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JP5743666B2 - Rna検出用試薬およびrna検出方法 - Google Patents

Rna検出用試薬およびrna検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いてRNAウイルスのRNAを検出する方法において使用されるRNA検出用試薬、およびこれらの試薬を用いてRNAを検出するRNA検出方法に関する。
近年、感染性ウイルスのスクリーニングや、疾患患者のウイルス感染の有無を判断する場合にRNAウイルス中のRNAを検出する方法としてRT(リアルタイム)−PCR法を含むPCR法(以下、単にPCR法と記載する場合がある。)が広く用いられている。
PCR法によって試料中のRNAウイルスのRNAを検出するには、フェノールを含む抽出液によって試料から抽出されたRNAを、逆転写して相補的DNA(cDNA)を得、得られたcDNAをPCR法によって増幅させてその増幅産物を測定する事で、試料中のRNAを検出する。
PCR法の中でも、特にRT−PCR法は、cDNAの増幅を、例えば、蛍光色素存在下で行い、蛍光検出により増幅産物量をリアルタイムで測定しながら増幅量を測定するために、高感度のRNA検出が行うことができる。
前記RT−PCR法は、通常のPCR法に比べるとRNAを高感度で検出できるものの、例えば感染初期の患者から試料を採取してRNAの検出を行った場合には、ウイルスの量が少ないため、RT−PCR法を用いてもRNAを検出できない場合があり、実際には感染していたとしても陰性と判断されることがある。
また、RNAは同じ核酸であるDNAと比較すると、環境中に多く存在するRNA分解酵素で分解されてしまうため、RNAが少量の場合には検出が困難になる。
さらに、RNAを検出する場合にはRNAを逆転写する工程が増えるためDNAを検出する場合に比べて試料のロスも生じやすく、RNA量が少ない試料の検出が難しい。
従って、初期においても感染しているかどうかを判断したい病原性ウイルスなど、少量のRNAウイルスのRNA検出についてはさらに高感度の検出方法が望まれている。
前記PCR法におけるRNA検出感度を高める方法としては、(1)試料からのRNAの抽出時、(2)逆転写時、(3)PCR反応時などにおける各処理の効率や感度を向上させることが考えられるが、この中でも(1)のRNA抽出時における抽出効率を向上させることで、効果的にRNA検出の感度を向上させることが可能である。
前記(1)のRNAを試料から抽出する抽出工程における具体的な処理としては、例えば、フェノ−ルやクロロホルムを含む抽出液に試料を溶解して試料中のタンパクや炭水化物を沈殿させて、RNAを含む水溶液を上澄みとして分離する工程と、前記上澄みとして分離されたRNAを含む水溶液に、さらにアルコールなどを添加して、水溶液中のRNAを沈殿させて分離工程とを行なうことで、試料中のRNAを抽出する処理が行なわれる。
前記RNAの分離工程において、RNAの量が極めて少量の場合には、RNAを確実に沈殿させることが困難になる。
そこで、微量のRNAを確実に沈殿させるために、RNAの沈殿を促す共沈剤を添加することで、抽出効率を向上させることが検討されている。
例えば、特許文献1乃至5には、RNAまたはDNA等の核酸を含む水溶液にデキストランを共沈剤として添加して、核酸の沈殿を促進することが記載されている。
共沈剤としては、デキストランの他に、アクリルアミドまたはカルボキシメチル(特許文献2)や、グリコーゲン(特許文献3および5)、あるいはセルロースやでんぷん(特許文献6)、あるいはアミロペクチンアズール(特許文献7)なども各文献に記載されている。
しかしながら、前記のような共沈剤を用いるいずれの方法においても、核酸、特にウイルスRNAのRNA検出感度を十分に向上させうるものではない。
さらに、アクリルアミドやグリコーゲンは低温で保管する必要があり、保管や取り扱いが難しい。
特開平7−238101号公報 特開平7−59572号公報 特開2001−17173号公報 特開2003−248号公報 特開2006−87394号公報 特許第4264133号公報 特許第3108105号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を鑑みて、RNAの検出感度を向上させることのできるRNA検出用試薬、およびRNA検出方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明のRNA検出用試薬は、RNAウイルスを含む試料から前記RNAウイルスのRNAを抽出し、前記抽出されたRNAをPCR法により増幅させて前記RNAを検出するために前記試料に添加されるRNA検出用試薬であって、ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含むことを特徴としている。
また、本発明のRNA検出方法は、RNAウイルスを含む試料からRNAウイルスのRNAを抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出されたRNAをPCR法によって増幅するPCR反応工程とを備えるRNA検出方法において、前記試料にポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含む試薬を添加することを特徴としている。
前記のようにRNAウイルスを含む試料にポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含むRNA検出用試薬を添加して、ウイルスのRNAの抽出を行い、さらにPCR法によってRNAを増幅させることによって、PCR法におけるRNAの検出感度が向上し、微量なRNAでも検出することが可能になる。
尚、本発明でいうRNA検出用試薬とは、特に限定する記載がない限り、RNA検出するためのすべての工程で用いられる試薬をいう。
また、本発明のRNA検出方法では、前記抽出工程の前に前記試料に前記試薬を添加することが好ましい。
前記抽出工程の前に前記試薬を添加することによって、よりRNA検出感度を向上させることができる。
本発明において、前記抽出工程では、前記試料にフェノールを含む液を接触させることで試料からRNAを抽出することを実施することが好ましい。
試料にフェノールを含む液を接触させる抽出を行なう方法において、試料にポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含む試薬を添加することで、効果的にRNAの検出感度が向上する。
また、本発明においては、RNAウイルスがインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス、ノロウイルス、デングウイルスからなる群から選択される一種または二種以上であることが好ましい。
前記RNAウイルスを含む試料からのRNA検出を行なう場合には、本発明のRNA検出用試薬、またはRNA検出方法によれば、特に高い検出感度が得られる。
本発明によれば、RNAの検出感度を向上させることができ、従って、試料中に含まれるRNAウイルスが微量あっても、精度よくRNAウイルスのRNAを検出することができる。
以下に、本実施形態のRNA検出用試薬およびこれらの試薬を用いたRNA検出方法について具体的に説明する。
本実施形態のRNA検出用試薬は、ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含むものである。
前記ポリアクリル酸とは、構成単量体の主成分がアクリル酸単量体(質量比率50%以上)である重合体をいう。
前記ポリアクリル酸は、好ましくは、重量平均分子量(Mw)が、約4,000〜約30万程度、好ましくは、約10000〜約50000程度のものが好ましい。
前記ポリアクリル酸塩とは、構成単量体の主成分がアクリル酸塩単量体(質量比率50%以上)である重合体をいう。
前記アクリル酸塩単量体としては、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウムなどが挙げられ、特にアクリル酸ナトリウムを用いることが好ましい。
前記ポリアクリル酸塩は、好ましくは、重量平均分子量(Mw)が、約2000〜10万程度、好ましくは約10000〜約50000程度のものが好ましい。
前記ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩は、それぞれアクリル酸またはアクリル酸塩の単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。
また、前記ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩には、前記各単量体以外に架橋剤が添加されて架橋されていてもよい。
前記ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩の各重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により、例えば、下記装置および条件で求められる。
(分析装置)
恒温槽:昭和電工株式会社製 SHODEX OVEN A0−30
送液ポンプ:昭和電工株式会社製 SHODEX DS−4
検出器:昭和電工株式会社製 SHODEX RI−101
デガッサー:昭和電工株式会社製 SHODEX ERC−3115α
解析ソフト:システムインスルツメンツ社製 SIC 480II データステーション
カラム:昭和電工株式会社製 SB−806MHQ + SB−804HQ 直列
(分析条件)
溶離液:0.1M NaNO3水溶液
恒温槽温度:40℃
流量:1ml/分
GPCカラム用標準試料:昭和電工株式会社製 プルラン(商品名) P−5、P−10、P−20、P−50、P−100、P−200、P−400、P−800
試料注入量:前記試料の1質量%水溶液を50μl注入
前記標準試料のピーク時間から検量線を作成し、試料のクロマトグラムを前記解析ソフトを用いて解析し、分子量を算出する。
本実施形態のRNA検出用試薬は、前記ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を水、その他の溶媒に溶解させて、試薬として調整することができる。
前記RNA検出用試薬におけるポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩の濃度は、1000〜10000μg/ml程度である。
ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩の濃度範囲を前記範囲に調整することで、試料への添加濃度の調整が容易に行える。
前記前記ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を試薬として調整する調整方法としては、例えば、溶媒の温度10℃から35℃(室温)で、60〜180分間程度攪拌することで調整することができる。
本実施形態のRNA検出用試薬には、さらに抗生物質などが添加されていてもよい。
使用可能な抗生物質としては、例えば、ペニシリンやストレプトマイシンなどが挙げられる。
さらに本実施形態のRNA検出用試薬には、抽出性を高めるために界面活性剤などが添加されていてもよい。
あるいは、本実施形態のRNA検出用試薬は、RNA検出に使用される他の試薬、例えば、タンパク質変性剤、RNA分解酵素阻害剤などと共に混合した混合液として調整してもよい。このように他の試薬と混合しておくことで、試薬をその都度添加する手間が省略できる。
次に前記のようなRNA検出用試薬を用いて試料中のRNAを検出する方法について説明する。
(1)試料の準備
血液などの検査用試料を準備する。通常の検出方法と同様に必要に応じて適当な倍率に希釈してもよい。
また、検査用試料としては血液の他、咽頭ぬぐい液や気管吸引液(例インフルエンザウイルス)、血清(例:C型肝炎ウイルス)、組織、細胞の他に、尿・便(例ノロウイルス)等の排泄物、環境試料(下水、河川水等)などを検査用試料として用いることが可能である。
本発明では、種々のRNAウイルスから抽出されるRNAの検出に適用可能であるが、例えば、エンベロープを有するA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、デングウイルス、エンベローブを有しないノロウイルスの実験室での代替ウイルスとして用いられることが多いネコカリシウイルスなどのウイルスRNAの検出に用いることができる。
これらのウイルスの中でも、特に、エンベロープを有するウイルスには検出感度向上効果が高い。
(2)RNAの抽出工程
前記試料からRNAを抽出する。
まず、前記試料に前記のRNA検出用試薬を添加する。
試料に対するRNA検出用試薬の添加量は、試料の濃度や、ウイルスの種類などによって適宜調整可能である。例えば、前記ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩が好ましくは0.2μg/ml〜2000μg/ml、さらに好ましくは2〜500μg/mlとなるようにRNA検出用試薬を試料に添加することが好ましい。
前記RNA検出用試薬を添加した試料から、公知の手法、例えばフェノール・クロロフォルム抽出法によってRNAを抽出する。
RNA抽出には市販のRNA抽出用試薬キット、例えば、TRIZOL試薬(インビトロジェン社製))等を添付のプロトコールに従って使用することができる。
例えば、下記のような手順でRNA抽出を行なう。
まず、試料をTRIZOL試薬に溶解させる。試料が血液などの液体の場合には、適宜希釈した液を、試料が培養細胞などの固体の場合には予めホモジェナイズしておいたものを、TRIZOL試薬に混合して溶解させる。
TRIZOL試薬に試料を溶解させた液を15分間静置して、クロロホルムを添加し、チューブに入れ遠心分離(12000×g、15分間、4℃)する。
遠心分離後、RNAを含む上澄みと、その他の成分(タンパク質、炭水化物など)を含む沈殿に分離し、上澄みを取り出すことでRNA成分を含む水溶液が抽出できる。
さらに、上澄みを別のチューブにいれて、イソプロパノールを添加し、10分間静置した後、遠心分離(12000×g、15分間、4℃)した上澄みを除去するとRNAの沈殿が生成する。その沈殿にエタノール(75%)を添加しさらに遠心分離(7500×g、5分間、4℃)するとRNAが洗浄できる。
沈殿・洗浄したRNA沈殿を乾燥後、DNase Waterに再溶解させることで、RNAが回収できる。
(3)逆転写工程
前記のように試料から抽出されたRNAを用いて、逆転写によって相補的DNA(cDNA)を合成する。
逆転写は、市販の逆転写酵素用試薬キット、例えば、High Capacity cDNA逆転写キット(アプライドバイオシステムズ社製)等を、添付のプロトコールに従って使用することができる。
例えば、逆転写酵素、ランダムプライマー、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、RNA分解酵素阻害剤(RNase inhibitor)、付属のバッファーおよびRNase−free水をプロトコールに従って調整し(1試料あたり全量で10μlとなるように調整)、前記回収されたRNAを調整した試薬に同量の10μl添加してピペッティングで混合する。
混合後、10分間室温で静置し、37℃で2時間逆転写を行い、cDNAを合成する。
逆転写反応後のcDNAは、85℃で10秒保温させることで、酵素を不活化させておく。
(4)PCR反応工程
次に、前記逆転写によって生成されたcDNAをPCR反応によって増幅させて検出を行う。
PCR反応によるcDNAの検出は、公知のPCR法を用いたPCR装置を適宜用いて行うことができる。
PCR装置で検出されるデータはcDNAの量であるため、これを元の試料中に含まれるRNA量に換算することで、試料中に含まれていたRNA量およびRNAウイルスの検出が可能となる。
尚、RNA量とcDNA量は同量であるが、生データとして得られるcDNA量は、最終的にPCR反応させたcDNA量であるため、元の試料中に含まれるRNA量に換算する場合には、希釈を考慮して換算する。
前記のようなPCR反応工程において試料中に含まれるウイルスRNAを検出する場合、血液などの試料に含まれている不純物が残存物質として各工程における酵素反応などを阻害している可能性があり、これらの残存物質が、最終的なウイルスRNAの検出感度に悪影響を及ぼしていると考えられる。
本発明のRNA検出用試薬が実際にどのような作用でRNA検出の感度を向上させているのか、その詳細な原理は不明だが、おそらく、前記RNAの抽出工程において、RNAの抽出効率を向上させていると考えられる。
また、本発明のRNA検出用試薬は前記のようにRNAの抽出前の試料に添加し、その後試料を抽出工程、逆転写工程、PCR反応工程において各処理を実施するため、各工程における残存物質の阻害作用を低下させて、RNA検出感度を向上させているとも考えられる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(RNA検出用試薬)
RNA検出用試薬として、下記の各ポリアクリル酸(A〜C)、ポリアクリル酸ナトリウム(A〜C)、ポリカルボン酸系コンクリート混和剤(A、B)ポリカルボン酸ナトリウム、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール(A〜C)、ポリエチレングリコール(A〜D)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(A,B)、エチルセルロース、メチルセルロースを、それぞれ各成分濃度が1000μg/mlとなるように水(超純水)に溶解させたものを準備した。
尚、下記各成分のうち、ポリアクリル酸ナトリウムA,ポリカルボン酸系コンクリート混和剤(AおよびB)については、濃度が不明であったため、100倍希釈したものを各量用いた。
また、下記の分子量は、前記装置および条件でGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定した重量平均分子量であって、測定値の有効数値を2桁または1桁で示した。
各ポリアクリル酸およびポリアクリル酸ナトリウムは下記のものを使用した。
ポリアクリル酸A:ポリアクリル酸 5,000(和光純薬工業株式会社製、分子量5000、等級 和光1級)
ポリアクリル酸B:ポリアクリル酸 25,000(和光純薬工業株式会社製、分子量25000、等級 和光1級)
ポリアクリル酸C:ポリアクリル酸 250,000(和光純薬工業株式会社製、分子量250000、等級 和光1級)
ポリアクリル酸ナトリウムA:ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、重合度2,700〜7,500)
ポリアクリル酸ナトリウムB:ポリアクリル酸ナトリウム(A−20UN 東亜合成株式会社製、分子量20,000 固形分42%)
ポリアクリル酸ナトリウムC:ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、重合度30,000〜40,000)
ポリカルボン酸系コンクリート混和剤A:(シーカメント1100NT、日本シーカ株式社製)
ポリカルボン酸系コンクリート混和剤B:(チューポールHP−8、竹本油脂株式会社製)
ポリカルボン酸ナトリウム:(A−6310、東亜合成株式会社製)
アクリル系ポリマー:(A−6380、東亜合成株式会社製)
ポリビニルアルコールA:(和光純薬工業株式会社製、重合度500)
ポリビニルアルコールB:(和光純薬工業株式会社製、重合度1500)
ポリビニルアルコールC:(和光純薬工業株式会社製、重合度2000)
ポリエチレングリコールA:(和光純薬工業株式会社製 分子量300、等級1級)
ポリエチレングリコールB:(和光純薬工業株式会社製 分子量2000、等級1級)
ポリエチレングリコールC:(和光純薬工業株式会社製 分子量6000、等級1級)
ポリエチレングリコールD:(和光純薬工業株式会社製 分子量20000、等級1級)
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムA:(ポリサイエンス社製、分子量4600)
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムB:(ポリサイエンス社製、分子量18000)
エチルセルロース:(和光純薬工業株式会社製)
メチルセルロース:(和光純薬工業株式会社製)
(試料)
ウイルスとしてA型インフルエンザウイルス(株:A/PR/8/34)を用い、ウイルス液の濃度が250μl中に1×104PFUとなるように調整した。
培養液として、MEM培地、L−グリタミン、非必須アミノ酸、炭酸水素ナトリウム(pH調整用)からなる培養液を用いた。
表1及び表2に示すように、前記RNA検出用試薬を5〜245μlと前記培養液を合わせ各250μlになるように調整した試験例1〜42、および、RNA検出用試薬を添加せずにウイルス液5μlと培養液245μlからなる標準液を準備した。
尚、試験例1、8、15、22、29および36については、前記RNA検出用試薬を1000倍希釈したものを、試験例2、9、16、23、30および37については、前記RNA検出用試薬を100倍希釈したものを、試験例3、10、17、24、31および38については、前記RNA検出用試薬を10倍希釈したものを各5μlずつ用いた。
(RNA抽出工程)
抽出用の試薬としては、TRIZOL(商品名、invitrogen社製)を用いた。
各液250μlに対し、前記TRIZOLを750μl添加した。
この溶液をよく混和し、15分間室温で静置した後、200μlのクロロホルムを添加して、遠心分離(12000×g、15分間、4℃)する。
その後、水層を回収した。
回収した水層約700μlあたり500μlのイソプロパノールを添加して、10分間室温で静置し、遠心分離(12000×g、15分間、4℃)して、RNA成分を沈殿させ、上澄みを除去する。
残ったRNA沈殿物に、75%エタノールを 1ml添加し、ボルテックス後、5分間室温で静置し、さらに遠心分離(9000×g、5分間、4℃)することによってRNA沈殿を洗浄した。
一度、上清を除去した後、さらに遠心分離(9000×g、2分間、4℃)し、残存している上清を除去した。上清除去後のRNA沈殿物を、15分間風乾させ、エタノールを除去した。
風乾後のRNA沈殿物に、DEPC処理水を15μl加え、ピペッティングし、RNA溶解液を得た。
(逆転写工程およびPCR反応工程)
前記抽出されたRNAを、DEPC処理水15μlで溶解し、そのうちの10μlのRNAを用いて、20μlのcDNAを合成した(逆転写工程)。
合成したcDNAのうち5μlを使用し、下記のPCR装置を用いてRNA量を測定した(PCR反応工程)。
前記逆転写工程および、PCR反応の手順は、以下の試薬またはキットの方法に準拠した。
尚、ウイルスのプライマーおよびプローブは、ウイルス株の遺伝子配列を基に、遺伝子解析ソフトウエアPrimer Express 3.0(アプライドバイオシステム社製)を用いて設計した。
本実施例のウイルスのプライマーおよびプローブは、A型インフルエンザウイルス株を141株抽出し、その中で相同性の高い共通プライマー、プローブとなるプライマーおよびプローブを選定した。
逆転写キット:High Capacity cDNA逆転写キット(アプライドバイオシステムズ社製)
PCR反応キット:イーグルタックマスターミックス(ROX)(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)
PCR装置(リアルタイムPCR):アプライドバイオシステムズ 7300リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ社製)
各試験例および標準液においてPCR装置で測定した生データと、この生データから換算した250μl中のRNA量(copy)を表1および表2に記載した。
尚、換算値は、生データを0.167で除した数値である。その理由は、前記抽出したRNA15μlのうち、10μlをcDNA合成に使い、合成したcDNA20μlのうち、5μlをPCR装置にかけてPCR反応させたため、生データ(cDNA数)を0.167で除した値が250μlの検査用試料に含まれるRNA量となるためである。
すなわち、換算値が検出されたRNA量となる。
尚、今回のPCR測定条件において、使用したPCR装置の検出限界値は、10copyであった。
Figure 0005743666
Figure 0005743666
RNA検出用試薬を添加しない標準液では、検出されたRNA量(換算値)が1.7×102copyであった。
この標準液に対して、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸ナトリウムを添加した各試験例では、前記標準液と同等以上のRNA量(copy数)が検出された。
特に、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸ナトリウムの含有量を1.5μg/ml〜500μg/mlになるようにRNA検出用試薬を添加した場合に、前記標準液よりも10倍以上のRNA量(copy数)が検出された。
一方、試験例47〜104では、特に標準液と比べても有意な差は見られなかった。
[実施例2]
実施例2では、前記実施例1のRNA検出用試薬の中から、ポリアクリル酸Bを用いたRNA検出用試薬を準備し、ウイルスとして、ネコカリシウイルス(株:FCV−2280)を用いた。
前記実施例1と同様に、濃度が1.0×104PFU/250μlとなるように調整したウイルス液を各5μlずつ準備し、これに対して前記RNA検出用試薬を2.5,5.0,50μl、培養液を242.5、240、195μlずつ準備した。
前記RNA検出用試薬を、前記実施例1と同様にRNA抽出前にウイルス液および培養液に混合した場合のRNA検出量と、RNA抽出工程におけるアルコール沈殿のアルコール添加前のウイルス液および培養液にRNA検出用試薬を添加した場合のRNA検出量をそれぞれ測定した。
尚、逆転写に必要な各ウイルスのプライマーおよびプローブは、前記ネコシリカウイルス株の遺伝子配列を基に、遺伝子解析ソフトウエアPrimer Express 3.0(アプライドバイオシステム社製)を用いて、アプライド社の設計ガイドラインに最も近くなる、Primer Express 3.0で示されるペナルティスコアが最も低くなるものを選定して用いた。
前記以外の条件は実施例1と同様に、RNA抽出工程、逆転写工程およびPCR反応工程を実施し、RNA抽出前にウイルス液および培養液に混合した場合のRNA検出量をA(250μl中のウイルス量換算値copy)とし、RNA抽出工程におけるアルコール沈殿のアルコール添加前のウイルス液および培養液にRNA検出用試薬を添加した場合のRNA検出量をB(250μl中のウイルス量換算値copy)としA/Bの値を表3に示した。
Figure 0005743666
表3で示すように、ネコカリシウイルスの場合には、RNA抽出前に本実施例の試薬を試料中に添加する方が、アルコール沈殿の前に添加する場合よりもよりRNA検出感度が向上していることが明らかである。
[実施例3]
実施例3では、前記実施例1のRNA検出用試薬の中から、ポリアクリル酸Bを用いたRNA検出用試薬を準備し、ウイルスとして、デングウイルス(株:NEW Guinea C)を用い、前記実施例1と同様に、濃度が1.0×104PFU/250μlとなるように調整したウイルス液を各5μlずつ準備し、これに対して前記RNA検出用試薬を5.0μl、培養液を240μl準備した。比較として、培養液242.5μlのみのものを準備した。
前記以外の条件は実施例1と同様に、RNA抽出工程、逆転写工程およびPCR反応工程を実施し、RNA検出量を測定した(250μl中のウイルス量換算値copy)。
結果を表4に示す。
Figure 0005743666
実施例1と同様に、RNA検出用試薬を添加した試験例108では標準液よりも100倍程度多いRNA量(copy数)が検出された。

Claims (6)

  1. RNAウイルスを含む試料から前記RNAウイルスのRNAを抽出し、前記抽出されたRNAをPCR法により増幅させて前記RNAを検出するために前記試料に添加されるRNA検出用試薬であって、
    ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含むことを特徴とするRNA検出用試薬。
  2. 前記RNAウイルスがインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス、ノロウイルス、デングウイルスからなる群から選択される一種または二種以上である請求項1に記載のRNA検出用試薬。
  3. RNAウイルスを含む試料からRNAウイルスのRNAを抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出されたRNAをPCR法によって増幅するPCR反応工程とを備えるRNA検出方法において、
    前記試料にポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸塩を含む試薬を添加することを特徴とするRNA検出方法。
  4. 前記抽出工程の前に、前記試料に前記試薬を添加する請求項3に記載のRNA検出方法。
  5. 前記抽出工程では、前記試料にフェノールを含む液を接触させることで試料からRNAを抽出することを実施する請求項3または4に記載のRNA検出方法。
  6. 前記RNAウイルスがインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス、ノロウイルス、デングウイルスからなる群から選択される一種または二種以上である請求項3乃至5のいずれか一項に記載のRNA検出方法。
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