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JP5725766B2 - 駆動装置および光学機器 - Google Patents

駆動装置および光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、モータ駆動装置に関し、特にロータの位置を検出するセンサを有するモータの駆動を制御するモータ駆動装置に関する。
ステッピングモータの駆動を制御する方式として、低速駆動時はオープンループ制御を行い、高速駆動時はフィードバック制御を行うことで幅広い速度での駆動を良好に行うことが可能な方式が提案されている。
図13には、オープンループ制御とフィードバック制御とを組み合わせた従来の制御方式を示す。図13において、横軸はステップ数もしくは時間を、縦軸はモータの回転速度もしくは該モータによって駆動される被駆動部材の駆動速度を示す。tp+tpの期間は加速期間であり、tpは一定速Vcmが維持される期間であり、tp+tpの期間は減速期間である。また、tpはオープンループ制御による加速期間、tpはフィードバック制御による加速期間、tpはフィードバック制御による減速期間、tpはオープンループ制御による減速期間である。さらに、Pcはオープンループ制御からフィードバック制御への切り替え点であり、Pcはフィードバック制御からオープンループ制御への切り替え点である。
加速時には、オープンループ制御により所定速度Vcまで加速した時点でフィードバック制御に切り替えられる。また、減速時には、フィードバック制御により所定速度Vcまで減速した時点でオープンループ制御に切り替えられる。所定速度VcおよびVcはいずれも、オープンループ制御下でステッピングモータに脱調が生じない速度以下に設定された速度である。
また、特許文献1には、複数の加減速パターンをメモリに記憶させておき、ステッピングモータを駆動するステップ数(回転量)に応じて、使用する加減速パターンをメモリから読み出す制御方式が開示されている。
特開昭60−28800号公報
しかしながら、図13に示した制御方式や特許文献1にて開示された制御方式では、オープンループ制御による加速期間tpにて用いられる加速パターンは、そのときにモータに加わる負荷にかかわらず1つに決められる。このため、加速パターンの速度上昇率(図13のグラフの傾き)は、想定される最も大きい負荷が加わった状態でも脱調が生じることなくモータを駆動できるように低く設定される。つまり、負荷が低い場合には加速パターンの速度上昇率を高くすることができるにもかかわらず、常に低い速度上昇率が設定される。
また、図13に示すオープンループ制御からフィードバック制御への切り替え点Pcが1つに決められるため、加速パターンの速度上昇率が低いと、切り替え点Pcの駆動速度Vcまで到達するのに時間を要する。これにより、フィードバック制御によるモータの高速駆動タイミングが遅延する。
本発明は、オープンループ制御での加速パターンやオープンループ制御からフィードバック制御への切り替え速度を負荷の大きさに応じて適切に設定できるようにしたモータ駆動装置およびこれを用いた光学機器を提供する。
本発明の一側面としての駆動装置は、外周面が磁化された円筒形状の磁石を有するロータと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第1の磁極部を有する第1のヨークと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第2の磁極部を有する第2のヨークと、前記第1の磁極部を磁化する第1のコイルと、前記第2の磁極部を磁化する第2のコイルと、を備え、被駆動部材を駆動するモータと、前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、所定の時間間隔で前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるオープンループ駆動手段と、前記位置検出手段の出力に基づいて、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるフィードバック駆動手段と、所定の駆動速度で前記オープンループ駆動手段と前記フィードバック制御手段とを切り替える制御手段と、を有し、前記オープンループ駆動手段は、所定の加速パターンで前記モータを加速させ、前記制御手段は、前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の加速パターンを変更し、かつ前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の駆動速度を変更することを特徴とする。
本発明の他の側面としての光学機器は、外周面が磁化された円筒形状の磁石を有するロータと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第1の磁極部を有する第1のヨークと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第2の磁極部を有する第2のヨークと、前記第1の磁極部を磁化する第1のコイルと、前記第2の磁極部を磁化する第2のコイルと、を備え、レンズを駆動するモータと、前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、所定の時間間隔で前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるオープンループ駆動手段と、前記位置検出手段の出力に基づいて、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるフィードバック駆動手段と、所定の駆動速度で前記オープンループ駆動手段と前記フィードバック制御手段とを切り替える制御手段と、を有し、前記オープンループ駆動手段は、所定の加速パターンで前記モータを加速させ、前記制御手段は、前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の加速パターンを変更し、かつ前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の駆動速度を変更することを特徴とする。
本発明によれば、負荷の大きさに適した速度上昇率でのモータの加速駆動を行うことができるとともに、オープンループ制御からフィードバック制御への切り替えタイミングの不必要な遅延を回避することができる
本発明の実施例1であるモータ駆動装置に用いられるモータの分解斜視図。 実施例1のモータ駆動装置に搭載される駆動回路の構成を示すブロック図。 実施例1におけるヨークと位置センサとロータの位相関係を示す軸方向視断面図。 実施例1におけるロータ位置とモータトルクとの関係およびロータ位置と各信号値との関係を示す図。 上記駆動回路に含まれる進角回路の構成を示す回路図。 上記駆動回路によるモータのFB駆動を示す軸方向視断面図。 上記進角回路から出力される進角信号が所定の進角αを有する場合のロータの回転角度とモータトルクおよび各信号値との関係を示す図。 実施例1における進角を変えたときのトルクと回転数との関係を示す図。 実施例1における負荷に応じた速度線図。 実施例1におけるフレキシブルプリント基板を取り付けた後のモータの外観図。 実施例1におけるフレキシブルプリント基板を取り付けた後のモータの断面図。 本発明の実施例2である撮像装置の側面図。 従来のオープンループ制御とフィードバック制御とを組み合わせた制御方式の例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1であるモータ駆動装置1に用いられるステッピングモータとしてのモータ101を分解して示している。モータ101は、マグネット202aおよびシャフト部202bを有するロータ202と、シャフト部202bを回転可能に支持する第1の軸受け403および第2の軸受け404とを有する。マグネット202aは、その外周が多極着磁された円筒形状の永久磁石であり、その周方向位置(回転方向位置)に応じて径方向での磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。
また、モータ101は、非導電部材で形成されたボビン401と、該ボビン401に巻かれた第1のコイル203と、非導電部材で形成されたボビン402と、該ボビン402に巻かれた第2のコイル204とを有する。また、モータ101は、電磁鋼板等により形成された第1のヨーク205および第2のヨーク206と、ボビン401,402を位置決めするためのリング部材405とを有する。さらに、モータ101は、第1のコイル203および第2のコイル204に通電を行うためのフレキシブルプリント基板406を有する。フレキシブルプリント基板406におけるロータ202周りの2箇所には、図2に示す第1および第2の位置センサ207,208をパッケージ内に含む位置検出素子407が実装される(図11参照)。
ロータ202は、その長軸側の部分が第1の軸受け403により、短軸側の部分が第2の軸受け404により支持されている。これら第1および第2の軸受け403,404はそれぞれ、ボビン401,402に設けられた穴部401a,402a(第1および第2のコイル203,204の内径部)に挿通される。さらに、第1および第2の軸受け403,404の外径部がそれぞれ、第1および第2のヨーク205,206の穴部205a,206aに圧入されて固定される。このとき、第1および第2のヨーク205,206の歯部205,206bがそれぞれ、ボビン401,402に設けられた穴部401,402bに挿通される。
以上により、第1のコイル203を含むボビン401と第1のヨーク205と第1の軸受け403とが一体となり、第2のコイル204を含むボビン402と第2のヨーク206と第2の軸受け404とが一体となる。
ボビン401,402の内径部401c,402cは、リング部材405の外径部405aに嵌合する。このとき、第1および第2のヨーク205,206の歯部205,206bの先端付近が、ロータ202のマグネット面に対向するように配置される。
フレキシブルプリント基板406に形成された穴部406a,406bには、ボビン401,402に設けられた端子部401d,402dがそれぞれ挿通される。端子部401d,402dにはそれぞれ、第1および第2のコイル203,204の巻き線の端部が巻き付けられる。
また、穴部406c,406dにはそれぞれ、第1および第2のヨーク205,206に設けられた突起部205c,206cがそれぞれ挿通される。
図10には、組み立て状態のモータ101およびフレキシブルプリント基板406を示す。フレキシブルプリント基板406の穴部406a〜406dに挿通された端子部401d,402dおよび突起部205c,206cは、フレキシブルプリント基板406に半田付けされる。これにより、フレキシブルプリント基板406と端子部401d,402dに巻かれた第1および第2のコイル203,204の巻き線の端部とが電気的に接続される。また、フレキシブルプリント基板406が、第1および第2のヨーク205,206の突起部205c,206cに固定される。
前述した位置検出素子407は、フレキシブルプリント基板406に形成された折り曲げ部406eに実装される。そして、位置検出素子407は、図11に示すように、該位置検出素子407のセンサ面がロータ202のマグネット面に対向するようにリング部材405に設けられた収納部405b内に配置される。このとき、位置検出素子407のパッケージ面407aは、収納部405bの端面405b−1に当接する。
フレキシブルプリント基板406のうち端子部401d,402dの間の基板面(半田付け面とは反対側の面)406fと折り曲げ部406eのうち位置検出素子407の実装面とは反対側の基板面406gとの間には、弾性部材408が配置されている。つまり、位置検出素子407と基板面406fと基板面406gと弾性部材408とが、端子部401d,402dの間において積層される。図11中の矢印方向に加圧して弾性部材408を圧縮した状態で端子部401d,402dをフレキシブルプリント基板406に半田付けする。これにより、弾性部材408の復元力が位置検出素子407のパッケージ面407aをリング部材405の収納部405bの端面に圧接させる。このため、位置検出素子407はリング部材405の収納部405bに対して位置決めされるとともに、半田付け後の位置検出素子407の位置ずれが防止される。
収納部405bに対する位置決めと位置ずれ防止とがなされることにより、ロータ202の各回転位置に対する位置センサ207,208の出力の変動を抑えることができ、ロータ202の回転位置を正確に検出することができる。
図2には、モータ駆動装置1の構成を示している。モータ駆動装置1は、前述したモータ101と、該モータ101に含まれる2つの位置センサ207,208の出力を処理する位置センサ信号処理回路301と、フィードバック制御およびオープンループ制御のうちいずれかを選択する制御部302とを有する。
また、モータ駆動装置1は、フィードバック制御によるモータ101の駆動を行うフィードバック駆動回路303と、オープンループ制御によるモータ101の駆動を行うオープンループ駆動回路304とを有する。フィードバック駆動回路303およびオープンループ駆動回路304はそれぞれ、フィードバック制御およびオープンループ制御のためのモータ駆動信号を生成してモータドライバ305に出力する。モータドライバ305は、入力されたモータ駆動信号に応じてモータ101の第1および第2のコイル203,204への通電を行う。
制御部302、フィードバック駆動回路303、オープンループ駆動回路304およびモータドライバ305により制御手段が構成される。
次に、オープンループ制御によるモータ101の駆動(以下、OP駆動という)について説明する。
オープンループ駆動回路304は、モータドライバ305を介してモータ101のOP駆動を行う。OP駆動は、所定の時間間隔にて第1および第2のコイル203,204の通電状態を切り替える駆動方法である。具体的には、オープンループ駆動回路304は、制御部302から指令された駆動パルス間隔(駆動周波数)と回転方向に応じて第1および第2のコイル203,204の通電状態を順次切り替える。これにより、ロータ202を、指令駆動周波数に応じた速度で指令回転方向に回転させる。これをOP速度制御ともいう。また、オープンループ駆動回路304は、制御部302から指令された駆動パルス数に応じた角度だけロータ202を回転させるよう第1および第2のコイル203,204の通電状態を切り替える。これを、OP位置制御ともいう。
このように所定の時間間隔(駆動パルス間隔)にて第1および第2のコイル203,204の通電状態を切り替えるOP駆動では、位置検出素子407の検出結果の影響を受けずにコイル通電状態の切り替えタイミングを制御することができる。しかし、モータ101の駆動速度を速く(駆動パルス間隔を短く)すると、コイル通電状態の切り替えに対してロータ202が応答できなくなり、脱調を起こす可能性が高まる。このため、駆動パルス間隔の短さに制限を設ける必要があり、この結果、モータ101の高速駆動が制限される。
次に、フィードバック制御によるモータ101の駆動(以下、FB駆動という)について説明する。
フィードバック駆動回路303は、モータドライバ305を介してモータ101のFB駆動を行う。FB駆動は、位置検出素子407の出力に応じて第1および第2のコイル203,204の通電状態を切り替える駆動方法である。具体的には、フィードバック駆動回路303は、制御部302から指令された駆動パルス数と回転方向および位置検出素子407から出力された検出信号から生成される進角信号に応じて、第1および第2のコイル203,204の通電状態を順次切り替える。これにより、ロータ202を、指令駆動パルス数に対応する角度だけ指令回転方向に回転させることができる。これをFB位置制御ともいう。
また、第1および第2のコイル203,204に供給する電流値または電圧値を制御することで、ロータ202を該電流値または電圧値に応じたトルクで回転させることが可能である。これをFB電流/電圧制御ともいう。さらに、位置検出素子407からの検出信号と上述した進角信号との位相差(進角)を制御することで、モータ101のトルク−回転数特性を変化させることができる。これをFB進角制御ともいう。進角制御については後述する。
このように位置検出素子407の出力に応じて第1および第2のコイル203,204の通電状態を切り替えるFB駆動では、通電状態の切り替えがロータ202の回転位置に合わせて行われる。このため、ロータ202の応答遅れによる脱調の発生を低減でき、モータ101の高速駆動が可能である。
次に、図3を用いてモータ101における第1および第2のヨーク205,206と位置センサ207,208の位相関係について説明する。図中での時計回り方向を正の方向とする。205〜205、図1に205bで示した第1のヨーク205の磁極歯であり、206〜206は第2のヨーク206の磁極歯である。本実施例では、マグネットの極数は8極であり、着磁角Pは45°である。また、第1のヨーク205を基準とすると、第2のヨーク206の位相P/2は−22.5°であり、第1の位置センサ207の位相β1は+22.5°であり、第2のセンサ208の位相β2は−45°である。
以下、電気角を用いてモータ101の動作を説明する。電気角とは、ロータ202のマグネット202aが発生する磁力の1周期を360°として表したものであり、マグネット202aの極数をMとし、実際の角度をθとすると、電気角θは以下の式で表せる。
θ=θ×M/2 (式1−1)
第1のヨーク205と第2のヨーク206の位相差、第1の位置センサ207と第2の位置センサ208の位相差および第1のヨーク205と第1の位置センサ207の位相差は全て電気角で90°である。なお、図3には、第1のヨーク205の磁極歯205〜205の中心とマグネット202aのN極の中心とが径方向にて対向している。この状態をロータ202の初期状態とし、電気角を0°とする。
ここで、モータ101におけるロータ202の回転位置とモータトルクとの関係、およびロータ202の回転位置と各信号値との関係について、図4を用いて説明する。図4(A)には、ロータの回転位置(角度)とモータトルクとの関係を示している。横軸は電気角を、縦軸はモータトルクを示す。モータトルクは、ロータ202を時計回り方向に回転させるトルクを正とする。
第1のコイル203に正方向の電流を流すと、第1のヨーク205がN極に磁化し、マグネット202aの磁極との間に電磁気力が発生する。また、第2のコイル204に正方向の電流を流すと、第2のヨーク206がN極に磁化し、マグネット202aの磁極との間に電磁気力が発生する。2つの電磁気力を合成すると、ロータ202の回転に伴って、トルク曲線A+B+で示す正弦波状のトルクが得られる。他の通電状態においても、同様に、トルク曲線A+B−,A−B−,A−B+で示す正弦波状のトルクが得られる。また、第1のヨーク205は、第2のヨーク206に対して電気角で90°の位相をもって配置されるため、4つのトルクは互いに電気角で90°の位相差を持っている。
図4(B)には、ロータ202の回転位置と各信号値との関係を示している。横軸は電気角を、縦軸は各信号の出力を示す。マグネット202aの径方向の磁力の強さは、電気角に対しておおよそ正弦波状になる。このため、第1の位置センサ207からは、正弦波状の位置センサ信号Aが得られる。なお、本実施例では、第1の位置センサ207は、マグネット202aのN極と対向するときに正の信号値を出力する。
また、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して電気角で90°の位相をもって配置されているため、第2の位置センサ208からは余弦波状の位置センサ信号Bが得られる。なお、本実施例では、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して極性を反転してあるため、マグネット202aのS極と対向するときに正の信号値を出力する。
次に、フィードバック駆動回路303の一部である進角回路について説明する。進角回路は、位置センサ信号処理回路301にて処理された第1の位置センサ207の出力と第2の位置センサ208の出力に基づいて所定の演算を行い、制御部302によって設定される任意の進角を有する第1の進角信号と第2の進角信号を出力する。以下、進角信号の演算方法について説明する。
電気角をθとすると、第1の位置センサ207の出力HE1と、第2の位置センサ208の出力HE2は次のように表される。
HE1=sinθ
HE2=cosθ (式2−1)
また、進角αだけ進めた第1の進角信号をPS1とし、進角αだけ進めた第2の進角信号をPS2とすると、PS1,PS2はそれぞれ、HE1,HE2,αを用いて、以下の演算式により算出される。本実施例では、これらの演算式に基づいて進角回路を構成している。
PS1=sin(θ+α)=HE1×cosα+HE2×sinα (式3−1)
PS2=cos(θ+α)=HE2×cosα−HE1×sinα (式3−2)
図5には、進角回路のアナログ回路による構成例を示している。進角回路では、まず第1および第2の位置センサ207,208の出力を所定の増幅率Aだけ増幅した信号と、それらを反転させた信号とを生成する(Asinθ,Acosθ,−Asinθ,−Acosθ)。次に、これらの信号に適切な抵抗値R1,R2を乗じた上で互いに加算することにより、進角信号を生成する。第1の進角信号PS1および第2の進角信号PS2は次のように表される。
PS1=A×(R/R1)×sinθ+A×(R/R2)cosθ (式4−1)
PS2=A×(R/R1)×cosθ−A×(R/R2)sinθ (式4−2)
可変抵抗R,R1,R2を次のように選ぶことで、任意の進角αだけ進めた進角信号を生成することができる。
R/R1=cosα
R/R2=sinα (式5−1)
さらに、第1の進角信号PS1と第2の進角信号PS2に対してコンパレータを用いて2値化した2値化信号を出力する。
以上説明した進角信号の生成方法は例に過ぎず、これ以外の方法、例えば上記演算をデジタル回路により行う方法で進角信号を生成してもよいし、高分解能のエンコーダを用いて通電状態を切り替えるパルス間隔を調整することで進角信号を生成してもよい。
次に、FB駆動における通電状態の切り替えについて説明する。まず、進角回路から出力される進角信号が有する進角が0の場合についてFB駆動の動作を説明する。
図4(B)において、進角信号Aと進角信号Bは、第1の位置センサ207の出力である位置センサ信号Aと第2の位置センサ208の出力である位置センサ信号Bに対して前述した演算を行って進角を与えた信号に相当する。ここでは、進角が0の場合を示しているため、位置センサ信号Aと進角信号Aは互いに一致し、位置センサ信号Bと進角信号Bは互いに一致している。2値化信号Aと2値化信号Bは、進角信号Aと進角信号Bに対してコンパレータを用いて2値化を行った信号である。
FB駆動では、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203の通電状態を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204の通電状態を切り替える。すなわち、2値化信号Aが正の値を示すときは第1のコイル203に正方向の電流を流し、負の値を示すときは第1のコイル203に負方向(逆方向)の電流を流す。また、2値化信号Bが正の値を示すときは第2のコイル204に正方向の通電を流し、負の値を示すときは第2のコイル204に負方向の通電を流す。
図6には、FB駆動でのモータ101の状態を示している。図6(a)はロータ202が初期状態から電気角135°だけ回転した状態を示している。この状態において、各進角信号は、図4(B)中の(a)で示す値を有し、2値化信号Aは正の値を、2値化信号Bは負の値をそれぞれ有する。したがって、第1のコイル203には正方向の電流が流れて第1のヨーク205はN極に磁化し、第2のコイル204には負方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(A)中の(a)で示すように、トルク曲線A+B−で表される正のトルクがロータ202に作用し、ロータ202は図6における時計回り方向に回転する。
図6(b)はロータ202が初期状態から電気角180°だけ回転した状態を示している。この状態において、第1の位置センサ207はマグネット202aのN極とS極の境界に位置する。このため、図4(B)の(b)に示すように、電気角180°を境として2値化信号Aは正の値から負の値に切り換わり、第1のコイル203の通電方向が正方向から負方向へと切り換わる。この電気角は、トルク曲線A+B−とトルク曲線A−B−との交点の電気角と一致する。
図6(b′)は図6(b)と同じロータ202の回転位置において第1のコイル203の通電方向が切り換わった後の状態を示している。第1のコイル203には負方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204にも負方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(A)中の(b)で示すように、トルク曲線A−B−で表される正のトルクがロータ202に作用し、ロータ202は図6における時計回り方向に回転する。
図6(c)はロータ202が初期状態から電気角225°だけ回転した状態を示している。各進角信号は、図4(B)の(c)に示した値を有し、2値化信号Aは負の値を、2値化信号Bも負の値を有する。したがって、第1のコイル203には負方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204にも負方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(A)中の(c)で示すように、トルク曲線A−B−で表される正のトルクがロータ202に作用し、ロータ202は図6における時計回り方向に回転する。
図6(d)はロータ202が初期状態から電気角270°だけ回転した状態を示している。この状態において、第2の位置センサ208はマグネット202aのN極とS極の境界に位置する。このため、電気角270°を境として2値化信号Bは負の値から正の値に切り換わり、第2のコイル204の通電方向が負方向から正方向へ切り換わる。この電気角は、トルク曲線A−B−とトルク曲線A−B+との交点の電気角と一致する。
図6(d′)図6(d)と同じロータ202の回転位置において第2のコイル204の通電方向が切り換わった後の状態を示している。第2のコイル204には正方向の電流が流れて第2のヨーク206はN極に磁化し、第1のコイル203には負方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化する。このとき、図4(A)中の(d)で示すように、トルク曲線A−B+で表される正のトルクがロータ202に作用し、ロータ202は図6における時計回り方向に回転する。
以上の動作を繰り返すことで、ロータ202を連続的に同じ方向に回転させることが可能となる。また、2値化信号Aまたは2値化信号Bの正負を反転させれば、ロータ202を逆方向に回転させることができる。
次に、進角回路から出力される進角信号が所定の進角αを有する場合のFB駆動の動作を説明する。図7(A)は、進角信号が所定の進角αを有する場合のロータ202の回転位置とモータトルクとの関係を示し、図7(B)は同場合のロータ202の回転位置と各信号値との関係を示している。
図7(B)において、横軸は電気角を、縦軸は各信号値を示す。この図において、位置センサ信号Aに対して進角信号Aが進角αだけ進んでいる。同様に、位置センサ信号Bに対して進角信号Bが進角αだけ進んでいる。また、進角信号A,Bに基づいて生成された2値化信号A,Bもそれぞれ、位置センサ信号A,Bに対して進角αだけ進んでいる。
FB駆動では、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203の通電状態を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204の通電状態を切り替えるため、各コイルの通電状態の切り替えタイミングは、進角が0の場合に比べて進角αだけ早いことになる。
図8には、進角を変えたときのモータ101のトルクと回転数との関係を示している。横軸はモータ101のトルクを、縦軸はモータ101の回転数を示している。このグラフから、モータ101は、進角に応じてトルクと回転数との関係が変化する特性を有することが分かる。この特性を用いて、FB駆動では、駆動条件によって進角を変える進角制御を行う。一定の負荷条件下でFB駆動を行う場合、進角を制御することで、駆動速度を制御することも可能である。
次に、負荷の大きさに応じたモータ101の駆動開始(起動)から目標位置までの制御について説明する。OP駆動とFB駆動とを組み合わせてモータ101の駆動を制御することによって、通常のステッピングモータと同等の精度で目標位置に停止させることができ、しかも通常のステッピングモータよりも高速に目標位置に到達させることができる。さらに、モータ101に加わる負荷の大きさに応じてOP駆動時の加速パターン(所定加速パターン)とOP駆動からFB駆動への切り替え速度(所定速度)を変更することによって、モータ101を負荷に応じた速度で良好に駆動できる。以下、その詳細について説明する。
図9には、モータ101に加わる負荷に応じたモータ101の駆動速度の制御例を示している。図9(a)は、負荷が小さいときの駆動速度の制御例を、図9(b)は負荷が大きいときの駆動速度の制御例を示している。これらの図において、横軸は駆動時間を、縦軸はモータ101(またはモータ101により駆動される不図示の被駆動部材)の駆動速度を示す。t+tの期間は加速期間であり、tは一定速Vcmが維持される期間である。また、t+tの期間は減速期間である。さらに、tはOP駆動の加速期間であり、tはFB駆動の加速期間である。tはFB駆動の減速期間であり、tはOP駆動の減速期間である。
は、OP駆動からFB駆動への切り替え点であり、PはFB駆動からOP駆動への切り替え点である。制御部302は、加速時においては、OP駆動によってモータ101の駆動速度が第1の所定速度Vに達することに応じてFB駆動に切り替える。また、制御部302は、減速時においては、FB駆動によってモータ101の駆動速度が第2の所定速度Vまで低下したことに応じてOP駆動に切り替える。第1および第2の所定速度V,Vはいずれも、OP駆動で脱調しない速度以下の駆動速度であり、本実施例ではV<Vである。
図9(b)において、t′+t′の期間は加速期間であり、t′は一定速Vcm′が維持される期間である。t′+t′の期間は減速期間である。また、t′はOP駆動の加速期間であり、t′はFB駆動の加速期間である。t′はFB駆動の減速期間であり、t′はOP駆動の減速期間である。P′はOP駆動からFB駆動への切り替え点であり、P′はFB駆動からOP駆動への切り替え点である。制御部302は、加速時においては、OP駆動によってモータ101の駆動速度が第1の所定速度V′に達することに応じてFB駆動に切り替える。また、制御部302は、減速時においては、FB駆動によってモータ101の駆動速度が第2の所定速度V′まで低下したことに応じてOP駆動に切り替える。第1および第2の所定速度V′,V′はいずれも、OP駆動で脱調しない速度以下の駆動速度であり、本実施例ではV′<V′である。
図9(a)と図9(b)を比較すると、OP駆動による加速期間の一部であるtとt′にて違いがある。負荷が大きいとき(図9(b))は、負荷が小さいとき(図9(a))と比べて、駆動時間に対する駆動速度の上昇率(図9(a),(b)のグラフの傾き:以下、速度上昇率という)が小さく、緩やかに加速する加速パターンが用いられている。すなわち、t<t′である。
これは、大きな駆動トルクで低速で緩やかに加速駆動を行えば、負荷が大きいとき脱調を生じることなく安定的にモータ101を加速することができるためである。
一方、負荷が小さいとき(図9(a))は、負荷が大きいとき(図9(b))と比べて、速度上昇率が大きく、急速に加速する加速パターンが用いられている。これは、負荷が小さいために、必要なモータトルクも小さく、急加速を行ってもモータ101の正常な駆動が可能だからである。これにより、脱調が生じない範囲でできるだけ早くFB駆動に切り替えることが可能となり、その結果、加速時間を短縮して目標位置に到達するまでに要する時間を少なくすることができる。
次に、図9(a)と図9(b)を比較すると、OP駆動からFB駆動への切り替え点P,P′で違いがある。負荷が大きいとき(図9(b))の切り替え点P′での切り替え速度V′は、負荷が小さいとき(図9(a))の切り替え点Pでの切り替え速度Vよりも低い(V′<V)。これは、負荷が大きい場合の方が脱調限界の速度が低いためである。これにより、脱調が生じることなくFB駆動への安定的な切り替えが可能となる。
このように、本実施例では、負荷の大きさに応じてOP駆動時の加速パターンおよびOP駆動からFB駆動への切り替え速度を変更することで、負荷の状況に応じたモータ駆動を行うことができる。
負荷の大きさに応じて加速パターンおよび切り替え速度を変更する場合に必要となる基準となる加速パターンおよび切り替え速度については、種々の設定方法が考えられる。例えば、モータ101を常温時に想定される負荷範囲(所定値:以下、基準負荷範囲という)で駆動するときの加速パターンと切り替え速度を基準とする。
そして、基準負荷範囲より大きい負荷が生じる場合は、使用する加速パターンを基準加速パターンよりも速度上昇率が低い加速パターンに変更するとともに、使用する切り替え速度を基準切り替え速度より低い切り替え速度に変更する。言い換えれば、負荷の大きさが基準負荷範囲より大きい場合は、該負荷が該基準負荷範囲より小さい場合に比べて、使用する加速パターンにおけるモータ101の速度上昇率を低くするとともに、使用する切り替え速度を低くする。
また、基準負荷範囲より小さい負荷しか生じない場合は、使用する加速パターンを基準加速パターンよりも速度上昇率が高い加速パターンに変更するとともに、使用する切り替え速度を基準切り替え速度より高い切り替え速度に変更する。言い換えれば、負荷の大きさが基準負荷範囲より小さい場合は、該負荷が該基準負荷範囲より大きい場合に比べて、使用する加速パターンにおけるモータ101の速度上昇率を高くするとともに、使用する切り替え速度を高くする。
また、常温よりも高い温度や低い温度で想定される負荷範囲を基準負荷範囲とし、該基準負荷範囲で駆動するときの基準加速パターンと基準切り替え速度を定めてもよい。
さらに、ある駆動回数を基準として、その駆動回数を越えた場合は、使用する加速パターンを基準加速パターンよりも速度上昇率が低い加速パターンに変更するとともに、使用する切り替え速度を基準切り替え速度より低い切り替え速度に変更するようにしてもよい。
使用する加速パターンの設定(変更)方法としては、以下のようなものがある。1つは、制御部302内に設けられた不図示のメモリに速度上昇率と切り替え速度が異なる複数の加速パターンを記憶しておき、制御部302が、負荷の大きさに応じてメモリから1つの加速パターンと切り替え速度を選択する方法である。また、制御部302が、負荷の大きさに応じて随時、加速パターンおよび切り替え速度を演算して設定する方法もある。
ここで、負荷が大きいときと小さいときとは、例えば以下のような場合が考えられる。まず、負荷の大きさが予め分かっている場合と予め分かっていない場合がある。
負荷の大きさが予め分かっている場合としては、モータ101により駆動される被駆動部材の駆動領域において、設計的に負荷の大小が分かっている場合が考えられる。例えば、カメラにおけるレンズ鏡筒(被駆動部材)の繰り出しや繰り込み時に該レンズ鏡筒を駆動するカムにおいて、レンズ鏡筒の駆動負荷が大きいカム領域と小さいカム領域とがある。また、被駆動部材を備えた装置の姿勢によって、被駆動部材を駆動する際の該被駆動部材の自重の影響により負荷の大きさが変化する。また、温度によって被駆動部材の摺動部分に発生する摩擦や潤滑油等の粘度の変化による負荷の変化も考えられる。さらに、モータの回転力を減速機を介して被駆動部材に伝達する機構において、モータの回転方向(駆動方向)が反転した際にバックラッシがあるときとないときとで負荷が変化する(バックラッシがない方が負荷が大きい)。
このように、負荷の大きさが、モータまたは被駆動部材の駆動領域、装置の姿勢、温度および駆動方向に応じて変化する場合は、これらのパラメータに応じて加速パターンおよび切り替え速度を変更すればよい。また、負荷の大きさが、モータまたは被駆動部材の駆動量の累積値に応じて変化する場合には、該駆動量の累積値に応じて加速パターンおよび切り替え速度を変更すればよい。
一方、負荷の大きさが予め分かっていない場合としては、例えば、被駆動部材に外乱が加わる場合がある。この場合は、一時的に負荷が増大する。また、駆動回数や経年変化によるモータおよび被駆動部材の摺動部分の摩擦の変化がある。この場合は、使用する環境や駆動条件によって摺動部の状態が異なり、永続的に初期状態よりも負荷が大きくなることが考えられる。
外乱等、想定外の負荷が生じた場合や装置の初期状態から負荷が増加した場合は、負荷を検出し、該検出された負荷に応じて加速パターンや切り替え速度を変更すればよい。負荷の検出は、例えば、OP駆動によるモータ101の起動時の電圧印加タイミングと位置検出素子407または被駆動部材の移動量を検出する素子からの出力との関係を監視することで行える。例えば、OP駆動による起動時における印加電圧の立ち上がりタイミングから、位置検出素子407や被駆動部材の移動量を検出する素子によってロータ202や被駆動部材が所定量駆動されたことが検出されるまでの遅れ時間から、負荷の大きさを推測できる。つまり、負荷が大きい場合は遅れ時間が長くなり、負荷が小さい場合は遅れ時間が短くなる。
そして、遅れ時間が所定時間内であれば負荷が小さいと判定し、OP駆動時の加速パターンとして速度変化率が大きい加速パターンを使用するとともに、負荷が大きい場合よりも高い切り替え速度でFB駆動への切り替えを行う。一方、遅れ時間が所定時間より長い場合は負荷が大きいと判定し、OP駆動時の加速パターンとして速度変化率が小さい加速パターンを使用するとともに、負荷が小さい場合よりも低い切り替え速度でFB駆動への切り替えを行う。
以上説明したように、本実施例では、モータ101に作用する負荷の大きさに応じてOP駆動時の加速パターンを変更し、かつOP駆動からFB駆動への切り替え速度を変更する。これにより、負荷が大きいときのモータ101の安定的な加速駆動と、負荷が小さいときのモータ101のより高速での加速駆動の双方を実現することができる。
ただし、本発明においては、負荷の大きさと加速パターンにおける速度上昇率およびOP駆動からFB駆動への切り替え速度との関係は、上記関係に限られず、モータ駆動装置を適用する光学機器等の装置に応じて自由に選択することができる。
図12には、実施例1で説明したモータ駆動装置を備えた光学機器としての撮像装置(デジタルカメラ)を示す。
図12(a)は、ズームレンズ鏡筒32が撮像装置の本体31に対して格納される格納位置にある状態を示している。図12(b)は、ズームレンズ鏡筒32が格納位置から本体31に対して突出した撮影スタンバイ位置(本実施例では、ワイド端位置とする)にある状態を示している。さらに、図12(c)は、ズームレンズ鏡筒32が本体31に対してワイド端位置よりもさらに突出したテレ端位置にある状態を示す。34はCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子であり、33は本体31の背面に設けられた液晶モニタ等の表示部である。
ズームレンズ鏡筒32は、撮像装置の電源遮断状態から電源が投入されることに応じて、実施例1で説明したモータ101に相当するモータ1からの駆動力によって、格納位置からワイド端位置にスタンバイ駆動される。そして、本体31に設けられた不図示のズームスイッチが操作されることに応じて、ズームレンズ鏡筒32はワイド端位置とテレ端位置との間の撮影可能位置に伸縮駆動される。また、撮像装置の電源投入状態から電源が遮断されることに応じて、ズームレンズ鏡筒32は、モータ1からの駆動力によって撮影可能位置から格納位置に駆動される。
ズームレンズ鏡筒32内では、モータ1の駆動力によって不図示のカム筒が回転駆動され、該カム筒に形成されたカムによってズームレンズ鏡筒32の伸縮駆動とズームレンズ鏡筒32内での不図示のレンズの移動が行われる。このようなカム機構によって、ズームレンズ鏡筒32は、格納位置とワイド端位置とテレ端位置との間で伸縮駆動(ズーム駆動)される。
上記カム機構において、格納位置とワイド端位置付近との間の領域ではカム筒の回転方向に対するカムの傾斜角が小さい。この領域ではズームレンズ鏡筒32の伸縮量が小さいため、モータ1の負荷も小さい領域である。これに対して、ワイド端とテレ端との間の領域では、カム筒の回転方向に対するカムの傾斜角が大きく、ズームレンズ鏡筒32の伸縮量が大きいため、モータ1の負荷も大きい領域である。
このようなカム機構が採用されている場合においては、格納位置とワイド端位置との間では基準加速パターンよりも速度上昇率が高い加速パターンを使用し、かつ基準切り替え速度よりも高い切り替え速度を設定するとよい。また、ワイド端位置とテレ端位置との間では、基準加速パターンよりも速度上昇率が低い加速パターンを使用し、かつ基準切り替え速度よりも低い切り替え速度を設定するとよい。
このように、モータ1に加わる負荷の大きさに応じてOP駆動における加速パターンとFB駆動への切り替え速度を変更することで、電源投入後のスタンバイ駆動を高速に行わせることができるとともに、ズーム駆動をスムーズに行わせることができる。
なお、本実施例では、撮像装置におけるレンズ鏡筒の駆動にモータを用いる場合について説明したが、本発明のモータ駆動装置は、撮像装置におけるレンズ鏡筒以外の被駆動部材の駆動や、撮像装置以外の光学機器における被駆動部材の駆動にも用いることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
幅広い負荷範囲で安定的にモータを駆動可能なモータ駆動装置およびこれを備えた光学機器を提供できる。
101 モータ
302 制御部
304 オープンループ駆動回路
305 フィードバック駆動回路

Claims (11)

  1. 外周面が磁化された円筒形状の磁石を有するロータと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第1の磁極部を有する第1のヨークと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第2の磁極部を有する第2のヨークと、前記第1の磁極部を磁化する第1のコイルと、前記第2の磁極部を磁化する第2のコイルと、を備え、被駆動部材を駆動するモータと、
    前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、
    所定の時間間隔で前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるオープンループ駆動手段と、
    前記位置検出手段の出力に基づいて、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるフィードバック駆動手段と、
    所定の駆動速度で前記オープンループ駆動手段と前記フィードバック駆動手段とを切り替える制御手段と、を有し、
    前記オープンループ駆動手段は、所定の加速パターンで前記モータを加速させ、
    前記制御手段は、前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の加速パターンを変更し、かつ前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の駆動速度を変更することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より大きい場合は、前記所定の駆動速度を基準駆動速度より小さくし、
    前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より小さい場合は、前記所定の駆動速度を基準駆動速度より大きくすることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より大きい場合は、前記所定の加速パターンの速度上昇率を基準加速パターンの速度上昇率より小さくし、
    前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より小さい場合は、前記所定の加速パターンの速度上昇率を基準加速パターンの速度上昇率より大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記モータに加わる負荷の大きさは、前記モータまたは前記被駆動部材の駆動領域に応じて変化することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記モータに加わる負荷の大きさは、前記駆動装置の姿勢に応じて変化することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記モータに加わる負荷の大きさは、前記モータの駆動方向に応じて変化することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動装置。
  7. 前記モータに加わる負荷の大きさは、前記オープンループ駆動手段が前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるタイミングから前記位置検出手段が前記ロータの回転を検出するタイミングまでの遅延時間に基づいて推測することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動装置。
  8. 外周面が磁化された円筒形状の磁石を有するロータと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第1の磁極部を有する第1のヨークと、前記円筒形状の磁石の前記外周面に対向する第2の磁極部を有する第2のヨークと、前記第1の磁極部を磁化する第1のコイルと、前記第2の磁極部を磁化する第2のコイルと、を備え、レンズを駆動するモータと、
    前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、
    所定の時間間隔で前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるオープンループ駆動手段と、
    前記位置検出手段の出力に基づいて、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電状態を切り替えるフィードバック駆動手段と、
    所定の駆動速度で前記オープンループ駆動手段と前記フィードバック駆動手段とを切り替える制御手段と、を有し、
    前記オープンループ駆動手段は、所定の加速パターンで前記モータを加速させ、
    前記制御手段は、前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の加速パターンを変更し、かつ前記モータに加わる負荷の大きさに応じて前記所定の駆動速度を変更することを特徴とする光学機器。
  9. 前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より大きい場合は、前記所定の駆動速度を基準駆動速度より小さくし、
    前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より小さい場合は、前記所定の駆動速度を基準駆動速度より大きくすることを特徴とする請求項に記載の光学機器。
  10. 前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より大きい場合は、前記所定の加速パターンの速度上昇率を基準加速パターンの速度上昇率より小さくし、
    前記モータに加わる負荷の大きさが基準負荷範囲より小さい場合は、前記所定の加速パターンの速度上昇率を基準加速パターンの速度上昇率より大きくすることを特徴とする請求項8または9に記載の光学機器。
  11. 前記モータに加わる負荷の大きさは、前記レンズの駆動領域に応じて変化することを特徴とする請求項ないし10のいずれか1項に記載の光学機器。
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