JP5632570B1 - 生体信号計測システム、装置、方法およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
胸部に設置した同一の電極で計測した心電図と呼吸の情報から呼吸の情報を抽出する。生体情報計測システムは、複数の電極と、複数の電極に接続されて電流を供給する電流源と、複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測する計測部と、インピーダンスの時系列データから、特定のピークの値を検出する検出部と、特定のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、包絡線の情報を生体情報として出力する出力部とを備えている。
Description
本願は、呼吸を抽出する技術に関する。より具体的には、本願はユーザの身体に装着された複数の電極を利用して生体のインピーダンスを計測し、呼吸に関する情報を抽出する技術に関する。
近年、長時間にわたってユーザの身体状態を電気的および機械的に計測し、記録する方法が普及しつつある。ユーザの身体状態を表す基本的な電気的情報としては、脳に関連した脳波(EEG)や心臓の動きに関連した心電図(ECG)が挙げられる。このうち心電図はたとえば病院で基礎的な生体情報(バイタルサイン)として取得される。また、心電図は、心疾患の疑いがある場合にホルター型心電計と呼ばれる携帯型の心電計を用いても取得され得る。ホルター型心電計を用いることで、長時間、例えば24時間にわたって、自宅等の病院以外の場所で心電図を記録することが可能である。近年、このホルター型心電計の小型化が進み、ユーザはより簡易に心電図を計測可能になってきている。
ホルター型心電計を用いて長時間にわたり心電図を記録することで、病院の短時間の検査では検出できない不整脈等の症状を発見できる。しかしながら、心電図以外にも長時間検査を行うことができれば明らかになる検査項目(症例)がある。例えば、睡眠時無呼吸症候群である。睡眠時無呼吸症候群は、不整脈と関連の深い呼吸器系の疾患である。
睡眠時無呼吸症候群の評価は心電図のみでは行えず、呼吸に関する情報も必要である。現在、睡眠時無呼吸症候群の評価には、心電図や呼吸や脳波を同時に計測する終夜睡眠ポリグラフィー検査が必要である。この検査は病院内に宿泊して実施する必要があり、病院にとっても患者にとっても負担が大きかった。このため、疾患の可能性が疑われるという段階では、このような負担の大きな検査を行うのは現実的ではなかった。
仮に、ホルター型心電計を利用して心電図を取得する程度の簡便さで呼吸器系の疾患に関する情報、具体的には呼吸数に関する情報が得られれば、さらに疾患の早期発見、診断の迅速化につながると考えられる。
これまで簡易に呼吸を計測したい場合には、主にパルスオキシメータという医療機器が用いられてきた。これは動脈血酸素飽和度を調べるための測定器である。動脈血酸素飽和度は指先にプローブと呼ばれるセンサを装着して計測される。この測定器は、赤色の光源(LED)を有しており、LEDから赤色光を放射し、センサで指の透過光を計測することによって、指の内部の動脈に含まれる酸素の含有量をリアルタイムに計測する。このように、心電図と呼吸の情報の両方が必要な場合には、胸部に心電計のための電極を装着し、指先にパルスオキシメータのプローブを指先に装着する必要があった。
これまで、一つの装置で心電図と呼吸の情報を同時に取得し、心電図の情報を用いて取得したデータから呼吸の情報を分離する取組がなされてきた。一つのアプローチとして、インピーダンス法がある。インピーダンス法では、ユーザの身体に電流を流し、胸部に設置した電極で心電図や呼吸によるインピーダンス変化を計測する。たとえば特許文献1には、胸部インピーダンスから呼吸成分を除去する方法が示されている。
図1(a)は、心電図の基本成分を示す。図1(a)の、QRSの各波の部分が心室興奮を表す。
図1(b)は、心電図として得られた波形の例を示す。特許文献1では、心電図のR−R間隔を基本波とする高調波の余弦派成分と正弦波成分の線形結合モデルとによって、心電図成分を推定する。この方法をSFLC(Scaled Fourier Linear Combiner)法と呼ぶ。
非特許文献1は、特許文献1で記載された方法を利用し、胸部インピーダンスから、SFLC法で推定された心電図成分を減算して呼吸成分を取得する技術を開示する。図2は、従来用いられてきた、胸部インピーダンス(a)から心電由来の成分(b)を減算して呼吸成分(c)を抽出する手法の概念を示す。呼吸に変化があっても、抽出された呼吸成分の波形に反映される。
図3(a)および(b)は、呼吸に変化があった場合のインピーダンス変化を示す。図3(a)は、通常呼吸の後に低呼吸の状態があって、その後に通常呼吸が発生した場合のインピーダンス変化を示す。低呼吸の区間においては、振幅自体が減少していることがわかる。また、図3(b)は、通常呼吸の後に閉塞性無呼吸の状態を作った場合のインピーダンス変化を示す。この場合には無呼吸の区間においては、インピーダンスの振幅自体が消失していることがわかる。このようにインピーダンス変化は、呼吸数だけでなく、呼気量までも反映していることがわかる。
他のアプローチとして、ECG(Electrocardiogram)法がある。ECG法では、胸部に設置した電極で、電流を流さずに心電図や呼吸による電位変化を計測する。非特許文献2は、時間軸におけるR波の包絡線を取ることで、呼吸成分を抽出する技術を開示する。
Yoshifumi Yasuda、et.al."Modified thoracic impedance plethysmography to monitor sleep apnea syndromes"、SleepMedicine、Vol.6、pp.215-224 (2005)
Ciara O'Brien、Conor Heneghan、"A comparison of algorithms for estimation of a respiratory signal from the surface electrocardiogram"、ComputersinBiologyandMedicine、Vol.37、Issue 3、pp.305-314(2007)
実際に生体情報を計測するに当たっては、患者の症状の程度、必要とする生体情報の精度、患者にかかる負担などの種々の条件が存在する。したがって、選択可能な計測方法がより多く存在することが好ましい。すなわち、生体情報の計測に関し、新たな計測方法の開発が必要とされていた。
本開示の例示的な実施形態は、呼吸に関する生体情報を取得するための技術を提供する。
上記課題を解決するために、本開示の一態様は、複数の電極と、前記複数の電極に接続されて電流を供給する電流源と、前記複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測する計測部と、前記インピーダンスの時系列データから、特定のピークの値を検出する検出部と、前記特定のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、前記包絡線の情報を生体情報として出力する出力部とを備えた生体情報計測システムであって、前記複数の電極がユーザの胸部に設けられたときにおいて、前記検出部は、前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出し、前記出力部は、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する生体情報計測システムを含む。
上述の一般的かつ特定の態様は、システム、方法およびコンピュータプログラムを用いて実装され、またはシステム、方法およびコンピュータプログラムの組み合わせを用いて実現され得る。
本開示の一態様にかかる生体信号計測システムによれば、胸部インピーダンスから呼吸成分を抽出できるため、心電図と呼吸成分を簡易に計測できる。その上、計測された呼吸成分からユーザの呼吸数と呼吸量を推定し、ユーザに提示できる。
また本開示のある実施形態による生体信号計測システムによれば、胸部インピーダンスを、数nAオーダーの低電流で計測し、それにより呼吸成分を抽出する。そのため、電流の消費が少なくてすみ、バッテリー駆動のモバイル型機器を長時間にわたって動作させ、生体情報を取得することが可能となる。
本願発明者らは、これまでの心電図の情報から呼吸の情報を分離する方法に存在する課題を検討した。
非特許文献1の方法では、胸部インピーダンスを計測するために、数百マイクロアンペア(μA)の電流、たとえば350μAの電流を流す。電源を常時安定して確保できる場合には、このような大きさの電流を流し続けることには問題はない。一方、バッテリーによって駆動するモバイル型計測機器でそのような大きさの電流を流すとすると、バッテリー容量の問題から、その寿命を十分に確保できない。バッテリーの寿命を確保するためには、より低電流(例えば数ナノアンペア(nA)の電流)でインピーダンスを計測する必要がある。
図4(a)および(b)は、10nAの電流で計測した胸部インピーダンスに、非特許文献1の方法を適用した結果を示す。図4(a)は計測した胸部インピーダンスを示し、図4(b)は抽出された呼吸成分を示す。被験者には計測時に、連続的に4種類の呼吸の仕方をしてもらった:
フェーズ1:周期2秒の呼吸を15回(普通の呼吸)
フェーズ2:周期4秒の呼吸を8回(深呼吸)
フェーズ3:呼吸停止
フェーズ4:周期2秒の呼吸を14回(普通の呼吸)
フェーズ1:周期2秒の呼吸を15回(普通の呼吸)
フェーズ2:周期4秒の呼吸を8回(深呼吸)
フェーズ3:呼吸停止
フェーズ4:周期2秒の呼吸を14回(普通の呼吸)
抽出された呼吸成分から、実際の呼吸数と同じピーク数が検出されることが必要である。しかしながら、図4(b)から理解されるように、実験条件として示される実際の呼吸数と、検出されたピーク数とは相違していた。
呼吸成分を正しく抽出できない理由として、本願発明者らは、心電図成分と呼吸成分との大小関係に着目した。図2で示したように、数百μA(350μA)の電流で胸部インピーダンス(a)を計測すると、心電図成分(b)より大きな呼吸成分(c)が取得可能であった。しかしながら、図4(a)で示したように、数nA(10nA)の電流で計測すると、心電図成分が呼吸成分より大きくなる。その場合、胸部インピーダンスに対してSFLC法で推定した心電図成分を減算しても、心電図の周期性が残り、呼吸成分が正しく抽出されない。
図5(a)〜(d)は、計測したECGに非特許文献2の方法を適用した結果を示す。図5(a)は計測したECGを示し、図5(b)は抽出された呼吸成分を示す。図5(c)はそれぞれのフェーズにおける振幅の平均と標準偏差を表す棒グラフを示し、図5(d)はそれぞれのフェーズにおける振幅の平均と標準偏差の値を示す。
フェーズ1およびフェーズ2では実際の呼吸数と同じピーク数が検出できた。しかしながら、フェーズ3およびフェーズ4では、実際の呼吸数とは異なるピーク数が出た。図5(c)および(d)に示されるように、各フェーズにおける振幅の平均が、実際の呼吸量との相関性がある。しかしながら、標準偏差が大きいため、振幅では呼吸量を推定しにくい。
そこで本願発明者らは、心電図の情報から呼吸の情報を分離する方法を検討し、その結果、それを可能にする技術を開発した。以下に詳細に説明するように、心電図の情報から呼吸の情報を正しく分離することによって、同じ電極を用いても心電図と呼吸(呼吸数、呼吸量)を同時に計測することが可能になった。この技術によれば、数nAのオーダー低電流を流すだけでも心電図の情報から呼吸の情報を正しく分離できるため、バッテリー駆動され、利用可能な電力に制限があるモバイル型機器を用いて長時間にわたって生体情報を取得し続けることができる。
以下、本願発明者らが得た知見を説明し、その後、本開示に係る生体信号計測システムの各実施形態を説明する。
(本開示の基礎となる知見)
本願発明者らは、これまでの心電図の情報から呼吸の情報を分離する方法は以下の課題を有していると判断した。
本願発明者らは、これまでの心電図の情報から呼吸の情報を分離する方法は以下の課題を有していると判断した。
非特許文献1の方法では、胸部インピーダンスを計測するために、数百μA(350μA)の電流を流す。一方、モバイル型計測機器においては、数百μAの電流を流すと、バッテリーの寿命を十分に確保できない。そのため、低電流(例えば数nAの電流)でインピーダンスを計測する必要がある。
呼吸成分を正確に検出できたと言えるためには、低電流で計測された胸部インピーダンス(図4(a))から抽出された呼吸成分のピーク数と、実際の呼吸数とが一致しなければならない。しかしながら、図4(b)で示したように、呼吸成分のピーク数は実際の呼吸数とは異なっていた。
本願発明者らは、呼吸成分を正しく抽出できない理由は、心電図成分と呼吸成分との大小関係にあると判断した。
その理由として、上述したように、数nA(10nA)の電流で計測すると、図4(a)に示すように、心電図成分が呼吸成分より大きくなること、および、その場合、胸部インピーダンスに対してSFLC法で推定した心電図成分を減算しても、心電図の周期性が残り、呼吸成分が正しく抽出されないこと、が挙げられる。
そして図5(c)、(d)で示したように、各フェーズにおける振幅の平均と、実際の呼吸量との間には相関があるが、振幅については標準偏差が大きいため、振幅から呼吸量を推定しにくい、という結果が得られた。そこで本願発明者らは、振幅以外の情報から呼吸量を推定する必要があるという結論を得た。そして後述するように、図1(a)に示すT波を利用すれば、心電図の情報から呼吸の情報を正しく分離できることを見出した。
この手法によれば、同じ電極を用いても心電図と呼吸(呼吸数、呼吸量)を同時に計測することができる。また数nA(10nA)程度の低い電流で胸部インピーダンスを計測した場合であっても、心電図の情報から呼吸の情報を正しく分離できる。これにより、バッテリー駆動され、利用可能な電力に制限があるモバイル型機器において長時間にわたって生体情報を取得し続けることができる。
(胸部インピーダンス計測)
胸部のインピーダンスを計測する方法として、2端子法と4端子法が知られている。
胸部のインピーダンスを計測する方法として、2端子法と4端子法が知られている。
2端子法では、2つの電極が皮膚に接着される。2つの電極を通して電流を流しながら、電位差が計測される。つまり2端子法では、電流を流す電極と、インピーダンスを計測する電極とが同じである。
4端子法では、4つの電極が皮膚に接着される。2つの電極を通して電流を流し、体内に流れる電流経路内の2点間の電位差が、他の2つの電極を用いて計測される。つまり、4端子法では、電流を流す電極と、インピーダンスを計測する電極とが異なっている。4端子法の計測条件として、電位差を計測している2電極が体内に流れる電流の経路内にある必要がある。
図6(a)は2端子法の概略的な回路構成を示し、図6(b)は4端子法の概略的な回路構成を示す。Zは計測する対象のインピーダンス、R1〜R4は電極と皮膚との接触インピーダンスを表す。図面上の「○」が電極に相当する。
図6(a)の2端子法では、Z+R1+R2が計測される。一方、図6(b)の4端子法では、Zのみが計測される。そのため、胸部インピーダンスを計測する際に、電極と皮膚との接触インピーダンスの影響を排除したい場合には、4端子法が用いられる。つまり、4端子法の方で計測したインピーダンスの方が2端子法で計測したそれよりも精度が高いと言える。
胸部インピーダンスの変化は、心臓の活動(心拍)と肺の活動(呼吸)に依拠している。心臓の活動(心拍)によってインピーダンスが変化する理由は、心臓が収縮と拡張という機械的な活動を行う際に、心筋細胞が電気的に興奮(脱分極)し、復帰(再分極)するためである。この心筋細胞の電気的な変化が、インピーダンスの変化を引き起こす。一方、肺の活動(呼吸)によってインピーダンスが変化する理由は以下のとおりである。すなわち、吸気時には肺胞内に空気が取り込まれて、電流が流れにくくなる。その結果、インピーダンスが高くなる。一方、呼気時には空気が排出されて、電流が流れやすくなる。その結果、インピーダンスが低くなる。両手に電極を接着させてインピーダンスを計測した場合、両手間のインピーダンスには、心拍による変化と呼吸による変化が現れる。
本願発明者らは、胸部インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出し、呼吸の情報を正しく分離する技術をなすに至った。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
本開示の一態様である生体情報計測システムは、複数の電極と、前記複数の電極に接続されて電流を供給する電流源と、前記複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測する計測部と、前記インピーダンスの時系列データから、特定のピークの値を検出する検出部と、前記特定のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、前記包絡線の情報を生体情報として出力する出力部とを備えている。
ある実施形態において、前記複数の電極がユーザの胸部に設けられたときにおいて、前記検出部は、前記インピーダンスの時系列データから、前記特定のピークの値として、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出し、前記出力部は、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する。
ある実施形態において、前記計測部によって計測された前記インピーダンスは、心電由来の成分と、呼吸由来の成分とを含み、前記インピーダンスでは、前記心電由来の成分が、呼吸由来の成分よりも大きい。
ある実施形態において、前記電流源は、1nA以上で、107.62μA以下の電流を供給する。
ある実施形態において、前記電流源は、350μAよりも小さい電流を供給する。
ある実施形態において、前記検出部は、前記インピーダンスの時系列データのピークの値、およびピーク値に至った時刻から、予め設定されたベースラインに戻った時刻までの期間を用いて、前記T波のピークの値を検出する。
ある実施形態において、前記検出部は、心電に由来する成分のR波のピークを検出し、隣接するR波のピーク間に含まれる最も振幅が大きいピークをT波のピークとする。
ある実施形態において、前記包絡線生成部は、検出された複数の前記T波のピーク間をスプライン曲線で補間し、包絡線を生成する。
ある実施形態において、前記生体情報計測システムは、前記呼吸出力部で出力された呼吸成分の情報から、呼吸数を推定する呼吸数推定部をさらに備えている。
ある実施形態において、前記呼吸数推定部は、推定時における呼吸成分の極値を用いて最後の周期を算出し、最後の周期を用いて呼吸数を推定する。
ある実施形態において、前記呼吸数推定部は、一定時間間隔ごとに呼吸数を推定する。
ある実施形態において、前記呼吸数推定部は、呼吸成分の最後の振幅が特定の閾値以下の場合には呼吸停止と判断し、呼吸数を0と推定する。
ある実施形態において、前記生体情報計測システムは、前記呼吸出力部で出力された呼吸成分の情報から、呼吸量を推定する呼吸量推定部をさらに備えている。
ある実施形態において、前記呼吸量推定部は、一定時間間隔ごとに呼吸量を推定する。
ある実施形態において、前記呼吸量推定部は、呼吸成分の最後の振幅の大きさに基づいて、一回あたりの呼吸量を推定する。
ある実施形態において、前記呼吸量推定部は、推定時に、呼吸成分の最後の振幅が特定の閾値以下の場合には呼吸停止と判断し、呼吸量を0と推定する。
ある実施形態において、前記生体情報計測システムは、前記検出部によって検出された心電成分の特定のピークの値が所定閾値より小さい場合に、前記特定のピークの値を校正する校正部をさらに備えている。
ある実施形態において、前記校正部は、前の時刻における特定のピークの群から、呼吸成分における最後の周期を求め、所定閾値より小さい特定のピークにおける時刻から前記最後の周期を引いた時刻に最も近い特定のピークの値を、校正値として、所定閾値より小さい特定のピークの値に入力する。
本開示の他の一態様である生体情報演算装置は、電流源から供給された電流を用いて、ユーザの胸部に設けられた複数の電極間の電位差から計測されたインピーダンスの時系列データを受け取り、前記時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出する検出部と、前記T波のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する出力部とを備えている。
ある実施形態において、前記複数の電極がユーザの胸部に設けられているときにおいて、前記検出部は、前記インピーダンスの時系列データから、前記特定のピークの値として、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出し、前記出力部は、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する。
本開示のさらに他の一態様である生体情報計測方法は、ユーザの胸部に設けられた複数の電極に電流を供給するステップと、前記複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測するステップと、前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出するステップと、前記特定のピークの値の包絡線を生成するステップと、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力するステップとを包含する。
ある実施形態においては、前記複数の電極がユーザの胸部に設けられたときにおいて、検出する前記ステップは、前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピーク値を検出し、出力する前記ステップは、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する。
本開示のさらに他の一態様である、生体情報計測システムに設けられたコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、電流源から供給された電流を用いて、ユーザの胸部に設けられた複数の電極間の電位差から計測されたインピーダンスの時系列データを受け取るステップと、前記時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出するステップと、前記T波のピークの値の包絡線を生成するステップと、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力するステップとを実行させる。
ある実施形態において、前記複数の電極がユーザの胸部に設けられているときにおいて、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、前記検出するステップにより、前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出させ、前記出力するステップにより、前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力させる。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示による実施形態を説明する。
(実施形態1)
図7は、本実施形態による生体情報計測システム100の構成を示す。生体情報計測システム100は、データ蓄積部6と、生体信号計測装置200と、生体情報演算装置300とを備えている。
図7は、本実施形態による生体情報計測システム100の構成を示す。生体情報計測システム100は、データ蓄積部6と、生体信号計測装置200と、生体情報演算装置300とを備えている。
生体信号計測装置200は、少なくとも電位計測用電極2a及び2bと、電流印加用電極3a及び3bと、電流印加部4と、インピーダンス計測部5とを備える。
生体情報演算装置300は、心電成分特徴検出部7と、包絡線生成部8と、呼吸出力部9とを備える。生体情報演算装置300は、生体信号計測装置200及びデータ蓄積部6と有線又は無線で接続されており、情報を送受信する。
以下、生体信号計測装置200および生体情報演算装置300の構成を説明する。
(生体信号計測装置200の実現形態)
図8(a)〜(c)は、本実施形態の生体信号計測装置200の実現例を示す。図8(a)に示す生体信号計測装置200は、互いに分離した計測ユニット200Aと電極部200Bとを備える。計測ユニット200Aは、少なくとも電流印加部4と、インピーダンス計測部5とを含む。電極部200Bは、電位計測用電極2a及び2bと、電流印加用電極3a及び3bとに相当する。
図8(a)〜(c)は、本実施形態の生体信号計測装置200の実現例を示す。図8(a)に示す生体信号計測装置200は、互いに分離した計測ユニット200Aと電極部200Bとを備える。計測ユニット200Aは、少なくとも電流印加部4と、インピーダンス計測部5とを含む。電極部200Bは、電位計測用電極2a及び2bと、電流印加用電極3a及び3bとに相当する。
電極部200Bは、計測に必要な個数だけ準備される。例えば、2点間の電位を計測するのに2本の電極を用いてもよいし、計測極、アース、参照極の3本を用いてもよい。
電流を供給するために、さらに2本の電極を用いる。材質は導電性の高いものであれば良く、医療用の金属電極やディスポーザブル電極等が使用可能である。電極部200Bは、生体電位が計測できるようにユーザ(被験者)の胸部に直接接触するよう設けられる。電極部200Bと計測ユニット200Aとは、電気的抵抗が少なくなるような態様で接続される。
例えば、図8(b)は、医療用ディスポーザブル電極で電極部200Bを構成した例を示す。ホック式の電極であれば、電極部200Bはホックによって計測ユニット200Aと直接接続される。ディスポーザブル電極は、粘着剤によって作られた接着部と電極部を含む。ディスポーザブル電極は、接着部の接着力によってユーザの身体に固定される。
図8(c)もまた、医療用ディスポーザブル電極で電極部200を構成した他の例を示す。電極部200Bはケーブルを介して計測ユニット200Aに接続される例を示す。この例は、たとえば電極間の距離がある程度必要な場合や、計測ユニット200Aが電極部200Bとの間に距離がある程度必要な場合に好適である。電流を供給するためのケーブルを介して、電極部200Bは計測ユニット200Aと接続される。
上述した図8(a)〜(c)のいずれにおいても、生体信号計測装置200は、たとえば手のひらに載置できる程度の大きさで実現され得る。
次に、生体信号計測装置200および生体情報演算装置300の各構成要素を詳細に説明する。以下の説明は主として機能に関しているが、生体信号計測システム100のハードウェア構成に関しては後に図36を参照しながら詳細に説明する。
(電位計測用電極2a及び2b、電流印加用電極3a及び3b)
再び図7を参照する。
再び図7を参照する。
電位計測用電極2a及び2b、および電流印加用電極3a及び3bは、ユーザの体表に接着される。電位計測用電極2a及び2bは、後述するインピーダンス計測部5と電気的に接続され、電気回路を形成する。電位計測用電極2a及び2bは、後述する電流印加部4と電気的に接続され、電気回路を形成する。
(電極位置)
図9は、ユーザの胸部と、電位計測用電極2a及び2bと、電流印加用電極3a及び3bと、胸部の装着位置との位置関係を示す。電位計測用電極2a及び2bはユーザの胸部に配置される。図10は、破線によってユーザの胸部を示す。
図9は、ユーザの胸部と、電位計測用電極2a及び2bと、電流印加用電極3a及び3bと、胸部の装着位置との位置関係を示す。電位計測用電極2a及び2bはユーザの胸部に配置される。図10は、破線によってユーザの胸部を示す。
本実施形態では、4端子法によりユーザの心電図を計測する。電流印加用電極3a、3bおよび電位計測用電極2a、2bは、4端子法の計測条件を満たす位置に設置されている。つまり、電位計測用電極2a、2bは、たとえば電流印加用電極3aから電流印加用電極3bに流れる電流が通過する範囲以内に設置されている。
本実施形態では、非特許文献1を参考にし、正(+)の電流印加用電極3aを額に、負(−)の電流印加用電極3bをへその下に設置する。また、正および負の電位計測用電極2を胸部の心臓に近い場所に設置する。図1(b)に示した生体信号計測装置200の構成を考慮すると、例えば、負の(−)の電位計測用電極2bを胸骨下端に設置し、正(+)の電位計測用電極2aを胸部に近い左側の腹部に設置する。
なお、2端子法によりユーザの心電図を計測することも可能である。2端子法を採用する場合には、正(+)の電位計測用電極2aと負の(−)の電位計測用電極2bとを利用する。図9に示されるように、負の(−)の電位計測用電極2bを胸骨下端に設置し、正(+)の電位計測用電極2aを胸部に近い左側の腹部に設置すればよい。
(電流印加部4)
再び図7を参照する。
再び図7を参照する。
電流印加部4は、いわゆる電流源であり、ユーザの胸部に配置された第1の電流印加用電極部3a及び第2の電流印加用電極部3bに、電流を供給する。本明細書では、電流を供給することを、電流を印加する、と表現することもある。電流印加部4は、たとえば内蔵されたバッテリー(図示せず)および、そのバッテリーから電流を流すために設けられた回路である。なお、内蔵されたバッテリーを含まない態様で電流印加部4を構成してもよい。
本実施形態では、電流印加部4が印加する電流値は、従来印加されていた電流値(たとえば350μA)よりも小さい値(たとえば数nA〜数百μA)としている。これは、生体信号計測装置200が、小型化等に起因して、そのバッテリー(図示せず)の容量も小さくせざるを得ないことを想定しているためである。従来印加されていた電流値よりも低い電流値でインピーダンスを計測することにより、生体信号計測装置200の駆動時間を延ばすことが可能となる。上述のとおり、本実施形態では、電流印加部4は350μAよりも小さい値の電流を印加する。後述する利点は、そのような電流値であれば実現される。ただし、より好適には、電流印加部4が印加する電流値は、1nAから107.62μAの範囲であればよい。
本実施形態では、電流印加部4は、正弦波の交流を印加し、その電流値は±10nAであるとする。
(インピーダンス計測部5)
インピーダンス計測部5は、第1の電位計測用電極部2a及び第2の電位計測用電極部2bの電位差を用いて、複数の時刻におけるユーザの胸部インピーダンスの値を計測する。具体的には、インピーダンス計測部5は、電位計測用電極2a及び2bの間の電位差を計測する。インピーダンス計測部5は、計測した電位差の値から、電流印加部4で印加した電流値を除した値を、胸部インピーダンス値として取得する。
インピーダンス計測部5は、第1の電位計測用電極部2a及び第2の電位計測用電極部2bの電位差を用いて、複数の時刻におけるユーザの胸部インピーダンスの値を計測する。具体的には、インピーダンス計測部5は、電位計測用電極2a及び2bの間の電位差を計測する。インピーダンス計測部5は、計測した電位差の値から、電流印加部4で印加した電流値を除した値を、胸部インピーダンス値として取得する。
(データ蓄積部6)
データ蓄積部6は、たとえば記録媒体および/または記録媒体を備えた記録装置である。記録媒体は、半導体記録媒体、磁気記録媒体、光学式記録媒体などが考えられる。データ蓄積部6は、時系列のインピーダンスデータを蓄積する。
データ蓄積部6は、たとえば記録媒体および/または記録媒体を備えた記録装置である。記録媒体は、半導体記録媒体、磁気記録媒体、光学式記録媒体などが考えられる。データ蓄積部6は、時系列のインピーダンスデータを蓄積する。
(心電成分特徴検出部7)
心電成分特徴検出部7は、インピーダンスのデータを利用して、心電成分に含まれる特定のピークを検出する。本実施形態において、「特定のピーク」とは、いわゆるT波のピークである。T波のピークを検出する原理については、図13を参照しながら説明する。
心電成分特徴検出部7は、インピーダンスのデータを利用して、心電成分に含まれる特定のピークを検出する。本実施形態において、「特定のピーク」とは、いわゆるT波のピークである。T波のピークを検出する原理については、図13を参照しながら説明する。
(包絡線生成部8)
包絡線生成部8は、心電成分特徴検出部7による、特定のピークの検出結果を受け取る。そして包絡線生成部8は、特定のピーク同士の間を結ぶ包絡線を生成する。より具体的には、包絡線生成部8は、T波のピーク同士の間をスプライン曲線で補間することによって、包絡線を生成する。
包絡線生成部8は、心電成分特徴検出部7による、特定のピークの検出結果を受け取る。そして包絡線生成部8は、特定のピーク同士の間を結ぶ包絡線を生成する。より具体的には、包絡線生成部8は、T波のピーク同士の間をスプライン曲線で補間することによって、包絡線を生成する。
(呼吸出力部9)
呼吸出力部9は、包絡線生成部8によって生成された包絡線を呼吸成分として出力する。出力の形態は、たとえば画面等への視覚的な出力であってもよいし、記録媒体に呼吸成分を特定するデータを書き込むことによる出力であってもよい。
呼吸出力部9は、包絡線生成部8によって生成された包絡線を呼吸成分として出力する。出力の形態は、たとえば画面等への視覚的な出力であってもよいし、記録媒体に呼吸成分を特定するデータを書き込むことによる出力であってもよい。
(全体の処理フロー)
図11は、本実施形態の生体情報計測システム100の全体の処理フローを示す。
図11は、本実施形態の生体情報計測システム100の全体の処理フローを示す。
<ステップS10>
電流印加部4は、ユーザ1に装着された電流印加用電極3a、3bを介して、インピーダンス計測のための電流(10nA)を印加する。
電流印加部4は、ユーザ1に装着された電流印加用電極3a、3bを介して、インピーダンス計測のための電流(10nA)を印加する。
胸部インピーダンスは、心電由来成分の電位と呼吸由来成分の電位を含む。計測時の電流値が、たとえば350μAのような十分な大きさを有していれば、呼吸由来成分の電位は、心電由来成分の電位よりも十分大きくなるため、抽出することが容易である。
一方、本実施形態では、電流印加部4が印加する電流値は、従来印加されていた電流値(たとえば350μA)よりもはるかに小さい。これにより、計測される胸部インピーダンスにおいては、心電由来成分が呼吸由来成分より大きくなる。
電流印加部4は、インピーダンス計測部5に、印加した電流値の情報を送信する。
<ステップS20>
インピーダンス計測部5は、ユーザ1の胸部に装着された電位計測用電極2a及び2bの電位差を用いて、胸部インピーダンスを計測する。インピーダンス計測部5は、電位計測用電極2a、2bの間に計測された電位差を、電流印加部4が印加した電流値で除算することによって、胸部インピーダンスを求める。電位差は例えば、1024Hzや512Hzでサンプリングされる。サンプリング点ごとのデータが次のステップに送られる。
インピーダンス計測部5は、ユーザ1の胸部に装着された電位計測用電極2a及び2bの電位差を用いて、胸部インピーダンスを計測する。インピーダンス計測部5は、電位計測用電極2a、2bの間に計測された電位差を、電流印加部4が印加した電流値で除算することによって、胸部インピーダンスを求める。電位差は例えば、1024Hzや512Hzでサンプリングされる。サンプリング点ごとのデータが次のステップに送られる。
<ステップS30>
インピーダンス計測部5は、データ蓄積部6に、計測した胸部インピーダンスを蓄積する。本実施形態では、インピーダンス計測部5の内部メモリ(図示せず)の容量を考慮し、インピーダンスのデータは、所定期間、例えば過去の10秒間、におけるデータのみ内部メモリに蓄積されるとする。蓄積されるデータ形式は計測した時刻及び計測された電位差あるいはインピーダンスの値である。インピーダンス計測部5は、所定期間を経過したデータから順次データ蓄積部6に蓄積する。
インピーダンス計測部5は、データ蓄積部6に、計測した胸部インピーダンスを蓄積する。本実施形態では、インピーダンス計測部5の内部メモリ(図示せず)の容量を考慮し、インピーダンスのデータは、所定期間、例えば過去の10秒間、におけるデータのみ内部メモリに蓄積されるとする。蓄積されるデータ形式は計測した時刻及び計測された電位差あるいはインピーダンスの値である。インピーダンス計測部5は、所定期間を経過したデータから順次データ蓄積部6に蓄積する。
<ステップS40>
心電成分特徴検出部7は、ステップS30で蓄積されたこれまでのインピーダンスのデータおよびステップS20で計測されたインピーダンスのデータを利用して、心電成分における特定のピークを検出する。
心電成分特徴検出部7は、ステップS30で蓄積されたこれまでのインピーダンスのデータおよびステップS20で計測されたインピーダンスのデータを利用して、心電成分における特定のピークを検出する。
図1(a)で示したように、心電にはP波、Q波、R波、S波、T波というピークが基本成分として含まれている。本開示では、T波のピークを用いる。T波のピークの検出方法の詳細は後に詳述する。
<ステップS50>
包絡線生成部8は、ステップS40において検出された特定のピーク(T波のピーク)の包絡線を作成する。包絡線を求めるために、本実施形態の包絡線生成部8はT波のピーク同士の間をスプライン曲線で補間する。包絡線生成部8は、たとえば3次のスプライン曲線を用いてピーク間を滑らかに接続する包絡線を求める。なお、n次スプライン曲線は、0次からn−1次までの導関数が全ての点において連続な曲線を言う。図12は、T波のピークの包絡線の例を示す。
包絡線生成部8は、ステップS40において検出された特定のピーク(T波のピーク)の包絡線を作成する。包絡線を求めるために、本実施形態の包絡線生成部8はT波のピーク同士の間をスプライン曲線で補間する。包絡線生成部8は、たとえば3次のスプライン曲線を用いてピーク間を滑らかに接続する包絡線を求める。なお、n次スプライン曲線は、0次からn−1次までの導関数が全ての点において連続な曲線を言う。図12は、T波のピークの包絡線の例を示す。
<ステップS60>
呼吸出力部9は、ステップS50で作成された包絡線の情報を呼吸成分として出力する。出力形態として、画面等に表示してもよいし、記録媒体に記録してもよい。
呼吸出力部9は、ステップS50で作成された包絡線の情報を呼吸成分として出力する。出力形態として、画面等に表示してもよいし、記録媒体に記録してもよい。
次に、上述のステップS40にかかる、T波のピークの検出処理を詳細に説明する。
図1(a)に示すように、心電基本成分であるP波、Q波、R波、S波、T波の中で、P波、R波、T波のピークは極小値であり、Q波、S波のピークは極大値である。これらのピークの大きさは多少変動することはあるものの、一般には、P波、R波、T波のピークの中で、P波のピークは相対的に小さく、R波とT波のピークはP波のピークより大きいと言える。そのため、波形の複数の極小値を閾値によって処理する。具体的には、波形の複数の極小値が所定閾値以下であれば、その極小値はR波のピーク、T波のピークのどちらかを示す。本実施形態では、所定閾値は、−16μVとした。なお所定閾値をどのような値にするかは胸部インピーダンスの計測方法と密接に関連する。上述の具体的な所定閾値は一例である。
極小値が、R波のピークであるのか、T波のピークであるのかを識別するために、本願発明者らは以下の方法を用いた。
図13はT波のピークとR波のピークとの識別方法を示す。まず、極小値における時刻からインピーダンスのデータが所定ベースラインに戻るまでの時間を算出する。R波の場合、その時間をTRとし、T波の場合、その時間をTTとする。T波の時間的な広がりはR波より大きいため、下記数式(1)が成り立つ。
(数1)
TT>TR
(数1)
TT>TR
そのため、ある極小値が得られた時刻からインピーダンスのデータが所定ベースラインに戻るまでの期間が予め定められた値以上であれば、その極小値はT波であるとする。本実施形態では、ベースラインを−16μVとし、予め定められた値を0.02秒とした。
なお、T波のピークとなる極小値を検出する際に用いられる閾値について、電流印加部4が印加する電流値によって閾値を変えてもよい。
図14はT波のピーク検出の処理フローを示す。
<ステップS401>
心電成分特徴検出部7は、時刻t、t−1、t−2において計測されたインピーダンスのデータの大小関係を算出する。
心電成分特徴検出部7は、時刻t、t−1、t−2において計測されたインピーダンスのデータの大小関係を算出する。
<ステップS402>
心電成分特徴検出部7は、ステップS401で算出された大小関係から、極小値の有無を判断する。極小値が存在する場合、処理はステップS403に進む。極小値が存在しない場合、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークではないと判断し、処理を終了する。
心電成分特徴検出部7は、ステップS401で算出された大小関係から、極小値の有無を判断する。極小値が存在する場合、処理はステップS403に進む。極小値が存在しない場合、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークではないと判断し、処理を終了する。
<ステップS403>
ステップS402で極小値が存在すると判断された場合、心電成分特徴検出部7は、そのピークの値が所定閾値(Vth)以下か否かを判断する。ピークの値が所定閾値以下ならば、ステップS404に進む。所定閾値以下でなければ、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークではないと判断し、処理を終了する。
ステップS402で極小値が存在すると判断された場合、心電成分特徴検出部7は、そのピークの値が所定閾値(Vth)以下か否かを判断する。ピークの値が所定閾値以下ならば、ステップS404に進む。所定閾値以下でなければ、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークではないと判断し、処理を終了する。
<ステップS404>
ステップS403でピークの値が所定閾値以下と判断された場合、心電成分特徴検出部7は、極小値における時刻から所定ベースラインに戻るまでの時間Tを算出する。
ステップS403でピークの値が所定閾値以下と判断された場合、心電成分特徴検出部7は、極小値における時刻から所定ベースラインに戻るまでの時間Tを算出する。
<ステップS405>
心電成分特徴検出部7は、ステップS404で算出された時間Tが予め定められた値(Tth)以上か否かを判断する。時間Tが所定閾値以上ならば、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークであると判断し、処理を終了する。所定閾値以上でなければ、心電成分特徴検出部7は、その極小値はR波のピークである、つまりT波のピークではない、と判断し、処理を終了する。
心電成分特徴検出部7は、ステップS404で算出された時間Tが予め定められた値(Tth)以上か否かを判断する。時間Tが所定閾値以上ならば、心電成分特徴検出部7は、その極小値はT波のピークであると判断し、処理を終了する。所定閾値以上でなければ、心電成分特徴検出部7は、その極小値はR波のピークである、つまりT波のピークではない、と判断し、処理を終了する。
本実施形態では、直近5秒で計測されたインピーダンスの標準偏差を所定閾値(Vth)としている。しかしながらこれは一例である。予め定めた固定値を閾値としてもよい。または、電流印加部4が印加する電流値によって閾値を変えてもよい。
上述の処理により、極小値がT波のピークであるのか、R波のピークであるのかが判断される。これにより、T波のピークとR波のピークとを適切に峻別できるため、上述した「特定のピーク」としてのT波のピークを適切に検出できる。
なお、T波のピークの検出を、図15のステップS411〜S413で示される方法で行ってもよい。その処理フローは以下のとおりである。
<ステップS411>
心電成分特徴検出部7は、インピーダンスのデータを利用して、R波のピークを検出する。R波のピークの検出方法は、図14で示される処理、つまり図14に示すステップS405の「No」に至る処理を用いる。
心電成分特徴検出部7は、インピーダンスのデータを利用して、R波のピークを検出する。R波のピークの検出方法は、図14で示される処理、つまり図14に示すステップS405の「No」に至る処理を用いる。
<ステップS412>
心電成分特徴検出部7は、ステップS411で検出された隣接する2つのR波のピークの間にT波検出範囲を設定する。図16は、隣接する2つのR波のピークの間のT波検出範囲を示す。T波検出範囲を設定するには、先に検出されたR波のピーク(1番目のR波のピーク)における時刻tR1と後に検出されたR波のピーク(2番目のR波のピーク)における時刻tR2を用いる。例えば、T波検出範囲tは下記数式(2)で設定される。
(数2)
tR1+0.1≦t≦tR2−0.1
心電成分特徴検出部7は、ステップS411で検出された隣接する2つのR波のピークの間にT波検出範囲を設定する。図16は、隣接する2つのR波のピークの間のT波検出範囲を示す。T波検出範囲を設定するには、先に検出されたR波のピーク(1番目のR波のピーク)における時刻tR1と後に検出されたR波のピーク(2番目のR波のピーク)における時刻tR2を用いる。例えば、T波検出範囲tは下記数式(2)で設定される。
(数2)
tR1+0.1≦t≦tR2−0.1
<ステップS413>
心電成分特徴検出部7は、ステップS412で設定されたT波検出範囲において、最小値を取るピークを求め、その最小値をT波のピークとする。この処理は、心電成分特徴検出部7が、隣接するR波のピーク間に含まれる最も振幅が大きいピークをT波のピークとして取得する、ということもできる。
心電成分特徴検出部7は、ステップS412で設定されたT波検出範囲において、最小値を取るピークを求め、その最小値をT波のピークとする。この処理は、心電成分特徴検出部7が、隣接するR波のピーク間に含まれる最も振幅が大きいピークをT波のピークとして取得する、ということもできる。
(呼吸成分の抽出結果)
図17(a)〜(d)は、正弦波±10nAの電流で計測した胸部インピーダンスに関して、T波の包絡線を利用して呼吸成分を求めた結果を示す。図17(a)は計測した胸部インピーダンス、図17(b)は抽出された呼吸成分を示す。計測時に、被験者に連続的に4種類の呼吸の仕方をしてもらった:
フェーズ1:周期2秒の呼吸を15回(普通の呼吸)
フェーズ2:周期4秒の呼吸を8回(深呼吸)
フェーズ3:呼吸停止
フェーズ4:周期2秒の呼吸を14回(普通の呼吸)。
図17(a)〜(d)は、正弦波±10nAの電流で計測した胸部インピーダンスに関して、T波の包絡線を利用して呼吸成分を求めた結果を示す。図17(a)は計測した胸部インピーダンス、図17(b)は抽出された呼吸成分を示す。計測時に、被験者に連続的に4種類の呼吸の仕方をしてもらった:
フェーズ1:周期2秒の呼吸を15回(普通の呼吸)
フェーズ2:周期4秒の呼吸を8回(深呼吸)
フェーズ3:呼吸停止
フェーズ4:周期2秒の呼吸を14回(普通の呼吸)。
図17(c)はそれぞれのフェーズにおける振幅の平均と標準偏差を表す棒グラフを示す。図17(d)はそれぞれのフェーズにおける振幅の平均と標準偏差の値を示す。図17(b)で示したように、フェーズ3以外では、実際の呼吸数とピーク数とが一致する。フェーズ3においても、振幅が小さいため、所定閾値以下の振幅が呼吸停止状態という判断もできる。振幅と実際の呼吸量との間には相関があり、振幅の標準偏差も小さい。そのため、10nAの電流で計測した胸部インピーダンスに対して、T波の包絡線を用いれば、正しく呼吸成分が抽出できることが示されている。
比較例を図18に示す。図18は、10nAの電流で計測した胸部インピーダンスに関して、R波の包絡線を利用して呼吸成分を求めた結果を示す。図18(b)に示されるように、実際の呼吸数とピーク数とが一致しないことが理解される。また、振幅と実際の呼吸量との間には相関があるが、標準偏差が大きく信頼性を欠く。
図19および図20は、呼吸出力部9による出力結果(画面への表示例)を示す。図19(a)は、グラフ形式の表示例を示す。3つのグラフが表示されている。いずれも横軸は時間を示しており、縦軸はそれぞれ心拍数、呼吸数、および呼吸量を示している。図19(b)は、グラフの形式の表示例を示す。横軸は時間を示す。縦軸はそれぞれ、心電図の波形と呼吸の波形を示している。図19(c)は、数値の形式の表示例を示す。心拍数、呼吸数、および呼吸量が示されている。図19(d)は、呼吸の状態を表す棒(Respiration bar)を表示する例を示す。ユーザが息を吸い込むと、棒の長さが伸びる(“Inhale”)。ユーザが息を吐き出すと、棒の長さが縮む(“Exhale”)。
図20(a)は、呼吸の状態を表すキャラクターによる表示例を示す。ユーザが息を吸い込むか、息を吐き出すか、呼吸をしていないか(無呼吸か)によって、キャラクターの表情が変わる。図20(b)は、無呼吸が検出された場合のアラートの表示例を示す。無呼吸が検出された時刻と無呼吸が発生した期間が表示される。
上述の例では、印加する電流値は10nAであるとした。以下では、図21および図22を参照しながら、上述した呼吸成分の抽出処理が有効な、印加する電流値の範囲を説明する。
図21は、様々な電流値で計測したときの、胸部インピーダンスにおける呼吸成分と心電成分の比率を示す。
電流値が10nAおよび10μAの場合には、呼吸成分が心電成分よりも小さくなった。呼吸成分/心電成分が1以下であることを意味している。図21には計測値等が示されている。
一方、これまでにも言及したとおり、電流値が350μAの場合には、呼吸成分は心電成分よりも大きい。したがって、(呼吸成分/心電成分)の値は2.80である。
上述した呼吸成分の抽出処理は、(呼吸成分/心電成分)の値が1以下であれば十分有効であると考えられる。
図22は、上述した10nAおよび10μAの例をもとに直線近似によって求めた、(呼吸成分/心電成分)の値が1になる場合の電流値を示す。このときの電流値は、107.62μAであった。本実施形態にかかる呼吸成分の抽出処理は、少なくとも、10nA以上で、かつ、印加電流の電流値が107.62μA以下であれば特に有効であると考えられる。
上述の構成および処理によれば、数nAオーダーの低電流で計測した胸部インピーダンスから呼吸を抽出できるため、長時間利用可能なバッテリー駆動のモバイル型機器でも、心電と呼吸を簡易に計測できる。
(実施形態2)
本実施形態では、呼吸出力部9が出力した呼吸成分に対して、ユーザ1の呼吸数を推定する。
本実施形態では、呼吸出力部9が出力した呼吸成分に対して、ユーザ1の呼吸数を推定する。
(生体信号計測システム構成)
図23は本実施形態による生体情報計測システム500の構成を示す。
図23は本実施形態による生体情報計測システム500の構成を示す。
本実施形態による生体情報計測システム500と、実施形態1による生体情報計測システム100との相違点は、生体情報計測システム500が、新たに呼吸数推定部10を備えている点である。なお記載の便宜のため、図23では、図7のように、データ蓄積部6と、生体信号計測装置200と、生体情報演算装置300とを明確に分けていないが、本システム500もまた、図7と同じ構成である。たとえば呼吸数推定部10は生体情報演算装置300に設けられる。
(全体の処理フロー)
図24は本実施形態における生体情報計測システム500全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
図24は本実施形態における生体情報計測システム500全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
<ステップS70>
呼吸数推定部10は、ステップS60で出力された呼吸成分から、ユーザ1の呼吸数を推定する。その処理の詳細を、図25を参照しながら説明する。
呼吸数推定部10は、ステップS60で出力された呼吸成分から、ユーザ1の呼吸数を推定する。その処理の詳細を、図25を参照しながら説明する。
(呼吸数推定の処理フロー)
ユーザ1の呼吸の変化に対応するために、呼吸数推定部10は、一定時間間隔ごとに呼吸数を推定する。本実施形態では、1秒の時間間隔で呼吸数を推定する。
ユーザ1の呼吸の変化に対応するために、呼吸数推定部10は、一定時間間隔ごとに呼吸数を推定する。本実施形態では、1秒の時間間隔で呼吸数を推定する。
図25は推定時刻ごとにおける呼吸数推定の処理フローを示す。下記の説明では、「ピーク」と「底辺」はそれぞれ呼吸成分における極大値と極小値を表す。
<ステップS701>
呼吸数推定部10が、推定時刻tnowと所定時間intervにおいて、tnow−intervからtnowまでの呼吸成分を記録媒体から読み出す。即ち、下記数式(3)における呼吸成分のデータを読み出す。
(数3)
tnow−interv≦t≦tnow
本実施形態では、所定時間intervを10秒としている。
呼吸数推定部10が、推定時刻tnowと所定時間intervにおいて、tnow−intervからtnowまでの呼吸成分を記録媒体から読み出す。即ち、下記数式(3)における呼吸成分のデータを読み出す。
(数3)
tnow−interv≦t≦tnow
本実施形態では、所定時間intervを10秒としている。
<ステップS702>
呼吸数推定部10は、ステップS701で読み出された呼吸成分において、ピークが2つ以上存在するか否かを判断する。ピークが2つ以上存在すれば、ステップS703に進む。そうでなければ、ステップS711に進む。
呼吸数推定部10は、ステップS701で読み出された呼吸成分において、ピークが2つ以上存在するか否かを判断する。ピークが2つ以上存在すれば、ステップS703に進む。そうでなければ、ステップS711に進む。
<ステップS703>
呼吸数推定部10は、呼吸成分における最後の振幅ampを計算する。「最後の振幅」とは、最新のピークと最新の底辺との電位(インピーダンス)差を指す。
呼吸数推定部10は、呼吸成分における最後の振幅ampを計算する。「最後の振幅」とは、最新のピークと最新の底辺との電位(インピーダンス)差を指す。
<ステップS704>
呼吸数推定部10は、ステップS703で計算した最後の振幅ampが所定閾値ampth以上か否かを判断する。所定閾値ampth以上ならば、ステップS708に進む。そうでなければ、ステップS705に進む。本実施形態では、ampthを6.88μVとする。
呼吸数推定部10は、ステップS703で計算した最後の振幅ampが所定閾値ampth以上か否かを判断する。所定閾値ampth以上ならば、ステップS708に進む。そうでなければ、ステップS705に進む。本実施形態では、ampthを6.88μVとする。
<ステップS705>
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countを1つ増やす。
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countを1つ増やす。
<ステップS706>
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countが所定閾値countthを超えるか否かを判断する。本実施形態では、countthを1とする。所定閾値countthを超えれば、ステップS711に進む。そうでなければ、ステップS707に進む。
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countが所定閾値countthを超えるか否かを判断する。本実施形態では、countthを1とする。所定閾値countthを超えれば、ステップS711に進む。そうでなければ、ステップS707に進む。
<ステップS707>
呼吸数推定部10は、前回の推定時刻tnow−1で推定された呼吸数を推定時刻tnowの呼吸数とする。呼吸数推定の処理がここで終わる。
呼吸数推定部10は、前回の推定時刻tnow−1で推定された呼吸数を推定時刻tnowの呼吸数とする。呼吸数推定の処理がここで終わる。
<ステップS708>
呼吸数推定部10は、最後の2つのピークA、Cにおける時間間隔TACを計算する。
呼吸数推定部10は、最後の2つのピークA、Cにおける時間間隔TACを計算する。
<ステップS710>
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸数推定の処理がここで終わる。
呼吸数推定部10は、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸数推定の処理がここで終わる。
<ステップS711>
呼吸数推定部10は、呼吸数を0と設定した上で、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸数推定の処理はこの処理で終了する。
呼吸数推定部10は、呼吸数を0と設定した上で、ステップS704における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸数推定の処理はこの処理で終了する。
(呼吸数の推定結果)
図26は、呼吸数の推定結果を示す。この結果は、図17(b)で示された抽出結果を利用して得られている。周期2秒と4秒の呼吸の場合、理想的にそれぞれの呼吸数が30[times/minute]と15[times/minute]となる。図26によれば、各フェーズにおいて、それらの値に近い値が求められたことがわかる。
図26は、呼吸数の推定結果を示す。この結果は、図17(b)で示された抽出結果を利用して得られている。周期2秒と4秒の呼吸の場合、理想的にそれぞれの呼吸数が30[times/minute]と15[times/minute]となる。図26によれば、各フェーズにおいて、それらの値に近い値が求められたことがわかる。
このような構成および処理によって、数nAオーダーの低電流で計測した胸部インピーダンスから呼吸を抽出でき、抽出された呼吸成分に対してユーザの呼吸数を推定し、推定された呼吸数をユーザに提示できる。
(実施形態3)
本実施形態の生体信号計測システムは、呼吸出力部9が出力した呼吸成分の情報から、ユーザ1の呼吸量を推定する。
本実施形態の生体信号計測システムは、呼吸出力部9が出力した呼吸成分の情報から、ユーザ1の呼吸量を推定する。
(生体信号計測システム構成)
図27は本実施形態による生体情報計測システム600の構成を示す。
図27は本実施形態による生体情報計測システム600の構成を示す。
本実施形態による生体情報計測システム600と、実施形態1による生体情報計測システム100との相違点は、生体情報計測システム600が、新たに呼吸量推定部11を備えている点である。なお記載の便宜のため、図27では、図7のように、データ蓄積部6と、生体信号計測装置200と、生体情報演算装置300とを明確に分けていないが、本システム600もまた、図7と同じ構成である。たとえば呼吸量推定部11は生体情報演算装置300に設けられる。
(全体の処理フロー)
図28は、本実施形態による生体情報計測システム600全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
図28は、本実施形態による生体情報計測システム600全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
<ステップS80>
呼吸量推定部11が、ステップS60で出力された呼吸成分から、ユーザ1の呼吸量を推定する。その処理の詳細を、図29を参照しながら説明する。
呼吸量推定部11が、ステップS60で出力された呼吸成分から、ユーザ1の呼吸量を推定する。その処理の詳細を、図29を参照しながら説明する。
(呼吸量推定の処理フロー)
ユーザ1の呼吸の変化に対応するために、呼吸量推定部11が、一定時間間隔ごとに呼吸量を推定する。本実施形態では、1秒の時間間隔で呼吸量を推定する。
ユーザ1の呼吸の変化に対応するために、呼吸量推定部11が、一定時間間隔ごとに呼吸量を推定する。本実施形態では、1秒の時間間隔で呼吸量を推定する。
図29は推定時刻ごとにおける呼吸量推定の処理フローを示す。下記の説明では、「ピーク」と「底辺」はそれぞれ呼吸成分における極大値と極小値を表す。
<ステップS801>
呼吸量推定部11は、推定時刻tnowと所定時間intervにおいて、tnow−intervからtnowまでの呼吸成分を記録媒体から読み出す。即ち、下記数式(5)における呼吸成分のデータを読み出す。
(数5)
tnow−interv≦t≦tnow
本実施形態では、所定時間intervを10秒としている。
呼吸量推定部11は、推定時刻tnowと所定時間intervにおいて、tnow−intervからtnowまでの呼吸成分を記録媒体から読み出す。即ち、下記数式(5)における呼吸成分のデータを読み出す。
(数5)
tnow−interv≦t≦tnow
本実施形態では、所定時間intervを10秒としている。
<ステップS802>
呼吸量推定部11は、ステップS801で読み出された呼吸成分において、ピークが1つ以上かつ底辺が1つ以上あるか否かを判断する。ピークが1つ以上かつ底辺が1つ以上あれば、ステップS803に進む。そうでなければ、ステップS810に進む。
呼吸量推定部11は、ステップS801で読み出された呼吸成分において、ピークが1つ以上かつ底辺が1つ以上あるか否かを判断する。ピークが1つ以上かつ底辺が1つ以上あれば、ステップS803に進む。そうでなければ、ステップS810に進む。
<ステップS803>
呼吸量推定部11は、呼吸成分における最後の振幅ampを計算する。最後の振幅とは、最新のピークと最新の底辺との電位(インピーダンス)差を指す。
呼吸量推定部11は、呼吸成分における最後の振幅ampを計算する。最後の振幅とは、最新のピークと最新の底辺との電位(インピーダンス)差を指す。
<ステップS804>
呼吸量推定部11は、ステップS803で計算した最後の振幅ampが所定閾値ampth以上か否かを判断する。所定閾値ampth以上ならば、ステップS808に進む。そうでなければ、ステップS805に進む。実施形態2では、ampthを6.88μVとする。
呼吸量推定部11は、ステップS803で計算した最後の振幅ampが所定閾値ampth以上か否かを判断する。所定閾値ampth以上ならば、ステップS808に進む。そうでなければ、ステップS805に進む。実施形態2では、ampthを6.88μVとする。
<ステップS805>
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countを1つ増やす。
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countを1つ増やす。
<ステップS806>
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countが所定閾値countthを超えるか否かを判断する。本実施形態では、countthを1とする。所定閾値countthを超えれば、ステップS810に進む。そうでなければ、ステップS807に進む。
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countが所定閾値countthを超えるか否かを判断する。本実施形態では、countthを1とする。所定閾値countthを超えれば、ステップS810に進む。そうでなければ、ステップS807に進む。
<ステップS807>
呼吸量推定部11は、前回の推定時刻tnow−1で推定された呼吸量を推定時刻tnowの呼吸量とする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
呼吸量推定部11は、前回の推定時刻tnow−1で推定された呼吸量を推定時刻tnowの呼吸量とする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
<ステップS808>
呼吸量推定部11は、最後の振幅ampを用いて、下記数式(6)で呼吸量を推定する。
(数6)
呼吸量=α×(amp−ampth)
αは定数であり、本実施形態では1とする。
呼吸量推定部11は、最後の振幅ampを用いて、下記数式(6)で呼吸量を推定する。
(数6)
呼吸量=α×(amp−ampth)
αは定数であり、本実施形態では1とする。
<ステップS809>
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
呼吸量推定部11は、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
<ステップS810>
呼吸量推定部11は、呼吸量を0と設定した上で、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
呼吸量推定部11は、呼吸量を0と設定した上で、ステップS804における条件amp≧ampthを満たさない回数countをリセットする。呼吸量推定の処理がここで終わる。
(呼吸量の推定結果)
図30は、図17(b)で示された抽出結果に対して、呼吸量を推定した結果を示す。各フェーズにおいて、推定された呼吸量が異なることがわかる。フェーズ2(深呼吸)の呼吸量がフェーズ1(普通の呼吸)とフェーズ4(普通の呼吸)の呼吸量より大きい。フェーズ3の呼吸量がほとんど0である。
図30は、図17(b)で示された抽出結果に対して、呼吸量を推定した結果を示す。各フェーズにおいて、推定された呼吸量が異なることがわかる。フェーズ2(深呼吸)の呼吸量がフェーズ1(普通の呼吸)とフェーズ4(普通の呼吸)の呼吸量より大きい。フェーズ3の呼吸量がほとんど0である。
このような構成および処理によって、数nAオーダーの低電流で計測した胸部インピーダンスから呼吸を抽出でき、抽出された呼吸成分に対してユーザの呼吸量を推定し、推定された呼吸量をユーザに提示できる。
(実施形態4)
図31(a)は、T波の計測結果を示す。図31(a)に示すように、計測された胸部インピーダンスから、時々T波が発生しない、もしくはTピークの振幅が非常に小さい場合がある。そのような計測値をT波として扱い、包絡線を作成するとする。そうすると、呼吸成分における振幅が急に大きくなり、間違った呼吸成分が生成されてしまう。そのため、その場合が発生すれば、T波を校正する必要がある。
図31(a)は、T波の計測結果を示す。図31(a)に示すように、計測された胸部インピーダンスから、時々T波が発生しない、もしくはTピークの振幅が非常に小さい場合がある。そのような計測値をT波として扱い、包絡線を作成するとする。そうすると、呼吸成分における振幅が急に大きくなり、間違った呼吸成分が生成されてしまう。そのため、その場合が発生すれば、T波を校正する必要がある。
本実施形態による生体信号計測システムは、心電成分特徴検出部7が検出したT波が所定閾値impth1より小さければ、T波のピークの値を校正する。
(生体信号計測システム構成)
図32は本実施形態による生体情報計測システム700の構成を示す。
図32は本実施形態による生体情報計測システム700の構成を示す。
本実施形態による生体情報計測システム700と、実施形態1による生体情報計測システム100との相違点は、生体情報計測システム700が、新たに心電成分特徴校正部12を備えている点である。なお記載の便宜のため、図32では、図7のように、データ蓄積部6と、生体信号計測装置200と、生体情報演算装置300とを明確に分けていないが、本システム700もまた、図7と同じ構成である。たとえば心電成分特徴校正部12は生体情報演算装置300に設けられる。
(全体の処理フロー)
図33は本実施形態による生体情報計測システム700全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS40、ステップS50〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
図33は本実施形態による生体情報計測システム700全体の処理フローを示す。ステップS10〜ステップS40、ステップS50〜ステップS60は、実施形態1と同じ処理フローのため、ここでは説明を省略する。
<ステップS40A>
心電成分特徴検出部7が、ステップS40で検出されたT波のピークの値が閾値impth1より小さいか否かを判断する。小さければ、ステップS40Bに進む。そうでなければ、ステップS50に進む。本実施形態では、閾値impth1を5.00μVとする。
心電成分特徴検出部7が、ステップS40で検出されたT波のピークの値が閾値impth1より小さいか否かを判断する。小さければ、ステップS40Bに進む。そうでなければ、ステップS50に進む。本実施形態では、閾値impth1を5.00μVとする。
<ステップS40B>
心電成分特徴校正部12は、ステップS40で検出されたT波のピークの値が閾値impth1より小さいと判断すると、T波のピークの値を校正する。校正の詳細を下記の「T波校正の処理フロー」において説明する。校正後、ステップS50に進む。
心電成分特徴校正部12は、ステップS40で検出されたT波のピークの値が閾値impth1より小さいと判断すると、T波のピークの値を校正する。校正の詳細を下記の「T波校正の処理フロー」において説明する。校正後、ステップS50に進む。
(T波校正の処理フロー)
図34は、T波校正の処理フローを示す。ピークの振幅がよりimpth1より小さいT波における時刻をt1とする。
図34は、T波校正の処理フローを示す。ピークの振幅がよりimpth1より小さいT波における時刻をt1とする。
<ステップS40B1>
心電成分特徴校正部12が、前の時刻におけるT波の群から、呼吸成分における最後の周期Tlastを求める。
心電成分特徴校正部12が、前の時刻におけるT波の群から、呼吸成分における最後の周期Tlastを求める。
<ステップS40B2>
心電成分特徴校正部12が、時刻t1から周期Tlastを減算し、(t1−Tlast)に最も近いT波を探索する。
心電成分特徴校正部12が、時刻t1から周期Tlastを減算し、(t1−Tlast)に最も近いT波を探索する。
<ステップS40B3>
心電成分特徴校正部12が、(t1−Tlast)に最も近いT波のピークの値を、校正値として、時刻t1におけるT波のピークの値に入力する。
心電成分特徴校正部12が、(t1−Tlast)に最も近いT波のピークの値を、校正値として、時刻t1におけるT波のピークの値に入力する。
図35は、校正結果を示す。「●」は検出されたT波のピークを示す。一方、「○」は、T波のピークを校正した結果を示す。本実施形態によれば、時刻t1において検出されたT波のピーク(「●」)が「○」に校正される。
(T波校正結果)
図31(b)は、図31(a)で示された波形に含まれるT波を校正した結果を示す。T波が発生しない、もしくはTピークの振幅が非常に小さい場合があっても、校正によって呼吸成分における急な振幅変化が発生しない。
図31(b)は、図31(a)で示された波形に含まれるT波を校正した結果を示す。T波が発生しない、もしくはTピークの振幅が非常に小さい場合があっても、校正によって呼吸成分における急な振幅変化が発生しない。
このような構成および処理によって、計測した胸部インピーダンスから、時々T波が発生しない、もしくはTピークの振幅が非常に小さい場合が発生しても、T波のピークを校正し、正しい呼吸成分を抽出できる。
以上、本開示による実施形態1〜4を説明した。
以下、各実施形態に生体情報計測システムに共通するハードウェア構成例を説明する。なお、以下の説明では実施形態1に係る生体情報計測システム100に関する構成例を説明する。
図36は、生体信号計測システム100のハードウェア構成の例を示す。生体情報計測システム100のデータ蓄積部6、生体信号計測装置200、および生体情報演算装置300は、互いにバス201で接続され、相互にデータの授受が可能である。また、それぞれの回路にはバッテリ部202から電力が供給されている。これらのハードウェアが、図8に示されるように、生体信号計測装置200Aの筐体の中に格納される。
生体信号計測装置200は、計測電極2aと、参照電極2bと、アース2cと、生体アンプ211と、AD変換部212と、電流印加部8とを含む。生体アンプ211は、計測電極2aと参照電極2bの間の電位差やインピーダンスを計測する。インピーダンスを計測する場合には、生体アンプ211は、電流印加部8から微弱な電流を流しながら計測がなされる。電位計測かインピーダンス計測かの切り替えは信号処理部220からの制御によって切り替えられる。計測されたデータは、AD変換部212でアナログ信号からデジタル信号に変換され、バス201を経由して信号処理部220のCPU221に送られる。
生体情報演算装置300は、CPU221とRAM222とRAMに格納されたプログラム223とROM224を有する。プログラム223は、RAM222もしくはROM224に記憶される。CPU221は、RAM222もしくはROM224に記憶されたプログラム223を実行する。プログラム223には、上述したいずれかのフローチャートに示される処理手順が記述されている。生体情報演算装置300は、このコンピュータプログラム223にしたがって、生体信号計測装置200の信号を解析し、計測データや解析結果をデータ蓄積部6に蓄える。
データ蓄積部6は、蓄積回路231と記録媒体Aと記録媒体Bを有する。データ蓄積部6は、信号処理部22から受け取ったデータを蓄積回路経由で記録媒体Aまたは記録媒体Bに記録する。記録媒体Aと記録媒体Bは、たとえば内蔵されたフラッシュメモリである。図36では、2種類の記録媒体が記載されているが、これは一例である。同一の記録媒体内の異なる2領域を2種類の記録媒体として割り当ててもよい。
図37は、他のハードウェアの構成例を示す。この構成例では、計測されたデータはそのまま送信部240によってPCやスマートフォンに送信される。データを受信したPCやスマートフォンが、図36におけるデータ蓄積部6として機能することになる。なお、データの送信は、無線によって行われてもよいし、有線によって行われてもよい。
以下では、基本的な構成は図36と同様であるため、生体信号計測装置200と生体情報演算装置300の重複する説明は省略し、送信部240のみ説明を行う。
送信部240は、送信回路241とアンテナ242とを有する。生体情報演算装置300によって解析された計測データや計測結果は、送信回路241によって送信プロトコルに適したデータフォーマットに変換され、アンテナ242から送信される。アンテナ242から送信されたデータはPCやスマートフォンに搭載された受信装置(図示せず)によって受信され、その後の処理に使用される。
尚、図37の一例のように無線化した場合には、前述のインピーダンス時系列データ蓄積、心電成分特徴検出、包絡線作成等の信号処理は、生体情報演算装置300のCPU221によって行われてもよい。あるいは、信号処理部分を処理せずに、送信部240からデータ受信側のPC等にデータを先に送信し、受信側のPCで信号処理を行ってもよい。生体信号計測装置内の信号処理部220で複雑な信号処理を実施した場合にはCPU等の消費電力が増加するし、送信部240においてもデータ送信量と消費電力は比例関係にある。そのため、長時間のモニタリングを実施するためには、PC側と生体信号計測装置200のどちらで信号処理を行うか、どれだけのデータを送信するかについてアプリケーションに適した設定をすればよい。
本開示にかかる生体情報記録装置によれば、数nAオーダーの低電流を流すだけで、心電図と呼吸(呼吸数、呼吸量)の計測が可能になるため、生体情報モニタリング装置を簡易に構成できる。これにより従来は病院等で入院等によってしか把握できなかった心電図と呼吸(呼吸数、呼吸量)の両方の情報が自宅でも評価でき、長時間、長期間にわたる評価が可能になる。具体的には、病院内での計測の簡素化、自宅等での健康状態の確認、スポーツ時の運動負荷状態の把握等、心拍と呼吸の両方を計測する分野に応用可能である。
1 ユーザ
2 電位計測用電極部
2a 電位計測用電極+
2b 電位計測用電極−
3 電流印加用電極部
3a 電流印加用電極+
3b 電流印加用電極−
4 電流印加部
5 インピーダンス計測部
6 インピーダンス時系列データ蓄積部
7 心電成分特徴検出部
8 包絡線生成部
9 呼吸出力部
10 呼吸数推定部
11 呼吸量推定部
12 心電成分特徴校正部
100、500、600、700 生体情報計測システム
200 生体信号計測装置
200A 生体信号計測装置
200B ディスポーザブル電極
300 生体情報演算装置
2 電位計測用電極部
2a 電位計測用電極+
2b 電位計測用電極−
3 電流印加用電極部
3a 電流印加用電極+
3b 電流印加用電極−
4 電流印加部
5 インピーダンス計測部
6 インピーダンス時系列データ蓄積部
7 心電成分特徴検出部
8 包絡線生成部
9 呼吸出力部
10 呼吸数推定部
11 呼吸量推定部
12 心電成分特徴校正部
100、500、600、700 生体情報計測システム
200 生体信号計測装置
200A 生体信号計測装置
200B ディスポーザブル電極
300 生体情報演算装置
Claims (20)
- ユーザの胸部に設けられる複数の電極と、
前記複数の電極と電気的に接続され、前記複数の電極に電流を供給する電流源と、
前記複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測する計測部と、
前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出する検出部と、
前記T波のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、
前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する出力部とを備える、
生体情報計測システム。 - 前記計測部によって計測された前記インピーダンスは、心電由来の成分と、呼吸由来の成分とを含み、
前記インピーダンスでは、前記心電由来の成分が、呼吸由来の成分よりも大きい、請求項1に記載の生体情報計測システム。 - 前記電流源は、1nA以上で、107.62μA以下の電流を供給する、請求項2に記載の生体情報計測システム。
- 前記電流源は、350μAよりも小さい電流を供給する、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記検出部は、前記インピーダンスの時系列データのピークの値、およびピークに至った時刻から、予め設定されたベースラインに戻った時刻までの期間を用いて、前記T波のピークの値を検出する、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記検出部は、心電に由来する成分のR波のピークを検出し、隣接するR波のピーク間に含まれる最も振幅が大きいピークをT波のピークとする、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記包絡線生成部は、検出された複数の前記T波のピーク間をスプライン曲線で補間し、包絡線を生成する、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸出力部で出力された呼吸成分の情報から、呼吸数を推定する呼吸数推定部をさらに備えた、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸数推定部は、推定時における呼吸成分の極値を用いて最後の周期を算出し、最後の周期を用いて呼吸数を推定する、請求項8に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸数推定部は、一定時間間隔ごとに呼吸数を推定する、請求項9に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸数推定部は、呼吸成分の最後の振幅が特定の閾値以下の場合には呼吸停止と判断し、呼吸数を0と推定する、請求項9に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸出力部で出力された呼吸成分の情報から、呼吸量を推定する呼吸量推定部をさらに備えた、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸量推定部は、一定時間間隔ごとに呼吸量を推定する、請求項12に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸量推定部は、呼吸成分の最後の振幅の大きさに基づいて、一回あたりの呼吸量を推定する、請求項12に記載の生体情報計測システム。
- 前記呼吸量推定部は、推定時に、呼吸成分の最後の振幅が特定の閾値以下の場合には呼吸停止と判断し、呼吸量を0と推定する、請求項12に記載の生体情報計測システム。
- 前記検出部によって検出された心電成分の特定のピークの値が所定閾値より小さい場合に、前記特定のピークの値を校正する校正部をさらに備える、請求項1に記載の生体情報計測システム。
- 前記校正部は、前の時刻における特定のピークの群から、呼吸成分における最後の周期を求め、所定閾値より小さい特定のピークにおける時刻から前記最後の周期を引いた時刻に最も近い特定のピークの値を、校正値として、所定閾値より小さい特定のピークの値に入力する、請求項16に記載の生体情報計測システム。
- 電流源から供給された電流を用いて、ユーザの胸部に設けられた複数の電極間の電位差から計測されたインピーダンスの時系列データを受け取り、前記時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出する検出部と、
前記T波のピークの値の包絡線を生成する包絡線生成部と、
前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力する出力部と
を備えた、生体情報演算装置。 - ユーザの胸部に設けられた複数の電極に電流を供給するステップと、
前記複数の電極間の電位差からインピーダンスを計測するステップと、
前記インピーダンスの時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出するステップと、
前記特定のピークの値の包絡線を生成するステップと、
前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力するステップと
を包含する、生体情報計測方法。 - 生体情報計測システムに設けられたコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、
電流源から供給された電流を用いて、ユーザの胸部に設けられた複数の電極間の電位差から計測されたインピーダンスの時系列データを受け取るステップと、
前記時系列データから、心電に由来する成分のT波のピークの値を検出するステップと、
前記T波のピークの値の包絡線を生成するステップと、
前記包絡線の情報を、前記ユーザの呼吸成分に関する生体情報として出力するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
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