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JP5683404B2 - コーティング組成物及びその製造方法、並びに防汚性多孔質物品及びその製造方法 - Google Patents

コーティング組成物及びその製造方法、並びに防汚性多孔質物品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コーティング組成物及びその製造方法、並びに防汚性多孔質物品及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、塗り壁、繊維壁、土壁、繊維質クロス、岩綿吸音板などの多孔質物品に用いられるコーティング組成物及びその製造方法、並びに防汚性多孔質物品及びその製造方法に関する。
室内外の各種物品の表面は、粉塵などの汚れの付着により美観が損なわれたり、衛生状態が低下したりすることがある。そこで、これらの問題を解決するために、様々な方法が検討されている。例えば、帯電防止剤やフッ素樹脂などを各種物品の表面に塗布することによって粉塵などの汚れの付着を抑制している。
また、各種物品の中には、その表面の色調、質感及び状態などを変化させることなく防汚性能を付与しなければならないものがある。そこで、この問題を解決するために、特許文献1では、シリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子とを含むコーティング組成物を物品の表面に塗布する方法が提案されている。ここで、「防汚性能」とは、汚れが付着し難い性能、及び付着した汚れが除去され易い性能を意味する。
国際公開第2008/087877号公報
塗り壁、繊維壁、土壁、繊維質クロスなどの室内外の壁面や、岩綿吸音板などの天井材のような多孔質基材は、その表面に微小な凹凸があることにより、独自の色調や質感を有する共に、水分の吸収性及び放出性や吸音性などの特性を備えている。従って、多孔質基材の表面に厚いコーティング膜を形成してしまうと、その表面の色調や質感だけでなく様々な特性までも損なうおそれがあるため好ましくない。
他方、特許文献1のコーティング組成物は、薄いコーティング膜を形成し得るため、多孔質基材に適用するのに好ましいとも考えられる。しかしながら、特許文献1のコーティング組成物は、多孔質基材内に吸収され易いため、多孔質基材の表面にコーティング膜を形成すること自体が困難である。また、多孔質基材の表面にコーティング膜が形成できたとしても、コーティング膜が均一になり難いため、防汚性能が十分に得られない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を形成し得るコーティング組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を有する防汚性多孔質物品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、シリカ微粒子及び樹脂微粒子及び水を含むコーティング組成物に、2価以上の金属イオンを特定の割合で配合することでシリカ微粒子を適度に凝集させ、コーティング組成物を多孔質基材に塗布する際に、多孔質基材内へのコーティング組成物の吸収を抑制して均一で薄いコーティング膜を形成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、多孔質基材の表面に塗布されるコーティング組成物であって、コーティング組成物は、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物である。
また、本発明は、多孔質基材の表面に塗布され、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法であって、シリカ微粒子及びフッ素樹脂微粒子を水に分散させて分散液を調製した後、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を分散液に添加することを特徴とするコーティング組成物の製造方法である。
また、本発明は、上記のコーティング組成物を多孔質基材に塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法である。
また、本発明は15〜200mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を多孔質基材の表面に塗布した後、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、及び水を含むコーティング組成物を塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法である。
さらに、本発明は、多孔質基材と、前記多孔質基材上に形成されたコーティング膜とを有する防汚性多孔質物品であって、前記コーティング膜は、上記の方法によって形成されることを特徴とする防汚性多孔質物品である。
本発明によれば、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を形成し得るコーティング組成物及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を有する防汚性多孔質物品及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態1のコーティング組成物から形成されるコーティング膜の断面図である。 従来のコーティング組成物から形成されるコーティング膜の断面図である。
実施の形態1.
本実施の形態のコーティング組成物は、シリカ微粒子、樹脂微粒子、2価以上の金属イオン及び水を含む。
シリカ微粒子は、コーティング膜のベースである親水性のシリカ被膜となり、帯電による粉塵などの汚れの付着及び固着を抑制する成分である。特に、シリカ微粒子は親水性であるため、疎水性の汚れを付着及び固着させ難くすることができる。
シリカ微粒子は、平均粒径が十分に小さければ、無機バインダーを添加しなくても、コーティング組成物を塗布して乾燥させるだけで(必要なら加熱してもよい)、コーティング膜を容易に形成することができる。そのため、シリカ微粒子の平均粒径は、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。シリカ微粒子の平均粒径が25nmを超えると、コーティング膜が白濁し易くなり、多孔質物品の色調や質感を損なってしまう場合がある。他方、シリカ微粒子の平均粒径が小さすぎると、コーティング組成物の安定性が損なわれてしまう場合がある。そのため、シリカ微粒子の平均粒径は、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。
ここで、本明細書における「平均粒径」とは、レーザー光散乱式又は動的光散乱式の粒度分布計で測定された平均粒径の値を意味する。
コーティング組成物におけるシリカ微粒子の含有量は、10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。なお、シリカ微粒子の質量は乾燥状態などによって変化するため、100℃で乾燥させることによって水分を十分に蒸発させた後の質量をシリカ微粒子の質量とする(以下、シリカ微粒子の質量は、上記と同様の意味で用いる)。シリカ微粒子の含有量が10質量%を超えると、コーティング膜が白濁してしまい、多孔質物品の色調や質感を損なってしまう。一方、シリカ微粒子の含有量が0.1質量%未満であると、コーティング膜が薄すぎたり、不均一になったりする場合がある。
また、必要であれば、シリカ微粒子と共に無機バインダーを配合してもよい。無機バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ナトリウムシリケートやリチウムシリケートなどの各種シリケート、金属アルキレート、リン酸アルミ、ρ−アルミナなどが挙げられる。無機バインダーを用いる場合、無機バインダーの配合量は、シリカ微粒子100質量部に対して、好ましくは35質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。無機バインダーの配合量が35質量部を超えると、無機バインダーの含有量が35質量部を超えると、形成されるコーティング膜が緻密になりすぎると共に、干渉色が現れる場合がある。その結果、多孔質物品の色調や質感が損なわれたり、防汚性能が低下したりしてしまう場合がある。
また、必要であれば、シリカ微粒子と共に、シリカ微粒子以外の他の親水性無機微粒子を配合してもよい。このような親水性無機微粒子を配合することにより、光触媒性、抗菌性、導電性、着色性などの特性をコーティング膜に付与することが可能になる。親水性無機微粒子の例としては、マグネシウム、アルミニウム、チタン、セリウム、スズ、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、アンチモンなどの元素の金属、酸化物、窒化物の微粒子が挙げられる。親水性無機微粒子を用いる場合、親水性無機微粒子の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されない。
樹脂微粒子は、コーティング膜中に点在して疎水性部分を形成する成分である。特に、樹脂粒子は、疎水性であるため、親水性の汚れを付着及び固着させ難くすることができる。
樹脂微粒子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。樹脂微粒子の例としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリルスチレン、メタクリル樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリルサルホン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステルカーボネート、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、及び熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂から形成される粒子が挙げられる。また、これらの混合物、アイオノマー、各種添加物を含有したものも使用可能である。
上記の各種樹脂微粒子の中でも、防汚性能の観点から、疎水性が高いフッ素樹脂から形成される粒子が好ましい。フッ素樹脂の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、これらの共重合体及び混合物、又はこれらのフッ素樹脂に他の樹脂を混合したものなどが挙げられる。
樹脂微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.05μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上2μm以下である。樹脂微粒子の平均粒径が0.05μm未満であると、コーティング膜において疎水性部分が小さくなりすぎ、所望の防汚性能が得られない場合がある。一方、樹脂微粒子の平均粒径が10μmを超えると、コーティング膜の表面凹凸が大きくなり、微細な粉塵などが捕捉され易くなるため、所望の防汚性能が得られない場合がある。
コーティング組成物における樹脂微粒子の含有量は、5質量%以下、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.03質量%以上3質量%以下である。無機微粒子の含有量が5質量%を超えると、帯電防止効果や、疎水性の汚れに対する防汚性能の効果が十分に得られない。一方、樹脂微粒子の配合量が0.01質量%未満であると、所望の防汚性能が得られない場合がある。
2価以上の金属イオンは、コーティング組成物中でシリカ微粒子を適度に凝集させる成分であり、これにより、コーティング組成物を多孔質基材に塗布する際に、多孔質基材にコーティング組成物が吸収されるのを抑制することができる。また、2価以上の金属イオンによって凝集したシリカ微粒子は凝集力が弱いため、均質なコーティング膜を形成することができる。
ここで、シリカ微粒子を凝集させる方法として、有機凝集剤などを用いることが考えられる。しかしながら、これらを用いて形成したコーティング膜は、有機凝集剤の存在によって、防汚性能が低下したり、時間の経過と共に着色が生じる。従って、有機凝集剤を用いることは好ましくない。
なお、1価の金属イオンでは、シリカ微粒子を凝集させることができない。
2価以上の金属イオンの例としては、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Sn4+などが挙げられる。また、これらのアンミン錯体、アコ錯体、ヒドロキシ錯体、シアノ錯体、チオシアノ錯体、クロロ錯体などの錯イオン(例えば、[Zn(NH2+、[Cu(NH2+、[Cu(HO)2+、[Fe(SCN)]2+、[Ni(NH2+、[CoCl(NH2+、[Co(NH3+、[Co(HO)3+、[Co(NH(HO)3+など)を用いることも可能である。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらの中でも、取扱性が良好であると共に、着色のおそれが少ないカルシウムイオン(Ca2+)及びマグネシウムイオン(Mg2+)が好ましい。
コーティング組成物における2価以上の金属イオンの含有量は、0.5mmol/L以上、好ましくは0.5mmol/L以上50mmol/L以下、より好ましくは1.5mmol/L以上10mmol/L以下である。2価以上の金属イオンの含有量が0.5mmol/L未満であると、シリカ微粒子の凝集効果が十分に得られず、所望の防汚性能が得られない。一方、2価以上の金属イオンの含有量が50mmol/Lを超えると、シリカ微粒子の凝集力が強くなりすぎてしまい、コーティング組成物中でシリカ微粒子が固化しまったり、均質なコーティング膜を形成できない場合がある。
コーティング組成物は、揮発成分である溶媒として水を含む。水としては特に限定されないが、水に含まれるミネラル分の量が多い場合には、シリカ微粒子の凝集の程度を十分に制御することができなくなる場合がある。そのため、脱イオン水を用いることが好ましい。
コーティング組成物における水の含有量は、特に限定されないが、好ましくは50質量%以上99.8質量%以下、好ましくは60質量%以上99質量%以下である。
また、水と相溶する極性溶剤を水と共に用いてもよい。水と相溶する極性溶剤の例としては、エタノール、メタノール、2−プロパノール及びブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸セロソルブ、乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルなどのエステル類;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ及びジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどのグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル類等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
水と相溶する極性溶剤を用いれば、コーティング組成物を多孔質基材に塗布する際に、コーティング組成物の多孔質基材に対する馴染みを向上させ、均質なコーティング膜の形成を容易にすることができる。また、コーティング膜のひび割れや剥離を抑制することもできる。
水と相溶する極性溶剤を用いる場合、水及び水と相溶する極性溶剤の混合物における水と相溶する極性溶剤の含有量は、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは5質量%以上25質量%以下である。水と相溶する極性溶剤の含有量が1質量%未満では、添加の効果が十分に得られない場合がある。一方、水と相溶する極性溶剤の含有量が30質量%を超えると、乾燥過程で水と極性溶剤が相分離したり、乾燥時間が長くなったりする場合がある。
コーティング組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、様々な特性をコーティング組成物に付与する観点から、当該技術分野において公知の成分を含むことができる。かかる成分の例としては、界面活性剤、カップリング剤、シラン化合物などが挙げられる。これらの成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、使用する成分の種類に応じて適宜調整すればよい。
上記のような成分を含むコーティング組成物の製造方法は、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法に準じて行うことができる。例えば、コーティング組成物は、以下のようにして製造することができる。
まず、シリカ微粒子の分散液を調製する。この分散液は、シリカ微粒子が水に分散されたものであればよく、市販のもの(例えば、コロイダルシリカや酸化チタンゾルなど)を用いてもよい。
次に、この分散液に樹脂微粒子を配合して混合攪拌する。樹脂微粒子の配合方法は特に限定されず、樹脂微粒子、樹脂微粒子の分散液やエマルジョンをシリカ微粒子の分散液に配合すればよい。また、コーティング組成物に樹脂溶液を配合して自己乳化させてもよい。
次に、上記の分散液に2価以上の金属イオンを配合して混合攪拌する。ここで、2価以上の金属イオンは水溶性塩の形態で配合することが好ましい。しかしながら、この水溶性塩を固体のまま上記の分散液に直接配合して混合攪拌すると、シリカ微粒子の凝集が局所的に進行し、シリカ微粒子の均質な凝集状態が得られない場合がある。また、水溶性塩の表面にシリカ微粒子が固着して、水溶性塩が十分に溶解しない場合もある。これらの問題を回避するため、水溶性塩の水溶液を予め作製し、これを上記の分散液に配合することが好ましい。
水溶液中の金属イオンの濃度は、塩の種類や凝集させるシリカ微粒子の濃度に依存するため、一義的に定義することは難しい。一般的には、水溶液中の金属イオンの濃度は、好ましくは10mmol/L以上2mol/L以下、より好ましくは50mmol/L以上1mol/L以下である。水溶液中の金属イオンの濃度が2mol/Lを超えると、混合時にシリカ微粒子の凝集が不均一になる場合がある。一方、水溶液中の金属イオンの濃度が10mmol/L未満であると、配合する水溶液の量が多くなり、保管や作業性が困難になる場合がある。
2価以上の金属イオンの配合は、シリカ微粒子の凝集物の沈降や経時変化が生じることがあるため、使用直前に行うことが好ましい。具体的には、コーティング組成物を使用する時から8時間前、好ましくは4時間前に配合することが望ましい。8時間よりも前に2価以上の金属イオンを配合すると、シリカ微粒子の凝集物の沈降による影響が顕在化し始める場合がある。
また、スプレー噴霧装置のノズル部分に2種の液を送り込み混合しながら噴霧する方法を用いれば、噴霧の過程でコーティング組成物を調製することができ、シリカ微粒子の凝集物の沈降や経時変化を防止することが可能である。
このようにして製造されるコーティング組成物は、多孔質基材への適用に適している。他方、多孔質ではなく平坦で艶があるような基材への適用には好ましくない場合がある。これは、シリカ微粒子の凝集によって基材の艶が損なわれる他、コーティング膜の表面に微小凹凸が形成される結果、粉塵などの汚れが付着し易くなるためである。多孔質基材への適用に際しては、上記のような問題は生じず、良好な防汚性能を得ることができる。
コーティング組成物が適用される多孔質基材としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを使用することができる。多孔質基材の例としては、木材、布帛、多孔質プラスチック、紙、フェルト、コンクリート、石膏、岩綿、多孔質金属などから形成される基材が挙げられる。また、漆喰、土壁、塗り壁などを基材として用いてもよい。
コーティング組成物の多孔質基材への塗布方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。塗布方法の例としては、浸漬塗布、スプレー塗布、及び刷毛、ローラー、ブラシ又は各種コーターによる塗布が挙げられる。また、コーティング組成物を多孔質基材にかけ流して塗布することも可能である。これらの方法を用いれば、多孔質基材にコーティング組成物を欠陥なく均一に塗布することができる。
コーティング組成物の塗布量は、一般に、多孔質基材の種類に応じて適宜調整する必要があるが、1mあたり、好ましくは50g以上800g以下、より好ましくは100g以上500g以下である。コーティング組成物の塗布量が1mあたり50g未満では、均一なコーティング膜が形成されず、所望の防汚性能が得られない場合がある。一方、コーティング組成物の塗布量が1mあたり800gを超えると、コーティング膜が厚くなりすぎ、多孔質基材の色調や質感が損なわれてしまう場合がある。
本実施の形態のコーティング組成物から形成されるコーティング膜の断面図を図1に示す。また、比較のために、従来のコーティング組成物から形成されるコーティング膜の断面図を図2に示す。
本実施の形態のコーティング組成物は、シリカ微粒子を適度に凝集させているため、図1に示すように、多孔質基材1に塗布した際に多孔質基材1の細孔内にシリカ微粒子1や樹脂微粒子3が侵入し難くなり、多孔質基材1の表面に均質なコーティング膜が形成される。このコーティング膜は、シリカ微粒子2から成るシリカ被膜中に樹脂微粒子3が分散されている。シリカ微粒子は親水性、樹脂微粒子は疎水性であるため、このコーティング膜の表面は、親水性部分の中に疎水性部分が点在した構成となる。このような表面では、疎水性の汚れだけでなく親水性の汚れも付着し難く、親水性及び疎水性の汚れに対する防汚性能が高くなる。
これに対して、従来のコーティング組成物は、シリカ微粒子が凝集していないため、図2に示すように、多孔質基材1に塗布した際に多孔質基材1の細孔内にシリカ微粒子2や樹脂微粒子3が侵入してしまい、多孔質基材1の表面に均質なコーティング膜を形成することができない。
実施の形態2.
実施の形態1では、2価以上の金属イオンを含むコーティング組成物を多孔質基材に塗布することによって多孔質物品を製造したが、2価以上の金属イオンを含む水溶液を多孔質基材に塗布した後、シリカ微粒子、樹脂微粒子及び水を含むコーティング組成物を塗布することによっても防汚性多孔質物品を製造することができる。この方法によれば、2価以上の金属イオンを多孔質基材の表面に予め存在させることができるため、シリカ微粒子、樹脂微粒子及び水を含むコーティング組成物を塗布した際にシリカ微粒子が多孔質基材の表面で迅速に凝集する結果、多孔質基材の細孔内にシリカ微粒子や樹脂微粒子が侵入することを抑制することができる。また、この方法によれば、コーティング膜と多孔質基材との密着性も高くなる。
本実施の形態の方法で使用する材料や手段などについては、実施の形態1とほとんど同じであるため、相違する部分についてのみ説明し、同一の部分は説明を省略する。
2価以上の金属イオンを含む水溶液における2価以上の金属イオンの含有量は、15mmol/L以上、好ましくは15mmol/L以上200mmol/L以下、より好ましくは20mmol/L以上150mmol/L以下である。2価以上の金属イオンの含有量が15mmol/L未満であると、シリカ微粒子が多孔質基材の表面で迅速に凝集できず、所望の防汚性能が得られない。一方、2価以上の金属イオンの含有量が200mmol/Lを超えると、多孔質基材の表面に過剰に塩が生じてしまい、シリカ微粒子の凝集にムラが生じると共に、白濁化して多孔質基材の色調や質感が損なわれてしまう場合がある。
コーティング組成物は、シリカ微粒子、樹脂微粒子及び水を含む。このコーティング組成物におけるシリカ微粒子、樹脂微粒子及び水の含有量は、実施の形態1のコーティング組成物と同じである。
コーティング組成物の塗布のタイミングは、2価以上の金属イオンを含む水溶液の塗布した後であれば特に限定されない。すなわち、コーティング組成物の塗布は、2価以上の金属イオンを含む水溶液の塗布後、この水溶液が十分に乾燥していない時でも、ほぼ完全に乾燥した後であってもよい。
このようにして形成されるコーティング膜は、図1に示すような構成を有するコーティング膜であり、疎水性の汚れだけでなく親水性の汚れも付着し難く、親水性及び疎水性の汚れに対する防汚性能が高い。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径1.2μmのPTFE微粒子(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)をエタノールに加え、これをシリカ微粒子の分散液にホモジナイザーで激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にMgSOの水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、MgSOの水溶液中のMgSOの含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
(実施例2)
MgSOの水溶液の代わりに、CaClの水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を20mmol/Lに調整した。
(実施例3)
MgSOの水溶液の代わりに、CaClの水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。
(実施例4)
MgSOの水溶液の代わりに、CaClの水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を0.5mmol/Lに調整した。
(比較例1)
PTFE粒子を加えないこと以外は、上記の実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。ここで、MgSOの水溶液中のMgSOの含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
(比較例2)
MgSOの水溶液を加えなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。
(比較例3)
MgSOの水溶液の代わりに、CaClの水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を0.15mmol/Lに調整した。
(比較例4)
実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、MgSOの水溶液中のMgSOの含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を0.3mmol/Lに調整した。
(比較例5)
シリカ微粒子の配合量を多くし、MgSOの水溶液の代わりにCaClの水溶液を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。ここで、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。
(比較例6)
コーティング膜を形成しないサンプルを用意した。
実施例1〜4及び比較例1〜6で調製したコーティング組成物の主要成分の組成を表1に示す。なお、各コーティング組成物におけるエタノールの含有量は10質量%(比較例1を除く)、水の含有量は残部である。
次に、得られたコーティング組成物を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した。塗布量は、1mあたり約150gとした。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、コーティング膜にカーボンブラックをふりかけた後、軽くエアブローし、コーティング膜の汚染の程度を目視によって評価した。この評価結果は5段階評価とし、汚染が全くない状態を1、汚染が著しく真っ黒になった状態を5とした。その結果を表1に示す。
Figure 0005683404
表1の結果に示されているように、シリカ微粒子、PTFE微粒子及び2価以上の金属イオンを特定の割合で含む実施例1〜4のコーティング組成物から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が少なく、防汚性能が高かった。
これに対して、PTFE粒子を含まないコーティング組成物(比較例1)、2価以上の金属イオンを含まないコーティング組成物(比較例2)、2価以上の金属イオンの割合が少ないコーティング組成物(比較例3及び4)、シリカ微粒子の含有量が多すぎるコーティング組成物(比較例5)から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、防汚性能が低かった。また、コーティング膜を形成しない場合、カーボンブラックの付着量が極めて多かった(比較例6)。
(実施例5及び6)
平均粒径5nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、シリカ微粒子の分散液にフッ素樹脂(DIC株式会社製溶剤可溶型フルオネート)を加えて混合し、湿式微粒化装置(ナノマイザー)を用いてフッ素樹脂を平均粒径0.6μmになるまで微粒化し、コーティング組成物を得た。コーティング組成物の主要成分の組成を表2に示す。なお、各コーティング組成物における水の含有量は残部である。
他方、様々な2価以上の金属イオンの水溶性塩の水溶液を調製した。水溶液中の2価以上の金属イオンの含有量を表2に示す。なお、この水溶液における水の含有量は残部である。
次に、2価以上の金属イオンの水溶液を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した後、コーティング組成物を、刷毛を用いてさらに塗布した。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
(比較例7及び8)
2価以上の金属イオンの水溶液の代わりに純水を用いたこと以外は、上記の実施例と同様の方法によってコーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、上記と同じ方法及び評価を用いた。その結果を表2に示す。
Figure 0005683404
表2の結果に示されているように、実施例5及び6の方法によって形成されたコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が少なく、防汚性能が高かった。
これに対して、2価以上の金属イオンの水溶液の代わりに純水を用いた比較例5及び6の方法によって形成されたコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、シリカ微粒子の量を増大させても十分な防汚性能が得られなかった。
(実施例7〜9)
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径0.25μmのPTFE微粒子を含むPTFEディスパーション(旭硝子株式会社製)をシリカ微粒子の分散液に湿式微粒化装置(ナノマイザー)で激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にCaClの水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、実施例7では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、実施例8では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、実施例9では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を2mmol/Lに調整した。
(比較例9〜11)
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径0.25μmのPTFE微粒子を含むPTFEディスパーション(旭硝子株式会社製)をシリカ微粒子の分散液に湿式微粒化装置(ナノマイザー)で激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にCaClの水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、比較例9では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、比較例10では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、比較例11では、CaClの水溶液中のCaClの含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
実施例7〜9及び比較例9〜11で調製したコーティング組成物の主要成分の組成を表3に示す。なお、各コーティング組成物における水の含有量は残部である。
次に、得られたコーティング組成物を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した。塗布量は、1mあたり約100gとした。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、上記と同じ方法及び評価を用いた。その結果を表3に示す。
Figure 0005683404
表3の結果に示されているように、シリカ微粒子、PTFE微粒子及び2価以上の金属イオンを特定の割合で含む実施例7〜9のコーティング組成物から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が少なく、防汚性能が高かった。
これに対して、PTFE微粒子の含有量が多いコーティング組成物(比較例9及び10)及びシリカ微粒子の含有量が多いコーティング組成物(比較例11)から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、防汚性能が低かった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を形成し得るコーティング組成物及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を有する防汚性多孔質物品及びその製造方法を提供することができる。
1 多孔質基材、2 シリカ微粒子、3 樹脂微粒子。

Claims (8)

  1. 多孔質基材の表面に塗布されるコーティング組成物であって、
    前記コーティング組成物は、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物。
  2. 前記コーティング組成物は、シリカ微粒子以外の他の親水性無機微粒子を加えて配合されたことを特徴とする請求項に記載のコーティング組成物。
  3. 前記コーティング組成物は、水と相容する極性溶剤を加えて配合されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーティング組成物。
  4. 多孔質基材の表面に塗布され、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法であって、
    シリカ微粒子及びフッ素樹脂微粒子を水に分散させて分散液を調製した後、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を前記分散液に添加することを特徴とするコーティング組成物の製造方法。
  5. 請求項1記載のコーティング組成物を製造する、コーティング組成物の製造方法であって、
    前記コーティング組成物は、前記カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む第一の水溶液と前記シリカ微粒子を含む第二の水溶液とをそれぞれ設け、前記第一の水溶液と前記第二の水溶液とをスプレー噴霧装置のノズル部分に送り込み混合しながら噴霧することを特徴とするコーティング組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のコーティング組成物を多孔質基材に塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法。
  7. 15〜200mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を多孔質基材の表面に塗布した後、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、及び水を含むコーティング組成物を塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法。
  8. 多孔質基材と、前記多孔質基材に形成されたコーティング膜とを有する防汚性多孔質物品であって、
    前記コーティング膜は、請求項又はに記載の方法によって形成されることを特徴とする防汚性多孔質物品。
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