JP5659660B2 - 立体画像表示用光学部材、及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
そして、液晶パネルの画素とレンチキュラーレンズの相対的位置関係に狂いが生じると、液晶パネルで表示する左用画像と右用画像とを、レンチキュラーレンズによって左目と右目に振り分ける精度が低下し、左右視差画像が混じり合う所謂クロストークが生じ、立体画像の品質が低下してしまう。
左右視差画像のクロストークの問題は観察者の観察位置の移動によっても生じ、この為、その改善策が種々提案されてきたが、レンチキュラーレンズと液晶パネルの画素との相対的位置関係が正しく維持されている事を前提とするものであり、レンズと画素との相対的位置関係を維持する方策ではなかった。
(1)基材フィルムの一方の面に、単位柱状レンズをその稜線を互いに平行に一方向に配列した柱状レンズシートと、前記基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層と、該粘着剤層の面に積層されたガラス基板と、前記一方向において前記単位柱状レンズの配列周期に対応した周期を有する光線制御パターンとを、少なくとも備えた立体画像表示用光学部材であって、
前記基材フィルムが延伸フィルムであり、その樹脂の分子主軸の配向方向と前記単位柱状レンズの稜線方向とが、該基材フィルムの一方の面に平行な平面内において成す角度のうち劣角として定義される傾斜角θが、基材フィルムの全域において、0°≦θ≦50°である、立体画像表示用光学部材。
(2)上記傾斜角θが、前記基材フィルム内に於いて、0°である領域を少なくとも有する、上記(1)の立体画像表示用光学部材。
(3)上記傾斜角θが0°である領域が、単位柱状レンズの配列方向に於ける基材フィルムの両端間の寸法を幅Lとし、前記基材フィルムの幅方向両端部のうちの一方の端部から測った距離が、(L/2)±(L/4)となる中央近傍の領域内に存在する、上記(1)又は(2)の立体画像表示用光学部材。
また、基材フィルムの分子主軸の配向方向と柱状レンズシートの稜線方向との傾斜角θが0°の領域がある様にし、或いは更に所定角度範囲内にし、或いは更には中央近傍で0°にすれば、より確実に配列周期方向の寸法変化を小さくできる。このため、左右視差画像のクロストークが経時的に生じるのをより確実に防げ、また、ガラス基板の光線制御パターンが遮光パターンである場合に、それが経時的に見えてくるのをより確実に防げる。
(2)本発明による液晶表示装置によれば、液晶パネルの平面画像から立体画像を表示する液晶表示装置として、上記効果を有する立体画像表示用光学部材を用いて裸眼立体視を行うので、該光学部材が備える単位柱状レンズの経時的な寸法変化によって、左右視差画像のクロストークが経時的に生じるのを防げる。また、ガラス基板の光線制御パターンが遮光パターンである場合に、これが経時的に見えてくることを防げる。
先ず、本発明による立体画像表示用光学部材の一実施形態を、図1(a)の斜視図、及び、図1(b)の平面図に示す。なお、図1では、立体画像表示用光学部材10の平面(後述する基材フィルム1の一方の面1pに平行な面)がXY平面に平行で、立体画像の画像表示において、X軸方向が左右の視差画像を左右に振り分ける水平方向、Y軸方向が垂直方向で、立体画像表示用光学部材10に対して立体画像の観察者Sの方向をZ軸方向としてある。
そして、基材フィルム1には2軸延伸フィルム等の延伸フィルムが使われており、その結果、基材フィルム1を構成する高分子の分子主軸のフィルム面内での方向が、無秩序ではなく配向している。図1(b)で符号dmで示す両矢印が、この分子主軸の配向方向である。そして、分子主軸の配向方向dmと、単位柱状レンズ2の稜線2pが延在する方向である稜線方向dp(図面ではY軸方向)との成す角度のうち小さい方の角度(劣角)として定義される傾斜角θが、基材フィルム1の全域において、0°≦θ≦50°の範囲内で分布するように設定する。
また、傾斜角θが0°となる部分は、単位柱状レンズ配列方向に於ける中央近傍が効果的である。そこで、傾斜角θが0°となる部分を、基材フィルム1の単位柱状レンズ2の配列方向daに於ける両端間の寸法を距離Lとし、前記基材フィルムの幅方向両端部のうちの一方の端部から測った距離が、(L/2)±(L/4)となる中央近傍の領域内に有する基材フィルム1とするのが良い。
又、基材フィルム1内に該傾斜角θが0°である領域が含まれない場合は、基材フィルム1の中央近傍に於いて、傾斜角θの値が、傾斜角θの分布範囲の平均値或はそれに近い値となる様に設定すると良い。
以上のように、傾斜角θの面内分布を設定することによって、経時での、柱状レンズシート3の単位柱状レンズ2の配列方向daの寸法変化(收縮)を最小限に抑えることが出来、好ましい。
基材フィルム1としては、透明な延伸フィルムで、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の透明樹脂フィルムが挙げられる。なかでも、ポリエステル系樹脂の一種であるポリエチレンテレフタレートは代表的であり、その2軸延伸フィルムは、コスト、透明性、機械的強度等の点で好適な基材フィルムである。但し、延伸による分子配向が生じているので、本発明の様に分子主軸の配向方向dmに関する傾斜角θを規定することで、経時的なクロストーク発生を防止しつつ使用可能となる。
なお、基材フィルム1は「フィルム状」であるが、ここで「フィルム」とは、「シート」、「板」の概念も含むものであり、これらの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。つまり、厚みや剛性によって区別されるものではない。例えば、基材フィルム1の厚さは、50μm〜5mm等である。
単位柱状レンズ2は、柱状のレンズであり、その主切断面の形状が円、楕円、抛物線、双曲線、正弦(波)曲線、双曲線正弦曲線、楕円函数曲線、又はサイクロイド曲線の一部など曲線からなる、代表的には所謂蒲鉾形状のレンズである。断面蒲鉾形状の単位柱状レンズ2は代表的には、レンチキュラーレンズである。なお、単位柱状レンズ2の寸法は、立体画像表示用光学部材10と組み合わせる、二次元画像を表示する画像表示素子の画素の細かさ、立体視を可能とする観察可能範囲の設定距離、構成材料の屈折率、2眼式や多眼式等の立体視の方式等に応じて決められる。
単位柱状レンズ2を構成する樹脂としては、基本的には特に限定はない。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂、紫外線や電子線で硬化する、アクリレート系やエポキシ系等の電離放射線硬化性樹脂等である。
熱可塑性樹脂の場合は、例えば、単位柱状レンズ2を基材フィルム1の一方の面1pに、溶融押出法、射出成形法、熱プレスによるエンボス法等の熱成形法で形成することができる。また、電離放射線硬化性樹脂の場合には、例えば、単位柱状レンズ2を基材フィルム1の一方の面1pに、未硬化の電離放射線硬化性樹脂液を接触させ且つ該樹脂液を成形型と前記基材フィルム1とで挟んだ状態で、電離放射線照射で樹脂を架橋硬化させる成形法によって形成することができる。なお、樹脂液に電離放射線硬化性樹脂を使用して電離放射線で硬化させる場合は、所謂2P法(フォトポリマー法)と呼ばれている。
なかでも、2P法は、電離放射線硬化性樹脂の硬化が迅速で生産性に優れる上、なによりも、立体画像品質に直接的に影響する単位柱状レンズ2の形状を高精度に形成できる点で、熱可塑性樹脂を用いる熱成形法に比べて優れており、高精度が要求される立体視用として、好ましい。
傾斜角θは、基材フィルム1を構成する高分子の分子主軸の配向方向dmに関係する角度である。本発明では、使用する基材フィルム1が延伸フィルムであることから、フィルム面内において、言い換えると、基材フィルム1の一方の面1pに平行な面内に於いて、フィルムを構成する高分子の個々の分子の分子軸の方向が完全にランダムではなく、ある程度揃っていることに関係する。この為、個々の分子の分子軸の方向つまり配向方向を、、該分子よりも十分大きく画素よりも小さい面積内、例えば10μm四方の領域内にて、全体として平均化すると或る方向性を示す。この個々の分子の分子軸の配向方向を全体として平均化した方向が、分子主軸の配向方向dmである。
そして、図1(b)に示す様に、分子主軸の配向方向dmの向きを、単位柱状レンズ2の稜線2pが延在する稜線方向dpに対する角度として定義する。すなちわ、基材フィルム1の一方の面1pに平行な面内(同図ではXY平面)に於いて、分子主軸の配向方向dmと、単位柱状レンズ2の稜線方向dpとが成す角度のうち小さい方の角度、つまり劣角を傾斜角θとして定義する。なお、時計回りを正数として反時計回りを負数とするか、或いはこの逆にするかは、いずれでも良い。ただ、本明細書では一応前者とする。
なお、通常は、基材フィルム1の平面視(XY面)での大きさ及び形状は柱状レンズシート3の大きさ及び形状に等しい。また、基材フィルム1の該大きさ及び形状は、ガラス基板の大きさ及び形状に等しいか、その大きさよりも小さい。
この為、なるべく汎用的でコスト的に有利なフィルムを用いることにして、それによる、相応の分子主軸の配向方向dmの不均一性に基づく面内分布は、許容できる様に使用するのが好ましいことになる。
そこで、本発明では更に好ましくは、傾斜角θが0°でない領域を有するとしても、基材フィルム1の全域において、傾斜角θは50°以下、より好ましくは45°以下とする。つまり、傾斜角θは、0°≦θ≦50°とすることが好ましく、0°≦θ≦45°とすることがより好ましい。
また、傾斜角θが0°となる領域は、なるべく中央近傍とするのが効果的である。ここで中央近傍とは、図1(b)に示す様に、基材フィルム1の単位柱状レンズ2の配列方向daにおける両端間を距離L、前記基材フィルム1の幅方向両端部のうちの一方の端部から測った距離が、(L/2)±(L/4)を満足する領域である。
以上の様に、分子主軸の配向方向dmと単位柱状レンズ2の稜線方向dpとの傾斜角θを規定すると、それが如何にして単位柱状レンズ2の寸法変化の安定性に好影響しているかは現在のところ不明であるが、とにかく、該寸法変化を少なくできることが判明した。
粘着剤層4には、透明な粘着剤が使用され、光学用途など公知のものを適宜採用すれば良い。また、柱状レンズシート3とガラス基板5との貼り合わせの失敗時に剥がせる点では、再剥離性の粘着剤が好ましい。この様な粘着剤層に使用できる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
ガラス基板5には、透明な平板状のガラス板が使用され、光学用途など公知のものを適宜採用すれば良い。なお、ガラス基板5は、立体画像の元になる平面画像を表示する画像表示素子のガラス基板(例えば前面ガラス基板)を兼用させても良いし、兼用させなくても良い。
光線制御パターン6は、立体画像を表示する際に、立体画像表示用光学部材10を透過しようとする光線を遮断するなどの操作する為のパターンであり、且つ該パターンがランダムではなく周期性を有するパターンである。しかも、その周期性が、単位柱状レンズ2の配列方向daに周期性を有し、且つ単位柱状レンズ2の配列周期Pに対応した周期性を有するパターンである。なお、該周期性とは配列方向da(図1でX軸方向)でのことである。従って、単位柱状レンズ2の稜線方向dpに於いては、光線制御パターン6としては、該稜線方向dpと平行なパターンを有するパターンに限定されず、稜線方向dpと斜めや折れ線等となるパターンを排除しない。また、例えば、液晶パネルのカラー画素等の表示画素に対応したブラックマトリックスの場合には、格子状となる。
又、この様な光線制御パターン6の形成位置は、図1の如くガラス基板5の柱状レンズシート2とは反対側面の他、柱状レンズシート2の画像観察者側面、柱状レンズシート2とガラス基板5との間等とすることも出来る。又、この様な光線制御パターン6は、通常、何らかの基板(支持体)上に形成されるが、その基板としては、図1の如くガラス基板5とする他、ガラス基板5とは独立した別の基板上に形成することも出来る。
なお、光線制御パターン6が有する、単位柱状レンズ2の配列周期Pに対応した周期性とは、画像表示素子の平面画像を表示する画素を立体画像表示用光学部材10によって立体画像として立体視可能とするに供する様な、前記配列周期Pで配列した単位柱状レンズ2の位置と関連付けられた所定の位置関係となる様な周期性のことである。
なお、本発明の立体画像表示用光学部材10は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、上記した構成要素以外のその他の要素を含んでいても良い。例えば、後述する液晶パネルに適用して立体画像表示可能な液晶表示装置とする場合の様に、偏光板を含んでいても良い。
なお、左右視差画像のクロストークは、目視で行っても良いが、例えば、左目用画像に白を表示させ、右目用画像に黒を表示させることにより計測することができる。この場合、本来ならば左目の観察位置では白、右目の観察位置では黒にしか見えないが、クロストークが生じると、左目の観察位置では白に黒が混じり、右目の観察位置では黒に白が混じる。これを、カメラ等の光学装置で測定することで、数値化もできる。
本発明による立体画像表示用光学部材10の用途は、立体画像の元になる平面画像を表示する画像表示素子と共に使用されて、裸眼立体画像を表示する立体画像表示装置に使用することができる。平面画像を表示する画像表示素子としては、特に限定されるものではなく、液晶パネルなど平面画像表示を行う公知の各種画像表示素子が組み合わせの対象となり得る。
また、上記では、立体画像表示用光学部材10は、画像表示素子の前面に配置されることで該画像表示素子からの左右視差画像を観察者の左右の目に振り分ける所謂レンチキュラー方式の立体画像表示を前提に説明した。しかし、立体画像表示用光学部材10は、立体画像表示用の光学部材として、更に好ましくはその経時的な寸法安定性を活かせる立体画像表示用途であれば、その使用法は特に制限はない。また、この意味において、本発明の立体画像表示用光学部材10は、その単位柱状レンズ2がレンチキュラーレンズの様な主切断面形状が曲線のみからなる柱状レンズの他に、主切断面形状が例えば三角形などの直線を含む柱状プリズムの場合でも、寸法安定性の効果が得られる。
本発明による液晶表示装置は、少なくとも、液晶パネルと、上記した立体画像表示用光学部材10とを備える、立体視可能な立体画像表示装置である。更に、通常は液晶パネルの画像を視認可能とする光源を備える。図2の断面図は、本液晶表示装置20の一実施形態を概念的に示す図である。同図の液晶表示装置20は、背面光源としての光源21の出光面上に液晶パネル22を備え、該液晶パネル22の前面に上記した立体画像表示用光学部材10を備える。
液晶パネル22は前面ガラス基板22aと後面ガラス基板22bとの間に液晶層22cを有する。なお、同図では、ガラス基板22a,22bの内面に形成される透明電極、基板表面に積層される偏光板等の図示は省略してある。また、カラー画像を表示する場合には、前面ガラス基板22aの内面にはカラーフィルタ(不図示)も形成され、カラーフィルタは例えば赤、緑、青の各色間に光線制御パターン6となるブラックマトリックスを有する。なお、光源21、液晶パネル22、及びこれらに関する上記で説明した以外の構成要素は、従来公知の液晶パネル乃至は立体視用の構成部材を、適宜採用することができる。
なお、本実施形態では、液晶パネル22はその前面及び後面に偏光板(不図示)を有し、前面ガラス基板22aの前面には偏光板が積層され、立体画像表示用光学部材10は、柱状レンズシート3に積層された粘着剤層4とガラス基板5間にこの偏光板を有する構成となる。
なお、本実施形態では、光線制御パターンが遮光パターンとしてのブラックマトリックスの例であったが、光線制御パターンとしては、これに限定されるものではない。
本発明による液晶表示装置20の用途は、立体画像を表示する用途であれば、特に限定されない。例えば、立体ディスプレイ、立体テレビジョン等である。立体ディスプレイは、携帯電話、携帯情報端末、携帯乃至は固定式遊戯機器、パーソナルコンピュータ、電子看板、デジタルフォトフレーム、医療用ディスプレイ等である。
図1(a)の様な、単位柱状レンズ2として蒲鉾型のレンチキュラーレンズを多数周期配列した立体画像表示用光学部材10を作製した。
先ず、成形型として単位柱状レンズ2からなるレンズ群とは逆凹凸形状の型面を有する金属製のシリンダ状(円筒状)の成形型を用意した。そして、この成形型に、透明なアクリル系の紫外線硬化性樹脂液を塗布し、更にその上に、厚み125μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を重ねた状態で、紫外線照射によって該樹脂液を硬化させた。そして、単位柱状レンズ2がその稜線を互いに平行に、基材フィルム1の一方の面1pに配列して成る、柱状レンズシート3を作製した。
なお、単位柱状レンズ2の稜線方向dpは基材フィルム1の長方形形状の長手方向に直交する方向である。従って、該長方形形状の幅方向中央部に於ける分子主軸の配向方向dmも、基材フィルム1の長方形形状の長手方向に直交する方向である。
なお、このガラス基板5の他方の面には、周期的な光線制御パターン6が形成されており、その周期は単位柱状レンズ2の配列方向daにおいて、単位柱状レンズ2の500μmの配列周期Pと対応した周期となっており、且つ柱状単位レンズ2の稜線2pと同方向に延在した黒色パターンとなっている。なお、この光線制御パターン6は、液晶パネルの前面ガラス基板に形成されたカラーフィルタ内の遮光パターンであるブラックマトリックスである。
上記液晶パネルは、赤、緑、青のサブ画素で1画素が構成され、サブ画素の周囲にブラックマトリックスが形成される。
実施例1に於いて、基材フィルム1の長手方向での幅方向中央部(一方の端部からの距離がL/2となる部分)の位置での分子主軸の配向方向dmと、単位柱状レンズ2の稜線とが成す傾斜角θを、0°に代えて、実施例2は20°、実施例3は40°、実施例4は45°、実施例5は50°にした以外は、実施例1と同様にして、立体画像表示用光学部材10を作製した。なお、単位柱状レンズ2の稜線方向dpは基材フィルム1の長方形形状の長手方向に直交する方向である。
実施例1に於いて、基材フィルム1の長手方向での幅方向中央部(一方の端部からの距離がL/2となる部分)の位置での分子主軸の配向方向dmと、単位柱状レンズ2の稜線とが成す傾斜角θを、0°に代えて、比較例1は70°、比較例2は90°にした以外は、実施例1と同様にして、立体画像表示用光学部材10を作製した。なお、単位柱状レンズ2の稜線方向dpは基材フィルム1の長方形形状の長手方向に直交する方向である。
上記の立体画像表示用光学部材10を、80℃の環境下に1000時間放置する信頼性試験を行い、単位柱状レンズ2の配列周期Pの変化の度合いを測定、評価した。
なお、寸法変化は、立体表示方式が2眼式の場合100ppm以下であればクロストークが問題となる様な寸法変化にはならず許容範囲内であるとされている。ただ、2眼式は原理的に観察可能範囲が正面など限定されるために主要な用途は小型表示装置になるが、小型の為に実質的に単位柱状レンズ2の配列周期Pの累積誤差は大型よりも小さく、観察可能範囲も正面など限られた方向である為に、さほど問題とはならない。テレビジョンの様な大型で多人数で見ることを前提とする場合は、10程度の多眼式を採用することが多く、10眼式の場合は、寸法変化は300ppmまで許容できるとされている。
そこで、この許容誤差を前記配列周期Pの500μmの場合に当てはめれば、100ppmは0.05μm、300ppmは0.15μmである。この為、性能評価は、安全を見て、寸法変化が0.13μm以下(260ppm以下)の場合を良好(表1中○印)、0.15μm以下の場合はやや良好(表1中△印)、0.15μm超過を不良(表1中×印)と評価した。
この為、各比較例では、レンチキュラー方式の立体画像表示装置に利用した時に、経時的な、左右視差画像のクロストークや光線制御パターンであるブラックマトリックの視認による輝度低下に繋がる可能性がある。しかし、各実施例では、左右視差画像のクロストークやブラックマトリックの視認による輝度低下に繋がらず、経時的に品質の高い立体画像を表示できることが期待される。
1p 一方の面
1q 他方の面
2 単位柱状レンズ
2p 稜線(頂部)
2v 谷部
3 柱状レンズシート
4 粘着剤層
5 ガラス基板
6 光線制御パターン
10 立体画像表示用光学部材
20 液晶表示装置
21 光源
22 液晶パネル
22a 前面ガラス基板
22b 背面ガラス基板
22c 液晶層(画素の層)
da 一方向(=配列方向)
dm 分子主軸の配向方向
dp 稜線方向
L 配列方向に於ける幅
n 法線
P 配列周期
S 観察者
θ 傾斜角(稜線と分子主軸の成す劣角)
Claims (4)
- 基材フィルムの一方の面に、単位柱状レンズをその稜線を互いに平行に一方向に配列した柱状レンズシートと、前記基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層と、該粘着剤層の面に積層されたガラス基板と、前記一方向において前記単位柱状レンズの配列周期に対応した周期を有する光線制御パターンとを、少なくとも備えた立体画像表示用光学部材であって、
前記基材フィルムが延伸フィルムであり、その樹脂の分子主軸の配向方向と前記単位柱状レンズの稜線方向とが、該基材フィルムの一方の面に平行な平面内において成す角度のうち劣角として定義される傾斜角θが、基材フィルムの全域において、0°≦θ≦50°である、立体画像表示用光学部材。 - 上記傾斜角θが、前記基材フィルム内に於いて、0°である領域を少なくとも有する、請求項1記載の立体画像表示用光学部材。
- 上記傾斜角θが0°である領域が、単位柱状レンズの配列方向に於ける基材フィルムの両端間の寸法を幅Lとし、前記基材フィルムの幅方向両端部のうちの一方の端部から測った距離が、(L/2)±(L/4)となる中央近傍の領域内に存在する、請求項1又2記載の立体画像表示用光学部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の立体画像表示用光学部材を用いて、液晶パネルの平面画像を立体画像として表示する、液晶表示装置。
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