次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、射出成形用金型装置は下面側に複数のアンダカット部を有する成形品を成形するための金型であって、固定金型10と、図2に示す可動金型20とから構成されている。
この射出成形用金型装置によって射出成形される下面側に複数のアンダカット部を有する上記成形品としては、図11〜図13に示すようなフラクタル構造の日除け部材があり、まず、この日寄せ部材(以下、成形品Aという)の具体的な構造を説明する。
成形品Aは、前後方向に長い一定長さの直棒状の頂部1を中央にして、この頂部1の両側に、頂部1を一辺とし、該頂部1から斜め下方に向かって緩やかに傾斜した三角形状の傾斜板部2、2を連設して平面菱形形状に形成していると共にこれらの三角形状の両側傾斜板部2、2にそれぞれ三角形状の第一透孔3a、3aをその一つの角部3a-1、3a-1が上記頂部1の長さ方向の中央部において頂部1の幅間隔を存して対向させた状態で頂部1を中央にして対称的に穿設してあり、さらに、これらの第一透孔3a、3aにおける上記角部3a-1、3a-1に対向する辺3a-2、3a-2から該辺3a-2、3a-2を一辺として上記頂部1の下方に向かって傾斜した三角形状の第一切り起こし状傾斜板片2a、2aをそれぞれ突設していると共にこれらの第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの対向する先端角部同士を一体に連設して正面から見た場合、緩やかにV字状に屈曲した第一アンダカット部4aを形成している。
上記三角形状の第一透孔3aの一辺3a-2は、傾斜板部2の傾斜方向の長さの中央部において、この傾斜板部2の前後両端面近傍部にその両端を位置させた状態にして上記頂部1に平行に設けられて上記第一切り起こし状傾斜板片2aの前後傾斜端面の長さを上記傾斜板部2の前後傾斜端面の長さの略1/2に形成していると共に、この第一切り起こし状傾斜板片2aの下方への傾斜角度は上記傾斜板部2の下方への傾斜角度に等しく形成されている。
従って、上記三角形状の第一透孔3aと上記第一切り起こし状傾斜板片2aとの形成によって成形品Aの前部には頂部1の前半部の長さを一辺とし、この頂部1の前半部を中央にしてその両側部に、傾斜板部2の前端傾斜面と上記第一透孔3aの前側の傾斜端面とを他の2辺とした三角形状の傾斜板片2b、2bが形成され、頂部1の前半部の両側にこれらの傾斜板片2b、2bを連設してなる平面菱形形状の部分A1が形成されている。同様に、成形品Aの後部には頂部1の後半部を一辺とし、この頂部1の後半部を中央にしてその両側部に、傾斜板部2の後端傾斜面と上記第一透孔3aの後側の傾斜端面とを他の2辺とした三角形状の傾斜板片2b、2bが形成され、頂部1の後半部1bの両側にこれらの傾斜板片2b、2bを連設してなる平面菱形形状の部分A2が形成されている。
さらに、上記三角形状の第一透孔3aと第一切り起こし状傾斜板片2aとの形成によって成形品Aの両側部には、第一透孔3aにおける頂部1と平行な上記辺3a-2を頂部としてこの頂部から両側部に該頂部を一辺とし、且つ、傾斜板部2の前後傾斜端面における外側半部分の長さの前後傾斜端面部を他の2辺とする小三角形状の傾斜板片2cと、第一透孔3aの下方側に設けられている上記三角形状の第一切り起こし状傾斜板片2aとをそれぞれ連設してなる平面菱形形状の部分A3、A4が形成されている。なお、上記傾斜板片2b、2cは同大、同形に形成されていると共に、第一切り起こし状傾斜板片2aもこれらの傾斜板片2b、3cの形状、大きさに略等しい形状、大きさに形成されている。
従って、上記平面菱形形状の部分A1〜A4は略同大、同形に形成されてあり、成形品はこれらの部分を単位部材としてこの単位部材を前後及び左右両側に配して前後に配した単位部材、即ち、上記平面菱形形状の部分A1、A2は直棒状の頂部1によって連設していると共に両側に配した単位部材、即ち、上記平面菱形形状の部分A3、A4はその頂部である辺3a-2、3a-2の上下端部をそれぞれ上記前後単位部材A1、A2の三角形状の両側傾斜板片2b、2bの先端部に連設させた構造を有している。
さらに、上記各部分A1〜A4には、上記第一アンダカット部4aを縮小した形状を有する第二、第三アンダカット部4b、4cが設けられている。これらの第二、第三アンダカット部4b、4cの形状、大きさ、位置等が各部分A1〜A4において同じであるので、以下に一つの部分A1について説明し、他の部分A2、A3、A4には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
上記平面菱形形状の部分A1において、図14に示すように、頂部を中央にしてその両側に設けている傾斜板片2b、2bの内側部には、上述した両側傾斜板部2、2に設けている上記第一透孔3aを縮小した三角形状の第二透孔3bを、その一つの角部3b-1を上記頂部1の前半ぶの長さ方向の中央部において頂部の幅間隔を存して対向させた状態で穿設してあり、さらに、これらの第二透孔3b、3bにおける上記角部3b-1に対向する辺3b-2から上記頂部の下方に向かって該辺3b-2を一辺とした三角形状の第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1をそれぞれ突設していると共に、これらの第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部同士を一体に連設して、正面から見た場合、緩やかにV字状に屈曲した第二アンダカット部4bを形成している。
上記三角形状の第二透孔3bの辺3b-2は、傾斜板片2bの傾斜方向の長さの中央部においてこの傾斜板片2bの前後両端面近傍部にその両端を位置させた状態にして上記頂部に平行に設けられていると共に、第二切り起こし状傾斜小板片2b-1の下方への傾斜角度は傾斜板片2bの下方への傾斜角度と同一角度であり、従って、これらの第二透孔3bと第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1との形成によって、この平面菱形形状の部分A1は、図14に示すように、この部分A1を縮小した4つの平面菱形形状小形部分、即ち、頂部1の前半部の前半両側に斜め下方に向かって傾斜した三角形状の傾斜小板片2b-2、2b-2を連設してなる小形部分A1-1と、頂部1の前半部における後半の両側に斜め下方に向かって下方に傾斜した傾斜小板片2b-2、2b-2を連設してなる小部分A1-2と、頂部1aを中央にして対向している上記両側の第二透孔3b、3bの辺3b-2を頂部としてこの頂部から内側方に向かって突設してなる上記第二切り起こし状傾斜板片2b-1と外側方に向かって突設している傾斜小板片2b-3とからなる小形部分A1-3、A1-4とを前後左右に連設してなる構造を有している。
さらに、これらの各4つの平面菱形形状の小形部分A1-1〜A1-4には、上記同様に、各頂部の両側に連設している傾斜小板片2b-2、2b-2の内側部、及び第二切り起こし状傾斜小板片2b-1と傾斜小板片2b-3との内側部に第二透孔3bよりも小さい三角形状の第三透孔3c、3cを、その一つの角部3c-1、3c-1を上記頂部長さ方向の中央部において頂部の幅間隔を存して対向させた状態で穿設してあり、これらの第三透孔3c、3cにおける上記角部3c-1に対向する辺3c-2からそれぞれの頂部の下方に向かって該辺3c-2を一辺とした三角形状の第三切り起こし状傾斜小板片2c-1、2c-1をそれぞれ突設していると共にこれらの第三切り起こし状傾斜小板片2c-1、2c-1の対向する先端角部同士を一体に連設して、正面から見た場合、緩やかにV字状に屈曲した第三アンダカット部4cを形成している。
従って、上記前後の小形部分A1-1、A1-2においては、第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との間に正面から見て図13に示すように、前後方向に貫通した菱形形状の孔5が形成されてあり、同様に、上記両側の小形部分A1-3、A1-4においては、第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する傾斜小板片2b-3と第二切り起こし状傾斜板片2b-1との間に正面から見て前後方向に貫通した菱形形状の孔5が形成されている。
そして、上記両側の平面菱形形状の小形部分A1-3、A1-4に設けられている第三アンダカット部4cの下面における外側端は、外側の傾斜小板片2b-2の傾斜長方向の中間部下面に連続し、内側端は、第二アンダカット部4bを形成している第二切り起こし状傾斜板片2b-1の中間部下面に連続してあり、これらの連続下面によって平面菱形形状の前後部分A1、A2の傾斜板片2b、2bの下傾端間、及び、平面菱形形状の両側部分A3、A3の傾斜板片2a、2cの下傾端間にジグザグ状に屈折した凹凸面6を形成している。また、第二アンダカット部4bとこの第二アンダカット部4bの斜め上方に設けられている第三アンダカット部4cとの対向面間によって、正面から見た場合、上下方向に一定幅を有するV字状の空間部7を形成している。さらに、上記平面菱形形状の両側部分A3、A4の下端凹凸面6、6の下面に補強フランジ部6aを一体に設けていると共にこれらの下端凹凸面6、6の内端同士を直状に一体に連続させて、上記頂部1の下方においてこの頂部1に直交する方向に向けた真っ直ぐな底部6'に形成している。
なお、傾斜板部2、2に設けている上記第一透孔3a、3aの一つの角部3a-1を前後から挟むようにして設けられた上記平面菱形形状小形部分A1-1、A1-2の第三透孔3c' 、3c' は他の第三透孔3c、3cよりも一回り小形に形成されてあり、従って、これらの第三透孔3c' 、3c' の辺3c'-2 を一辺とした三角形状の第三切り起こし状傾斜小板片2c'-1 、2c'-1 の先端間を連設してなる第三アンダカット部4c' も一回り小形に形成していると共に、この第三アンダカット部4c' の上面と該第三アンダカット部4c' に対向する上記第三透孔3c' 、3c' をそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間によって形成された前後方向に貫通した菱形形状の孔5'の大きさは上記孔5よりも一回り小さい孔に形成されている。
また、上記直棒状の頂部1の前後端と両側傾斜板部2、2の下傾端である先端とに、成形品A、A同士を連結するための取付孔8、8'を設けた突片9、9'をそれぞれ突設してあり、多数の成形品A、A・・・Aを縦横に連結することによって上記第一〜第三透孔3a〜3cが通風孔で、これらの第一〜第三透孔3a〜3cの下方に設けられた第一〜第三切り起こし状傾斜板片2a、2b-1、2c-1が遮光壁の機能を果たす日除けが構成される。
次に、このように構成した成形品Aの射出成形用金型装置の構造について説明する。図1は型開きした場合における固定金型10の簡略斜視図であり、図2は可動金型20の簡略斜視図であって、固定金型10には、上記成形品Aにおける頂部1の上面からこの頂部1に連なる三角形状の上記両側傾斜板部2、2の上面を成形するための傾斜成形面11が形成されている。具体的には、成形品Aの頂部1の上面に対応して該頂部1の上面と同一形状の頂部上面の成形面11a が設けられてあり、この成形面11a を中央にして、この成形面11a を一辺して上記成形品Aにおける両側傾斜板部2、2と同一形状で同一方向に傾斜した三角形状の両側傾斜成形面11、11を設けて、これらの傾斜成形面11、11の先端(下傾端)に上成形品Aにおける上記取付孔8'を有する突片9'、9'の成形面11b'、11b'を形成していると共に、頂部成形面11a の両端部にも上記取付孔8を有する突片9、9の成形面11b 、11b
を形成している。
なお、上記成形品Aの形状の説明においては、頂部1を前後方向に向けた状態で説明しているが、この射出成形用金型装置においては、成形品Aの頂部1に対応する頂部成形面11a が前後方向に(横方向)に向けられている。従って、上記成形品Aにおける両側傾斜板部2、2の傾斜成形面11、11は、頂部1の成形面11a を上下側にそれぞれ設けられているが、以下の説明では、これらの傾斜成形面11、11は、頂部1を中央にしてこの頂部1の両側方に設けられているものとして金型の構造を述べる。
上記傾斜成形面11、11には、成形品Aの上記第一透孔3a、3aを形成するための角錐形状の中子コア12、12を突設している。これらの中子コア12、12は、一つの稜角部を他の二つの稜角部よりも基端から先端に向かって垂直に近い状態にまで急傾斜させてなる三角錐形状のブロック体を、上記急傾斜状に起立した一つの稜角部をその基端部を残して一定幅、切除してなる角錐形状に形成されてあり、これらの中子コア12、12を、その切除端面を上記頂部成形面11a の長さ方向の中央部における両側に成形品Aにおける頂部1の幅間隔を存して対設させていると共に、上記残存した稜角部の基端部によって成形品Aの厚みと同一厚みを有し、且つ、上記第一透孔3aの一つの角部3a-1に嵌合する形状を有する偏平突片部12a を形成してあり、この偏平突片部12a を有する中子コア12の基端部外周面の形状を成形品Aの上記第一透孔3aと同大、同形に形成している。なお、この中子コア12は、三角錐形状のブロック体の一つの稜角部を上記のように切除して切除端面を形成することなく、三角錐形状の中子コアの一つの稜角部の基端部に上記第一透孔3aの一つの角部3a-1に嵌合する形状を有する偏平突片部12a を形成しておいてもよい。
さらに、角錐形状の中子コア12、12における上記偏平突片部12a を設けている切除端面の背面側の三角形状の傾斜面を、上記成形品Aにおける第一透孔3a、3aの辺3a-2、3a-2から下方に向かって傾斜している第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの上面の傾斜成形面12b
、12b に形成していると共に、この三角形状の傾斜成形面12b 、12b に、上記第一切り起こし状傾斜板片2a、2aに設けた三角形状の第二透孔3b、3bを形成するための角錐形状の小形中子コア13、13をそれぞれ突設してあり、さらに、上記傾斜成形面12b における3方の隅部の面に、成形品Aの上記三角形状の第一切り起こし状傾斜板片2aにおける3方の角部分に上記第三透孔3cを設けるための成形品Aの厚みと同一厚みを有する三角形状の偏平突起16a を突設している。
また、上記中子コア12、12を中央にして上記頂部成形面11a の長さ方向の前後両端部側における傾斜成形面11、11の前後両側部分に頂部成形面11a を挟むようにして、成形品Aの頂部1の幅間隔を存して成形品Aの上記前後の平面菱形形状の前後部分A1、A2における三角形状の傾斜板片2b、2bに穿設している第二透孔3b、3bを形成するための、上記小形中子コア13と略同大、同形の一対の小形中子コア14、14をそれぞれ突設していると共に、両側傾斜成形面11、11の傾斜端部分に、上記中子コア12、12に突設している小形中子コア13、13にそれぞれ成形品Aの頂部の幅間隔を存した状態で対向させて成形品Aの上記両側の平面菱形形状小形部分A3、A4における三角形状の傾斜板片2b、2bに穿設している第二透孔3b、3bと第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1とを形成するための小形中子コア15、15を突設している。
これらの小形中子コア13〜15は、上記中子コア12よりも一回り小さい同大、同形の角錐形状に形成されてあり、中子コア12と同様に、対向する稜角部を、その基端部を残して切除していると共に、基端部に成形品Aの厚みと同一厚みを有し、且つ、上記第二透孔3bの一つの角部3b-1に嵌合する形状を有する偏平突片部13a 、14a 、15a をそれぞれ形成している。なお、これらの小形中子コア13〜15においても、上記中子コア12と同様に、切断端面を形成することなく、その一つの稜角部の基端部に上記第二透孔3bの角部3b-1に嵌合する偏平突片部13a 、14a 、15a を形成しておいてもよい。
さらに、小形中子コア13〜15における上記偏平突片部13a 〜15a を設けている稜角部の背面側の三角形状の傾斜面を、成形品Aにおける上記第二透孔3bの辺3b-2から下方に向かって傾斜している三角形状の第二切り起こし状傾斜板片2b-1の上面成形面13b 、14b 、15b に形成していると共に、該成形面13b 〜15b の中央部に、上記第二切り起こし状傾斜小板片2b-1の中央部に第三透孔3cを形成するための三角形状の偏平突起13c 〜16c を突設している。
また、固定金型10における上記三角形状の両側傾斜成形面11、11には、頂部成形面11a
を挟むようにして成形品Aにおける上記平面菱形形状の小形部分A1-1、A1-2に設けている第三透孔3c、3c' を形成するための三角形状の偏平突起17c 、17c'を突設していると共に成形品Aにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1と共に平面菱形形状の小形部分A1-3、A1-4を形成している上記平面三角形状の傾斜小板片2b-3に穿設した第三透孔3cを形成するための三角形状の偏平突起17c を、上記三角形状の両側傾斜成形面11、11における前後傾斜端縁に沿って該端縁部上に一定間隔毎に突設している。なお、成形品Aにおける両側傾斜板部2、2に設けている上記第一透孔3a、3aの一つの角部3a-1を前後から挟むようにして設けられた上記平面菱形形状小形部分A1-1、A1-2の第三透孔3c' 、3c' は上述したように他の第三透孔3c、3cよりも一回り小形に形成されているので、この第三透孔3c' 、3c'
を形成するための偏平突起17c'は他の偏平突起13c 〜16c 、17c よりも小形に形成されている。
このように形成している固定金型10と共に射出成形金型装置を構成する上記可動金型20の構造を次に述べる。なお、この可動金型20においても、上記固定金型10と同様に、成形品Aの頂部1に対応する頂部成形面が水平方向に(横方向)に向けられているが、この可動金型20の断面図に示すように、頂部成形面が上側で、奥行き(金型底部)側が下側とし、頂部成形面から上下側を両側部に、型開閉方向を前後方向として以下に説明する。
この可動金型20は、図2に示すように、型開閉方向に分割している前後分割金型部20A
、20B と、これらの分割金型部20A 、20B にそれぞれ前後方向に移動自在に配設している複数本の棒状のスライドコア21a-1 〜21a-4 、21b-1 〜21b-3 を備えてあり、分割金型部20A 、20B は、その上面を中央頂部から両側端に向かって下方に成形品Aの両側傾斜板部2、2と同一角度でもって傾斜させて成形品Aの下面を成形する後述する成形面を設けていると共に、これらの分割金型部20A 、20B の対向面中央部を、下方(金型底部)に向かうに従って幅狭くなり、且つ、両側端に向かってその対向面が徐々に離間して該両側部対向面にそれぞれ上記固定金型10に突設している中子コア12、12を嵌入させて上記第一透孔2、2を形成するための三角形状の空間部23、23(図3参照)を形成した前後対向面が三角形状の中央端面壁部22a 、22b に形成している。
さらに、これらの中央端面壁部22a 、22b の上端面は山形状の傾斜上端面に形成されていて、この傾斜上端面により成形品Aにおける平面菱形形状の前後部分A1、A2の対向する傾斜縁部の下面を成形する傾斜成形面にそれそれ形成していると共にこれらの前後中央端面壁部22a 、22b における下端に向かって幅狭くなっている両側端縁部とこの両側端縁部に連続している下端縁部とを成形品Aにおける第一アンダカット部4aの前後端面を成形するための端縁部に形成している。
これらの分割金型部20A 、20B の対向面間の空間部における下端部(奥底部)には図6、図7に示すように、分割金型部20A 、20B の両側端間に亘って、成形品Aの上記底部6'を成形する連続山形状に形成された細幅溝状の成形面24を形成してあり、この底部成形面24の長さ方向の中央部を上記第一アンダカット部4aの下端部の成形部に形成していると共に該底部成形面24の両側端に、成形品Aの両側傾斜板部2、2の下傾端に取付孔8'を有する突片9'を形成するための突片成形面25を形成している。なお、この成形面24の山形状に形成している各部分の中央部には成形品Aの底部補強フランジ部6aを形成するスリット状の溝が形成されている。
また、前後対向面を正面として、これらの分割金型部20A 、20B における上記中央端面壁部22a 、22b の頂部の背面側に、成形品Aにおける上記小形の第三アンダカット部4c'
、4c' をそれぞれ成形するV字状の成形溝26a 、26b を刻設していると共に、前側の分割金型部20A における上記中央端面壁部22a の頂部に、この一方の分割金型部20A 側に配設している後述する前側中央スライドコア21a-1 の先端部下面(底面)を密接状態に摺接させるV字状凹面27a を形成してあり、後側の分割金型部20B における上記中央端面壁部22b の頂部の正面を上記中央スライドコア21a-1 の先端面の当接面に、背面をこの他方の分割金型部20B 側に配設している後述する後側中央スライドコア21b-1 の先端面の当接面に形成している。即ち、これらの前後中央スライドコア21a-1 、21b-1 の対向する先端面を該中央端面壁部22b の頂部を挟んで突き合わせ状に中央端面壁部22b の正面と背面とに当接させるように構成していると共に、この中央端面壁部22b の頂部に小孔41が穿設されていて、上記中央スライドコア21a-1 、21b-1 の先端面に突設している小径突起42a 、42b
をこの小孔41内に突き合わせ状に挿入させるように構成している。
上記前後分割金型部20A 、20B における中央端面壁部22a 、22b の背面側に、成形品Aにおける上記第二アンダカット部4bとこの第二アンダカット部4bの斜め上方に設けられている第三アンダカット部4cとの対向面間で形成された一定の上下幅を有するV字状の空間部7を形成するためのV字状に屈曲した中央成形金型部28a 、28b をそれぞれ設けてあり、上記中央端面壁部22a 、22b に設けている第三アンダカット部4c' 、4c' のV字状成形溝26a 、26b の背面側におけるこれらの中央成形金型部28a 、28b のV字状の傾斜上面先端部分に、成形品Aの前後端部において頂部1の両側に設けられた第三アンダカット部4c、4cを成形するためのV字状の成形溝29a 、29b をそれぞれ刻設していると共に、このV字状の成形溝29a 、29b から中央成形金型部28a 、28b の基端までのV字状の傾斜上面をそれぞれ前後の中央スライドコア21a-1 、21b-1 の下面の摺動面に形成している。
さらに、これらの中央成形金型部28a 、28b における上記V字状成形溝29a 、29b の両側頂部から外側方に向かって下方に傾斜している中央成形金型部28a 、28b の両外側端部の先端部上面に、成形品Aにおける前後部分A1、A2の両側端部の小さな三角形状頂面部2dを成形するための成形溝30a 、30b をそれぞれ刻設している。
また、これらの前後の中央成形金型部28a 、28b の先端面と、この先端面にそれぞれ対向する上記中央端面壁部22a 、22b の背面との両側部対向面間に、成形品Aの上記前後の平面菱形形状の前後部分A1、A2における三角形状の傾斜板片2b、2bに第二アンダカット部4bを形成するための上記一対の小形中子コア14、14をそれぞれ嵌入させる平面三角形状の凹部の対向する角部同士が連続してなるV字状の凹溝部31を設けている。
上記前後の中央成形金型部28a 、28b の下方に、図9に示すようにこの中央成形金型部28a 、28b よりも幅広くてその両側端部が中央成形金型部28a 、28b の両側端下方から外側方に突出している下側成形金型部32a 、32b をそれぞれ設けている。これらの下側成形金型部32a 、32b の先端面は上記中央端面壁部22a 、22b の背面に一体に連設していると共に、それぞれの先端部上面の連続山形状傾斜面における両側のV字状傾斜面を成形品Aにおける前後部分A1、A2の両側第三アンダカット部4c、4cのV字状成形溝29a'、29b'(図9に示す)を形成して、上記凹部31の底面とこのV字状成形溝29a'、29b'の底面と共に成形品Aにおける平面菱形形状の前後部分A1、A2の傾斜板片2b、2bの下傾端間に連続山形状に屈折、形成されている凹凸面6、6を成形するための平面三角形状の溝部が連なった連続山形状の凹凸溝部に形成している。また、これらのV字状成形溝29a'、29b'における外側端に連続している下側成形金型部32a 、32b の外側傾斜面の先端部に成形品Aにおける前後部分A1、A2の両側端部の小さな三角形状頂面部2dを成形するための成形溝30a 、30b
をそれぞれ刻設している。
さらに、中央成形金型部28a 、28b の外側部下面と下側成形金型部32a 、32b の外側部上面との対向面に、図10に示すように、上記V字状成形溝29a'、29b'に連通して上記両側V字状上面上を摺動する後述する内側スライドコア21a-2 、21b-2 が挿嵌可能な正面菱形形状の空間部34a 、34b を形成していると共に、この空間部34a 、34b の先端側は中央端面壁部22a 、22b の背面両側部によって閉止されていて、成形時にこの背面両側部に上記内側スライドコア21a-2 、21b-2 の先端面がそれぞれ当接し、且つ、その先端部に突設している小径突起43a 、43b を上記背面両側部に穿設している小孔41a 、41b に嵌入させるように構成している。
上記前後に対設した下側成形金型部32a 、32b の両側方に、成形品Aにおける上記両側部分A3、A4に設けられた第二アンダカット部4bとこの第二アンダカット部4bの斜め上方に設けられている第三アンダカット部4cとの対向面間で形成された一定の上下幅を有するV字状の空間部7'に対応してこの空間部7'を形成するためのV字状に屈曲した外側成形金型部35a 、35b をそれぞれ設けている(図9参照)。
これらの前後に対向した前側分割金型部20A 側の外側成形金型部35a と後側分割金型部20B 側の外側成形金型部35b との対向面に上記中央端面壁部22a 、22b と同形で一回り小さい対向面が三角形状に形成されている小形端面壁部35a'、35b'をそれぞれ設けていて、該小形端面壁部35a'、35b'の上端面は、成形品Aにおける平面菱形形状の両側部分A3、A4における前後に対向する小形部分A1-1、A1-2の山形状傾斜縁部の下面を成形する傾斜成形面にそれそれ形成していると共に、これらの小形端面壁部35a'、35b'における両側端縁部とこの両側端縁部に連続している下端縁部とを成形品Aにおける成形される第二アンダカット部4bの前後端面に当接して該前後端面を成形するための端縁部にそれぞれ形成している。また、上記前後小形端面壁部35a'、35b'の対向面間、即ち、前後外側成形金型部35a
、35b の対向面間の両側部に、図3、図6に示すように上記固定金型10の両側の対向する小形中子コア13、15をそれぞれ嵌入させて第二アンダカット部4b、4bを形成するための互いに連通した平面三角形状の凹部からなる凹溝部36、36' を形成している。
さらに、前後分割金型部20A 、20B において、上記中央端面壁部22a 、22b の山形状の傾斜上端面と、この中央端面壁部22a 、22b の両側端から外側下方に、内側スライドコア21a-2 、21b-2 が挿し込み可能な間隔を存して設けられている上記下側成形金型部32a 、32b の両側端の傾斜上面と、この下側成形金型部32a 、32b の両側端から外側下方に、後述する外側スライドコア21a-3 、21b-3 が挿し込み可能な間隔を存して設けられている上記外側成形金型部35a 、35b の両側端上面の傾斜面とは、上記固定金型10の両側傾斜成形面11、11の傾斜角度と同一角度でもって共通する平面上に並設されていて、型締め時にこれらの傾斜面上に固定金型10の両側傾斜成形面11、11を密接させるように構成している。
上記前後分割金型部20A 、20B の対向面は、上端(頂部)側から下端(底部)側に向かってその幅狭くなるように傾斜していると共にその底部に、上述したように、分割金型部20A 、20B の両側端間に亘って、成形品Aの上記底部6'を成形する連続山形状に形成された細幅溝状の成形面24を形成している。この成形面24における各山形部の平面形状は、第三アンダカット部4cを形成している第三切り起こし状傾斜小板片2c-1と第二アンダカット部4bの平面三角形状の傾斜小板片とによって形成されている。なお、この成形面24における各山形部の中央部に底部の長さ方向に長い成形品Aの底部両側端の補強フランジ部6aの成形溝部が刻設されている。
また、前後分割金型部20A 、20B において、前側の分割金型部20A のみに、図9に示すようにその外側成形金型部36a 、36b の外側下方に断面山形状の最外側成形金型部38a 、38a を設けていると共にこの最外側成形金型3 部8a、38a の先端面を後側分割金型部20B
の両外側端部に一体に連設してあり、該先端部に成形品Aの底部6'における両側外側端部の山形状凹凸面部を成形するための山形状成形溝38a'を設けている。なお、前後分割金型部20A 、20B の対向面は、上端(頂部)側から下端(底部)側に向かってその幅が狭くなるように傾斜してあり、従って、最外側成形金型38a 、38a の先端部上面に形成された上記山形状の成形溝38a'の平面形状は、上記中央成形金型部28a 、28b や下側成形金型部32a 、32b 、及び外側成形金型部35a 、35b の山形状の傾斜上面に設けている傾斜小板片の成形溝39a 、39b と同様に、平面菱形形状に形成されている。なお、上記山形状成形溝38a'に底部の長さ方向に連通する成形品Aの底部両端の補強フランジ部6aの成形溝部が刻設されている。
この最外側成形金型38a と上記外側成形金型部36a との対向面間に後述する最外側スライドコア21a-4 が挿し込み可能な空間部を設けていると共に、この空間部を前後摺動する最外側スライドコア21a-4 、21a-4 の山形状の傾斜上面における先端部に、成形品Aにおける最外側の傾斜小板片2b-2の山形状成形溝37を形成している。
また、上記前後外側成形金型部35a 、35b における上記小形端面壁部35a'、35b'の頂部の背面側のV字状上面の先端部に、図9に示すように、成形品Aにおける上記第三アンダカット部4c、4cをそれぞれ成形する上記V字状の成形溝39a 、39b をそれぞれ刻設していると共に、前側の上記小形端面壁部35a'の頂部に、前側の中央端面壁部22a と同様に、この小形端面壁部35a'を有する外側成形金型部35a の上記V字状上面上を摺動する後述する外側スライドコア21a-3 の先端部下面(底面)を密接状態に摺接させるV字状傾斜凹面を形成してあり、後側の上記小形端面壁部35b'の頂部の正面を上記外側スライドコア21a-3
の先端面の当接面に、背面をこの小形端面壁部35b'を有する外側成形金型部35b の上記V字状傾斜上面上を摺動する後述する外側スライドコア21b-3 の先端部の当接面に形成している。即ち、これらの前後外側スライドコア21a-3 、21b-3 の先端面を前後の中央スライドコア21a-1 、21b-1 と同様に該小形端面壁部35b'の頂部を挟んで突き合わせ状に当接させるように構成していると共に、この小形端面壁部35b'中央端面壁部22b の頂部に小孔が穿設されていて、上記両外側スライドコア21a-3 、21b-3 の先端面に突設している小形突起42a'、42b'をこの小孔内に突き合わせ状に挿入させるように構成している。
図4に示すように、前側の分割金型部20A には、前側前後動台枠51の後面における中央上端部に後方に向かって上記中央成形金型部28a のV字状傾斜上面上を前後摺動する中央スライドコア21a-1 を突設していると共に、この中央スライドコア21a-1 の両側下方に成形品Aの第三アンダカッタ部4c、4cの厚み間隔を存して上記下側成形金型部32a の両側V字状上面上を前後摺動する一対の内側スライドコア21a-2 、21a-2 を中央スライドコア21a-1 と平行にそれぞれ突設してあり、さらに、これらの内側スライドコア21a-2 、21a-2
の外側下方に成形品Aの第三アンダカッタ部4c、4cの厚み間隔を存して上記外側成形金型部36a 、36a のV字状上面を前後摺動する一対の外側スライドコア21a-3 、21a-3 を内側スライドコア21a-2 と平行に突設していると共に、これらの外側スライドコア21a-3 、21a-3 の外側下方に外側スライドコア21a-3 、21a-3 と平行に最外側スライドコア21a-4 、21a-4 を、それぞれ突設している。
また、上記内側スライドコア21a-2 、21a-2 の下方に、下端両側スライドコア21a-5 、21a-5 をそれぞれ上記最外側スライドコア21a-4 、21a-4 に平行に突設してあり、これらの最外側スライドコア21a-4 、21a-4 と下端両側スライドコア21a-5 、21a-5 とは、分割金型部20A の上記底部成形面24を直交するように成形品Aの第三アンダカッタ部4c、4cを形成する各隣接する山形状成形面部の対向傾斜面、即ち、谷部上に第三アンダカッタ部4c、4cの厚み間隔を存して配設可能に、前側の前後動台板51の下端部に同一直線上に配設されている。
さらに、この前側の前後動台板51の後面下端部に、上記中央スライドコア21a-1 の下方において隣接する下側成形コア21a-5 、21a-5 間に、成形品Aの第一アンダカット部4aにおける第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの対向する先端角部の連設部を形成する下端中央成形コア21a-6 を突設していると共に、前後動台板51の後面下端部の両側において隣接する最外側スライドコア21a-4 と下端両側スライドコア21a-5 との間に、成形品Aの第二アンダカット部4bにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部を形成する両側成形コア21a-7 、21a-7 を突設してあり、同様に、中央スライドコア21a-1 の下方における上記隣接する内側スライドコア21a-2 、21a-2 間に、成形品Aの第二アンダカット部4bにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部を形成する上側成形コア21a-8 を突設している。なお、これらの成形コア21a-6
〜21a-8 は上記スライドコア21a-1 〜21a-5 と同様に、分割金型部20A の上記底部成形面24上を直交するように互いに平行に設けられている。
一方、後側の分割金型部20B には、上記前側の分割金型部20A に配設している中央スライドコア21a-1 、内側スライドコア21a-2 、21a-2 、外側スライドコア21a-3 、21a-3 にそれぞれ一直線上に対向させて、図5に示すように、前側前後動台枠52の前面に上記中央成形金型部28b 上を前後動する中央スライドコア21b-1 と、この中央スライドコア21b-1
の両側下方に成形品Aの第三アンダカッタ部4c、4cの厚み間隔を存して上記下側成形金型部32b の両側V字状上面上を前後摺動する一対の内側スライドコア21b-2 、21b-2 と、上記外側成形金型部35b 、36b のV字状傾斜上面上を前後摺動する外側スライドコア21b-3
、21b-3 とを突設していると共に、前側の分割金型部20A に配設している上記上側成形コア21a-8 に一直線上に対向させて、成形品Aの後側第二アンダカット部4aにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部を形成する成形コア21b-4
を突設している。
前側の分割金型部20A に配設している上記中央スライドコア21a-1 の先端部は、その下面を中央端面板部22a の頂部に形成しているV字状凹面27a 上に摺接させる共に先端をこのV字状凹面27a から後側の中央端面板部22b に向かって突設させる断面菱形形状の先端部に形成していると共に、この先端部に連なる中間部を、成形品Aにおける第一透孔3a、3aの一つの角部3a-1の前後側に設けられた両側傾斜小板片2b-2の下面と第三アンダカット部4c' の上面との対向面間で形成された菱形形状の孔5'と同大、同形の断面形状に形成されてあり、さらに、この中間部に連なる基部を成形品Aにおける第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成されている。
そして、この中央スライドコア21a-1 における上記中間部分の下面を上記中央端面壁部22a の頂部上に設けている上記V字状の成形溝26a と中央成形金型部28a に設けている上記V字状成形溝29a との間の中央端面板部22a と中央成形金型部28a との対向端部の上端面に刻設しているV字状傾斜上面22a'、28a'上を摺動させるように形成していると共に基部下面を中央成形金型部28a のV字状傾斜上面上を摺動させるように形成してあり、さらに、この中央端面板部22a の先端面に後側の分割金型部20B における中央端面壁部22b に穿設した小孔41に挿嵌させる小形突起42a を突設していると共にこの中央スライドコア21a-1 の基端部上面に成形品Aにおける取付孔8を有する突片9の成形面44を設けている。
前側の分割金型部20A に配設している上記両内側スライドコア21a-2 、21a-2 の先部は、成形品Aにおける前部両側の第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成されていると共に、その先端面に上記中央端面壁部22a の背面両側部に穿設している小孔41a に挿嵌する小径突起43a を突設している。
前側の分割金型部20A に配設している上記両外側スライドコア21a-3 、21a-3 の基部下面は外側成形金型部35a のV字状傾斜上面上を摺動する摺接面に形成してあり、先端部は外側成形金型部36a の両側部に設けている上記小形端面壁部35a'、35a'の頂部のV字状凹面にその下面を摺接させる小幅の断面菱形形状の突部に形成していると共に、この突部に連なる先部をその下面が上記外側成形金型部35a のV字状傾斜上面上を摺接し、且つ、成形品Aにおける第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成してあり、さらに、上記突部の先端面に後側の分割金型部20B における小形端面壁部36b'に穿設している小孔に挿嵌させる小形突起42a'を突設している。
後側の分割金型部20B に配設している上記中央スライドコア21b-1 は、その先部を上記前側の中央スライドコア21a-1 の中間部と同様に、成形品Aにおける第一透孔3a、3aの一つの角部3a-1の前後側に設けられた両側傾斜小板片2b-2の下面と第三アンダカット部4c'
の上面との対向面間で形成された菱形形状の孔5'と同大、同形の断面形状に形成されてあり、この先部に連なる基部を成形品Aにおける第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成されている。そして、この中央スライドコア21b-1 における先部下面を上記中央端面壁部22b の頂部上に設けている上記V字状の成形溝26b と中央成形金型部28b に設けている上記V字状成形溝29b との間の中央端面板部22b と中央成形金型部28b との対向端部の上端面に刻設しているV字状傾斜上面上を摺動させるように形成していると共に基端部下面を中央成形金型部28b のV字状傾斜上面上を摺動させるように形成している。
さらに、この中央スライドコア21b-1 の先端部を小幅の断面菱形形状に形成してその下面を上記中央端面壁部22b の頂部に形成しているV字状凹面27b 上を摺接させるように構成していると共にこのV字状凹面27b から突出した先端面に後側の分割金型部20B における中央端面壁部22b の背面に穿設した小孔41に挿嵌させる小形突起42b を突設してあり、また、中央スライドコア21b-1 の基端上面に成形品Aにおける取付孔8を有する突片9の成形面44を設けている。
この後側分割金型部20B に配設している上記両内側スライドコア21b-2 、21b-2 の先部は、成形品Aにおける後側の両側第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成されていると共に、その先端面に図10に示すように、上記中央成形金型部28b の背面両側部に穿設している小孔44b に挿嵌する小径突起43b を突設している。
後側の分割金型部20B に配設している上記両外側スライドコア21b-3 、21b-3 は、その基部下面を上記外側成形金型部35b のV字状傾斜上面上の摺動面に形成していると共に先部を成形品Aにおける第三アンダカット部4cの上面とこの第三アンダカット部4cに対向する第三透孔3c、3cをそれぞれ有する両側傾斜小板片2b-2、2b-2の下面との対向面間で形成された菱形形状の孔5と同大、同形の断面形状に形成してあり、さらに、先端部を上記中央スライドコア21a-1 の先端部と同様に小幅の断面菱形形状に形成してその下面を小形端面壁部35b'の頂部に形成しているV字状凹面上を摺接させるように構成していると共に図10に示すように、その先端面を後側の分割金型部20B における小形端面壁部35b'の背面に当接させ、該先端面に突設している小径突起42a'を小形端面壁部35b'の背面に穿設した小孔41a に挿嵌させるように構成している。
また、中央スライドコア21a-1 の基端部上面から両内側スライドコア21a-2 、21b-2 と外側スライドコア21a-3 、21b-3 の基部上面、及び、最外側スライドコア21a-4 、21b-4
の基部上面には、これらのスライドコアが前後分割金型部20A 、20B 上に移動した際に、これらの前後分割金型部20A 、20B の前後中央成形金型部28a 、28b と、下側成形金型部32a 、32b と、外側成形金型部35a 、35b と、最外側成形金型38a 、38a とに設けている上記成形品Aにおける前後部分A1、A2の両側端部の小さな三角形状頂面部2dを成形するための成形溝30a 、30b の傾斜端面に一直線状に連続して、固定金型10の両側傾斜成形面11、11の輪郭部である菱形形状の外周端縁部10a に合致する菱形形状の段状縁部60を形成する傾斜段部61、62を設けている(図2、図3参照)。
次に、このように構成した射出成形用金型装置によって、フラクタル構造を有する日除け部材である成形品Aを成形する態様を説明する。まず、金型が開いている状態から可動金型20側において、前後の分割金型部20A 、20B に対してこれらの分割金型部20A 、20B
側にそれぞれ配している前後動台枠51、52を油圧シリンダ等の開閉手段によって互いに接近する方向に移動させると、前側の前後動台枠51に突設している複数本のスライドコア21a-1 〜21a-4 及び成形コア21a-5 〜21a-7 と、後側の前後動台枠52に突設している複数本のスライドコア21b-1 〜21b-3 と成形コア21b-4 とが金型の中央に向かって一斉に移動する。
前側前後動台枠51が金型中央部に向かって移動すると、この前側の前後動台枠51に突設している中央スライドコア21a-1 は、その下面を前側分割金型部20A における中央成形金型部28a のV字状傾斜上面を摺動させながら中央端面板部22a に達した先端部下面をこの中央端面板部22a の頂部に形成しているV字状凹面27a 上に摺接させると共にその先端をV字状凹面27a から突出させて図7に示すように、その先端面に突設している小径突起42a を後側の分割金型部20B の中央端面板部22b に穿設している小孔41に嵌入させ、この中央スライドコア21a-1 の中央成形金型部28a 上への移動によって、その中間部下面と中央端面板部22a の頂部に設けているV字状成形溝26a との間、及び、その基部下面と中央成形金型部28a に設けているV字状成形溝29a との間にそれぞれ成形品Aにおける前側部分A1の第三アンダカット部4c' 、4cの成形用キャビティ71a 、71a'が形成される(図6、図9参照)。
さらに、前側の中央端面壁部22a から後側の中央端面壁部22b に向かって突出した中央スライドコア21a-1 の先端部によって図3、図6、図8に示すように、前後中央端面壁部22a 、22b の対向面両側部間に形成されている第1透孔3a、3aを設けるための平面三角形状の空間部23、23の対向する角部が被覆されると共に、該中央スライドコア21a-1 の中間部によって、中央成形金型部28a の先端面と、この先端面に対向する中央端面壁部22a の背面との両側部対向面間に形成されている第2透孔3b、3bを設けるための平面三角形状の凹部31、31の対向する角部が被覆される。
一方、上記中央スライドコア21a-1 と同一軸線上に配設している上記後側の中央スライドコア21b-1 は、図7に示すように、その下面を後側分割金型部20B における中央成形金型部28b のV字状傾斜上面を摺動させながら後側中央端面板部22b の背面に達した先端面を後側の中央端面板部22b の背面に当接させると共にその先端面に突設している小径突起42b を該中央端面板部22b の背面に穿設している小孔41に嵌入させる。さらに、この中央スライドコア21b-1 の中央成形金型部28b 上への移動によって、その先部下面と中央端面板部22b の頂部に設けているV字状成形溝26b との間、及び、その下面と中央成形金型部28a に設けているV字状成形溝29b との間にそれぞれ成形品Aにおける後側部分A2の第三アンダカット部4c' 、4cの成形用キャビティ71b 、71b'が形成されると共に、該先部下面によって中央成形金型部28b の先端面と、この先端面に対向する中央端面壁部22b の背面との両側部対向面間に形成されている第2透孔3b、3bを設けるための平面三角形状の凹部31、31の対向する一つの角部が被覆される。
さらに、前側分割金型部20A において、中央スライドコア21a-1 の両側に配した内側スライドコア21a-2 、21a-2 は図10に示すように、その下面を下側成形金型部32a の両側部のV字状傾斜上面上を摺動させながら先端面を小形端面壁部35a'、35a'の背面に当接させ、その先端面に突設している小径突起42a を小形端面壁部35a'、35a'の背面に穿設している小孔41a 、41a にそれぞれ嵌入させ、この内側スライドコア21a-2 の断面菱形形状の先端部下面で被覆された下側成形金型部32a の先端部上面に形成している凹凸溝部33a の両側V字状凹部によって成形品Aにおける前側部分A1の両側第三アンダカット部4c、4cの形成用キャビティ72a 、72a が形成される。
同様に、後側分割金型部20B において、中央スライドコア21b-1 の両側に配した内側スライドコア21b-2 、21b-2 は、その下面を下側成形金型部32b の両側部のV字状傾斜上面上を摺動させながら先端面を小形端面壁部35b'、35b'の背面に当接させ、その先端面に突設している小径突起43b を小形端面壁部35b'、35b'の背面に穿設している小孔41b 、41b
にそれぞれ嵌入させ、この内側スライドコア21b-2 の断面菱形形状の先端部下面によって被覆された下側成形金型部33b の先端部上面に形成している凹凸溝部33b の両側V字状凹部によって成形品Aにおける後側部分A2の両側第三アンダカット部4c、4cの形成用キャビティ72b 、72b を形成している。
また、前側分割金型部20A において、内側スライドコア21a-2 の外側から斜め下方に配している上記外側スライドコア21a-3 、21a-3 は、その基部下面を外側成形金型部35a のV字状傾斜上面上を摺動させながら小形端面壁部35a'に達した先端部下面を、上記中央スライドコア21a-1 の場合と同様に、この小形端面壁部35a'の頂部に形成しているV字状凹面36a 上に摺接させると共にその先端をV字状凹面36a から突出させ、先端面に突設している小径突起を後側の分割金型部20B の小形端面壁部35a'に穿設している小孔に嵌入させると共に、この外側スライドコア21a-3 、21a-3 の先部下面によって被覆された外側成形金型部35a に設けているV字状の成形溝38a との間に、成形品Aにおける両側部分A3、A4の前部側中央の第三アンダカット部4cの成形用キャビティ73a 、73a が形成される。さらに、小形端面壁部35a'の頂部に刻設したV字状凹面から突出した先端部によって、前後の外側成形金型部35a 、35b の対向面両側部間に形成されている第2透孔3b、3bを設けるための平面三角形状の空間部23、23の対向する角部が被覆される。
同様に、後側分割金型部20B において、内側スライドコア21b-2 の外側から斜め下方に配している上記外側スライドコア21b-3 、21b-3 はその基部下面を外側成形金型部35b 、35b のV字状傾斜上面上を摺動させながら先端面を小形端面壁部35b'の背面に当接させ、その先端面に突設している小径突起42b 、42b を小形端面壁部35b'、35b'の背面に穿設している小孔にそれぞれ嵌入させ、この内側スライドコア21b-2 の断面菱形形状の先部下面と外側成形金型部35a に形成しているV字状成形溝38b との間に、成形品Aにおける両側部分A3、A4の後部側中央の第三アンダカット部4cの成形用キャビティ73b 、73b が形成される。
一方、前側の分割金型部20A 側のみに設けている上記最外側スライドコア21a-4 、21a-4 と下端両側スライドコア21a-5 、21a-5 は、金型底部の両側端部上を直交するように移動してその先端面を金型底部に面している後側の分割金型部20B の下端部傾斜面に当接すると共に、これらの最外側スライドコア21a-4 、21a-4 と下端両側スライドコア21a-5 、21a-5 との下面によって被覆された分割金型部20A 、20B の対向面の下端間に形成している成形品Aの連続山形状底部成形面24によって成形品Aの底部6'の第三アンダカット部4cの成形用キャビティ74a 、74a が形成される。
さらに、前側の分割金型部20A 側に設けている上側成形コア21a-8 は、中央成形金型部28a と下側成形金型部32a との中央部対向面間に形成している空間部に挿入されて図7に示すように、先端部を中央成形金型部28a と中央端面壁部22a の背面下端部との間に隙間に突出させ、その突出下端面と上記空間部底面との間に成形品Aの前側部分A1の第二アンダカット部4aにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部を形成するためのキャビティ75a を形成すると共に、下端中央成形コア21a-6 は、下側成形金型部32a の下端中央部に形成している空間部に挿入されて先端部を上記成形品Aの底部成形面24の中央部上に突出させ、その突出端面と底部成形面24との間に成形品Aの底部中央において、第一アンダカット部4aの第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの対向する先端角部の連設部を形成するキャビティ76が形成される。
また、前側の分割金型部20A 側に設けている両側成形コア21a-7 、21a-7 は、両外側成形金型35a 、35a の下端中央部に形成している空間部にそれぞれ挿入されてその先端部を上記成形品Aの底部成形面24の両側部上に突出させ、その突出端面と底部成形面24との間に成形品Aの底部両側部において、第二アンダカット部4aにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部の形成するためのキャビティ77、77が形成される。
一方、前側の分割金型部20A 側に設けている上記上側成形コア21a-8 と同一軸線上で対向させている上記後側の分割金型部20B 側に設けている成形コア21b-4 は、中央成形金型部28b と下側成形金型部32b との中央部対向面間に形成している空間部に挿入されて図7に示すように、先端部を中央成形金型部28b と中央端面壁部22b の背面下端部との間に隙間に突出させ、その突出下端面と上記空間部底面との間に成形品Aの後側部分A2の第二アンダカット部4aにおける第二切り起こし状傾斜小板片2b-1、2b-1の対向する先端角部の連設部を形成するためのキャビティ75b が形成される。
また、上記にように、前後分割金型部20A 、20B 上に前側の前後動台枠51に突設している複数本のスライドコア21a-1 〜21a-5 及び成形コア21a-6 〜21a-8 と、後側の前後動台枠52に突設している複数本のスライドコア21b-1 〜21b-3 及び成形コア21b-3 とをそれぞれ移動させると、前側のスライドコア21a-1 〜21a-5 の基端部側に設けている上記傾斜段部61と前側分割金型部20A の成形溝30a の傾斜端面とが一直線上に連なって中央スライドコア21a-1 の山形傾斜上面を頂面としてこの頂面から両側方に向かって下方に傾斜した連続傾斜段部が形成され、同様に、後側のスライドコア21b-1 〜21b-3 の基端部側に設けている上記傾斜段部62と後側分割金型部20B の成形溝30b の傾斜端面とが一直線上に連なって中央スライドコア21b-1 の山形傾斜上面を頂面としてこの頂面から両側方に向かって下方に傾斜した連続傾斜段部が形成され、これらの連続傾斜段部によって上述したように、固定金型10の両側傾斜成形面11、11の菱形形状の外周端縁部10a に対応する菱形形状の段状縁部60が形成され、この段状縁部60によって成形品Aの両側傾斜2、2の端面を成形するキャビティの壁面を形成している。
次いで、可動金型20を固定金型10側に移動させて図6、図9に示すように、型締めすると、固定金型10の菱形状の外周端縁部10a に可動金型20の上記段状縁部60が係合すると共に固定金型10の上記外周端縁部10a に沿って突設している三角形状の偏平突起17c 、17c
・・・が可動金型20における中央スライドコア21a-1 、21b-1 の断面菱形形状の基部の山形状に傾斜した両側面上と、内側スライドコア21a-2 、21b-2 と外側スライドコア21a-3
、21b-3 及び最外側スライドコア21a-4 の断面菱形形状の先部における外側傾斜面にそれぞれ当接し、さらに、固定金型10に形成している頂部成形面11a を挟むようにして両側中子コア12、12の前後側に突設している三角形状の偏平突起17c'、17c'が前後の中央スライドコア21a-1 における先部の山形状傾斜両側面上に当接する。
さらに、固定金型10に突設している両側中子コア12、12が可動金型20の分割金型部20A
、20B の対向面間に形成している三角形状の空間部23、23にそれぞれ嵌入すると共に、これらの両側中子コア12、、12の傾斜面に突設している小形中子コア13、13とこの小形中子コア13、13に対向している両側の小形中子コア15、15とが上記前後外側成形金型部35a 、35b の両側部対向面間に形成している凹溝部36、36' に嵌入して、両側中子コア12、12における上記小形中子コア13を突設している三角形状の傾斜面と、この傾斜面に対向する空間部23の傾斜面との間に成形品Aの第一アンダーカット部4aの成形用キャビティ78が形成されると共に、金型の両側部でそれぞれ対向する上記小形中子コア13、15との下向き傾斜面とこの傾斜面に対向する上記凹部36、36のV字状傾斜上面との間に成形品Aの両側部分A3、A4にそれぞれ第二アンダカット部4b、4bを形成するためのキャビティ79、79が形成される。
同様に、固定金型10の前後部に頂部成形面11a を挟むようにして突設している小形中子コア14、14が前後の中央成形金型部28a 、28b の先端面と、この先端面にそれぞれ対向する中央端面壁部22a 、22b の背面との両側部対向面間に設けているV字状凹溝部31、31にそれぞれ嵌入して、上記頂部成形面11a を挟んで対向する小形中子コア14、14の下向き傾斜面とこの傾斜面に対向する上記凹溝部31、31の傾斜面との間に成形品Aの前後部分A1、A2にそれぞれ第二アンダカット部4b、4bを形成するための前後キャビティ80a 、80b (図9に示す)が形成される。
また、固定金型10の菱形状の外周端縁部10a とこの外周端縁部10a に係合した可動金型20の菱形形状の段状縁部60とで囲まれた固定金型10と可動金型20との対向面間には、成形品Aの頂部1とこの頂部1から下方に向かって傾斜している両側傾斜板部2、2との成形用キャビティ81、82が形成されると共に、可動金型20における中央スライドコア21a-1 、21b-1 の断面菱形形状の基部の山形状に傾斜した両側面上と、内側スライドコア21a-2 、21b-2 と外側スライドコア21a-3 、21b-3 及び最外側スライドコア21a-4 の断面菱形形状の先部における外側傾斜面にそれぞれ当接した上記偏平突起17c 、17c ・・・17c が成形品Aの両側傾斜板部2、2の成形用キャビティ82、82における第三透孔3cの形成位置に対応した前後傾斜縁部分内に一定間隔毎に介在すると共に、前後の中央スライドコア21a-1
、21b-1 における先部の山形状傾斜両側面上に当接した偏平突起16c'、16c'が、成形品Aの頂部1の成形用キャビティ81に連設している上記両側傾斜板部2、2の成形用キャビティ82、82における第三透孔3c' の形成位置に対応して上傾端部内に介在する。
さらに、可動金型20における上記三角形状の空間部23、23にそれぞれ嵌入した両側中子コア12、12における傾斜成形面12b の3方隅角部の面に突設している平面三角形状の偏平突起16a において、先端側の隅角部に突設している偏平突起16a は、可動金型20側の下端両側スライドコア21a-5 、21a-5 の対向する傾斜上面において、第三アンダカット部4cの上方の第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの先端部に対向する第三透孔形成位置に対応する部分に当接する共に、基端側の前後部に突設している偏平突起16a 、16a は、可動金型20の外側スライドコア21a-3 、21a-3 の内側傾斜面上において、前後の第三アンダカット部4cの上方の第一切り起こし状傾斜板片2a、2aの基端両側部に対向する第三透孔形成位置に対応する部分に当接する。
同様に、両側中子コア12、12の上記傾斜成形面12b に一体に設けている上記小形中子コア13、13とこの小形中子コア13、13に対向している両側の小形中子コア15、15とに突設した偏平突起13c 、15c は、図6に示すように、前側分割金型部20A における最外側スライドコア21a-4 と下端スライドコア21-5との対向する傾斜上面において、第三アンダカット部4cの上方の第二切り起こし状傾斜板片2b-1に穿設される第三透孔3cの形成位置に対応する部分に当接する共に、固定金型10の前部において頂部成形面11a を挟むようにして配設している上記小形中子コア14、14に突設した偏平突起16b は、前側分割金型部20A における内側スライドコア21a-2 、21a-2 との対向する傾斜上面において、第三アンダカット部4cの上方の前側第二切り起こし状傾斜板片2b-1に穿設される第三透孔3cの形成位置に対応する部分に当接し、固定金型10の後部において頂部成形面11b を挟むようにして配設している上記小形中子コア14、14に突設した偏平突起16b は、後側分割金型部20B における内側スライドコア21b-2 、21b-2 との対向する傾斜上面において、第三アンダカット部4cの上方の後側第二切り起こし状傾斜板片2b-1に穿設される第三透孔3cの形成位置に対応する部分に当接する。
一方、上記中央スライドコア21a-1 は、その先端を前側分割金型部20A における中央端面板部22a の頂部に形成しているV字状凹面から突出させてその先端面に突設している小径突起42a を後側の分割金型部20B の中央端面板部22b に穿設している小孔41に嵌入させることにより、その突出端部の下面で前後中央端面壁部22a 、22b の対向面間における両側中子コア12、12が嵌入する三角形状の空間部23、23の対向する角部上を被覆すると共にこれらの三角形状の空間部23、23に嵌入した両側中子コア12、12の対向する稜角部の基端部に形成している偏平突片部12a 、12a が図8に示すように、中央スライドコア21a-1 の上記突出端部の上面両側部上に密接状態に当接してこれらの偏平突片部12a 、12a の対向面と、固定金型10における頂部成形面11a と、中央スライドコア21a-1 の上面とによって囲まれた空間部で成形品Aの平面菱形形状の前側部分A1の上記頂部成形用キャビティ81における長さ方向の中間部成形用キャビティ81a を形成する。
さらに、この中央スライドコア21a-1 において、成形品Aにおける前側の第二アンダカット部4bを形成するための上記凹溝部31の中央部上を図3に示すように架設状態に被覆した断面菱形形状の先部の両側部上に、上記凹溝部31を形成している平面三角形状の両側凹部にそれぞれ嵌入した小形中子コア14、14の対向する稜角部の基端部に形成している偏平突片部14a 、14a が密接状態に当接してこれらの偏平突片部14a 、14a の対向面と、固定金型10における頂部成形面11a と、中央スライドコア21a-1 の上面とによって囲まれた空間部によって成形品Aの上記頂部成形用キャビティ81の一部を成形するキャビティが形成される。
なお、頂部成形用キャビティ81は、一直線状に突き合わされた前後の中央スライドコア21a-1 、21b-1 の上面と固定金型10の頂部成形面11a との対向面間によって形成される。
さらに、前側分割金型部20A において、小形端面壁部35a'の頂部のV字状凹面から突出してその先端の小径突起42a を後側の分割金型部20B の小形端面壁部35a'に穿設している小孔に嵌入させて先端面をこの小形端面壁部35a'の背面に密接させた上記外側スライドコア21a-3 、21a-3 は、その突出先端部の下面で前後の外側成形金型部35a 、35b の対向面両側部間に形成されている第2透孔3b、3bと第二アンダカット部4b、4bを形成するための平面三角形状の凹溝部36、36' の対向する角部上を被覆すると共にこれらの三角形状の凹溝部36、36' 内にそれぞれ嵌入した中子コア13、15の対向する稜角部の基端部に形成している偏平突片部13a 、15a が図6に示すように、外側スライドコア21a-3 、21a-3 の上記突出先端部の上面両側部上に密接状態に当接してこれらの偏平突片部13a 、15a の対向面と、固定金型10の下面と、外側スライドコア21a-3 、21b-3 の上面とによって囲まれた空間部を成形品Aの平面菱形形状の両側部分A3、A4の頂部の成形用キャビティ83の中央キャビティ部83a が形成される。
なお、この頂部の成形用キャビティ83は、一直線状に突き合わされた前後の外側スライドコア21a-3 、21b-3 の上面と、この上面を偏平突起の厚みに相当する間隔を存して被覆する固定金型10とこの固定金型10から突出した中子コア12の基端部傾斜面とによって形成される。
同様に、後側の中央スライドコア21b-1 においても、成形品Aにおける後側の第二アンダカット部4bを形成するための上記凹溝部31の中央部上を架設状態に被覆した断面菱形形状の先部の両側部上に、上記凹溝部31を形成している平面三角形状の両側凹部にそれぞれ嵌入した小形中子コア14、14の対向する稜角部の基端部に形成している偏平突片部14a 、14a が密接状態に当接してこれらの偏平突片部14a 、14a の対向面と、固定金型10における頂部成形面11a と、中央スライドコア21b-1 の上面とによって囲まれた空間部によって成形品Aの平面菱形形状の後側部分A2における頂部成形用キャビティ83の一部を成形するキャビティが形成される。
このように型締めしたのち、ノズル等を通じて溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂は偏平突起13a 〜15a 周りや両側中子コア12の基端部周り、及び小形中子コア13〜15の基端部周りを通じて全てのキャビティに充填され、冷却後に開型すると共に可動金型20側において前後分割金型部20A 、20B を離間させてエジェクトピン等により抜き取ると、上述したフラクタル構造を有する日除け部材である成形品Aが得られる。
なお、上記実施例においては、複数のアンダーカット部を有する日除け部材の射出成形用金型装置について述べているが、本発明においてはこのような複数のアンダーカット部を有する成形品の射出成形用金型に限らず、頂部から両側下方に向かって傾斜板部を有し、この傾斜板部に上記頂部を挟むようにして三角形状の透孔が穿設されていると共に、これらの透孔の互いに平行な辺から上記頂部の下方に向かって三角形形状の傾斜板片を突設してこれらの傾斜板片の先端部同士を一体に連設してなるアンダーカット部を有する成形品の射出成形用金型構造であれば満足することができる。
また、前後に対向する中央スライドコア21a-1 、21b-1 や外側スライドコア21a-3 、21b-3 の対向する先端面に小径突起を突設してこれらの小径突起を後側の中央端面壁部22b
や小形端面壁部35b'にそれぞれ穿設した小孔に嵌入させているが、このような小径突起や小孔を形成することなく、対向する先端面を後側中央端面壁部22b や小形端面壁部35b'の前後面にそれぞれ密接状態に当接させたり、或いは、これらの後側中央端面壁部22b 、小形端面壁部35b'を貫通して互いにその先端面同士を接合させてもよい。さらに、前後に対向する中央端面壁部22a 、22b の対向面間や前後に対向する小形端面壁部35a'、35b'の対向面間でこれらの前後に対向する先端面どうしを突き合わせ状態に密接させてもよい。