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JP5689257B2 - 超音波診断装置及び超音波測定方法 - Google Patents

超音波診断装置及び超音波測定方法 Download PDF

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JP5689257B2 JP2010163237A JP2010163237A JP5689257B2 JP 5689257 B2 JP5689257 B2 JP 5689257B2 JP 2010163237 A JP2010163237 A JP 2010163237A JP 2010163237 A JP2010163237 A JP 2010163237A JP 5689257 B2 JP5689257 B2 JP 5689257B2
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Description

本発明は、超音波診断装置及び超音波測定方法に関し、特に、超音波を利用して被検体の診断部位について超音波画像を撮影して表示し、被検体の組織性状の診断に用いるため、被検体の着目領域内における超音波の減衰を求める超音波診断装置及び超音波測定方法
に関する。
従来より、超音波を利用して被検体の診断部位について超音波画像を撮影して表示する超音波診断装置が知られており、超音波の音速、減衰、散乱などの音響特性を計測し、被検体組織の内部構造や構成成分などの性状診断や、組織、病変弁別など、診断に活用されてきた。
特に、被検体の着目領域内における超音波の減衰を計測し、組織の内部構造、構成成分などの性状診断や組織、病変弁別など、診断に適用する様々な試みがなされてきた。
例えば、特許文献1においては、受信信号を複数個の帯域フィルタ群により帯域分割し、個別に検波した強度信号を重み付け加算するか、あるいは、色相加算して画像表示することにより、患者の生体内の超音波伝搬にともなう減衰情報を付加することによって、微少なコントラストの差の視認性を大幅に向上させるようにしたものが開示されている。
特開平7−51270号公報
しかしながら、上述した例のように従来は、超音波の周波数や振幅の変化から減衰を求めているが、そこで用いている信号は整合加算後の信号であるため、整合加算前の素子信号に比べて以下のように不利な点を有しているという問題がある。
すなわち、整合加算後の信号は、異なる経路伝播により異なる振幅や周波数を有している整合加算前の各素子信号に対し、それを加算することによってぼやけてしまった信号となる。また、整合加算されることによって、各経路の振幅や周波数の情報は失われてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ぼやけることなく、また各経路の情報を失うことなく、高精度に減衰を求めることのできる超音波診断装置及び超音波測定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、超音波を被検体に送信するとともに、該被検体によって反射される超音波を受信して超音波検出信号を出力する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子を有する超音波診断装置であって、前記複数の超音波トランスデューサのうちの1つの超音波トランスデューサ、又は該1つの超音波トランスデューサを含む開口であって、通常のBモード画像生成用の開口より小さい所定開口の各超音波トランスデューサの前記超音波検出信号を用いると共に、前記被検体内において複数の異なる経路を伝播して前記超音波トランスデューサによって受信された前記超音波検出信号に基づいて前記複数の異なる経路毎に超音波検出信号の周波数又は振幅を算出し、前記複数の異なる経路毎に算出した周波数又は振幅の差異に基づいて前記被検体内における前記超音波の減衰の程度を求める減衰算出手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置を提供する。
これにより、通常のBモード画像生成用の開口のように大きな開口の各超音波トランスデューサの超音波検出信号を整合加算後の信号を用いるよりも高精度に減衰係数を求めることが可能となる。
また、請求項2に示すように、前記被検体内の異なる経路を伝播した超音波を受信する前記超音波トランスデューサの各々の前記所定開口は、前記超音波トランスデューサ上の異なる位置にある事を特徴とする。
また、請求項3に示すように、超音波を前記被検体に送信してから前記被検体内を超音波伝播する経路を、送信してから前記被検体内の反射点まで伝播する経路と、前記反射点から前記超音波トランスデューサ上の前記所定開口まで伝播する経路に分けるとして前記反射点の位置が前記異なる経路毎に異なる場合に、前記経路に応じて異なる位置に送信フォーカスを実施する事を特徴とする。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、複数の超音波トランスデューサにより、超音波を被検体に送信するとともに該被検体によって反射される超音波を受信して超音波検出信号を出力する工程を有する超音波測定方法であって、減衰算出手段が、前記複数の超音波トランスデューサのうちの1つの超音波トランスデューサ、又は該1つの超音波トランスデューサを含む開口であって、通常のBモード画像生成用の開口より小さい所定開口の各超音波トランスデューサの前記超音波検出信号を用いると共に、前記被検体内において複数の異なる経路を伝播して前記超音波トランスデューサによって受信された前記超音波検出信号に基づいて前記複数の異なる経路毎に超音波検出信号の周波数又は振幅を算出し、前記複数の異なる経路毎に算出した周波数又は振幅の差異に基づいて前記被検体内における前記超音波の減衰の程度を求める減衰算出工程を備えたことを特徴とする超音波測定方法を提供する。
これにより、通常のBモード画像生成用の開口のように大きな開口の各超音波トランスデューサの超音波検出信号を整合加算後の信号を用いるよりも高精度に減衰係数を求めることが可能となる。
また、請求項に示すように、前記被検体内の異なる経路を伝播した超音波を受信する前記超音波トランスデューサの各々の前記所定開口は、前記超音波トランスデューサ上の異なる位置にある事を特徴とする。
また、請求項に示すように、超音波を前記被検体に送信してから前記被検体内を超音波伝播する経路を、送信してから前記被検体内の反射点まで伝播する経路と、前記反射点から前記超音波トランスデューサ上の前記所定開口まで伝播する経路に分けるとして前記反射点の位置が前記異なる経路毎に異なる場合に、前記経路に応じて異なる位置に送信フォーカスを実施する事を特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、整合加算前の各超音波トランスデューサの受信信号を用いるようにしたため、整合加算後の信号を用いるよりも高精度に減衰係数を求めることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 減衰係数の分布を求める処理の流れを示すフローチャートである。 深さXの着目点からの各素子受信信号の中心周波数を求める様子を示す模式図である。 減衰係数が不均一の場合に、局所的な減衰係数を求める様子を示す模式図である。 局所的な減衰係数を求める処理の流れを表すフローチャートである。 着目点及び局所領域と格子点を設定する様子を示す模式図である。 着目点から格子を経て素子に至る伝播経路を求める様子を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る超音波診断装置及び超音波測定方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の超音波診断装置10は、超音波探触子300から被検体OBJに超音波ビームを送信して、被検体OBJによって反射された超音波ビーム(超音波エコー)を受信し、超音波エコーの検出信号から超音波画像を作成し表示する装置である。
CPU(Central Processing Unit)100は、操作入力部200からの操作入力に応じて超音波診断装置10の各ブロックの制御を行う。
操作入力部200は、オペレータからの操作入力を受け付ける入力デバイスであり、操作卓202とポインティングデバイス204とを含んでいる。操作卓202は、文字情報(例えば、患者情報)の入力を受け付けるキーボードと、振幅画像(Bモード画像)を単独で表示するモードと減衰の計測結果を表示するモードとの間で表示モードを切り替える表示モード切り替えボタンと、ライブモードとフリーズモードとの切り替えを指示するためのフリーズボタンと、シネメモリ再生を指示するためのシネメモリ再生ボタンと、超音波画像の解析・計測を指示するための解析・計測ボタンとを含んでいる。ポインティングデバイス204は、表示部104の画面上における領域の指定の入力を受け付けるデバイスであり、例えば、トラックボール又はマウスである。なお、ポインティングデバイス204としては、タッチパネルを用いることも可能である。
格納部102は、CPU100に超音波診断装置10の各ブロックの制御をさせるための制御プログラムが格納される記憶装置であり、例えば、ハードディスク又は半導体メモリである。
表示部104は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ又は液晶ディスプレイであり、超音波画像(動画及び静止画)の表示及び各種の設定画面を表示する。
超音波探触子300は、被検体OBJに当接させて用いるプローブであり、1次元又は2次元のトランスデューサアレイを構成する複数の超音波トランスデューサ302を備えている。超音波トランスデューサ302は、送信回路402から印加される駆動信号に基づいて超音波ビームを被検体OBJに送信するとともに、被検体OBJから反射される超音波エコーを受信して検出信号を出力する。
超音波トランスデューサ302は、圧電性を有する材料(圧電体)の両端に電極が形成されて構成された振動子を含んでいる。このような振動子を構成する圧電体としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)のような圧電セラミック、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)のような高分子圧電素子を用いることができる。上記振動子の電極に電気信号を送って電圧を印加すると圧電体が伸縮し、この圧電体の伸縮により各振動子において超音波が発生する。例えば、振動子の電極にパルス状の電気信号を送るとパルス状の超音波が発生し、また振動子の電極に連続波の電気信号を送ると連続波の超音波が発生する。そして、各振動子において発生した超音波が合成されて超音波ビームが形成される。また、各振動子により超音波が受信されると、各振動子の圧電体が伸縮して電気信号を発生する。各振動子において発生した電気信号は、超音波の検出信号として受信回路404に出力される。
なお、超音波トランスデューサ302としては、超音波変換方式の異なる複数種類の素子を用いることも可能である。例えば、超音波を送信する素子として上記圧電体により構成される振動子を用いて、超音波を受信する素子として光検出方式の超音波トランスデューサを用いるようにしてもよい。ここで、光検出方式の超音波トランスデューサとは、超音波信号を光信号に変換して検出するものであり、例えば、ファブリーペロー共振器又はファイバブラッググレーティングである。
次に、ライブモード時における超音波診断処理について説明する。ライブモードは、被検体OBJに超音波探触子300を当接させて超音波の送受信を行うことによって得られた超音波画像(動画)の表示や解析・計測を行うモードである。
超音波探触子300が被検体OBJに当接されて、操作入力部200からの指示入力により超音波診断が開始されると、CPU100は、送受信部400に制御信号を出力して、超音波ビームの被検体OBJへの送信、及び被検体OBJからの超音波エコーの受信を開始させる。CPU100は、超音波トランスデューサ302毎に超音波ビームの送信方向と超音波エコーの受信方向とを設定する。
さらに、CPU100は、超音波ビームの送信方向に応じて送信遅延パターンを選択するとともに、超音波エコーの受信方向に応じて受信遅延パターンを選択する。ここで、送信遅延パターンとは、複数の超音波トランスデューサ302から送信される超音波によって所望の方向に超音波ビームを形成するために駆動信号に与えられる遅延時間のパターンデータであり、受信遅延パターンとは、複数の超音波トランスデューサ302によって受信される遅延時間のパターンデータである。上記送信遅延パターン及び受信遅延パターンは予め格納部102に格納されている。CPU100は、格納部102に格納されているものの中から送信遅延パターン及び受信遅延パターンを選択し、選択した送信遅延パターン及び受信遅延パターンに従って、送受信部400に制御信号を出力して超音波の送受信制御を行う。
送信回路402は、CPU100からの制御信号に応じて駆動信号を生成して、該駆動信号を超音波トランスデューサ302に印加する。このとき、送信回路402は、CPU100によって選択された送信遅延パターンに基づいて、各超音波トランスデューサ302に印加する駆動信号を遅延させる。ここで、送信回路402は、複数の超音波トランスデューサ302から送信される超音波が超音波ビームを形成するように、各超音波トランスデューサ302に駆動信号を印加するタイミングを調整する(遅延させる)送信フォーカスを実行する。なお、複数の超音波トランスデューサ302から一度に送信される超音波が被検体OBJの撮像領域全体に届くように、駆動信号を印加するタイミングを調節するようにしもてよい。
受信回路404は、各超音波トランスデューサ302から出力される超音波検出信号を受信して増幅する。上記のように、各超音波トランスデューサ302と被検体OBJ内の超音波反射源との間の距離がそれぞれ異なるため、各超音波トランスデューサ302に反射波が到達する時間が異なる。受信回路404は遅延回路を備えており、CPU100によって選択された音速(以下、仮定音速という)又は音速の分布に基づいて設定される受信遅延パターンに従って、反射波の到達時刻の差(遅延時間)に相当する分、各検出信号を遅延させる。次に、受信回路404は、遅延時間を与えた検出信号を整合加算することにより受信フォーカス処理を行う。超音波反射源XROIと異なる位置に別の超音波反射源がある場合には、別の超音波反射源からの超音波検出信号は到達時間が異なるので、上記受信回路404の加算回路で加算することにより、別の超音波反射源からの超音波検出信号の位相が打ち消し合う。これにより、超音波反射源XROIからの受信信号が最も大きくなり、フォーカスが合う。上記受信フォーカス処理によって、超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号(以下、RF信号という)が形成される。
A/D変換器406は、受信回路404から出力されるアナログのRF信号をデジタルRF信号(以下、RFデータという)に変換する。ここで、RFデータは、受信波(搬送波)の位相情報を含んでいる。A/D変換器406から出力されるRFデータは、信号処理部502とシネメモリ602にそれぞれ入力される。
シネメモリ602は、A/D変換器406から入力されるRFデータを順次格納する。また、シネメモリ602は、CPU100から入力されるフレームレートに関する情報(例えば、超音波の反射位置の深度、走査線の密度、視野幅を示すパラメータ)を上記RFデータに関連付けて格納する。
信号処理部502は、上記RFデータに対して、STC(Sensitivity Time gain Control)によって、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正をした後、包絡線検波処理を施し、Bモード画像データ(超音波エコーの振幅を点の明るさ(輝度)によって表した画像データ)を生成する。
信号処理部502によって生成されたBモード画像データは、通常のテレビジョン信号の走査方式と異なる走査方式によって得られたものである。このため、DSC(Digital Scan Converter)504は、上記Bモード画像データを通常の画像データ(例えば、テレビジョン信号の走査方式(NTSC方式)の画像データ)に変換(ラスター変換)する。画像処理部506は、DSC504から入力される画像データに、各種の必要な画像処理(例えば、階調処理)を施す。
画像メモリ508は、画像処理部506から入力された画像データを格納する。D/A変換器510は、画像メモリ508から読み出された画像データをアナログの画像信号に変換して表示部104に出力する。これにより、超音波探触子300によって撮影された超音波画像(動画)が表示部104に表示される。
なお、本実施形態では、受信回路404において受信フォーカス処理が施された検出信号をRF信号としたが、受信フォーカス処理が施されていない検出信号をRF信号としてもよい。この場合、複数の超音波トランスデューサ302から出力される複数の超音波検出信号が、受信回路404において増幅され、増幅された検出信号、すなわち、RF信号が、A/D変換器406においてA/D変換されることによってRFデータが生成される。そして、上記RFデータは、信号処理部502に供給されるとともに、シネメモリ602に格納される。受信フォーカス処理は、信号処理部502においてデジタル的に行われる。
次に、シネメモリ再生モードについて説明する。シネメモリ再生モードは、シネメモリ602に格納されているRFデータに基づいて超音波診断画像の表示や解析・計測を行うモードである。
操作卓202のシネメモリ再生ボタンが押下されると、CPU100は、超音波診断装置10の動作モードをシネメモリ再生モードに切り替える。シネメモリ再生モード時には、CPU100は、オペレータからの操作入力により指定されたRFデータの再生をシネメモリ再生部604に指示する。シネメモリ再生部604は、CPU100からの指令に基づいて、シネメモリ602からRFデータを読み出して、画像信号生成部500の信号処理部502に送信する。シネメモリ602から送信されたRFデータは、信号処理部502、DSC504及び画像処理部506において所定の処理(ライブモード時と同様の処理)が施されて画像データに変換された後、画像メモリ508及びD/A変換器510を経て表示部104に出力される。これにより、シネメモリ602に格納されたRFデータに基づく超音波画像(動画又は静止画)が表示部104に表示される。
ライブモード又はシネメモリ再生モード時において、超音波画像(動画)が表示されているときに操作卓202のフリーズボタンが押下されると、フリーズボタン押下時に表示されている超音波画像が表示部104に静止画表示される。これにより、オペレータは、着目領域(ROI:Region of Interest)の静止画を表示させて観察することができる。
操作卓202の計測ボタンが押下されると、オペレータからの操作入力により指定された解析・計測が行われる。データ解析計測部106は、各動作モード時に計測ボタンが押下された場合に、A/D変換器406又はシネメモリ602から、画像処理が施される前のRFデータを取得し、当該RFデータを用いてオペレータ指定の解析・計測(例えば、組織部の歪み解析(硬さ診断)、血流の計測、組織部の動き計測、又はIMT(内膜中膜複合体厚:Intima-Media Thickness)値計測)を行う。また、データ解析計測部106は、詳しくは後述するような減衰の計測を行う。データ解析計測部106による解析・計測結果は、画像信号生成部500のDSC504に出力される。DSC504は、データ解析計測部106による解析・計測結果を超音波画像の画像データに挿入して表示部104に出力する。これにより、超音波画像と解析・計測結果とが表示部104に表示される。
また、表示モード切り替えボタンが押下されると、Bモード画像を単独で表示するモード、Bモード画像に減衰計測結果を重畳して表示するモード(例えば、減衰係数に応じて色分け又は輝度を変化させる表示、又は減衰係数が等しい点を線で結ぶ表示)、Bモード画像と減衰計測結果の画像を並べて表示するモードの間で表示モードが切り替わる。これにより、オペレータは、減衰計測結果を観察することで、例えば、病変を発見することができる。
なお、減衰計測結果に基づいて、送信フォーカス処理及び受診フォーカス処理の少なくとも一方を施すことにより得られたBモード画像を表示部104に表示するようにしてもよい。
以下、本実施形態の超音波診断装置10の作用について説明する。
本発明は、整合加算前の各素子受信信号(素子信号)を用いることで、高精度に減衰を求めるものである。具体的には、減衰を求める方法として、以下の2つの方法が用いられる。
(1)送信フォーカスを掛けて擬似的な点反射を形成し、その各素子受信データを用いて、真中素子の受信信号の中心周波数の深さ方向の変化から減衰係数の分布を求める。
(2)送信フォーカスを掛けて擬似的な点反射を形成し、その各素子受信データを用いて、各素子受信信号の中心周波数から減衰係数及び深さを求める。
上記(1)の手法においては、単位深さではなく、単位伝播時間あたりの減衰係数の分布を求めることができる。このとき別途、音速計測により深さを求めれば、単位深さあたりの減衰係数の分布を求めることができる。本手法により、整合加算によるぼやけ誤差を取り除くことができる。
また、上記(2)の手法においては、送信時の中心周波数が未知でも求められるが、送信時の中心周波数が既知の方が減衰係数を高精度で求めることができる。本手法によれば、各素子(複数経路)信号の中心周波数から、深さとともに単位深さあたりの減衰係数を求めることができる。また、音速計測と組み合わせれば、減衰係数を高精度に求めることができる。
まず、上記(1)の手法で減衰係数の分布を求める方法を説明する。
図2は、(1)の手法で減衰係数の分布を求める処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図2のステップS10において、着目領域を設定する。
次に、ステップS12において、着目領域内の各ラインに沿って所定数の送信焦点を設定し、該当する送信フォーカスを実施し、各素子受信する。
このとき、各着目点に対応する送信フォーカスを選択するために、事前に各送信フォーカスの有効域を以下のようにして判定するようにしても良い。
すなわち、まず送信フォーカスNoiを設定し、所定の指定ラインNoに対して指定ライン幅内でラインNojを選択し、焦点Noi及びラインNojの各素子受信信号を読み込む。次に設定音速Nokを設定して、送信フォーカスNoiのラインNojの受信信号に設定音速Nokの受信フォーカスを実施し、シャープネスやコントラストなどフォーカスの程度を示す指標を計算し保存しておく。または画像を保存しておく。この処理を設定音速Noを変えて繰り返し行い、所定の設定音速について処理が終了したら、指定ライン幅内でラインNoを変更し、新たなラインNoに対してまた上記のように設定音速Nokを変えて受信フォーカスを実施し、指標または画像を保存しておく。
次に、指定ライン幅内の全ラインにおける各設定音速の指標または画像から各深さの環境音速(平均音速)を求め、環境音速の深さ方向の標準偏差を算出し、最小点を実際の焦点深さと判定し、送信フォーカスNoiの有効域を求める。そして、送信フォーカスNoを変更して、次の送信フォーカスNoに対する有効域を上と同様にして求める。
なお、各着目点に対応して送信フォーカスを実施するようにしても良い。
次に、ステップS14において、着目領域内に、所定数の着目点、(x,y),・・・,(x,y)を設定する。
そして、ステップS16において、着目点(x,y)の方位位置初期値を設定し、x=xとする。また、ステップS18において、着目点(x,y)の深さ位置初期値を設定し、y=yとする。
次に、ステップS20において、着目点(x,y)に対する送信フォーカスの各素子受信信号を選択し、真中素子の着目点の深さに相当する信号の中心周波数を求める。
中心周波数を求める方法としては、まず受信信号から着目点深さの時刻を基点とした所定時刻(深さ)範囲を取得し、周波数変換後に次の式、
∫f*P(f)df/∫P(f)df、により重心を求める。ここで、fは周波数、P(f)は周波数fにおけるスペクトル密度である。
なお、このような計算をすることなく、スペクトル密度分布を出した後、スペクトル密度が最大となる周波数を中心周波数としても良いし、スペクトル密度が最大となる周波数の半値幅の中心としても良い。あるいは、検波処理を実施して得られた位相の深さ方向の傾きが参照信号の中心周波数との差に比例することから求めるようにしてもよい。つまり、深さ方向の位相変化から中心周波数を求めても良い。
また、中心周波数を求める際に、真中素子を含めた所定開口で整合加算すれば、ノイズや干渉を減らして求めることができる。
次に、ステップS22において、深さ方向に着目点を(x,y)から(x,yj+1)と、1つ進める。そして、ステップS24において、j>mが成立するか否かにより、方位位置xに対応する深さ方向の全ての着目点についての処理が終了したか否か判断する。
その結果、方位位置xに対応する深さ方向の全ての着目点についての処理がまだ終了していない場合には、ステップS20に戻り、上記処理を繰り返す。
また、方位位置xに対応する深さ方向の全ての着目点についての処理が終了した場合には、次のステップS26において、方位位置xの各着目点の中心周波数の深さ方向に差分をとり、その結果を減衰係数として格納する。
そして、次のステップS28において、xをxi+1として方位方向に着目点を1つ進め、ステップS30において、i>nが成立するか否かにより、方位方向の全ての着目点についての処理が終了したか否か判断する。
その結果、方位方向についてまだ全ての着目点についての処理が終了していない場合には、ステップS18に戻り、上記処理を繰り返す。また、方位方向についても全ての着目点について処理が終了した場合には、全ての処理を終了する。
なお、上で説明した例においては、説明を簡単にするために、着目領域内の着目点のとり方を、方位方向xにn個、深さ方向yにm個とり、縦横n×mの長方形状に着目点をとったが、着目点のとり方はこれに限定されるものではない。すなわち、各方位位置xに対する深さyが一定でなくとも良い。
また、ステップS26において、差分をとるとき、差分をとる前に、深さ方向に平滑化フィルタを掛けても良いし、曲線フィッティングしても良い。または、差分をとらずに、方位方向に関する繰り返し処理を一通り終了して、その結果得られた中心周波数2次元データに、2次元平滑化フィルタを掛けても良いし、曲面フィッティングしても良い。また各着目点の深さに相当する信号の中心周波数を求める際に、必ずしも真中素子または真中素子を含めた所定開口で整合加算した信号でなくとも、ある素子またはある素子を含めた所定開口で整合加算した信号でも良い。
以上の処理によって、着目領域の各着目点における減衰係数を得ることができる。ただし、ここでの減衰係数は、単位深さではなく、単位伝播時間当たりの減衰係数を表している。
次に、上記(2)の手法により、単位深さあたりの減衰係数を求める方法について説明する。
これは、上述したように、送信フォーカスを掛けて擬似的な点反射を形成し、その各素子受信データを用いて、各素子受信信号の中心周波数から減衰係数及び深さを求める方法である。
まず、対象の減衰が均一な場合の減衰係数を求める方法を説明する。
生体内において、周波数f、伝播距離xにおける減衰はexp(−α0fx)で与えられる。ただし、本式は吸収及び散乱による減衰が周波数に比例することに基づいており、その減衰係数をα0としている。また拡散減衰は周波数に依存しないためここでは考慮していない。
上式の減衰の下で、ガウシアン型の超音波パルスの伝播にともなう中心周波数シフトは、伝播距離xに比例する。つまり、伝播距離xにおける中心周波数F(x)は、以下の式で与えられる。
F(x)=F(0)−αx ・・・(1)
ここでαは、α0とガウシアン型超音波パルスの帯域によって決まる係数である。
ここで図3に示すように、超音波トランスデューサ(素子)302の素子位置Dにおける深さXの着目点からの素子受信信号の中心周波数は、上記(1)式から、次の(2)式で与えられる。
F(X,D)=F(0)−α(X+√(X+D)) ・・・(2)
ここで、(2)式の未知数は、F(0)とαとXの3つなので、3素子以上の受信信号の中心周波数F(X,D)がわかれば、各変数を求めることができる。
しかし、実際には、送信時の中心周波数F(0)はわかるので、これを与えて、αとXを振ることにより、(2)式による中心周波数と実測の中心周波数が最も良く一致するαとXを求める方法が望ましい。また、別途、音速計測によってXが既知ならば、αを振って、実測の中心周波数と最も良く一致するαを求めれば、さらに高精度に減衰係数αを求めることができる。
また、生体の場合、例えば肝臓実質のように、計測領域において明瞭な反射体がなく、無数の散乱体があるだけの場合もある。しかし、送信フォーカスを掛けることによって、無数の散乱体中に擬似的に点反射を形成することができるため、上記手法を適用することが可能となる。
図3を用いて説明した上記手法は、対象の減衰係数αが均一な場合には、そのαを求めることができるが、不均一の場合には、その平均的なαを求めることができるだけである。
そこで、次に、図4に示すように、着目点よりも浅い(素子302に近い)格子点をとり、局所領域を設定して、着目点⇒各格子点⇒素子の伝播経路を求め、各格子点における中心周波数を求め、これから局所領域の減衰係数αを求める方法を説明する。
以下、図5のフローチャートに沿って、局所的な減衰係数を求める方法を説明する。
まず、図5のステップS40において、着目領域を設定する。
次に、ステップS42において、着目領域内の各ラインに沿って所定数の送信焦点を設定し、該当する送信フォーカスを実施し、各素子受信する。
このとき、前述した例と同様に、各着目点に対応する送信フォーカスを選択するために、事前に各送信フォーカスの有効域を判定するようにしても良い。
次に、ステップS44において、図6に示すように、着目領域内に、所定数の着目点、(x,y),・・・,(x,y)を設定する。
そして、ステップS46において、着目点(x,y)の方位位置初期値を設定し、x=xとする。また、ステップS48において、着目点(x,y)の深さ位置初期値を設定し、y=yとする。
次に、ステップS50において、着目点(x,y)の局所領域を設定する。ここで、図6に示すように、局所領域はその上面に着目点が設置されるように設定し、その下面に各格子点を設置する。そして、着目点⇒格子⇒素子という伝播経路を求める。
なお、局所領域を設定する際、着目領域下面と局所領域下面は一致しなくとも良い。例えば、局所領域下面は、別途、エッジ検出やユーザ設定によって決められた境界でも良い。また、平面である必要もなく、曲面であっても良い。
着目点⇒格子⇒素子の伝播経路の算出については、例えば図7に示すように、局所領域内の局所音速または局所受信時刻を求める際、同時に局所領域内の着目点深さ(着目点⇒各格子点の伝播経路)及び各格子点⇒素子の伝播経路を求めることができる。以下、これについて説明する。
図7において、被検体OBJ内の局所領域ROIの着目点をXROIとし、着目点XROIよりも浅い(すなわち、素子302に近い)位置にXY方向に等間隔に配置された格子点をA1、A2、A3、・・・とし、少なくとも着目点XROIと各格子点A1、A2、A3、・・・との間の音速Vはそれぞれ一定であると仮定する。なお、ここで局所領域における局所音速値を求める演算に使用する格子点A1、A2、A3、・・・の範囲及び個数は予め決めておく。
まず、着目点XROIと、着目点XROIより浅い格子点A1、A2、A3、・・・の受信時刻を算出する。着目点XROIと、各格子点A1、A2、A3、・・・における受信時刻は公知の画像解析及び位相収差解析の手法によって求めることができる。
次に、局所領域の仮定音速の初期値を設定し、仮定音速から決まる、着目点⇒各格子の伝播時間と、各格子受信時刻の和をとり、合成受信時刻を算出する。
すなわち、局所領域ROIにおいて設定した仮定音速によって決まる、着目点XROIから各格子点A1、A2、A3、・・・への伝播時間を算出し、これと上で求められている各格子点A1、A2、A3、・・・における受信時刻との和を求める。
今、図7に示すように、局所領域ROIにおける仮定音速をVとすると、着目点XROIから各格子点A1、A2、A3、・・・への伝播時間は、それぞれXROIA1/V、XROIA2/V、XROIA3/V、・・・で求められる。ここで、XROIA1、XROIA2、XROIA3、・・・は、着目点XROIから各格子点A1、A2、A3、・・・までの距離を表し、局所領域ROIの深さ方向の幅ΔY(Y方向の距離)及び着目点XROIと各格子点A1、A2、A3、・・・とのX方向の距離ΔXA1、ΔXA2、ΔXA3、・・・から三平方の定理により√(ΔXA1 2+ΔY2)、√(ΔXA2 2+ΔY2)、√(ΔXA3 2+ΔY2)、・・・として求めることができる。そしてΔYは、Vと局所領域ROIの深さ方向の時間幅ΔT(着目点XROIとその直下の格子点Anの直下の素子における受信時刻、または最小受信時刻の差)からΔY= ΔT *V / 2として求めることができる。
一方、各格子点A1、A2、A3、・・・における受信時刻はすでに求めてあるので、着目点⇒各格子の伝播時間と、各格子受信時刻の和を求めて、その合成受信時刻を算出することができる。
そして、各素子について、上記合成受信時刻のうち最小となる合成受信時刻をその素子の合成受信時刻とする(すなわち、着目点XROIから格子点Aを通って(Aで屈折して)ある素子に至る経路のうち伝播時間が最小となる経路を求めることとなる)。
そして、上で求めた各素子の(伝播時間が最小となる経路に対応する)合成受信時刻と、各素子の着目点XROIからの受信時刻とを比較する。各素子の合成受信時刻と、各素子の受信時刻を比較してその誤差を求め、前回の比較のときよりもその誤差が小さい合成受信時刻(あるいはそれに対応する仮定音速)を保存する。
そして、仮定音速を1ステップ変更し、予め設定された全ての仮定音速に対しての演算が終了したか否か判断する。そして、まだ全ての仮定音速についての演算が終了していない場合には、上記の処理を繰り返す。
一方、全ての仮定音速についての演算が終了した場合には、最終的に保存されている合成受信時刻(あるいはそれに対応する仮定音速)から局所領域における局所音速を判定する。そして、局所音速とともに局所領域内の着目点深さ(着目点⇒各格子点の伝播経路)及び各格子点⇒素子の伝播経路も求まることとなる。
なお、上記処理においては、着目点のみでなく各格子点に対応する送信フォーカスが必要となる。つまり、もし着目領域下面と局所領域下面が一致しない場合には、別途局所領域下面に対応する送信フォーカスが必要な場合もある。
上記説明において、局所領域の局所音速を判定するために、一着目点のみでなく、局所領域内の深さ方向にまたは2次元的(あるいは3次元的)に設定した複数の着目点で求めた受信時刻の誤差の総和をとるようにすることで、より高精度に局所音速を判定することができる。なお、この時、複数の着目点で求めた受信時刻の誤差ではなく、各着目点の局所音速の平均をとってもよい。
また、着目点XROIより浅い格子点のとり方としては、先にも述べた通り、図7に示したものに限定されず、着目点XROIより下側(素子302側)に、任意の曲面上に設置するようにしてもよい。例えば、組織や病変の境界上に設置しても良い。
図5のフローチャートに戻り、次に、ステップS52において、局所領域下面の各格子における中心周波数を各素子信号の中心周波数を格子点⇒素子の経路に沿ってシフトすることによって求める。
具体的には、各格子点について対応する素子を上で求めた格子点⇒素子の伝播経路から特定し、この素子の受信信号の中心周波数から格子点⇒素子の中心周波数シフト量を引き、格子点における中心周波数を求める。
そのために、まず、各格子に対応する送信フォーカスを掛けて得られた各素子信号において、上のステップS50において、すでに、画像解析及び位相収差解析によって特定した受信時刻を中心に所定時刻範囲を周波数変換し、または深さ方向の位相変化傾きから各素子の受信信号の中心周波数を求める。
この時、求める素子を含む所定開口で、該当する受信時刻の信号を整合加算しておいても良い。これによりノイズや干渉を減らして求めることができる。
次に、格子⇒素子の伝播による中心周波数シフト量を求める。ある格子に関して、(中心周波数[真中の素子の受信信号]−中心周波数[送信時])/2、が素子⇒格子点の中心周波数シフト量である。
この値を、(中心周波数[各素子の受信信号]−中心周波数[送信時])、から引いた値が、格子点⇒各素子の伝播経路の中心周波数シフト量を示している。
送信時の中心周波数が未知だとしても、格子点⇒各素子の全経路で均一減衰を仮定すれば、上記(2)式において、F(0)、α、Xを仮定して求めた各素子中心周波数と実測の各素子中心周波数との誤差が最小のF(0)、α、Xを求め、それからシフト量を求めることができる。ただし、送信時の中心周波数が既知の方が精度は良い。
次に、着目点に対応する送信フォーカスを掛けて得られた各素子受信信号において、ステップS50において、すでに、画像解析及び位相収差解析によって特定した受信時刻を
中心に所定時刻範囲を周波数変換し、または深さ方向の位相変化傾きから中心周波数を求める。
そして、上で求めた格子⇒素子の中心周波数シフト量の内、局所音速とともに求めた格子⇒素子の伝播経路に沿う値を抽出し、上で求めた各素子における中心周波数から引くことによって各格子における中心周波数を求める。
以上の処理において、格子点⇒素子の中心周波数シフト量を求める各素子受信信号は格子点に対応する送信フォーカスを掛けて得られた信号、格子点の中心周波数を求めるための各素子受信信号は着目点に対応する送信フォーカスを掛けて得られた信号であることに注意する。
次に、図5のステップS54において、局所領域内の減衰係数を仮定して求めた各格子中心周波数と各素子信号の中心周波数シフトにより求めた中心周波数との誤差を求め、それを減衰係数毎に保持する。
まず、着目点⇒各格子点の伝播経路が上のステップS50で求められているため、着目点における中心周波数、及び局所領域の減衰係数αを仮定すれば、上記(2)式によって各格子の中心周波数を求めることができる。
そして、この各格子の中心周波数と、上のステップS52で求めた各格子点の中心周波数とを比較し、その誤差を求める。この誤差を今仮定している減衰係数α毎に保持する。
次に、ステップS56において、深さ方向の位置yを1つ変更し、ステップS58で、j>mが成り立つか否か、すなわち、深さ方向の全ての位置についての処理が終了したか否か判断する。まだ、全ての深さ方向位置yについての処理が終了していない場合には、ステップS50に戻り、上記処理を繰り返す。
また、全ての深さ方向位置yについての処理が終了した場合には、次のステップS60において、方位方向の位置xを1つ変更し、ステップS62において、i>nが成り立つか否か、すなわち、全ての方位方向位置xについての処理が終了したか否か判断する。
まだ、全ての方位方向位置xについての処理が終了していない場合には、ステップS48に戻り、上記処理を繰り返す。
また、全ての方位方向位置xについての処理が終了した場合には、次のステップS64において、全着目点に関して求めた各減衰係数の誤差の総和を算出、比較し、誤差最小の減衰係数αを真値と判定する。
このとき、各着目点に対して減衰係数を求め、その平均値を真値と判定してもよい。また、各着目点に対して減衰係数を求め、そのままの値を着目領域内の減衰係数分布として表示してもよい。この場合、局所領域を各着目点を中心に所定サイズで設定してもよい。
また、着目点⇒各格子点の伝播経路長を敢えて与えずに、着目点の中心周波数、減衰係数αとともに振っても良い。また、各着目点の中心周波数を、その深さ方向位置と減衰係数αに基づいて与えても良い。例えば着目点真下の格子点における中心周波数を仮定すると、その格子点と着目点との距離がステップS50で求められているため、それと減衰係数αから、着目点における中心周波数が与えられる。ここで複数の着目点で真下の格子点が共通となるように局所領域を設定した場合、それらの着目点における中心周波数は共通の真下の格子点における中心周波数と減衰係数αにより一意に与えられることとなり、各着目点の中心周波数を独立に振る方法に比べ精度向上が望める。また、着目点真下の格子点⇒着目点⇒各格子点の伝播経路から減衰係数αを求めても良い。この場合、真下の格子点における素子⇒格子点の周波数シフト量が既知のため、中心周波数[送信時]から引けば本格子点における中心周波数を求めることができる。従って、減衰係数αのみを振って高精度に求めることができる。ここで、真下格子点における周波数シフト量を求める各素子受信信号は、真下格子点に対応する送信フォーカスを掛けて得られた信号であることに注意する。
また、図5のフローチャートのように各着目点に対して設定した各局所領域において局所音速及び着目点⇒格子⇒素子の伝播経路を個別に求めるのではなく、着目領域内の局所音速を一定と見做して各着目点の着目点⇒格子⇒素子の伝播経路を求めても良い。この場合、着目領域内の一つの局所領域、例えば着目領域全体を局所領域に設定して局所音速を求めても良い。また着目領域内の一着目点のみでなく、複数の着目点で求めた受信時刻の誤差や局所音速に基づいて局所音速を求めても良い。
なお、以上説明した減衰係数を求める処理において、中心周波数の代わりに振幅の変化を利用しても良い。ただし、振幅は減衰のみでなく、拡散や送信フォーカス、非線形特性などの影響を受けるため、上記(1)式のような単純な伝播距離との比例関係は成り立たない。これに関しては、減衰が伝播距離のみでなく、周波数に依存することを利用して解決することができる。
具体的には、「2周波数の対数圧縮後の振幅の差」が伝播距離に比例し、かつ、差をとることで上記の他要因の影響が低減されているため、「中心周波数」の代わりに上述した処理と同様の処理を適用することができる。「対数圧縮をしない振幅比」の場合、伝播距離によって指数関数的に変化するが、そのことを考慮すれば、これも「中心周波数」の代わりに上述した処理と同様の処理を適用することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、真中素子の受信信号の中心周波数の深さ方向の変化から減衰係数の分布を求めるようにしたため、あるいは、各素子受信信号の中心周波数から減衰係数を求めるようにしたため、整合加算後の信号を用いるよりも、高精度に減衰係数を求めることができるようになった。
以上、本発明に係る超音波診断装置及び超音波測定方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…超音波診断装置、100…CPU、104…表示部、106…データ解析計測部、200…操作入力部、300…超音波探触子、302…超音波トランスデューサ、400…送受信部、500…画像信号生成部、502…信号処理部、506…画像処理部

Claims (6)

  1. 超音波を被検体に送信するとともに、該被検体によって反射される超音波を受信して超音波検出信号を出力する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子を有する超音波診断装置であって、
    前記複数の超音波トランスデューサのうちの1つの超音波トランスデューサ、又は該1つの超音波トランスデューサを含む開口であって、通常のBモード画像生成用の開口より小さい所定開口の各超音波トランスデューサの前記超音波検出信号を用いると共に、前記被検体内において複数の異なる経路を伝播して前記超音波トランスデューサによって受信された前記超音波検出信号に基づいて前記複数の異なる経路毎に超音波検出信号の周波数又は振幅を算出し、前記複数の異なる経路毎に算出した周波数又は振幅の差異に基づいて前記被検体内における前記超音波の減衰の程度を求める減衰算出手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記被検体内の異なる経路を伝播した超音波を受信する前記超音波トランスデューサの各々の前記所定開口は、前記超音波トランスデューサ上の異なる位置にある事を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 超音波を前記被検体に送信してから前記被検体内を超音波伝播する経路を、送信してから前記被検体内の反射点まで伝播する経路と、前記反射点から前記超音波トランスデューサ上の前記所定開口まで伝播する経路に分けるとして前記反射点の位置が前記異なる経路毎に異なる場合に、前記経路に応じて異なる位置に送信フォーカスを実施する事を特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
  4. 複数の超音波トランスデューサにより、超音波を被検体に送信するとともに該被検体によって反射される超音波を受信して超音波検出信号を出力する工程を有する超音波測定方法であって、
    減衰算出手段が、前記複数の超音波トランスデューサのうちの1つの超音波トランスデューサ、又は該1つの超音波トランスデューサを含む開口であって、通常のBモード画像生成用の開口より小さい所定開口の各超音波トランスデューサの前記超音波検出信号を用いると共に、前記被検体内において複数の異なる経路を伝播して前記超音波トランスデューサによって受信された前記超音波検出信号に基づいて前記複数の異なる経路毎に超音波検出信号の周波数又は振幅を算出し、前記複数の異なる経路毎に算出した周波数又は振幅の差異に基づいて前記被検体内における前記超音波の減衰の程度を求める減衰算出工程を備えたことを特徴とする超音波測定方法。
  5. 前記被検体内の異なる経路を伝播した超音波を受信する前記超音波トランスデューサの各々の前記所定開口は、前記超音波トランスデューサ上の異なる位置にある事を特徴とする請求項に記載の超音波測定方法。
  6. 超音波を前記被検体に送信してから前記被検体内を超音波伝播する経路を、送信してから前記被検体内の反射点まで伝播する経路と、前記反射点から前記超音波トランスデューサ上の前記所定開口まで伝播する経路に分けるとして前記反射点の位置が前記異なる経路毎に異なる場合に、前記経路に応じて異なる位置に送信フォーカスを実施する事を特徴とする請求項又はに記載の超音波測定方法。
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