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JP5651327B2 - ガラス溶着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス部材同士を溶着してガラス溶着体を製造するガラス溶着方法に関する。
上記技術分野における従来のガラス溶着方法として、レーザ光吸収性顔料を含むガラス層を、溶着予定領域に沿うように一方のガラス部材に焼き付けた後、そのガラス部材にガラス層を介して他方のガラス部材を重ね合わせ、溶着予定領域に沿ってレーザ光を照射することにより、一方のガラス部材と他方のガラス部材とを溶着する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2006−524419号公報
しかしながら、レーザ光の照射によってガラス部材同士を溶着すると、ガラス部材にクラックが生じる場合があった。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性の高いガラス溶着体を製造することができるガラス溶着方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、レーザ光の照射によるガラス部材同士の溶着においてガラス部材にクラックが生じるのは、図11に示されるように、レーザ光の照射時にガラス層の温度が融点Tmを超えるとガラス層のレーザ光吸収率が急激に高くなることに起因していることを突き止めた。つまり、ガラス部材同士の間に配置されたガラス層においては、ガラスフリットの粒子性等によって、レーザ光吸収性顔料の吸収特性を上回る光散乱が起こり、レーザ光吸収率が低い状態となっている(例えば、可視光下において白っぽく見える)。そこで、図12に示されるように、ガラス層の温度が融点Tmよりも高く且つ結晶化温度Tcよりも低い温度TpとなるようにレーザパワーPでレーザ光を照射すると、ガラスフリットの溶融によって粒子性が崩れるなどして、レーザ光吸収性顔料の吸収特性が顕著に現れ、ガラス層のレーザ光吸収率が急激に高くなる(例えば、可視光下において黒っぽく或いは緑っぽく見える)。これにより、ガラス層において想定以上のレーザ光の吸収が起こり、入熱過多によるヒートショックでガラス部材にクラックが生じるのである。
本発明者は、この知見に基づいて更に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明に係るガラス溶着方法は、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するガラス溶着方法であって、レーザ光吸収材及びガラス粉を含むガラス層を、溶着予定領域に沿うように第1のガラス部材に配置する工程と、第1のガラス部材にガラス層を介して第2のガラス部材が重ね合わせられた状態で、第1の入熱量を有する第1のレーザ光を溶着予定領域に沿って照射することによりガラス層を溶融させ、第1のレーザ光の進行方向と交差する方向におけるガラス層の溶融率が所定値を越えたときに、第1の入熱量から第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量に切り替えて、第2の入熱量を有する第1のレーザ光を溶着予定領域に沿って照射することによりガラス層を溶融させ、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する工程と、を含むことを特徴とする。
このガラス溶着方法では、溶着予定領域に沿って第1のレーザ光を照射してガラス層を溶融させる際、第1の入熱量を有する第1のレーザ光を溶着予定領域に沿って照射することによりガラス層を溶融させ、第1のレーザ光の進行方向と交差する方向におけるガラス層の溶融率が所定値を越えたときに入熱量を切り替えて、第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量を有する第1のレーザ光を溶着予定領域に沿って照射することにより、ガラス層を溶融させ、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する。このガラス層の溶融時には、ガラス層の溶融率が所定値を越えるとガラス層のレーザ光吸収率が急激に高くなるが、それ以降、第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量を有する第1のレーザ光を照射するようにしているため、ガラス層が入熱過多の状態となることが抑止される。このような入熱量の切替えにより、第1のレーザ光の照射によって第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着しても、ガラス部材にクラックが生じるなど、ガラス部材が破損するのを防止することができる。従って、このガラス溶着方法によれば、第1のガラス部材及び第2のガラス部材にクラックが生じるのを防止して、信頼性の高いガラス溶着体を製造することが可能となる。なお、「入熱量」とは、第1のレーザ光がその照射領域で有するエネルギ密度である。また、「ガラス層の溶融率」とは、第1のレーザ光の進行方向と交差する方向において、「ガラス層の溶融部分の幅」が「ガラス層の全幅」に占める割合である。
本発明に係るガラス溶着方法においては、第1のレーザ光の照射パワーを低下させることにより、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えることが好ましい。この場合、照射パワーの低下により入熱量の切替えを行っているため、第1の入熱量から第2の入熱量へ確実に切り替えることが可能となる。
本発明に係るガラス溶着方法においては、ガラス層に対する第1のレーザ光の進行速度を上昇させることにより、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えることが好ましい。この場合、第1のレーザ光の進行速度の上昇により入熱量の切替えを行っているため、第1の入熱量から第2の入熱量へ確実に切り替えることが可能となる。しかも、進行速度を上昇させて切替えを行うことから、ガラス層の定着に要する時間を短縮化させることが可能となる。なお、「ガラス層に対する第1のレーザ光の進行速度」とは、第1のレーザ光の相対的な進行速度を意味し、第1のレーザ光が固定されてガラス層が移動する場合、ガラス層が固定されて第1のレーザ光が移動する場合、第1のレーザ光及びガラス層のそれぞれが移動する場合を含む。
本発明に係るガラス溶着方法においては、第1のレーザ光の照射開始から所定時間経過したときに、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えることが好ましい。この場合、予め求められた所定時間を制御するといった簡易な方法で第1の入熱量から第2の入熱量に容易に切り替えることが可能となる。しかも、同じ構成のガラス層の場合、第1のレーザ光の照射条件が同一であれば、所定時間を略同一とすることができるため、同じ構成のガラス層を連続して又は同時に複数溶融させることが容易に行え、製造効率を向上させることが可能となる。
本発明に係るガラス溶着方法においては、ガラス層から放射される熱輻射光の強度が所定値まで上昇したときに、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えることが好ましい。この場合、ガラス層の溶融率が上昇するにつれて漸増するといった関連性を有する熱輻射光の強度を検出することで、入熱量の切替えを正確に行うことが可能となる。
本発明に係るガラス溶着方法においては、ガラス層で反射された第1のレーザ光の反射光の強度が所定値まで低下したときに、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えることが好ましい。この場合、ガラス層の溶融率が上昇するにつれて漸減するといった関連性を有する反射光の強度を検出することで、入熱量の切替えを正確に行うことが可能となる。
本発明によれば、信頼性の高いガラス溶着体を製造することができる。
本発明に係るガラス溶着方法の一実施形態によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法を説明するための断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法を説明するための断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法を説明するための平面図である。 レーザ照射における温度分布を示す図である。 レーザ光の照射条件の切替えタイミングを示す図である。 レーザ光の照射条件の別の切替えタイミングを示す図である。 レーザ光の照射条件の別の切替えタイミングを示す図である。 ガラス層の温度とレーザ光吸収率との関係を示すグラフである。 レーザパワーとガラス層の温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係るガラス溶着方法の一実施形態によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。図1に示されるように、ガラス溶着体1は、溶着予定領域Rに沿って形成されたガラス層3を介して、ガラス部材(第1のガラス部材)4とガラス部材(第2のガラス部材)5とが溶着されたものである。ガラス部材4,5は、例えば、無アルカリガラスからなる厚さ0.7mmの矩形板状の部材であり、溶着予定領域Rは、ガラス部材4,5の外縁に沿って矩形環状に設定されている。ガラス層3は、例えば、低融点ガラス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等)からなり、溶着予定領域Rに沿って矩形環状に形成されている。
次に、上述したガラス溶着体1を製造するためのガラス溶着方法について説明する。
まず、図2に示されるように、ディスペンサやスクリーン印刷等によってフリットペーストを塗布することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス部材4の表面4aにペースト層6を形成する。フリットペーストは、例えば、低融点ガラス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等)からなる粉末状のガラスフリット(ガラス粉)2、酸化鉄等の無機顔料であるレーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)、酢酸アミル等である有機溶剤、及びガラスの軟化点温度以下で熱分解する樹脂成分(アクリル等)であるバインダを混練したものである。フリットペーストは、レーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)が予め添加された低融点ガラスを粉末状にしたガラスフリット(ガラス粉)、有機溶剤、及びバインダを混練したものであってもよい。つまり、ペースト層6は、ガラスフリット2、レーザ光吸収性顔料、有機溶剤及びバインダを含んでいる。
続いて、ペースト層6を乾燥させて有機溶剤を除去し、更に、ペースト層6を加熱してバインダを除去することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス部材4の表面4aにガラス層3を固着させる。なお、ガラス部材4の表面4aに固着したガラス層3は、ガラスフリット2の粒子性等によって、レーザ光吸収性顔料の吸収特性を上回る光散乱が起こり、レーザ光吸収率が低い状態となっている(例えば、可視光下において白っぽく見える)。
続いて、図3に示されるように、ガラス層3が固着したガラス部材4に対し、ガラス層3を介してガラス部材5を重ね合わせる。そして、図4〜図6に示されるように、ガラス層3の溶着予定領域Rにおける照射開始位置Aに集光スポットを合わせて、レーザ光(第1のレーザ光)L1の照射を開始し、溶着予定領域Rに沿って図示矢印の進行方向に向かって照射を進める。
ところで、レーザ光L1は、図7に示されるように、幅方向(レーザ光L1の進行方向と略直交する方向)の中央部の温度が高く両端部に向かって温度が低くなる温度分布を有している。このため、図6に示されるように、ガラス層3の溶融率(レーザ光L1の進行方向と略直交する方向において、ガラス層3の溶融部分の幅がガラス層3の全幅に占める割合)が略ゼロである照射開始位置Aから溶融率が徐々に上昇して、溶融率が100%近い安定領域となる安定領域開始位置Bまでは所定の距離があり、照射開始位置Aから安定領域開始位置Bまでは、ガラス層3の溶融が幅方向の一部で行われる不安定領域となっている。
この不安定領域では、ガラス層3の溶融が幅方向全体にわたって為されていないため、レーザ光吸収率が完全には高くなっていない。そこで、図8に示されるように、レーザ光L1は、安定領域のガラス層3に照射した場合に結晶化してしまうような強い照射条件、例えば、レーザ光L1の照射パワーが10Wといった第1の入熱量で照射を開始する。なお、入熱量とは、次の数式(1)で表わすことができ、本実施形態においては、進行速度やスポット径は一定となっているため、照射パワーによって入熱量が変化するようになっている。
入熱量(J/mm)=パワー密度(J・S/mm)÷進行速度(S)・・・(1)
その後、安定領域開始位置Bへ至ってガラス層3が幅方向全体にわたって溶融する安定領域となると、ガラス層3の温度が幅方向にわたって融点Tm以上となり、ガラスフリット2の溶融によって粒子性が崩れるなどして、レーザ光吸収性顔料の吸収特性が顕著に現れ、ガラス層3のレーザ光吸収率が幅方向全体にわたって急激に高くなり、溶融率が100%近くなる(例えば、可視光下において黒っぽく或いは緑っぽく見える)。これにより、ガラス層3において想定以上のレーザ光L1の吸収が起こり、ガラス層3への入熱が過多となる。
そこで、図8に示されるように、ガラス層3の溶融率が100%近くなる所定時間Xを経過した後(若しくはその直前)、すなわちガラス層3が幅方向全体において融点Tmを超えてレーザ光吸収率が急激に高くなった直後、レーザ光L1の照射パワーを照射パワー10Wから照射パワー8Wに低下させる切替えを行い、照射パワー10Wの第1の入熱量から照射パワー8Wの第2の入熱量へと入熱量の切替えを行う。本実施形態では、所定時間Xをガラス層3の構成毎に事前に求めており、予め求められた所定時間Xを制御するといった簡易な方法で第1の入熱量から第2の入熱量へと切り替えている。また、同じ構成のガラス層の場合、同じ入熱量に対しては略同一の溶融度合となるため、レーザ光L1の照射条件が同一であれば、所定時間Xを略同一とすることができる。
その後、第2の入熱量である照射パワー8Wでレーザ照射を行い、溶着予定領域Rに沿って照射開始位置Aに戻るまで、レーザ光L1によるガラス層3への照射を続け、ガラス部材4とガラス部材5との溶着を終了させる。これにより、ガラス層3及びその周辺部分(ガラス部材4,5の表面4a,5a部分)が溶融・再固化し、ガラス部材4とガラス部材5とが溶着されて(溶着においては、ガラス層3が溶融し、ガラス部材4,5が溶融しない場合もある)、ガラス溶着体1が製造される。なお、必要に応じて、不安定領域にレーザ光L1を再照射して安定領域とするように、レーザ照射をオーバラップさせてもよい。
このような入熱量を切り替える制御を行ってガラス部材4とガラス部材5との溶着を行うことにより、ガラス層3の過剰加熱が抑制され、ガラス部材4,5におけるヒートクラックの発生が防止される。なお、溶着後のガラス層3は、ガラスフリット2の溶融によって粒子性が崩れるなどして、レーザ光吸収性顔料の吸収特性が顕著に現れ、レーザ光吸収率が高い状態となる(例えば、可視光下において黒っぽく或いは緑っぽく見える)。
以上説明したように、ガラス溶着体1を製造するためのガラス溶着方法においては、溶着予定領域Rに沿ってレーザ光L1を照射してガラス層3を溶融させる際、第1の入熱量を有するレーザ光L1を溶着予定領域Rに沿って照射することによりガラス層3を溶融させ、レーザ光L1の進行方向と略直交する方向におけるガラス層3の溶融率が100%近くなった際に入熱量を切り替えて、第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量を有するレーザ光L1を溶着予定領域Rに沿って照射することにより、ガラス層3を溶融させ、ガラス部材4とガラス部材5とを溶着する。このガラス層3の溶融時には、ガラス層3の溶融率が100%近くになるとガラス層3のレーザ光吸収率が急激に高くなるが、それ以降、第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量を有するレーザ光L1を照射するようにしているため、ガラス層3が入熱過多の状態となることが抑止される。このような入熱量の切替えにより、レーザ光L1の照射によってガラス部材4とガラス部材5とを溶着しても、ガラス部材4,5にクラックが生じるなど、ガラス部材4,5が破損するのを防止することができる。従って、このガラス溶着方法によれば、ガラス部材4,5の破損を防止して、信頼性の高いガラス溶着体1を製造することが可能となる。
また、上述したガラス溶着方法においては、レーザ光L1の照射パワーを低下させることにより、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えている。このような照射パワーの低下により入熱量の切替えを行っているため、第1の入熱量から第2の入熱量へ確実に切り替えることが可能となる。
また、上述したガラス溶着方法においては、レーザ光L1の照射開始から所定時間Xを経過したときに溶融率が100%近くなり、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えている。このため、予め求められた、溶融率が100%近くなる所定時間Xを制御するといった簡易な方法で第1の入熱量から第2の入熱量に容易に切り替えることが可能となる。しかも、同じ構成のガラス層の場合、レーザ光L1の照射条件が同一であれば、所定時間Xを略同一とすることができるため、同じ構成のガラス層3を連続して又は同時に複数溶融させることが容易に行え、複数のガラス溶着体1を製造する際の製造効率を大幅に向上させることが可能となる。
ところで、有機ELパッケージ等においては、容器自体が小型であるため、より薄型化されたガラス部材4,5が使用されることから、ガラス部材4,5の材料としては、割れを生じ難くすべく低膨張ガラスが選択されることが多い。このとき、ガラス層3の線膨張係数をガラス部材4,5の線膨張係数と合わせるために(すなわち、ガラス層3の線膨張係数を低くするために)、セラミックス等からなるフィラーをガラス層3に多量に含有させる。ガラス層3にフィラーを多量に含有させると、レーザ光L1の照射の前後でガラス層3のレーザ光吸収率がより一層大きく変化することになる。従って、上述したガラス溶着方法は、ガラス部材4,5の材料として低膨張ガラスを選択する場合に、特に有効である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、レーザ光L1の照射開始位置Aから所定時間Xを経過したときに溶融率が100%近くなり、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えるようにしているが、図9に示されるように、ガラス層3から放射される熱輻射光の強度が所定値Qまで上昇したときに、第1の入熱量から第2の入熱量へ切り替えるようにしてもよい。この場合、ガラス層3の溶融率が上昇するにつれて漸増するといった関連性を有する熱輻射光の強度を検出することで、入熱量の切替えを正確に行うことが可能となる。また、図10に示されるように、ガラス層3で反射されたレーザ光L1の反射光の強度が所定値Pまで低下したときに、第1の入熱量から第2の入熱量に切り替えるようにしてもよい。この場合、ガラス層3の溶融率が上昇するにつれて漸減するといった関連性を有する反射光の強度を検出することで、入熱量の切替えを正確に行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、レーザ光L1の照射パワーを変更することによりガラス層3への入熱量を制御するようにしていたが、上述した数式(1)で示されるように、レーザ光L1の照射パワーを一定として、レーザ光L1の相対的な照射速度(つまり、レーザ光L1のガラス層3に対する進行速度)を上昇させることによりガラス層3への入熱量の切替えを行うようにしてもよい。この場合、レーザ光L1の進行速度の上昇により入熱量の切替えを行っているため、第1の入熱量から第2の入熱量へ確実に切り替えることが可能となる。しかも、進行速度を上昇させて切替えを行うことから、ガラス部材4とガラス部材5との溶着に要する時間を短縮化させることが可能となる。なお、進行速度を上昇させることで入熱量の切替えを行う場合、速度の加速過程が含まれる場合が多いため、切替えを行うべきタイミング(所定時間Xの経過時、又は熱輻射光若しくは反射光の強度が所定値)になる前に進行速度の切替え制御を開始して、実際に切替えを行うべきタイミングには切替えが完了していることが、ガラス層3の結晶化抑止の観点からは好ましい。
また、上記実施形態では、固定されたガラス部材4,5に対してレーザ光L1を進行させるようにしているが、レーザ光L1が各ガラス部材4,5に対して相対的に進行すればよく、レーザ光L1を固定してガラス部材4,5を移動させるようにしてもよいし、ガラス部材4,5とレーザ光L1とをそれぞれ移動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、溶融率が100%といった所定値の際に入熱量の切替えを行っているが、ガラス層3が適切に溶融していれば、例えば溶融率が90%といった所定値の際に入熱量の切替えを行って、ガラス層3の結晶化を確実に抑止させるようにしてもよい。なお、溶融率が低いうちに入熱量を切替えると、切替えた後のレーザ光の吸収率が不十分となり、ガラス層の溶融処理を維持することができなくなるおそれがあることから、入熱量の切替えを行うための溶融率の所定値は80%が好ましい。
また、レーザ光L1の照射は、ガラス部材4側から行ってもよいし、ガラス部材4の反対側から行ってもよい。
1…ガラス溶着体、2…ガラスフリット(ガラス粉)、3…ガラス層、4…ガラス部材(第1のガラス部材)、5…ガラス部材(第2のガラス部材)、A…照射開始位置、B…安定領域開始位置、R…溶着予定領域、L1…レーザ光(第1のレーザ光)。

Claims (6)

  1. 第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するガラス溶着方法であって、
    レーザ光吸収材及びガラス粉を含むガラス層を、溶着予定領域に沿うように前記第1のガラス部材に配置する工程と、
    前記第1のガラス部材に前記ガラス層を介して前記第2のガラス部材が重ね合わせられた状態で、第1の入熱量を有する第1のレーザ光を前記溶着予定領域に沿って照射することにより前記ガラス層を溶融させ、前記第1のレーザ光の進行方向と交差する方向における前記ガラス層の溶融率が所定値を越えたときに、前記第1の入熱量から前記第1の入熱量よりも少ない第2の入熱量に切り替えて、前記第2の入熱量を有する前記第1のレーザ光を前記溶着予定領域に沿って照射することにより前記ガラス層を溶融させ、前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材とを溶着する工程と、を含むことを特徴とするガラス溶着方法。
  2. 前記第1のレーザ光の照射パワーを低下させることにより、前記第1の入熱量から前記第2の入熱量に切り替えることを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
  3. 前記ガラス層に対する前記第1のレーザ光の進行速度を上昇させることにより、前記第1の入熱量から前記第2の入熱量に切り替えることを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
  4. 前記第1のレーザ光の照射開始から所定時間経過したときに、前記第1の入熱量から前記第2の入熱量に切り替えることを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
  5. 前記ガラス層から放射される熱輻射光の強度が所定値まで上昇したときに、前記第1の入熱量から前記第2の入熱量に切り替えることを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
  6. 前記ガラス層で反射された前記第1のレーザ光の反射光の強度が所定値まで低下したときに、前記第1の入熱量から前記第2の入熱量に切り替えることを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
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