JP5670858B2 - サイトゾルのホスホリパーゼのモジュレーターとしてのグリセロホスホイノシトール誘導体 - Google Patents
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Description
基C(O)A、モノカルボン酸のアシル残基またはジカルボン酸のヘミアシル残基であり、ここでAは、飽和もしくは1〜4個の二重結合を有する不飽和の、直鎖もしくは分岐のアルキル基または、単環もしくは多環のアルキルもしくはアルケニル基または、アリール、アリールアルキルもしくは1個以上のヘテロ原子を有する複素環式基であることができ;これらの基は任意的に、ケト、ヒドロキシ、アシルアミド、ハロゲン、メルカプト、アルキルチオもしくはアルキルジチオ、-COOHの中から選択される1個以上の基で置換されていることができ、これらの-COOHは、任意的に中和されて、-COOM塩を形成する(Mはポイント(II)で記載したのと同じ意味を有する)か;または
ここで、YがSであるとき、式(I)の化合物はまた、それぞれの非中和化合物を包含する。
より詳細には:
Aの説明:
i) Aがアルキル基であるとき、好ましくは飽和であるかまたは1不飽和であり、好ましくは1〜8個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。
i) Bがアルキルであるとき、好ましくは飽和であるかまたは1不飽和である。好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。
i) Mが薬理学的に許容できる無機元素のカチオンであるとき、好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、セレン、クロム、銅の中から選択される。
ハロゲンという語は、好ましくは塩化物、フッ化物、臭化物またはヨウ化物を意味する。
アリール基という語は、好ましくはC6〜C12-アリール、好ましくはフェニルを意味する。
シクロアルキルまたはシクロアルキレン基という語は好ましくは、好ましくは5〜30個の炭素原子、より好ましくは6〜24個の炭素原子を有する単環もしくは多環を意味する。
本発明の化合物の製造は、好ましくは(これに限定されることはないが)、L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトール(GPI)から出発して行われる;硫黄原子を含むGPIの同族体、グリセロホスホチオイノシトールは、以下の実施例に記載された方法に従って、市販の入手可能な中間体から出発して製造されるか、または文献に報告された簡単な方法に従って製造される。GPIは、カリウム塩の形態で市販の製品として入手可能な公知の物質である。室温で水性溶液のGPIは、中性付近のpH値でのみ安定である。異なるpH値では、分子は加水分解反応に供され、分解する。本明細書に記載された、GPIの新規な塩の以下の製造方法は、GPIの構造の安定性を維持するのに有効であると示された。
方法I
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトール(GPI)の無機塩および有機塩の一般的製造方法は、米国特許第5,306,840号に従い、簡単には以下のとおりである:水または、水と有機溶媒との混合物中に出発塩を可溶化させること、次いで、4℃の温度でH+形態として生じるカチオン交換樹脂のカラムに施用すること。溶出するGPI酸形態の溶液を集め、0〜4℃に保持した後、生物学的に許容できる有機もしくは無機のカチオンの塩基でモル対モル中和して、関連する塩を与える。この溶液は、次の処方の操作のためのものとして使用することができるかまたは、凍結乾燥もしくはスプレードライヤーにより減圧下で乾燥して、純粋で乾燥したGPIの塩を固体として得ることができる。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのマグネシウム塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃で集め、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃に冷却し、窒素流を流し、0.292gの水酸化マグネシウムで中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
生成物であるL-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのマグネシウム塩の化学的-物理的特性は:
分子式 : (C9H18O11P)2Mg
分子量 : 690.71
元素分析 : C=31.3%;H=5.25%;O=50.96%;P=8.97%、Mg=3.52%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのガラスに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのカルシウム塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、0.370gの水酸化カルシウムで中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
分子式 : (C9H18O11P)2Ca
分子量 : 706.48
元素分析 : C=30.6%;H=5.14%;O=49.82%;P=8.77%、Ca=5.67%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのガラスに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールの亜鉛塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、0.54gの炭酸亜鉛塩基で中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
分子式 : (C9H18O11P)2Zn
分子量 : 731.78
元素分析 : C=29.54%;H=4.96%;O=48.1%;P=8.47%、Zn=8.93%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのナトリウム塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、0.53gの炭酸ナトリウム塩基で中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
分子式 : C9H18O11PNa
分子量 : 356.2
元素分析 : C=30.35%;H=5.09%;O=49.41%;P=8.70%、Na=6.45%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのコリン塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、2.69gのコリンのメタノール溶液45%で中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
式 : C9H18O11P・C5H14NO
分子式 : C14H32NO12P
分子量 : 437.37
元素分析 : C=38.45%;H=7.38%;N=3.20%;O=43.90%;P=7.08%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのリシン塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、1.46gのリシンで中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
式 : C9H19O11P・C6H14N2O2
分子式 : C15H33N2O13P
分子量 : 480.40
元素分析 : C=37.50%;H=6.92%;N=5.83%;O=43.30%;P=6.45%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのアルギニン塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、1.74gのアルギニンで中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、真空乾燥する。
式 : C9H19O11P・C6H14N4O2
分子式 : C15H33N4O13P
分子量 : 508.42
元素分析 : C=35.44%;H=6.54%;N=11.02%;O=40.91%;P=6.09%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのテトラブチルアンモニウム塩の製造
3.7gのGPIカリウム塩(10ミリモル)を35mlの蒸留水に溶かす。溶液を4℃に冷却し、サーモスタットで4℃に調温した、H+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムに施用する。次に、カラムを15mlの蒸留水で溶出し、溶出物を4℃で集め、窒素流を流し、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドの1M水性溶液10mlで中和する。得られた溶液をろ過し、凍結させ、凍結乾燥する。
概観 : 粉末
式 : C9H18O11P・C16H36N
分子式 : C25H54NO11P
分子量 : 575.69
元素分析 : C=52.16%;H=9.46%;N=2.43%;O=30.57%;P=5.38%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶、DMFに≧10mg/ml
水への溶解性 : >10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- GPI標準に従って、分解生成物は観察されない。
過アセチル化されたL-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのカリウム塩の製造
5.76gのGPIテトラブチルアンモニウム塩(10ミリモル)を35mlの無水DMFに溶かす。混合物を攪拌下で4℃に冷却する。15mlの無水ピリジンおよび10mlの無水酢酸を、攪拌下で30分間かけてゆっくりと滴下して加える。混合物を室温にし、攪拌下で48時間無水条件に保持する。次に、混合物を真空下で乾燥する。残渣を10mlのエタノールおよび100mgのKClに懸濁させた後、30mlのジエチルエーテルを添加することによって沈殿させる。得られた残渣を30mlの水および20gの氷に懸濁させ、30mlのテトラヒドロフランで3回抽出する。上層を集め、乾燥する。得られた残渣を30mlのエタノールに溶かし、K+形態で生じるカチオン交換スルホン樹脂15mlを含むカラムで溶出させる。溶出物を真空下で蒸発させた後、高真空下で乾燥する。
分子式 : C23H32O18PK
分子量 : 666.58
元素分析 : C=41.44%;H=4.84%; O=43.21%;P=4.65%;K=5.87%
有機溶媒への溶解性 : DMFおよびエタノールに≧10mg/ml
グリセロチオ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのカリウム塩[-S-P-]
K.クビアク(Kubiak)らの「ACS シンポジウムシリーズ(ACS SYMPOSIUM SERIES)」718、ページ180により記載されたようにして得られるジアシルグリセロチオホスホリル-イノシトールから出発して化合物を製造する。
分子式 : C9H18O10PSK
分子量 : 388.38
元素分析 : C=27.84%;H=4.67%; S=8.25%;O=41.20%;P=7.98%;K=10.07%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : ≧10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- Rf=0.38。
グリセロチオ-ホスホチオ-D-ミオ-イノシトールのカリウム塩[-P=S]
T.G.メイヤー(Mayer)ら、Eur. J. Org. Chem. (1998)、ページ291-298により記載された2,3,4,5,6-ペンタ-O-メトキシメチル-D-ミオ-イノシトールから出発して合成を行う。
70mgのイミダゾールおよび220mgのトリエチルアミンを添加した後、無水ジクロロメタン5ml中150mgの三塩化リンの溶液をゆっくりと滴下して添加する。
分子式 : C9H18O10PSK
分子量 : 388.38
元素分析 : C=27.84%;H=4.67%; S=8.25%;O=41.20%;P=7.98%;K=10.07%
有機溶媒への溶解性 : 有機溶媒にわずかに可溶
水への溶解性 : ≧10mg/ml
TLC : 100mcgをシリカゲルのプレートに施用した;
展開溶媒Bアセトニトリル/水 3:1、塩基性KMnO4を噴霧
- Rf=0.35。
実施例に従い化合物をコード化し、以下のように番号付けした。
例 化学名
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのカルシウム塩
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールの亜鉛塩
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのナトリウム塩
4° L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのカリウム塩
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのコリン塩
L-α-グリセロ-ホスホ-D-ミオ-イノシトールのリシン塩
ホルモン: ギブコ(Gibco)(グランド アイランド(Grand Island)、NY)(6H-サイロトロピン、インスリン、トランスフェリン、コルチソル、ソマトスタチン、グリシル-L-イスチジル-L-リシン アセテート)
ペニシリン: ギブコ(Gibco)(グランド アイランド(Grand Island)、NY)
クーンズ(Coon’s)F-12 ハム(Ham)に従って変性された培地: ギブコ(Gibco)(グランド アイランド(Grand Island)、NY)
ストレプトマイシン: ギブコ(Gibco)(グランド アイランド(Grand Island)、NY)
5,6,8,11,12,14,15-3H(N)アラキドン酸: デュ ポン(Du Pont)-NEN(ボストン(Boston)、MA)
BSA ウシ血清アルブミン: シグマ(Sigma)A-3311
エバンスブルー(Evan’s Blue): シグマ(Sigma)E-2129
ホルムアミド: シグマ(Sigma)F-7503
エチルエーテル: フルカ ケム(Fluka Chem)AG(CH)
PTFE 0.45μmフィルター: コスター(Costar)130662
SP カルボキシ末端ペプチド SP6-11: シグマ(Sigma)S-0772
プロテインキナーゼC、PKC
ホスホリパーゼA2、PLA2
ホスホリパーゼC、PLC
マイトジェン活性化PK、MAPK
細胞培養
FRTL5、培養で増殖させたラット甲状腺からの上皮細胞の細胞系。簡単には、細胞は、ハム(Ham)に従って変性され、5%ウシ血清、20mMのグルタミンおよび6種のホルモンの混合物(6H-サイロトロピン、インスリン、トランスフェリン、コルチソル、ソマトスタチン、グリシル-L-イスチジル-L-リシン アセテート)を補ったたクーンズ(Coon’s)F-12培地で、37℃にて、3〜4日毎に交換された5%CO2、95%空気媒体の加湿大気中で培養された。
培養物は、種々の刺激を用いて刺激されてアラキドン酸を放出する:
cPLA2-依存性メカニズム、例えばATP、マストパラン(mastoparan)、ボンベシン;
cPLA2-非依存性メカニズム、例えばCa2+イオン透過担体、イオノマイシン(ionomicin)。
アラキドン酸の放出
細胞は最初に、種々の濃度の化合物と共に、60分間の試験下でインキュベートされるか、または所定濃度100μMで種々の時間間隔で(15〜180分間)インキュベートされ、遊離の脂肪酸の不在下、pH7.4で、10mMのHepesおよび0.2%のBSAを添加されたHBSS(ハンクスの均衡塩類溶液、Ca2+およびMg2+イオンの存在下)で2回洗浄され、記載された緩衝液中の100μMのATPで37℃にて10分間刺激される。上清を、測定のためにシンチレーションキュベットに集めた。結果は、[3H]-アラキドン酸の全放出量の百分率として表される。
実施例4aとしてコード化された評価下の化合物は、時間および濃度依存性の方法で、試験を行ったすべての細胞系において、cPLA2の活性化によって誘発されたアラキドン酸の放出を減らすことが示された(表1、2、3、4、5)。
それに対して、化合物実施例4aは、cPLA2に関係のない刺激、例えばカルシウムイオン透過担体によって誘発されるアラキドン酸の放出の減少を引き起こさない(表7)。
サブスタンスPに対してサブスタンスPのペプチドP6-11により誘発される局所的炎症への保護活性の評価
実験モデル
明/暗サイクルで、制約なしに給餌して標準条件で飼育した約20〜22gのメスのBalb/cマウスを、エチルエーテル飽和雰囲気に暴露することによって麻酔する。次に動物を各10匹の4群に分ける。
マウスは、サブスタンスPまたはP6-11ペプチドの後直ちにエバンスブルー(Evan’s Blue)(100mg/kg)の静脈内注射を受け、2時間後に殺された。次に、2mlのホルムアミド中での注射した耳介の均質化(ポリトロン(Polytron)ホモジナイザー)により染料を抽出した。次に、均質化した組織を50℃で2時間インキュベートした。サリア(Saria)とランベルグ(Lunberg)の方法(1983)に従って、620nm(A620)でのエバンスブルーの光学密度として、血漿の管外遊出を測定した。
実施例に記載された化合物を0.9%塩類溶液に可溶化し、毛細血管透過の30分前に0.5〜5mg/kgの範囲の投与量で、静脈内注射により投与した。
サブスタンスPにより誘発された管外遊出は、肥満細胞および脈管内皮細胞の両方の二重の活性化メカニズムによるものであり、一方、サブスタンスP断片-ペプチドP6-11は、NKI受容体との相互作用による内皮細胞への効果のみによる管外遊出を引き起こす(「サブスタンスP、ブラジキニンおよび関連ペプチドのヒスタミン放出活性におけるN-末端アルギニンの役割(Role of the N-terminal arginine in the histamine releasing activity of substance P, bradikinin and related peptides)」;デビラー(Deviller)P.、ドラピュー(Drapeau)G.、レノウックス(Renoux)M.、レゴリ(Regoli)D.、Europ. J. Pharmacol. 168(1989):53-60)。
かくして本発明の化合物は、先に挙げたようなcPLA2の活性化または過剰刺激によって仲介される病変の治療のための有効な治療手段であり得る。
注射可能な形態は、製薬上の使用のために、かつ静脈内、筋肉内および皮下投与のために適合性の溶媒と共に処方される。
活性主剤 実施例6 100mg
賦形剤
微晶質セルロース 160mg
デンプン 28mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸 6.0mg
バイアル1
活性主剤 凍結乾燥した実施例4 50mg
賦形剤
2塩基性リン酸ナトリウム12H2O 12mg
1塩基性リン酸ナトリウム2 H2O 1mg
塩化ナトリウム 32mg
注射用の水で 4mlにする。
%mg
活性主剤 実施例7 2
賦形剤
Twin 60 0.5
Polwax 2.5
セチルステアリルアルコール 2
カルボマー 0.5
TEA 0.5
グリセリン 3
防腐剤 1
水で 100mgにする。
式中、
I) R’、R2’、R2、R3、R4、R5、R6は互いに同じかまたは異なることができ、
a) Hまたは
基C(O)A、モノカルボン酸のアシル残基またはジカルボン酸のヘミアシル残基であり、ここでAは、飽和もしくは1〜4個の二重結合を有する不飽和の、直鎖もしくは分岐のアルキル基または、単環もしくは多環のアルキルもしくはアルケニル基または、アリール、アリールアルキルもしくは1個以上のヘテロ原子を有する複素環式基であることができ;これらの基は任意的に、ケト、ヒドロキシ、アシルアミド、ハロゲン、メルカプト、アルキルチオもしくはアルキルジチオ、-COOHの中から選択される1個以上の基で置換されており、これらの-COOHは、任意的に塩化されて、-COOM塩を形成する(Mはポイント(II)で記載したのと同じ意味を有する)か;または
- 基Bであり、ここでBは、飽和もしくは1〜6個の二重結合を有する不飽和の、直鎖もしくは分岐のアルキル基;または、単環もしくは多環のアルキルもしくはアルケニル基または、アリール、アルキルアリールもしくは1個以上のヘテロ原子を有する複素環式基であり;これらの基は任意的に、ケト、ヒドロキシ、アシルアミド、ハロゲン、メルカプト、アルキルチオもしくはアルキルジチオ、-COOHの中から選択される1個以上の基で置換されており、これらの-COOHは、任意的に中和されて、-COOM塩を形成する(Mはポイント(II)で記載したのと同じ意味を有する):
(II) Mは、薬理学的に許容できる無機元素のカチオンであるか、または価数n+を有する薬理学的に許容できる有機塩基のカチオンである(ここでnは、以下のポイント(III)で記載したのと同じ意味を有する);
(III) nは、1または2または3である;
(IV) XおよびYは互いに同じかまたは異なり、OまたはSであり;
ここで、YがSであるとき、式(I)の化合物はまた、それぞれの非中和化合物を包含する。
a) 生物学的に許容できる無機カチオンまたは
b) 価数n+を有する生物学的に許容できる有機カチオンであり、ここでnは1または2または3を意味する、
[1]に記載の化合物。
a) Aが、好ましくは飽和もしくは1不飽和のアルキル基であるとき、1〜8個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する;
b) Aが単環もしくは多環のアルキルもしくはアルケニル基であるとき、5〜30個の炭素原子、好ましくは6〜24個の炭素原子を有する;
c) Aがアリール、アリールアルキルもしくは1個以上のヘテロ原子を有する複素環式基であるとき、4〜15個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を有し、かつN、OおよびSの中から選択され、好ましくはNである1〜5個のヘテロ原子、好ましくは1〜3個のヘテロ原子を有する;
d) Bがアルキルであるとき、1〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、飽和であるかまたは1不飽和である;
e) Bが単環もしくは多環のアルキルもしくはアルケニル基であるとき、5〜30個の炭素原子、好ましくは6〜24個の炭素原子を有する;
f) Bがアリール、アリールアルキルもしくは1個以上のヘテロ原子を有する複素環式基であるとき、5〜15個の炭素原子、好ましくは5〜8個の炭素原子を有し、かつN、OおよびSの中から選択され、好ましくはNである1〜5個のヘテロ原子、好ましくは1〜3個のヘテロ原子を有する、
[1]に記載の化合物。
a) クロム、セレン、銅、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属、ZnおよびFeの中から選択される生物学的に許容できる無機カチオン;
b) 好ましくは、モノ-、ジ-、トリ-もしくはテトラ-アルキルアンモニウム、好ましくはN-(2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム、コリンカチオンもしくはアミノ酸カチオン、好ましくはリシンもしくはアルギニンまたは、モノ-、ジ-、トリ-およびテトラ-ペプチドまたは、キサンチン塩基のカチオン、好ましくはカフェインの中から選択される、生物学的に許容できる有機塩基のカチオンである、[2]に記載の化合物。
Claims (2)
- アルツハイマー病を除くcPLA2の活性化又は過剰刺激によって仲介される炎症の治療用の、皮膚、眼内、結膜嚢又は粘膜を介して投与される医薬組成物の製造における、L−α−グリセロ−ホスホ−D−ミオ−イノシトールのM塩{式中、該Mは、薬理学的に許容される無機元素のカチオンであるか、又は価n+(ここで、nは1、2又は3である。)をもつ薬理学的に許容される有機塩基のカチオンである。}の使用。
- 製薬上許容できる賦形剤とともに、活性成分として、L−α−グリセロ−ホスホ−D−ミオ−イノシトールのM塩{式中、該Mは、薬理学的に許容される無機元素のカチオンであるか、又は価n+(ここで、nは1、2又は3である。)をもつ薬理学的に許容される有機塩基のカチオンである。}を含む、アルツハイマー病を除くcPLA2の活性化又は過剰刺激によって仲介される炎症の治療用の、皮膚、眼内、結膜嚢又は粘膜を介して投与される医薬組成物。
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