以下、本発明に係る中央案内式の軌道系交通システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の中央案内式の軌道系交通システムは、走行路の中央に中央案内軌条を設けた中央案内式の走行設備と、この走行路を走行する軌道系車両と、を備えている。
軌道系車両Vは、図1及び図3に示すように、車体1と、車体1下部の前後にそれぞれ設けられている走行装置2と、を備えている。
走行装置2は、車幅方向に並んでいる一対の走行輪3と、一対の走行輪3相互を連結する車軸4と、車幅方向に並んでいる一対の案内輪5と、一対の案内輪5のそれぞれを転動可能に支持するガイドフレーム6と、車体1の車幅方向の中央位置で車体1の床面に垂直な旋回軸X回りに旋回可能にガイドフレーム6を支持すると共に、この旋回軸X回りのガイドフレーム6の旋回に伴って一対の走行輪3を操舵する操舵リンク機構7と、を備えている。
走行輪3は、その外周部分がゴムで、その内側に気体が封入されたタイヤである。また、案内輪5は、その外周部分が例えばウレタンゴム等の弾性部材で形成されている。
走行設備Eは、図1及び図3に示すように、走行路Rと、この走行路Rの中央に配置されている中央案内軌条10と、分岐装置Dとを備えている。
走行路Rには、本線走行路Ra,Rbと、この本線走行路Ra,Rbから分岐している分岐線走行路Rcとがある。なお、以下では、本線走行路Ra,Rbから分岐線走行路Rcに分岐し始める分岐開始位置BCを基準にして、この分岐開始位置BCに対して進行方向の手前側の本線走行路Raを手前側本線走行路Raとし、この分岐開始位置BCに対して進行方向の先側の本線走行路Rbを先側本線走行路Rbとする。また、本線走行路Ra,Rbを基準として、走行路幅方向で、分岐走行路Rcが延びている側をイン側、このイン側の反対側をアウト側とする。
手前側本線走行路Raの走行路幅方向の中央には、中央案内軌条10である手前側本線軌条(固定軌条)11が固定されている。また、先側本線走行路Rbの走行路幅方向の中央には、手前側本線軌条11から先側本線走行路Rbに沿った方向に間隔を開けて配置されている中央案内軌条10である先側本線軌条(固定軌条)13が固定されている。また、分岐線走行路Rcの走行路幅方向の中央には、手前側本線軌条11から分岐線走行路Rcに沿った方向に間隔を開けて配置されている中央案内軌条10である分岐線軌条(固定軌条)15が固定されている。
走行路Rが存在する領域内で、手前側本線軌条(固定軌条)11と先側本線軌条(固定軌条)13との間、及び手前側本線軌条(固定軌条)11と分岐線軌条(固定軌条)15との間が分岐部を成している。
分岐装置Dは、手前側本線走行路Ra上の軌道系車両Vを,先側本線走行路Rbと分岐線走行路Rcとのいずれか一方の走行路に導く装置である。
この分岐装置Dは、先側本線軌条13に連なり変位可能な中央案内軌条10である本線可動軌条21と、分岐線軌条15に連なり変位可能な中央案内軌条10である分岐線可動軌条25と、本線可動軌条21及び分岐線可動軌条25を変位させる切替機構30と、本線可動軌条21を拘束するロック機構40と、分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45と、を備えている。
本線可動軌条21は、手前側本線軌条11と先側本線軌条13との先側本線走行路Rbに沿った方向の間隔よりも僅かに短い長さである。この本線可動軌条21は、その第一端部23が先側本線軌条13と連なる位置で、この第一端部23に設けられている揺動軸24を中心として揺動可能に設けられている。なお、先側本線軌条13と連なる位置とは、第一端部23が相手方の先側本線軌条13の進行方向の手前側端部14と走行路幅方向の位置が同じであることであり、相手方の先側本線軌条13と向きを対応させることで、互いの間で案内輪15を案内させることが可能な位置のことである。
以下、「軌条と連なる位置」又は「軌条と連なっている」と表現する場合、「連なる」とは、上記のとおり、相手方と対応する端部の走行路幅方向の位置を同じとし、互いの向きを対応させた場合に、案内輪15を案内させることが可能な状態を意味する。
分岐線可動軌条25は、手前側本線軌条11と分岐線軌条15との分岐線走行路Rcに沿った方向の間隔よりも僅かに短い長さである。この分岐線可動軌条25は、その第一端部27が分岐線軌条15と連なる位置で、この第一端部27に設けられている揺動軸28を中心として揺動可能に設けられている。
なお、以上で説明した中央案内軌条10を成す各軌条11,13,15,21,25は、いずれもH型鋼で形成されている。このH型鋼は、図3に示すように、互いに平行な一対のフランジ18が鉛直方向を向き、一対のフランジ18を連結するウェブ19が水平方向を向くように配置されて、中央案内軌条10を成している。H型鋼で形成されている中央案内軌条10は、一対のフランジ18の各外面、つまり互いに相反する方向を向いている面それぞれが案内面29を成している。なお、ここでは、中央案内軌条10としてH型鋼を用いているが、互いに平行で且つ相反する方向を向いている一対の面を有するものであれば、例えば、I型鋼等を用いてもよい。
切替機構30は、本線可動軌条21を揺動させて、この本線可動軌条21の第一端部23と反対側の第二端部22が手前側本線軌条11と連なる案内位置と、この第二端部22が走行路幅方向で手前側本線軌条11の位置と異なる退避位置との間で進退させると共に、分岐線可動軌条25を揺動させて、この分岐線可動軌条25の第一端部27と反対側の第二端部26が手前側本線軌条11と連なる案内位置と、この第二端部26が走行路幅方向で手前側本線軌条11の位置と異なる退避位置との間で進退させる機構である。
この切替機構30は、本線可動軌条21及び分岐線可動軌条25のそれぞれを案内位置と退避位置との間で進退させる進退駆動源である転轍機31と、一方の端部が本線可動軌条21に固定され、他方の端部が下方に延びている支持ポスト35と、一方の端部が分岐線可動軌条25に固定され他方の端部が下方に延びている支持ポスト35bと、本線可動軌条21の支持ポスト35と転轍機31とを接続する接続ロッド32と、分岐線可動軌条25の支持ポスト35bと転轍機31とを接続する接続ロッド32bと、有している。各接続ロッド32は、走行路幅方向に延び、走行路面よりも下側に形成された溝穴G内に配置されている。
転轍機31は、油圧シリンダ、電磁シリンダ、電気モータ等の駆動源を有している。駆動源として、電気モータを利用する場合には、例えば、ラック及びピニオン等を用いて、電気モータの回転運動を直線運動に換える。
なお、ここでは、先側本線走行路Rbよりもアウト側に転轍機31を配置しているが、先側本線走行路Rbよりもイン側に転轍機31を配置してもよい。また、ここでは、転轍機31と本線可動軌条21とを接続ロッド32で接続し、転轍機31と分岐線可動軌条25とを接続ロッド32bで接続しているが、本線可動軌条21と分岐線可動軌条25とを一つの連結リンクで連結し、この連結リンクと転轍機31とを別のリンクで接続するようにしてもよい。
本線可動軌条21を拘束するロック機構40は、図1〜図4、特に図3及び図4に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22側の部分に係合することで、この第二端部22側の部分の走行路幅方向の変位を拘束する係合部材41と、案内位置の本線可動軌条21に係合しているロック状態と本線可動軌条21との係合が解除されているロック解除状態との間で、係合部材41を変化動作させるロック動作機構42と、を備えている。また、分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45は、図1及び図2に示すように、案内位置の分岐線可動軌条25の第二端部26側の部分に係合することで、この第二端部26側の部分の走行路幅方向の変位を拘束する係合部材46と、案内位置の分岐線可動軌条25に係合しているロック状態と分岐線可動軌条25との係合が解除されているロック解除状態との間で、係合部材46を変化動作させるロック動作機構47と、を備えている。すなわち、本線可動軌条21を拘束するロック機構40と分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45とは、拘束対象が異なっている点を除いて、同じ構造である。
ロック動作機構42,47は、切替機構30の接続ロッド32が配置されている溝穴G内に配置されている。
なお、図1及び図2では、本線可動軌条21を拘束するロック機構40と分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45とは、走行路に沿った方向での位置がやや離れて描かれているが、これは作図上の都合によるもので、両ロック機構40,45はここでは近接している。また、図1及び図2では、分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45が、本線可動軌条21を拘束するロック機構40よりも進行方向の先側に配置されているが、逆に、進行方向の手前側に配置してもよい。
次に、本実施形態の分岐装置の動作、及びこの動作に伴う軌道系車両Vのふるまいについて説明する。
まず、手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vを先側本線走行路Rbに導く場合の分岐装置Dの動作、及び、この動作に伴う軌道系車両Vのふるまいについてする。
手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vを先側本線走行路Rbに導く場合、分岐装置Dの切替機構30は、図1、図3及び図4に示すように、本線可動軌条21を案内位置に位置させると共に、分岐線可動軌条25を退避位置に位置させる。この際、分岐線可動軌条25が案内位置に位置し、この分岐線可動軌条25に対するロック機構45の係合部材46がこの分岐線可動軌条25に係合している場合、切替機構30の駆動に伴って、このロック機構45のロック動作機構47が駆動して、係合部材46をロック解除状態に変化動作させて、分岐線可動軌条25との係合を解除させる。
案内位置の本線可動軌条21は、その第一端部23が先側本線軌条13に連なっていると共に、その第二端部22が手前側本線軌条11の進行方向の先側の端部12と連なっている。また、退避位置の分岐線可動軌条25は、その第二端部26の位置が走行路幅方向での手前側本線軌条11の進行方向の先側の端部12の位置と異なっており、軌道系車両Vが先側本線走行路Rbを走行した際に接触し得ないイン側の位置になっている。
切替機構30の駆動で、本線可動軌条21が案内位置に至ると、ロック機構40の係合部材41がこの本線可動軌条21の第二端部22側の部分に係合して、この第二端部22側の部分の走行路幅方向の変位を拘束する。
手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vが、手前側本線軌条11に導かれて、分岐部に進入すると、軌道系車両Vの一対の案内輪5の間に案内位置の本線可動軌条21が位置するようになり、この本線可動軌条21に案内されて、先側本線走行路Rb上を走行する。そして、軌道系車両Vの一対の案内輪5が、本線可動軌条21からこの本線可動軌条21に連なっている先側本線軌条13に移ると、軌道系車両Vは、この先側本線軌条13に案内されつつ、この先側本線軌条13が延びている方向に沿った走行路、つまり、先側本線走行路Rb上を走行する。
次に、手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vを分岐線走行路Rcに導く場合の分岐装置Dの動作、及び、この動作に伴う軌道系車両Vのふるまいについてする。
手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vを分岐線走行路Rcに導く場合、分岐装置Dの切替機構30は、図2に示すように、本線可動軌条21を退避位置に位置させると共に、分岐線可動軌条25を案内位置に位置させる。この際、本線可動軌条21が案内位置に位置し、この本線可動軌条21に対するロック機構40の係合部材41がこの本線可動軌条21に係合している場合、切替機構30の駆動に伴って、このロック機構40のロック動作機構42が駆動して、係合部材41をロック解除状態に変化動作させて、本線可動軌条21との係合を解除させる。
退避位置の本線可動軌条21は、その第二端部22の位置が走行路幅方向での手前側本線軌条11の進行方向の先側の端部12の位置と異なっており、軌道系車両Vが分岐線走行路Rcを走行した際に接触し得ないアウト側の位置になっている。また、案内位置の分岐線可動軌条25は、その第一端部27が分岐線軌条15に連なっていると共に、その第二端部26が手前側本線軌条11の進行方向の先側の端部12と連なっている。
切替機構30の駆動で、分岐線可動軌条25が案内位置に至ると、ロック機構45の係合部材46がこの分岐線可動軌条25の第二端部26側の部分に係合して、この第二端部26側の部分の走行路幅方向の変位を拘束する。
手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vが、手前側本線軌条11に導かれて、分岐部に進入すると、軌道系車両Vの一対の案内輪5の間に案内位置の分岐線可動軌条25が位置するようになり、この分岐線可動軌条25に案内されて、分岐線走行路Rc上を走行する。そして、軌道系車両Vの一対の案内輪5が、分岐線可動軌条25からこの分岐線可動軌条25に連なっている分岐線軌条15に移ると、軌道系車両Vは、この分岐線軌条15に案内されつつ、この分岐線軌条15が延びている方向に沿った走行路、つまり、分岐線走行路Rc上を走行する。
以上のように、本実施形態では、可動軌条21,25と共に、分岐部の走行路を一体的に移動させず、可動軌条21,25のみを移動させて、軌道系車両Vを目的の走行路に導いているので、切替機構30の小型化、及び切替機構30の消費エネルギーの削減を図ることができる。よって、本実施形態では、分岐装置Dのイニシャルコスト及びランニングコストを抑えることができる。
ところで、手前側本線走行路Raを走行中の軌道系車両Vが、手前側本線軌条11に導かれて、分岐部に進入すると、前述したように、軌道系車両Vの一対の案内輪5の間に、案内位置の本線可動軌条21又は分岐線可動軌条25が位置するようになる。この際、案内位置の本線可動軌条21、案内位置の分岐線可動軌条25には、一対の案内輪5のうちのいずれか一方が接触して、走行路幅方向の力を受ける。
本線可動軌条21を例にすると、図4に示すように、一対の案内輪5のうちの一方がこの本線可動軌条21に接触すると、本線可動軌条21は走行路幅方向の力Fを受ける。
仮に、この本線可動軌条21の第二端部22側の部分がロック機構40により変位不能に拘束されていない場合、この本線可動軌条21は、走行路幅方向の力Fに対して、その第二端部22側が切替機構30の接続ロッド32で支持され、その第一端部23が揺動軸24で支持されることになる。
切替機構30の接続ロッド32は、転轍機31の駆動に伴って走行路幅方向に移動して、本線可動軌条21を案内位置と退避位置との間で進退させるもので、本線可動軌条21が案内輪5から受けた走行路幅方向の力Fを受け止めるように設計されていないため、走行路幅方向の剛性が低い。すなわち、本線可動軌条21の第二端部22側の支持剛性が低く、この本線可動軌条21は、実質的に、第一端部23の揺動軸24のみによる片持ち支持の状態である。
このため、本線可動軌条21が案内輪5から走行路幅方向の力Fを受けると、この本線可動軌条21は、走行路幅方向に大きく撓み、案内輪5により案内される軌道系車両Vの挙動が不安定になり、軌道系車両Vの乗り心地が悪化する。さらに、本線可動軌条21が大きく撓む上に、揺動軸24,28にも多大な負荷がかかるため、これらの部品の修理又は交換の頻度が高くなってしまう。
そこで、本実施形態では、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22側の部分をロック機構40により変位不能に拘束している。この結果、この本線可動軌条21は、走行路幅方向に力Fに対して、ロック機構40の係合部材41と揺動軸24との二つで両端支持の状態になる。このため、本実施形態では、本線可動軌条21が案内輪5から走行路幅方向の力Fを受けても、この本線可動軌条21は、走行路幅方向の撓みが小さく、案内輪5により案内される軌道系車両Vの挙動が安定し、軌道系車両Vの乗り心地を向上させることができる。さらに、本線可動軌条21の撓みが小さくなり、揺動軸24に対する負荷も軽減できるため、これらの部品のメンテナンス性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、分岐装置Dのイニシャルコスト及びランニングコストを抑えつつも、可動軌条21,25を安定した状態に支持し、軌道系車両Vの乗り心地や可動軌条21,25等のメンテナンス性を向上させることができる。
なお、以上では、本線可動軌条21の第二端部22側の部分のみにロック機構40を設けているが、図4中、想像線(二点鎖線)で示すように、このロック機構40よりも進行方向の先側にも、さらにロック機構40を設けてもよい。また、同様に、分岐線可動軌条25に対しても、この分岐線可動軌条25の第二端部26側の部分のみならず、さらに進行方向の先側の部分にも、ロック機構45を設けてもよい。このように、可動軌条21,25に対して複数のロック機構40,45を設けることで、可動軌条21,25の撓みをより小さくすることができると共に、揺動軸24,28に対する負荷もより軽減できる。
次に、ロック機構40,45に関する詳細な実施形態について、以下で、説明する。なお、前述したように、本線可動軌条21を拘束するロック機構40と分岐線可動軌条25を拘束するロック機構45とは、その拘束対象が異なっている点を除いて同じ構造であるため、以下では、特に断りなくロック機構40,45と表現する場合は、本線可動軌条21を拘束するロック機構40を示すものとし、この本線可動軌条21を拘束するロック機構40について詳細に説明する。また、以下では、説明の都合上、案内位置の本線可動軌条21が延びている方向をX方向とし、このX方向で本線可動軌条21の進行方向の先側を(+)X側とする。また、走行路幅方向に沿った方向をY方向とし、このY方向で走行路に対するアウト側を(+)Y側とする。また、走行路面に垂直な方向をZ方向とし、このZ方向で走行路面を基準にして軌道系車両Vが存在し得る側、つまり上側を(+)Z側とする。但し、(+)Z側に関しては上側、(−)Z側に関しては下側と表現する場合もある。
[ロック機構の第一実施形態]
以下、第一実施形態としてのロック機構について、図5〜図9を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構100は、図5に示すように、係合部材110をX方向に延びる回動軸121回りに回動させることで、この係合部材110をロック状態とロック解除状態とに変化するよう動作させる機構である。
係合部材110は、図6に示すように、直方体形状の本体部111と、本体部111の上面に、互いに向い合って固定されている一対の爪部115とを有している。一対の爪部115の相互間隔は、本線可動軌条21を保持できるよう、本線可動軌条21の一対の案内面29の相互間隔よりも僅かに広い間隔になっている。なお、図6〜図9中、(a)は切替機構100の平面図、(b)は切替機構100の正面図、(c)は切替機構100の側面図である。
ロック機構100のロック動作機構120は、X方向に延びて係合部材110を回動可能に支持する回動軸121と、係合部材110の回動を規制する規制部材130と、接続ロッド32の移動に伴って規制部材130を移動させる変換手段としての連動機構140と、を有している。
係合部材110は、一対の爪部115がY方向に並んで、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部115の間で保持しているロック状態(図6)と、一対の爪部115のうちの(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置して、本線可動軌条21が係合部材110に対してY方向に相対移動可能なロック解除状態(図9)との間で変化動作できるよう、回動軸121により回動可能に支持されている。この回動軸121は、ロック動作機構120が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。
係合部材110は、回動軸121回りで、一対の爪部115のうちの(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置する方向に、係合部材用バネ(弾性体)122で付勢されている。この係合部材用バネ122は、回動軸121よりも(−)Y側で係合部材110よりも下側に配置されている。この係合部材用バネ122の端部は、ロック動作機構120が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。
規制部材130は、回動軸121よりも(+)Y側に配置されている。この規制部材130には、ロック状態における係合部材110の本体部111の下面に接して、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、係合部材110のロック状態に維持する平坦な第一面131と、第一面131に対して反対側の第二面132及び第三面135と、第一面131に対して垂直で(−)Y側を向いている第四面138と、X方向に貫通したガイド長孔139とが形成されている。
第二面132は、規制部材130の(−)Y側端で第一面131につながる円弧面134と、この円弧面134の(+)Y側端から形成され、第一面131と平行な平坦面133とを有する。第四面138は、第二面132の平坦面133の(+)Y側端からこの平坦面133に対して垂直に形成されている。第三面135は、第四面138の下端となる位置から形成された円弧面137と、この円弧面137の(+)Y側端から形成され、第一面131と平行な平坦面136とを有する。
ガイド長孔139の内面は、互い向かい合い第一面131及び第二面132の平坦面133,136に平行な一対のガイド面139gを有している。
連動機構140は、規制部材130を(−)Y側へ付勢する規制部材用バネ(弾性体)141と、切替機構30が案内位置の本線可動軌条21を退避位置に移動させる過程で、規制部材130を退避位置側、つまり(+)Y側へ押す爪体142と、規制部材130の移動をガイドするガイドローラ145〜148と、を有している。
規制部材用バネ141の端部は、ロック動作機構120が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。また、ガイドローラ145〜148は、X方向に延び且つ回転可能に、この溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。ガイドローラ145〜148としては、ロック状態とロック解除状態との間の遷移時において、規制部材130の第一面131に接する第一ガイドローラ145と、規制部材130の第二面132に接する第二ガイドローラ146と、規制部材130の第三面135に接する第三ガイドローラ147と、規制部材130のガイド長孔139内に挿通され、このガイド長孔139の一対のガイド面139gに接する第四ガイドローラ148とがある。
爪体142は、切替機構30の接続ロッド32に取り付けられている。この接続ロッド32は、転轍機31に接続されているロッド本体33と、ロッド本体33の(−)Y側の端部に、ロッド本体33に対してその長手方向に相対移動可能に取り付けられている連結バー34と、を有している。連結バー34の(+)Y側にはフランジ34fが形成されており、このフランジ34fにより、ロッド本体33に対する連結バー34の相対移動量が制限されている。連結バー34の(−)Y側の端部は、本線可動軌条21に固定されている支持ポスト35に対してピン接合されている。爪体142は、ロッド本体33に、Y方向に延びる軸回りに回転可能に取り付けられている。爪体142は、規制部材130の第四面138に接触可能な押付け面143と、この押付け面143に対して傾斜している傾斜面144とが形成されている。この爪体142は、爪体用バネ(弾性体)により、回転の軸に対して押付け面143側の部分が(+)Z側に付勢されている。
次に、以上で説明したロック機構100の動作について説明する。
まず、係合部材110のロック状態、及びそのときのロック動作機構120の状態について説明する。
する。
図6に示すように、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部115の間で保持している。つまり、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21に係合している。
規制部材130は、その第一面131がZ方向に対して垂直な状態で係合部材110の本体部111の下面に接し、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動を規制している。よって、規制部材130がこの位置に位置する際、係合部材110はロック状態に保持されることになる。また、規制部材130は、その第一面131が第一ガイドローラ145に接触し、その第二面132の平坦面133が第二ガイドローラ146に接触し、その第三面135の平坦面136が第三ガイドローラ147に接触し、そのガイド長孔139のガイド面139gが第四ガイドローラ148に接している。なお、規制部材130の第一面131、第二面132の平坦面133、第三面135の平坦面136、ガイド長孔139のガイド面139gは、第一面131がZ方向に対して垂直であるから、これらの面もZ方向に垂直な状態である。
接続ロッド32に取り付けられている爪体142の押付け面143は、規制部材130の第四面138に接しており、規制部材用バネ14により(−)Y側に付勢されている規制部材130の(−)Y側への移動を規制している。
接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
ここで、各ガイドローラ145〜148の位置関係について簡単に説明する。
仮に、ロッド本体33に対する連結バー34の最大相対移動距離をY1とする。また、ロック状態の係合部材110で係合部材用バネ122から付勢力を受ける点と、係合部材110が規制部材130に対して係合部材用バネ122からの付勢力を作用させる作用点との間のY方向の寸法の半分をY2とする。
第二ガイドローラ146は、係合部材110がロック状態のときの前述の作用点から、(+)Y側にY2の距離の位置に設けられている。また、第一ガイドローラ145及び第四ガイドローラ148は、この第二ガイドローラ146から、(+)Y側にY2の距離の位置に設けられている。また、規制部材130の第三面135の平坦面133で第三ガイドローラ147が接触している位置から、この第三面135の円弧面137までの距離は、Y1より若干長くなっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために切替機構30の転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。
一方、図7に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めると、ロッド本体33に取り付けられている爪体142は、このロッド本体33の移動に伴って(+)Y側に移動し始める。このため、この爪体142の押付け面143に、その第四面138が接している規制部材130も、爪体142に押されて、(+)Y側に移動し始める。この結果、係合部材110と規制部材130の第一面131とが接触しなくなる。この際、第二ガイドローラ146は、規制部材130の第二面132の平坦面133と円弧面134との境に位置し、第三ガイドローラ147は、規制部材130の第三面135の平坦面136と円弧面137との境に位置する。また、接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。
係合部材110と規制部材130の第一面131とが接触しなくなると、図8に示すように、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動が規制されなくなるため、係合部材110の(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置して、本線可動軌条21が係合部材110に対してY方向に相対移動可能なロック解除状態になる。
この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、図8及び図9に示すように、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。
また、規制部材130は、ロッド本体33に取り付けられている爪体142に押されて(+)Y側に移動しつつも、第二ガイドローラ146が第二面132の円弧面134に接し、第三ガイドローラ147が第三面135の円弧面137に接するようになるため、これら第二ガイドローラ146及び第三ガイドローラ147にガイドされて、規制部材130の第一面131が傾斜し始める。つまり、規制部材130の(−)Y側の端部が下がり、(+)Y側の端部が上がってくる。この結果、規制部材130の第四面138とロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143とが接触しなくなり、規制部材130はロッド本体33と共に(+)Y側へ移動しなくなる。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
規制部材130は、その第四面138とロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143とが接触しなくなると、規制部材用バネ141の付勢力により(−)Y側に移動し、図9中に想像線(二点鎖線)で示すように、図6に示す位置とほぼ同じ位置に戻る。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構100の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために切替機構30の転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21の(−)Y側の案内面29が係合部材110の(−)Y側の爪部115に接触すると、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、(+)Y側の爪部115が上がる向きに回動し始める。そして、この係合部材110は、本線可動軌条21が案内位置に至った時点で、この本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向した前述のロック状態になる。
以上の接続ロッド32の移動過程で、ロッド本体33に取り付けられている爪体142の傾斜面144が規制部材130の第三面135の円弧面137に接触すると、爪体142に押付け面143側が下方に下がる。そして、爪体142の傾斜面144が規制部材130の第三面135の円弧面137に接触しなくなると、爪体142の押付け面143側が爪体用バネにより上へ押し上げられ、爪体142の押付け面143が規制部材130の第四面138に接触するようになる。この結果、ロック機構100は、図6を用いて説明した状態に戻る。
[ロック機構の第二実施形態]
次に、第二実施形態としてのロック機構について、図10〜図13を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構150も、第一実施形態と同様、係合部材110をX方向に延びる回動軸121回りに回動させることで、係合部材110をロック状態とロック解除状態と変化動作させる機構である。
ロック機構150の係合部材110は、図10に示すように、第一実施形態と同一である。ロック機構150のロック動作機構160は、第一実施形態の同一の回動軸121と、係合部材110の回動を規制する規制部材170と、接続ロッド32の移動に伴って規制部材170を移動させる変換手段としての連動機構180と、を有している。なお、図10〜図13中、(a)はロック機構150の平面図、(b)はロック機構150の正面図、(c)はロック機構150の側面図である。
係合部材110は、第一実施形態と同様、回動軸121回りで、一対の爪部115のうちの(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置する方向に、係合部材用バネ122(弾性体)で付勢されている。
規制部材170は、第一実施形態と同様、回動軸121よりも(+)Y側に配置されている。この規制部材170には、ロック状態における係合部材110の本体部111の下面に接して、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、係合部材110のロック状態に維持する第一面171と、第一面171に対して傾斜している第三面175と、第一面171に対して垂直で(−)Y側を向いている第四面178と、第一面171に対して垂直な方向に貫通したガイド長孔179とが形成されている。
第三面175は、規制部材170の(+)Y側に形成されている。この第三面175は、(+)Y側に向うに連れて第一面171に近づく向きに傾斜している。第四面178は、第三面175の(−)Y側の縁から形成されている。
連動機構180は、第一実施形態と同様、規制部材170を(−)Y側へ付勢する規制部材用バネ(弾性体)141と、切替機構30のロッド本体33に取り付けられている爪体142と、を有している。さらに、本実施形態の連動機構180は、規制部材170のY方向の移動をガイドする水平移動ガイドロッド181と、Y方向に対して傾斜した方向への規制部材170の移動をガイドする傾斜移動ガイド部材182と、を有している。
水平移動ガイドロッド181は、規制部材170のガイド長孔179に挿通された状態でZ方向に延び、ロック動作機構160が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。傾斜移動ガイド部材182は、ロック動作機構160が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定され、(+)Y側に向うに連れて(+)Z側に近づく向きに傾斜している傾斜面184が形成されている。
次に、以上で説明したロック機構150の動作について説明する。
まず、係合部材110のロック状態、及びそのときのロック動作機構160の状態について説明する。
第一実施形態と同様、図10に示すように、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部115の間で保持している。つまり、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21と係合している。
規制部材170は、第一実施形態と同様、その第一面171がZ方向に対して垂直な状態で係合部材110の本体部111の下面に接し、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動を規制している。よって、規制部材170がこの位置に位置する際、係合部材110はロック状態に保持されることになる。また、規制部材170は、その第三面175が、傾斜移動ガイド部材182の傾斜面184と離間しており、その第四面178が、ロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143に接している。
接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図11に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。
一方、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めると、第一実施形態と同様、ロッド本体33に取り付けられている爪体142は、このロッド本体33の移動に伴って(+)Y側に移動し始める。このため、この爪体142の押付け面143に、その第四面178が接している規制部材170も押されて、(+)Y側に移動し始める。この結果、係合部材110と規制部材170の第一面171とが接触しなくなる。この際、接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。
係合部材110と規制部材170の第一面171とが接触しなくなると、第一実施形態と同様、図12に示すように、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動が規制されなくなるため、係合部材110の(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置して、本線可動軌条21が係合部材110に対してY方向に相対移動可能なロック解除状態になる。
この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、図13に示すように、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。
また、規制部材170は、ロッド本体33に取り付けられている爪体142に押されて(+)Y側に移動しつつも、その第三面175が傾斜移動ガイド部材182の傾斜面144に接するようになるため、上側へ移動し始める。この結果、規制部材170の第四面178とロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143とが接触しなくなり、規制部材170はロッド本体33と共に(+)Y側へ移動しなくなる。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
規制部材170は、その第四面178とロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143とが接触しなくなると、規制部材用バネ141の付勢力により(−)Y側に移動し、図13中に想像線(二点鎖線)で示すように、図10に示す位置とほぼ同じ位置に戻る。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構150の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21の(−)Y側の案内面29が係合部材110の(−)Y側の爪部115に接触すると、第一実施形態と同様、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、(+)Y側の爪部115が上がる向きに回動し始める。そして、この係合部材110は、本線可動軌条21が案内位置に至った時点で、この本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向した前述のロック状態になる。
以上の接続ロッド32の移動過程で、ロッド本体33に取り付けられている爪体142の傾斜面144が規制部材170の第三面175に接触すると、爪体142に押付け面143側が下方に下がる。そして、爪体142の傾斜面144が規制部材170の第三面175に接触しなくなると、爪体142の押付け面143側が爪体用バネにより上へ押し上げられ、爪体142の押付け面143が規制部材170の第四面178に接触するようになる。この結果、ロック機構150は、図10を用いて説明した状態に戻る。
[ロック機構の第三実施形態]
次に、第三実施形態としてのロック機構について、図14〜図16を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構200も、第一及び第二実施形態と同様、係合部材110をX方向に延びる回動軸121回りに回動させることで、係合部材110をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
ロック機構200の係合部材110は、図14に示すように、第一及び第二実施形態と同一である。ロック機構200のロック動作機構210は、第一及び第二実施形態の同一の回動軸121と、係合部材110の回動を規制する規制部材220と、接続ロッド32の移動に伴って規制部材220を移動させる変換手段としての連動機構230と、を有している。なお、図14〜図16中、(a)はロック機構200の平面図、(b)はロック機構200の正面図、(c)はロック機構200の側面図である。
係合部材110は、第一及び第二実施形態と同様、回動軸121回りで、一対の爪部115のうちの(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置する方向に、係合部材用バネ(弾性体)122で付勢されている。
規制部材220は、係合部材110の回動軸121よりも(+)Y側に配置されている。この規制部材220は、Z方向に延びる規制部材用回動軸229回りに回転可能に設けられている。この規制部材用回動軸229は、ロック動作機構210が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。この規制部材220には、ロック状態における係合部材110の本体部111の下面に接して、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、係合部材110のロック状態に維持する第一面221と、第一面221に対して垂直な第三面225及び第四面228とが形成されている。第三面225は、(+)Y側を向く面で、規制部材220の(+)Y側に形成されている。第四面228は、(−)Y側を向く面で、第三面225よりも(−)Y側に形成されている。
連動機構230は、第一及び第二実施形態と同様、接続ロッド32のロッド本体33に取り付けられている爪体142を有している。さらに、連動機構230は、規制部材用回動軸229回りの一方の向きCW(図14)と反対の向きCCWへ規制部材220を付勢する規制部材用バネ(弾性体)231を有している。
次に、以上で説明したロック機構200の動作について説明する。
まず、係合部材110のロック状態及びそのときのロック動作機構210の状態について説明する。
第一及び第二実施形態と同様、図14に示すように、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部115の間で保持している。つまり、ロック状態の係合部材110は、案内位置の本線可動軌条21と係合している。
規制部材220は、第一及び第二実施形態と同様、その第一面221が係合部材110の本体部111の下面に接し、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動を規制している。よって、規制部材220がこの位置に位置する際、係合部材110はロック状態に保持されることになる。また、規制部材220は、その第四面228が、ロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143に接している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
以上の状態から、図15に示すように、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32のロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。
一方、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めると、第一及び第二実施形態と同様、ロッド本体33に取り付けられている爪体142は、このロッド本体33の移動に伴って(+)Y側に移動し始める。このため、この爪体142の押付け面143により規制部材220の第四面228が押されて、規制部材220は、規制部材用回動軸229回りの一方の向きCWに回動し始める。この結果、係合部材110と規制部材220の第一面221とが接触しなくなる。この際、接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。
係合部材110と規制部材220の第一面221とが接触しなくなると、第一及び第二実施形態と同様、図16に示すように、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力による係合部材110の回動が規制されなくなるため、係合部材110の(+)Y側の爪部115が(−)Y側の爪部115よりも下方に位置して、本線可動軌条21が係合部材110に対してY方向に相対移動可能なロック解除状態になる。
この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。
また、規制部材220は、ロッド本体33に取り付けられている爪体142に押されて、規制部材用回動軸229回りの一方の向きCWに回動する過程で、Z方向に対して垂直な面内方向での位置が爪体142からズレて、規制部材220の第四面228とロッド本体33に取り付けられている爪体142の押付け面143とが接触しなくなる。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構200の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21の(−)Y側の案内面29が係合部材110の(−)Y側の爪部115に接触すると、第一及び第二実施形態と同様、係合部材110は、係合部材用バネ122の付勢力に抗して、(+)Y側の爪部115が上がる向きに回動し始める。そして、この係合部材110は、本線可動軌条21が案内位置に至った時点で、この本線可動軌条21の一対の案内面29のそれぞれに係合部材110の爪部115が対向した前述のロック状態になる。
以上の接続ロッド32の移動過程で、ロッド本体33に取り付けられている爪体142の傾斜面144が規制部材220の第三面225に接触すると、爪体142に押付け面143側が下方に下がる。そして、爪体142の傾斜面144が規制部材220の第三面225に接触しなくなると、爪体142の押付け面143側が爪体用バネにより上へ押し上げられ、爪体142の押付け面143が規制部材220の第四面228に接触するようになる。この結果、ロック機構200は、図14を用いて説明した状態に戻る。
[ロック機構の第四実施形態]
次に、第四実施形態としてのロック機構について、図17〜図19を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構250は、図18に示すように、係合部材260の一対の爪部265をX方向に延びる回動軸263回りに回動させることで、係合部材260をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図18〜図19中、(a)はロック機構250の平面図、(b)はロック機構250の正面図、(c)はロック機構250の側面図である。
係合部材260の一対の爪部265は、いずれも、係合部材260の本体部261に対して、X方向に延びる回動軸263回りに回動可能に設けられている。各爪部265は、矩形板状の第一片部266と、この第一片部266の端に第一片部266に対して直角に設けられている第二片部267とを有している。回動軸263は、各爪部265の第一片部266と第二片部267との結合部分に位置している。各爪部265の第一片部266が互いに向かい合い且つ平行な状態のときの、各爪部265の第一片部266間の相互間隔は、このときに本線可動軌条21を保持できるよう、本線可動軌条21の一対の案内面29の相互間隔よりも僅かに広い間隔になっている。各爪部265は、各爪部265の第一片部266の端の相互間隔が広がる向きに、巻きバネ(弾性体)264により付勢されている。
ロック機構250のロック動作機構270は、爪部265に関する前述の回動軸263及び巻きバネ264と、係合部材260を上下移動させる、つまり係合部材260を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ271と、アクチュエータ271の駆動スイッチ275と、を有している。アクチュエータ271は、上下方向に延びる駆動ロッド272と、この駆動ロッド272を上下動可能に支持するケーシング273とを有している。アクチュエータ271のケーシング273は、ロック動作機構270が配置されている溝穴G内の底面に固定されている。また、駆動ロッド272の上端には、係合部材260の本体部261が取り付けられている。すなわち、係合部材260は、このアクチュエータ271により支持されている。
アクチュエータ271に支持されている係合部材260は、Z方向に垂直な面内方向の位置が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部265で保持できる位置である。
接続ロッド32のロッド本体33には、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。この駆動スイッチ275は、接続ロッド32が配置されている溝穴Gの底面に固定されている。
次に、以上で説明したロック機構250の動作について説明する。
まず、係合部材260のロック状態及びそのときのロック動作機構270の状態について説明する。
ロック状態における係合部材260の爪部265は、図18に示すように、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29それぞれに係合部材260の爪部265の第一片部266が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部265の各第一片部266の間で保持している。また、爪部265の第二片部267は、この本線案内軌条21の下端と接している。このため、巻きバネ264の付勢力よる各爪部265の回動が本線案内軌条21により規制されている。つまり、巻きバネ264によって付勢されている各爪部265は、各爪部265の第一片部266の端の相互間隔が広がらない状態になっている。
この際、一対の爪部265の各第一片部266は、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部における一対の案内面29にも対向している。また、一対の爪部265の各第二片部267は、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条11の下端にも接している。つまり、係合部材260は、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
また、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、図19に示すように、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ271が駆動し、駆動ロッド272が下降し始める。係合部材260は、この駆動ロッド272の下降に伴い下降する。係合部材260が下降すると、この係合部材260の一対の爪部265の第二片部267が本線可動軌条21の下端及び手前側本線軌条11の下端に接触しなくなり、巻きバネ264による付勢力で、各爪部265は、各爪部265の第一片部266の端の相互間隔が広がった状態になる。そして、本線可動軌条21がY方向に移動しても、この本線可動軌条21に係合部材260が接触し得ないロック解除状態になるまで下降すると、アクチュエータ271は停止する。
アクチュエータ271が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構250の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ271が駆動し、駆動ロッド272が上昇し始める。係合部材260は、この駆動ロッド272の上昇に伴い上昇する。係合部材260が上昇すると、この係合部材260の一対の爪部265の第二片部267が本線可動軌条21の下端及び手前側本線軌条(固定軌条)11の下端に接触することになる。このため、係合部材260の上昇に伴って、係合部材260の一対の爪部265の第二片部267が本線可動軌条21の下端及び手前側本線軌条11の下端に押されて、各爪部265は、各爪部265の第一片部266の端の相互間隔が狭くなってくる。そして、アクチュエータ271の駆動ロッド272が図18の位置まで上昇すると、係合部材260は、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29及び手前側本線軌条11の一対の案内面29それぞれに係合部材260の爪部265の第一片部266が対向した前述のロック状態になる。
ところで、本実施形態では、以上の第一から第三実施形態と異なり、図17及び図18に示すように、係合部材260が、ロック状態の際、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11との両方に係合する。一方、第一から第三実施形態では、係合部材110が、ロック状態の際、案内位置の本線可動軌条21にのみ係合する。これは、第一から第三実施形態における係合部材110の全体が本線可動軌条21のY方向の移動に伴ってX方向に延びる軸回りに回動するため、この係合部材260が固定軌条である手前側本線軌条11に係合していると、係合部材1100の回動がこの手前側本線軌条11に規制されるからである。一方、本実施形態では、本線可動軌条21が案内位置に存在して手前側本線軌条(固定軌条)11と連なっている状態のままで、係合部材260が上下動し、係合部材260の爪部265が回動できる構造であるため、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11との両方に、この係合部材260を係合させることができる。すなわち、本実施形態のロック機構250は、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11との両方に係合可能な端部ロック機構を成している。
以上のように、本実施形態では、係合部材260が、ロック状態の際、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11との両方に係合するので、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との継ぎ目における段差を小さくでき、軌道系車両Vが本線走行路Ra,Rbから分岐線走行路Rcに分岐する分岐部を通過する際の乗り心地をよくすることができる。さらに、本実施形態では、案内位置の本線可動軌条21が軌道系車両Vの案内輪5から受ける力Fを、係合部材260と共に手前側本線軌条(固定軌条)11とで受けることになるため、第一から第三実施形態よりも、本線可動軌条21の第二端部22を強固に支持することができる。
また、本実施形態では、図18及び図19に示すように、係合部材260に対して、可動軌条が(+)Y側から近づいてくる場合でも(−)Y側から近づいてくる場合でも、この係合部材260は何ら支障なく可動軌条に係合できる。したがって、本実施形態の係合部材260は、自身に対して、(+)Y側に位置している退避位置の本線可動軌条21が近づいてくる場合でも、(−)Y側に位置している退避位置の分岐線可動軌条25が近づいてくる場合でも、本線可動軌条21及び分岐線可動軌条25のそれぞれに係合することができる。
このため、本実施形態のロック機構250は、図17に示すように、本線可動軌条21に対する端部ロック機構250と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構250とを兼ねている。但し、この場合、係合部材260を基準にして、(+)Y側で進退移動する本線可動軌条21及び(−)側で進退移動する分岐線可動軌条25のそれぞれに対して、アクチュエータ271が駆動する必要がある。そこで、本実施形態では、図17に示すように、本線可動軌条21の接続ロッド32に対して、X方向にズレた位置に配置されている分岐線可動軌条25の接続ロッド32bのロッド本体33には、図18に示すように、X方向に延びて駆動スイッチ275に接触可能な接触端37bが形成されている。
このように、本実施形態のロック機構250は、本線可動軌条21に対する端部ロック機構と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構とを兼ねているため、本線可動軌条21が案内位置に存在し、分岐線可動軌条25が退避位置に存在している場合には、案内位置の本線可動軌条21を拘束し、本線可動軌条21が退避位置に存在し、分岐線可動軌条25が案内位置に存在している場合には、案内位置の分岐線可動軌条25を拘束する。
[ロック機構の第五実施形態]
次に、第五実施形態としてのロック機構について、図20及び図21を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構300は、第四実施形態と同様、係合部材310の一対の爪部315をX方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材310をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図20及び図21中、(a)はロック機構300の平面図、(b)はロック機構300の正面図、(c)はロック機構300の側面図である。
係合部材310の一対の爪部315は、いずれも、矩形板状を成し、その面がX方向に平行に、係合部材310の本体部311に取り付けられている。各爪部315のX方向の両端部には、X方向延びる回動軸313が固定されている。各爪部315は、この回動軸313を中心に回動可能に本体部311に取り付けられている。係合部材310の本体部311は、第四実施形態と異なり、ロック動作機構320が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。この係合部材310は、第四実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部315で保持できる位置に配置されている。
ロック機構300のロック動作機構320は、爪部315に関する前述の回動軸313と、一対の爪部315のうちの一方の爪部315を回動軸313回りに回動させる、つまり係合部材310を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ321と、アクチュエータ321の駆動に伴う一方の爪部315の回動で他方の爪部315を回動させる回動伝達機構324と、アクチュエータ321の駆動スイッチ275と、を有している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四実施形態と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。また、分岐線可動軌条25に関する接続ロッド32bのロッド本体33には、第四実施形態と同様、ロッド本体33からX方向に延びて、駆動スイッチ275に接触可能な接触端37が形成されている。
次に、以上で説明したロック機構300の動作について説明する。
まず、係合部材310のロック状態及びそのときのロック動作機構320の状態について説明する。
ロック状態における係合部材310は、図20に示すように、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29それぞれに係合部材310の爪部315が対向し、この本線可動軌条21を一対の爪部315の間で保持している。この際、一対の爪部315は、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29にも対向している。つまり、係合部材310は、第四実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
また、駆動スイッチ275は、本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、図19に示すように、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ321が駆動し、一対の爪部315は、回動軸313を中心として、互いに反対向きに回動して、一対の爪部315の各端部の相互間が広がる。そして、一対の爪部315の各端部が相反する向きに向くと、アクチュエータ321は停止する。この係合部材310は、一対の爪部315の各端部が相反する向きに向いた状態がロック解除状態である。
アクチュエータ321が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構300の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ321が駆動し、一対の爪部315は、回動軸313を中心として、互いに反対向きに回動して、一対の爪部315の各端部の相互間が狭まる。そして、一対の爪部315が、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条11のそれぞれに係合部材310の爪部315が対向すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ321は停止する。
なお、本実施形態のロック機構300も、第四実施形態と同様、本線可動軌条21に対する端部ロック機構と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構を兼ねている。このため、本実施形態でも、本線可動軌条21が案内位置に存在し、分岐線可動軌条25が退避位置に存在している場合には、案内位置の本線可動軌条21を拘束し、本線可動軌条21が退避位置に存在し、分岐線可動軌条25が案内位置に存在している場合には、案内位置の分岐線可動軌条25を拘束する。
[ロック機構の第六実施形態]
次に、第六実施形態としてのロック機構について、図22及び図23を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構300aは、係合部材310の一対の爪部315のうち、一方の爪部315aをX方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材310をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図22及び図23中、(a)はロック機構300aの平面図、(b)はロック機構300aの正面図、(c)はロック機構300aの側面図である。
係合部材310aの一対の爪部315,315aは、いずれも、矩形板状を成し、その面がX方向に平行に、係合部材310aの本体部311に取り付けられている。一対の爪部315のうち、一方の爪部315のX方向の両端部には、X方向延びる回動軸313が固定されている。この一方の爪部315は、この回動軸313を中心に回動可能に本体部311に取り付けられている。また、他方の爪部315aは、係合部材310aの本体部311に固定されている。この係合部材310aの本体部311は、第五実施形態と同様、ロック動作機構320が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。また、この係合部材310aは、第四及び第五実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部315で保持できる位置に配置されている。
ロック機構300aのロック動作機構320aは、一対の爪部315,315aのうちの一方の爪部315に関する前述の回動軸313と、この一方の爪部315を回動軸313回りに回動させる、つまり係合部材310aを変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ321と、アクチュエータ321の駆動スイッチ275と、を有している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四及び第五実施形態と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。
次に、以上で説明したロック機構300aの動作について説明する。
まず、係合部材310aのロック状態及びそのときのロック動作機構320aの状態について説明する。
ロック状態における係合部材310aは、図20に示すように、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29、さらに、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材310aの爪部315,315aが対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部を一対の爪部315の間で保持している。
接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。また、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ321が駆動し、係合部材310aの一方の爪部315は、回動軸313を中心として、一対の爪部315,315aの各端部の相互間が広がる向きに回動する。そして、本体部311に固定されている他方の爪部315aに対して一方の爪部315が垂直になると、アクチュエータ321は停止する。この係合部材310aは、本体部311に固定されている他方の爪部315aに対して一方の爪部315が垂直になった状態がロック解除状態である。
アクチュエータ321が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構300aの動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ321が駆動し、一方の爪部315は、回動軸313を中心として、一対の爪部315,315aの各端部の相互間が狭まる向きに回動する。そして、一対の爪部315,315aが互いに平行になって対向すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ321は停止する。
[ロック機構の第七実施形態]
次に、第七実施形態としてのロック機構について、図24〜図26を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構350は、図24に示すように、係合部材410をZ方向に移動させることで、この係合部材410をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
係合部材410は、図25に示すように、直方体形状の本体部361と、本体部361の上面に、互いに向い合って固定されている一対の爪部365とを有している。本体部361には、X方向に貫通し、Z方向に長い2つのガイド長孔362が形成されている。なお、図25及び図26中、(a)はロック機構350の平面図、(b)はロック機構350の正面図、(c)はロック機構350の側面図である。
ロック機構350のロック動作機構370は、X方向に延びて係合部材410のガイド長孔362に挿通されているガイドロッド364と、係合部材410を上下方向に移動させる、つまり係合部材410を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ271と、アクチュエータ271の駆動スイッチ275と、を有している。
ガイドロッド364は、ロック動作機構370が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。
アクチュエータ271は、第四実施形態と同様、上下方向に延びる駆動ロッド272と、この駆動ロッド272を上下動可能に支持するケーシング273とを有している。アクチュエータ271のケーシング273は、ロック動作機構370が配置されている溝穴G内の底面に固定されている。また、駆動ロッド272の上端には、係合部材410の本体部361が取り付けられている。すなわち、係合部材410は、このアクチュエータ271により支持されている。
アクチュエータ271に支持されている係合部材410は、Z方向に垂直な面内方向の位置が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部365で保持できる位置である。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四〜第六実施形態と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。また、分岐線可動軌条25に関する接続ロッド32bのロッド本体33には、第四及び第五実施形態と同様、ロッド本体33からX方向に延びて、駆動スイッチ275に接触可能な接触端37bが形成されている。
次に、以上で説明したロック機構350の動作について説明する。
まず、係合部材410のロック状態及びそのときのロック動作機構370の状態について説明する。
ロック状態における係合部材410は、図25に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部における一対の案内面29のそれぞれに係合部材410の爪部365が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部365の間で保持している。つまり、係合部材410は、第四〜第六実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。また、駆動スイッチ275は、本体可動軌条に関する接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ271が駆動し、図26に示すように、駆動ロッド272が下降し始める。係合部材410は、この駆動ロッド272の下降に伴い下降する。そして、係合部材410の一対の爪部365が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで係合部材410が下降すると、アクチュエータ271は停止する。この係合部材410は、一対の爪部365が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
アクチュエータ271が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、そのフランジ34fにより、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構350の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ271が駆動し、駆動ロッド272が上昇し始める。係合部材410は、この駆動ロッド272の上昇に伴い上昇する。そして、係合部材410の一対の爪部365が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向し、係合部材410の本体部361の上面が本線可動軌条21と手前側本線軌条11に接すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ271は停止する。
なお、本実施形態のロック機構350も、第四実施形態等と同様、本線可動軌条21に対する端部ロック機構と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構とを兼ねている。このため、本実施形態でも、本線可動軌条21が案内位置に存在し、分岐線可動軌条25が退避位置に存在している場合には、案内位置の本線可動軌条21を拘束し、本線可動軌条21が退避位置に存在し、分岐線可動軌条25が案内位置に存在している場合には、案内位置の分岐線可動軌条25を拘束する。
[ロック機構の第八実施形態]
次に、第八実施形態としてのロック機構について、図27〜図29を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構400も、第七実施形態と同様、係合部材410をZ方向に移動させることで、この係合部材410をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図27〜図29中、(a)はロック機構400の平面図、(b)はロック機構400の正面図、(c)はロック機構400の側面図である。
係合部材410は、図27に示すように、第七実施形態と同様、本体部411と、本体部411の上面に互いに向い合って固定されている一対の爪部415とを有している。本体部411には、X方向に貫通し、Z方向に長い2つのガイド長孔413が形成されている。また、本体部411の下面は、(+)Y側に向うに連れて上側に向う傾斜面412を成している。
ロック機構400のロック動作機構420は、X方向に延びて係合部材410のガイド長孔413に挿通されているガイドロッド414と、係合部材410の傾斜面412に摺接する傾斜面422が形成されている楔部材421と、この楔部材421が固定されている支持部材423と、を有している。
ガイドロッド414は、ロック動作機構420が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。すなわち、係合部材410は、このガイドロッド414により、上下方向に移動可能に支持されている。ガイドロッド414に支持されている係合部材410は、Z方向に垂直な面内方向の位置が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部415で保持できる位置である。
楔部材421の傾斜面422は、係合部材410の傾斜面412と同様、(+)Y側に向うに連れて上側に向うよう傾斜している。この楔部材421は、前述したように、支持部材423に固定されている。また、この支持部材423は接続ロッド32のロッド本体33に固定されている。すなわち、楔部材421は、支持部材423を介して、ロッド本体33に固定されている。
接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。この連結バー34のロッド本体33に対する相対移動距離は、係合部材410の傾斜面412のY方向における幅寸法Y3と同じである。
なお、本実施形態において、切替機構30の進退駆動力を、係合部材410を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、支持部材423及び楔部材421を有して構成されている。
次に、以上で説明したロック機構400の動作について説明する。
まず、係合部材410のロック状態及びそのときのロック動作機構420の状態について説明する。
ロック状態における係合部材410は、図27に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材410の爪部415が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部415の間で保持している。つまり、係合部材410は、第四〜第七実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。また、係合部材410の傾斜面412のほぼ全体は、楔部材421の傾斜面422のほぼ全体と接触している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図28に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、楔部材421も(+)Y側へ移動する。この結果、係合部材410は、その傾斜面412が楔部材421の傾斜面422と摺接しつつ、下降する。係合部材410は、一対の爪部415が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで、下降すると、その最下端が溝穴G内の底面等に接すると共に、そのガイド長孔413の上端面がガイドロッド414に接して、停止する。この係合部材410は、一対の爪部415が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
接続ロッド32の連結バー34は、係合部材410が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、図29に示すように、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構400の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、図29に示すように、ロッド本体33内のバネによる付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に固定されている楔部材421は、図27に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に固定されている楔部材421の傾斜面422は、係合部材410の傾斜面412に接触していない。
転轍機31の駆動で,ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に固定されている楔部材421の傾斜面422は、係合部材410の傾斜面412に接触し始める。この結果、係合部材410は、その傾斜面412が楔部材421の傾斜面422と摺接しつつ、上昇し、一対の爪部415が案内位置の本線可動軌条21の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29とに対向し、この係合部材410の本体部411の上面が案内位置の本線可動軌条21及び手前側本線軌条11の下端に接すると、つまり前述のロック状態になると、係合部材410は停止する。
[ロック機構の第九実施形態]
次に、第九実施形態としてのロック機構について、図30及び図31を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構450も、第七及び第八実施形態と同様、係合部材460をZ方向に移動させることで、この係合部材460をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図30〜図33中、(a)はロック機構450の平面図、(b)はロック機構450の正面図、(c)はロック機構450の側面図である。
ロック機構450の係合部材460は、図30に示すように、互いに平行に配置されている一対の爪部465と、一対の爪部465を連結する連結部材467とを有している。一対の爪部465の下面は、(+)X側に向うに連れて下側に向う傾斜面466を成している。
ロック機構450のロック動作機構470は、係合部材460の傾斜面466に摺接する傾斜面473が形成されている傾斜移動ガイド部材472と、接続ロッド32のロッド本体33に固定されている支持部材476と、この支持部材476に固定されている楔部材474と、この楔部材474に摺接する方向変換部材478と、方向変換部材478と係合部材460とを連結するリンク部材477と、方向変換部材478を(+)X側に付勢する変換部材用バネ(弾性体)471と、を有している。
傾斜移動ガイド部材472は、ロック動作機構470が配置されている溝穴G内の底面等に固定されている。この傾斜移動ガイド部材472の傾斜面473は、係合部材460の傾斜面466と同様、(+)X側に向うに連れて下側に向って傾斜している。このため、係合部材460の傾斜面466が傾斜移動ガイド部材472の傾斜面473に接触した状態を維持したまま、係合部材460がX方向に移動すると、この係合部材460は、X方向に移動しつつも上下方向(Z方向)にも移動する。
支持部材476を介して接続ロッド32のロッド本体33に固定されている楔部材474には、(+)Y側に向うに連れて(−)X側に向う傾斜面475が形成されている。方向変換部材478は、ロック動作機構470が配置されている溝穴G内の壁面等に設けられたガイド面481により、X方向に移動可能にガイドされている。この方向変換部材478には、楔部材474と同様、(+)Y側に向うに連れて(−)X側に向う傾斜面479が形成されている。このため、楔部材474の傾斜面475が方向変換部材478の傾斜面479に接触した状態を維持したまま、楔部材474がY方向に移動すると、方向変換部材478は、X方向に移動する。
リンク部材477の一方の端部は、係合部材460とピン結合され、他方の端部は、方向変換部材478にピン結合されている。
接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。この連結バー34のロッド本体33に対する相対移動距離は、方向変換部材478の傾斜面479のY方向における幅寸法Y3と同じである。
なお、本実施形態においても、切替機構30の進退駆動力を、係合部材460を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、ロック動作機構470で構成されている。
次に、以上で説明したロック機構450の動作について説明する。
まず、係合部材460のロック状態及びそのときのロック動作機構470の状態について説明する。
ロック状態における係合部材460の一対の爪部465は、図30に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部における一対の案内面29のそれぞれに対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を保持している。つまり、係合部材460は、第四〜第八実施形態と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。また、係合部材460の傾斜面466のほぼ全体は、傾斜移動ガイド部材472の傾斜面473のほぼ全体と接触している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図31に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、楔部材474も(+)Y側へ移動する。この結果、方向変換部材478は、その傾斜面479が楔部材474の傾斜面475と摺接しつつ、(+)X側へ移動する。方向変換部材478が(+)X側へ移動すると、リンク部材477を介して方向変換部材478と連結されている係合部材460も、(+)X側へ移動する。この際、係合部材460は、傾斜移動ガイド部材472の傾斜面473に摺接して、(+)X側へ移動しつつも、下側にも移動する。
係合部材460は、その一対の爪部465が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで下降すると、ロック動作機構470が配置されている溝穴G内の底面等に設けられた受け面482に接触して、停止する。この係合部材460は、一対の爪部465が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
接続ロッド32の連結バー34は、係合部材460が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構450の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、第八実施形態と同様、図31に示すように、ロッド本体33内のバネ39による付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に固定されている楔部材474は、図30に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に固定されている楔部材474の傾斜面475は、方向変換部材478の傾斜面479に接触していない。
転轍機31の駆動で、ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に固定されている楔部材474の傾斜面475は、方向変換部材478の傾斜面479に接触し始める。この結果、方向変換部材478は、その傾斜面479が楔部材474の傾斜面475と摺接しつつ、(−)X側に移動する。方向変換部材478が(−)X側に移動すると、リンク部材477を介して方向変換部材478に連結されている係合部材460も、(−)X側へ移動する。この際、係合部材460は、傾斜移動ガイド部材472の傾斜面473に摺接して、(−)X側へ移動しつつも、上側にも移動する。
係合部材460が上昇し、一対の爪部465が案内位置の本線可動軌条21の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向すると、つまり前述のロック状態になると、係合部材460は停止する。
[ロック機構の第十実施形態]
次に、第十実施形態としてのロック機構について、図32及び図33を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構500は、係合部材510の一対の爪部515,515aのうち、一方の爪部515を上下方向に移動させることで、係合部材510をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図32及び図33中、(a)はロック機構500の平面図、(b)はロック機構500の正面図、(c)はロック機構500の側面図である。
係合部材510の一対の爪部515,515aは、いずれも、矩形板状を成し、その面がX方向に平行に、係合部材510の本体部511に取り付けられている。一対の爪部515,515aのうち、一方の爪部515のX方向の両端部には、X方向延びるガイドロッド516が固定されている。この一方の爪部515は、係合部材510の本体部511に上下方向に相対移動可能に取り付けられている。また、他方の爪部515aは、係合部材510の本体部511に固定されている。この係合部材510の本体部511には、上下方向に長く、一方の爪部515のガイドロッド516が挿通されるガイド長穴512が形成されている。この係合部材510の本体部511、は、第五及び第六実施形態と同様、ロック動作機構520が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。また、この係合部材510は、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を一対の爪部515,515aの間で保持できる位置に配置されている。
ロック機構500のロック動作機構520は、一方の爪部515を上下方向に移動させる、つまり係合部材510を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ521と、アクチュエータ521の駆動スイッチ275と、を有している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四実施形態等と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。
次に、以上で説明したロック機構500の動作について説明する。
まず、係合部材510のロック状態及びそのときのロック動作機構520の状態について説明する。
ロック状態における係合部材510は、図32に示すように、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29、さらに、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材510の爪部515が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部515,515aの間で保持している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。また、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ521が駆動し、係合部材510の一方の爪部515は、下降し始める。そして、一方の爪部515が、案内位置の本線可動軌条21の案内面29、及びこの本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向しなくなり、一方の爪部515に設けられているガイドロッド516が本体部511に形成されているガイド長穴512の最下面に接触すると、アクチュエータ521は停止する。この係合部材510は、一方の爪部515が、案内位置の本線可動軌条21の案内面29、及びこの本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向しなくなった状態がロック解除状態である。
アクチュエータ521が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構500の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ521が駆動し、一方の爪部515は上昇する。そして、一方の爪部515が、案内位置の本線可動軌条21の案内面29、及びこの本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向し、一方の爪部515に設けられているガイドロッド516が本体部511に形成されているガイド長穴512の最上面に接触すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ521は停止する。
[ロック機構の第十一実施形態]
次に、第一実施形態としてのロック機構について、図34〜図36を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構550は、図34に示すように、係合部材560をY方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材560をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
係合部材560は、図35に示すように、本体部561と、本体部561の上面に互いに向い合って固定されている一対の爪部565とを有している。本体部561の上面は、Y方向に延びる軸を中心とした円弧面562を成しており、この円弧面562のY方向の両側に爪部565が設けられている。なお、図35及び図36中、(a)はロック機構550の平面図、(b)はロック機構550の正面図、(c)はロック機構550の側面図である。
ロック機構550のロック動作機構570は、係合部材560をY方向に延びる軸回りに回転させる、つまり係合部材560を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ571と、アクチュエータ571の駆動スイッチ275と、を有している。
アクチュエータ571は、Y方向に延びる回転軸572と、この回転軸572を回転可能に支持するケーシング573とを有している。アクチュエータ571のケーシング573は、ロック動作機構570が配置されている溝穴G内の壁面等にブラケットを介して固定されている。アクチュエータ571の回転軸572には、係合部材560に取り付けられている。このアクチュエータ571の回転軸572は、係合部材560の円弧面562に対する中心軸の延長線上に位置している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四実施形態等と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。また、分岐線可動軌条25に関する接続ロッド32bのロッド本体33には、第四実施形態等と同様、このロッド本体33からX方向に延びて、駆動スイッチ275に接触可能な接触端37bが形成されている。
次に、以上で説明したロック機構550の動作について説明する。
まず、係合部材560のロック状態及びそのときのロック動作機構570の状態について説明する。
ロック状態における係合部材560は、図35に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材560の爪部565が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部565の間で保持している。つまり、係合部材560は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。また、駆動スイッチ275は、本体可動軌条に関する接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ571が駆動し、アクチュエータ571の回転軸572が回転し始め、図36に示すように、係合部材560はY方向に延びる軸回りに回転する。そして、係合部材560の一対の爪部565が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで係合部材560が回転すると、アクチュエータ571は停止する。この係合部材560は、一対の爪部565が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
アクチュエータ571が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構550の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ571が駆動し、係合部材560は先ほどと逆向きに回転し始める。そして、係合部材560の一対の爪部565が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ571は停止する。
なお、本実施形態のロック機構550も、第四実施形態等と同様、本線可動軌条21に対する端部ロック機構と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構とを兼ねている。このため、本実施形態でも、本線可動軌条21が案内位置に存在し、分岐線可動軌条25が退避位置に存在している場合には、案内位置の本線可動軌条21を拘束し、本線可動軌条21が退避位置に存在し、分岐線可動軌条25が案内位置に存在している場合には、案内位置の分岐線可動軌条25を拘束する。
[ロック機構の第十二実施形態]
次に、第十二実施形態としてのロック機構について、図37及び図38を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構600も第十一実施形態と同様、係合部材560をY方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材560をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
係合部材560は、第十一実施形態と同様、図37に示すように、本体部561と、本体部561の上面に互いに向い合って固定されている一対の爪部565とを有している。本体部561の上面は、Y方向に延びる軸を中心とした円弧面562を成しており、この円弧面562のY方向の両側に爪部565が設けられている。なお、図37及び図38中、(a)はロック機構600の平面図、(b)はロック機構600の正面図、(c)はロック機構600の側面図である。
ロック機構600のロック動作機構620は、係合部材560に固定されY方向に延びる従動回転軸621と、この従動回転軸621の端部に固定されている従動傘歯車622と、この従動傘歯車622と噛合う駆動傘歯車623と、X方向に延びて一方の端部に駆動傘歯車623が固定され他方の端部にピニオン625が固定されている駆動回転軸624と、ピニオン625と噛合うラック626と、ラック626を接続ロッド32のロッド本体33に固定するための支持部材627と、を有している。
駆動回転軸624は、ロック動作機構620が配置されている溝穴G内の壁面等に軸受け等を介して回転可能に支持されている。
接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。
なお、本実施形態において、切替機構30の進退駆動力を、係合部材560を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、従動回転軸621と従動傘歯車622と駆動傘歯車623とピニオン625とラック626と支持部材627とを有して構成されている。
次に、以上で説明したロック機構600の動作について説明する。
まず、係合部材560のロック状態及びそのときのロック動作機構620の状態について説明する。
ロック状態における係合部材560は、第十一実施形態と同様、図37に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材560の爪部565が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部を一対の爪部565の間で保持している。つまり、係合部材560は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図38に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、ロッド本体33に固定されているラック626も(+)Y側へ移動する。この結果、このラック626と噛み合っている駆動回転軸624のピニオン625、この駆動回転軸624の駆動傘歯車623、さらに、この駆動傘歯車623と噛み合っている従動傘歯車622が回転して、係合部材560が回転する。そして、係合部材560の一対の爪部565が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで、係合部材560が回転した時点で、ロッド本体33に固定されているラック626から駆動回転軸624のピニオン625が外れ、係合部材560は停止する。この係合部材560は、一対の爪部565が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に固定されているラック626から駆動回転軸624のピニオン625が外れた時点、つまり係合部材560が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、図39に示すように、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構600の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、図39に示すように、ロッド本体33内のバネ39による付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に固定されているラック626は、図37に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に固定されているラック626は、駆動回転軸624のピニオン625と噛み合っていない。
転動機の駆動で、ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に固定されているラック626は、駆動回転軸624のピニオン625を噛み合い始める。このラック626と噛み合っている駆動回転軸624のピニオン625、この駆動回転軸624の駆動傘歯車623、さらに、この駆動傘歯車623と噛み合っている従動傘歯車622が先ほどと逆向きに回転して、係合部材560も先ほどと逆向きに回転する。そして、係合部材560の一対の爪部565が案内位置の本線可動軌条21の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向すると、つまり前述のロック状態になると、転轍機31が停止して、係合部材560も停止する。
[ロック機構の第十三実施形態]
次に、第十三実施形態としてのロック機構について、図40及び図41を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構650は、係合部材660の一対の爪部665,665aのうち、一方の爪部665をY方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材660をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図40及び図41中、(a)はロック機構650の平面図、(b)はロック機構650の正面図、(c)はロック機構650の側面図である。
係合部材660は、直方体形状の本体部661と、前述の一対の爪部665,665aとを有している。この直方体形状の本体部661のY方向の両端部のそれぞれに爪部665,665aが設けられている。一対の爪部665,665aのうち、前述の一方の爪部665は、本体部661に対してY方向に延びる軸回りに回転可能に取り付けられている。また、他方の爪部665aは、本体部661に固定されている。この係合部材660の本体部661は、第五実施形態等と同様、ロック動作機構670が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。また、この係合部材660は、第五実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、この第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を爪部665,665aの間で保持できる位置に配置されている。
ロック機構650のロック動作機構670は、係合部材660の一方の爪部665をY方向に延びる軸回りに回転させる、つまり係合部材660を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ571と、アクチュエータ571の駆動スイッチ275と、を有している。
アクチュエータ571は、Y方向に延びる回転軸と、この回転軸を回転可能に支持するケーシング273とを有している。アクチュエータ571のケーシング273は、ロック動作機構670が配置されている溝穴G内の壁面等にブラケットを介して固定されている。アクチュエータ571の回転軸には、一方の爪部665が固定されている。
次に、以上で説明したロック機構650の動作について説明する。
まず、係合部材660のロック状態及びそのときのロック動作機構670の状態について説明する。
ロック状態における係合部材660は、図40に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材660の爪部665,665aが対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部665,665aの間で保持している。つまり、係合部材660は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。また、駆動スイッチ275は、本体可動軌条に関する接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ571が駆動し、アクチュエータ571の回転軸が回転し始め、図41に示すように、係合部材660の一方の爪部665はY方向に延びる軸回りに回転する。そして、係合部材660の一方の爪部665が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで回転すると、アクチュエータ571は停止する。この係合部材660は、一方の爪部665が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
アクチュエータ571が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構650の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ571が駆動し、係合部材660の一方の爪部665は先ほどと逆向きに回転し始める。そして、係合部材660の一対の爪部665,665aが、互いに向かい合い、且つ案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ571は停止する。
[ロック機構の第十四実施形態]
次に、第十四実施形態としてのロック機構について、図42〜図45を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構700は、図42に示すように、Z方向に延びる軸線回りに係合部材710を回転させることで、係合部材710をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
本実施形態の係合部材710は、図43に示すように、円柱状の本体部711と、この本体部711に固定されている一対の爪部715とを有している。円柱状の本体部711の直径寸法は、本線可動軌条21の一対の案内面29の相互間隔寸法よりも長い。この本体部711は、円柱の中心軸が上下方向を向くように配置されており、その上面に一対の爪部715が固定されている。この一対の爪部715の相互間隔も、本線可動軌条21の一対の案内面29の相互間隔より広い。本体部711の側周面には、周方向に沿って次第に上側に向って傾斜した2つのカム溝713が形成されている。なお、図43〜図45中、(a)はロック機構700の平面図、(b)はロック機構700の正面図、(c)はロック機構700の側面図である。
ロック機構700のロック動作機構720は、係合部材710の本体部711に形成されている前述のカム溝713と、このカム溝713に係合しているカムピン714と、円柱状の本体部711の下面に固定されているピニオン721と、このピニオン721の下面に固定されている回転軸722と、この回転軸722を上下方向に移動可能に且つ回転可能に支持する軸受け723と、ピニオン721と噛み合うラック725と、を有して構成されている。
カムピン714は、ロック動作機構720が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。このカムピン714は、前述したように、係合部材710の本体部711の外周面に形成されているカム溝713に係合している。また、このカム溝713は、本体部711の周方向に沿って次第に上側に向って傾斜している。このため、カム溝713に対するカムピン714の周方向の相対位置が変化すると、カム溝713に対するカムピン714の上下方向の相対位置も変化する。すなわち、係合部材710が回転すると、係合部材710は、カムピン714に対して上下方向に相対移動する。
ピニオン721及び回転軸722は、いずれも、円柱状の本体部711の中心軸と同軸上に設けられている。回転軸722を支持する軸受け723は、ロック動作機構720が配置されている溝穴G内の底面等に固定されている。
ラック725は、接続ロッド32のロッド本体33に固定されている。接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。
なお、本実施形態において、切替機構30の進退駆動力を、係合部材710を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、カム溝713とカムピン714とピニオン721と回転軸722と軸受け723とラック725とを有して構成されている。
次に、以上で説明したロック機構700の動作について説明する。
まず、係合部材710のロック状態及びそのときのロック動作機構720の状態について説明する。
ロック状態における係合部材710は、図43に示すように、一対の爪部715のY方向における間隔が本線可動軌条21の一対の案内面29の間隔と実質的に同じになっている。これは、このロック状態の際、一対の爪部715がY方向に並んでいない、つまりX方向の位置がズレているために、一対の爪部715のY方向における間隔寸法が、一対の爪部715の本来の間隔寸法よりも短くなっているからである。また、一対の爪部715のうちの一方の爪部715は、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29のうちの一方の案内面29と対向し、他方の爪部715aは、この本線可動軌条21の第二端部22における他方の案内面29と対向していると共に、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における他方の案内面29に対向している。すなわち、一対の爪部715は、本線可動軌条21の第二端部22を保持しつつも、手前側本線軌条11も支持している。
また、係合部材710、ピニオン721及び回転軸722は、最上位置に位置している。係合部材710に固定されているピニオン721は、接続ロッド32のロッド本体33に固定されているラック725と噛み合っている。また、この接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図44に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、ロッド本体33に固定されているラック725も(+)Y側へ移動する。このため、このラック725と噛み合っているピニオン721、このピニオン721が固定されている係合部材710は回転する。係合部材710は、回転すると、前述したように、この係合部材710の本体部711の外周面に形成されているカム溝713とこのカム溝713に係合しているカムピン714との関係により、下側に移動する。そして、係合部材710の一対の爪部715が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで、係合部材710が下降した時点で、ロッド本体33に固定されているラック725からピニオン721が外れ、係合部材710は停止する。この係合部材710は、一対の爪部715が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
なお、ここでは、係合部材710が停止した時点で、一対の爪部715はY方向に並んでおり、Y方向における一対の爪部715の相互間隔は最大になっている。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に固定されているラック725からピニオン721が外れた時点、つまり係合部材710が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、図45に示すように、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構700の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、図45に示すように、ロッド本体33内のバネ39による付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に固定されているラック725は、図43に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に固定されているラック725は、ピニオン721と噛み合っていない。
転動機の駆動で、ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に固定されているラック725は、ピニオン721を噛み合い始め、ピニオン721、このピニオン721が固定されている係合部材710が先ほどと逆向きに回転する。係合部材710が先ほどと逆向きに回転すると、この度は、この回転に伴って上昇する。係合部材710が回転しつつ上昇して、係合部材710の一方の爪部715が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一方の案内面29と対向し、他方の爪部715aが、この本線可動軌条21の第二端部22における他方の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の端部における他方の案内面29に対向すると、つまり前述のロック状態になると、転轍機31が停止して、係合部材710も停止する。
[ロック機構の第十五実施形態]
次に、第十実施形態としてのロック機構について、図46〜図50を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構750は、図46に示すように、係合部材760の一対の爪部765のそれぞれをY方向に移動させることで、係合部材760をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。
本実施形態の係合部材760は、図47に示すように、互いに独立した一対の爪部765を有している。各爪部765は、互いに同一形状で、各爪部765には、Y方向に垂直で本線可動軌条21の案内面29に対向する対向面766と、対向面766に対して傾斜している傾斜面767とが形成されている。傾斜面767は、Y方向で対向面766から遠ざかる方向に向うに連れて下側に傾斜している。なお、図47〜図49中、(a)はロック機構750の平面図、(b)はロック機構750の正面図、(c)はロック機構750の側面図である。
ロック機構750のロック動作機構770は、爪部765の傾斜面767に摺接する傾斜面772が形成されている傾斜移動ガイド部材771と、楕円柱状のカム773と、楕円柱の側周面に相当するカム773のカム面774に当接するカムフォロアー775と、カムフォロアー775と爪部765とを連結する連結リンク部材776と、カムフォロアー775をカム面774に当接する方向に付勢するカムフォロアー用バネ(弾性体)777と、カム773のカム面774に固定されている回転力伝達部材778と、接続ロッド32のロッド本体33が(+)Y側へ移動している際にこの移動に伴って回転力伝達部材778の端部を(+)Y側へ押す第一爪体781と、接続ロッド32のロッド本体33が(−)Y側へ移動している際にこの移動に伴って回転力伝達部材778の端部を(−)Y側へ押す第二爪体783と、第一爪体781及び第二爪体783を支持する爪体支持部材785と、を有している。
カム773は、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22と、これに連なる手前側本線軌条11の端部12とのつなぎ目の下側に配置されている。このカム773は、ロック動作機構770が配置されている溝穴G内の底面等に固定されている軸受け788により、回転可能に支持されている。
傾斜移動ガイド部材771、カムフォロアー775、連結リンク部材776、カムフォロアー用バネ777は、いずれも、一対の爪部765のそれぞれに設けられている。傾斜移動ガイド部材771は、カム773の回転中心軸を基準にして、(+)Y側と(−)Y側とに配置され、ロック動作機構770が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。各傾斜移動ガイド部材771の傾斜面772は、Y方向において、他方の傾斜移動ガイド部材771から遠ざかる方向に向うに連れて下側に傾斜している。
カムフォロアー775は、X方向に延びるカムフォロアー軸789に対して回転可能に設けられている。このカムフォロアー775の一方の端部は、カム773に接触する接触端を成している。このカムフォロアー775の他方の端部と傾斜移動ガイド部材771とは、連結リンク部材776により連結されている。カムフォロアー775の他方の端部と連結リンク部材776、この連結リンク部材776と傾斜移動ガイド部材771は、ピン結合されている。
回転力伝達部材778は、カム773のカム面774から放射方向に突出している。
爪体支持部材785は、接続ロッド32のロッド本体33に固定されている。接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。
第二爪体783は、図50に示すように、爪体支持部材785に固定されている。この第二爪体783の(−)Y側の面は、Z方向に平行な第二押付け面784を成している。第一爪体781は、第二爪体783から(−)Y側に間隔をあけて配置され、X方向に延びる軸回りに回転可能に爪体支持部材785に取り付けられている。この第一爪体781の(+)Y側は、第一押付け面782を成している。この第一爪体781は、爪体142用バネ(弾性体)により、回転の軸に対して押付け面782側の部分が(+)Z側に付勢されている。
なお、本実施形態において、切替機構30の進退駆動力を、係合部材760を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、傾斜移動ガイド部材771カム773とカムフォロアー775と連結リンク部材776とカムフォロアー用バネ(弾性体)777と回転力伝達部材778と第一爪体781と第二爪体783と爪体支持部材785と、を有して構成されている。
次に、以上で説明したロック機構750の動作について説明する。
まず、係合部材760のロック状態、及びそのときのロック動作機構770の状態について説明する。
する。
ロック状態における係合部材760は、図47に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部における一対の案内面29のそれぞれに係合部材760の爪部765の対向面766が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部765の間で保持している。つまり、係合部材760は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。この際、一対の爪部765の対向面766の相互間隔は、最小間隔になっており、本線可動軌条21の一対の案内面29の相互間隔と実質的に同じである。
また、カムフォロアー775の接触端は、楕円柱状のカム773の長軸とその外周面であるカム面774との交点で接している。このため、一対のカムフォロアー775の接触端37の相互間隔は、最大間隔になっている。回転力伝達部材778の端部は、第一爪体781の第一押付け面782と第二爪体783の第二押付け面784との間に位置している。また、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図48に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、このロッド本体33に爪体支持部材785を介して取り付けられている第一爪体781及び第二爪体783も、(+)Y側へ移動する。第一爪体781及び第二爪体783が(+)Y側へ移動すると、第一爪体781と第二爪体783との間に位置している回転力伝達部材778の端部は、第一爪体781の第一押付け面782に押されて、(+)Y側へ移動する。
回転力伝達部材778の端部が(+)Y側へ移動すると、カム773は、その回転中心軸回り回転する。この回転により、カム面774に当接している一対のカムフォロアー775の接触端37の相互間隔が次第に狭まる一方で、一対のカムフォロアー775の他方の端部の相互間隔が広がる。このため、各カムフォロアー775の他方の端部に連結リンク部材776を介して接続されている爪部765の相互間隔は広がる。具体的に、カム773の回転中心軸を基準にして、(+)Y側に配置されている爪部765は、(+)Y側へ移動し、(−)Y側に配置されている爪部765は、(−)Y側へ移動する。この際、各爪部765は、その傾斜面767が傾斜移動ガイド部材771の傾斜面767に摺接しつつY方向に移動するため、各爪部765はY方向への移動に伴って下側へ移動する。そして、一対の爪部765が、案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなるまで、下側へ移動すると、図49に示すように、回転力伝達部材778の端部が第一爪体781と第二爪体783との間から抜け出して、カム773が回転しなくなり、一対の爪部765は停止する。この係合部材760は、一対の爪部765が案内位置の本線可動軌条21と手前側本線軌条(固定軌条)11とに対向しなくなった状態がロック解除状態である。
接続ロッド32の連結バー34は、係合部材760が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構750の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、図49に示すように、ロッド本体33内のバネ39による付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に取り付けられている第一爪体781及び第二爪体783は、図47に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に取り付けられている第一爪体781及び第二爪体783は、両者の間に回転力伝達部材778の端部が完全に入り込める位置まで至っていない。
転動機の駆動で、ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に取り付けられている第一爪体781及び第二爪体783は、両者の間に回転力伝達部材778の端部が入り始めて、回転力伝達部材778の端部が第二爪体783の第二押付け面784で(−)Y側に押され始める。回転力伝達部材778の端部が(−)Y側に移動し始めると、カム773は先ほどと逆向きに回転し始め、一対の爪部765は、互いの間隔が狭まる向きに移動しつつ上側に移動する。そして、一対の爪部765の対向面766が案内位置の本線可動軌条21の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29とに対向すると、つまり前述のロック状態になると、転轍機31が停止して、一対の爪部765も停止する。
「ロック機構の第十六実施形態」
次に、第十六実施形態としてのロック機構について、図51及び図52を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構800は、係合部材810をX方向に移動させることで、この係合部材810をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図51及び図52中、(a)はロック機構800の平面図、(b)はロック機構800の正面図、(c)はロック機構800の側面図である。
係合部材810は、図51に示すように、Y方向で互いに平行な状態で向い合っている一対の爪部815と、一対の爪部815を連結する連結部材817とを有している。一対の爪部815の下面は、Z方向に対して垂直なスライド平面816を成している。この係合部材810は、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22とこの第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12との両方を一対の爪部815の間で保持しているロック状態から、(−)X方向に移動可能にスライドガイド面829で支持されている。このスライドガイド面829は、ロック機構800のロック動作機構820が配置されている溝穴G内の底面等に設けられている。
ロック機構800のロック動作機構820は、傾斜面822が形成されている楔部材821と、この楔部材821を接続ロッド32のロッド本体33に固定するための支持部材823と、楔部材821の傾斜面822に摺接する傾斜面826が形成されている方向変換部材825と、方向変換部材825と係合部材810とを連結するリンク部材827と、係合部材810を(−)X方向に付勢する係合部材用バネ(弾性体)828と、前述のスライドガイド面829と、を有している。
楔部材821の傾斜面822及び方向変換部材825の傾斜面826は、いずれも、(+)X側に向うに連れて(+)Y側に向って傾斜している。方向変換部材825の下面は、Z方向に対して垂直で、スライドガイド面829を摺接するスライド平面824(図52)を成している。このため、楔部材821の傾斜面822と方向変換部材825の傾斜面826とが接触した状態を維持したまま、楔部材821がY方向に移動すると、この方向変換部材825と共に係合部材810はX方向に移動する。
リンク部材827の一方の端部は、係合部材810にピン結合され、他方の端部は、方向変換部材825にピン結合されている。
係合部材用バネ828は、係合部材810の(−)X側に配置され、一方の端部が係合部材810に取り付けられ、他方の端部が溝穴G内の壁面に設けられているブラケット等に取り付けられている。
接続ロッド32のロッド本体33内には、連結バー34を(−)Y側、つまりロッド本体33から突出させる側に付勢するバネ39が設けられている。
なお、本実施形態において、切替機構30の進退駆動力を、係合部材810を変化動作させる変化駆動力に変換する変換手段は、支持部材823、楔部材821、方向変換部材825、係合部材用バネ828を有して構成されている。
次に、以上で説明したロック機構800の動作について説明する。
まず、係合部材810のロック状態及びそのときのロック動作機構820の状態について説明する。
ロック状態における係合部材810は、図51に示すように、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22における一対の案内面29、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29のそれぞれに係合部材810の爪部815が対向し、この本線可動軌条21の第二端部22及び手前側本線軌条11の端部12を一対の爪部815の間で保持している。つまり、係合部材810は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。また、方向変換部材825の傾斜面826のほぼ全体は、楔部材821の傾斜面822のほぼ全体と接触している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。
以上の状態から、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、図52に示すように、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、楔部材821も(+)Y側へ移動する。この結果、その傾斜面826が楔部材821の傾斜面822に接している方向変換部材825、及び、この方向変換部材825とリンク部材827で連結され且つ係合部材用バネ828により(−)X方向に付勢されている係合部材810は、(−)X方向へ移動する。係合部材810は、一対の爪部815が案内位置の本線可動軌条21に対向しなくなるまで、(−)X方向へ移動すると、その(−)X側の面が、ロック動作機構820が配置されている溝穴G内の壁面等に設けられているストッパ831に接して、停止する。この係合部材810は、一対の爪部815が案内位置の本線可動軌条21に対向しなくなり、手前側本線軌条(固定軌条)11にのみ対向するようになった状態がロック解除状態である。
接続ロッド32の連結バー34は、係合部材810が停止した時点で、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動する過程でのロック機構800の動作について説明する。
本線可動軌条21が退避位置のとき、この本線可動軌条21に対する接続ロッド32の連結バー34は、図52に示すように、ロッド本体33内のバネ39による付勢力で、ロッド本体33に対して最も突出している状態、つまりロッド本体33に対する相対位置が最も(−)Y側に位置している状態である。このため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21に対して、ロッド本体33に固定されている楔部材821は、図51に示す状態のときよりも、(+)Y側に位置していることになる。
このため、本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至っても、ロッド本体33に固定されている楔部材821の傾斜面822は、方向変換部材825の傾斜面826に接触していない。
転轍機31の駆動で,ロッド本体33がさらに(−)Y側に移動すると、ロッド本体33に固定されている楔部材821の傾斜面822は、方向変換部材825の傾斜面826に接触し始める。この結果、その傾斜面826が楔部材821の傾斜面822に接した方向変換部材825、及び、この方向変換部材825とリンク部材827で連結されている係合部材810は、係合部材用バネ828による(−)X方向の付勢力に抗して、(+)X側へ移動する。そして、一対の爪部815が案内位置の本線可動軌条21の案内面29及び手前側本線軌条(固定軌条)11の案内面29に対向すると、つまり前述のロック状態になると、係合部材810は停止する。
なお、本実施形態では、切替機構30の進退駆動力を利用して、係合部材810をX方向に移動させているが、第八実施形態(図27〜図29)のロック機構400に対する第七実施形態(図24〜図26)のロック機構350のように、係合部材810をアクチュエータでX方向に移動させてもよい。この場合、第七実施形態と同様、本線可動軌条21に関する接続ロッド32の移動を検知する駆動スイッチ275を設けることになるが、分岐線可動軌条25の案内位置と退避位置との間での移動にも連動して、アクチュエータが駆動するよう、分岐線可動軌条25に関する接続ロッド32bのロッド本体33に、ロッド本体33からX方向に延びて、アクチュエータの駆動スイッチ275に接触可能な接触端37bを形成することが好ましい。
また、本実施形態では、係合部材810全体をX方向に移動させているが、係合部材810の一対の爪部815のみ、又は、一対の爪部815の一方の爪部のみを移動させてもよい。
[ロック機構の第十七実施形態]
次に、第十七実施形態としてのロック機構について、図53〜図55を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構850は、図53に示すように、係合部材860の一対の第一爪部867をZ方向に延びる軸線回りに回動させることで、係合部材860をロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図54及び図55中、(a)はロック機構850の平面図、(b)はロック機構850の正面図、(c)はロック機構850の側面図である。
係合部材860は、ほぼ直方体形状の本体部861と、本体部861のY方向の両端部に互いに平行な状態で固定されている一対の第二爪部865と、本体部861の(+)側であってY方向の両端部に取り付けられている一対の第一爪部867と、を有している。各第一爪部867は、矩形板状を成し、各第一爪部867のZ方向の両端部には、Z方向延びる回動軸868が固定されている。各第一爪部867は、この回動軸868を中心に回動可能に、Y方向で互いの間隔をあけて本体部861に取り付けられている。係合部材860の本体部861は、この本体部861に固定されている一対の第二爪部865が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12を保持できる位置に、ロック動作機構870が配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。
ロック機構850のロック動作機構870は、一対の第一爪部867に関する前述の回動軸868と、一対の第一爪部867のうちの一方の第一爪部867を回動軸868回りに回動させる、つまり係合部材860を変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ871と、アクチュエータ871の駆動に伴う一方の第一爪部867の回動で他方の第一爪部867を回動させる回動伝達機構874と、アクチュエータ871の駆動スイッチ275と、を有している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四実施形態等と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。また、分岐線可動軌条25に関する接続ロッド32bのロッド本体33には、第四実施形態等と同様、ロッド本体33からX方向に延びて、駆動スイッチ275に接触可能な接触端37が形成されている。
次に、以上で説明したロック機構850の動作について説明する。
まず、係合部材860のロック状態及びそのときのロック動作機構870の状態について説明する。
ロック状態における係合部材860は、図54に示すように、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29に係合部材860の一対の第一爪部867が対向し、この本線可動軌条21を一対の第一爪部867の間で保持している。また、ロック状態の係合部材860は、この本線可動軌条21に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12における一対の案内面29に一対の第二爪部865が対向し、この手前側本線軌条11を一対の第二爪部865の間で保持している。つまり、係合部材860は、第四実施形態等と同様、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22、及びこの第二端部22に連なる手前側本線軌条11の端部12に係合している。
接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(+)Y側へ相対移動できず、(−)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側に移動しても、連結バー34はその場に残ることができる状態になっている。
また、駆動スイッチ275は、本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触している。
以上の状態から、図55に示すように、本線可動軌条21を退避位置に移動させるために転轍機31が駆動し、ロッド本体33が(+)Y側に移動し始めたとする。この際、連結バー34は、ロッド本体33が(+)Y側に移動してもその場に残ることができるため、この連結バー34に、支持ポスト35を介して接続されている案内位置の本線可動軌条21は移動しない。また、このロッド本体33の(+)Y側への移動により、駆動スイッチ275は、ロッド本体33に形成されている接触端37と非接触状態になる。
駆動スイッチ275が接触状態から非接触状態に変化すると、アクチュエータ871が駆動し、一対の第一爪部867は、Z方向に延びる回動軸868を中心として、互いに反対向きに回動して、一対の第一爪部867の各端部の相互間が広がる。そして、一対の第一爪部867865の各端部が相反する向きに向くと、アクチュエータ871は停止する。この係合部材860は、一対の第一爪部867の各端部が相反する向きに向いた状態がロック解除状態である。なお、このロック解除状態においても、係合部材860の本体部861が溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている関係で、この本体部861に固定されている一対の第二爪部865は移動することがなく、この手前側本線軌条11を保持している状態のままである。
アクチュエータ871が停止した時点で、接続ロッド32の連結バー34は、ロッド本体33に対して(−)Y側へ相対移動できず、(+)Y側へ相対移動できる状態になっている。つまり、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動できる状態になっている。この状態から、ロッド本体33が(+)Y側にさらに移動すると、連結バー34はこの移動に伴って(+)Y側へ移動するため、この連結バー34に支持ポスト35を介して接続されている本線可動軌条21が(+)Y側へ移動し始める。そして、ロッド本体33がさらに(+)Y側に移動し、本線可動軌条21が退避位置に至ると、転轍機31が停止する。
次に、退避位置の本線可動軌条21が案内位置に移動したときのロック機構850の動作について説明する。
退避位置の本線可動軌条21を案内位置に移動させるために転轍機31が駆動し、接続ロッド32と共に本線可動軌条21が(−)Y側に移動し、この本線可動軌条21が案内位置に至ると、駆動スイッチ275は、接続ロッド32のロッド本体33に形成されている接触端37と接触状態になる。
駆動スイッチ275が非接触状態から接触状態に変化すると、アクチュエータ871が駆動し、一対の第一爪部867は、Z方向に延びる回動軸868を中心として、互いに反対向きに回動して、一対の第一爪部867の各端部の相互間が狭まる。そして、一対の第一爪部867が、案内位置の本線可動軌条21の一対の案内面29に対向すると、つまり前述のロック状態になると、アクチュエータ871は停止する。
なお、本実施形態のロック機構850も、第四実施形態等と同様、本線可動軌条21に対する端部ロック機構と分岐線可動軌条25に対する端部ロック機構を兼ねている。このため、本実施形態でも、本線可動軌条21が案内位置に存在し、分岐線可動軌条25が退避位置に存在している場合には、案内位置の本線可動軌条21を拘束し、本線可動軌条21が退避位置に存在し、分岐線可動軌条25が案内位置に存在している場合には、案内位置の分岐線可動軌条25を拘束する。
[ロック機構の第十八実施形態]
次に、第十八実施形態としてのロック機構について、図56及び図57を参照して詳細に説明する。
本実施形態のロック機構850aは、第十七実施形態の変形例で、係合部材860aの一対の第一爪部867a,867bのうち、一方の爪部867aのみをZ方向に延びる軸線回りに回動させることで、本実施形態における係合部材860aをロック状態とロック解除状態とに変化動作させる機構である。なお、図56及び図57中、(a)はロック機構850aの平面図、(b)はロック機構850aの正面図、(c)はロック機構850aの側面図である。
係合部材860aは、ほぼ直方体形状の本体部861と、本体部861のY方向の両端部に互いに平行な状態で固定されている一対の第二爪部865と、本体部861の(+)側であってY方向の両端部に取り付けられている一対の第一爪部867a,867bと、を有している。一対の第一爪部867a,867bのうち、一方の第一爪部867aは、第十七実施形態の第一爪部867と同様、矩形板状を成し、Z方向の両端部にZ方向延びる回動軸868が固定されている。この一方の第一爪部867aは、この回動軸868を中心に回動可能に、本体部861に取り付けられている。また、一対の第一爪部867a,867bのうち、他方の第一爪部867bは、Y方向において一方の第一爪部867aが取り付けられている側とは反対側であって、本体部861の(+)X側端に、(+)X方向に突出するよう本体部861に固定されている。この係合部材860aの本体部861も、第十七実施形態と同様、この本体部861に固定されている一対の第二爪部865が、案内位置の本線可動軌条21の第二端部22に連なる手前側本線軌条(固定軌条)11の端部12を保持できる位置に、ロック動作機構870aが配置されている溝穴G内の壁面にブラケット等を介して固定されている。
回動可能な一方の第一爪部867aは、この一方の第一爪部867aが他方の第一爪部867bと互いに平行に対向している状態の際、他方の第一爪部867bと対向する面を含む部分がゴム等の弾性材867rで形成されている。
ロック機構850aのロック動作機構870aは、一方の第一爪部867aに関する前述の回動軸868と、一方の第一爪部867aを回動軸868回りに回動させる、つまり係合部材860aを変化動作させる変化駆動源であるアクチュエータ871と、アクチュエータ871の駆動スイッチ275と、を有している。
本線可動軌条21に関する接続ロッド32のロッド本体33には、第四実施形態や第十七実施形態等と同様、ロッド本体33から下方に延びる接触端37が形成されている。駆動スイッチ275は、本線可動軌条21が案内位置のときの接触端37に接触する位置に配置されている。
以上のように、本実施形態のロック機構850aは、第十七実施形態におけるロック機構850の一対の第一爪部867のうち、一方の第一爪部867のみをZ方向に延びる軸線回りに回動させるものであるため、このロック機構850aの動作は、第十七実施形態にロック機構850の動作と基本的に同じである。このため、本実施形態のロック機構850aの動作の説明については省略する。
ところで、固定支持されている一対の爪部の全体を金属等で形成する場合、これら一対の爪部の相互間隔や、本線可動軌条21等の走行路幅方向の幅、つまり一対の案内面29の相互間隔の製造誤差を考慮して、これら一対の爪部の相互間隔が本線可動軌条21等の一対の案内面29の相互間隔よりも大きくなるよう、係合部材を製造する必要がある。このため、ロック状態の際に、金属等で形成した爪部と本線可動軌条21の案内面29とは接触しておらず、爪部と本線可動軌条21の案内面29との間に僅かな隙間が生じる場合がある。
本実施形態では、上記な製造誤差がある場合でも、爪部と本線可動軌条21の案内面29との間に隙間がない状態、つまり爪部と本線可動軌条21とが接触している状態で保持できるよう、回動可能な一方の第一爪部867aのうち、他方の第一爪部867bと対向する面を、つまり、ロック状態の際に案内位置の本線可動軌条21の案内面29に対向する面を含む部分を弾性材867rで形成し、この弾性材867rで上記のような製造誤差を吸収するようにしている。
以上のように、一方の第一爪部867aの本線可動軌条21の案内面29に対向する面を含む部分を弾性材867rで形成すると、この本線可動軌条21を接触保持することができるのみならず、一方の第一爪部867aから、これを回動させるアクチュエータ871に伝わる衝撃力を緩和することができるため、アクチュエータ871の故障率を低減させることができる。
[ロック機構の実施形態の変形例]
第一及び第二実施形態のロック機構100,150では、規制部材130,170をY方向に移動させることで、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させ、第三実施形態のロック機構200では、規制部材220をZ方向に延びる軸線回りに回転させることで、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させている。
しかしながら、第一から第三実施形態において、第九実施形態に示す係合部材460をX方向に移動させる機構やアクチュエータを利用して、規制部材をX方向に移動させて、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させてもよい。また、第一から第三実施形態において、第八実施形態に示す係合部材410をZ方向に移動させる機構やアクチュエータを利用して、規制部材をZ方向に移動させて、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させてもよい。また、第一から第三実施形態において、第十二実施形態に示す係合部材560をY方向に延びる軸線回りに回転させる機構と同種の機構やアクチュエータを利用して、規制部材をX方向に延びる軸回りに回動させて、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させてもよい。さらに、第一から第三実施形態において、第十二実施形態に示す係合部材560をY方向に延びる軸回りに回転させる機構やアクチュエータを利用して、規制部材をY方向に延びる軸回りに回動させて、係合部材110をロック状態及びロック解除状態に変化動作させてもよい。
また、第十八実施形態では、一対の第一爪部867a,867bのうち、回動可能な一方の第一爪部867aのみに弾性材867rを設けたが、他方の第一爪部867bにも弾性材を設けてもよい。同様に、第一から第十七実施形態の一対の爪部のうち、一方の爪部のみ、又は両方の爪部に弾性材を設けてもよい。
また、以上の各実施形態のロック機構において、図2に示すように、曲がっている分岐線可動軌条25を一対の爪部の間で保持する場合、これら爪部で、案内位置の分岐線可動軌条25を保持する際にこの分岐線可動軌条25と対向する面が分岐線可動軌条25の曲率に合った曲率で曲がっていることが好ましい。このように、分岐線可動軌条25を保持する際にこの分岐線可動軌条25と対向する爪部の面が分岐線可動軌条25の曲率に合った曲率で曲がっていると、この分岐線可動軌条25の案内面29の各位置での爪部との間の隙間をほぼ均一にできると共に、両者間の隙間を小さくすることができる。
なお、以上では、分岐線可動軌条25を例にして説明したが、本線可動軌条21が曲がっている場合も、同様に、本線可動軌条21の案内面29と対向する爪部の面が本線可動軌条21の曲率に合った曲率で曲がっていることが好ましい。
また、本線可動軌条21や分岐線可動軌条25が曲がっている場合の対応策として、本線可動軌条21や分岐線可動軌条25の案内面29と対向する爪部の面を含む部分を弾性材で形成してもよい。このように、爪部の一部を弾性材で形成することで、本線可動軌条21や分岐線可動軌条25が曲がっている場合でも、さらに、前述したように、本線可動軌条21や分岐線可動軌条25等の製造誤差が大きい場合も、弾性材の少なくとも一部が本線可動軌条21や分岐線可動25に接して弾性変形することで、軌条の曲がりや製造誤差等に対応することができる。