JP5739238B2 - 皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents
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Description
つまり水系の高分子弾性体を用いた場合には品位の向上が難しく、天然皮革に近似した高級感のある風合を得ることが、極めて困難だったのである。
繊維質基材の厚さはとしては、得られる皮革様シート状物の用途などに応じて任意に選択できるが、一般には0.3〜3.0mm程度であることが、風合の点から好ましく、0.8〜2.5mm程度であることがより好ましい。
得られた皮革様シート状物中の高分子弾性体と繊維の比率としては、高分子弾性体/繊維(以下R/Fとする)が20/100〜70/100の範囲であることが好ましい。また、この含浸基体層となる皮革様シート状物の密度としては0.2〜0.4g/cm3であることが好ましい。
スプリング式ダイアルゲージ(荷重1.18N/cm2)にて測定した。
(2)重量
10cm×10cmに切断した試験片を、精密天秤にて測定した。
(3)含浸液の浸透性
含浸液の浸透性について、○が浸透しやすく、△、×の順に浸透しにくい評価とした。
(4)柔軟性
得られた人工皮革の柔軟性を人の感覚によって判定した。◎が最も柔軟で、○、△、×の順に硬くなる評価とした。
(5)シリコーン化合物の残存率
まず使用した繊維質基材(不織布)の重量を測定した(a)。次いで5%濃度処理液(各実施例、比較例にて用いたシリコーン化合物を含有する処理液の5倍濃度)に含浸し、マングルで絞った後、140℃10分間の乾燥を行い、重量を測定した(b)。その後、さらに25℃の水にて3分間洗浄し、絞った後に140℃10分間で乾燥した後、重量を測定した(c)。
次式により各材料の水処理に対する残存率を計算した。
残存率(%)=(c−a)÷(b−a)×100
ポリエステル収縮繊維を50部と、0.8dtex、カット長38mmの非収縮ポリエチレンテレフタレート短繊維を50部とを混綿した後、カード機を通してウェブを作成し、次いでバーブ1個を有する針を装着したニードルロッカールームで1500本/cm2の打ち込み密度にてパンチングを行い、繊維を交絡させて、目付け180g/m2のウェブを得た。該ウェブを70℃の温水中に2分間浸漬して、面積収縮が35%となるように収縮させ、次いで110℃で乾燥させて目付け277g/m2、厚さ1.0mm、見掛け密度0.277g/cm3の繊維質基材(不織布)を得た。
次いで、得られた繊維質基材に親水性側鎖を有するポリエーテル・アセテート変性シリコーン(東レダウコーニング株式会社製 SH−28、動粘度300mm2/s〈25℃〉、曇点25℃以下)の1%水分散液を付与し、マングルで絞りウェットピックアップを100%に調整した後、120℃で、10分間、熱風乾燥機にて乾燥した。繊維に対するシリコーン化合物の付着量は1%であった。なお、このシリコーン化合物含有処理液は、白濁しているものの均一に分散しており、安定性にも優れていた。そして残存率も高く、均一品質の不織布を得ることができた。
先に得られたシリコーン化合物が付着した繊維質基材をこの含浸処理液に含浸させたところ均一に含浸されていた。そして表面の余分な分散液を掻き落として、雰囲気温度を95℃、相対湿度を99%にコントロールした感熱凝固ボックスにて凝固を行った。その後、水中に浸漬して冷却してからマングルロールで絞り、120℃の熱風乾燥機で10分間乾燥させて皮革様シート状物(含浸基体)を得た。得られた皮革様シート状物の高分子弾性体と繊維の比率R/Fは30%であった。
結果を表1に示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えてHLB値が14と高いポリエーテル変性シリコーンオイル(東レダウコーニング株式会社製 FZ−2104、粘度1000mPa・s〈35℃〉(換算動粘度970mm2/s))を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。なお、ここでシリコーン化合物含有処理液は、粘度が高いものの均一に分散しており、安定性にも優れていた。そして残存率も高く、均一品質の不織布を得ることができた。
結果を表1に併せて示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えてHLB値4.5のポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学株式会社製 KF−6016、PEG‐9メチルエーテルジメチコン、動粘度150mm2/〈25℃〉)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。なお、このシリコーン化合物含有処理液は、若干、安定性に難があったが、残存率は高かった。
結果を表1に併せて示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えてポリグリセリン変性シリコーンオイル(信越化学株式会社製 KF−6104、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、粘度4000mPa・s〈25℃〉(換算動粘度4000mm2/s))を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。なお、このシリコーン化合物含有処理液は、若干、安定性に難があったが、残存率は高かった。
結果を表1に併せて示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えてHLB値7.0のポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学株式会社製 KF−6012、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン、動粘度1600mm2/〈25℃〉、曇点35℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。
結果を表1に併せて示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えてHLB値14.5のポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学株式会社製 KF−6043、PEG−10ジメチコン、動粘度400mm2/〈25℃〉、曇点71℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。なお、このシリコーン化合物含有処理液は、水への溶解性が高く、溶液安定性には優れていたが、水への溶出量が多く残存率が低い傾向にあった。
結果を表1に併せて示す。
実施例1のシリコーン化合物による処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。
結果を表2に示す。
実施例1の親水性のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えて、撥水性のアミノ変性シリコーン(松本油脂株式会社製 NX−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。
結果を表2に併せて示す。
実施例1の親水性のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えて、撥水性のジメチルシリコーン(東レダウコーニング株式会社製 IE−7046T)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。
結果を表2に併せて示す。
実施例1のポリエーテル・アセテート変性シリコーンに代えて、HLB値10のPEGエステル(松本油脂株式会社製 マーベリンDS100)を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得た。
結果を表2に併せて示す。
実施例1の通常繊度のポリエステル繊維からなる繊維質基材(不織布)に代えて、ポリエステル繊維・ポリアミド繊維からなる剥離分割型複合繊維からなる繊維質基材(長繊維不織布)を用いた。
すなわち、第1成分として収縮特性を有するイソフタル酸が共重合されたポリエチレンテレフタレート、第2成分を分子量19000のポリエチレングリコールを2重量%を含有するナイロン−6とする16分割の多層貼合せ型の断面を有する親糸繊度3.0dtexの剥離分割型複合繊維を紡糸した。その紡糸した長繊維をそのままウェブにして油剤を付与し、クロスレイヤーで8枚重ね合わせた後、ペネレイト数1400本/cm2のニードルパンチにて交絡処理を施し、目付250g/m2、厚さ1.22mmの分割前長繊維不織布を得た。次いで、50℃の温水へ浸漬後、打撃式分割機にて剥離分割処理を行った後、分割処理後の不織布を75℃の温水槽中に60秒間浸漬し、第1成分のポリエチレンテレフタレート繊維を収縮させ、全体の面積を45%収縮させて乾燥し、長繊維不織布とした。この長繊維不織布(繊維質基材)の厚さは1.25mm、見掛け密度0.34g/cm3、目付は420g/m2であった。
この不織布を繊維質基材として用いた以外は実施例1と同様に親水性のポリエーテル・アセテート変性シリコーンによる処理を行い、皮革様シート状物(基材)及び銀付調人工皮革を得たところ、非常にソフトなものであった。
実施例7と同じ長繊維不織布を用い、実施例7のシリコーン化合物による処理を行わなかった以外は実施例7と同様にして、シート状物(基材)及び銀付調シートを得た。非常に硬く、皮革様シートとはいえないものであった。
Claims (4)
- 繊維質基材に、シリコーン化合物を含有する処理液を付与し、乾燥し、高分子弾性体溶液を含浸し、凝固する皮革様シート状物の製造方法であって、シリコーン化合物が親水性側鎖を有し、シリコーン化合物が有する親水性側鎖が、ポリエーテル側鎖、ポリエーテル・アセテート側鎖、ポリグリセリン側鎖のいずれか一以上からなるものであり、かつ高分子弾性体溶液が水系エマルジョンであることを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
- シリコーン化合物を含有する処理液が水系処理液である請求項1記載の皮革様シート状物の製造方法。
- 処理液中のシリコーン化合物が分散状態である請求項1または2記載の皮革様シート状物の製造方法。
- 処理液中のシリコーン化合物固形分濃度が0.5〜5重量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮革様シート状物の製造方法。
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