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JP5679067B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の動力特性や操舵特性あるいは懸架特性などの車両の走行特性を、運転者の志向(もしくは嗜好)に適合するように変化させる制御を行う装置に関し、特に運転者の好みや癖などに基づく運転志向を精度良く判定もしくは推定する制御装置に関するものである。
車両の駆動力制御や変速制御の特性あるいは操舵特性や懸架特性などの車両の走行特性は、設計上、所定の特性に固定されて設定される。一方、車両を操作する運転者の運転志向は常に一定であるとは限らない。すなわち、運転者の運転志向は、運転者の性格や癖などに応じた個人差があり、また運転者が入れ替わる場合もある。さらに、天候や時間(昼夜)、あるいは走行路の種類や路面の状態などの走行環境も様々に変化する。そのため、車両の走行特性は必要に応じて、あるいは運転者の運転志向を反映して適宜に変更できることが好ましい。そこで従来、運転者が手動操作することにより、例えばエンジンを高トルク特性に切り替えたり、あるいは自動変速機を制御する変速マップを切り替えたりして、車両の走行特性を変更することが行われている。例えば、車両の走行特性を設定する走行モードを、スイッチ操作によって、車両の挙動が俊敏になるいわゆるスポーツモードと、スポーツモードに比較して車両の挙動がマイルドになるノーマルモードと、燃費が向上するエコノミーモードとに選択的に切り替えることができるように構成された装置が開発されている。
上記のようなスイッチ操作によって走行モードを切り替える構成は、走行モードを切り替えるためには運転者がその都度スイッチ操作する必要がある。そのため、操作が面倒であったり、あるいは走行モードの切り替えが遅れてしまうなどの不都合が生じてしまう。そのような不都合を解消させるために、車両の挙動から運転者の意図あるいは運転志向を判断し、その運転者の意図あるいは運転志向を車両の制御に反映させることが試みられている。その一例が、特表2009−530166号公報に記載されている。この特表2009−530166号公報に記載されている発明は、車両の加速度を表すデータに基づいて運転者の運転スタイルを評価し、その評価された運転スタイルに従って、車両シャーシ内の少なくとも1つの能動サブシステム(具体的には、パワーステアリング制御装置、電子エンジン制御装置、変速機制御装置、電子ブレーキ制御装置など)の動作状態を制御するように構成されている。
上記の特表2009−530166号公報に記載されている発明では、運転者の運転スタイルを判定するために、車両の縦方向の加速度(前後加速度)および横方向の加速度(横加速度)に基づいて、いわゆる“表面利用度”が算出される。この“表面利用度”は、最大閾値によって正規化された前後加速度の二乗と、最大閾値によって正規化された横加速度の二乗との和の二乗根として算出される値であり、車両の前後加速度と横加速度とを合成したいわゆる合成加速度に相当するものである。そしてその“表面利用度”が車速の大小を考慮して重み付けされ、その重み付けされた“表面利用度”に基づいて、運転者の運転スタイルが判定される。具体的には、車両の動作モードが通常モードもしくはスポーツモードのいずれかに設定される。
したがって、上記の特表2009−530166号公報に記載されている発明によれば、車両の加速度に基づいて運転者の運転スタイルを評価し、その評価された運転スタイルに応じて車両の動作モードを通常モードとスポーツモードとのいずれかに選択的に設定することができる。すなわち、運転者の運転志向を推定し、その推定した運転志向を制御に反映させて車両の走行特性を変更することができる。しかしながら、上記のように車両の加速度に基づいて運転者の運転志向を推定する構成は、例えば、大きな凹凸がある路面や勾配に変化がある路面などを走行する場合や、危険回避のための急操舵や急制動などが行われた場合には、そのような運転操作の影響による加速度の変化成分が、いわゆるノイズ成分として運転志向を推定するためのデータ中に取り込まれてしまうことがある。特に、直進走行中に制動操作された場合や、高速走行中に制動操作された場合には、その操作量が僅かであったとしても影響が大きく、加速操作や操舵の影響により生じるノイズ成分よりも、より大きなノイズ成分として取り込まれてしまう。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度が低下してしまう可能性がある。
このように、従来の運転者の運転志向を車両の走行特性に反映させる制御では、運転者の運転志向の推定精度を高め、運転者の意図や志向を、車両の走行特性を設定するもしくは変更する制御に的確に反映させる点において、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、運転者の運転志向の推定精度を向上させ、運転者の意図や志向を的確に反映させて車両の走行特性を設定・変更する制御を実行できる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、車両の加速度に基づいてその車両の走行状態および運転者の運転志向を示す指標を推定し、その指標に基づいて前記車両の走行特性を設定する車両制御装置において、前記車両が直進走行している状態で制動操作される直進制動操作の有無を判定する直進制動判定手段と、前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記走行特性の設定に対する前記直進制動操作に起因する操作外乱の影響を回避もしくは抑制する直進制動操作外乱抑制手段とを備えていることを特徴とするものである。
また、この発明は、上記の発明において、前記直進制動操作外乱抑制手段が、前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記直進制動操作に起因する操作外乱を、加速操作および操舵に起因する操作外乱よりも強く減衰させる手段を含むことを特徴とするものである。
また、この発明は、上記の発明において、前記操作外乱が、前記車両が前記直進制動操作される際の加速度情報に含まれる外乱成分、および/または、前記車両が加速操作および操舵される際の加速度情報に含まれる外乱成分を含むことを特徴とするものである。
また、この発明は、上記の発明において、前記直進制動操作外乱抑制手段が、前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記走行特性の変更を禁止する手段を含むことを特徴とするものである。
また、この発明は、上記の発明において、前記加速度の時間微分値であるジャークを算出するジャーク算出手段を更に備え、前記直進制動操作外乱抑制手段が、前記ジャークが予め定められた禁止判断閾値を超えている間、前記走行特性の変更を禁止する手段を含むことを特徴とするものである。
また、この発明は、上記のいずれかの発明において、前記加速度が、前記車両の前後方向の前後加速度と、前記車両の車幅方向の横加速度とを含み、前記直進走行が、0を含む予め定められた所定の加速度範囲内の前記横加速度で前記車両がほぼ直進して走行する状態を含み、前記直進制動判定手段が、前記前後加速度および前記横加速度に基づいて前記直進制動操作の有無を判定する手段を含むことを特徴とするものである。
また、この発明は、上記のいずれかの発明において、前記車両の操舵角を検出する舵角検出手段と、前記車両の制動操作の有無を検出する制動検出手段とを更に備え、前記直進走行が、0を含む予め定められた所定の角度範囲内の前記操舵角で前記車両がほぼ直進して走行する状態を含み、前記直進制動判定手段が、前記操舵角および前記制動操作の有無に基づいて前記直進制動操作の有無を判定する手段を含むことを特徴とするものである。
そして、この発明は、車両の加速度に基づいてその車両の走行状態および運転者の運転志向を示す指標を推定し、その指標に基づいて前記車両の走行特性を設定する車両制御装置において、前記車両の操舵に伴って発生する前記車両の車幅方向の横加速度が前記走行特性の設定に影響を及ぼさない範囲内で前記車両がほぼ直進して走行する際に前記車両が制動操作される直進制動操作が行われる場合に、前記直進制動操作に起因する操作外乱が前記走行特性の設定に影響することを回避もしくは抑制する直進制動操作外乱抑制制御を実行するとともに、前記車両が前記直進制動操作されて、前記直進制動操作外乱抑制制御が実行される間は、前記走行特性の変更を禁止するように構成されていることを特徴とするものである。
したがって、この発明の車両制御装置によれば、車両が直進で走行している状態で行われる制動操作、すなわち直進制動操作の有無が検出もしくは判定される。そして、その直進制動操作が行われたことが判定された場合に、その直進制動操作に起因する操作外乱による影響が回避もしくは抑制される。直進制動操作が行われた場合は、他の加速操作や操舵が行われた場合と比較して、操作外乱が生じて走行特性を設定・変更する制御などに影響を及ぼす可能性が高くなる。しかしながらこの発明の車両制御装置では、上記のように直進制動操作が行われた場合には、その直進制動操作に起因する操作外乱による影響を回避もしくは抑制するように制御される。そのため、直進制動操作に起因する操作外乱の影響によって車両の走行特性が適切に設定できなくなってしまうこと、例えば車両の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうようなことを防止することができる。その結果、運転者の意図や運転志向を的確に反映させて、車両の走行特性を設定・変更する制御を適切に実行することができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、車両の直進制動操作が行われた場合に、その直進制動操作の開始に起因して発生する操作外乱が、例えばフィルタ処理などによって特に強く減衰させられる。そのため、車両の直進制動操作が行われた場合に、車両の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうようなことを確実に防止することができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、加速度の変動成分にノイズ成分すなわち外乱成分が発生し易い直進制動操作時に、その外乱成分による影響を回避もしくは抑制するように制御される。すなわち、加速操作により発生する加速度および制動操作により発生する減速度ならびに車両横方向の横加速度等の加速度情報に含まれる外乱成分、特に制動操作による加速度情報に含まれる外乱成分の影響が排除される。あるいは、直進制動操作時に、その直進制動操作の開始に起因して発生する加速度の加速度情報に含まれる外乱成分が、例えばフィルタ処理などによって特に強く減衰させられる。そのため、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させることができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、車両の直進制動操作が開始されたときに、車両の走行特性を設定・変更する制御の実行が禁止される。そのため、車両の直進制動操作が行われた場合に、車両の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうようなことを確実に防止することができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、車両の直進制動操作が開始されたときに、車両の加速度の時間微分値であるジャークが求められ、そのジャークが、加速度の変化が車両の走行特性を設定・変更する制御に外乱となって影響すると考えられるジャークの下限値として設定された禁止判断閾値を上回っている間は、車両の走行特性を設定・変更する制御の実行が禁止される。そのため、車両の直進制動操作が行われた場合に、車両の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうようなことをより確実に防止することができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、直進制動操作の有無を判定する場合、車両の前後加速度および横加速度が検出され、それら前後加速度および横加速度に基づいて直進制動操作の有無が判定される。そのため、車両の直進制動操作が行われたことを適切に判定もしくは検出することができる。
また、この発明の車両制御装置によれば、直進制動操作の有無を判定する場合、車両の舵角および制動操作の有無が検出され、それら舵角および制動操作の有無に基づいて直進制動操作の有無が判定される。そのため、車両の直進制動操作が行われたことを適切に判定もしくは検出することができる。
この発明の制御装置で制御の対象とすることのできる車両を模式的に示す図である。 前後加速度および横加速度の検出値をタイヤ摩擦円上にプロットして示す図である。 瞬時SPIに基づく指示SPIの変化の一例を示す図である。 瞬時SPIと指示SPIとの偏差の時間積分とその積分値のリセットの状況を説明するための図である。 この発明のノイズ除去装置によって指示SPIを求めるために検出する各加速度に対して実施するフィルタ処理の手順を示すブロック線図である。 この発明のノイズ除去装置によって指示SPIを求めるために検出する各加速度に対して実施するフィルタ処理の手順を示すブロック線図であって、図5のブロック線図に続く部分のブロック線図である。 図5のブロック線図に示すフィルタ処理において、伝達関数の時定数を設定する際に用いるマップの一例である。 この発明の制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートであって、この発明における直進制動判定制御の変形例を説明するための図である。 この発明の制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートであって、この発明における直進制動判定制御の変形例を説明するための図である。 この発明の制御装置で実行される制御の他の例を説明するためのフローチャートである。
つぎにこの発明を具体例を参照して説明する。この発明の制御装置を適用できる車両は、例えば図1に示すように、エンジンやモータなどの駆動力源の出力制御、駆動力源の回転数や駆動力を変化させる変速制御、操舵制御、車体を支えているサスペンション機構の制御などの制御特性を電気的に変更することができるように構成されている。すなわち、図1に示す車両1は、操舵輪である2つの前輪2と、駆動輪である2つの後輪3との四輪を備えた車両であり、これら前輪2および後輪3は、それぞれ、サスペンション機構4によって車体(図示せず)に取り付けられている。
サスペンション機構4は、従来知られているものであり、スプリングとショックアブソーバー(ダンパー)とを主体として構成されている。図1にはサスペンション機構4のショックアブソーバー5を示してある。このショックアブソーバー5は、気体や液体などの流体の流動抵抗を利用して緩衝作用を生じさせるように構成されている。さらにこのショックアブソーバ5は、モータ6などのアクチュエータによって上記の流動抵抗を大小に変更できるように構成されている。すなわち、ショックアブソーバー5の流動抵抗を大きくした場合には、車体が沈み込みにくく、いわゆる堅い感じとなる。この場合、車両1の挙動としては、コンフォートな感じが少なくなって、スポーティ感が増大する。なお、これらのショックアブソーバー5に加圧気体を給排することによって車高の調整を行うように構成することもできる。
上記の前輪2および後輪3には、それぞれ、図示しないブレーキ装置が設けられており、運転席に配置されているブレーキペダル7を踏み込むことによりブレーキ装置が動作して前輪2および後輪3のそれぞれに制動力を与えるように構成されている。
車両1に搭載されている駆動力源は、内燃機関やモータあるいはこれらを組み合わせた機構など、従来知られている構成の駆動力源である。図1には内燃機関(エンジン)8を搭載している例を示してある。このエンジン8の吸気管9には、吸気量を制御するためのスロットルバルブ10が配置されている。このスロットルバルブ10は、電子スロットルバルブと称される構成のものであって、モータなどの電気的に制御されるアクチュエータ11によって開閉動作させられ、かつ開度が調整されるように構成されている。そして、このアクチュエータ11は、運転席に配置されているアクセルペダル12の踏み込み量すなわちアクセル開度に応じて動作して、スロットルバルブ10を所定の開度(スロットル開度)に調整するように構成されている。
上記のアクセル開度とスロットル開度との関係は適宜に設定できる。例えば、両者の関係が一対一に近くなるように特性を設定すれば、いわゆるダイレクト感が強くなり、車両1の挙動がスポーティな感じになる。これとは反対に、アクセル開度に対してスロットル開度が相対的に小さくなるように特性を設定すれば、車両1の挙動特性あるいは加速特性はいわゆるマイルドな感じになる。なお、駆動力源としてモータを使用した場合には、スロットルバルブ10に替えてインバータあるいはコンバータなどの電流制御器が設けられる。そして、アクセル開度に応じてその電流を調整するとともに、アクセル開度に対する電流値の関係すなわち挙動特性もしくは加速特性を適宜に変更するように構成される。
上記のエンジン8の出力側に変速機13が連結されている。この変速機13は、入力回転数と出力回転数との比率すなわち変速比を適宜に変更するように構成されている。そしてこの変速機13としては、例えば従来知られている有段式の自動変速機やベルト式無段変速機あるいはトロイダル型無段変速機などを採用することができる。したがって、変速機13は、図示しないアクチュエータを備えていて、そのアクチュエータを適宜に制御することにより変速比を段階的に、あるいは連続的に変化させるように構成されている。
変速機13の変速制御は、基本的に、燃費効率がよくなる変速比を設定するように行われる。具体的には、車速やアクセル開度などの車両1の状態に対応させて変速比を決めた変速マップが予め用意され、その変速マップに従って変速制御が実行される。あるいは、車速やアクセル開度などの車両1の状態に基づいて目標出力が算出され、その目標出力と最適燃費線とから目標エンジン回転数が求められる。そして、その目標エンジン回転数となるように変速制御が実行される。
この発明における制御装置は、上記のような基本的な変速制御に対して、燃費優先の制御や駆動力を増大させる制御を選択できるように構成されている。燃費を優先する制御は、アップシフトを相対的に低車速で実行する制御もしくは相対的に高速側変速比を低車速側で使用する制御である。一方、駆動力もしくは加速特性を向上させる制御は、アップシフトを相対的に高車速で実行する制御もしくは相対的に低速側変速比を高車速側で使用する制御である。このような制御は、変速マップを切り替えたり、駆動要求量を補正したり、あるいは算出された変速比を補正するなどのことによって行うことができる。
なお、エンジン8と変速機13との間に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータなどの伝動機構を、必要に応じて設けることができる。そして、変速機13の出力軸が終減速機であるデファレンシャルギヤ14を介して後輪3に連結されている。
そして車両1には、前輪2の向きを変える操舵を行う操舵装置15が設けられている。この操舵装置15は、ステアリングホイール16の回転動作を左右の前輪2に伝達するステアリングリンケージ17と、ステアリングホイール16の操舵角度もしくは操舵力をアシストするアシスト機構18とを備えている。このアシスト機構18は、図示しないアクチュエータを備え、そのアクチュエータによるアシスト量を調整できるように構成されている。したがってアシスト量を少なくすることにより操舵角と前輪2の実際の転舵角とが一対一の関係に近くなり、いわゆる操舵のダイレクト感が増して、車両1の挙動特性がいわゆるスポーティな感じになるように構成されている。
なお、特には図示しないが、上記の車両1には挙動あるいは姿勢を安定化させるためのシステムとして、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールシステム、これらのシステムを統合して制御するビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などが設けられている。これらのシステムは従来知られているものであって、車体速度と車輪速度との偏差に基づいて車輪2,3にかかる制動力を低下させ、あるいは制動力を付与し、さらにはこれらと併せてエンジントルクを制御することにより、車輪2,3のロックやスリップを防止もしくは抑制して車両1の挙動を安定させるように構成されている。また、走行路や走行予定路に関するデータ(すなわち走行環境)を得ることのできるナビゲーションシステムや、スポーツモードおよびノーマルモードならびに低燃費モード(エコノミーモード)などの走行モードを手動操作で選択するためのスイッチを設けることもできる。さらには、登坂性能や加速性能あるいは回頭性などの挙動特性を変化させることのできる四輪駆動機構(4WD)を備えていてもよい。
上記のエンジン8や変速機13あるいはサスペンション機構4のショックアブソーバー5、アシスト機構18、上述した図示しない各システムなどを制御するためのデータを得る各種のセンサが設けられている。その例を挙げると、前後輪2,3の回転速度を検出する車輪速センサ19、アクセル開度センサ20、スロットル開度センサ21、エンジン回転数センサ22、変速機13の出力回転数を検出する出力回転数センサ23、操舵角センサ24、前後加速度(Gx)を検出する前後加速度センサ25、横方向(車幅方向)の加速度(横加速度Gy)を検出する横加速度センサ26、ヨーレートセンサ27などが設けられている。なお、加速度センサGx,Gyは、上記のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などの車両挙動制御で用いられている加速度センサと共用することができる。あるいは、エアバッグを搭載している車両では、その展開制御のために設けられている加速度センサと共用することもできる。
そして、上記の各センサ19,〜27は、電子制御装置(ECU)28に検出信号(データ)を伝送するように構成されている。また、この電子制御装置28は、それらのデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムなどに従って演算を行い、その演算結果を制御指令信号として上述した各システムあるいはそれらのアクチュエータに出力するように構成されている。
前述したように、この発明における制御装置は、車両1の走行状態を、その車両1の走行特性を設定する挙動制御に反映させるように構成されている。ここで車両1の走行状態とは、前後加速度Gxや横加速度Gyあるいはヨーイングやローリングの加速度、もしくはこれら複数方向の加速度を合成した加速度で表される状態である。すなわち、車両1を目標とする速度で走行させたり、目標とする方向に進行させたりする場合、あるいは路面などの走行環境の影響を受けて車両1の挙動を元の状態に戻したりする場合には、通常、車両1には複数方向の加速度が生じる。したがって、このことを考慮すると、車両1の走行状態は走行環境や運転者の運転志向を反映しているものと考えられる。このような背景に基づき、この発明における制御装置は、車両1の走行状態を車両1の挙動制御に反映させるように構成されている。
上記のように車両1の走行状態を車両1の挙動制御に反映させる場合、上記の走行状態の一例であるいずれかの方向の加速度もしくは合成加速度の値をそのまま使用して車両1の走行特性を変更することもできる。しかしながら、この発明における制御装置では、車両1の走行環境や運転者の運転志向をより的確に車両1の挙動制御に反映させるために、上記の加速度の値を補正もしくは加工した指標が用いられる。
その一例として、この発明における制御装置では、先ず、上記の車両1を対象としてその合成加速度すなわち瞬時指標(瞬時SPI)が求められる。この瞬時SPIは、前後加速度Gxと横加速度Gyとに基づき、下記の式で求められる。
瞬時SPI=(Gx+Gy1/2
上記の演算式に用いられる前後加速度Gxのうち、加速方向の加速度もしくは減速方向の加速度(すなわち減速度)の少なくともいずれか一方は、正規化処理や重み付け処理されたものを用いてもよい。すなわち、一般的な車両では、加速方向の加速度に対して減速方向の加速度の方が相対的に大きくなるが、その相違は運転者にはほとんど体感もしくは認識されていない。多くの場合、加速方向および減速方向の加速度がほぼ同等に生じていると認識されている。正規化処理とは、このような実際の値と運転者が抱く感覚との相違を是正するための処理であり、前後加速度Gxについては、加速方向の加速度を大きくする、もしくは減速方向の加速度を小さくする処理である。より具体的には、それぞれの加速度の最大値の比率を求め、その比率を加速方向あるいは減速方向の加速度に乗じる処理である。
一方、重み付け処理とは、タイヤで生じさせることのできる前後力および横力がタイヤ摩擦円で表されるのと同様に、各方向の最大加速度が所定半径の円周上に位置するように、加速方向もしくは減速方向の少なくともいずれか一方に対して重み付けするなどの補正を行う処理である。したがって、上記のような正規化処理および重み付け処理を行うことにより、加速方向の加速度と減速方向の加速度との走行特性に対する反映の程度が異なることになる。そこで、重み付け処理の一例として、車両1の前後の加速方向の加速度と減速方向の加速度とのうち、加速方向の加速度の影響度が、減速方向の加速度の影響度に対して相対的に大きくなるよう、加速方向の加速度および減速方向の加速度に対して、それぞれに重み付け処理を施しても良い。
このように、加速度の実際値と運転者が抱く感覚とには、加速度の方向によって相違がある。例えばヨーイング方向やローリング方向での加速度と前後加速度との間にも、そのような相違があることが考えられる。そこでこの発明では、方向が異なる加速度毎の走行特性に対する反映の度合い、言い換えれば、いずれかの方向の加速度に基づく走行特性の変化の程度を、他の方向の加速度に基づく走行特性の変化の程度とは異ならせるように構成することができる。
その一例として、横加速度Gyのセンサ値と、上記の正規化処理および重み付け処理を行った前後加速度Gxの値とを、タイヤ摩擦円上にプロットした例を図2に示してある。これは、一般道を模擬的に想定したテストコースを走行した場合の例であり、大きく減速する場合に横加速度Gyも大きくなる頻度が多く、タイヤ摩擦円に沿って前後加速度Gxと横加速度Gyが生じるのは一般的な傾向であることが見て取れる。
前述したように、前後加速度Gxには、アクセルペダル12を踏み込んで駆動力を増大させることによる加速方向の加速度(以下、加速度)と、ブレーキペダル7を踏み込んで制動力を増大させることによる減速方向の加速度(以下、減速度)とが含まれている。この場合、減速度は、運転者がブレーキペダル7を踏み込んだ際のブレーキ踏力に応じて変化する。それに対して、加速度は、運転者がアクセルペダル12を踏み込んだ際のエンジン出力の増大量に応じて変化する。しかしながら、前述した構成の車両1では、アクセル開度を電気的に処理してスロットル開度に変換するため、アクセル開度とスロットル開度もしくはエンジントルクとの関係である出力制御特性によって、加速度の変化の程度が異なることになる。また、駆動力は変速比によっても変化するため、上記の加速度の変化の程度は、変速制御特性によっても異なることになる。さらに、車両1の走行時には、進路を変更するだけでなく、落下物や路面の凹凸の回避などの様々な要因で操舵するのが通常である。したがって、前後加速度Gxや横加速度Gyは、走行状態を変更する運転者の意図に基づく操作によって変化するだけでなく、運転者が従前の走行状態を継続する意図があるにもかかわらず、一時的な危険回避などのための運転操作によっても変化することがある。
そこで、一時的な加速度の変化などのいわゆる外乱要因を除去して、本来の車両1の挙動あるいは運転志向を正確に推定もしくは判定するために、上記の瞬時SPIを加工して、挙動もしくは運転志向の推定のための指示指標を求めることが好ましい。その例を説明すると、先ず、前述の図2に示すように、タイヤ摩擦円上にプロットされる前後加速度Gxおよび横加速度Gyもしくはそれらを合成した加速度から瞬時SPIが逐次算出される。
その瞬時SPIの変化の例を、図3に示してある。瞬時SPIは、加速度センサ25,26によって得られた加速度値、あるいは車輪速センサ19の検出値を微分するなどして得られた加速度値などのいわゆるセンサ値である。そのため瞬時SPIは、瞬間的に常時大小に変化していて、一定の値に特定されることはほとんどない。そのような変化は、前述したように、主に運転者の積極的な意図によらない何らかの要因によって生じている。そこで、この発明では、運転者の運転志向を推定するために使用する指標として、指示指標(指示SPI)が設定される。この指示SPIは、瞬時SPIの極大値に対応する値を保持し、瞬時SPIの極大値が直前の極大値(保持されている指示SPIに対応する極大値)を超えた場合に、瞬時SPIの新たな極大値に対応する値に更新され、かつ瞬時SPIが、保持されている指示SPIに対応する極大値以下となっている状況が所定の条件を満たした場合に低下させられるように規定されている。
上記のようにして設定された指示SPIを、図3に太い実線で示してある。すなわち、この指示SPIは、その指示SPIの算出の元になる瞬時SPIの増大に対しては直ちに増大し、瞬時SPIの低下に対して遅れて低下するように定められた指標である。特に、所定の条件の成立を要因として指示SPIを低下させるように規定されている。ここに示す例では、瞬時SPIが上記の図2にプロットしてある値で示されている。これに対して、指示SPIは、瞬時SPIの極大値に設定され、所定の条件が成立するまで、従前の値を維持するように規定されている。すなわち、指示SPIは、増大側には迅速に変化し、低下側には相対的に遅く変化する指標としてとなっている。
具体的に説明すると、図3における制御の開始からT1 の時間帯では、車両1に加減速が生じ、その加速度の変化によって得られる瞬時SPIが増減するが、前回の極大値を上回る瞬時SPIが、前述した所定の条件の成立に先行して生じるので、指示SPIが段階的に増大する。これに対して、t2 時点あるいはt3 時点では、低下のための条件が成立したことにより指示SPIが低下する。このように指示SPIを低下させる条件は、要は、指示SPIを従前の大きい値に保持することが好ましくないと考えられる状態が成立することである。具体的には、この発明では時間の経過を要因として成立するように構成されている。
すなわち、指示SPIを従前の大きい値に保持することが好ましくないと考えられる状態とは、保持されている指示SPIとその間に生じている瞬時SPIとの乖離が相対的に大きく、かつその状態が継続している状態である。したがって、加速後の車速を維持したり、運転者の癖などによってアクセルペダル12を一時的に戻すなど、減速の意図が特にはない操作に起因する瞬時SPIでは指示SPIを低下させない。すなわち指示SPIを低下させる条件は成立させない。そして、瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態が所定時間継続した場合に、指示SPIを低下させる条件が成立した、とするようになっている。
このように、指示SPIの低下開始条件は、瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態の継続時間とすることができる。また、実際の走行状態をより的確に指示SPIに反映させるために、指示SPIと瞬時SPIとの偏差の時間積分値(あるいは累積値)が予め定めた閾値に達することを、指示SPIの低下開始条件とすることができる。なお、その閾値は、実験やシミュレーションを行って適宜に設定すればよい。後者の積分値を用いるとすれば、指示SPIと瞬時SPIとの偏差および時間を加味して指示SPIを低下させることになるので、実際の車両1の走行状態あるいは挙動をより的確に反映した走行特性の変更制御が可能になる。
なお、図3に示す例では、上記のt2 時点に到るまでの指示SPIの保持時間が、t3 時点に到るまでの指示SPIの保持時間より長くなっているが、これは以下の制御を行うように構成されているためである。図3に示す制御において、前述したT1 の時間帯の終期に指示SPIが所定値に増大させられて保持されている。その後、前述した低下開始条件が成立する前のt1 時点に瞬時SPIが増大して、保持されている指示SPIとの偏差が予め定めた所定値以下となっている。ここでの所定値は、実験やシミュレーションを行って、あるいは瞬時SPIの算出誤差を考慮して適宜に設定すればよい。上記のように瞬時SPIが保持されている指示SPIに近くなったということは、保持されている指示SPIの元になった瞬時SPIを生じさせた加減速状態および/または旋回状態もしくはそれに近い状態になっていることを意味している。すなわち、指示SPIを保持されている値に増大させた時点からある程度時間が経過した場合であっても、走行状態はその時間が経過する前の時点の走行状態と近似している。そのため、瞬時SPIが指示SPIを下回る状態が生じていたとしても、前述した低下開始条件の成立を遅延させ、指示SPIを従前の値に保持させることとしたのである。それによって、上記のような保持時間の長さに差が生じているのである。
上記のような遅延のための制御もしくは処理は、経過時間の積算値(累積値)や前述した指示SPIと瞬時SPIとの偏差の積分値をリセットして、経過時間の積算や指示SPIと瞬時SPIとの偏差の積分を再開することによって行えばよい。あるいは、その積算値もしくは積分値を所定量減じたり、さらには積算もしくは積分を一定時間中断したりするなどのことによって行えばよい。
なお、図3において、t4 時点以降は指示SPIを一定値に保持するようになっているが、これは、走行中におけるいわゆる突発的な状況を走行状態の変化として取り込まないようにしたためである。その突発的な状況とは、例えば、路面上の障害物を避けるためのアクセルペダルの解放や転舵などのような一時的な操作である。このような一時的な操作によっても瞬時SPIが大きく低下するが、これは一時的な変化であって車両1の挙動特性の変化を要求する要因とはならない。この場合は、むしろ、従前の挙動特性を維持する方が運転者の要求もしくは期待に即した走行が可能になると考えられる。したがって、上記のように指示SPIを一定値に保持するようになっている。
図4は、上述した指示SPIと瞬時SPIとの偏差の積分とそのリセットとのタイミングを説明するためのタイムチャートである。なお、図4にハッチングを施してある部分の面積が積分値に相当している。図4のタイムチャートにおいて、瞬時SPIと指示SPIとの差が所定値Δd以下になったt11時点で積分値がリセットされる。そして、再度、指示SPIと瞬時SPIとの偏差の積分が開始される。したがって、指示SPIを所定の値に保持している継続時間が長くなっても、その低下開始条件が成立しないので、指示SPIは従前の値に維持される。そして、積分を再開した後、瞬時SPIが直前の指示SPIよりも大きい値になると、指示SPIが瞬時SPIに応じた大きい値に更新されて保持される。そしてその後、上記の積分値がリセットされる。
上記の積分値に基づいて指示SPIの低下制御開始の条件を判断するよう構成した場合、指示SPIの低下の程度もしくは勾配を異ならせてもよい。上記の積分値は、保持されている指示SPIと瞬時SPIとの偏差を時間積分した値であるから、その偏差が大きければ短時間に積分値が所定値に達して低下制御開始の条件が成立する。反対に、指示SPIと瞬時SPIとの偏差が小さい場合には、相対的に長い時間を要して上記の積分値が所定値に達して指示SPIの低下制御開始条件が成立する。
したがって、例えば、上記に示すような低下制御開始の条件が成立するまでの経過時間の長短に応じて、指示SPIの低下の程度もしくは勾配を異ならせてもよい。短時間で指示SPIの低下制御開始条件が成立した場合は、保持されている指示SPIに対する瞬時SPIの低下幅が大きいことになり、指示SPIがその時の運転者の意図と大きく乖離していることになる。そこで、そのような場合には、指示SPIを大きな割合もしくは大きな勾配で低下させる。これとは反対に、上記の指示SPIの低下制御開始条件が成立するまでの時間が相対的に長い場合には、保持されている指示SPIに対する瞬時SPIの低下幅が小さいことになり、保持されている指示SPIがその時点の運転者の意図と特に大きく乖離しているとは言い得ない。そこで、そのような場合には、指示SPIを小さい割合もしくは小さな勾配でゆっくり低下させる。そうすることにより、走行特性を設定するための指示SPIと運転者の意図との乖離を迅速かつ的確に是正し、走行状態に適合した車両1の走行特性を設定することが可能になる。
上記のように、この発明の制御装置では、走行環境や運転志向を反映させて車両1の走行特性を変更することができ、それにより車両1のドライバビリティを向上させることができる。その一方で、上記のようにして車両1の合成加速度に基づいて運転志向を推定する場合、例えば運転者の意図しない運転操作が行われたり、あるいは凹凸の大きい悪路や勾配の急な坂路を走行する際に、車両1の合成加速度が瞬間的もしくは一時的に変化し、その合成加速度の変化分がいわゆるノイズ成分や外乱成分として取り込まれてしまう可能性がある。すなわち、運転者の意向に沿った運転志向を精度良く推定できずに、上記のような指示SPIを適切に設定することができなくなる可能性がある。
そこで、この発明における制御装置は、指示SPIを設定するための瞬時SPIを求める際に、運転者の意図しない運転操作に起因するノイズ成分や外乱成分を除去するため、加速度のセンサ値あるいはセンサ値を基に正規化処理した演算値にフィルタ処理を施し、そのフィルタ処理された合成加速度に基づいて瞬時SPIを算出するように構成されている。
具体的には、図5,図6のブロック線図に示すように、先ず、アクセルペダル12の操作量(アクセル開度)に基づいて、後述のフィルタ処理の際に基準となるいわゆる静的な前後方向の加速度として、基準加速度Gxaccが算出される(ブロックB1)。同様に、ブレーキペダル7の操作量(ブレーキ開度)に基づいて、後述のフィルタ処理の際に基準となるいわゆる静的な前後方向の減速度(すなわち負の加速度)として、基準減速度Gxbrkが算出される(ブロックB2)。
なお、ここで算出される基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkの少なくともいずれか一方は、前述したような正規化処理されたものを用いることが好ましい。すなわち、前述したように、一般的な車両では加速度に対して減速度の方が大きくなる。したがって、ここでは、基準加速度Gxaccに対して、その値を大きくするように補正する正規化処理が行われる。
算出された基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkのそれぞれに対して、フィルタ処理が施される。すなわち、基準加速度Gxaccに対しては、例えば、下記の伝達関数
f(s)=1/(1+s・T21)
で表されるローパスフィルタによるフィルタ処理が施される(ブロックB3)。ここで、T21は、運転者によるアクセル操作に対するエンジン8の応答遅れなどのエンジン8の応答特性を考慮して予め定めた時定数であり、例えば図7に示すような、エンジン8の回転数に応じて設定した時定数T21を示すマップから求めることもできる。
また、基準減速度Gxbrkに対しては、例えば、下記の伝達関数
f(s)=1/(1+s・T22)
で表されるローパスフィルタによるフィルタ処理が施される(ブロックB4)。ここで、T22は、運転者によるブレーキペダル操作に対するブレーキ装置の応答遅れなどのブレーキ装置の応答特性を考慮して予め定めた時定数である。
前述したように、運転者による急激なアクセル操作やブレーキ操作が行われると、基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkに、瞬間的もしくは一時的に大きな変動成分、すなわち相対的に高周波数の変動成分であるノイズが生じる。それに対して、上記のように、基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkにローパスフィルタ(言い換えると、ハイカットフィルタ)によるフィルタ処理を行うことにより、運転者の荒いアクセル操作やブレーキ操作などに起因して生じる前後加速度における高周波数のノイズ成分を除去することができる。
そして、上記のようにしてそれぞれフィルタ処理された加速度と減速度とから、前後加速度の仮目標値Gxが算出される(ブロックB5)。すなわち、
Gx=Gxacc−Gxbrk
で示すように、基準加速度Gxaccのフィルタ処理値から基準減速度Gxbrkのフィルタ処理値が減算されて、前後加速度の仮目標値Gxが算出される。
一方、ステアリングホイール16の操舵角度に基づいて、フィルタ処理の際に基準となるいわゆる静的な横方向の加速度として、基準横加速度Gyyawが算出される(ブロックB6)。この基準横加速度Gyyawは、例えば、
Gyyaw=Gδ (0)・(1+T・s)/(1+2・ζ・s/ω+s/ω)
で算出される。
上記の演算式において、ωは車両1の二次振動系における固有振動数、ζは減衰係数、Gδ (0)は周波数伝達関数、Tは時定数を示している。ここで、車両1の慣性質量をm、ヨー慣性半径をk、車速をV、ホイールベースをl、車両重心点と前輪車軸との間の距離をl、車両重心点と前輪車軸との間の距離をl、前輪2のコーナリングパワーをK、後輪3のコーナリングパワーをK、車両1の操縦安定性を示すスタビリティファクタをSとすると、上記の固有振動数ωは、
ω={2・(K+K)/(m・V)}・(l・l/k)1/2・(1+S・V)1/2
となり、また減衰係数ζは、
ζ={1+k/(l・l)}/[2・{k/(l・l)}1/2・(1+S・V)1/2]
となり、さらに周波数伝達関数Gδ (0)は、
δ (0)={1/(1+S・V)}・V/l
となり、そして時定数Tは、
=m・l・V/(2・l・K)
となる。
そして、上記の演算式により算出した基準横加速度Gyyawに対して、例えば、下記の伝達関数
f(s)=1/(1+s・T23)
で表されるローパスフィルタによるフィルタ処理が施され(ブロックB7)、そのフィルタ処理された横方向の加速度が、横加速度の仮目標値Gyとして設定される。ここで、T23は、運転者によるステアリング操作に対する操舵装置15の応答遅れなどの操舵装置15の応答特性を考慮して予め定めた時定数である。
前述の基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkの場合と同様に、運転者の意図しないステアリング操作が行われると、基準横加速度Gyyawに、瞬間的もしくは一時的に大きな変動成分、すなわち相対的に高周波数の変動成分であるノイズが生じる。それに対して、上記のように、基準横加速度Gyyawにローパスフィルタ(言い換えると、ハイカットフィルタ)によるフィルタ処理を行うことにより、運転者の意図しないステアリング操作などに起因して生じる横加速度における高周波数のノイズ成分を除去することができる。
このようにして前後加速度の仮目標値Gxおよび横加速度の仮目標値Gyが求められると、それら前後加速度の仮目標値Gxおよび横加速度の仮目標値Gyのそれぞれに対して、更にフィルタ処理を行うことにより、前後加速度の目標値Gx filtおよび横加速度の目標値Gy filtが求められる。
すなわち、図6に続けて示すように、前後加速度の目標値Gx filtに対して、更に、下記の伝達関数
f(s)=1/(1+s・T24)
で表されるローパスフィルタによるフィルタ処理が施され(ブロックB8)、そのフィルタ処理された前後加速度が、前後加速度の目標値Gx filtとして設定される。ここで、T24は、車両1のピッチング方向の挙動に対するピッチング共振周波数を考慮して予め定めた時定数である。
一方、横加速度の仮目標値Gyに対して、更に、下記の伝達関数
f(s)=1/(1+s・T25)
で表されるローパスフィルタによるフィルタ処理が施され(ブロックB9)、そのフィルタ処理された横加速度が、横加速度の目標値Gy filtとして設定される。ここで、T25は、車両1のローリング方向の挙動に対するローリング共振周波数を考慮して予め定めた時定数である。
車両1には、車両1の車体剛性やサスペンション機構4の減衰特性、あるいは操舵装置15の応答特性などに応じた車両1に特有の、ピッチング方向およびローリング方向における共振周波数が存在する。そのため、例えば運転者の意図しないアクセル操作やブレーキ操作、あるいはステアリング操作が行われると、ピッチング方向あるいはローリング方向における共振がノイズ成分となって、車両1の前後加速度あるいは横加速度において、相対的に高い周波数帯で発生する。それに対して、上記のように、前後加速度および横加速度の仮目標値Gx,Gyに、ピッチング共振周波数およびローリング共振周波数を考慮したローパスフィルタ(言い換えると、ハイカットフィルタ)によるフィルタ処理を行うことにより、そのような高周波数のノイズ成分を除去することができる。
そして、上記のようにして求められた前後加速度の目標値Gx filtと横加速度の目標値Gy filtとから、この発明における瞬時SPIが算出される(ブロックB10)。具体的には、前述の瞬時SPIを求める演算式におけるGxとGyとに、それぞれ、上記の前後加速度の目標値Gx filtと横加速度の目標値Gy filtとを代入することにより、瞬時SPIを求めることができる。すなわち、瞬時SPIが
瞬時SPI=(Gx filt +Gy filt )1/2
で算出される。そしてその後、上記のようなフィルタ処理によりノイズ成分が除去されて算出された瞬時SPIに基づいて、前述した内容と同様に、この発明における指示SPIが求められる。
上記のように、基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkならびに基準横加速度Gyyawのそれぞれにフィルタ処理を行うことにより、スポーツ走行を意図しない運転者のアクセル操作やブレーキ操作あるいはステアリング操作に起因するノイズ成分を除去することができる。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を高めることができる。しかしながら、前述したように、車両1がほぼ直進で走行している際に制動操作された場合、特に高速で直進走行中に制動操作された場合には、その制動量や制動時間が僅かであったとしても、その制動操作が前後加速度Gxにおける減速方向の加速度すなわち減速度の変動に大きく影響する。したがって、車両1がほぼ直進走行状態で制動操作された場合、すなわち、この発明における直進制動操作が行われた場合は、加速操作や操舵された場合と比較して、加速度の変動成分によって大きなノイズ成分、あるいは加速度情報に含まれる外乱成分が生じ易い。
そこで、この発明における制御装置は、上記のようなフィルタ処理を行う際に、車両1の直進制動操作が行われた場合には、基準加速度Gxaccおよび基準横加速度Gyyawよりも、基準減速度Gxbrkを特に強く減衰させることができるように構成されている。
基準減速度Gxbrkを特に強く減衰させるには、例えば、基準減速度Gxbrkに対して上記のフィルタ処理を行う際に、通常よりもローパスフィルタのカットオフ周波数を低い値に切り替えて設定することにより、基準減速度Gxbrkを通常よりも強く減衰させることができる。その場合、カットオフ周波数を0にすることにより、基準減速度Gxbrkを最大限に減衰させること、すなわち基準減速度Gxbrkの変動成分を0にすることができる。
なお、上記のように基準減速度Gxbrkを通常よりも強く減衰させる場合の減衰の程度は、例えば、車両1が直進制動操作された際の制動量もしくは制動時間に応じて設定してもよい。あるいは、車両1が直進制動操作された場合に、予め設定した通常よりも強い減衰の程度に切り替えて設定してもよい。もしくは、車両1が直進制動操作された場合に、上記のようにカットオフ周波数を0にすることによって減衰の程度を最大に切り替えて設定することもできる。さらには、車両1が直進制動操作された場合の車速に応じて、基準減速度Gxbrkに対する減衰の程度を切り替えて設定してもよい。
したがって、この発明における制御装置では、上記のように、指示SPIを設定するための瞬時SPIを求める際に、運転者の意図しない運転操作に起因するノイズ成分や外乱成分を除去するため、基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkならびに基準横加速度Gyyawに対してフィルタ処理が施される。そしてその際に、車両1がほぼ直進走行状態で制動操作された場合、すなわち直進制動操作が行われた場合には、基準減速度Gxbrkが通常時よりも強く減衰されるように、また、基準減速度Gxbrkが他の基準加速度Gxaccおよび基準横加速度Gyyawよりも強く減衰されるようにフィルタ処理が施される。そのため、加速度の変動成分にノイズ成分や外乱成分が発生し易い直進制動操作時に、それらノイズ成分や外乱成分の発生を回避もしくは抑制することができる。言い換えると、基準加速度Gxaccおよび基準減速度Gxbrkならびに基準横加速度Gyyaw等の加速度情報に含まれる外乱成分、特に制動操作による基準減速度Gxbrkの加速度情報に含まれる外乱成分の影響が排除される。その結果、瞬時SPIおよびそれに基づく指示SPIを適切に求めて設定することができ、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させることができる。
この発明で制御の対象としている車両1は、上記のように加速度やその加速度に基づく指標が変化することにより走行特性が変化し、その走行特性の変化に伴って車両の駆動力や旋回の状態などの挙動が変化することがある。一方、車両1の挙動は運転者のペダル操作や操舵などによっても変化する。これらの挙動の変化を共調させて制御することにより、車両1のドライバビリティを一層向上させることができる。
さらに、この発明における制御装置では、車両1がほぼ直進で走行している際に制動操作された場合に、運転者の運転志向の推定誤差を更に低減するために、車両1の走行特性の変更制御が禁止される。前述したように、車両1がほぼ直進で走行している際に制動操作された場合、特に高速で直進走行中に制動操作された場合には、その制動操作が前後加速度Gxにおける減速方向の加速度すなわち減速度の変動に大きく影響する。そのため、車両1がほぼ直進で走行している際の制動操作が実行された場合、すなわちいわゆる直進制動操作が実行された場合は、他の加速操作や操舵が行われた場合と比較して、瞬時SPIおよびそれに基づく指示SPIを求める際の誤差が大きく、運転者の運転志向を推定する際の推定精度が低下し易くなる。その結果、指示SPIに基づき実行する走行特性の変更制御に、運転者の意図や志向を適切に反映させることができない可能性がある。そこで、この発明における制御装置は、車両1の直進制動操作の有無を判定して、その直進制動操作が行われた場合、すなわち車両1がほぼ直進走行している状態で制動操作された場合に、車両1の走行特性の変更を禁止する制御を実行することができるように構成されている。
図8は、その制御の一例を説明するためのフローチャートであって、この図8のフローチャートに示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図8のフローチャートにおいて、先ず、瞬時SPIすなわち合成加速度(合成G)が演算される(ステップS1)。次いで、瞬時SPIに基づいて指示SPIが求められる(ステップS2)。そして、車両1が旋回領域に入っているか否かが判断される(ステップS3)。旋回領域とは、前述の図2に示すタイヤ摩擦円上に設定した領域であって、瞬時SPIを決めている加速度のうち、横加速度Gyの成分割合が相対的に大きい領域のことである。
具体的には、瞬時SPIを決めている加速度のうち、横加速度Gyの成分割合が所定の範囲内にある領域であって、図2のタイヤ摩擦円上において、横加速度Gyの値が、
−A>Gy,Gy<A
を満たしている領域である。ここで、所定値Aは、正の実数であって、車両1が旋回領域に入っていない状態、すなわち車両1がほぼ直進走行している状態を判断するために予め設定された閾値である。
なお、ほぼ直進走行している状態とは、例えば、操舵によって生じる車両1の横加速度Gyが、0を含む予め定めた所定の加速度範囲内の相対的に小さな値であり、その横加速度Gyで車両1がほぼ直進して走行している状態である。ここで所定の加速度範囲は、その加速度範囲内の横加速度Gyで車両1が走行する際に、その横加速度Gyが外乱となって制御に影響を及ぼすことがない横加速度Gyの範囲として設定されている。
あるいは、ほぼ直進走行している状態とは、車両1の舵角が、0を含む予め定められた所定の角度範囲内の相対的に小さな値であり、その舵角で車両1がほぼ直進して走行している状態である。ここで所定の角度範囲は、その角度範囲内の舵角で車両1が走行する際に、その際に生じる横加速度Gyが外乱となって制御に影響を及ぼすことがない舵角の範囲として設定されている。すなわち、このステップS3に示す例では、上記の所定値Aを用いて、
−A≦Gy≦A
で表される横加速度Gyの角度範囲が、ここでの所定の角度範囲に相当している。
したがって、図2のタイヤ摩擦円上において、横加速度Gyの値が上記の「−A>Gy」と「Gy<A」とのいずれかを満たしている場合に、車両1は旋回領域に入っていると判断することができる。言い換えれば、図2のタイヤ摩擦円上において、横加速度Gyの値が、「−A≦Gy≦A」を満たしている場合に、車両1はほぼ直進走行していると判断することができる。
車両1が旋回領域に入っていること、言い換えれば、図2のタイヤ摩擦円上において、横加速度Gyの値が上記の「−A>Gy」と「Gy<A」とのいずれかを満たしていることにより、このステップS3で肯定的に判断された場合は、ステップS4へ進み、シャシ特性が演算さる。また、駆動力特性および変速特性等が演算される(ステップS5)。すなわち、車両1の走行特性変更制御が、通常通り指示SPIに基づいて実行される。なお、これらステップS4およびステップS5は、走行特性の演算を例示したものである。
上記のステップS3で肯定的に判断される場合は、車両1に正方向(例えば左旋回方向)もしくは負方向(例えば右旋回方向)のいずれかの所定値Aを超える横加速度Gyが発生している状態である。すなわち、車両1が旋回走行している状態である。したがってこの場合は、車両1が直進走行している状態ではないので、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて車両1の走行特性変更制御が実行される。
ステップS4およびステップS5で、上記のようにシャシ特性、駆動力特性、変速特性などの車両1の走行特性が演算されると、ステップS6へ進み、フラグFが「0」にセットされる。そしてその後、この図8のルーチンを一旦終了する。なお、この制御の開始当初は、このフラグFは「0」にセットされている。そしてジャークが後述する禁止判断閾値αを直前に超えたことがなければ、フラグFが未だ「0」になっている。したがって、この制御の開始当初からジャークが禁止判断閾値αを超えるまでの間は、このステップS12では何も変更されない。すなわち、フラグFが「0」に維持される。このように、ジャークが禁止判断閾値α以下の小さい値となっている場合、言い換えれば、加速度の変化が相対的に小さい場合には、その加速度すなわち指示SPIに基づいて、走行特性が通常通り変更される。
これに対して、車両1が旋回領域に入っていないこと、すなわち、車両1がほぼ直進走行している状態であること、言い換えれば、図2のタイヤ摩擦円上において、車両1の横加速度Gyの値が「−A≦Gy≦A」を満たしていることにより、上記のステップS3で否定的に判断された場合には、ステップS7へ進む。そして、車両1がブレーキ領域に入っているか否かが判断される。ブレーキ領域とは、前述の図2に示すタイヤ摩擦円上に設定した領域であって、制動操作によって減速方向の前後加速度Gxが発生している領域のことである。したがって、図2のタイヤ摩擦円上において、前後加速度Gxの値が、
Gx≦0
を満たしている場合に、車両1がブレーキ領域に入っていると判断することができる。
車両1がブレーキ領域に入っていないこと、言い換えれば、図2のタイヤ摩擦円上において、車両1の前後加速度Gxの値が「Gx≦0」を満たしていないこと、すなわち車両1の前後加速度Gxの値が「Gx>0」であることにより、上記のステップS7で否定的に判断された場合は、前述のステップS3で肯定的に判断された場合と同様に、ステップS4へ進む。そして、前述したステップS4およびステップS5ならびにステップS6における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図8のルーチンを一旦終了する。
上記のステップS7で否定的に判断される場合は、車両1に正(すなわち加速方向)の前後加速度Gxが発生している状態である。すなわち、車両1で制動操作は行われていない状態である。したがってこの場合は、車両1の直進制動操作は行われていないので、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて実行される。
これに対して、車両1がブレーキ領域に入っていること、言い換えれば、図2のタイヤ摩擦円上において、車両1の前後加速度Gxの値が「Gx≦0」を満たしていることにより、上記のステップS7で肯定的に判断された場合、すなわち、車両1の直進制動操作が行われた場合には、ステップS8へ進む。そして、瞬時SPIの時間微分値(すなわちジャーク)が演算される。すなわち、
ジャーク={(dGx/dt)+(dGy/dt)1/2
として算出される。
上記のようにしてジャークが演算されると、その演算されたジャークが予め定められた禁止判断閾値αより大もきいか否かが判断される(ステップS9)。ここで、禁止判断閾値αは、加速度の変化と走行特性の変更に伴う挙動の変化とが重畳することが好ましくないと考えられるジャークの下限値であり、走行実験やシミュレーションなどによって予め定められたものである。また、この禁止判断閾値αは、走行特性の全体について一つの値を設定することができるが、これとは異なり、走行特性を規定する駆動力特性や変速特性、操舵特性、懸架特性(ダンパ特性もしくはばね特性)などの各特性毎に設定することもできる。その場合、変化が車両の搭乗者に体感されやすい特性についての禁止判断閾値αほど小さい値とする。そうすることにより、加速度が変化している際に、その変化が体感されやすい特性の変化が、より強く制限されることになる。さらに、上記の禁止判断閾値αは、一定値であってもよく、あるいは車速などの他の要因に応じて変化する変数であってもよい。
ジャークが禁止判断閾値αよりも大きいことにより、このステップS6で肯定的に判断された場合は、フラグFが立てられる(ステップS10)。すなわち、フラグFが「1」にセットされる。次いで、ジャークが許可判断閾値βよりも小さいか否かが判断される(ステップS11)。この許可判断閾値βは、ジャークが低下している場合に、そのジャークの値を評価するためのものであり、走行実験やシミュレーションなどによって予め定めたものである。具体的には、走行特性の変更を開始し得る程度までジャークが低下しているか否かを判断するためのものである。より具体的には、この許可判断閾値βは、走行特性の変更に伴う車両の挙動が加速度の変化と重畳してもよいと考えられるジャークの程度を判断するためのものである。もしくは、走行特性の変更が、加速度の変化がほぼ無くなっている状態で終了するように走行特性の変更制御のタイミングを判断するためのものである。
上記の許可判断閾値βは、走行特性の全体について一つの値を設定することができるが、これとは異なり、走行特性を規定する駆動力特性や変速特性、操舵特性、懸架特性(ダンパ特性もしくはばね特性)などの各特性毎に設定することもできる。その場合、変化が車両の搭乗者に体感されやすい特性についての許可判断閾値βほど小さい値とする。そうすることにより、加速度が変化している際に、その変化が体感されやすい特性の変化が、より強く制限されることになる。さらに、上記の許可判断閾値βは、一定値とすることができ、例えば0に近い値とすることができる。あるいは、許可判断閾値βは、ジャークが前述の禁止判断閾値αを超えていた場合の値(例えば最大値)に応じた値とすることができる。具体的には、ジャークの最大値が大きいほど、許可判断閾値βを大きい値とすることができる。
上記のフラグFを「1」にセットした時点もしくは直後では、ジャークが増大しているので、そのジャークが許可判断閾値βを下回ることはない。したがって、上記のステップS11では否定的に判断される。この場合は、この図8に示すルーチンを一旦終了する。すなわち、ジャークが禁止判断閾値αを超えていることにより、たとえ大きい加速度が生じていて走行特性を変更する状態が成立していたとしても、走行特性の変更が制限もしくは禁止される。言い換えると、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が禁止される。
一方、ジャークが禁止判断閾値α以下であることにより、前述のステップS9で否定的に判断された場合には、フラグFが「1」にセットされているか否かが判断される(ステップS12)。ジャークが禁止判断閾値α以下となるのは、ジャークが増大しても禁止判断閾値αを超えなかった場合と、ジャークが禁止判断閾値αを超えた後に低下して禁止判断閾値α以下になった場合との両方がある。前者の場合、すなわちジャークが禁止判断閾値αを超えなかった場合には、フラグFが「1」にセットされていないので、このステップS12では否定的に判断される。この場合は、前述のステップS4へ進み、前述したステップS4およびステップS5ならびにステップS6における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図8のルーチンを一旦終了する。
これに対して、フラグFが「1」にセットされていることにより、前述のステップS12で肯定的に判断された場合には、前述のステップS11へ進み、ジャークが許可判断閾値βよりも小さいか否かが判断される。この許可判断閾値βは、前述したようにジャークの直前の最大値(極大値)に応じた値とされることがある。その場合は、許可判断閾値βが、前述の禁止判断閾値αよりも大きい値になることがある。したがって、ジャークが低下し始めたとしても、未だ許可判断閾値β以上の場合には、ステップS11で否定的に判断され、この図8のルーチンを一旦終了する。すなわち、走行特性の変更を制限もしくは禁止する状態が維持される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御を禁止する状態が維持される。
これとは反対に、ジャークが許可判断閾値βを下回る状態になったことにより、ステップS11で肯定的に判断された場合には、ステップS13へ進み、一定時間が経過したか否かが判断される。この一定時間は、上記のステップS11で肯定的な判断が成立した時点からの経過時間であって、後に開始される走行特性変更制御が、ジャークがほぼ0になっている状態で開始されるように、もしくは終了するように設定されたいわゆる待ち時間である。したがって、この一定時間は、その目的を達成するように、実験もしくはシミュレーションなどによって予め設定しておくことができる。また、この一定時間の値は、一定値であってもよく、あるいは走行特性を規定する複数の特性毎に、かつそれらの特性に応じて設定した値であってもよい。さらには、ジャークの直前の最大値に応じた値であってもよい。
未だ一定時間が経過していないことにより、このステップS13で否定的に判断された場合は、走行特性変更制御の禁止を解除する条件、すなわち走行特性の変更することの禁止(もしくは制限)を解除する条件が成立していないことになるので、特に制御を行うことなく、この図8のルーチンを一旦終了する。
これに対して、上記の一定時間が経過したことにより、ステップS13で肯定的に判断された場合には、前述のステップS4へ進み、前述したステップS4およびステップS5ならびにステップS6における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図8のルーチンを一旦終了する。なお、前述したように、禁止判断閾値αや許可判断閾値βを、走行特性に含まれる複数の特性毎に設けてある場合には、ジャークが下回った許可判断閾値βについての特性毎に、その変更が実行される。また、許可判断閾値βをジャークの直前の最大値に応じた値とした場合、走行特性の変更の開始が早められ、またジャークが許可判断閾値βを下回った後に、一定時間が経過して走行特性が変更させられる。そのため、ジャークがほぼ0の状態で走行特性の変更が完了する。言い換えれば、許可判断閾値βもしくは上記の一定時間は、ジャークがほぼ0の状態で完了するように設定することができる。
このように、この図8のフローチャートで示す制御例では、車両1の直進制動操作が行われた場合に、指示SPIの時間微分値すなわちジャークが閾値以上の間、指示SPIに基づく走行特性の変更が禁止される。言い換えると、車両1の直進制動操作が開始されると、その直進制動操作に起因する加速度が安定するまで、すなわちジャークが閾値を下回るまで、指示SPIに基づく走行特性の変更が禁止される。そのため、加速度の変化成分に対する影響が大きい直進制動操作時に、その際の制動操作が外乱となって指示SPIが変化してしまうことを防止することができる。すなわち、直進制動操作時に、車両1の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうことを防止することができる。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させて、車両1の走行特性変更制御を適切に実行することができる。
また、この発明における制御装置では、上記の禁止判断閾値αや許可判断閾値βを、走行特性に含まれる複数の特性毎に設定することができる。したがって、これらの値によって走行特性変更制御の開始もしくは実行の順序を決めることができる。さらに、走行特性変更制御の開始もしくは実行に時間差を設定することができる。このようにして順序や時間差を設定する場合、シャシ特性を駆動力に関係する特性に先行して開始もしくは実行するように構成することができる。あるいは、制御応答性の速い特性を先行して変更するように構成することができる。
なお、この発明の制御装置による制御において、この発明で対象とする走行特性に含まれる特性を例示すると、エンジン8の出力を制御する駆動力特性、サスペンション機構におけるダンパ特性、スタビライザー特性、操舵機構におけるパワーステアリング特性、デファレンシャル特性、車高特性、エンジンマウント特性、ブレーキ特性、エアロダイナミック特性、表示色などの色に関係する表示特性、車室内の音響特性などがある。
上記のように、図8のフローチャートに示した制御例では、ステップS3およびステップS7において、車両1のいわゆる直進制動操作の有無を判定する直進制動判定制御が実行されている。すなわち、ステップS3およびステップS7において、車両1がほぼ直進走行している状態で制動操作されたか否かが判断されている。この発明では、この車両1の直進制動判定制御を、例えば、次の図9,図10のフローチャートに示すように実行することもできる。
図9に、この発明における直進制動判定制御の他の例を示してある。この図9に示すフローチャートにおいて、前述の図8のフローチャートに示す制御と同様に、瞬時SPI、およびその瞬時SPIに基づく指示SPIが求められると(ステップS1,S2)、ステップS21およびステップS22へ進み、この発明における直進制動判定制御が実行される。すなわち、先ず、ステップS21で、車両1の横加速度Gyの絶対値が0よりも大きいか否かが判断される。
横加速度Gyの絶対値が0よりも大きいことにより、このステップS21で肯定的に判断された場合は、ステップS4へ進み、シャシ特性が演算され、また、駆動力特性および変速特性等が演算される(ステップS5)。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図9のルーチンを一旦終了する。
上記のステップS21で肯定的に判断される場合は、車両1に正方向(例えば左旋回方向)もしくは負方向(例えば右旋回方向)のいずれかの横加速度Gyが発生している状態である。すなわち、車両1が旋回走行している状態である。したがってこの場合は、車両1が直進走行している状態ではないので、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて車両1の走行特性変更制御が実行される。
一方、横加速度Gyの絶対値が0よりも大きくないこと、すなわち横加速度Gyが0であることにより、上記のステップS21で否定的に判断された場合には、ステップS22へ進み、車両1の前後加速度Gxが0よりも大きいか否かが判断される。すなわち、車両1に正(すなわち加速方向)の前後加速度Gxが発生しているか否かが判断される。
車両1の前後加速度Gxが0よりも大きいこと、すなわち車両1に正の前後加速度Gxが発生していることにより、このステップS22で肯定的に判断された場合は、前述のステップS21で肯定的に判断された場合と同様に、ステップS4へ進み、前述したステップS4およびステップS5ならびにステップS6における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図9のルーチンを一旦終了する。
上記のステップS22で肯定的に判断される場合は、車両1に加速方向の前後加速度Gxが発生している状態である。すなわち、車両1で制動操作は行われていない状態である。したがってこの場合は、車両1の直進制動操作は行われていないので、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて実行される。
これに対して、車両1の前後加速度Gxが0よりも大きくないこと、すなわち前後加速度Gxが0以下であることにより、上記のステップS22で否定的に判断された場合には、ステップS8へ進み、瞬時SPIの時間微分値(すなわちジャーク)が演算される。なお、この図9のフローチャートに示す制御例において、上述したステップS21およびステップS22以外の各ステップにおける制御内容は、前述の図8のフローチャートに示した制御例と同じである。したがって、図9のフローチャートにおいて、前述の図8のフローチャートで示した制御内容と同じステップについては、図8のフローチャートと同じステップ番号を付けて、それらの制御内容の説明は省略する。
上記のステップS21で否定的に判断され、かつステップS22で否定的に判断される場合は、車両1には横加速度Gyが発生しておらず、かつ車両1に負(すなわち減速方向)の前後加速度Gxが発生している状態である。すなわち、車両1はほぼ直進走行していて、なおかつ制動操作された状態(すなわち直進制動操作が行われた状態)である。したがってこの場合には、ステップS8へ進み、前述の図8のフローチャートに示した制御例と同様に、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が禁止される。そのため、加速度の変化成分に対する影響が大きい直進制動操作時に、その際の制動操作が外乱となって指示SPIが変化してしまうことを防止することができる。すなわち、直進制動操作時に、車両1の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうことを防止することができる。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させて、車両1の走行特性変更制御を適切に実行することができる。
図10に、この発明における直進制動判定制御の更に他の例を示してある。この図10に示すフローチャートにおいて、前述の図8のフローチャートに示す制御と同様に、瞬時SPI、およびその瞬時SPIに基づく指示SPIが求められると(ステップS1,S2)、ステップS31およびステップS32へ進み、この発明における直進制動判定制御が実行される。すなわち、先ず、ステップS31で、ハンドル角の絶対値が所定値Bよりも大きいか否かが判断される。言い換えると、運転者の操舵による車両1の舵角の絶対値が所定値Bよりも大きいか否かが判断される。この所定値Bは、車両1がほぼ直進しているか否かを判断するために予め設定された閾値である。すなわち、この所定値Bは、この発明の直進制動判定制御において車両1の直進制動操作の有無を判定する際に、その直進状態を判定するための閾値であって、0度に近い相対的に小さな角度に設定されている。したがって、ハンドル角の絶対値すなわち舵角の絶対値が所定値B以下である場合に、車両1はほぼ直進していると判断される。
ハンドル角の絶対値が所定値Bよりも大きいことにより、このステップS31で肯定的に判断された場合は、ステップS4へ進み、シャシ特性が演算され、また、駆動力特性および変速特性等が演算される(ステップS5)。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図10のルーチンを一旦終了する。
上記のステップS31で肯定的に判断される場合は、車両1は直進していない状態、すなわち、車両1が旋回走行している状態である。したがってこの場合は、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて車両1の走行特性変更制御が実行される。
一方、ハンドル角の絶対値が所定値B以下であることにより、上記のステップS31で否定的に判断された場合には、ステップS32へ進み、車両1のブレーキ信号が「ON」であるか否かが判断される。すなわち、ブレーキペダル7が運転者によって操作されたか否かが判断される。ブレーキ信号とは、ブレーキペダル7と連動して作動するブレーキスイッチ(図示せず)のON−OFF信号のことである。したがって、このブレーキ信号は、ブレーキペダル7が操作され(踏み込まれ)て、ブレーキスイッチがONになった場合に「ON」の信号となり、ブレーキペダル7が解放されて、ブレーキスイッチがOFFになった場合に「OFF」の信号となるようになっている。
ブレーキ信号が「OFF」であることにより、このステップS32で否定的に判断された場合は、前述のステップS31で肯定的に判断された場合と同様に、ステップS4へ進み、前述したステップS4およびステップS5ならびにステップS6における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が通常通り実行される。そしてその後、この図10のルーチンを一旦終了する。
上記のステップS32で否定的に判断される場合は、車両1のブレーキスイッチがOFFの状態である。すなわち、車両1で制動操作は行われていない状態である。したがってこの場合は、車両1の直進制動操作は行われていないので、車両1の走行特性変更制御は禁止されず、通常通り指示SPIに基づいて実行される。
これに対して、車両1のブレーキ信号が「ON」であることにより、上記のステップS32で肯定的に判断された場合には、ステップS8へ進み、瞬時SPIの時間微分値(すなわちジャーク)が演算される。なお、この図10のフローチャートに示す制御例においても、上述したステップS31およびステップS32以外の各ステップにおける制御内容は、前述の図8のフローチャートに示した制御例と同じである。したがって、図10のフローチャートにおいて、前述の図8のフローチャートで示した制御内容と同じステップについては、図8のフローチャートと同じステップ番号を付けて、それらの制御内容の説明は省略する。
上記のステップS31で否定的に判断され、かつステップS32で否定的に判断される場合は、車両1の舵角が小さくもしくは舵角が0であり、かつ車両1のブレーキスイッチがONになっている状態である。すなわち、車両1はほぼ直進走行していて、なおかつ制動操作された状態(すなわち直進制動操作が行われた状態)である。したがってこの場合には、ステップS8へ進み、前述の図8のフローチャートに示した制御例と同様に、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が禁止される。そのため、加速度の変化成分に対する影響が大きい直進制動操作時に、その際の制動操作が外乱となって指示SPIが変化してしまうことを防止することができる。すなわち、直進制動操作時に、車両1の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうことを防止することができる。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させて、車両1の走行特性変更制御を適切に実行することができる。
図11は、この発明における他の制御例を説明するためのフローチャートであって、この図11のフローチャートに示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図11のフローチャートにおいて、前述の図8のフローチャートに示した制御例と同様に、先ず、瞬時SPIすなわち合成加速度(合成G)が演算される(ステップS41)。そして、車両1の横加速度Gyの絶対値が0よりも大きいか否かが判断される(ステップS42)。
車両1の横加速度Gyの絶対値が0よりも大きくないこと、すなわち横加速度Gyが0であることにより、このステップS42で否定的に判断された場合は、ステップS43へ進み、車両1の前後加速度Gxが0よりも大きいか否かが判断される。すなわち、車両1に正(すなわち加速方向)の前後加速度Gxが発生しているか否かが判断される。
車両1の前後加速度Gxが0よりも大きくないこと、すなわち前後加速度Gxが0以下であることにより、このステップS43で否定的に判断された場合は、ステップS44へ進み、瞬時SPIの時間微分値(すなわちジャーク)が演算される。
上記のステップS42で否定的に判断され、かつステップS43でも否定的に判断される場合は、車両1には横加速度Gyが発生しておらず、かつ車両1に負(すなわち減速方向)の前後加速度Gxが発生している状態である。言い換えると、車両1はほぼ直進走行していて、なおかつ制動操作された状態である。すなわち、この発明の直進制動判定制御において車両1が直進制動操作が行われたと判断される状態である。この場合に、上記のようにステップS44へ進み、ジャークが算出される。
ステップS44でジャークが算出されると、そのジャークが禁止判断閾値γよりも小さいか否かが判断される(ステップS45)。ここで、禁止判断閾値γは、加速度の変化と走行特性の変更に伴う挙動の変化とが重畳することが好ましくないと考えられるジャークの下限値であり、走行実験やシミュレーションなどによって予め定められたものである。また、この禁止判断閾値γは、走行特性の全体について一つの値を設定することができるが、これとは異なり、走行特性を規定する駆動力特性や変速特性、操舵特性、懸架特性(ダンパ特性もしくはばね特性)などの各特性毎に設定することもできる。その場合、変化が車両の搭乗者に体感されやすい特性についての禁止判断閾値γほど小さい値とする。そうすることにより、加速度が変化している際に、その変化が体感されやすい特性の変化が、より強く制限されることになる。さらに、上記の禁止判断閾値γは、一定値であってもよく、あるいは車速などの他の要因に応じて変化する変数であってもよい。
前述のステップS44で算出されたジャークが禁止判断閾値γ以上であることにより、上記のステップS45で否定的に判断された場合は、ステップS46へ進み、前述のステップS41で算出された瞬時SPIと既に保持されている指示SPIとが比較される。すなわち、瞬時SPIが指示SPIよりも大きいか否かが判断される。そしてその瞬時SPIが指示SPI以下であることにより、このステップS46で否定的に判断された場合は、後述するステップS50およびステップS51における走行特性変更制御など、以降の制御を実行することなく、この図11のルーチンを一旦終了する。すなわち、ジャークが禁止判断閾値γ以上に大きく、かつ瞬時SPIが指示SPI以下である場合には、この発明における走行特性変更制御が禁止される。
これに対して、ジャークが禁止判断閾値γよりも小さいことにより、前述のステップS45で肯定的に判断された場合には、ステップS47へ進み、前述のステップS41で算出された瞬時SPIと既に保持されている指示SPIとが比較される。すなわち、瞬時SPIが指示SPIよりも大きいか否かが判断される。
一方、車両1の横加速度Gyの絶対値が0よりも大きいこと、すなわち、例えば車両1が操舵されて所定の大きさの横加速度Gyが発生したことにより、前述のステップS42で肯定的に判断された場合には、上記のステップS44およびステップS45ならびにステップS46の制御を飛ばして、このステップS47へ進む。そして、上記と同様に、瞬時SPIが指示SPIよりも大きいか否かが判断される。また、車両1の前後加速度Gxが0よりも大きいこと、すなわち、車両1に正(加速方向)の前後加速度Gxが発生していることにより、前述のステップS43で肯定的に判断された場合にも、上記のステップS44およびステップS45ならびにステップS46の制御を飛ばして、このステップS47へ進む。そして、上記と同様に、瞬時SPIが指示SPIよりも大きいか否かが判断される。
前述のステップS41で算出された瞬時SPIの方が指示SPIよりも大きいことにより、このステップS47で肯定的に判断された場合は、ステップS48へ進み、指示SPIの値が更新されて、瞬時SPIの値に置き換えられる。指示SPIが従前の値に保持されている過程においては、瞬時SPIと指示SPIとの偏差が累積されているが、指示SPIの値が更新された場合には、その偏差積分値Dがリセットされる(ステップS49)。すなわち、偏差積分値Dが、
D=0
として設定される。
なお、ジャークが禁止判断閾値γ以上であることにより、前述のステップS45で否定的に判断されて前述のステップS46へ進んだ場合であって、そのステップS46において、瞬時SPIが指示SPIよりも大きいことによって肯定的に判断された場合には、上記のステップS47およびステップS48の制御を飛ばして、このステップS49へ進む。そして、上記と同様に、偏差積分値Dがリセットされる。
ステップS49で偏差積分値Dがリセットされると、ステップS50へ進み、シャシ特性が演算される。また、駆動力特性および変速特性等が演算される(ステップS51)。すなわち、車両1の走行特性変更制御が、指示SPIに基づいて実行される。そしてその後、この図11のルーチンを一旦終了する。
一方、前述のステップS41で算出された瞬時SPIが指示SPI以下であることにより、前述のステップS47で否定的に判断された場合には、ステップS52へ進み、指示SPIと瞬時SPIとの偏差Δdが演算される。すなわち、偏差Δdは、
Δd=指示SPI−瞬時SPI
として算出される。
次いで、指示SPIと瞬時SPIとの偏差積分値Dが演算される(ステップS53)。すなわち、偏差積分値Dは、
D=D+Δd
として算出される。
そして、上記の指示SPIと瞬時SPIとの偏差積分値Dが、予め設定した減少開始閾値Dよりも小さいか否かが判断される(ステップS54)。この減少開始閾値Dは、指示SPIを所定値に保持している場合に、その指示SPIの減少を開始するまでの時間を規定するための閾値である。言い換えると、この減少開始閾値Dは、指示SPIを従前の値に保持する時間の長さを規定するためための閾値である。したがって偏差積分値Dがこの減少開始閾値D以上になった場合に、指示SPIの減少の開始を判定するように設定されている。
したがって、指示SPIと瞬時SPIとの偏差積分値Dが減少開始閾値Dよりも小さいことにより、このステップS53で肯定的に判断された場合は、ステップS55へ進み、指示SPIが従前の値に保持される。これに対して、指示SPIと瞬時SPIとの偏差積分値Dが減少開始閾値D以上であることによって、ステップS54で否定的に判断された場合には、ステップS56へ進み、指示SPIが減少させられる。なお、その減少のさせ方は、運転者に違和感を与えないように適宜に設定することができる。
ステップS55で指示SPIが従前の値に保持されると、もしくは、ステップS56で指示SPIが減少させられると、前述のステップS50へ進み、前述したステップS50およびステップS51における制御が同様に実行される。すなわち、指示SPIに基づく車両1の走行特性変更制御が実行される。そしてその後、この図11のルーチンを一旦終了する。
このように、この図11のフローチャートで示す制御例では、車両1の直進制動操作が行われた場合に、指示SPIの時間微分値すなわちジャークが閾値以上、かつ瞬時SPIが指示SPI以下の間、指示SPIに基づく走行特性の変更が禁止される。言い換えると、車両1の直進制動操作が検出され、その際のジャークが閾値以上に大きい場合は、瞬時SPIが指示SPIを上回るまで、指示SPIに基づく走行特性の変更が禁止される。そのため、加速度の変化成分に対する影響が大きい直進制動操作時に、その際の制動操作が外乱となって指示SPIが変化してしまうことを防止することができる。すなわち、直進制動操作時に、車両1の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうことを防止することができる。その結果、運転者の運転志向を推定する際の推定精度を向上させて、車両1の走行特性変更制御を適切に実行することができる。
以上のように、この発明における制御装置によれば、車両1の直進制動操作が行われたことが判定された場合に、その直進制動操作に起因する操作外乱による影響が排除される。例えば、車両1の直進制動操作が行われた場合に、その直進制動操作に起因して発生する操作外乱が、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理などによって、他の加速操作や操舵が行われた場合よりも、特に強く減衰させられる。あるいは、車両1の直進制動操作が行われた場合に、その直進制動操作の開始から制動により発生する加速度(すなわち減速度)が安定するまでの間、車両1の走行特性を設定もしくは変更する走行特性変更制御の実行が禁止される。
そのため、直進制動操作に起因する操作外乱の発生を回避もしくは抑制することができ、その直進制動操作に起因する操作外乱の影響によって走行特性変更制御が適切に実行できなくなってしまうことを防止することができる。その結果、例えば車両1の走行特性が運転者の意図に反して変化してしまうようなことを防止することができ、運転者の意図や運転志向を的確に反映させて、この発明の走行特性変更制御を適切に実行することができる。

Claims (8)

  1. 車両の加速度に基づいてその車両の走行状態および運転者の運転志向を示す指標を推定し、その指標に基づいて前記車両の走行特性を設定する車両制御装置において、
    前記車両が直進走行している状態で制動操作される直進制動操作の有無を判定する直進制動判定手段と、
    前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記走行特性の設定に対する前記直進制動操作に起因する操作外乱の影響を回避もしくは抑制する直進制動操作外乱抑制手段と
    を備えていることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記直進制動操作外乱抑制手段は、前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記直進制動操作に起因する操作外乱を、加速操作および操舵に起因する操作外乱よりも強く減衰させる手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記操作外乱は、前記車両が前記直進制動操作される際の加速度情報に含まれる外乱成分、および/または、前記車両が加速操作および操舵される際の加速度情報に含まれる外乱成分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 前記直進制動操作外乱抑制手段は、前記車両が前記直進制動操作された場合に、前記走行特性の変更を禁止する手段を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両制御装置。
  5. 前記加速度の時間微分値であるジャークを算出するジャーク算出手段を更に備え、
    前記直進制動操作外乱抑制手段は、前記ジャークが予め定められた禁止判断閾値を超えている間、前記走行特性の変更を禁止する手段を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。
  6. 前記加速度は、前記車両の前後方向の前後加速度と、前記車両の車幅方向の横加速度とを含み、
    前記直進走行は、0を含む予め定められた所定の加速度範囲内の前記横加速度で前記車両がほぼ直進して走行する状態を含み、
    前記直進制動判定手段は、前記前後加速度および前記横加速度に基づいて前記直進制動操作の有無を判定する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両制御装置。
  7. 前記車両の操舵角を検出する舵角検出手段と、前記車両の制動操作の有無を検出する制動検出手段とを更に備え、
    前記直進走行は、0を含む予め定められた所定の角度範囲内の前記操舵角で前記車両がほぼ直進して走行する状態を含み、
    前記直進制動判定手段は、前記操舵角および前記制動操作の有無に基づいて前記直進制動操作の有無を判定する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両制御装置。
  8. 車両の加速度に基づいてその車両の走行状態および運転者の運転志向を示す指標を推定し、その指標に基づいて前記車両の走行特性を設定する車両制御装置において、
    前記車両の操舵に伴って発生する前記車両の車幅方向の横加速度が前記走行特性の設定に影響を及ぼさない範囲内で前記車両がほぼ直進して走行する際に前記車両が制動操作される直進制動操作が行われる場合に、前記直進制動操作に起因する操作外乱が前記走行特性の設定に影響することを回避もしくは抑制する直進制動操作外乱抑制制御を実行するとともに、
    前記車両が前記直進制動操作されて、前記直進制動操作外乱抑制制御が実行される間は、前記走行特性の変更を禁止する
    ように構成されていることを特徴とする車両制御装置。
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