JP5683404B2 - コーティング組成物及びその製造方法、並びに防汚性多孔質物品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、各種物品の中には、その表面の色調、質感及び状態などを変化させることなく防汚性能を付与しなければならないものがある。そこで、この問題を解決するために、特許文献1では、シリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子とを含むコーティング組成物を物品の表面に塗布する方法が提案されている。ここで、「防汚性能」とは、汚れが付着し難い性能、及び付着した汚れが除去され易い性能を意味する。
他方、特許文献1のコーティング組成物は、薄いコーティング膜を形成し得るため、多孔質基材に適用するのに好ましいとも考えられる。しかしながら、特許文献1のコーティング組成物は、多孔質基材内に吸収され易いため、多孔質基材の表面にコーティング膜を形成すること自体が困難である。また、多孔質基材の表面にコーティング膜が形成できたとしても、コーティング膜が均一になり難いため、防汚性能が十分に得られない。
また、本発明は、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を有する防汚性多孔質物品及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、多孔質基材の表面に塗布され、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法であって、シリカ微粒子及びフッ素樹脂微粒子を水に分散させて分散液を調製した後、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を分散液に添加することを特徴とするコーティング組成物の製造方法である。
また、本発明は、上記のコーティング組成物を多孔質基材に塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法である。
さらに、本発明は、多孔質基材と、前記多孔質基材上に形成されたコーティング膜とを有する防汚性多孔質物品であって、前記コーティング膜は、上記の方法によって形成されることを特徴とする防汚性多孔質物品である。
また、本発明によれば、多孔質基材の色調、質感及び特性を損なうことなく防汚性能に優れたコーティング膜を有する防汚性多孔質物品及びその製造方法を提供することができる。
本実施の形態のコーティング組成物は、シリカ微粒子、樹脂微粒子、2価以上の金属イオン及び水を含む。
シリカ微粒子は、コーティング膜のベースである親水性のシリカ被膜となり、帯電による粉塵などの汚れの付着及び固着を抑制する成分である。特に、シリカ微粒子は親水性であるため、疎水性の汚れを付着及び固着させ難くすることができる。
シリカ微粒子は、平均粒径が十分に小さければ、無機バインダーを添加しなくても、コーティング組成物を塗布して乾燥させるだけで(必要なら加熱してもよい)、コーティング膜を容易に形成することができる。そのため、シリカ微粒子の平均粒径は、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。シリカ微粒子の平均粒径が25nmを超えると、コーティング膜が白濁し易くなり、多孔質物品の色調や質感を損なってしまう場合がある。他方、シリカ微粒子の平均粒径が小さすぎると、コーティング組成物の安定性が損なわれてしまう場合がある。そのため、シリカ微粒子の平均粒径は、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。
ここで、本明細書における「平均粒径」とは、レーザー光散乱式又は動的光散乱式の粒度分布計で測定された平均粒径の値を意味する。
樹脂微粒子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。樹脂微粒子の例としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリルスチレン、メタクリル樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリルサルホン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステルカーボネート、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、及び熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂から形成される粒子が挙げられる。また、これらの混合物、アイオノマー、各種添加物を含有したものも使用可能である。
ここで、シリカ微粒子を凝集させる方法として、有機凝集剤などを用いることが考えられる。しかしながら、これらを用いて形成したコーティング膜は、有機凝集剤の存在によって、防汚性能が低下したり、時間の経過と共に着色が生じる。従って、有機凝集剤を用いることは好ましくない。
なお、1価の金属イオンでは、シリカ微粒子を凝集させることができない。
コーティング組成物における2価以上の金属イオンの含有量は、0.5mmol/L以上、好ましくは0.5mmol/L以上50mmol/L以下、より好ましくは1.5mmol/L以上10mmol/L以下である。2価以上の金属イオンの含有量が0.5mmol/L未満であると、シリカ微粒子の凝集効果が十分に得られず、所望の防汚性能が得られない。一方、2価以上の金属イオンの含有量が50mmol/Lを超えると、シリカ微粒子の凝集力が強くなりすぎてしまい、コーティング組成物中でシリカ微粒子が固化しまったり、均質なコーティング膜を形成できない場合がある。
コーティング組成物における水の含有量は、特に限定されないが、好ましくは50質量%以上99.8質量%以下、好ましくは60質量%以上99質量%以下である。
水と相溶する極性溶剤を用いる場合、水及び水と相溶する極性溶剤の混合物における水と相溶する極性溶剤の含有量は、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは5質量%以上25質量%以下である。水と相溶する極性溶剤の含有量が1質量%未満では、添加の効果が十分に得られない場合がある。一方、水と相溶する極性溶剤の含有量が30質量%を超えると、乾燥過程で水と極性溶剤が相分離したり、乾燥時間が長くなったりする場合がある。
まず、シリカ微粒子の分散液を調製する。この分散液は、シリカ微粒子が水に分散されたものであればよく、市販のもの(例えば、コロイダルシリカや酸化チタンゾルなど)を用いてもよい。
次に、この分散液に樹脂微粒子を配合して混合攪拌する。樹脂微粒子の配合方法は特に限定されず、樹脂微粒子、樹脂微粒子の分散液やエマルジョンをシリカ微粒子の分散液に配合すればよい。また、コーティング組成物に樹脂溶液を配合して自己乳化させてもよい。
水溶液中の金属イオンの濃度は、塩の種類や凝集させるシリカ微粒子の濃度に依存するため、一義的に定義することは難しい。一般的には、水溶液中の金属イオンの濃度は、好ましくは10mmol/L以上2mol/L以下、より好ましくは50mmol/L以上1mol/L以下である。水溶液中の金属イオンの濃度が2mol/Lを超えると、混合時にシリカ微粒子の凝集が不均一になる場合がある。一方、水溶液中の金属イオンの濃度が10mmol/L未満であると、配合する水溶液の量が多くなり、保管や作業性が困難になる場合がある。
また、スプレー噴霧装置のノズル部分に2種の液を送り込み混合しながら噴霧する方法を用いれば、噴霧の過程でコーティング組成物を調製することができ、シリカ微粒子の凝集物の沈降や経時変化を防止することが可能である。
本実施の形態のコーティング組成物は、シリカ微粒子を適度に凝集させているため、図1に示すように、多孔質基材1に塗布した際に多孔質基材1の細孔内にシリカ微粒子1や樹脂微粒子3が侵入し難くなり、多孔質基材1の表面に均質なコーティング膜が形成される。このコーティング膜は、シリカ微粒子2から成るシリカ被膜中に樹脂微粒子3が分散されている。シリカ微粒子は親水性、樹脂微粒子は疎水性であるため、このコーティング膜の表面は、親水性部分の中に疎水性部分が点在した構成となる。このような表面では、疎水性の汚れだけでなく親水性の汚れも付着し難く、親水性及び疎水性の汚れに対する防汚性能が高くなる。
これに対して、従来のコーティング組成物は、シリカ微粒子が凝集していないため、図2に示すように、多孔質基材1に塗布した際に多孔質基材1の細孔内にシリカ微粒子2や樹脂微粒子3が侵入してしまい、多孔質基材1の表面に均質なコーティング膜を形成することができない。
実施の形態1では、2価以上の金属イオンを含むコーティング組成物を多孔質基材に塗布することによって多孔質物品を製造したが、2価以上の金属イオンを含む水溶液を多孔質基材に塗布した後、シリカ微粒子、樹脂微粒子及び水を含むコーティング組成物を塗布することによっても防汚性多孔質物品を製造することができる。この方法によれば、2価以上の金属イオンを多孔質基材の表面に予め存在させることができるため、シリカ微粒子、樹脂微粒子及び水を含むコーティング組成物を塗布した際にシリカ微粒子が多孔質基材の表面で迅速に凝集する結果、多孔質基材の細孔内にシリカ微粒子や樹脂微粒子が侵入することを抑制することができる。また、この方法によれば、コーティング膜と多孔質基材との密着性も高くなる。
2価以上の金属イオンを含む水溶液における2価以上の金属イオンの含有量は、15mmol/L以上、好ましくは15mmol/L以上200mmol/L以下、より好ましくは20mmol/L以上150mmol/L以下である。2価以上の金属イオンの含有量が15mmol/L未満であると、シリカ微粒子が多孔質基材の表面で迅速に凝集できず、所望の防汚性能が得られない。一方、2価以上の金属イオンの含有量が200mmol/Lを超えると、多孔質基材の表面に過剰に塩が生じてしまい、シリカ微粒子の凝集にムラが生じると共に、白濁化して多孔質基材の色調や質感が損なわれてしまう場合がある。
コーティング組成物の塗布のタイミングは、2価以上の金属イオンを含む水溶液の塗布した後であれば特に限定されない。すなわち、コーティング組成物の塗布は、2価以上の金属イオンを含む水溶液の塗布後、この水溶液が十分に乾燥していない時でも、ほぼ完全に乾燥した後であってもよい。
(実施例1)
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径1.2μmのPTFE微粒子(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)をエタノールに加え、これをシリカ微粒子の分散液にホモジナイザーで激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にMgSO4の水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、MgSO4の水溶液中のMgSO4の含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
MgSO4の水溶液の代わりに、CaCl2の水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を20mmol/Lに調整した。
(実施例3)
MgSO4の水溶液の代わりに、CaCl2の水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。
MgSO4の水溶液の代わりに、CaCl2の水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を0.5mmol/Lに調整した。
PTFE粒子を加えないこと以外は、上記の実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。ここで、MgSO4の水溶液中のMgSO4の含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
(比較例2)
MgSO4の水溶液を加えなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。
(比較例3)
MgSO4の水溶液の代わりに、CaCl2の水溶液を加えたこと以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を0.15mmol/Lに調整した。
実施例1と同様にしてコーティング組成物を調製した。ここで、MgSO4の水溶液中のMgSO4の含有量を100mmol/Lとし、コーティング組成物中のマグネシウムイオンの含有量を0.3mmol/Lに調整した。
(比較例5)
シリカ微粒子の配合量を多くし、MgSO4の水溶液の代わりにCaCl2の水溶液を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法によってコーティング組成物を調製した。ここで、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。
(比較例6)
コーティング膜を形成しないサンプルを用意した。
次に、得られたコーティング組成物を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した。塗布量は、1m2あたり約150gとした。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、コーティング膜にカーボンブラックをふりかけた後、軽くエアブローし、コーティング膜の汚染の程度を目視によって評価した。この評価結果は5段階評価とし、汚染が全くない状態を1、汚染が著しく真っ黒になった状態を5とした。その結果を表1に示す。
これに対して、PTFE粒子を含まないコーティング組成物(比較例1)、2価以上の金属イオンを含まないコーティング組成物(比較例2)、2価以上の金属イオンの割合が少ないコーティング組成物(比較例3及び4)、シリカ微粒子の含有量が多すぎるコーティング組成物(比較例5)から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、防汚性能が低かった。また、コーティング膜を形成しない場合、カーボンブラックの付着量が極めて多かった(比較例6)。
平均粒径5nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、シリカ微粒子の分散液にフッ素樹脂(DIC株式会社製溶剤可溶型フルオネート)を加えて混合し、湿式微粒化装置(ナノマイザー)を用いてフッ素樹脂を平均粒径0.6μmになるまで微粒化し、コーティング組成物を得た。コーティング組成物の主要成分の組成を表2に示す。なお、各コーティング組成物における水の含有量は残部である。
他方、様々な2価以上の金属イオンの水溶性塩の水溶液を調製した。水溶液中の2価以上の金属イオンの含有量を表2に示す。なお、この水溶液における水の含有量は残部である。
次に、2価以上の金属イオンの水溶液を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した後、コーティング組成物を、刷毛を用いてさらに塗布した。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
2価以上の金属イオンの水溶液の代わりに純水を用いたこと以外は、上記の実施例と同様の方法によってコーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、上記と同じ方法及び評価を用いた。その結果を表2に示す。
これに対して、2価以上の金属イオンの水溶液の代わりに純水を用いた比較例5及び6の方法によって形成されたコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、シリカ微粒子の量を増大させても十分な防汚性能が得られなかった。
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径0.25μmのPTFE微粒子を含むPTFEディスパーション(旭硝子株式会社製)をシリカ微粒子の分散液に湿式微粒化装置(ナノマイザー)で激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にCaCl2の水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、実施例7では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、実施例8では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、実施例9では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を2mmol/Lに調整した。
平均粒径12nmのシリカ微粒子を脱イオン水に加えてシリカ微粒子の分散液を調製した。次に、平均粒径0.25μmのPTFE微粒子を含むPTFEディスパーション(旭硝子株式会社製)をシリカ微粒子の分散液に湿式微粒化装置(ナノマイザー)で激しく攪拌しながら加えて混合攪拌した。次に、この分散液にCaCl2の水溶液を加えて混合攪拌し、コーティング組成物を得た。ここで、比較例9では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、比較例10では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を5mmol/Lに調整した。また、比較例11では、CaCl2の水溶液中のCaCl2の含有量を200mmol/Lとし、コーティング組成物中のカルシウムイオンの含有量を10mmol/Lに調整した。
次に、得られたコーティング組成物を、刷毛を用いて石綿吸音板に塗布した。塗布量は、1m2あたり約100gとした。塗布後1時間放置することで乾燥させ、コーティング膜を形成した。
次に、形成された各コーティング膜について防汚試験を行った。防汚試験は、上記と同じ方法及び評価を用いた。その結果を表3に示す。
これに対して、PTFE微粒子の含有量が多いコーティング組成物(比較例9及び10)及びシリカ微粒子の含有量が多いコーティング組成物(比較例11)から形成されるコーティング膜は、カーボンブラックの付着量が多く、防汚性能が低かった。
Claims (8)
- 多孔質基材の表面に塗布されるコーティング組成物であって、
前記コーティング組成物は、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物。 - 前記コーティング組成物は、シリカ微粒子以外の他の親水性無機微粒子を加えて配合されたことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、水と相容する極性溶剤を加えて配合されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーティング組成物。
- 多孔質基材の表面に塗布され、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、0.5〜50mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオン、及び水を含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法であって、
シリカ微粒子及びフッ素樹脂微粒子を水に分散させて分散液を調製した後、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を前記分散液に添加することを特徴とするコーティング組成物の製造方法。 - 請求項1記載のコーティング組成物を製造する、コーティング組成物の製造方法であって、
前記コーティング組成物は、前記カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む第一の水溶液と前記シリカ微粒子を含む第二の水溶液とをそれぞれ設け、前記第一の水溶液と前記第二の水溶液とをスプレー噴霧装置のノズル部分に送り込み混合しながら噴霧することを特徴とするコーティング組成物の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング組成物を多孔質基材に塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法。
- 15〜200mmol/Lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む水溶液を多孔質基材の表面に塗布した後、平均粒径が3〜25nmである0.1〜10質量%のシリカ微粒子、平均粒径が0.05μm〜10μmである0.01〜5質量%のフッ素樹脂微粒子、及び水を含むコーティング組成物を塗布することを特徴とする防汚性多孔質物品の製造方法。
- 多孔質基材と、前記多孔質基材に形成されたコーティング膜とを有する防汚性多孔質物品であって、
前記コーティング膜は、請求項6又は7に記載の方法によって形成されることを特徴とする防汚性多孔質物品。
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