JP5681749B2 - 歪みセンサ、圧力センサ、血圧センサ及び構造物ヘルスモニタセンサ - Google Patents
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Description
実施形態に係る別の歪みセンサは、基板と、前記基板上に固定された積層体であって、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む第1の磁性層と、前記第1の磁性層に積層され、前記第1の磁性層の組成とは異なる第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されたスペーサ層と、を有する積層体と、前記積層体に電流を流す第1の電極及び第2の電極と、を備える。前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記積層体が配置される。前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に前記第1の磁性層、前記スペーサ層及び前記第2の磁性層が積層されている。外部歪みが印加されていない状態において、前記第1の磁性層の磁化方向と前記第2の磁性層の磁化方向とは、平行または反平行である。前記積層体に印加された外部歪みによって、前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層がともに磁化回転し、前記第1の磁性層および第2の磁性層の磁化回転に伴う前記電極間の抵抗変化によって、外部歪みを検出する。
実施形態に係る別の歪みセンサは、基板と、前記基板上に固定された積層体であって、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む第1の磁性層と、前記第1の磁性層に積層され、前記第1の磁性層の組成とは異なる第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されたスペーサ層と、を有する積層体と、前記積層体に電流を流す第1の電極及び第2の電極と、を備える。前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記積層体が配置される。前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に前記第1の磁性層、前記スペーサ層及び前記第2の磁性層が積層されている。前記積層体に印加された外部歪みによって、前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層がともに磁化回転する。前記第1の磁性層の前記磁化回転の方向は、前記第2の磁性層の前記磁化回転に対して逆方向である。前記第1の磁性層および第2の磁性層の磁化回転に伴う前記電極間の抵抗変化によって、外部歪みを検出する。
さらに、実施形態に係る血圧センサは、前記歪みセンサを有し、人間または動物の血圧値をモニターする。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を例示する斜視図である。
正の磁歪係数を示す磁性層は、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含んでいる。
一方、負の磁歪係数を示す磁性層も基本的には鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含んでいる。そのなかでも、ニッケル及びサマリウム鉄(SmFe)からなる群より選択された1種以上の金属を含んでいる材料を用いることが適していることがある。金属スペーサ層の場合には、CoFe合金層も負の磁歪を示す材料として、適している。
以下に、一例として、正の磁歪係数を示す磁性層、スペーサ層及び負の磁歪係数を示す磁性層を含む積層体19を示す。
一般的には、磁性層の磁歪は磁性層の組成により決定される。これらについては、これまで多数の文献において一般的な傾向は調べられている。しかしながら、磁性層に隣接する材料に応じて、実際には磁歪も大きく影響を受けることが、極薄膜特有の状況として発生する。
CIP(Current In Plane)構造やCPP(Current Parpendiculat to the Plane)構造のGMR効果を利用する場合は、非磁性金属を材料としたスペーサ層が用いられる。また、非磁性金属としては、銅、金、銀、アルミニウム及びクロムからなる群より選択された1種の金属があげられる。
図1では本実施形態の動作原理を説明するために、まず外部歪みが非常に小さい状態について示している。第1の強磁性層11と第2の強磁性層12の初期の磁化方向14及び15を反平行状態としている。これは、二つの磁性層間において静磁気結合された状態や、RKKY結合で反強磁性結合成分が大きい場合などに相当する。しかしながら、二つの強磁性層間の層間結合磁界が強い場合のように第1の強磁性層11と第2の強磁性層12の初期の磁化方向が平行状態となる場合もある。以降の説明においては、この最初の状態が平行磁化状態でも、反平行磁化状態でも、いずれの状態でも本質的な原理は同様に説明できる。
先ず、磁歪効果について説明する。
磁歪効果とは、磁性体の磁化方向が変化することによって、磁性体に歪みが発生することをいう。磁歪効果によって発生した歪みは、磁化の大きさと方向に依存する。したがって、磁歪効果による歪みの大きさは、磁化の大きさと方向によって制御される。また、磁歪効果による歪みの大きさは、磁性体材料に固有な磁歪係数に大きく依存する。磁化が飽和した状態での歪みの変化の比の値を、磁歪係数と呼ぶ。
磁歪効果に対して、逆磁歪効果という磁歪効果の逆の現象も存在する。逆磁歪効果とは、磁性体の磁化方向が、外部から付加された歪みによって変わる現象である。逆磁歪効果における磁化方向の変化の大きさは、外部から付加された歪みの大きさと磁性体に固有な磁歪係数に依存する。磁歪効果と逆磁歪効果は互いに物理的に対称なので、磁歪係数はどちらの効果の場合においても同じ値である。
逆磁歪効果においては、正の磁歪係数を示す磁性体の場合には、磁性体に引っ張り歪みが付加されると、磁性体の磁化方向は、付加された歪みの方向に一致するような方向となる。そのような方向をとることがエネルギー的に安定であるからである。また、磁性体に圧縮歪みが付加されると、磁性体の磁化方向は、付加された歪みの方向に直交するような方向となる。
一方、負の磁歪係数を有する磁性体の場合は、逆である。すなわち、磁性体に圧縮歪みが付加されると、磁性体の磁化方向は、付加された歪みの方向に一致するような方向となる。一方、引っ張り歪みが付加されると、磁性体の磁化方向は、付加された歪みの方向に直交するような方向となる。
図2(a)に示すように、磁気抵抗効果素子10に引っ張り歪み16aが付加された場合には、正の磁歪係数を持つ強磁性層11の磁化方向14は、引っ張り歪み16aの方向とのなす角度が小さくなるように、すなわち、引っ張り歪み16aの方向にそろうように回転して、磁化方向17aとなる。反対に、負の磁歪係数を持つ強磁性層12の磁化方向15は、引っ張り歪み16aの方向とのなす角度が大きくなるように、すなわち、引っ張り歪み16aの方向に直交するように回転して、磁化方向18aとなる。
前述のように二層フリー層を有する磁気抵抗効果素子は、二つの強磁性層をそれぞれ異なる方向に磁化方向を向けるというバイアス構造が極めて困難であった。
しかしながら、本実施形態のようにスペーサ層を介した二つの強磁性層に磁歪極性が異なる材料を用い、その積層膜に単一の極性の外部歪みを印加することで、二つの磁性層の磁化方向に対して適性なバイアスを実現することが可能となる。つまり、ピン層、ピニング層を有しない薄い膜厚の磁気抵抗効果素子が実現できる。これにより、狭ギャップ化に適した高密度化対応の磁気抵抗効果素子が実現できる。
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、磁気ヘッドの実施形態である。
本実施形態に係る磁気ヘッドには、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子が設けられている。
図3に示すように、磁気ヘッド20は、磁気抵抗効果素子10を構成する積層体19の積層方向を上下とした場合の上面上に上電極21、下面上に下電極22が設けられている。
図3に示すように、積層体19の4つの側面のうち1つの側面が、ABS面23とされている。ABS面23においては、上電極21及び下電極22の双方が露出している。すなわち、上電極21の端面及び下電極22の端面がABS面23の一部を構成している。本実施形態では、磁気抵抗効果素子10を外部磁界、例えば磁気メディアから磁場を検出する磁気ヘッドに応用した例について説明する。ABS面23は、回転する磁気メディアに面するように設置される。これにより、積層体19の2つの磁性層の磁化方向は、磁気メディアから生じる磁束によって変化する。
磁気ヘッドの作成過程においては、ウェハーレベルで素子を形成した後、磁気抵抗効果素子の膜断面から機械的に研磨していくラッピング工程がはいる。このラッピングの向きは一断面から印加されるため、磁気抵抗効果素子にひとつの極性の応力が印加される。この応力を外部からの歪み源として用いることができる。すなわち、積層体に印加される歪として、積層体を膜断面から研磨することで発生する歪とすることができる。
本実施形態に係る磁気ヘッドの構成では、センス電流は、積層体19の膜面垂直方向に流れるCPP(current-perpendicular-to-plane)構造を有する。しかし、積層体19の側面、例えば、ABS面23及びその反対面以外の側面に電極を配置して、積層面に沿って面内方向にセンス電流を流すCIP(current-in-plane)構造としても良い。
図4(a)〜(c)は、磁気抵抗効果素子の磁化方向を例示する図であり、(a)は外部磁場が無い場合を示し、(b)は外部磁場が素子から離れる方向の場合を示し、(c)は外部磁場が素子に向かう方向の場合を示す。
図4(a)に示すように、磁気ヘッド20の磁気抵抗効果素子10の積層体19には、積層体19の上面から見て、ABS面23から45°の方向に、引っ張り歪み24が付加されている。外部磁場はABS面23に垂直な方向から印加される。よって、引っ張り歪み24は、外部磁場が印加される方向から見ると45°または135°の方向で付加されている。上述のごとく、強磁性層11が正の磁歪係数を示し、強磁性層12が負の磁歪係数を示すとする。
図4(b)に示すように、外部磁束による外部磁場27が、素子から離れる方向、すなわち、積層体19の上面から見て、ABS面23から−90°の方向27に付加されると、2つの磁性層の磁化方向は、その外部磁場の方向27により近づこうとして、そろうように回転する。そのため、2つの磁性層の磁化方向は、磁化方向28及び29となる。その結果、2つの磁性層の磁化方向は、平行に近づくようになる。これにより、磁気抵抗効果素子10の抵抗状態は低抵抗状態に近づくように変化する。
次に、磁気抵抗効果素子10の2つの磁性層の磁化方向において、ABS面23に対する垂直成分と水平成分の大きさが異なっている場合を説明する。
図5(a)〜(c)に示す例においても、強磁性層11が正の磁歪係数を示し、強磁性層12が負の磁歪係数を示すものとする。
図5(b)に示すように、外部磁束による外部磁場36が、素子10から離れる方向、すなわち、積層体19の上面から見て、ABS面23から−90°の方向に付加されると、2つの強磁性層の磁化方向は、その外部磁場36により近づこうとしてそろうように回転し、磁化方向37及び38となる。その結果、それらはより平行に近づくように配列する。これにより、抵抗状態は低抵抗状態に近づくようになる。これに対して、図5(c)に示すように、外部磁束による外部磁場39が、素子に向かう方向、すなわち、積層体19の上面から見て、ABS面23から90°の方向に付加されると、2つの強磁性層の磁化方向は、その外部磁場39により近づこうとするように回転して、磁化方向40及び41となる。その結果、それらはより反平行に近づくように配列する。これにより、抵抗状態は高抵抗状態に近づくようになる。
つまり、スペーサ層を介した二つの強磁性層の磁化のなす角度θは、略90度に設定することが安定したデバイス動作として最も好ましい形態である。少なくとも、0度<θ<180度の範囲に設定する必要がある。
先ず、図4(a)に示すような引っ張り歪み24を導入し、2つの強磁性層の磁化方向を磁化方向25及び26のように直交させる。そして、電極20及び21間にセンス電流を流す。上述したように、抵抗状態は中間の抵抗状態として検出される。
そして、磁気メディアの移動と共に、抵抗が低くなった場合は、図4(b)に示すように、2つの強磁性層の磁化方向は平行に近づいたものと判定される。よって、磁気ヘッドのABS面23下の磁気メディアには、外部磁場27が記録されているとして、「1」が読み出される。
一方、磁気メディアの移動と共に、抵抗が高くなった場合は、図4(c)に示すように、2つの強磁性層の磁化方向は反平行に近づいたものと判定される。よって、磁気ヘッドのABS面23下の磁気メディアには、外部磁場30が記録されているとして、「0」が読み出される。
第2の実施形態に係る磁気ヘッドにおいては、正の磁歪係数を持つ強磁性層と負の磁歪係数を持つ強磁性層がスペーサ層を介して積層され、さらに、積層体19に歪みが付加されることにより、二つのフリー層を異なる方向にバイアスを印加することが可能となり、外部磁場を検出することができる。よって、高密度化対応の磁気ヘッドを実現することができる。
次に、第3の実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。
図6は、第3の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。
本実施形態は、磁気抵抗効果素子に導入する歪みをより確実に制御して印加したい場合に、素子に歪み導入部材42を結合した例である。
導入される歪みは、圧縮歪みでも、引っ張り歪みでもよい。
本実施形態においては、磁気抵抗効果素子10に歪み導入部材42を導入することにより、素子10に制御された状態で歪みを印加することが可能となり、スペーサ層13を介した二つの強磁性層の磁化方向をバイアス制御することが可能となる。
それによって、狭ギャップ対応の薄い膜厚の磁気抵抗効果素子10において適正な磁化バイアスを実現させることができる。つまり、高密度化対応の磁気ヘッドを実現することが可能となる。
次に、第4の実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。
図7(a)及び(b)は、第4の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図であり、(c)は(b)に示すA−A’面による断面図である。
図7(a)に示すように、本実施形態においては、歪み導入部材42に圧電材料を用いている。
上記熱膨張のような受動的な歪み印加手法ではなく、より能動的に制御された歪みを印加するために、歪み導入部材42として電圧印加により結晶が歪む圧電材料を用いることができる。
例えば、歪み導入部材42において素子10の積層体19と接する反対側の面に電極を設けて、電圧を印加することによって、歪みを印加することが可能となる。
これらの材料は絶縁特性を示すため、素子10の積層体19と接しさせることもできる。直接素子と歪導入部材が接しさせることで、より大きな歪を印加させることが可能である。
本実施形態においては、歪み導入部材42として、圧電材料を用いている、よって能動的に制御された歪みを導入することができ、高密度か対応の磁気ヘッドを実現することができる。
次に、第5の実施形態に係る磁気ヘッドついて説明する。
図8は、第5の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。
図8に示すように、本実施形態においては、歪み導入部材42と積層体19との間に絶縁材料45が設けられている。
本実施形態に係る磁気ヘッドの効果は、上述のものと同様であるので省略する。
次に、第6の実施形態に係る磁気ヘッドついて説明する。
図9は、第6の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。
図9に示すように、本実施形態においては、歪み導入部材42の配置される位置として、積層体19の積層方向を上下とした場合のABS面23及びABS面23の反対面以外の両側面とされている。そして、積層体19及び歪み導入部材42は積層体19の上下方向から上電極21及び下電極22によって挟まれる配置とされている。つまり、従来のハードバイアス膜の換わりに歪導入部材42を配置させることになる。圧電材料を用いることも可能である。このときの圧電材料の具体例は、前述の材料と同様である。
本実施形態に係る磁気ヘッドの効果は、上述のものと同様であるので省略する。
次に、第7の実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。
図10は、第7の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。
図10に示すように、本実施形態においては、歪み導入部材42が積層体19と下部電極22との間に挿入されている。なお、歪み導入部材42は、積層体19と上部電極21との間に挿入されてもよい。
図10の場合には、素子10の積層体19に電流を通電する電極と併用しているため、絶縁材料を用いることはできない。そのため、歪み導入部材42として圧電材料を用いることは適していない。
本実施形態においては、磁気抵抗効果素子10に導入する歪みをより増大したい場合に、積層体19と電極の間に歪み導入部材42を挿入している。歪み導入部材42によって、素子固有の歪みが発生する。また、歪み導入部材42が外的要因として素子に歪みを引き起こす。歪み導入部材42が積層体19に積層されているので、面内方向の歪みをより多く導入することができる。
素子固有の歪み及び外的要因の歪みについては、第3の実施形態で述べたとおりであるので省略する。
次に、第8の実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。
図11は、第8の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。第7の実施形態と第8の実施形態の違いは、第7の実施形態においては歪み導入部材42の積層が1層であるのに対し、第8の実施形態においては、1対の電極のそれぞれと積層体19との間に配置された2層であるということである。
図11の場合には、素子19に電流を通電する電極と併用しているため、絶縁材料を用いることはできない。そのため、歪導入部材42として圧電材料を用いることは適していない。
第8の実施形態においても、磁気抵抗効果素子に導入する歪みをより増大したい場合に、積層体19と1対の電極のそれぞれとの間に歪み導入部材42を挿入している。歪み導入部材42によって、素子固有の歪みが発生する。第7の実施形態と異なり、第1及び第2の両方の磁性層に歪み導入部材42を接触させる。
素子固有の歪み及び外的要因の歪みについては、上述した通りである。
次に、第9の実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。
図12は、第9の実施形態に係る磁気ヘッドを例示する斜視図である。
図12に示すように、本実施形態においては、磁気抵抗効果素子10が基板43a上に設けられている。すなわち、基板43a上に、下電極22が設けられ、下電極22上に積層体19が設けられている。積層体19上には、上電極21が設けられている。
本実施形態においては、基板43a上に、磁気抵抗効果素子10が設けられている。基板43aを歪み導入部材42としてもよい。例えば、基板43a内部に歪みを導入した上で、基板43a上に磁気抵抗効果素子10を形成すれば、積層体19に歪みが導入される。
第9の実施形態においては、基板43aを歪み導入部材42とすることができるので、前述の第1〜第3の変形例のように、専用の歪み導入部材42を設ける必要がなく、磁気ヘッドを小型化することができる。
次に、第10の実施形態について説明する。本実施形態は、磁気ヘッドジンバルアッセンブリについての実施形態である。
図13(a)及び(b)は、第10の実施形態に係る磁気ヘッドジンバルアッセンブリを例示する斜視図である。
図13(a)に示したように、ヘッドスタックアッセンブリ160は、軸受部157と、この軸受部157から延出した磁気ヘッドジンバルアッセンブリ158と、軸受部157から磁気ヘッドジンバルアッセンブリ158と反対方向に延出していると共にボイスコイルモータのコイル162を支持した支持フレーム161とを含んでいる。
図14は、第11の実施形態に係る磁気記録再生装置を例示する斜視図である。
図14に示したように、第11の実施形態に係る磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ4に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、複数の記録用媒体ディスク180を備えても良い。記録用媒体ディスク180に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ3は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ3の先端付近に、例えば、既に説明した実施形態に係る磁気ヘッドのいずれかが搭載される。
次に、第12の実施形態について説明する。
本実施形態は、歪みセンサについての実施形態である。
図15は、第12の実施形態に係る歪みセンサを例示する断面図である。
磁気抵抗効果素子10を保護するため、及び、磁気抵抗効果素子10を他の部材から電気的に分離するために、磁気抵抗効果素子10は、周囲を絶縁物質45で覆われている。
一般的には、磁性層の磁歪は磁性層の組成により決定される。これらについては、多数の文献において一般的な傾向は調べられている。しかしながら、磁性層に隣接する材料に応じて、実際には磁歪も大きく影響を受ける。
図16及び図17は、第12の実施形態に係る歪みセンサの動作を例示する断面図である。
図16に示すように、フレキシブル性基板43に上向きの応力48が付加された場合には、フレキシブル性基板43は外側へ丸く出っ張り、その結果、フレキシブル性基板43に固定された磁気抵抗効果素子10に対して引っ張り歪み49が付加される。
一方、図17に示すように、フレキシブル性基板43に下向きの応力51が付加された場合には、フレキシブル性基板43は内側へ折れ曲がり、その結果、素子10に対して、圧縮歪み52が付加される。
なお、図18(a)及び(b)は、磁気抵抗効果素子10の2枚の強磁性層のみを示している。
上述したように、第12の実施形態に係る歪みセンサには、積層体19が設置され、積層体19には、強磁性層11と強磁性層12を含んでいる。
まず、歪みを検出したい場所に、歪みセンサを設置する。歪みセンサに歪みが付加される前は、強磁性層11及び強磁性層12の磁化方向は平行であるとする。そして、電極20及び21間にセンス電流を流して、積層体19の抵抗状態を判定する。前述したように、歪みセンサに歪みが付加されない限り、積層体19の抵抗状態は、低抵抗状態となる。
次に、中間の抵抗状態になったとする。その場合は、積層体19の強磁性層11の磁化方向と強磁性層12の磁化方向とが直交するように変化したものと判定することができる。すなわち、基板43には、強磁性層11の磁化方向と強磁性層12の磁化方向とが直交する程度の歪みが付加されたと判定することができる。強磁性層11の磁化方向と強磁性層12の磁化方向とのなす角度によって抵抗状態は変化する。したがって、あらかじめ、抵抗状態と基板43の歪み量を他の方法で対応づけておけば、センス電流の大きさを観察することによって、基板43に付加された歪み量を検出することができる。
付加される歪みの方向は磁気抵抗効果素子10の機能の発揮にとって重要ではない。任意の方向の歪みにおいても抵抗状態の変化はあるからである。
図19(a)に示すように、素子10に対して、強磁性層11及び強磁性層12の磁化方向に対して任意の角度をもつ引っ張り歪み71を付加すると、強磁性層11の磁化方向65は引っ張り歪みの方向にそろうように回転して磁化方向73に変化し、強磁性層12の磁化方向66は引っ張り歪みの方向に直交するように回転して磁化方向74に変化する。その結果、2つの強磁性層の磁化方向は互いに直交する方向となる。そして、素子10の抵抗状態が中間の抵抗状態に変化する。
このように、任意の方向の歪みにおいても、素子10の抵抗状態が変化し、歪みの大きさを検知することができる。
図19(c)に示すように、初期の強磁性層11及び強磁性層12の磁化方向79及び80が反平行である。すなわち、素子10の抵抗状態は高抵抗状態である。そして、任意の角度の圧縮歪み81によって、磁化方向79及び80がそれぞれ圧縮歪みに直交する方向及びそろう方向に回転して磁化方向83及び84に変化する。その結果、2つの強磁性層の磁化方向はお互いに直交する方向となる。そして、素子10の抵抗状態が中間の抵抗状態に変化する。このように、初期の強磁性層の磁化方向は、磁気抵抗効果素子10の機能を発揮する上で重要ではない。
本実施形態に係る歪みセンサは、引っ張り歪み及び圧縮歪みのいずれの歪みも検知することができる。また、歪みセンサの磁気抵抗効果素子10の磁化方向に対して任意の角度の歪みでも検知することができる。また、磁気抵抗効果素子の初期の磁化方向に関係なく、歪みを検知することができ、強磁性層の材料の選択肢を拡げることができる。よって、本実施形態に係る歪みセンサは1つで上述のような歪みを検知することができるので、小型化を図ることができる。
次に、第12の実施形態の変形例に係る歪みセンサについて説明する。
図20は、第12の実施形態に係る歪みセンサの変形例を例示する断面図である。
図20に示すように、変形例においては、電極46、47が積層体19をはさむ両側面に設けられている。したがって、センス電流は積層体の面内方向に流れる。本実施形態においては、素子は、上方から絶縁材料によって覆われている。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
次に、第13の実施形態に係る歪みセンサについて説明する。
図21は、第13の実施形態に係る歪みセンサを例示する平面図である。
図21に示すように、本実施形態に係る歪みセンサは、少なくとも2つの磁気抵抗効果素子A、Bから構成される。2つの素子A、Bは、円形形状をしたメンブレン(membrane)85上の2箇所に形成されている。その形成位置は、円形形状の中心から2箇所の固定位置までの距離が等しく、円形形状の中心から2箇所の固定位置へ向かう方向がなす角度が90°であるように設けられている。すなわち、図21に示すように、一方の素子Aが、円形状のメンブレン85を上から見て時計の3時の位置86に設けられ、もう一方の素子Bが6時の位置87に設けられている。
メンブレン85の周囲にはコントローラ88が設けられ、コントローラ88と素子A、Bが電気的に接続されている。コントローラ88によって、素子A、Bの抵抗状態が測定される。
図22(a)〜(d)は、第13の実施形態に係る歪みセンサの動作を例示する図であり、(a)は、素子Aに圧縮歪みを付加した場合を示し、(b)は、素子Aに引っ張り歪みを付加した場合を示し、(c)は、素子Bに圧縮歪みを付加した場合を示し、(d)は、素子Bに引っ張り歪みを付加した場合を示す。
図22(a)及び(c)に示すように、メンブレン85上の素子A、Bに圧縮歪み89、91が付加されると、一方の素子Bの正の磁歪係数を示す強磁性層11の磁化方向65は圧縮歪みに直交する方向93に回転する。もう一方の素子Aの負の磁歪係数を示す強磁性層12の磁化方向66はそれと反対方向94に回転する。したがって、素子A及びBの抵抗状態はともに中間の抵抗状態となる。
本実施形態に係る圧力センサは、圧縮及び引っ張りの両方の歪みに反応することができる。よって、小型化を図ることができる歪みセンサを提供することができる。また、メンブレンを外部圧力を検知できるようにしておくことで、圧力センサとして機能する。
次に、第14の実施形態に係る歪みセンサについて説明する。
図23は、第14の実施形態に係る歪みセンサを例示する斜視図であり、図24は、第14の実施形態に係る歪みセンサにおける磁気抵抗効果素子を例示する図である。
ここで、フレキシブル性基板107は、上面から見て非対称に撓むことができるフレキシブル性の薄膜またはフレキシブル性のシートから構成されてもよい。フレキシブル性基板107は、周辺部において支持部で支持されてもよい。これらの基板は曲げられる材料、例えばポリマーが主成分とした材料から構成される。そのような材料は、ABS樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エチレンプロピレン系ゴム(ethylene-propylene-based rubber)、ポリアミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンジミダゾル(polybenzimidazole)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリエチン、PEEK、ポリエーテルイミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、ポリオキシメチレン、ポリプロピレン、m−フェニルエーテル、ポリ(パラフェニレンスルフィド)、パラアラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアル.コキシ、FEP、ETFE、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、メラミン-ホルムアルデヒド、液晶ポリマー、尿素ホルムアルデヒド等があげられる。
また、フレキシブル性基板107上には、磁気抵抗効果素子10を構成する積層体19が複数個固定されている。そして、積層体19は、複数本のワード線108のそれぞれと複数本のビット線109のそれぞれとの間に接続されている。ワード線108及びビット線109はそれぞれコントローラ88に電気的に接続されている。
図24に示すように、磁気抵抗効果素子10の上電極21には、ワード線108が接続され、下電極22には、ビット線109が接続されている。本実施形態においては、センス電流は、積層体19の積層方向に流れる。
第14の実施形態に係る歪みセンサにおいては、コントローラ88を用いて、フレキシブル性基板107の測定すべき位置にある素子10に接続したワード線108及びビット線109を選択し、選択したワード線108及びビット線109を通じてセンス電流を流すことにより、素子10の抵抗状態を測定する。それによって、素子10が位置する場所に生じている歪みの大きさを検出する。
本実施形態に係る歪みセンサにおいては、フレキシブル性基板107上に複数個の磁気抵抗効果素子10が設けられている。そして、磁気抵抗効果素子10が設けられた箇所の局所的な歪みを検知することができる。よって、小型化可能な素子10を設けることによって、歪みセンサを小型化することができる。
次に、第15の実施形態について説明する。
本実施形態は、磁気抵抗効果素子についての実施形態である。
上述したように、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子10を用いた歪みセンサにおいては、引っ張り及び圧縮の両方の歪みの大きさを検出することができる。しかし、歪みが引っ張りか圧縮かを区別することが容易ではない。
第15の実施形態においては、3番目の磁性層を加え、2つのスピンバルブ膜を含む磁気抵抗効果素子とすることによって上述した問題を解決する。
図25に示すように、磁気抵抗効果素子110は第3の強磁性層97が設けられている。すなわち、強磁性層11と強磁性層12との間にスペーサ層13が設けられ、強磁性層12と第3の強磁性層97との間に第2のスペーサ層98が設けられた積層体99の構造とされている。第3の強磁性層97は、ピン層として機能する。すなわち、ピン層は、歪みが導入されても磁化方向が回転しない層(pinned reference layer)として機能する。
図26(a)及び(b)は、第15の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の積層体を例示する図であり、(a)は、引っ張り歪みを付加した場合を示し、(b)は、圧縮歪みを付加した場合を示す。
図26(a)及び(b)に示すように、磁気抵抗効果素子110において、3層の強磁性層のうち、上層を正の磁歪係数を示す強磁性層11、中層を負の磁歪係数を示す強磁性層12、下層はピン層97とする。また、歪みを付加する前は、強磁性層11、12及びピン層97の磁化方向65、66及び100は互いに平行であるとする。したがって、歪みを付加する前は、素子110の抵抗状態は、低抵抗状態である。
図26においては、引っ張り歪み及び圧縮歪みを付加する方向を、強磁性層の磁化方向と同じ方向としたが、これに限られない。重要な点は、引っ張り及び圧縮の2つのタイプの歪みのもとでは、フリー層の磁化方向は、反対方向に回転するものを有するということである。
図26(a)及び(b)に示すように、ある方向においては、引っ張り歪みの場合に抵抗状態が高抵抗状態を示すようにすることができ、また他の方向においては、圧縮歪みの場合に抵抗状態が高抵抗状態を示すようにすることができる。
本実施形態に係る磁気抵抗効果素子においては、3番目の強磁性層を加え、2つのスピンバルブを含む磁気抵抗効果素子110とすることによって、付加された歪みが引っ張り歪みか圧縮歪みかを区別することができる。これにより、小型で且つ歪みの極性を区別できる磁気抵抗効果素子を実現することができる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、第16の実施形態について説明する。
本実施形態は、血圧計についての実施形態である。
本実施形態においては、第12〜第15のいずれかの実施形態に係る歪みセンサを、血圧センサに適用する。
図27は、第16の実施形態に係る血圧センサを例示する断面図である。
図27に示すように、血圧センサ210は、血圧測定部位に設けられ、皮膚表面213に接着するために絆創膏211のような形状の一部に設けられている。すなわち、皮膚上に接するように、血圧センサ210が配置されている。血圧センサ210は、動脈血管が存在しているような皮膚の直下に配置される。紙面に垂直方向が血流方向である。血流方向とは、血管が延在するする方向を示す。皮膚表面の近傍に動脈血管が存在しなければ、血圧測定が難しくなる。体表から脈動を検知できる部位(および体表下にある動脈)は、以下の通りである。
次に、第16の実施形態に係る血圧センサの動作について説明する。
図27に示すように、血管212が径方向に対して拡張すると、皮膚が押し上げられ血圧214として働く。このとき、血圧214が働く方向に対して垂直方向に皮膚は、引っ張り応力215を受ける。それと同時に血圧センサ210にも引っ張り応力215がある一方向に働く。
図28に示すように、血圧センサ210を用いて、被測定者230の血圧が測定される。血圧センサ210は、血圧測定部位、例えば手首に貼り付けられている。
血圧センサ210への給電方法としては、小型の電池を用いることができる。また、無線250による給電を採用することもできる。
血圧センサ210のデータを蓄積する方法としては、無線250による送信、携帯電話240、パーソナルコンピュータ260及び腕時計等に蓄積することができる。
本実施形態に係る血圧センサ210は、高密度化対応の磁気抵抗効果素子10または110を組み込んでいるので小型化することができる。よって、どこにでも持ち歩けるユビキタスな健康モニター機器(ubiquitous health monitoring devices)とすることができる。そのようにして、人間または動物の血圧値をモニターすることができる。
次に、第17の実施形態について説明する。
本実施形態は、血圧測定システムについての実施形態である。
図29は、第17の実施形態に係る血圧測定システムを例示する図である。
図29に示すように、本実施形態に係る血圧測定システムには、血圧センサ210と電子機器510が設けられている。血圧センサ210は、被測定者の血圧測定部位に装着されている。ここでは、血圧測定部位を手首として図示している。電子機器510とは、例えばテレビ、携帯電話機、医療用のデータベース及びパーソナルコンピュータがあげられる。
処理部520は、血圧センサ210を制御する第1の制御部530と、第1の制御部530からの情報を外部に送信する送信部540と、外部からの情報を受信して第1の制御部530に送る第2の受信部550とが設けられている。なお、情報とは、例えば血圧値のデータ、電気抵抗変化率のデータ、電気抵抗値のデータをいう。
電子機器510は、受信部560と第2の制御部570と、計算部580と、第2の送信部590と、データベース(以下「DB1」という。)が設けられている。
受信部560は、送信部550から送信された情報を受信して第2の制御部570に送信する。
計算部580は、第2の制御部570から送られてきた情報を計算する。
なお、送信部540と受信部560との間での情報のやりとり、及び第2の送信部590と受信部550との間での情報のやりとりは無線通信又は有線通信である。
図30は、血圧測定システムの動作を例示するフローチャート図である。
図30に示すように、ステップS10では、第1の制御部530が血圧センサ210に血圧測定部位における電気抵抗変化量を測定するように指示する。このとき、血圧センサ210に設けられた全ての磁気抵抗効果素子における電気抵抗変化量を測定する。
次に、ステップS20では、第1の制御部530が、測定したい血圧測定部位における磁気抵抗効果素子(MR素子)を把握選択する。そして、ステップS30では、選択したMR素子で電気抵抗を測定する。次に、ステップS40では、測定した電気抵抗値を送信部540が電子機器510の受信部に送信する。第2の制御部570は、受信部560が受信した電気抵抗値をデータベースDB1に格納する。そして、ステップS50では、第2の制御部は、受信部560が受信した電気抵抗値を計算部580に送信する。計算部580は、電気抵抗値を血圧値に変換する。
本実施形態に係る血圧測定システムには、高密度化可能な磁気抵抗効果素子を含んでいるので、小型化することができる。よって、どこにでも持ち歩けるユビキタスな健康モニター機器(ubiquitous health monitoring devices)とすることができる。
次に、第18の実施形態について説明する。
本実施形態は、気圧計についての実施形態である。
本実施形態においては、上述した第15の実施形態に係る磁気抵抗効果素子110を組み込んだ歪みセンサを気圧計に適用する。第15の実施形態に係る磁気抵抗効果素子110が設けられた歪みセンサは、引っ張り歪みと圧縮歪みを区別することができる。また、小型化することもできる。例えば、この歪みセンサを組み込んだ本実施形態に係る気圧計は、小型なので、飛行機の翼の表面または裏面に設けることができる。また、この気圧計は、負圧と正圧を区別することができるため、翼の表面または裏面に生じる気圧の変化を正確に計測することができ、飛行機の失速(stall)やきりもみ(spin)の始まりを知ることができる。
次に第19の実施形態について説明する。
本実施形態は、構造物ヘルスモニタセンサについての実施形態である。
図31及び図32は、第19の実施形態に係る構造物ヘルスモニタセンサを例示する図である。
図31に示すように、構造物ヘルスモニタセンサ600は、吊り橋における橋桁610の一面に多数設けられている。
また、図32に示すように、構造物ヘルスモニタセンサ600は、ビルの外壁620一面に多数設けられている。本実施形態に係る構造物ヘルスモニタセンサ600には、第12〜15の実施形態に係る歪みセンサが用いられている。定期的に構造物ヘルスモニタセンサ600により、橋桁610及びビルの外壁620に初期状態とは異なる歪みが発生しているかどうかを容易にチェックすることができる。
Claims (14)
- 基板と、
前記基板上に固定された積層体であって、
鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む第1の磁性層と、
前記第1の磁性層に積層され、前記第1の磁性層の組成とは異なる第2の磁性層と、
前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されたスペーサ層と、
を有する積層体と、
前記積層体に電流を流す第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記積層体が配置され、
前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に前記第1の磁性層、前記スペーサ層及び前記第2の磁性層が積層されており、
前記積層体に印加された外部歪みによって、前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層がともに磁化回転し、
前記第1の磁性層および第2の磁性層の磁化回転に伴う前記電極間の抵抗変化によって、外部歪みを検出することを特徴とする歪みセンサ。 - 基板と、
前記基板上に固定された積層体であって、
鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む第1の磁性層と、
前記第1の磁性層に積層され、前記第1の磁性層の組成とは異なる第2の磁性層と、
前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されたスペーサ層と、
を有する積層体と、
前記積層体に電流を流す第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記積層体が配置され、
前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に前記第1の磁性層、前記スペーサ層及び前記第2の磁性層が積層されており、
外部歪みが印加されていない状態において、前記第1の磁性層の磁化方向と前記第2の磁性層の磁化方向とは、平行または反平行であり、
前記積層体に印加された外部歪みによって、前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層がともに磁化回転し、
前記第1の磁性層および第2の磁性層の磁化回転に伴う前記電極間の抵抗変化によって、外部歪みを検出することを特徴とする歪みセンサ。 - 基板と、
前記基板上に固定された積層体であって、
鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む第1の磁性層と、
前記第1の磁性層に積層され、前記第1の磁性層の組成とは異なる第2の磁性層と、
前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されたスペーサ層と、
を有する積層体と、
前記積層体に電流を流す第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記積層体が配置され、
前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に前記第1の磁性層、前記スペーサ層及び前記第2の磁性層が積層されており、
前記積層体に印加された外部歪みによって、前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層がともに磁化回転し、
前記第1の磁性層の前記磁化回転の方向は、前記第2の磁性層の前記磁化回転に対して逆方向であり、
前記第1の磁性層および第2の磁性層の磁化回転に伴う前記電極間の抵抗変化によって、外部歪みを検出することを特徴とする歪みセンサ。 - 外部歪みが印加されていない状態において、前記第1の磁性層の磁化方向と前記第2の磁性層の磁化方向とは、平行または反平行であることを特徴とする請求項3に記載の歪みセンサ。
- 前記第1の磁性層は正の磁歪係数を有し、前記第2の磁性層は負の磁歪係数を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の歪みセンサ。
- 前記第1の磁性層は、鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択された1種以上の金属を含む酸化物層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の歪みセンサ。
- 前記第2の磁性層は、ニッケル及びサマリウム鉄(SmFe)からなる群より選択された1種以上の金属を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の歪みセンサ。
- 前記スペーサ層は、アルミニウム、チタン、亜鉛、シリコン、ハフニウム、タンタル、モリブデン、タングステン、ニオブ、クロム、マグネシウム及びジルコニウムからなる群より選択された1種の金属の酸化物または窒化物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の歪センサ。
- 前記第2の磁性層の前記第1の磁性層が積層されている面の反対面上、または、前記第1の磁性層の前記第2の磁性層が積層されている面の反対面上に、磁化方向が一方向に固着された第3の磁性層をさらに備え、
前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間、または、前記第1の磁性層と前記第3の磁性層との間に配置された他のスペーサ層をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜8いずれか1つに記載の歪みセンサ。 - 前記基板は、
フレキシブル性を有し、前記積層体が固定されたメンブレンと、
前記メンブレンを支持する支持部と、
を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の歪みセンサ。 - 第1方向に延びる複数本のワード線と、
前記第1方向に対して交差する第2方向に延びる複数本のビット線と、
をさらに備え、
前記積層体は、複数設けられており、前記複数本のワード線のそれぞれと前記複数本のビット線のそれぞれとの間に接続されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の歪みセンサ。 - 請求項10記載の歪みセンサを有し、
外部圧力による前記メンブレンの歪みを検知することで、前記外部圧力を検知することを特徴とする圧力センサ。 - 請求項1〜11のいずれか1つに記載の歪みセンサを有し、
人間または動物の血圧値をモニターすることを特徴とする血圧センサ。 - 請求項1〜11のいずれか1つに記載の歪みセンサを有し、
橋またはビルの構造物の歪み状態をモニタする構造物の状態観測を行うことを特徴とする構造物ヘルスモニタセンサ。
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