JP5650093B2 - 燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記実情を鑑みて鋭意研究した結果成し遂げられたものであり、優れた触媒活性及び耐久性を併せ持つ燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒は、白金微粒子、金属酸化物、及び炭素材料を含有する、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒であって、前記炭素材料が、その表面に、前記白金微粒子、及び、前記金属酸化物を含み且つ当該白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層を備え、前記白金微粒子中の白金原子と前記炭素材料の表面とが電気的に接触していることにより、前記金属酸化物層は、前記炭素材料の表面と前記複合触媒の表面との間に前記白金微粒子を介した導電チャンネルを少なくとも1つ備え、前記導電チャンネル内で、前記白金微粒子中の白金原子と前記金属酸化物とが結合を有することを特徴とする。
しかし、公知文献(U.Diebold.et.al,Surf.Sci.,331,845−854,109(1995))に記載されているような金属酸化物上の白金が3次元成長することに関する知見や、白金とチタニア等の金属酸化物との間には通常相互作用がないという知見等から、金属酸化物をコアとした白金シェルの形成は極めて困難であり、また、仮に白金シェルが形成できたとしても、活性及び耐久性はいずれも低いと考えられる。
上記特許文献1の明細書の段落[0061]には、白金シェルの厚みが3nmのAg/Pt粒子が開示されている(実施例1)。しかし、3nmの厚さでは、触媒活性の観点からも、また、製造コストの観点からも、コア/シェル構造を採用する利点は極めて小さいと考えられる。さらに、上記特許文献1に記載されたプラズマ被覆等の方法では、単原子層レベル(単原子層=0.23nm)の厚みの白金シェルを達成することは極めて困難である。
本発明に用いられる白金微粒子は、炭素材料の表面に存在する。ここで、白金微粒子が炭素材料の表面に存在するとは、白金微粒子の表面と炭素材料の表面とが接触していることを意味し、白金微粒子が炭素材料表面に担持されている態様を含む。
また、導電チャンネル内において、白金微粒子中の白金原子と金属酸化物層中の金属酸化物とが結合を有する。当該結合については後に詳述する。
金属−半導体接合モデルによる電荷移動に関する公知文献(T,Ioannides et al.Journal of Catalysis 161,560−569(1996))には、金属酸化物上の金属粒子の径が2nm以下であれば、0.5電子/(metal atom)の電荷移動が生じ、結果として金属粒子全体に影響を及ぼす旨の記載がある。したがって、本発明に用いられる白金微粒子の平均粒径は、金属酸化物と結合した白金原子を含む観点から、2.0nm以下であることが好ましい。
一方、白金原子の有効半径は1.39Åである(国立天文台編、「理科年表 平成20年」、丸善株式会社、486ページ)。したがって、当該有効半径から鑑みて、本発明に用いられる白金微粒子の平均粒径の下限は0.25nmである。
X線小角散乱(Small angle X−ray scattering:以下、SAXSと称する場合がある。)測定により測定される平均粒径が1.5nm以下の場合に、後述する電子供与の効果(SMSI効果)がより明確に確認できるという観点から、本発明に用いられる白金微粒子の平均粒径は0.50〜1.5nmであることがより好ましく、1.0〜1.5nmであることがさらに好ましい。
粒子の平均粒径は、例えば、SAXS測定により求めることができる。SAXS測定条件としては、例えば、X線回折装置(リガク製、型番:RINT−2500等)を用いて、X線出力を50kV、300mA等とし、ターゲットに銅を用い、大気中で測定する条件等が挙げられる。
粒子の平均粒径の算出方法の他の例は以下の通りである。まず、400,000倍又は1,000,000倍の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;以下、TEMと称する。)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察による粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
本発明に用いられる金属酸化物は、炭素材料の表面に金属酸化物層として存在する。
本発明に用いられる金属酸化物層は、炭素材料の一部の表面を被覆することが好ましく、炭素材料の全表面を完全に被覆しないことが好ましい。上述したように、複合触媒の導電性を司る炭素材料を金属酸化物層により完全に被覆してしまうと、電子伝導に支障が生じるおそれがあるからである。
炭素材料に対する金属酸化物層の被覆率は、20〜99%であることが好ましい。炭素材料に対する金属酸化物層の被覆率が20%未満であるとすると、金属酸化物層の割合が少なすぎるため白金微粒子も少ないことになる。したがって、相対的に、複合触媒中の炭素材料の割合が増え、白金担持率が下がる。すると、膜・電極接合体を作製する際に、白金量を増やすため当該複合触媒を多く用いる結果、触媒層が厚くなり、触媒層中の酸素拡散が低下して、燃料電池の放電性能が下がるおそれがある。一方、炭素材料に対する金属酸化物層の被覆率が99%を超えるとすると、炭素材料表面が金属酸化物層で完全に覆い尽くされる結果、複合触媒間、及び、複合触媒と燃料電池内部の他の部材との間の導電性が維持できなくなるおそれがある。
白金触媒を用いる燃料電池の出力性能には、白金のECSAが強く影響する。燃料電池には、その用途にもよるが、一般的に、100m2−Pt/m2−MEA以上の白金の表面積が必要とされる。用いる白金の量や、用いるアイオノマの種類及び量にもよるが、仮に0.1mg−Pt/cm2−MEAの目付けとする場合、白金のECSAは100m2/g−Pt以上必要となる。白金微粒子の平均粒径が例えば1.5nm以下である場合には、ECSAは約200m2/g−Ptである。白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層の厚みが0.6nmを超える場合には、酸素還元反応に関与できるECSAは100m2/g−Pt未満となってしまう。
金属酸化物層の厚さは、0.2〜0.6nmであることが好ましい。金属酸化物層の厚さが0.6nmを超える場合には、上述した白金微粒子の平均粒径との関係から、白金微粒子が金属酸化物層に埋もれすぎてしまい、白金のECSAが十分確保できなくなるおそれがある。また、金属酸化物層の厚さが0.2nm未満である場合には、金属酸化物の種類にもよるが、そもそも金属酸化物が化合物として存在できなくなるおそれがある。金属酸化物層の厚さは、0.3〜0.6nmであることがより好ましく、0.4〜0.6nmであることがさらに好ましい。同様の観点から、金属酸化物層の厚さは、単原子層以上、4原子層以下であることが好ましい。
導電チャンネル内において、白金微粒子中の白金原子と、金属酸化物層中の金属酸化物とは結合を有する。
金属酸化物上において白金層を形成した例として、上述したU.Dieboldらの報告が知られている。しかし、白金とチタン自身との結合は、必ずしも強いものではない。
本発明においては、Strong Metal Support Interaction(以下、SMSIと称する。)効果を発現し、白金の比活性と耐久性がいずれも向上できるという観点から、金属酸化物の一部から酸素が部分的に除去された部分、いわゆる金属酸化物の酸素欠陥と、白金原子とが結合を有することが好ましい。
チタン−水系の、25℃におけるpH−電位線図を参照すると分かるように、燃料電池の通常の運転環境におけるpH−電位条件(pH=0〜2、電位=0.4〜1.2V)下においては、チタンは酸化チタン(IV)(TiO2)の状態で存在する。したがって、TiO2を金属酸化物層に用いて製造した複合触媒については、燃料電池の通常の運転環境において金属酸化物層が溶出するおそれはない。スズ−水系、ニオブ−水系、及びタンタル−水系の、25℃におけるpH−電位線図についても同様である。すなわち、酸化スズ(IV)(SnO2)、酸化ニオブ(V)(Nb2O5)、又は酸化タンタル(V)(Ta2O5)を金属酸化物層に用いて製造した複合触媒についても、燃料電池の通常の運転環境においては、金属酸化物層が溶出するおそれはない。
以上より、本発明に用いられる金属酸化物は、Ti、Sn、Nb、又はTaを含むことが好ましい。金属酸化物は、これらの元素の内1つのみを含むものであってもよいし、2以上含むものであってもよい。これらの元素を2以上含む例としては、TiNbが挙げられる。
また、本発明に用いられる金属酸化物は、TiO2、SnO2、Nb2O5、又はTa2O5であることが好ましい。特にTiO2、SnO2、Nb2O5及びTa2O5は、イオン性の化合物である。したがって、TiO2、SnO2、Nb2O5及びTa2O5は、それぞれの結晶表面及び結晶内部にイオン性の酸素欠陥を生じさせ、生じた酸素欠陥と白金原子とが結合することにより高い触媒能を発現することができる。本発明に用いられる金属酸化物層は、これら4種類の金属酸化物の内1種類のみを含むものであってもよいし、2種類以上含むものであってもよい。
以上より、本発明に用いられる金属酸化物は、Ti又はSnを含むことがさらに好ましい。また、本発明に用いられる金属酸化物は、TiO2又はSnO2であることがさらに好ましい。
特に、本発明に用いられる金属酸化物としてTiO2を選択することは、Pdを含む従来の触媒よりもコスト面で大幅に有利である(Pd:700〜1000円/g、TiO2:100円/kg)。
SMSI理論に基づくメカニズムによると、以下のことが分かる。すなわち、白金原子と結合を有するチタン原子は、通常、部分還元された不安定な価数の金属カチオン(Ti3+等)として存在する。Ti3+等の不安定な価数のカチオンは、通常、より安定な高い価数のカチオン(Ti4+)へと価数変化するため、結合先の白金へ電子を供給する。当該電子供与により、白金はゼロ価数の金属状態を保ちやすく、たとえ酸化されたとしても、低い不安定な価数の金属カチオン(Ti3+等)から電子が供給されることにより再びゼロ価に戻ると考えられる。
以上の原理より、金属酸化物の酸素欠陥と結合した白金原子は、通常のバルク白金と比較して、気相中から吸着した酸素との結合が弱いと推定される。したがって、白金原子に吸着した酸素は酸化物イオン(O2−)となりやすく、当該酸化物イオンはプロトン(H+)と結合を形成することにより、水(H2O)として容易に白金から脱離する。
このように、本発明に係る複合触媒は、特に、燃料電池のカソード極等で起こる酸素の還元反応を促進させる触媒活性が、従来の白金触媒と比較して格段に高いと考えられる。
下記表1は、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)、又はタンタル(Ta)の価数変化に伴う、SMSI理論に基づく白金の活性の順位(以下、SMSI順位と称する)、及び、第一原理計算結果に基づく白金の活性の順位(以下、第一原理計算順位と称する)をまとめた表である。なお、下記表1のSMSI順位は、X線光電子分光(X−ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)の電子束縛エネルギー(Eb値)の差から、安定性について順位をつけたものである。また、スズの第一原理計算は実施しなかったものの、実験による白金の比活性は、チタンを用いたときの方が、スズを用いたときよりも大きい。
炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、活性炭、メゾフェースカーボン、黒鉛、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理した活性炭;グラファイト化カーボン等のカーボンを主成分とするもの、カーボン繊維、多孔質カーボン微粒子、カーボンナノチューブ、カーボン多孔質体等を使用することができる。BET比表面積は、100〜2000m2/gであることが好ましく、より好ましくは200〜1600m2/gである。この範囲であれば、白金微粒子を高分散担持することができる。特に本発明においては、炭素材料として、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、活性炭、メゾフェースカーボン、黒鉛等のカーボンブラックを用いることが好ましい。これらの炭素材料は、白金微粒子を高分散担持することができるため、高い活性を有する複合触媒が得られる。
これらのカーボン担体は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、パラジウム等の貴金属をコアに用いたコア/シェル構造においては、白金は最表層の1〜3原子層に過ぎないため、白金1g当りの表面積は大きい。しかし、コスト面では内部の貴金属分も考慮しなければならず、白金微粒子と同様に平均粒径を大きくすることには限界がある。パラジウムコアを用いたコアシェル触媒の場合は、コスト面を考慮すると、平均粒径は6nm前後が好適であり、十分な耐久性を有する平均粒径10nmの場合には、コア/シェル構造のポテンシャルを十分に発揮できない。
本発明に係る複合触媒の平均粒径は、炭素材料の平均粒径によって決定される。以下、本発明に係る複合触媒を、燃料電池の触媒層に用いる場合を仮定して説明する。実用的な燃料電池用担体カーボン(例えば、ketjenEC、VulcanXC−72等)の平均粒径は、最大でも30nm程度である。したがって、上述した白金微粒子の平均粒径及び金属酸化物層の厚みから鑑みて、本発明に係る複合触媒の平均粒径は30nm程度である。もっとも、平均粒径が30nmを超える炭素材料を用いれば、さらに複合触媒全体の平均粒径を大きくできるが、触媒層の厚みに背反がある。
図1(a)は、本発明に係る複合触媒の典型例100の断面模式図である。本典型例100は、白金微粒子1、金属酸化物からなる金属酸化物層2、及び炭素材料3を含有する。炭素材料3の表面には、白金微粒子1が担持され、且つ、白金微粒子1の周囲を取り巻く金属酸化物層2が形成されている。
図1(b)に示すように、白金微粒子中の白金原子(丸にPtで表す)と炭素材料3の表面とが電気的に接触している。金属酸化物層内には、白金微粒子を介して、炭素材料3の表面と複合触媒の表面とをつなぐ導電チャンネルが形成されている。さらに、導電チャンネル内において、金属酸化物中の金属イオン(丸にMで表す)に通常結合している酸素(丸にOで表す)のうち、少なくとも1つの酸素が部分還元によって取り除かれ、その取り除かれた部分に白金微粒子中の白金原子が配置されて、白金原子と金属イオンが隣接して結合を有する。
本発明の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の製造方法は、白金微粒子、金属酸化物、及び炭素材料を含有する、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の製造方法であって、白金イオン溶液を準備する工程、前記金属酸化物の前駆体溶液を準備する工程、前記金属酸化物の前駆体溶液及び前記炭素材料を混合し、第1の混合液を調製する工程、前記第1の混合液及び前記白金イオン溶液を混合することにより、少なくとも、前記金属酸化物、前記炭素材料、及び白金イオンを含有する第2の混合液を調製する工程、前記第2の混合液に一酸化炭素をバブリングさせる工程、並びに、バブリング後の第2の混合液に還元剤を加え、白金微粒子を前記炭素材料の表面に析出させることにより、前記炭素材料の表面に、前記金属酸化物を含み且つ前記白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層を形成し、且つ、前記金属酸化物層中の、前記炭素材料の表面と前記複合触媒の表面との間に、前記白金微粒子を介した導電チャンネルを少なくとも1つ形成し、且つ、前記導電チャンネル内で、前記白金原子と前記金属酸化物との結合を形成する還元工程を有することを特徴とする。
以下、上記工程(1)〜(6)並びにその他の工程について、順に説明する。
本製造方法に用いられる白金イオン溶液は特に限定されないが、後述する金属酸化物の前駆体溶液の液性に合わせてpHを調整してもよい。すなわち、金属酸化物の前駆体溶液が酸性であれば、白金イオン溶液は予め酸性(pH:1〜5程度)としてもよい。また、金属酸化物の前駆体溶液が塩基性であれば、白金イオン溶液は予め塩基性(pH:9〜13程度)としてもよい。このように、金属酸化物の前駆体溶液の液性と白金イオン溶液の液性とを一致させることで、白金微粒子や金属酸化物の凝集を抑制できる。金属酸化物の前駆体溶液の液性と白金イオン溶液の液性とが異なると、中和熱により白金微粒子や金属酸化物の凝集が生じる場合がある。白金イオン溶液は予め調製したものを用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。
白金イオン溶液中の白金イオン濃度は、製造する複合触媒中の白金量を予め計算した上で調整することが好ましい。
本工程の典型例は以下の通りである。すなわち、白金錯体の結晶を所望のpHの水溶液に溶解させ、白金イオン溶液を準備する。本工程に使用できる白金錯体としては、例えば、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸(H2[Pt(OH)6])、塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)、テトラヒドロキシ白金(IV)酸(H2[Pt(OH)4])、塩化白金(IV)酸(H2[PtCl4])等が挙げられる。
本製造方法に用いられる金属酸化物の前駆体とは、本製造方法中のいずれかの工程において、金属酸化物へと変換される化合物を指す。金属酸化物の前駆体の例としては、当該金属酸化物に含まれる金属イオンを含む塩等が挙げられる。当該金属イオンを含む塩は、加水分解により金属酸化物へと変換することができる。
金属酸化物の前駆体溶液は、白金イオン溶液と混合することにより金属酸化物を生成できる溶液であれば、特に限定されない。金属酸化物の前駆体溶液は予め調製したものを用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。
金属酸化物の前駆体溶液中の濃度は、製造する複合触媒中の金属酸化物量を予め計算した上で調整することが好ましい。
本工程の典型例は以下の通りである。すなわち、金属酸化物の前駆体の固体を所望のpHの水溶液に溶解させ、金属酸化物の前駆体溶液を準備する。本工程に使用できる金属酸化物の前駆体の固体は、結晶であってもよく、アモルファスの固体であってもよい。
本工程は、上述した金属酸化物の前駆体溶液、及び炭素材料を混合し、第1の混合液を調製する工程である。
本工程に使用できる炭素材料は、上記「1−3.炭素材料」の項で述べたとおりである。
金属酸化物の前駆体溶液及び炭素材料と共に、第1の混合液に界面活性剤を加えてもよい。界面活性剤を加えることにより、主に炭素材料の分散性を高めることができる。
本工程は、上述した第1の混合液及び白金イオン溶液を混合することにより、少なくとも、金属酸化物、炭素材料、及び白金イオンを含有する第2の混合液を調製する工程である。
本工程においては、第1の混合液と白金イオン溶液との混合速度は、可能な限り遅い方が好ましい。例えば、第1の混合液が酸性であり、白金イオン溶液が塩基性である場合には、混合時に発生した中和熱により、金属酸化物の前駆体、白金イオン、及び炭素材料が凝集するおそれがあるからである。第1の混合液と白金イオン溶液との混合速度を遅くする方法としては、例えば、第1の混合液に、白金イオン溶液をゆっくり滴下する方法、またはその逆に、白金イオン溶液に第1の混合液をゆっくり滴下する方法等が挙げられる。
使用できる塩基としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(NaOH)等及びこれらの水溶液や、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等が挙げられる。これらの塩基は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本工程は、上述した第2の混合液に一酸化炭素をバブリングさせる工程である。
本工程において、白金イオンに一酸化炭素を配位させることにより、白金イオンが互いに凝集することを防ぎ、より粒径の小さい白金微粒子を得ることができる。
一酸化炭素の濃度は特に限定されないが、安全上の観点から、10〜30%程度が好ましい。COバブリング時間は特に限定されないが、生産性の観点から30分間〜2時間程度が好ましい。
本工程は、バブリング後の第2の混合液に還元剤を加え、白金微粒子を炭素材料の表面に析出させることにより、当該炭素材料の表面に、金属酸化物を含み且つ白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層を形成し、且つ、金属酸化物層中の、炭素材料の表面と複合触媒の表面との間に、白金微粒子を介した導電チャンネルを少なくとも1つ形成し、且つ、当該導電チャンネル内で、白金原子と金属酸化物との結合を形成する工程である。
金属酸化物層が炭素材料表面に形成された後に白金微粒子が付着する場合については、いくつかの態様が考えられる。例えば、金属酸化物層同士の隙間の炭素表面上に白金微粒子が付着する態様や、一度形成された金属酸化物層を貫通するように白金微粒子が析出する態様等である。
なお、金属酸化物層が2nm以下と十分に薄い場合には、白金微粒子が炭素材料表面に直接接していなくても、電子の導通は確保できる。
さらに、導電チャンネル内では、白金原子と金属酸化物との結合が形成される。当該結合、特に白金原子と金属酸化物の酸素欠陥との結合については、上記「1−2.金属酸化物」の項で述べたとおりである。
しかし、金属酸化物は非晶性であり且つ表面に多数の官能基、例えば、ペルオキシド基(−OOH)、水酸基(−OH)等を有する。したがって、白金イオンは炭素材料よりも金属酸化物に吸着しやすいため、金属酸化物層が形成された炭素材料表面及び金属酸化物層近傍の炭素材料表面に優先的に白金微粒子が析出すると考えられる。
本工程において、白金微粒子のみが析出し、当該白金微粒子の近傍に金属酸化物層が形成されていない部分は、炭素材料の全表面積のうち5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
本工程においては、還元剤の使用と共に、析出する白金微粒子の分散性を高めるという観点から、COバブリングを行ってもよい。COバブリングに用いられる一酸化炭素の濃度及びCOバブリング時間は、上述した通りである。
還元工程後には、得られた複合触媒のろ過・洗浄、乾燥、粉砕、加熱、酸処理、及び電位処理等を行ってもよい。
複合触媒のろ過・洗浄は、製造された複合触媒の構造を損なうことなく、不純物を除去できる方法であれば特に限定されない。当該ろ過・洗浄の例としては、蒸留水を溶媒にして、ろ紙(Whatman社製、#42)やPTFEメンブレンフィルター(0.25μm)等を用いて吸引ろ過して分離する方法が挙げられる。また、得られたろ過物を、さらに蒸留水や、NH4CO3水溶液等により洗浄してもよい。
複合触媒の乾燥は、溶媒等を除去できる方法であれば特に限定されない。当該乾燥の例としては、60〜100℃の温度条件下、10〜24時間真空乾燥する方法が挙げられる。
複合触媒の粉砕は、固形物を粉砕できる方法であれば特に限定されない。当該粉砕の例としては、乳鉢等を用いた粉砕や、ボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等のメカニカルミリングが挙げられる。
焼成の具体例は下記の通りである。なお、加熱条件は下記のみに限定されない。
雰囲気:不活性ガス(アルゴン等)を30〜120分間パージする。
温度:150〜1000℃、好ましくは200〜900℃
昇温条件:室温から上記温度まで、30〜120分かけて昇温する。
保持条件:上記温度のまま30〜120分間保持する。
図7(a)は、後述する比較例2の製造方法に基づいて、焼成温度500℃、600℃及び700℃の条件でそれぞれ焼成を行った触媒のXRDスペクトルの一部である。図7(a)から分かるように、焼成温度500℃のスペクトルにおける2θ=40°のピーク(Pt(111)を表すピーク)は、焼成温度700℃のスペクトルにおいてはほぼ消失している。一方、図7(a)から、焼成温度500℃のスペクトルにおいては全く現れない2θ=30°のピーク(PtS(002)(101)を表すピーク)は、焼成温度700℃のスペクトルにおいて強い強度で現れることが分かる。これらの結果は、焼成温度を上げることにより、白金の一部がPtSになり、白金が酸化されることを示す。したがって、高温焼成後の触媒について正しい電気化学評価を行うためには、白金の清浄が必要であることが分かる。
電位処理には、通常の電気化学セルが使用できる。電気化学セルには、回転ディスク電極を用いることが好ましい。電気化学セルには、上記酸処理に用いられる酸が使用できる。
図7(b)は、電位掃引範囲0.05〜1.2V(vsRHE)、電位掃引速度100mV/秒で電位を120サイクル掃引した結果を示すサイクリックボルタモグラム(以下、CVと称することがある)である。図7(b)においては、外側のボルタモグラムであるほど、サイクル数がより多いボルタモグラムを表す。図7(b)から分かるように、電位処理を繰り返すことで白金のピークが明確になることが分かる。
なお、白金の清浄が完了した後も上記電位処理を延長して行うと、白金微粒子が溶解するおそれがある。
図2(a)は、第1の混合液(金属酸化物の前駆体溶液及び炭素材料を含む)及び白金イオン溶液を混合した直後の炭素材料表面の構造を示した模式図である。炭素材料3上には、金属イオン(丸にM4+で表す)及び白金イオン(丸にPt4+で表す)が分散している。なお、図の都合上、界面活性剤その他の添加物は省略する。
図2(b)は、第1の混合液及び白金イオン溶液を混合して所定時間経過した後の炭素材料表面の構造を示した模式図である。混合物内のpHにより、金属イオンは金属酸化物(酸素原子を丸にOで表し、金属原子を丸にMで表す)に変換される一方、白金はイオンの状態を保つ。
図2(c)は、COバブリング後の炭素材料表面の構造を示した模式図である。バブリングされたCO(炭素原子を丸にCで表す)が白金に配位し、一時的に白金のカルボニル錯体が生成することにより、白金微粒子同士の凝集が起きにくくなる。
図2(d)は、還元工程後の炭素材料表面の構造を示した模式図である。白金イオンが白金に還元されることにより、図に示すように金属酸化物の酸素欠陥(−O−M)と白金原子(Pt)とが結合し、本発明に係る複合触媒が生成される。
[実施例1]
まず、塩化チタン(IV)溶液(和光純薬工業製、製品番号:203−08955、Ti:16〜17質量%)6.465gを、200mLの超純水に溶解させ、チタン水溶液を調製した。次に、当該水溶液にketjenカーボン粉末を5g、界面活性剤(TritonX−100(商品名、ロシュ製))を蒸留水で1:10に希釈したもの)を数滴、順次加えた。混合物を攪拌しながら、超音波ホモジナイザーで300W、30分間分散させた後、室温まで冷却し、チタン・カーボン分散液を調製した。
一方、ヘキサヒドロキシ白金酸(キャタラー製)の結晶を、塩基性溶液に溶解して、白金イオン溶液(Pt量:4.214g相当、pH:9〜12程度)を調製した。
チタン・カーボン分散液を攪拌しながら、白金イオン溶液82gを滴下ロートでゆっくり少しずつ滴下し、酸化チタン・白金・カーボン分散液を調製した。
COは、COガスキャビネット30に保管されたCOガスボンベ31から供給した。COガスボンベ31は、SUS製ライン32を介して、ドラフト33内のバルブ34と連結した。ドラフトのシャッターを下まで降ろして、シャッターと実験台の間に隙間を空けないようにした。また、ドラフト33にはCO検知器35を設置し、且つ、シャッターの下部に吹き流し36を設けて、ドラフト33からのCOガス漏れに備えた。ガス流量計37の表示を基に、バルブ34によりCOガス流量を適宜調節した。フレキシブルホース等を通じて、COガスをスターラ38上の反応容器39に導入し、反応溶液へのCOバブリングを行った。バブリングを終えたCOは、バブラー40を通じ、ドラフト上方の排気口を経てドラフト外へと排気するようにした。なお、COバブリング中はバブラー40を常に監視し、バブラー40中の気泡に異変が生じた際にはCOガス漏れを警戒するようにした。
得られた酸化チタン・白金・カーボン分散液中に、図8に示す装置を用いて、20%COを60分間バブリングした。
COバブリング後の分散液に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4;以下、SBHと称する場合がある。)1.67gを加え、さらにCOバブリングしながら60分間攪拌した。その後、分散液をPTFEメンブレンフィルター(0.25μm)でろ過し、得られたろ過物を200mLのNH4CO3水溶液(濃度:6.43mg/L)に加え、加熱せずに30分間攪拌した。中和後のろ過物を80℃の超純水で繰り返し洗浄し、得られた固体を1日真空乾燥した。
まず、塩化チタン(IV)溶液(和光純薬工業製、製品番号:203−08955、Ti:16〜17質量%)6.465gを、200mLの超純水に溶解させ、チタン水溶液を調製した。次に、当該水溶液にketjenカーボン粉末を5g、界面活性剤(TritonX−100(商品名、ロシュ製)を蒸留水で1:10に希釈したもの)を数滴、順次加えた。混合物を攪拌しながら、超音波ホモジナイザーで300W、30分間分散させた後、室温まで冷却した。冷却後の混合物に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、混合物のpHを10とした後、さらにSBHを2.0g投入し、24時間攪拌し、チタン・カーボン分散液を調製した。
後は、実施例1と同様に、チタン・カーボン分散液に白金イオン溶液を滴下し、COバブリング、ろ過、洗浄、及び焼成を行い、実施例2の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒を製造した。
[比較例1]
まず、カーボン担持パラジウム粒子粉末(Basf社製、20%Pd/C)を準備した。
次に、Cu−UPD法によりパラジウム粒子上に銅単原子を被覆した。具体的には、まず、カーボン担持パラジウム粒子粉末0.5g、及びナフィオン(商品名)0.2gを水に分散させ、ろ過して得た合剤ペーストを、グラッシーカーボン電極に塗工した。
続いて、電気化学セルに、予め窒素をバブリングさせた0.05mol/L CuSO4と0.05mol/L H2SO4の混合溶液を500mL加えた。次に、当該混合溶液中にグラッシーカーボン電極(作用極)、参照極及び対極を浸した。0.05mV/秒の掃引速度で、0.8V(vsRHE)から0.4V(vsRHE)まで掃引した後、0.4V(vsRHE)で電位を約30分間固定し、パラジウム粒子の表面に銅の単原子層を析出させた。
上記方法で銅単原子層をパラジウム粒子表面に析出させた後、上記グラッシーカーボン電極を、窒素雰囲気下で速やかに白金イオン溶液に浸漬させた。2時間浸漬させ、パラジウム粒子の表面に白金単原子層を析出させ、比較例1の燃料電池用コアシェル触媒を製造した。
まず、1000mLビーカーに、デカン462mL及びAOT20.4068gを加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌した。続いて、攪拌後の溶液に、アナターゼ型結晶性TiO2ゾル(多木化学株式会社製、商品名:タイノックM−6)10gを加え、さらに3時間攪拌し、TiO2微粒子を含む逆ミセルの分散液を得た。
回収した固体をデカン:アルコール=4.3:3.0混合溶液500mLで洗浄し、80℃の温度条件下、18時間真空乾燥した。
・初期条件 室温、アルゴンパージ60分間(Ar:750mL/分、Ar純度:99.9999%)
・昇温条件 室温から700℃まで、120分かけて昇温
・保持条件 700℃のまま60分間保持
焼成後の触媒粉末を80℃精製水で洗浄し、80℃の温度条件下、18時間真空乾燥して、酸化チタン粒子の表面に白金層が析出した、比較例2の燃料電池用コアシェル触媒を製造した。
実施例1−実施例2の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒、及び比較例1−比較例2の燃料電池用コアシェル触媒(以下、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例2の触媒と称する場合がある。)について、触媒中の白金の平均粒径の測定、及び白金担持率の測定を行った。また、実施例1−実施例2の触媒については、TEM観察、及び、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;以下、ESRと称する。)測定を行った。
小角X線散乱(SAXS)測定により、触媒中の白金の平均粒径を測定した。詳細な測定条件は以下の通りである。
・SAXS使用機器
装置:X線回折装置(リガク製、型番:RINT−2500)
ターゲット:Cu(波長 1.541Å)
X線出力:50kV、300mA
光学系:多層膜平行ビーム
検出器:シンチレータ NaI
・SAXS測定条件
ステップ:2θ=0.04°
平均時間/ステップ:5sec
スキャン範囲:2θ=0.08〜8.12°
固定発散スリット:0.03mm
加熱速度、冷却速度:共に無し
雰囲気:大気中
図3から、実施例1及び実施例2の触媒中の白金微粒子は、いずれも、極めて粒径分布が狭く、粒子間の粒径のバラつきが極めて小さいことが分かる。図3から、実施例1及び実施例2の白金粒子の平均粒径はいずれも1.3nmであることが分かる。
触媒中の白金の担持率を測定した。まず、触媒中の白金、チタン等の金属成分を王水に加熱溶解させた。次に、ICP発光分光分析装置(ジャーレルアッシュ製、IRIS ADVANTAGE)を用いて、ICP−発光分光法により試料溶液中の白金量を定量した。
TEM観察により、触媒中のチタンとカーボンの質量比を測定した。詳細な測定条件は以下の通りである。
電界放射型透過電子顕微鏡(日本電子製、型番:JEM−2100F、Cs補正付属)を用いて、加速電圧200kVにて、視野0.25μm×0.25μmの範囲(倍率60万倍、図4(a))又は視野約20nm×20nmの範囲(倍率500万倍、図4(b))で暗視野STEM観察(Scanning Transmission Electron Microscopy、以下、STEMと称する。)を行った。
UTW型Si(Li)半導体検出器(日本電子製)を備えた電界放射型透過電子顕微鏡(日本電子製、型番:JEM−2100F、Cs補正付属)を用いたエネルギー分散型X線分光法(EDS)によるスポット分析を行い、測定点におけるチタンとカーボンの質量比を算出した。
図4(b)中に見られる、直径1nm程度の白い円は白金微粒子を示す。また、図4(b)中に見られる暗い部分は酸化チタンを示す。また、図4(a)及び(b)中に薄く明るく見られる部分は、カーボン担体を示す。図4(a)及び(b)から、酸化チタンの層と白金微粒子が互いに接触していることを確認した。
図4(b)中に示した2つの観測点について、それぞれチタンとカーボンの質量比を測定した。観測点1(図4(b)中の白丸)においては、カーボン(C)に対するチタン(Ti)の質量比(以下、Ti/Cと称する。)は、0.13である。観測点2(図4(b)中の黒丸)においては、Ti/Cは0.10である。これらTi/Cから幾何計算で算出した酸化チタン層の厚みは、観測点1において0.6nmであり、観測点2において0.5nmである。したがって、酸化チタン層の厚みは、2つの観測点の平均をとって0.6nmである。
ESR測定により、触媒中のTi3+カチオンの検出を試みた。詳細な測定条件は以下の通りである。
装置:電子スピン共鳴装置(日本電子製、型番:JEOL FE−3X)
測定温度(T):室温(25℃)
マイクロ波周波数(Fr):9.19GHz
マイクロ波出力(パワー)(Pw):2mW
チャートの中心磁場(Fd):327.5±7.5mT
中心磁場よりの掃引巾(SW):327.5±50mT
磁場掃引時間(ST):2.0min
磁場変調巾(MW):0.2mT
倍率(ゲイン)(G):×1000
タイムコンスタント(TC):0.1s
AD変換のレベル(AC):1
標準試料:Mn2+/MgO
以上より、実施例1及び実施例2の触媒中の、Ti3+カチオンの存在が証明された。
白金・チタン合金粒子、及び、白金がチタンと結合することなく単にTiO2上に乗っているだけの粒子には、通常、Ti3+カチオンそのもの又はTi3+カチオンの痕跡に帰属されるピークは検出されない。したがってこの結果から、実施例1及び実施例2の触媒中に、白金原子とチタン原子との結合が存在することも証明された。
実施例1−実施例2及び比較例1−比較例2の触媒、並びに、白金−コバルト合金をカーボン担体に担持した触媒(PtCo/C、以下、比較例3の触媒と称する。)、平均粒径2.6nmの白金微粒子をカーボン担体に担持した触媒(Pt/C、以下、比較例4の触媒と称する。)、及び平均粒径5.0nmの白金微粒子をカーボン担体に担持した触媒(Pt/C、以下、比較例5の触媒と称する。)について、回転ディスク電極を用いた測定により、触媒性能及び触媒耐久性の評価を行った。
実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒について、回転ディスク電極による測定を行う前に、白金の清浄を目的として電位処理を行った。
図9は、電位処理を行った装置を示す斜視模式図である。
ガラスセル51に過塩素酸水溶液52を加え、さらに触媒のスラリー53が塗布された回転ディスク電極54をセットした。なお、回転ディスク電極54は、回転計55に接続されている。過塩素酸水溶液52中には、回転ディスク電極54の他にも、対極56、参照極57が過塩素酸水溶液52に十分に浸かるように配置されており、これら3つの電極は、デュアル電気化学アナライザーと電気的に接続されている。また、アルゴン導入管58が過塩素酸水溶液52に浸かるように配置されており、セル外部に設置されたアルゴン供給源(図示せず)から一定時間アルゴンが過塩素酸水溶液52に室温下でバブリングされ、過塩素酸水溶液52中にアルゴンが飽和している状態であった。円59はアルゴンの気泡を示す。
装置の詳細は下記の通りである。
・過塩素酸水溶液:0.1mol/L HClO4
・回転ディスク電極:グラッシーカーボンからなる電極
・回転計:北斗電工製、HR−201
・対極:白金電極(北斗電工製)
・参照極:水素電極(KMラボ製)
・デュアル電気化学アナライザー:BAS社製、ALS700C
図9に示した装置により、電位掃引範囲0.05〜1.2V(vsRHE)、電位掃引速度100mV/秒で電位を120サイクル掃引し、白金を活性化させた。
(a)ECSAの算出
実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒について、当該触媒のECSAを算出した。
図9に示した装置により、電位掃引範囲0.05〜1.2V(vsRHE)、電位掃引速度50mV/秒で電位を2サイクル掃引した。2サイクル目のCVよりECSAを算出した。
実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒について電気化学測定を行い、当該微粒子の酸素還元反応(Oxygen reduction reaction;以下、ORRと称する。)活性の指標となる比活性及び質量活性を測定した。
図9に示した装置において、ガラスセル51中の過塩素酸水溶液52中に酸素をバブリングさせながら、電位掃引範囲0.1〜1.05V(vsRHE)、電位掃引速度10mV/秒で電位を2サイクル掃引した。2サイクル目のORR曲線における0.9Vの電流値より活性支配電流(kinetically−controlled current;以下、IKと称する)を算出した。当該IKを上述したECSAで除した値を比活性とし、当該IKをグラッシーカーボン電極上の白金質量で除した値を質量活性とした。
実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒について電気化学測定を行い、耐久性を評価した。電気化学測定の詳細な条件は以下の通りである。
図9に示した装置において、ガラスセル51中の過塩素酸水溶液52中に酸素をバブリングさせながら、0.65/5sec〜1.2V/5secの矩形波の電位サイクルを10,000サイクル(vsRHE)掃引した。10,000サイクル掃引後、上述した「(a)ECSAの算出」の項で説明した方法と同様にCVを行い、ECSAを算出した。
10,000サイクル掃引後のCVより算出したECSAを、上記「(a)ECSAの算出」の項で説明した2サイクル目のCVより算出したECSAで除し、さらに100を乗じた値を、その触媒のECSA維持率(%)とした。
上記表2から分かるように、比較例1のECSAは154m2/gPtであり、質量活性は550A/gPtである。これらの値は、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒中、いずれも最も大きい値である。したがって、比較例1の触媒は、少なくとも、燃料電池の触媒として使用できる白金の表面積及び質量活性については問題がない。
しかし、上記表2から分かるように、比較例1のECSA維持率は40%である。これは、10,000サイクル以上運転した場合に、Pt/Pd微粒子から6割以上の白金表面積が失われることを示す。したがって、比較例1の触媒は、極めて耐久性に劣ることが分かる。
上記表2から分かるように、比較例2の比活性は850μA/cm2であり、ECSA維持率は96%である。これらの値は、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒中、いずれも最も大きい値である。したがって、比較例2の触媒は、少なくとも、比活性及び触媒耐久性については問題がない。
しかし、上記表2から分かるように、比較例2のECSAは33m2/gPtである。この値は、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例5の触媒中、最も小さい値である。したがって、比較例2の触媒は、燃料電池の触媒として使用できる白金の表面積が極めて小さく、実用に適さない。
上記表2から分かるように、比較例3のECSAは60m2/gPtであり、比活性は450μA/cm2であり、質量活性は270A/gPtである。したがって、比較例3の触媒は質量活性に劣り、実用には適さない。
また、比較例3のECSA維持率は70%である。これは、10,000サイクル以上運転した場合に、PtCo微粒子から3割以上の白金表面積が失われることを示す。したがって、比較例3の触媒は耐久性に劣り、実用には適さない。
上記表2から分かるように、比較例4のECSAは86m2/gPtであり、比活性は230μA/cm2であり、質量活性は199A/gPtである。また、比較例5のECSAは56m2/gPtであり、比活性は330μA/cm2であり、質量活性は180A/gPtである。比較例4及び比較例5の比活性は、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例3の比活性と比較して極めて低い。また、比較例4及び比較例5の質量活性は、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例3の比活性と比較して極めて低い。したがって、白金微粒子をカーボン担体に担持した触媒は、比活性及び質量活性に極めて劣ることが分かる。
また、比較例4のECSA維持率は27%である。これは、10,000サイクル以上運転した場合に、7割以上の白金表面積が失われることを示す。したがって、比較例4の触媒はさらに耐久性にも劣ることが分かる。
上記表2から分かるように、実施例1及び実施例2のECSAは72m2/gPt又は87m2/gPtであり、比活性は570μA/cm2又は400μA/cm2であり、質量活性は410A/gPt又は350A/gPtである。特に、実施例1及び実施例2の質量活性は、比較例2(Pt/TiOx/TiO2微粒子を含む触媒)、比較例3(PtCo微粒子を含む触媒)、並びに、比較例4及び比較例5の白金微粒子を含む触媒の質量活性よりも高い。
また、実施例1及び実施例2のECSA維持率は82%又は86%であり、この結果は、比較例1(Pt/Pd微粒子を含む触媒)、比較例3(PtCo微粒子を含む触媒)、並びに、比較例4及び比較例5の白金微粒子を含む触媒のECSA維持率よりも高い。
これらの結果から、実施例1及び実施例2の触媒においては、上述したSMSI効果により、III価のチタンから白金へ電子供与が起き、白金の電子状態が酸素吸着抑制にシフトしたため、従来のコアシェル触媒や白金合金触媒とは異なり、触媒活性と耐久性が共に向上したことが分かる。
2 金属酸化物層
3 炭素材料
4 一点鎖線で囲った枠
5 電子の導通方向を示す両矢印
11 3価のチタンから白金への電子の流れを表す矢印
30 COガスキャビネット
31 COガスボンベ
32 SUS製ライン
33 ドラフト
34 バルブ
35 CO検知器
36 吹き流し
37 ガス流量計
38 スターラ
39 反応容器
40 バブラー
51 ガラスセル
52 過塩素酸水溶液
53 触媒のスラリー
54 回転ディスク電極
55 回転計
56 対極
57 参照極
58 アルゴン導入管
59 アルゴンの気泡
100 本発明に係る燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の典型例
Claims (9)
- 白金微粒子、金属酸化物、及び炭素材料を含有する、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒であって、
前記金属酸化物は、Ti、Sn、Nb、及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含み、
前記炭素材料が、その表面に、前記白金微粒子、及び、前記金属酸化物を含み且つ当該白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層を備え、
前記白金微粒子中の白金原子と前記炭素材料の表面とが電気的に接触していることにより、前記金属酸化物層は、前記炭素材料の表面と前記複合触媒の表面との間に前記白金微粒子を介した導電チャンネルを少なくとも1つ備え、
前記導電チャンネル内で、前記白金微粒子中の白金原子と前記金属酸化物とが結合を有することを特徴とする、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。 - 前記白金微粒子中の白金原子と前記金属酸化物の酸素欠陥とが結合を有する、請求項1に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 前記金属酸化物層の厚さが0.2〜0.6nmである、請求項1又は2に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 前記金属酸化物層は、酸化チタン(IV)(TiO2)、酸化スズ(IV)(SnO2)、酸化ニオブ(V)(Nb2O5)、及び酸化タンタル(V)(Ta2O5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 前記白金微粒子の平均粒径が0.25〜2.0nmである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 前記金属酸化物層の厚さが前記白金微粒子の平均粒径未満である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 前記炭素材料は、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、活性炭、メゾフェースカーボン、及び黒鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭素材料である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒。
- 白金微粒子、金属酸化物、及び炭素材料を含有する、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の製造方法であって、
前記金属酸化物は、Ti、Sn、Nb、及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含み、
白金イオン溶液を準備する工程、
前記金属酸化物の前駆体溶液を準備する工程、
前記金属酸化物の前駆体溶液及び前記炭素材料を混合し、第1の混合液を調製する工程、
前記第1の混合液及び前記白金イオン溶液を混合することにより、少なくとも、前記金属酸化物、前記炭素材料、及び白金イオンを含有する第2の混合液を調製する工程、
前記第2の混合液に一酸化炭素をバブリングさせる工程、並びに、
バブリング後の第2の混合液に還元剤を加え、白金微粒子を前記炭素材料の表面に析出させることにより、
前記炭素材料の表面に、前記金属酸化物を含み且つ前記白金微粒子の周囲を取り巻く金属酸化物層を形成し、且つ、
前記金属酸化物層中の、前記炭素材料の表面と前記複合触媒の表面との間に、前記白金微粒子を介した導電チャンネルを少なくとも1つ形成し、且つ、
前記導電チャンネル内で、前記白金原子と前記金属酸化物との結合を形成する還元工程を有することを特徴とする、燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の製造方法。 - 前記第2の混合液を調製する工程の前に、
前記第1の混合液に塩基を加えて、前記金属酸化物の前駆体の一部又は全部を前記金属酸化物に変換する工程を有する、請求項8に記載の燃料電池用白金・金属酸化物複合触媒の製造方法。
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JP2013098091A (ja) | 2013-05-20 |
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