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JP5789385B2 - パイプ式被覆材用積層不織布及びパイプ式被覆材 - Google Patents

パイプ式被覆材用積層不織布及びパイプ式被覆材 Download PDF

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JP5789385B2 JP2011050794A JP2011050794A JP5789385B2 JP 5789385 B2 JP5789385 B2 JP 5789385B2 JP 2011050794 A JP2011050794 A JP 2011050794A JP 2011050794 A JP2011050794 A JP 2011050794A JP 5789385 B2 JP5789385 B2 JP 5789385B2
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Description

本発明は、物を被覆するのに有用なパイプ式被覆材に関し、特に、各種重電機、電化製品、自動車等に使用される被覆電線又は配線、或いはその他の部材(特に長尺部材)を結束するのに有用な結束材;線状物、棒状物、又は板状物を被覆保護するのに有用な保護材等に関するものである。
各種被覆電線、配線等の結束材としては、ポリオレフィン系樹脂製被覆材(特許文献1等)、熱収縮性ポリエステル系フィルム(特許文献2等)、ゴム又は合成樹脂製の管の軸方向に斜めに線状の切れ目を設けたもの(特許文献3等)等が知られている。また熱収縮チューブに螺旋状切込みを入れ、スパイラルラップ状に加工し、光ファイバーに巻き回し加熱収縮させる結束方法も知られている(特許文献4等)。しかしこれらの結束材は、硬くて被結束物の形状に沿いにくい、クッション性が乏しい、細工に工夫が必要である等の問題を抱えている。
保護材又はその使用方法としては、物体を保護するために高収縮不織布で物体を被い、該高収縮不織布を熱収縮させる方法が知られている(特許文献5等)。また、ワイパー等には嵩高性の高収縮性不織布が使用されている(特許文献6等)。しかし、これらの不織布は、熱収縮させてもパイプ状にはならない。
なお不織布製のパイプ状物として、例えば、特許文献7〜9等が知られている。特許文献7では、不織布の構造体を円筒形状にニードリングすることで、パイプ状物を作製している。特許文献8では、シート状の不織布の両側縁を縫合して筒状不織布を作製している。これら特許文献7又は8の技術では、特殊な機械が必要でありかつ大口径なパイプ状物を作り辛い、又は縫製の手間がかかる等の問題がある。特許文献9には、熱収縮繊維の熱収縮によって積層シートを立体的に湾曲させ、これを微生物付着の為の担体として使用することが記載されているが、この技術は、パイプ状物の大きさ、用途、課題(要求特性)等の点で本発明と全く異なるものである。
特開2006−179452号公報 特開平6−100671号公報 特開2005−287176号公報 特開2005−207577号公報 特開2003−336151号公報 特開平9−67748号公報 特開平11−279921号公報 特開平7−304099号公報 特開平8−243579号公報
本願発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、型崩れし難く、現場での取り扱いが容易なパイプ式被覆材用積層不織布を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、異なる熱収縮率の繊維層(不織布)を積層した。上下層の重量比、厚さ比、及び熱収縮率の差が大きくなればなるほど、カールが発生するバイメタル現象が大きくなることはよく知られた物理現象であり、この積層体を加熱すると、バイメタル現象を発現し、熱収縮率の大きい層を内側にしてカールするため、パイプ式被覆材(例えば、保護材、結束材等。好ましくは結束材)が形成され、しかもこのパイプ式被覆材は繊維製品であるために、クッション性がありかつ型崩れしにくいこと、及び熱風で簡単にパイプ形状にできるために現場での作業が容易であること、そして該積層不織布を適宜カットした後加熱することで、現場で所望の口径及び長さのものが容易に製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るパイプ式被覆材用積層不織布は、第1及び第2の繊維層の積層体である。前記第1の繊維層は、融点150℃以上の熱可塑性繊維、天然繊維及びガラス繊維から選択される少なくとも1種である高融点繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Aが機械的に絡合された不織布層であり、前記高融点繊維と前記低融点繊維Aの重量比(前者/後者)が、60/40〜90/10であり、温度150℃における熱収縮率SHD1が5%以下であると共に、目付が30g/m2以上、350g/m2未満である。前記第2の繊維層は、温度130℃で30%以上収縮し得る高熱収縮性繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Bが機械的に絡合された不織布層であり、前記高熱収縮性繊維と低融点繊維Bとの重量比(前者/後者)が、30/70〜95/5であり、温度150℃における熱収縮率SHD2が15%以上であると共に、目付が50〜500g/m2である。前記第1の繊維層と第2の繊維層の重量比(前者/後者)は、70/30〜15/85であり、第1及び第2の繊維層の温度150℃における熱収縮率の差(SHD2−SHD1)が10〜50%である。前記高熱収縮性繊維は、面方向内でほぼ一定方向に配向することが好ましく、また、使用平面の面積が100cm2以上であることが好ましい。
パイプ式被覆材は、パイプ式被覆材用積層不織布が、加熱によりカールすることによって得られる、円型パイプ状又はC型パイプ状であり、かつ軸方向にスリットが形成される。前記パイプ式被覆材が、被結束物を包むようにカールすることで結束構造物が形成される。本発明には、前記被結束物が被覆電線であるワイヤーハーネスなどにも有用である。
パイプ式被覆材用積層不織布は、前記第1の繊維層と、前記第2の繊維層とを積層し、これら繊維を機械的に絡合させることで製造される。この製造方法では、前記高熱収縮性繊維を、面方向内でほぼ一定方向に配向させることが望ましく、特に前記パイプ式被覆材用積層不織布が長尺シートである場合には、前記高熱収縮性繊維を長尺シートの幅方向に配列することが望ましい。前記製造方法において、第1及び第2の繊維層を機械的に絡合させた後、高熱収縮性繊維の収縮が発現する温度まで加熱し、パイプ式被覆材用積層不織布がカールするため、パイプ式被覆材の製造が可能である。本発明には、パイプ式被覆材用積層不織布の第2の繊維層側に被結束材を配設し、パイプ式被覆材用積層不織布を加熱してカールさせる結束方法も含まれる。
本発明のパイプ式被覆材用積層不織布(シート)は、第1の繊維層と第2の繊維層から構成されており、繊維が機械的に絡合及び繊維間が接着されているため、クッション性を利用することができ、取扱性に優れかつ型崩れし難い。そして、これら第1及び第2の繊維層間で熱収縮率が大きく異なるため、加熱すると、高熱収縮率の繊維層を内側にしてカールし、パイプ式被覆材を形成することが可能である。そのため、パイプにする前の形態で(例えば、シートを適当な大きさにカットした状態で、又はシートを芯材に巻いた状態で)シートの運搬が可能であり、積載効率を高めることが可能である。また現場では、加熱によって所望の口径及び長さのパイプ状物を容易に得ることが可能である。
図1は本発明のパイプ式被覆材用積層不織布の一例を示す概略斜視図である。 図2は本発明のパイプ式被覆材の一例を示す概略斜視図である。
1)パイプ式被覆材用積層不織布
図1は、本発明のパイプ式被覆材用積層不織布(以下、単に「積層不織布」という場合がある)の一例を示す概略斜視図である。この図1に示されるように、積層不織布は、熱収縮率の異なる第1の繊維層(不織布、ウェブ)及び第2の繊維層(不織布、ウェブ)の積層体である。そして本発明では、第1の繊維層の熱収縮率は小さく、第2の繊維層の熱収縮率は大きく設定されている。この第1及び第2の繊維層の熱収縮率の差により、カールする方向が決定され、かつ積層不織布が均一にカールを発生する。外側になる第1の繊維層の持つクッション性が保護材、結束材として有効である。
より具体的に言えば、第1の繊維層の温度150℃における熱収縮率SHD1は、5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。また、熱収縮率SHD1の下限は0%以上が好ましい。熱収縮率SHD1が5%より大きいと、加熱により第1の繊維層も収縮し、積層不織布全体が均一にカールし難くなる。
第2の繊維層の温度150℃における熱収縮率SHD2は、15%以上、好ましくは16%以上、より好ましくは17%以上である。また、熱収縮率SHD2の上限は特に制限されないが、例えば、60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。熱収縮率SHD2が15%より小さいと、パイプ式被覆材用積層不織布を加熱しても、シートが十分にカールしないため好ましくない。熱収縮率SHD2が60%より大きいと、第2の繊維層が過度に収縮する場合があり、パイプ式被覆材の断面形状が、円型又はC型パイプ状等になり難く、パイプを形成できにくい場合がある。
第1及び第2の繊維層の温度150℃における熱収縮率の差(SHD2−SHD1)は、10%以上、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。熱収縮率の差を10%以上とすることで、積層不織布を熱収縮によってパイプにすることが可能である。また前記差(SHD2−SHD1)は、50%以下、好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下である。熱収縮率の差を50%以下にすることで、熱収縮後のパイプの断面形状が凹凸になることを防止でき、円型又はC型パイプ状にすることが可能である。
第1の繊維層は、主に高融点繊維から構成される。高融点繊維を用いることにより、第1の繊維層の形態安定性が増し、積層不織布を加熱しても、断面が凸凹になるのを防ぎ、均一にカールさせることが可能である。
高融点繊維には、融点が150℃以上の繊維が用いられる。ここで融点が150℃以上とは、150℃未満に融点が存在しないという意味であり、本願発明には融点が存在しない繊維、即ち、綿や羊毛等の天然繊維を用いることも可能である。
該高融点繊維としては、具体的には、融点が150℃以上の熱可塑性繊維、融点を有さない綿や羊毛等の天然繊維やガラス繊維が使用される。融点が150℃以上の熱可塑性繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維等の汎用の合成繊維をはじめ、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の高機能繊維も使用可能である。親水性が要求される用途においては、レーヨン繊維等の化学繊維や天然繊維の綿等が好適である。
また、使用できる高融点繊維の繊維径に、特に制限はない。しかし可能であれば、繊維は1デシテックス〜30デシテックスのものが好ましく、より好ましくは2〜20デシテックスであり、さらに好ましくは3〜10デシテックスである。同様に、使用できる高融点繊維の繊維長にも制限はない。しかし可能であれば、繊維長は20mm〜100mmが好ましく、より好ましくは30〜70mmであり、さらに好ましくは40〜60mmである。高融点繊維の断面形状にも制限はなく、断面は丸型中実であってもよく、異形断面や中空であってもよい。
前記第1の繊維層には融点の低い繊維(低融点繊維A)も含まれており、前記高融点繊維と機械的に絡合されている。低融点繊維とは、融点が150℃未満、好ましくは140℃未満、より好ましくは130℃未満の繊維である。低融点繊維の融点以上に加熱すると、低融点繊維は融解し、冷却されることで第1の繊維層を構成する他の繊維を接着する。さらに、低融点繊維Aは、第1の繊維層内の繊維とだけでなく、第2の繊維層と熱融着してもよい。具体的には、融点が150℃未満の繊維であれば、いずれの繊維も使用可能である。特に本願発明では、変性ポリエステル繊維が好適に用いられ、その他各種変性ナイロン繊維、ポリプロピレン−ポリエチレン繊維等の単体繊維も使用可能であり、さらには、芯鞘型あるいはサイドバイサイド型等の繊維も使用可能である。
また低融点繊維Aの繊維径に、特に制限はない。しかし可能であれば、繊維径は1デシテックス〜30デシテックスが好ましく、より好ましくは2〜20デシテックスであり、さらに好ましくは3〜10デシテックスである。同様に、低融点繊維Aの繊維長にも制限はない。しかし可能であれば、繊維長は20mm〜100mmのものが好ましく、より好ましくは30〜80mmであり、さらに好ましくは40〜70mmである。なお、高融点繊維と低融点繊維Aとの繊維長の差は、例えば、30mm以下であってもよく、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下であることが多い。低融点繊維の断面形状にも制限はなく、断面が丸型中実であってもよく、異形断面や中空であってもよい。
高融点繊維と低融点繊維Aの重量比(前者/後者)は、60/40〜90/10であり、好ましくは65/35〜85/15であり、より好ましくは70/30〜80/20である。高融点繊維と低融点繊維Aの合計100重量%に占める高融点繊維の割合が60重量%より少ないと、各種の機械的強さが不足する。低融点繊維Aの配合比率が10重量%より少ないと、第1の繊維層が充分に接着、固定できず、積層不織布やパイプの形態安定性を損なう。また、低融点繊維Aの配合比率が40重量%より多いと、第1の繊維層全体が硬くなるため、加熱後の取り扱いが困難となり、好ましくない。
第1の繊維層の目付は、30g/m2以上、350g/m2未満であり、好ましくは50〜300g/m2であり、より好ましくは100〜250g/m2である。目付が30g/m2より少ないと、第2の繊維層の影響が強く発現し、積層不織布のカール及び硬化が激しくなるため、実用に適さない。また目付が350g/m2以上であれば、第2繊維層の量によっては、加熱してもカールが弱くなり、パイプ状物が得られない。
なお、第1の繊維層には、この第1の繊維層が上記特定の熱収縮率を満足し得る範囲で、他の繊維や樹脂を配合してもよい。
第2の繊維層は、主に高熱収縮性繊維から構成される。第2の繊維層を有することで、積層不織布(シート)が加熱された時に、円型パイプ状物又はC型パイプ状物を形成させることが可能である。
前記高熱収縮性繊維としては、温度130℃における熱収縮率が30%以上であれば、好適に使用される。より好ましくは40%以上収縮し得る繊維が適している。収縮率の上限は技術的に可能な限り特に制限されないが、温度130℃において、通常、80%以下である。
第2の繊維層の製造において、高熱収縮性繊維は面方向内でほぼ一定方向に配向することが好ましい。配向した繊維が増えると、加熱した際に配向方向への収縮が強くなり、より均一に収縮した円型パイプ状物の製造が可能となる。
高熱収縮性繊維としては、例えば、オレフィン系樹脂繊維(エチレン−プロピレンランダムコポリマー繊維等)、ポリエステル系樹脂繊維(変性ポリエステル繊維等)、ポリスチレン系樹脂繊維等の公知の高熱収縮性繊維が使用可能である。
前記高熱収縮性繊維の繊維径に、特に制限はない。しかし可能であれば、繊維は0.2デシテックス〜20デシテックスのものが好ましく、より好ましくは0.5〜15デシテックスであり、さらに好ましくは1〜10デシテックスがより好ましい。高熱収縮性繊維の繊維長にも制限はない。しかし可能であれば、繊維は20mm〜100mmのものが好ましく、より好ましくは30〜70mmであり、さらに好ましくは40〜60mmである。繊維の断面形状にも制限はなく、断面が丸型中実であってもよく、異形断面や中空であってもよい。
第2の繊維層には融点の低い繊維(低融点繊維B)も含まれており、前記高収縮性繊維と機械的に絡合されている。第1の繊維層及び第2の繊維層に、低融点繊維を含有させると、加熱(カールのための加熱、カール後の加熱等)により、低融点繊維が融解・凝固し、繊維間が固定されるため、パイプ式被覆材が型崩れしにくくなる。低融点繊維Bの詳細は、前記低融点繊維Aと同様である。ただし、低融点繊維Aと低融点繊維Bは、同一であってもよく、異なっていてもよい。なお低融点繊維Aと低融点繊維Bの融点差は小さいほど望ましく、この差は、例えば、30℃以下、好ましくは10℃以下、さらに好ましくは5℃以下である。
高熱収縮性繊維と低融点繊維Bの重量比(前者/後者)は、30/70〜95/5であり、好ましくは40/60〜90/10であり、より好ましくは50/50〜80/20である。高熱収縮性繊維と低融点繊維Bの合計100重量%に占める高熱収縮性繊維の割合が30重量%未満になると、熱収縮力の発現が乏しくなる。また、低融点繊維の比率が5重量%未満になると第2の繊維層の接着及び固化が不充分になる。
第2の繊維層の目付は、50〜500g/m2であり、好ましくは100〜450g/m2であり、より好ましくは150〜400g/m2である。目付が50g/m2より少ないと、カール後のシート断面が円型またはC型パイプ状、更には円弧状にすらならず、好ましくない。また、目付量が500g/m2を超えると、第2の繊維層の影響が強く発現し、積層不織布のカール及び硬化が激しくなるため、実用には適さない。
第2の繊維層には、この第2の繊維層が上記特定の熱収縮率を満足し得る範囲で、他の繊維や樹脂を配合してもよい。特に、第2の繊維層の形態安定性及び耐熱性を向上させるために、第1の繊維層に配合した高融点繊維を第2の繊維層でも配合してもよい。高融点繊維の配合比率は第2の繊維層全体の、例えば、40重量%以下程度、好ましくは5〜35重量%程度、さらに好ましくは10〜30重量%程度である。
第1の繊維層と第2の繊維層の重量比(前者/後者)は、70/30〜15/85であり、好ましくは65/35〜20/80であり、さらに好ましくは60/40〜30/70である。第1の繊維層の比率が70重量%より多くなると、カールが難しくなり、15重量%より少ないと第2の繊維層の影響がより強く発現しやすくなり、好ましくない。
パイプ式被覆用積層不織布の使用平面の面積は、例えば、小さいものでは10cm2以上、好ましくは50cm2以上であり、大きいものでは100cm2以上、好ましくは200cm2以上、さらに好ましくは300cm2以上である。面積が小さすぎると、積層不織布をカールさせても、被被覆物(保護対象物、被結束物等)を被覆するのが難しくなり、好ましくない。
前記積層不織布の各層は、必要に応じて、難燃化、撥水化、抗菌化等をしてもよい。これらの機能を付与するには、これらの機能を有する繊維状物(難燃繊維、撥水性繊維、抗菌繊維等)を各層で用いてもよく、また各機能を有する薬液で各層をスプレー処理又はコーティング処理してもよく、或いは各機能を有する薬剤を上記高融点繊維、低融点繊維A、B若しくは高熱収縮性繊維に練り込んでもよい。
また、本願発明のパイプ式被覆用積層不織布は、上述した第1の繊維層及び第2の繊維層以外に、第3の層が積層されてもよい。第3の層には、例えば、接着層、静電防止層、防水層、保護層等が挙げられる。第3の層は、第1の繊維層の表面、第1の繊維層と第2の繊維層との間、又は第2の繊維層の表面等、パイプ式被覆用積層不織布のいずれの位置にも積層可能である。第3の層は1層のみに限定されるものではなく、何層でも積層してよい。また、第3の層は、繊維層に限られず、例えばフィルム層であってもよい。
2)パイプ式被覆材
図2は、本発明のパイプ式被覆材の一例を示す概略斜視図である。このパイプ式被覆材は、図1のパイプ式被覆用積層不織布を加熱して、第2の繊維層2を内側、第1の繊維層1を外側にしてカール(インカール)させることで形成される。パイプ式被覆材の断面形状は、円型又はC型であるのが好ましく、パイプ式被覆材の軸方向にはスリットが形成されている。円型又はC型までカールさせると、身の回りの様々な製品や物を包むことができ、これらを保護したり、結束することが可能である。例えば、パイプ式被覆材を、電化製品の保護材、ガス管や水道等の保温材として使用してもよい。また、被覆物として電線(特に被覆電線)等の被結束物を用いれば、パイプ式被覆材をワイヤーハーネス等の結束材として好適に使用可能である。また、被被覆物(特に被結束物)をパイプ式被覆用積層不織布で包んだ後に加熱すれば、該積層不織布が被被覆物の形状に沿うように形成され、好適な被覆材となる。
3)製造方法
パイプ式被覆用積層不織布は、上記所定の関係を有する第1の繊維層と第2の繊維層とを積層した後、繊維層を機械的に絡合させて製造される。さらに、製造されたパイプ式被覆用積層不織布を加熱すると、第2の繊維層を内側にしてカールが発生し、パイプ式被覆材になる。
パイプ式被覆用積層不織布は、種々の公知の製法に従って製造可能である。そこで、不織布層の形成方法の一例としてカード法でウェブを形成、ついでクロスラッパーにて積層後、該ウェブ繊維を機械的に絡合(特にニードルパンチ法で結合)する場合を取り上げ、まずこの例から説明する。
ニードルパンチ法で第1の繊維層を形成する場合、例えば、高融点繊維と低融点繊維A等の原料繊維をそれぞれ計量した後、それらを混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成する。この中間ウェブをラッピングした後、ニードルパンチ加工を行って第1の繊維層を形成する。一方、第2の繊維層も同様に、層を構成する繊維をそれぞれ計量した後、繊維を混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成する。中間ウェブをラッピングした後、ニードルパンチ加工を行って第2の繊維層を形成する。ただし、ラッピング工程においては、可能な限り、高熱収縮性繊維が面方向内で一定方向に配向するように重ね合わせるのが重要かつ好ましい態様である。特に製造過程では、第2の繊維層は長尺シートになっており、高熱収縮性繊維は、この長尺シートの幅方向に配向させることが好ましい。配向した繊維が増えると、加熱した際に配向方向への収縮が強くなり、均一に収縮した円型又はC型のパイプ式被覆材の製造が容易になるので好ましい。前記ラッピングには、クロスラッパー等が好適に用いられる。
第1の繊維層と第2の繊維層は、それぞれ、通常、ロールアップされている。そしてこれらロールを巻き戻しながら第1の繊維層と第2の繊維層を重ね合わせ、ついでニードルパンチ加工する。この様に、ロールアップされた繊維層を巻き戻しながら重ね合わせることにより、第1の繊維層と第2の繊維層間一体化が図られ、機械的に繊維が絡合することにより層間剥離が発生しにくくなる。
ウェブの形成方式及びウェブ繊維の結合方式は、上記乾式/機械的絡合(特にニードルパンチ法)が好ましいが、これに限定されず、公知の種々の方式が採用可能である。いずれの場合も、高収縮性繊維を面方向内でほぼ一定方向に(特に幅方向)に配向させることが好ましい。
上記の様にして形成された積層不織布(シート)は、さらに加熱カールさせてパイプ式被覆材としてもよいが、カールの前に又はカールと共に低融点繊維A及びBで他の繊維を溶融接合させて積層不織布(シート)又はこの積層不織布(シート)から得られるパイプからの繊維抜けを防止してもよい。この場合は、低融点繊維A及びBが融解する温度以上(例えば、70℃以上、より好ましくは80℃以上)であって170℃以下でパイプ式被覆用積層不織布を加熱するとよい。
カールの前に低融点繊維A及びBで他の繊維を結合させる場合、前記加熱温度の上限は、高熱収縮性繊維の収縮が発現する温度未満である。該温度範囲で加熱されたシートは、再度、高温(高熱収縮性繊維の収縮が発現する温度以上)に加熱されれば、シートがカールし、パイプ式被覆材として使用可能である。
カールと共に低融点繊維A及びBで他の繊維を結合させる場合、前記加熱温度の下限は、高熱収縮性繊維の収縮が発現する温度、例えば、100℃以上、好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。この温度で加熱すれば、高収縮性繊維が収縮してカールが生じると共に、低融点繊維A及びBも融解して、他の繊維を結合させることが可能である。
加熱方法は、熱風加熱が好ましい。加熱は、パイプ式被覆用積層不織布が長尺の状態でも、所定の大きさにカットされた状態でもよい。積層不織布が長尺の状態であれば、熱風循環式乾燥機等を用いて積層不織布を連続通過させるとよい。また、積層不織布がカットされた状態であれば、熱風発生機やドライヤー等を用いて加熱することも可能である。特に積層不織布を所定の大きさにカットしたもの、あるいは芯材(紙管等)に巻き上げたものを作業現場に運搬し、そこで円型又はC型のパイプ状物を得ようとする場合は、小型の熱風式ドライヤー等が有効である。
パイプ式被覆材をより適切に製造する為には、積層不織布を加熱する際、所望の口径を有する円柱材又は円筒材(金属パイプ等)に積層不織布を被せながら加熱すればよい。例えば長尺シート状の積層不織布を、長尺円柱材又は円筒材に被せながら熱風式乾燥機を通過させれば、一定の口径を有する繊維製の連続したパイプ状物が得られる。また、カットした積層不織布を、前記円柱材又は円筒材に被せながら加熱することでも、パイプ式被覆材を得ることが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例及び比較例で得られるパイプ式被覆用積層不織布の評価は、以下の様にして行った。
(1)目付
JIS L1913 6.2に準じた。
(2)熱収縮率
25cm×25cmに裁断した不織布(積層不織布)に縦横2本ずつ20cmの線を引き、温度150℃に保った熱風循環式乾燥機に10分間放置後取り出した。室温(約21℃)にて、先に引いた線の長さL(cm)をJIS鋼尺1級にて測定し、縦横2つの熱収縮率を下記式に従って求め、その平均値をサンプルの収縮率とした。
熱収縮率(%)=(20−L)/20×100
(3)加熱後の断面形状
熱収縮率の測定に使用した試料の断面を目視観察して決定した。
(4)繊維の熱収縮率
JIS L1015 8.15b(乾熱収縮率)に準じて、温度130℃での熱収縮率を求めた。
実施例1〜4
融点264℃、繊度6.6デシテックス、長さ51mmのレギュラーポリエステル繊維(高融点繊維)80重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ51mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維A)20重量%を計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成した。この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした後、針番手40番のニードルにて打込み本数180n/cm2、針深さ14mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブAを形成した。ウェブAの目付は200g/m2であり、温度150℃における熱収縮率は0%であった。
融点140℃、繊度2.2デシテックス、長さ51mmのポリエチレン−ポリプロピレン繊維(高熱収縮性繊維;温度130℃における熱収縮率45%)の所定量(90重量%(実施例1)、80重量%(実施例2)、60重量%(実施例3)、40重量%(実施例4))と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ64mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維B)の所定量(10重量%(実施例1)、20重量%(実施例2)、40重量%(実施例3)、60重量%(実施例4))とを計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成し、この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした。このラッピングでは、高熱収縮性繊維が中間ウェブの幅方向に並ぶようにした。ついで、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブBを形成した。ウェブBの目付は150g/m2であり、温度150℃における熱収縮率は、それぞれ42%(実施例1)、38%(実施例2)、28%(実施例3)、18%(実施例4)であった。
ウェブA及びウェブBを積層し、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を2回行い、目付350g/m2の積層不織布を得た。該積層不織布の温度150℃における熱収縮率は、それぞれ30%(実施例1)、28%(実施例2)、18%(実施例3)、12%(実施例4)であった。該積層不織布を300mm角に切った後、温度150℃に保った熱風循環式乾燥機に2分間放置した後取り出すと、断面形状が直径90mmの円型をした長さ295mmのパイプ状物が得られた。得られた積層不織布の加熱後の断面状態は、実施例1〜3では円型、実施例4ではC型であった。
実施例2の積層不織布を幅160mmにスリットした後、温度150℃に保った小型熱風循環式乾燥機に2分間かけて通過させる加熱処理を行うと、直径50mmの断面が円型のパイプ状物が連続して得られた。
実施例5〜8
実施例1に従い、ウェブAとウェブBの最適配合比率を検討した。融点264℃、繊度6.6デシテックス、長さ51mmのレギュラーポリエステル繊維(高融点繊維)80重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ51mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維A)20重量%を計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成した。この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした後、針番手40番のニードルにて打込み本数180n/cm2、針深さ14mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブAを形成した。ウェブAの目付は100g/m2(実施例5)、200g/m2(実施例6)、300g/m2(実施例7)、200g/m2(実施例8)であり、温度150℃における熱収縮率はいずれも0%であった。
融点140℃、繊度2.2デシテックス、長さ51mmのポリエチレン−ポリプロピレン繊維(高熱収縮性繊維;温度130℃における熱収縮率45%)の所定量(80重量%(実施例5〜7)、60重量%(実施例8))と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ64mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維B)の所定量(20重量%(実施例5〜7)、20重量%(実施例8))と、実施例8においては更に、融点264℃、繊度6.6デシテックス、長さ51mmのレギュラーポリエステル繊維(高融点繊維)20重量%とを計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成し、この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした。このラッピングでは、高熱収縮性繊維が中間ウェブの幅方向に並ぶようにした。ついで、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブBを形成した。ウェブBの目付は400g/m2(実施例5)、300g/m2(実施例6)、200g/m2(実施例7)、300g/m2(実施例8)であり、温度150℃における熱収縮率は、それぞれ37%(実施例5)、35%(実施例6)、34%(実施例7)、25%(実施例8)であった。
ウェブA及びウェブBを積層し、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を2回行い、目付500g/m2の積層不織布を得た。該積層不織布の温度150℃における熱収縮率は、それぞれ33%(実施例5)、32%(実施例6)、30%(実施例7)、29%(実施例8)であった。該積層不織布を300mm角に切った後、温度150℃に保った熱風循環式乾燥機に2分間放置した後取出し、断面形状の観察をおこなった。
比較例1〜2
融点264℃、繊度6.6デシテックス、長さ51mmのレギュラーポリエステル繊維(高融点繊維)80重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ51mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維A)20重量%を計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成した。この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした後、針番手40番のニードルにて打込み本数180n/cm2、針深さ14mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブAを形成した。ウェブAの目付は200g/m2であり、温度150℃における熱収縮率は0%であった。
融点140℃、繊度2.2デシテックス、長さ51mmのポリエチレン−ポリプロピレン繊維(高熱収縮性繊維;温度130℃における熱収縮率45%)の所定量(100重量%(比較例1)、20重量%(比較例2))と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ64mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維B)の所定量(0重量%(比較例1)、80重量%(比較例2))とを計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成し、この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした。ついで、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブBを形成した。ウェブBの目付は300g/m2であり、温度150℃における熱収縮率はそれぞれ65%(比較例1)、66%(比較例2)であった。
ウェブA及びウェブBを積層し、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を2回行い、目付500g/m2の積層不織布を得た。該積層不織布の温度150℃における熱収縮率はそれぞれ37%(比較例1)、4%(比較例2)であった。該積層不織布を300mm角に切った後、温度150℃に保った熱風循環式乾燥機に2分間放置した後取り出すと、比較例1における積層不織布の断面形状は凸凹であり、比較例2における積層不織布の形状は円弧状であった。どちらも安定したパイプとは言い難い形状となった。
比較例3
融点264℃、繊度6.6デシテックス、長さ51mmのレギュラーポリエステル繊維(高融点繊維)80重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ51mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維A)20重量%を計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成した。この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした後、針番手40番のニードルにて打込み本数180n/cm2、針深さ14mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブAを形成した。ウェブAの目付は400g/m2であり、温度150℃における熱収縮率は0%であった。融点140℃、繊度2.2デシテックス、長さ51mmのポリエチレン−ポリプロピレン繊維(高熱収縮性繊維;温度130℃における熱収縮率45%)80重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ64mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維B)20重量%とを計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成し、この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした。このラッピングでは、高熱収縮性繊維が中間ウェブの幅方向に並ぶようにした。ついで、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を行い、ウェブBを形成した。ウェブBの目付は100g/m2であり、温度150℃における熱収縮率は32%であった。
ウェブA及びウェブBを積層し、針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を2回行い、目付500g/m2の積層不織布を得た。該積層不織布の温度150℃における熱収縮率は、11%であった。該積層不織布を300mm角に切った後、温度150℃に保った熱風循環式乾燥機に2分間放置した後取り出すと、該積層不織布の断面形状は円弧状となり、パイプとしては不適当であった。
比較例4
融点140℃、繊度2.2デシテックス、長さ51mmのポリエチレン−ポリプロピレン繊維(高熱収縮性繊維;温度130℃における熱収縮率45%)を70重量%と、融点110℃、繊度4.4デシテックス、長さ64mmの変性ポリエステル繊維(低融点繊維B)30重量%とを計量、混綿し、カード機で繊維を一定方向に送り出して中間ウェブを形成し、この中間ウェブをクロスラッパーにてラッピングした。針番手40番のニードルにて打込み本数160n/cm2、針深さ13mmの条件でニードルパンチ加工を2回行い、目付200g/m2の積層不織布を得た。この積層不織布の温度150℃における熱収縮率は、45%であったが、パイプ状物の断面形状はいびつであり、表面も凹凸が激しく、実用に耐えるものとはならなかった。
上記実施例及び比較例の結果を整理すると、下記表1の通りである。
1 第1の繊維層
2 第2の繊維層
3 被結束物

Claims (11)

  1. 第1及び第2の繊維層の積層体であって、
    前記第1の繊維層は、融点150℃以上の熱可塑性繊維、天然繊維及びガラス繊維から選択される少なくとも1種である高融点繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Aが機械的に絡合された不織布層であり、前記高融点繊維と前記低融点繊維Aの重量比(前者/後者)が、60/40〜90/10であり、温度150℃における熱収縮率SHD1が5%以下であると共に、目付が30g/m2以上、350g/m2未満であり、
    前記第2の繊維層は、温度130℃で30%以上収縮し得る高熱収縮性繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Bが機械的に絡合された不織布層であり、前記高熱収縮性繊維と低融点繊維Bとの重量比(前者/後者)が、30/70〜95/5であり、温度150℃における熱収縮率SHD2が15%以上であると共に、目付が50〜500g/m2であり、
    前記第1の繊維層と第2の繊維層の重量比(前者/後者)は、70/30〜15/85であり、
    第1及び第2の繊維層の温度150℃における熱収縮率の差(SHD2−SHD1)が10〜50%であるパイプ式被覆材用積層不織布。
  2. 前記高熱収縮性繊維は、面方向内で配向させた請求項1に記載のパイプ式被覆材用積層不織布。
  3. 積が100cm2以上である請求項1又は2に記載のパイプ式被覆材用積層不織布。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたパイプ式被覆材用積層不織布をカールさせることによって得られ、円型パイプ状又はC型パイプ状であり、かつパイプ式被覆材の軸方向にスリットが形成されているパイプ式被覆材。
  5. 請求項4に記載のパイプ式被覆材が被結束物を包むようにカールしている結束構造物。
  6. 前記被結束物が被覆電線である請求項5に記載のワイヤーハーネス。
  7. 融点150℃以上の熱可塑性繊維、天然繊維及びガラス繊維から選択される少なくとも1種である高融点繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Aが機械的に絡合された不織布層であって、前記高融点繊維と前記低融点繊維Aの重量比(前者/後者)が、60/40〜90/10であり、温度150℃における熱収縮率SHD1が5%以下であると共に、目付が30g/m2以上、350g/m2未満である第1の繊維層と、
    温度130℃で30%以上収縮し得る高熱収縮性繊維と、融点150℃未満の低融点繊維Bが機械的に絡合された不織布層であり、前記高熱収縮性繊維と低融点繊維Bとの重量比(前者/後者)が、30/70〜95/5であり、温度150℃における熱収縮率SHD2が15%以上であると共に、目付が50〜500g/m2であり、前記第1の繊維層と第2の繊維層の重量比(前者/後者)が、70/30〜15/85であり、かつ熱収縮率SHD1及びSHD2の差(SHD2−SHD1)=10〜50%を満足し得る第2の繊維層とを積層し、
    これら繊維層を機械的に絡合させることを特徴とするパイプ式被覆材用積層不織布の製造方法。
  8. 前記高熱収縮性繊維を、面方向内で配向させた請求項7に記載のパイプ式被覆材用積層不織布の製造方法。
  9. 前記パイプ式被覆材用積層不織布が長尺シートであり、前記高熱収縮性繊維を長尺シートの幅方向に配列する請求項7又は8に記載のパイプ式被覆材用積層不織布の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載のパイプ式被覆材用積層不織布の製造方法において、第1及び第2の繊維層を機械的に絡合させた後、高熱収縮性繊維の収縮が発現する温度まで加熱し、パイプ式被覆材用積層不織布をカールさせるパイプ式被覆材の製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ式被覆材用積層不織布の第2の繊維層側に被結束材を配設し、パイプ式被覆材用積層不織布を加熱してカールさせる結束方法。
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