確保することができなくなるため、セメンタイトの体積率は10%以下とする。
フェライト相中のTi炭化物(TiC)の平均の長さが10nm未満、Tiの析出率が85%以上
前記フェライト中に析出させるTi炭化物の平均の長さが10nm以上となると、TiCの析出強化能が小さくなり、590MPa以上の強度を得ることが困難となる。また、Tiの析出率が85%未満では、析出物の量が少なくなりすぎ、590MPa以上の強度を得ることが困難となる。このため、本発明の鋼板では、フェライト中に微細なTi炭化物(TiC)を多数析出させ、該Ti炭化物(TiC)の平均の長さを10nm未満とし、かつ、Tiの析出率を85%以上とする。
なおTi炭化物(TiC)の平均の長さとは、透過電子顕微鏡によりマトリックスであるフェライト相の[001]方位において観察されるTiCの長さを200個以上に対して求め、算術平均した値である。ここで、本発明では前記したように、焼鈍時のフェライトの再結晶を制御することで、冷延鋼板において、熱延鋼板の段階で母相フェライトとの間にBaker−Nuttingの方位関係を有して析出させたTiCの板状形態をほぼ維持させている。このため、冷延鋼板について、透過電子顕微鏡によりフェライト相の[001]方位において観察されるTiCは、熱延鋼板で析出させた正方板状の板状形態を有するTiCの辺長(一辺の長さ)を長さとし、その厚みを幅とする略長方形形状(棒状の形状)として観察される。そこで、本発明ではこの略長方形形状に観察されるTiCの長さを測定することで、冷延鋼板中のTi炭化物の一辺の長さを測定している。
また、Tiの析出率は、下記手法によって求めた。
まず、Tiの析出量を、特許文献4に記載の方法にしたがって求めた。すなわち、対象析出物が非常に微細であるため、抽出した析出物を直接定量する一般的な析出物量の求め方では精度が出ないので、ここでは試料を非水溶媒系電解液中で所定量だけ電解した後、金属試料の残部を電解液から取り除き、次いでこの電解液の一部を採取し分析溶液とし、ICP質量分析法を用いてTiおよび比較元素としてFeの液中濃度を測定した。得られた濃度を基に、Feに対するTiの濃度比を算出し、さらに、試料中のFe量(質量%)を乗じることで、固溶Ti量(質量%)を求めた。試料中のFe量(質量%)は、Fe以外の組成値の合計を100質量%から減算することで求めることができる。このようにして求めた固溶Ti量を、鋼のTi含有量から差し引くことにより、Tiの析出量とした。そして、Tiの析出率は、Tiの析出率=(Tiの析出量)/(鋼のTi含有量)として求めた。
なお、上記で規定した以外の残部組織に関しては、不可避的に生成するその他の組織を、合計の体積率(面積率)で5%以下程度であれば本発明の効果を損ねるものではないため、含有してもかまわない。
3)製造条件
熱間圧延前の加熱温度:1150〜1250℃
熱間圧延後に微細なTiCをフェライト相中に析出させて高強度化を図るには、鋼中に析出している粗大なTiCを熱間圧延前に加熱して溶解させる必要がある。本発明では1150℃以上の加熱で熱間圧延前の鋼中に析出しているTiCを十分に溶解することが可能である。したがって、熱間圧延前の加熱温度は1150℃以上とする。なお、製造コストを低減する観点からは、1250℃以下の温度で加熱する必要があり、加熱温度は1150℃〜1250℃とする。より好ましい加熱温度範囲は1150℃〜1220℃の範囲である。
熱間圧延の仕上げ圧延終了温度:880〜930℃
仕上げ圧延終了温度が880℃未満となると、圧延組織が残留し、伸びが劣化し、また、伸びフランジ性も劣化する。したがって、仕上げ圧延終了温度は880℃以上とする。一方、仕上げ圧延終了温度が930℃を超えると十分に再結晶したオーステナイト組織からの変態になるのでフェライト組織が粗大化し、母相組織であるフェライト相の強度が顕著に低下するため、仕上げ圧延終了温度は930℃以下とする。
本発明では、連続鋳造後の鋼をそのまま熱間圧延する直送圧延の技術も適用することができる。このとき、880℃以上の仕上げ圧延終了温度を確保するために、熱間圧延前に補助的な加熱を行うこともできる。
熱間圧延後の平均冷却速度:10℃/s以上
熱間圧延後巻取りまでの平均冷却速度が10℃/s未満だと、冷却中にパーライト変態が起こりやすく、また、粒界セメンタイトの形成が優先し、析出強化因子である微細TiCの核生成が不十分となって、熱延鋼板における強度が十分に確保できない。本発明では、熱間圧延後に引き続き実施される冷間圧延後の焼鈍過程で、TiCが成長して大きくなり強度低下することを想定し、熱延鋼板において冷延鋼板よりも高い強度を確保するようにしている。本発明では、初期熱延鋼板における十分な核生成密度の確保のため、熱間圧延後の平均冷却速度は10℃/s以上とする。
巻取温度:575〜650℃
本発明では、熱延鋼板での強度を十分に確保することが重要であり、熱間圧延後の巻取の段階でTiCを鋼中に析出させるため、巻取温度は高精度に制御する必要がある。TiCの析出にはγ→α変態の影響が大きく、特に変態点を低温化するMnの含有量に応じて巻取り温度を制御することが重要である。本発明では、上記したように、Mn量を0.15〜0.45%と少なくしており、この場合、TiCを十分に析出させるためには、巻取温度を575℃以上とする必要がある。一方、巻取り温度が650℃を超えると、フェライト組織回復とTiCの粗大化が促進し、熱延鋼板における強度が低下するため、巻取温度の上限は650℃とする。
巻取り後の鋼板には、常法に従い酸洗を施す。酸洗の条件については、特に制限は無く、塩酸での酸洗など、従来公知の方法に従って行えばよい。
冷間圧延の圧延率:45〜65%
酸洗後の熱延鋼板には、板厚を薄くして所望の板厚の薄鋼板(冷延鋼板)を得るために、冷間圧延を施す。例えば、板厚1mm以下の薄鋼板を製造するにあたり、酸洗後の熱延鋼板の板厚が2mmとすれば、冷間圧延の圧延率(冷間圧延率)は50%以上が必要となる。また、冷間圧延の圧延率(圧下率ともいう)は、冷間圧延後に施す焼鈍の際の再結晶を促進するパラメータでもある。すなわち、冷間圧延率が低い場合は、導入歪を駆動力とする再結晶が起こらず、焼鈍による回復が進むだけとなる。一方、冷間圧延率が高すぎると、結晶粒ごとの導入歪量が不均一になり、再結晶開始温度が低下するものの、再結晶自体も不均一になりやすい。冷間圧延率は最終的な目標板厚によって変動するものの、本発明では冷間圧延後の未再結晶組織を積極活用するため、冷間圧延率は45%以上とする。また、上記した再結晶の不均一を招かないようにするため冷間圧延率は65%以下とする。
上記冷間圧延後の鋼板は、昇温速度:30℃/s以下で800℃〜860℃に加熱後、60〜180s保持の焼鈍を行い、引き続き280℃以上350℃以下で240s以上保持の過時効処理を施す。
昇温速度:30℃/s以下で800〜860℃に加熱後60〜180s保持
本発明において、適正な条件での焼鈍は強度と伸び特性を両立する上で極めて重要である。冷間圧延によって所望の板厚に調整された鋼板は高い強度を有するものの、加工性が低下しており、連続焼鈍プロセスなどによって適切な焼鈍処理を施すことが必要である。焼鈍処理は加工組織を回復させるために施されるものであり、これらの組織変化は、冷間圧延率はもちろんのこと、焼鈍温度に大きく支配される。
本発明では、焼鈍温度は800〜860℃とし、該焼鈍温度に加熱する。この焼鈍温度範囲は、前述のような冷間圧延率の範囲での冷間圧延を施した後、所望の組織を得る上での適正焼鈍温度である。焼鈍温度が800℃未満では、回復が進行せず強度が高くなりすぎ、伸びが小さくなる。一方、焼鈍温度が860℃を超えると、析出強化因子であるTiCの粗大化が進み、急激に強度が低下し、TS≧590MPaの確保が困難となる。
また、焼鈍温度での保持時間(焼鈍時間)は、前記焼鈍温度範囲で十分に回復を進行させて伸び特性を確保するため、60s以上とする。一方、焼鈍時間が長すぎると生産性が低下するため、焼鈍時間は180s以下とする。
上記した焼鈍温度に加熱する際の昇温速度は、昇温中に組織回復を促進するため30℃/s以下とする。昇温速度が30℃/sを超えると、再結晶が促進されて、伸び特性に不利な微細組織になってしまうばかりでなく、炭化物が急激に粗大化し強度の低下を招く。なお、昇温速度の下限は特に規定しないが、生産性確保の観点および初期熱延板中の微細TiCの成長を回避する観点から、10℃/s以上とすることが好ましい。
280℃以上350℃以下で240s以上保持の過時効処理
本発明においては、2.4≦4C/Tiと明らかに炭素過剰の設計としているため、熱延鋼板の段階で析出していたセメンタイトは、上記の冷間圧延後の焼鈍過程で一部固溶する。鋼板中に固溶炭素が存在すると、加工性に影響するだけでなく、加工後の時効が問題になる。このため、固溶した炭素をセメンタイトに固着させるために焼鈍後過時効処理を施す。過時効温度が280℃未満では、固溶炭素の固着に長時間を要するため、生産性が低下する。一方、過時効温度が350℃を超えると、温度が高すぎるため、炭素を十分に固着することが困難となる。このため、過時効温度は280℃以上350℃以下とする。また、固溶炭素を十分に固着させるため、過時効における保持時間は240s以上とする。なお、過剰に長い時間保持を行っても効果が飽和し、生産性が低下するだけとなるため、保持時間は600s以下とすることが好ましい。
なお、上記した焼鈍および過時効処理は、生産性の観点から連続焼鈍ラインにて連続して行うことが好ましい。
表1に示す成分組成の鋼を50kg真空溶解炉で溶製し、スラブとした後、表2に示す条件で熱間圧延し、熱延鋼板を得た。次いでこの熱延鋼板を、塩酸酸洗し、表2に示す条件で冷間圧延して表2に示す板厚とした後、表2に示す条件で焼鈍処理を施し、引き続き350℃で300sの過時効処理を行い冷延鋼板とした。
これらの得られた冷延鋼板から試験片を採取し、下記のような調査を行った。得られた結果を表3に示す。
フェライト相、セメンタイトの体積率
圧延方向に沿った断面組織(L断面組織)を走査型電子顕微鏡により3000倍で3視野観察して、フェライト相および、セメンタイトの面積率を求め、求めた面積率を体積率とした。
フェライト相の再結晶率
板厚中央部から採取した試料を用いて、透過電子顕微鏡用の薄膜試料を作製し、透過電子顕微鏡付属の透過走査電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscopy,STEM)の暗視野法により5000倍で5視野以上観察して、観察視野における全フェライトの面積に対する再結晶フェライトの面積の比率(面積率)を求め、これをフェライト相の再結晶率とした。なおここで、再結晶フェライトはSTEM像で転位の少ない等軸結晶として認識される。
Ti炭化物の平均の長さ
上記のSTEM観察に用いた試料を用い、透過電子顕微鏡法により、30万倍で厚み約100nmの領域を5視野以上観察し、TiCの長さを測定した。この時、評価対象としたTiCは、母相であるフェライト相の[001]方位において観察される厚み1〜2nmの板状形態TiCであり、略長方形形状に観察される個々のTiCの長さを測定して、200個以上の観察結果の平均値として求めた。
引張特性
圧延方向に平行にJIS5号引張試験片を採取し、JISZ2241に準拠して、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強度(TS)および全伸び(El)を求めた。
表3に示したように、本発明例では、TS≧590MPaが得られるとともに、El≧20%であり、伸び特性が良好であり、優れた加工性を有することがわかる。
一方、比較例である鋼板No.1−2、鋼板No.13−1およびNo.3−1は、焼鈍時の条件が適切でないため組織回復が進行せず、強度が高めであるが伸び特性が不十分となっている。なお、鋼板No.1−2、鋼板No.13−1には、フェライト、セメンタイト以外の組織として、残留オーステナイトが認められた。鋼板No.4−2およびNo.12−2は、焼鈍温度が高く、再結晶が進行するためTiCの粗大化が抑制できず、強度低下を招いている。鋼板No.5−1、鋼板No.6−1は表1に示したとおり、いずれも4C/Tiが過小もしくは過剰となっており、Ti炭化物による析出強化が適正に制御できず、鋼板No.5−1ではTiCが粗大化し、鋼板No.6−1ではTiの析出率が低くなり、強度と伸びのバランスが最適化できていない。また鋼板No.7−1も、Mnが低いため適正温度下限以下で巻き取っても析出粗大化を抑制できず強度が低下した。鋼板No.10−2は、熱間圧延後の巻取までの冷却速度が十分でないため、パーライト変態が促進し、微細TiCの析出が不十分となり、強度確保が困難となっている。鋼板No.11−1は、TiC形成のためのTi添加量が低く、十分な析出強化量が得られていない。一方、No.15−1はSi+Al量が高く、優れた伸び特性を確保するものの、TiCが粗大化し強度低下する。鋼板No.14−1はTi過剰のため、未固溶のTiCが増大し、微細TiCが不足し、強度が不足した。
Figure 0005796583
Figure 0005796583
Figure 0005796583

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.07〜0.12%、
    Si+Al:0.05〜0.10%、
    Mn:0.15〜0.45%、
    P:0.01〜0.05%、
    S:0.004%以下、
    N:0.0045%以下、
    Ti:0.09〜0.14%を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)で規定されるTiが下記の式(2)を満足する組成を有し、体積率:90〜95%のフェライト相および体積率:5〜10%のセメンタイトを有し、前記フェライト相は再結晶率が15%以上30%以下の回復組織からなるとともに、該フェライト相中にはTi炭化物(TiC)が析出し、該Ti炭化物の平均の長さが10nm未満であり、Tiの析出率が85%以上である組織を有し、引張強度が590MPa以上であることを特徴とする冷延鋼板;
    Ti=Ti−(3.43N+1.5S)・・・(1)
    2.4≦4C/Ti≦4.5・・・(2)
    ただし、式中のTi、N、S、Cは各元素の含有量(質量%)を表す。
    また、Ti炭化物の平均の長さとは、透過電子顕微鏡によりマトリックスであるフェライト相の[001]方位において観察されるTiCの長さを200個以上に対して求め、算術平均した値である。
  2. さらに、質量%で、B:0.0003〜0.0010%を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の組成を有する鋼を、1150〜1250℃に加熱後、仕上げ圧延終了温度:880〜930℃で熱間圧延し、10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して巻取温度:575〜650℃で巻取り、酸洗後、圧延率:45〜65%で冷間圧延し、昇温速度:30℃/s以下で800〜860℃に加熱後、60〜180s保持の焼鈍を行い、引き続き280℃以上350℃以下で240s以上保持の過時効処理を施すことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
JP2013011757A 2013-01-25 2013-01-25 冷延鋼板およびその製造方法 Active JP5796583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011757A JP5796583B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 冷延鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011757A JP5796583B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 冷延鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014141717A JP2014141717A (ja) 2014-08-07
JP5796583B2 true JP5796583B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=51423253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013011757A Active JP5796583B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 冷延鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5796583B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104975225A (zh) * 2015-07-14 2015-10-14 山东众冠钢板有限公司 一种高强度强耐蚀的sphc钢板及其制备方法
US20220389531A1 (en) * 2020-01-08 2022-12-08 Nippon Steel Corporation Steel sheet and method of manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014141717A (ja) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5594344B2 (ja) 曲げ特性と低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6327282B2 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5672421B1 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5549238B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法
JP5488129B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法
WO2010119971A1 (ja) 時効性および焼付け硬化性に優れた冷延鋼板およびその製造方法
JP2011017060A (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
CN110168126A (zh) 热轧钢板及其制造方法
CN113316656B (zh) 高强度热浸镀锌钢板及其制造方法
JP5329979B2 (ja) 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板
JP2018188675A (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5309528B2 (ja) 高強度鋼板及びその製造方法
WO2016024371A1 (ja) 高強度鋼板の製造方法
JP6224704B2 (ja) 高強度熱延鋼板の製造方法
CN110832095B (zh) 热轧钢板及其制造方法
JP6060914B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法
TWI515309B (zh) 高強度熱軋鋼板及其製造方法
JP5483562B2 (ja) 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板
JP5453973B2 (ja) 高強度冷延鋼板およびその製造方法
TWI506147B (zh) 高強度熱軋鋼板及其製造方法
JP5796583B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法
JP6086080B2 (ja) 高強度冷延鋼板およびその製造方法
WO2013084477A1 (ja) 耐時効性と焼付き硬化性に優れた高強度冷延鋼板
KR20120099144A (ko) 냉연 강판 및 그의 제조 방법
JP6156260B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5796583

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250