JP5624691B1 - モータグレーダ - Google Patents

Abstract

ステアリングポストは、ステアリングポストの前面の上端に位置するポスト端部を有する。ケース部は、ケース部の前面の下端に位置するケース端部を有する。ポスト端部とケース端部との間には、隙間が設けられる。カバー部材は、隙間を覆うように配置される。カバー部材は、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときのケース端部の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有する。カバー部材の下端部は、ポスト端部に接続される。カバー部材の上端部は、ケース部内においてケース端部よりも上方に位置する。

Description

本発明は、モータグレーダに関する。

一般的に、モータグレーダは、ステアリング部材と、ケース部と、ステアリングポストとを備えている。ステアリング部材は、例えばステアリングホイールであり、ケース部に取り付けられる。ケース部は、ステアリングポストに支持される。ステアリングポストは、運転席の前方に配置される。

例えば、特許文献１のモータグレーダでは、ケース部は、ステアリングポストに傾動可能に取り付けられる。このため、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときの干渉を回避するために、ケース部の前面の下端部とステアリングポストの前面の上端部との間には隙間が設けられている。

米国意匠登録第５５６７９０号

上記のモータグレーダのように、ケース部とステアリングポストとの間に隙間が設けられると、降雨時、或いは、洗車時などに、水が隙間からケース部の内部に浸入する可能性がある。この場合、ケース部内に電装品が配置されていると、水によってショートなどの問題が発生するおそれがある。

本発明の課題は、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときの干渉を回避すると共に、ケース部内の防水性を向上させることができるモータグレーダを提供することにある。

本発明の一態様に係るモータグレーダは、床部と、運転席と、ステアリングポストと、ケース部と、ステアリング部材と、電装品と、カバー部材と、を備える。運転席は、床部上に配置される。ステアリングポストは、運転席の前方に配置され、床部上に立設される。ケース部は、ステアリングポストに対して、車幅方向に延びる中心軸線周りに傾動可能に取り付けられる。ステアリング部材は、ケース部に取り付けられる。電装品は、ケース部内に配置される。カバー部材は、ステアリングポストに取り付けられ、少なくとも一部がケース部内に配置される。ステアリングポストは、ステアリングポストの前面の上端に位置するポスト端部を有する。ケース部は、ケース部の前面の下端に位置するケース端部を有する。ポスト端部とケース端部との間には、隙間が設けられる。カバー部材は、隙間を覆うように配置される。カバー部材は、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときのケース端部の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有する。カバー部材の下端部は、ポスト端部に接続される。カバー部材の上端部は、ケース部内においてケース端部よりも上方に位置する。

本態様に係るモータグレーダでは、ポスト端部とケース端部との間には、隙間が設けられる。このため、ケース部とステアリングポストとの干渉を回避することができる。また、カバー部材は、ケース部とステアリングポストとの間の隙間を覆うので、ケース部内の防水性を向上することができる。カバー部材は、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときのケース端部の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有する。このため、カバー部材とケース部との干渉を回避することができる。さらに、カバー部材の上端部は、ケース部内においてケース端部よりも上方に位置する。このため、カバー部材をケース部と干渉しないように配置しながらも、ケース部内の防水性を向上することができる。

好ましくは、カバー部材は、ケース端部に対して間隔をおいて配置される。この場合、ケース部とステアリングポストとの干渉を回避することができる。また、カバー部材が、ケース端部に対して摺動する場合と比べて、カバー部材の損耗を抑えることができる。さらに、カバー部材がケース部とステアリングポストとに亘って取り付けられる場合と比べて、組立性を向上させることができる。

好ましくは、カバー部材は、後方へ向かって凸に屈曲した形状を有する。この場合、ケース部とカバー部材との干渉を回避することができる。

好ましくは、カバー部材は、Ｊ字型の断面形状を有する。この場合、ケース部とカバー部材との干渉を回避することができる。

好ましくは、カバー部材は、Ｌ字型の断面形状を有する。この場合、ケース部とカバー部材との干渉を回避することができる。

好ましくは、ケース部の前面の下部は、斜め下後方へ向けて屈曲した形状を有する。この場合、ケース端部とカバー部材との間隔を小さくすることができる。これにより、防水性をさらに向上させることができる。

好ましくは、ケース部の前面は、主前面部と傾斜面部とを有する。傾斜面部は、主前面部の下端部に接続され、主前面部に対して斜め下後方へ向けて傾斜している。カバー部材は、側面断面視において、ステアリングポストの前面の内面を含む第１仮想平面から最も離れた所定部分を有する。第１仮想平面と所定部分との間の距離は、主前面部の内面を含む第２仮想平面とケース端部との間の距離よりも大きい。

この場合、ケース端部の後方への屈曲量と比べて、カバー部材の後方への屈曲量が大きい。このため、ケース部とカバー部材との干渉を抑えながら、ステアリングポストに対するケース部の傾動範囲を大きくすることができる。

本発明によれば、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときの干渉を回避すると共に、ケース部内の防水性を向上させることができるモータグレーダを提供することができる。

モータグレーダの側面図である。 キャブの側面図である。 キャブの正面図である。 ステアリングポストとケース部の構造を示す側面図である。 ステアリング部材が最も後方の位置に配置されている状態でのキャブの側面図である。 ステアリング部材が最も後方の位置に配置されている状態でのキャブの正面図である。 ケース部とステアリングポストとカバー部材との側面断面図である。 ケース部とステアリングポストとカバー部材との側面断面図である。 ケース部とステアリングポストとカバー部材との側面断面図である。 ケース部とステアリングポストとカバー部材との側面断面図である。 ケース部とステアリングポストとカバー部材との側面断面図である。 ステアリングポストを基準としたケース端部の相対変位を示す図である。 他の実施形態に係るカバー部材の側面断面図である。

以下、図面を参照して実施形態に係るモータグレーダ１について説明する。図１は、モータグレーダ１の全体構成を示す側面図である。なお、以下の説明において、「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、モータグレーダ１のオペレータから見た方向を意味するものとする。モータグレーダ１は、フレーム２と、前輪３と、後輪４と、キャブ５と、作業機６と、を備える。

フレーム２は、フロントフレーム１１とリヤフレーム１２とによって構成される。フロントフレーム１１の後端は、リヤフレーム１２の前端に左右に揺動可能に取り付けられている。リヤフレーム１２は、エンジンルーム１９を支持している。エンジンルーム１９は、キャブ５の後方に配置されている。エンジンルーム１９内には、図示しないエンジンや油圧ポンプなどが配置されている。

前輪３は、フロントフレーム１１の前部に取り付けられる。後輪４は、リヤフレーム１２に取付けられる。キャブ５は、フロントフレーム１１上に配置されている。フロントフレーム１１は、キャブ５の前方に延びる。ただし、キャブ５は、リヤフレーム１２上に配置されていてもよい。

作業機６は、ドローバ１３と、ブレード１４と、ブレード旋回装置１５と、一対のリフトシリンダ１６と、シフトシリンダ１７と、を有する。ドローバ１３は、フロントフレーム１１の下方に配置される。ドローバ１３は、フロントフレーム１１の前部に上下揺動可能に取り付けられる。ブレード１４は、ブレード旋回装置１５を介して、ドローバ１３の後部に支持される。ブレード旋回装置１５は、ブレード１４を旋回させる。ブレード旋回装置１５は、例えば油圧モータと、油圧モータの傾動をブレード１４に伝達するギアを有する。

一対のリフトシリンダ１６は、リフタブラケット１８を介してフロントフレーム１１に連結される。また、一対のリフトシリンダ１６は、ドローバ１３に連結される。一対のリフトシリンダ１６が伸縮することによって、ブレード１４が上下に移動する。シフトシリンダ１７は、リフタブラケット１８を介してフロントフレーム１１に連結される。また、シフトシリンダ１７は、ドローバ１３に連結される。シフトシリンダ１７が伸縮することによって、ドローバ１３が左右に移動する。

図２は、キャブ５の側面図である。図３は、キャブ５の正面図である。キャブ５は、窓や扉を有さない、いわゆるキャノピ型のキャブである。図２及び図３に示すように、キャブ５は、屋根部２１と床部２２と複数のピラー２３−２５とを有する。床部２２は、フレーム２上に配置されている。複数のピラー２３−２５は、床部２２上に立設されている。屋根部２１は、複数のピラー２３−２５に支持されている。

床部２２上には、運転席２６とステアリングポスト２７とが配置されている。ステアリングポスト２７は、運転席２６の前方に配置されている。ステアリングポスト２７は、床部２２上に立設されている。ステアリングポスト２７の前方および両側方には、窓、或いは、ドアが設けられておらず、外部に露出している。

ステアリングポスト２７の上部には、ケース部２８が取り付けられている。ケース部２８には、ステアリング部材２９が取り付けられる。本実施形態において、ステアリング部材２９は、ステアリングホイールである。ただし、ステアリング部材２９は、ステアリングホイール以外の部材であってもよい。ケース部２８には、操作部材３１が取り付けられている。例えば、操作部材３１は、作業機６を操作するためのレバーである。

操作部材３１には、図示しないパイロット油圧配管が接続されている。パイロット油圧配管には、作業機６を操作するための作動油が流れる。なお、図面においては、操作部材３１の一部のみに符号「３１」を付しており、他の操作部材３１の符号は省略されている。

図４は、ステアリングポスト２７とケース部２８の構造を示す側面図である。図４に示すように、ケース部２８には、モニター３３が取り付けられている。モニター３３は、例えば液晶ディスプレイを含み、モータグレーダ１に関する各種の情報を表示する。ケース部２８には、ランプ３４，３５が取り付けられている。ランプ３４，３５は、各種の警告灯及び指示灯を含む。また、ケース部２８内には、ブザー３６が配置されている。このように、ケース部２８内には、モニター３３、ランプ３４，３５、ブザー３６などの電装品、及び、これらの電装品に接続される電気ケーブルが配置されている。

ステアリングポスト２７は、床部２２に対して、車幅方向に延びる中心軸線周りに傾動可能に取り付けられている。ケース部２８は、ステアリングポスト２７に対して、車幅方向に延びる中心軸線周りに傾動可能に取り付けられている。これにより、ステアリング部材２９の位置を前後に変更することができる。

上述した図２及び図３は、ステアリング部材２９が最も前方の位置（以下、「前方限界位置」と呼ぶ。）に配置されている状態を示している。図５は、ステアリング部材２９が最も後方の位置（以下、「後方限界位置」と呼ぶ）に配置されている状態でのキャブ５の側面図である。図６は、ステアリング部材２９が最も後方に位置している状態でのキャブ５の正面図である。

以下、ステアリングポスト２７とケース部２８の構造について詳細に説明する。図４に示すように、ステアリングポスト２７は、第１ポスト部材４１と第２ポスト部材４２とを有する。第１ポスト部材４１と第２ポスト部材４２とは別体の部材である。第１ポスト部材４１と第２ポスト部材４２とはそれぞれ略上下方向に延びている。第２ポスト部材４２は、第１ポスト部材４１の後方に配置されている。第１ポスト部材４１と第２ポスト部材４２とは、側面視において一部が重なり合うように組み合わされている。ただし、第１ポスト部材４１と第２ポスト部材４２とは、互いに固定されておらず、互いに相対的に移動可能である。

第１ポスト部材４１は、第１下傾動支持部４１１を有する。第１下傾動支持部４１１は、第１ポスト部材４１の下端部に設けられている。第１下傾動支持部４１１は、第１下ピン部材４３を介して床部２２に取り付けられている。第１下傾動支持部４１１は、床部２２に対して回転可能に取り付けられる。

第２ポスト部材４２は、第２下傾動支持部４２１を有する。第２下傾動支持部４２１は、第２ポスト部材４２の下端部に設けられている。第２下傾動支持部４２１は、第２下ピン部材４４を介して床部２２に取り付けられている。第２下傾動支持部４２１は、床部２２に対して回転可能に取り付けられる。

第１ポスト部材４１は、第１上傾動支持部４１２を有する。第１上傾動支持部４１２は、第１ポスト部材４１の上端部に設けられている。第１上傾動支持部４１２は、第１上ピン部材４５を介してケース部２８に取り付けられている。第１上傾動支持部４１２は、ケース部２８に対して回転可能に取り付けられている。

第２ポスト部材４２は、第２上傾動支持部４２２を有する。第２上傾動支持部４２２は、第２ポスト部材４２の上端部に設けられている。第２上傾動支持部４２２は、第２上ピン部材４６を介してケース部２８に取り付けられている。第２上傾動支持部４２２は、ケース部２８に対して回転可能に取り付けられている。

第１上ピン部材４５と第２上ピン部材４６とは、リンク部材４７を介して連結されている。リンク部材４７は、ステアリングポスト２７の床部２２に対する傾動に応じて、ケース部２８のステアリングポスト２７に対する角度を変更する。これにより、ステアリングポスト２７の床部２２に対する角度に関らず、ケース部２８の水平方向に対する角度が、一定に保持される。すなわち、ステアリングポスト２７の床部２２に対する傾動に関らず、ケース部２８は略平行移動する。

図２に示すように、前方限界位置では、ケース部２８の前面２８１は、斜め前下方に向かって傾斜しており、ステアリングポスト２７の前面２７１は、斜め前上方に向かって傾斜している。図５に示すように、後方限界位置では、ケース部２８の前面２８１は、斜め前下方に向かって傾斜しており、ステアリングポスト２７の前面２７１は、斜め前下方に向かって傾斜している。図２及び図５に示すように、ステアリングポスト２７の傾動に伴い、ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動することで、ケース部２８の前面２８１とステアリングポスト２７の前面２７１と相対位置が変化する。この相対位置の変化による干渉を回避するために、ケース部２８の前面２８１とステアリングポスト２７の前面２７１との間には、隙間Ｇ１が設けられている。

図７から図１０は、ステアリングポスト２７の傾動によるケース部２８の前面２８１とステアリングポスト２７の前面２７１との位置の変化を示す側面断面図である。図７から図１０に示すように、ケース部２８は、ケース部２８の前面２８１の下端に位置するケース端部２８２を有する。図３に示すように、ケース端部２８２は、正面視において、上方へ向かって凹んだ形状を有する。図７から図１０に示すように、ステアリングポスト２７は、ステアリングポスト２７の前面２７１の上端に位置するポスト端部２７２を有する。ポスト端部２７２は、ケース端部２８２の下方に位置する。隙間Ｇ１は、ケース端部２８２とポスト端部２７２との間に設けられている。

図７は、前方限界位置でのケース部２８とステアリングポスト２７とを示している。図１０は、後方方限界位置でのケース部２８とステアリングポスト２７とを示している。図８及び図９は、前方限界位置と後方限界位置との間の中間的な位置でのケース部２８とステアリングポスト２７とを示している。詳細には、図８は、前方限界位置から後方限界位置に向かってステアリングポスト２７が傾動したときの位置（以下、「第１中間位置」と呼ぶ。）でのケース部２８とステアリングポスト２７とを示している。図９は、第１中間位置から後方限界位置に向かってステアリングポスト２７が傾動したときの位置（以下、「第２中間位置」と呼ぶ。）でのケース部２８とステアリングポスト２７とを示している。

図７から図１０に示すように、ステアリングポスト２７には、カバー部材４８が取り付けられている。カバー部材４８の少なくとも一部は、ケース部２８内に配置されている。ただし、カバー部材４８の全体が、ケース部２８内に配置されてもよい。カバー部材４８は、ポスト端部２７２とケース端部２８２との間の隙間Ｇ１を後方から覆うように配置される。

ケース端部２８２は、斜め下後方へ向けて屈曲した形状を有する。詳細には、ケース部２８の前面２８１は、主前面部２８ａと傾斜面部２８ｂとを有する。主前面部２８ａは、斜め前下方に向かって傾斜している。傾斜面部２８ｂは、主前面部２８ａの下端部に接続され、主前面部２８ａに対して斜め下後方へ向けて傾斜している。なお、傾斜面部２８ｂの下端部は、ケース端部２８２である。

図７から図１０に示すように、隙間Ｇ１は、前方限界位置において最も大きくなる。また、隙間Ｇ１は、後方限界位置において最も小さくなる。ここで隙間Ｇ１の大きさは、ポスト端部２７２とケース端部２８２との間の距離を意味する。

前方限界位置から後方限界位置に向かうほど、ケース端部２８２は、上下方向において、ポスト端部２７２に近づく。前方限界位置から後方限界位置に向かうほど、ケース端部２８２は、ポスト端部２７２よりも後方へと移動する。

上記のように、ステアリングポスト２７の傾動に応じて、ケース端部２８２とポスト端部２７２との位置関係は変化する。カバー部材４８は、この位置関係の変化に関らず、ケース端部２８２と干渉しないように屈曲した形状を有する。以下、カバー部材４８の構造について詳細に説明する。

カバー部材４８は、ステアリングポスト２７に接続されている。詳細には、カバー部材４８の下端部４８１は、ポスト端部２７２に接続される。例えば、カバー部材４８とステアリングポスト２７とは金属製であり、カバー部材４８の下端部４８１は、ポスト端部２７２に溶接される。側面視において、カバー部材４８は、Ｊ字型の断面形状を有する。カバー部材４８は、ポスト端部２７２から後方へ向かって凸に屈曲した形状を有する。

カバー部材４８の上端部４８２は、ケース部２８内においてケース端部２８２よりも上方に位置する。図７から図１０に示すように、ステアリングポスト２７の全傾動範囲において、カバー部材４８の上端部４８２は、ケース端部２８２よりも上方に位置する。

図７に示すように、カバー部材４８は、側面断面視において、仮想平面ＰＬ１から最も離れた所定部分４８３を有する。仮想平面ＰＬ１は、ステアリングポスト２７の前面２７１の内面を含む平面である。仮想平面ＰＬ１と所定部分４８３との間の距離Ｄ１は、仮想平面ＰＬ２とケース端部２８２との間の距離Ｄ２よりも大きい。仮想平面ＰＬ２は、ケース部２８の主前面部２８ａの内面を含む平面である。

図１１に示すように、カバー部材４８は、傾斜部４８４を有する。ステアリングポスト２７の全傾動範囲において、ケース端部２８２は、傾斜部４８４と対向する位置に配置される。傾斜部４８４は、側面断面視においてステアリングポスト２７の前面２７１の内面を含む仮想平面ＰＬ１に対して傾斜している。仮想平面ＰＬ１と傾斜部４８４との間の距離が、下方に向かうほど大きくなるように、傾斜部４８４は、仮想平面ＰＬ１に対して傾斜している。すなわち、図１１において、Ｌ１＜Ｌ２＜Ｌ３＜Ｌ４である。

上記のようなカバー部材４８の形状により、図７から図１０に示すように、カバー部材４８は、ケース端部２８２に対して間隔Ｇ２をおいて配置される。すなわち、ステアリングポスト２７の全傾動範囲において、カバー部材４８は、ケース端部２８２に接触しない。カバー部材４８とケース端部２８２との間の間隔Ｇ２は、隙間Ｇ１よりも小さい。カバー部材４８とケース端部２８２との間の間隔Ｇ２は、好ましくは８ｍｍ以下である。なお、ここでの間隔Ｇ２の大きさは、カバー部材４８とケース端部２８２との間の最短距離を意味するものとする。

図１２は、ステアリングポスト２７を基準としたケース端部２８２の相対変位を示す図である。図１２において、Ｐ１は、前方限界位置でのステアリングポスト２７に対するケース端部２８２の位置を示している。Ｐ２は、第１中間位置でのステアリングポスト２７に対するケース端部２８２の位置を示している。Ｐ３は、第２中間位置でのステアリングポスト２７に対するケース端部２８２の位置を示している。Ｐ４は、後方限界位置でのステアリングポスト２７に対するケース端部２８２の位置を示している。

なお、ステアリングポスト２７が床部２２に対して傾動すると共にケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動するが、図１２では、ステアリングポスト２７を基準としたケース端部２８２の相対変位を示すため、ステアリングポスト２７の位置が固定的に図示されている。また、図１２では、ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動することによるケース端部２８２の軌跡がＰ１〜Ｐ４をつなぐ二点差線で示されている。図１２に示すように、カバー部材４８は、ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動するときのケース端部２８２の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有している。

以上、説明した本実施形態に係るモータグレーダ１では、ポスト端部２７２とケース端部２８２との間には、隙間Ｇ１が設けられる。このため、ケース部２８とステアリングポスト２７との干渉を回避することができる。また、カバー部材４８が、ケース部２８とステアリングポスト２７との間の隙間Ｇ１を覆うので、ケース部２８内の防水性を向上することができる。カバー部材４８は、ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動するときのケース端部２８２の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有する。このため、カバー部材４８とステアリングポスト２７との干渉を回避することができる。さらに、カバー部材４８の上端部４８２は、ケース部２８内においてケース端部２８２よりも上方に位置する。このため、カバー部材４８をケース部２８と干渉しないように配置しながらも、ケース部２８内の防水性を向上することができる。

カバー部材４８は、ケース端部２８２に対して間隔Ｇ２をおいて配置される。このため、ケース部２８とカバー部材４８との干渉を回避することができる。また、カバー部材４８が、ケース端部２８２に対して摺動する場合と比べて、カバー部材４８の損耗を抑えることができる。さらに、カバー部材４８がケース部２８とステアリングポスト２７とに亘って取り付けられる場合と比べて、組立性を向上させることができる。

ケース端部２８２は、斜め下後方へ向けて屈曲した傾斜面部２８ｂを有する。このため、ケース端部２８２とカバー部材４８との間隔Ｇ２を小さくすることができる。これにより、防水性をさらに向上させることができる。

ステアリングポスト２７の前面２７１の内面を含む仮想平面ＰＬ１から最も離れた所定部分４８３と、仮想平面ＰＬ１との間の距離Ｄ１は、ケース部２８の主前面部２８ａの内面を含む仮想平面ＰＬ２とケース端部２８２との間の距離Ｄ２よりも大きい。従って、ケース端部２８２の後方への屈曲量と比べて、カバー部材４８の後方への屈曲量が大きい。このため、ケース部２８とカバー部材４８との干渉を抑えながら、ステアリングポスト２７に対するケース部２８の可動範囲を大きくすることができる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

上記の実施形態では、キャブ５は、ステアリングポスト２７の周囲が開放されたキャノピ型のキャブであるが、閉じられたタイプのキャブであってもよい。

カバー部材４８の形状は上記の実施形態の形状に限られない。例えば、図１３に示すように、カバー部材４８は、Ｌ字型の断面形状を有してもよい。ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動するときに、ケース端部２８２がカバー部材４８に対して摺動してもよい。或いは、ケース部２８がステアリングポスト２７に対して傾動するときに、ケース端部２８２がカバー部材４８に対して部分的に接触してもよい。

ケース部２８内に配置される電装品は、上記の実施形態において示された部品に限られない。上記の実施形態において示された電装品の一部が省略されてもよい。あるいは、上記の実施形態において示された電装品と異なる部品がケース部２８内に配置されてもよい。

ケース部２８の形状は上記の実施形態の形状に限られない。例えば、ケース部２８の前面２８１の下部が屈曲しておらず、側面断面視において直線的な形状であってもよい。

ステアリングポスト２７が床部２２に対して傾動せずに固定的に取り付けられてもよい。すなわち、固定的に設けられているステアリングポスト２７に対してケース部２８が単に傾動するだけであってもよい。ステアリングポスト２７の傾動に応じてケース部２８は略平行移動と異なる動きをしてもよい。

操作部材３１は、油圧式に限らず、電気式の操作部材であってもよい。操作部材３１は、ステアリングポスト２７に限らず、他の部材に取り付けられてもよい。例えば、操作部材３１が、運転席２６の側方に配置されてもよい。

本発明によれば、ケース部がステアリングポストに対して傾動するときの干渉を回避すると共に、ケース部内の防水性を向上させることができるモータグレーダを提供することができる。

２２ 床部
２６ 運転席
２７ ステアリングポスト
２８ ケース部
２９ ステアリング部材
３６ ブザー（電装品）
４８ カバー部材
２７２ ポスト端部
２８２ ケース端部
Ｇ１ 隙間
２８ａ 主前面部
２８ｂ 傾斜面部
４８３ 所定部分
４８４ 傾斜部

Claims (7)

1. 床部と、
   前記床部上に配置される運転席と、
   前記運転席の前方に配置され、前記床部上に立設されるステアリングポストと、
   前記ステアリングポストに対して、車幅方向に延びる中心軸線周りに傾動可能に取り付けられるケース部と、
   前記ケース部に取り付けられるステアリング部材と、
   前記ケース部内に配置される電装品と、
   前記ステアリングポストに取り付けられ、少なくとも一部がケース部内に配置されるカバー部材と、
   を備え、
   前記ステアリングポストは、前記ステアリングポストの前面の上端に位置するポスト端部を有し、
   前記ケース部は、前記ケース部の前面の下端に位置するケース端部を有し、
   前記ポスト端部と前記ケース端部との間には隙間が設けられており、
   前記カバー部材は、前記隙間を覆うように配置され、
   前記カバー部材は、前記ケース部が前記ステアリングポストに対して傾動するときの前記ケース端部の軌跡と交差しないように屈曲した形状を有し、
   前記カバー部材の下端部は、前記ポスト端部に接続され、
   前記カバー部材の上端部は、前記ケース部内において前記ケース端部よりも上方に位置する、
   モータグレーダ。
2. 前記カバー部材は、前記ケース端部に対して間隔をおいて配置される、
   請求項１に記載のモータグレーダ。
3. 前記カバー部材は、後方へ向かって凸に屈曲した形状を有する、
   請求項１に記載のモータグレーダ。
4. 前記カバー部材は、Ｊ字型の断面形状を有する、
   請求項１に記載のモータグレーダ。
5. 前記カバー部材は、Ｌ字型の断面形状を有する、
   請求項１に記載のモータグレーダ。
6. 前記ケース部の前面の下部は、斜め下後方へ向けて屈曲した形状を有する、
   請求項１から５のいずれかに記載のモータグレーダ。
7. 前記ケース部の前面は、
   主前面部と、
   前記主前面部の下端部に接続され、前記主前面部に対して斜め下後方へ向けて傾斜した傾斜面部と、
   を有し、
   前記カバー部材は、側面断面視において、前記ステアリングポストの前面の内面を含む第１仮想平面から最も離れた所定部分を有し、
   前記第１仮想平面と前記所定部分との間の距離は、前記主前面部の内面を含む第２仮想平面と前記ケース端部との間の距離よりも大きい、
   請求項６に記載のモータグレーダ。
   

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