JP5652056B2 - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂は、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用すると、色相や透明性、機械的強度が悪化するため、屋外や照明装置の近傍での使用に制限があった。
ところが、このような紫外線吸収剤を添加した場合、紫外線照射後の色相などの改良は認められるものの、そもそもの樹脂の色相や耐熱性、透明性の悪化を招いたり、また成型時に揮発して金型を汚染する等の問題があった。
機械特性が不十分であった。さらに、特許文献8には薄肉・大画面化が図られた導光板等の成形体への加工が容易で、光線透過率の高い光学シートおよびその製造方法、光学シートの表面に凹凸パターンを形成させてなる成形体および成形体の製造方法が提供されており、低光学歪みであるものの、芳香族ポリカーボネートを使用しているため加工温度が高く、しかも、押出成形であるため成形品の形状が限られてしまうという問題があった。
歪み性を有するだけでなく、優れた耐光性、色相、透明性、熱安定性、及び機械的強度を有することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[18]に存する。
[1]樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の最大位相差(ReMAX)との間に下記(I)式の関係を有することを特徴
とする樹脂組成物。
[2] 構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由
来する構造単位を少なくとも含む樹脂を含んでなることを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記樹脂組成物が、脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式炭化水素のジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位をさらに含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]全ジヒドロキシ化合物に対する構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が30〜80モル%であることを特徴とする[2]又は[3]に記載の樹脂組成物。
[5]構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする[2]乃至[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記長周期型周期表第2族の金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物がマグネシウム化合物及びカルシウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする[6]に記載の樹脂組成物。
[8]下記一般式(3)で表される炭酸ジエステル60重量ppm以下を含むことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]芳香族モノヒドロキシ化合物700重量ppm以下を含むことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]下記一般式(4)で表される末端基の濃度が、20μeq/g以上160μeq/g以下の範囲であることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]前記樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から成形された成形体の数平均分子量(Mn2)の変化率が10%以内であることを特徴とする[1]乃至[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13]前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の波長350nmにおける光線透過率が60%以上であることを特徴とする[1]乃至[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14]前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の波長320nmにおける光線透過率が30%以上であることを特徴とする[1]乃至[13]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15]前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の初期のイエローインデックス値と、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値との差の絶対値が6以下であることを特徴とする[1]乃至[14]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[16][1]乃至[15]のいずれかに記載の樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする樹脂成形体。
[17]前記射出成形が、射出プレス成形であることを特徴とする[16]に記載の樹脂成形体。
[18]最大投影面積が500〜50,000cm2であることを特徴とする[16]又は[17]のいずれかに記載の樹脂成形体。
性、熱安定性、及び機械的強度を有する樹脂成形品が得られ、電気・電子部品、自動車用部品等の射出成形分野、カメラレンズ、ファインダーレンズ、CCDやCMOS用レンズなどのレンズ用途、光ディスク、光学材料、光学部品、色素及び電荷移動剤等を固定化するバインダー用途といった幅広い分野へ適用可能な樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することが可能になる。
(1)樹脂組成物
以下、本発明の樹脂成形体を得るための樹脂組成物について詳述する。
[樹脂]
<原料>
(ジヒドロキシ化合物)
本発明で使用する樹脂(以下、「本発明の樹脂」と称することがある。)は、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(以下、「本発明のジヒドロキシ化合物」と称することがある。)に由来する構造単位を少なくとも含む。 即
ち、本発明のジヒドロキシ化合物は、2つのヒドロキシル基と、更に下記一般式(1)の構造単位を少なくとも含むものを言う。
本発明のジヒドロキシ化合物としては、構造の一部に上記一般式(1)で表される部位を有するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール類、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等、側鎖に芳香族基を有し、主鎖に芳香族基に結合したエーテル基を有する化合物、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(5)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物が挙げられるが、中でも、入手のし易さ、ハンドリング、重合時の反応性、得られる樹脂の色相の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、耐熱性の観点からは、無水糖アルコール、環状エーテル構造を有する化合物が好ましい。
これらのジヒドロキシ化合物のうち、芳香環構造を有しないジヒドロキシ化合物を用いることが樹脂の耐光性の観点から好ましく、中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、耐光性、光学特性、成形性、耐熱性、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
ロジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン等の芳香族ビスフェノール類を使用することもできる。
本発明の樹脂組成物、すなわち、樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の最大位相差(ReMAX)との間に下記(I)
式の関係を有することを特徴とする樹脂組成物を得る達成手段の一つは、全ジヒドロキシ化合物に対する本発明のジヒドロキシ化合物の割合を特定範囲とすることである。
本発明のジヒドロキシ化合物は、還元剤、抗酸化剤、脱酸素剤、光安定剤、制酸剤、pH安定剤、熱安定剤等の安定剤を含んでいても良く、特に酸性下で本発明のジヒドロキシ化合物は変質しやすいことから、塩基性安定剤を含むことが好ましい。塩基性安定剤としては、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations
2005)における1族または2族の金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次
亜リン酸塩、硼酸塩、脂肪酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性アンモニウム化合物、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等のアミン系化合物が挙げられる。その中でも、その効果と後述する蒸留除去のしやすさから、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、亜リン酸塩が好ましく、中でもリン酸水素2ナトリウム、亜リン酸水素2ナトリウムが好ましい。
ジヒドロキシ化合物に対して、0.0001重量%〜1重量%、好ましくは0.001重量%〜0.1重量%である。
本発明の樹脂は、上述した本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート、置換ジフェルカーボネートであり、特に好ましくはジフェニルカーボネートである。なお、炭酸ジエステルは、塩化物イオンなどの不純物を含む場合があり、重合反応を阻害したり、得られる樹脂の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留などにより精製したものを使用することが好ましい。
本発明の樹脂は、好ましくはポリカーボネート樹脂であり、好ましい樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の樹脂は、上述のように本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させて製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒存在下でエステル交換反応により重縮合を行う。
用いられる触媒としては、耐光性を満足させ得る、即ち上記した波長350nmにおける光線透過率や、イエローインデックスを所定の値にし得るものであれば、限定されないが、長周期型周期表における第1族または第2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。好ましくは1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が使用される。
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
とすると、重合温度を高くせざるを得なくなり、得られた樹脂の色相や耐光性が悪化したり、未反応の原料が重合途中で揮発して本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルのモル比率が崩れ、所望の分子量に到達しない可能性がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られる樹脂の色相の悪化を招き、樹脂の耐光性が悪化する可能性がある。
樹脂中の金属量は、湿式灰化などの方法で樹脂中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
本発明の樹脂は、本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合させることによって得られるが、原料であるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。
本発明の樹脂を得るためには、前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルは、反応に用いる本発明のジヒドロキシ化合物を含む全ジヒドロキシ化合物に対して、0.90〜1.20のモル比率で用いることが好ましく、さらに好ましくは、0.95〜1.10のモル比率である。
更には、本発明のジヒドロキシ化合物を含む全ジヒドロキシ化合物に対して、前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルのモル比率が増大すると、得られる樹脂中の残存炭酸ジエステル量が増加し、これらが紫外線を吸収して樹脂の耐光性を悪化させる場合があり、好ましくない。 本発明の樹脂に残存する前記一般式(3)で表される炭酸ジエステル
の濃度は、好ましくは60重量ppm以下、更に好ましくは50重量ppm以下、特に好ましくは40重量ppm以下が好適である。現実的に樹脂は未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、濃度の下限値は通常1重量ppmである。
式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
重合初期においては、相対的に低温、低真空でプレポリマーを得、重合後期においては相対的に高温、高真空で所定の値まで分子量を上昇させることが好ましいが、各分子量段階でのジャケット温度と内温、反応系内の圧力を適切に選択することが色相や耐光性の観点から重要である。例えば、重合反応が所定の値に到達する前に温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比率を狂わせ、重合速度の低下を招いたり、所定の分子量や末端基を持つポリマーが得られなかったりして結果的に本願発明の目的を達成することができない可能性がある。
本発明の樹脂は、触媒を用いて、複数の反応器を用いて多段階で重合させて製造することが好ましいが、重合を複数の反応器で実施する理由は、重合反応初期においては、反応液中に含まれるモノマーが多いために、必要な重合速度を維持しつつ、モノマーの揮散を抑制してやることが重要であり、重合反応後期においては、平衡を重合側にシフトさせるために、副生するモノヒドロキシ化合物を十分留去させることが重要になるためである。このように、異なった重合反応条件を設定するには、直列に配置された複数の重合反応器を用いることが、生産効率の観点から好ましい。
本発明において、反応器が2つ以上であれば、その反応器中で、更に条件の異なる反応段階を複数持たせる、連続的に温度・圧力を変えていくなどしてもよい。
重合反応の温度は、低すぎると生産性の低下や製品への熱履歴の増大を招き、高すぎるとモノマーの揮散を招くだけでなく、樹脂の分解や着色を助長する可能性がある。
00Pa以下にして、内温の最高温度210〜270℃、好ましくは220〜250℃で、通常0.1〜10時間、好ましくは、1〜6時間、特に好ましくは0.5〜3時間行う。
また、重合反応後半の重合速度の低下を抑止し、熱履歴による劣化を最小限に抑えるた
めには、重合の最終段階でプラグフロー性と界面更新性に優れた横型反応器を使用することが好ましい。
副生したモノヒドロキシ化合物は、資源有効活用の観点から、必要に応じ精製を行った後、炭酸ジフェニルやビスフェノールA等の原料として再利用することが好ましい。
本発明の樹脂は、上述の通り重縮合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
押出機中の、溶融混練温度は、樹脂のガラス転移温度や分子量に依存するが、通常150〜300℃、好ましくは200〜270℃、更に好ましくは230〜260℃である。溶融混練温度が150℃より低いと、樹脂の溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、樹脂の熱劣化が激しくなり、分子量の低下による機械的強度の低下や着色、ガスの発生を招く。
また、押出された樹脂を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10〜0.45μmであることが好ましい。
度は、通常0.30dL/g以上であり、0.35dL/g以上が好ましく、還元粘度の上限は、1.20dL/g以下、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
樹脂の還元粘度が低すぎると成形品の機械的強度が小さい可能性があり、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。
更に本発明の樹脂中の下記一般式(4)で表される末端基の濃度(「末端フェニル基濃度」という)の下限量は、好ましくは20μeq/g、更に好ましくは40μeq/g、特に好ましくは50μeq/gであり、一方、上限は好ましくは160μeq/g、更に好ましくは140μeq/g、特に好ましくは100μeq/gである。
下記一般式(4)で表される末端基の濃度を制御するには、原料である本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルのモル比率を制御する他、エステル交換反応時の触媒の種類や量、重合圧力や重合温度を制御する方法等が挙げられる。
また、本発明の樹脂の芳香環に結合したHのモル数を(A)、芳香環以外に結合したHのモル数を(B)とした場合、芳香環に結合したHのモル数の全Hのモル数に対する比率は、A/(A+B)で表されるが、耐光性には上述のように、紫外線吸収能を有する芳香族環が影響を及ぼす可能性があるため、A/(A+B)は0.05以下であることが好ましく、更に好ましくは0.03以下、特に好ましくは0.02以下、好適には0.01以下である。A/(A+B)は、1H−NMRで定量することができる。
本発明の樹脂組成物は、通常、本発明の樹脂に更にその他の添加剤を含有する。例えば、酸化防止剤、酸性化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、無機充填剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスフェイト系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤及び/またはホスフェイト系酸化防止剤が更に好ましい。
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが更に好ましい。
酸化防止剤の含有量は、本発明の樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.001重量部以上、更に好ましくは0.01重量部以上、特に好ましくは0.05重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは、0.7重量部以下、特に好ましくは0.5重量部以下である。酸化防止剤の含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、酸化防止剤の含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
酸性化合物の配合量は、樹脂100重量部に対し、少なくとも1種の酸性化合物0.00001重量部以上0.1重量部以下、好ましくは、0.0001重量部以上0.01重量部以下、さらに好ましくは0.0002重量部以上0.001重量部以下である。酸性化合物の配合量が過度に少ないと、射出成形する際に、樹脂組成物の射出成形機内の滞留時間が長くなった場合における着色を抑制することが充分に出来ない場合がある。また、酸性化合物の配合量が過度に多いと、樹脂組成物の耐加水分解性が著しく低下する場合がある。
無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム;カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、ウィスカー等が挙げられる。これらの中でも、ガラスの繊維状充填材、ガラスの粉状充填材、ガラスのフレーク状充填材;炭素の繊維状充填材、炭素の粉状充填材、炭素のフレーク状充填材;各種ウィスカー、マイカ、タルクが好ましい。より好ましくは、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、ワラストナイト、マイカ、タルクが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は例えば、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ABS、ASなどの合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートなどの生分解性樹脂、ゴムなどの1種又は2種以上と混練して、ポリマーアロイとしても用いることもできる。
本発明の樹脂組成物中の下記一般式(4)で表される末端基の濃度(「末端フェニル基濃度」という)の下限量は、好ましくは20μeq/g、更に好ましくは40μeq/g、特に好ましくは50μeq/gであり、一方、上限は好ましくは160μeq/g、更に好ましくは140μeq/g、特に好ましくは100μeq/gである。
下記一般式(4)で表される末端基の濃度が、高すぎると重合直後や成型時の色相が良くても、紫外線曝露後の色相の悪化を招く可能性があり、逆に低すぎると熱安定性が低下する恐れがある。
本発明の樹脂組成物に残存する前記一般式(3)で表される炭酸ジエステルの濃度は、好ましくは60重量ppm以下、更に好ましくは50重量ppm以下、特に好ましくは40重量ppm以下が好適である。現実的に樹脂は未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、濃度の下限値は通常1重量ppmである。
また、本発明の樹脂成形体は、該樹脂成形体(厚さ3mmの平板)の波長320nmにおける光線透過率が30%以上であることが好ましく、40%以上が更に好ましく、50%以上が特に好ましい。該波長における光線透過率が30%を下回ると、耐光性が悪化する傾向にある。
前記メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値が12を超えると、成形直後には着色がなくても紫外光を含む光線に曝露されると着色する場合があるということを見出し、意外にもエステル交換反応(重縮合反応)で受けた熱履歴や、使用した触媒、含まれる金属成分、特定の分子構造を持つ物質の含有量等を制御することにより解決できるという知見に基づくものである。
尚、本発明における好ましい樹脂成形体は、ポリカーボネート樹脂組成物から射出成形された、ポリカーボネート樹脂成形体である。
樹脂成形品の製造は、種々の方法で行われ、中でも押出成形は汎用的に使用されるものの、樹脂成形品の形状に制約があり、複雑な形状の樹脂成形品の製造に困難を伴う。
本発明の樹脂成形体の製造は、射出成形によって行われる。特に、樹脂成形体の低光学歪
みの観点から射出プレス成形によって行うことが好ましい。射出成形の場合、樹脂成形品の形状に応じた金型を使用することにより、複雑な形状の樹脂成形体を製造することができる。
特に本発明の樹脂成形体の製造においては、シリンダー温度は、好ましくは200〜300℃、更に好ましくは210〜280℃、特に好ましくは220〜270℃、最も好ましくは230〜260℃である。シリンダー温度が低すぎると、最大位相差(ReMAX)
が大きくなる傾向にあり、一方、高すぎると、樹脂組成物が熱分解し、樹脂成形体が着色する傾向にある。
本発明の樹脂組成物、すなわち、樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の最大位相差(ReMAX)との間に下記(I)
式の関係を有することを特徴とする樹脂組成物を得る達成手段の一つは、前述したように全ジヒドロキシ化合物に対する本発明のジヒドロキシ化合物の割合が特定範囲とすることの他に、シリンダー温度および金型温度を上記の特定範囲とすることである。
樹脂の数平均分子量(Mn1)が大きいと、樹脂組成物の流動性が低下し、最大位相差(ReMAX)が大きくなり、最大位相差(ReMAX)が前記(I)式の関係を満たさなくなる傾向にあり、一方、樹脂の数平均分子量(Mn1)が小さいと、最大位相差(ReMAX
)が前記(I)式の関係を満たすが、機械的物性が低下する傾向にある。
以下において、樹脂組成物、樹脂成形体の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)酸素濃度の測定
重合反応装置内の酸素濃度を、酸素計(AMI社製:1000RS)を使用し、測定した。
ポリカーボネート樹脂組成物のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(3)ポリカーボネート樹脂組成物中の金属濃度の測定
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂組成物ペレット約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで定量した。
ポリカーボネート樹脂組成物中の各ジヒドロキシ化合物構造単位比は、ポリカーボネート樹脂組成物30mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解し、溶液とし、これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1H NMRスペクトルを測定した。各ジヒドロキシ化合
物に由来する構造単位に基づくシグナル強度比より各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比を求めた。
(5)ポリカーボネート樹脂組成物中の芳香族モノヒドロキシ化合物含有量、前記一般式(3)で表される炭酸ジエステル含有量の測定
ポリカーボネート樹脂組成物試料1.25gを塩化メチレン7mlに溶解し溶液とした後、総量が25mlになるようにアセトンを添加して再沈殿処理を行った。次いで、該処理液を0.2μmディスクフィルターでろ過して、液体クロマトグラフィーにて定量を行った。
内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)をあらかじめ添加混合した重クロロホルムのみのスペクトルを測定し、TMSと重クロロホルム中に含まれる残存Hのシグナル比を求める。次に、ポリカーボネート樹脂30mgを秤取し、前記重クロロホルム約0.7mLに溶解させた。これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1H NMRスペクトルを測
定した。得られたNMRチャートの6.5ppm〜8.0ppmに現れるシグナルの積分値から、重クロロホルム中に含まれる残存Hのシグナルの積分値(TMSのシグナルの積分値および前記で予め求めたTMSと重クロロホルム中に含まれる残存Hとの比から求める)を差し引いた値をaとする。一方、0.5ppm〜6.5ppmに現れるシグナルの積分値をbとすると、a/(a+b)=A/(A+B)となるので、これを求めた。
500mmx500mmx3mmの成形プレートを分割して、王子計測機器製の位相差測定装置「KOBRA WWR/XY」により、波長590nmに対する位相差を測定した。
(8)数平均分子量の測定
前記(6)の方法にて常温で1H NMRスペクトルを測定し、得られたNMRチャー
トの6.5ppm〜8.0ppmに現れるシグナルの積分値から末端基の数と、全モノマーユニットの数を求め、これらの比から算出した。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、110℃で10時間乾燥した。次に、乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度220℃、成形サイクル23秒間の条件で、射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する操作を繰り返し、10ショット目〜20ショット目で得られた射出成形片の厚み方向での透過光におけるイエローインデックス(初期のYI)値をカラーテスタ(コニカミノルタ社製CM−3700d)を用いて測定し、平均値を算出した。YI値が小さい程、黄色味がなく品質が優れることを示す。
スガ試験機社製メタリングウェザーメーターM6Tを用いて、63℃、相対湿度50%の条件下、光源として水平式メタリングランプを、インナーフィルターとして石英を、またランプの周囲にアウターフィルターとして#500のフィルターを取り付け、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kw/m2になるように設定し、上記(8)で得られた20ショット目の平板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)の正方形の面に対して、100時間照射処理を行った。照射後のYI値を上記(8)と同様に測定した。
ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (新日本理化製、SKY CHDM)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学社製)
NOVAREX 7022R:2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由
来する構造のみを有する芳香族ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量22,000(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
(酸化防止剤)
イルガノックス1010:ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
イルガフォス168:トリス(2,4−ジ−tertブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
(離型剤)
NAA−180:ステアリン酸(日油社製)
[実施例1]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとCHDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.69/0.31/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005vol%〜0.001vol%)。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、還流冷却器への入口温度として100℃に制御された蒸気を冷媒として用いた還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
実施例1の射出プレス成形時のシリンダー温度を260℃とした以外は、実施例1と同様に行った。
[参考例3]
実施例1の酢酸カルシウム1水和物を、炭酸セシウムに変更し、モル比率でISB/CHDM/DPC/炭酸セシウム=0.69/0.31/1.00/1.0×10−6に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
ISBとCHDM、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/2.5×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
実施例1のポリカーボネート樹脂を「NOVAREX 7022R」に変更して、シリンダー温度300℃、ホットランナー温度300℃、金型温度80℃、射出速度50mm/秒、保圧20MPa、保圧時間1秒、冷却時間30秒、型開距離2mm、型締め圧力700トン、再型締め時間15秒で成形プレートを成形した。
Claims (13)
- 構造の一部に下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を少なくとも含む樹脂を含んでなり、
全ジヒドロキシ化合物に対する構造の一部に下記一般式(2)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が30〜80モル%であり、
前記樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式炭化水素のジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位をさらに含み、
長周期型周期表第2族の金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物を含有し、
該金属化合物の含有量が金属量として20重量ppm以下であり、
樹脂中のナトリウム、カリウム及びセシウムの化合物の合計量が、金属量として、1重量ppm以下であり、
樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から、シリンダー温度200〜300℃、金型温度40〜120℃で射出成形された成形体(厚さ3mm)の最大位相差(ReMAX)との間に下記(I)式の関係を有することを特徴とする樹脂組成物。
ReMAX≦―0.006Mn1+350 (I)
- 前記長周期型周期表第2族の金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物がマグネシウム化合物及びカルシウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 芳香族モノヒドロキシ化合物700重量ppm以下を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 芳香環に結合したHのモル数を(A)、芳香環以外に結合したHのモル数を(B)とした場合に、A/(A+B)≦0.05 であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂の数平均分子量(Mn1)と該樹脂を含む樹脂組成物から成形された成形体の数平均分子量(Mn2)の変化率が10%以内であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の波長350nmにおける光線透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の波長320nmにおける光線透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物から成形された樹脂成形体(厚さ3mm)の初期のイエローインデックス値と、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値との差の絶対値が6以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする樹脂成形体。
- 前記射出成形が、射出プレス成形であることを特徴とする請求項11に記載の樹脂成形体。
- 最大投影面積が500〜50,000cm2であることを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
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