JP5622177B2 - 影響係数取得方法 - Google Patents
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Description
(A)回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した振動データと基本影響係数とに基づいてアンバランスデータを算出し、
(C)前記アンバランスデータに基づいて、前記回転体を切削し、
(D)その後、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(E)前記(A)と(D)で生成した振動データと、前記(C)で行った切削のデータと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を取得し、
(F)前記(A)〜(E)を、同じ機種の複数の回転機械について行い、これらの回転機械について前記(E)でそれぞれ取得した複数の関係式に基づいて、当該機種に関する新たな影響係数を求める、ことを特徴とする影響係数取得方法が提供される。
前記各回転機械毎に、該回転機械について前記(B)で算出したアンバランスデータによるアンバランス量を含む前記範囲を判定し、該範囲に該回転機械が属するとし、
前記(F)では、前記各範囲毎に、該範囲に属する前記各回転機械について前記(E)で生成した複数の前記関係式に基づいて、新たな影響係数を求める。
(A−1)回転機械の回転体を第1の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(A−2)次いで、回転機械の回転体を第2の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(B)では、前記(A−1)と前記(A−2)で生成した振動データと前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
前記(C)では、
(C−1)第1のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第1の切削対象部を切削し、
(C−2)第2のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第2の切削対象部を切削し、
前記(D)では、
(D−1)回転機械の回転体を第1の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(D−2)次いで、回転機械の回転体を第2の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(E)では、前記(A−1)と(A−2)と(D−1)と(D−2)で生成した振動データと、前記(C−1)と(C−2)で行った切削のデータと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を生成する。
前記(A)では、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を第1および第2の振動センサにより計測するとともに、回転体の回転角を角度センサにより計測し、第1の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、第2の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(B)では、前記(A)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
前記(C)では、
(C−1)第1のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第1の切削対象部を切削し、
(C−2)第2のアンバランスデータに基づいて、前記回転体を第2の切削対象部を切削し、
前記(D)では、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を第1および第2の振動センサにより計測するとともに、回転体の回転角を角度センサにより計測し、第1の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、第2の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(E)では、前記(A)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(D)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(D)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を生成する。
(a)前記(D)で生成した振動データと前記基本影響係数とに基づいてアンバランスデータを算出し、
(b)当該アンバランスデータが示すアンバランス量がしきい値より大きい場合には、当該アンバランスデータに基づいて、当該回転機械の前記回転体を切削し,
(c)その後、当該回転機械について、アンバランス量が前記しきい値以下になるまで、振動データの生成、アンバランスデータの算出、該アンバランスデータに基づいた回転体の切削を繰り返し、これにより、回転体の切削を設定回数だけ行ったら、当該回転機械について行った切削のデータと当該回転機械について生成した振動データとに基づいて、当該回転機械に関する差し替え用の影響係数を算出し、
(d)該差し替え用の影響係数と当該回転機械について最後に生成した振動データとに基づいてアンバランスデータを算出し、
(e)当該アンバランスデータに基づいて、当該回転機械の前記回転体を切削する。
また、前記新たな影響係数は、同一機種の複数の回転機械にそれぞれ固有の複数の影響係数を反映したものとなっているので、該機種の回転機械に関する比較的高精度な影響係数である。従って、前記新しい影響係数を、次の回転機械のバランス修正に使用することで、比較的高精度にバランス修正することが可能となる。
振動データを、複素数で表す。図2(B)は、複素数で表した振動データを示す。図2(B)のように、1次振動の振幅の大きさ(絶対値)をRとし、上述の位相θを偏角として、振動データは複素数で表わされる(以下、同様)。演算器9は、振動センサ5からの振動信号と角度センサ7からの回転角信号から、複素数の振動データを生成する(以下、同様)。
図3は、本発明の第1実施形態による影響係数取得方法を示すフローチャートである。なお、この影響係数取得方法は、回転体13のアンバランス修正方法でもあり、このアンバランス修正方法の実施中に新たな影響係数を取得するものである(後述する第2または第3実施形態の場合も同様である)。
U=a/α ・・・(1)
α=(ai1−ai0)/ΔMT ・・・(2)
ここで、ai0は、試し錘を回転体13に取り付けていない状態で、上述のように生成した振動データであり、ai1は、試し錘を回転体13に取り付けた状態で、上述のように生成した振動データであり、ΔMTは、次式(3)で表わされる。
ΔMT=AT(cosθT+jsinθT) ・・・(3)
ここで、jは虚数単位であり、ATは、試し錘の質量と、回転体13において試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTは、回転体13において試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。なお、周方向は中心軸C回りの方向であり、半径方向は中心軸Cに対する方向であり、軸方向は中心軸Cと平行な方向である(以下、同様)。
今回のステップS2を行う時点で後述のステップS9でアンバランス量の各範囲毎に新たな影響係数を算出している場合には、次のようにする。まず、今回のステップS2において、初期影響係数αと直前のステップS1で生成した振動データaとに基づいて参考用アンバランスデータU0=a/αを算出する。この参考用アンバランスデータU0が含まれる前記範囲を判定する。判定したこの範囲に関して、新たな影響係数が前回のステップS9で既に算出されている場合には、今回のステップS2では、この新たな影響係数αと直前のステップS1で生成した振動データaとに基づいて、アンバランスデータU=a/αを算出する。そうでない場合には、今回のステップS2で使用する基本影響係数αは、初期影響係数である。
Aを絶対値とし、偏角をθとし、jを虚数単位として、アンバランスデータUを次式(4)で表す。
U=A(cosθ+jsinθ) ・・・(4)
ここで、Aは、アンバランス量を示し、Aはxとyの積である。xは、回転体13の中心軸CからステップS3での切削位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS3で切削する質量である。一方、θは、前記切削位置の周方向位置を示す。従って、ステップS3において、切削工具11aは、xとθが示す半径方向位置と周方向位置に位置決めされた状態で、切削質量がyになるまで中心軸Cの方向に移動する。この時、位置制御部11cは、切削対象部13aの密度と、必要であれば切削対象部13aの形状とに基づいて、切削工具11aを中心軸Cの方向に移動させる距離を算出し、該距離に基づいて駆動機構11bを制御する。
なお、ステップS3において、位置制御部11cは、角度センサ7の回転角に基づいて、中心軸C回り方向に関して切削工具11aを前記周方向位置に位置決めしてよい。また、ステップS3では、例えば、回転体13における切削対象部13aと反対側の軸方向端部を、適宜の手段で把持して回転体13が回転しないようにしておくのがよい。
今回のステップS5を行う時点で後述のステップS9を既に行っている場合には、今回のステップS5で使用する基本影響係数は、前回のステップS9で更新された最新の影響係数である。
今回のステップS5を行う時点で後述のステップS9でアンバランス量の各範囲毎に新たな影響係数を算出している場合には、次のようにする。まず、今回のステップS5において、初期影響係数と直前のステップS4で生成した振動データaとに基づいて参考用アンバランスデータU0=a/αを算出する。この参考用アンバランスデータU0が含まれる前記範囲を判定する。判定したこの範囲に関して、新たな影響係数が前回のステップS9で既に算出されている場合には、今回のステップS5では、この新たな影響係数αと直前のステップS4で生成した振動データaとに基づいて、アンバランスデータU=a/αを算出する。そうでない場合には、今回のステップS5で使用する基本影響係数αは、初期影響係数である。
この関係式は、次式(5)で表わされる。
am,n−am,n−1=α×(−ΔMm,n) ・・・(5)
ここで、振動データaの添え字nまたはn−1は、当該振動データを生成する時点で、ステップS3を既に行った回数を示し、ΔMm,nは、ステップS1またはS4で振動データam,n−1を生成した後であって振動データam,nを生成する前に行ったステップS3における切削のデータを示す。すなわち、ΔMm,n=A(cosθ+jsinθ)である。ここで、Aは、切削で除去したアンバランス量を示し、Aはxとyの積で表わされ、この場合、xは、回転体13の中心軸CからステップS3での切削位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS3で切削した質量である。一方、θは、前記切削位置の周方向位置を示す。
また、振動データaと切削のデータの添え字mは、現時点のステップS7の対象となっている回転機械の前記番号である。
また、ステップS6からステップS3へk回だけ戻っている場合には、(k+1)個の前記関係式を生成する。例えば、ステップS6からステップS3へ2回だけ戻っている場合には、am,1−am,0=α×(−ΔMm,1)、am,2−am,1=α×(−ΔMm,2)、am,3−am,2=α×(−ΔMm,3)が生成され、ステップS6からステップS3へ3回だけ戻っている場合には、am,1−am,0=α×(−ΔMm,1)、am,2−am,1=α×(−ΔMm,2)、am,3−am,2=α×(−ΔMm,3)、am,4−am,3=α×(−ΔMm,4)が生成される。
また、[数1]において、Σm,nは、得られた前記関係式に関するmとnの全ての組み合わせについての和を示す。これについて、現時点におけるmの値をmcとすると、mは、1からmcまでの整数であり、各mについて、ステップS6からステップS3へk回だけ戻っている場合には、nは、1から(k+1)までの整数である。
[数1]において、αRとαIは、それぞれ、影響係数αの実部と虚部である。なお、上式(6)の上側の式を解くことで、新たな影響係数αの実部が求まり、上式(6)の下側の式を解くことで、新たな影響係数αの虚部が求まる。
まず、アンバランスデータにより示されるアンバランス量の範囲を予め複数設定しておく。例えば、アンバランス量について図4(A)に示す3つの範囲R1、R2、R3を予め設定しておく。範囲R1は、アンバランス量が0からX1までの範囲であり、範囲R2は、アンバランス量がX1からX2までの範囲であり、範囲R3は、アンバランス量がX2以上の範囲である。
その上で、前記各回転機械毎に、該回転機械についてステップS2で算出したアンバランスデータが示すアンバランス量を含む前記範囲を判定し、該範囲に該回転機械が属するとする。ステップS9では、前記各範囲毎に、該範囲に属する前記各回転機械についてそれぞれステップS7で生成した複数の前記関係式に基づいて、上述のように新たな影響係数を求める。
図4(B)のように、アンバランス量が大きくなるにつれて、影響係数の大きさ(絶対値)が変化する傾向があるため、アンバランス量の範囲毎に、新たな影響係数を求め、この影響係数を用いてアンバランスデータを高精度に算出できる。
次に、上述の影響係数取得装置10を用いた本発明の第2実施形態による影響係数取得方法を説明する。本発明の第2実施形態による影響係数取得方法も、図3に基づいて説明する。
さらに、ステップS1において、第1の回転速度と異なる第2の回転速度でm番目の回転機械の回転体13を回転させ、この状態で、振動センサ5が、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、演算器9が、振動データa2,m,0を生成する。なお、ここで述べた第2の回転速度と、以下において述べる各第2の回転速度とは同じ速度である。
ここで、振動データaの添え字1は、第1の回転速度を示し、振動データaの添え字2は、第2の回転速度を示し、振動データaの添え字mは、m番目の回転機械を示す(以下、同様)。また、振動データaの添え字0は、m番目の回転機械について、ステップS3を未だ行っていないことを示す。
[数3]のΔMTbは、次式(9)で表わされる。
ΔMTb=ATb(cosθTb+jsinθTb) ・・・(9)
ここで、jは虚数単位であり、ATbは、第1の切削対象部13aに取り付けた試し錘の質量と、第1の切削対象部13aにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTbは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。
同様に、[数3]のΔMTdは、次式(10)で表わされる。
ΔMTd=ATd(cosθTd+jsinθTd) ・・・(10)
ここで、jは虚数単位であり、ATdは、第2の切削対象部13bに取り付けた試し錘の質量と、第2の切削対象部13bにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTdは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。
ステップS9において後述する(C1)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量との和もしくは平均値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該和もしくは平均値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において後述する(C2)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該大きい方の値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において後述する(C3)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbについては、当該第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータUbについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第1の参考用アンバランスデータUbが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとし、第2の参考用アンバランスデータUdについては、当該第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータUdについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第2の参考用アンバランスデータUdが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
なお、第1の参考用アンバランスデータUbについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第1のアンバランスデータUbに対応する基本影響係数α1,b、α2,bがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS2で使用する基本影響係数α1,b、α2,bは、初期影響係数α1,b、α2,bであり、第2の参考用アンバランスデータUdについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第2のアンバランスデータUdに対応する基本影響係数α1,d、α2,dがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS2で使用する基本影響係数α1,d、α2,dは、初期影響係数α1,d、α2,dである。
さらに、ステップS3において、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUdが示す切削位置と切削量に基づいて、回転体13の第2の切削対象部13bを切削する。この切削は、第1実施形態のステップS3と同様に行われる。なお、ここでの切削位置は、回転体13に設けた前記円盤状部材の外周部13b上にあり、図1(B)において一点鎖線L2上にある。図1(B)において、一点鎖線L2上に重複している破線で描いた円は、一点鎖線L2上に位置決めされた状態の切削工具11aを示す。
さらに、ステップS4において、前記第2の回転速度で回転機械の回転体13を回転させ、この状態で、振動センサ5が、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように第2の回転速度において計測した振動と回転角に基づいて、演算器9が、振動データa2,m,nを生成する。
ここで、振動データaの添え字nは、m番目の回転機械について、今回のステップS4を行う時点で、図3のフローチャートにおいてステップS3を既に行った回数を示し(以下、同様)、振動データaの添え字1、2、mは、上述と同じである。
今回のステップS5を行う時点で後述のステップS9を既に行っている場合には、今回のステップS5で使用する基本影響係数は、前回のステップS9で更新された最新の影響係数である。
ステップS9において後述する(C1)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量との和もしくは平均値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該和もしくは平均値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において後述する(C2)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該大きい方の値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において後述する(C3)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbについては、当該第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータUbについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第1の参考用アンバランスデータUbが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとし、第2の参考用アンバランスデータUbについては、当該第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータUdについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第2の参考用アンバランスデータUdが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
なお、第1の参考用アンバランスデータUbについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第1のアンバランスデータUbに対応する基本影響係数α1,b、α2,bがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS5で使用する基本影響係数α1,b、α2,bは、初期影響係数α1,b、α2,bであり、第2の参考用アンバランスデータUdについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第2のアンバランスデータUdに対応する基本影響係数α1,d、α2,dがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS5で使用する基本影響係数α1,d、α2,dは、初期影響係数α1,d、α2,dである。
例えば、ステップS5で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS5で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量との和もしくは平均値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS5で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS5で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS5で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータ用のしきい値以下であり、かつ、ステップS5で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータ用のしきい値以下であるかを判断する。この場合、好ましくは、第1のアンバランスデータ用のしきい値は、第2のアンバランスデータ用のしきい値と異なるのがよい。
一方、ステップS6の判断がNOである場合には、ステップS61へ進む。ステップS61では、現在、図3の処理を行っている回転機械について、ステップS3を設定回数(2回以上の回数)だけ既に行っているかを判断する。ステップS61の判断がYESである場合には、当該回転機械のバランス修正が不可能であるとして、ステップS7へ進む。ステップS61の判断がNOである場合には、ステップS3へ戻る。戻ったステップS3では、第1および第2の切削対象部13a,13bの切削は、それぞれ、直前のステップS5において算出した第1および第2のアンバランスデータUb、Udに基づいて行うが、他の点は上述と同じである。
この関係式は、次の[数7]の行列式で表わされる。
α1,b、α1,d、α2,b、α2,dは、m番目の回転機械に関する影響係数である。
また、ΔMb,m,nは、ステップS3で行った第1の切削対象部13aの切削のデータである。すなわち、ΔMb,m,n=Ab(cosθb+jsinθb)である。ここで、Abは、アンバランス量を示し、Abはxとyの積である。xは、回転体13の中心軸CからステップS3での切削位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS3で切削した質量である。一方、θbは、前記切削位置の周方向位置を示す。
同様に、ΔMd,m,nは、ステップS3で行った第2の切削対象部13bの切削のデータである。すなわち、ΔMd,m,n=Ad(cosθd+jsinθd)である。ここで、Adは、アンバランス量を示し、Adはxとyの積である。xは、回転体13の中心軸CからステップS3での切削位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS3で切削した質量である。一方、θdは、前記切削位置の周方向位置を示す。
なお、[数7]におけるΔMの添え字bは、当該ΔMが第1の切削対象部13aの切削のデータであることを示し、ΔMの添え字dは、当該ΔMが第2の切削対象部13bの切削のデータであることを示し、ΔMの添え字mは、当該ΔMがm番目の回転機械に関するデータであることを示し、ΔMの添え字nは、当該ΔMがn回目のステップS3での切削のデータであることを示す(後述のe1,m,n、とe2,m,nを表す式においても同様)。
振動データaの添え字nは、m番目の回転機械について、当該振動データを生成した時点で既に行っているステップS3の回数を示す。
今回のm番目の回転機械について、ステップS6からステップS3へ一度も戻っていない場合には、振動データaの添え字n、n−1は、それぞれ1、0であり、1組の関係式(すなわち、n=1とした1組の[数7])が得られる。
また、ステップS6からステップS3へk回だけ戻っている場合には、(k+1)組の前記関係式(すなわち、n=1とした[数7]と、n=2とした[数7]、・・・n=kとした[数7]のk組の関係式、n=k+1とした[数7]の(k+1)組の関係式)を生成する。
e1,m,n=a1,m,n−a1,m,n−1+α1,b×ΔMb,m,n+α1,d×ΔMd,m,n
・・・(16)
e2,m,n=a2,m,n−a2,m,n−1+α2,b×ΔMb,m,n+α2,d×ΔMd,m,n
・・・(17)
α1,b=α1,b,R+jα1,b,I ・・・(18)
α1,d=α1,d,R+jα1,d,I ・・・(19)
α2,b=α2,b,R+jα2,b,I ・・・(20)
α2,d=α2,d,R+jα2,d,I ・・・(21)
まず、アンバランスデータにより示されるアンバランス量の範囲を予め複数設定しておく。例えば、アンバランス量について図4(A)に示す3つの範囲R1、R2、R3を予め設定しておく。範囲R1は、アンバランス量が0からX1までの範囲であり、範囲R2は、アンバランス量がX1からX2までの範囲であり、範囲R3は、アンバランス量がX2以上の範囲である。
その上で、前記各回転機械毎に、該回転機械についてステップS2で算出した第1および第2のアンバランスデータUb、Udによるアンバランス量の前記範囲を判定し、該範囲に該回転機械が属するとする。この判定方法には、次の(C1)と(C2)と(C3)の方法がある。
(C2)ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値が、予め設定した前記複数の範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該大きい方の値が属する範囲に当該回転機械が属するとする。
(C3)第1のアンバランスデータUbについて、アンバランス量の範囲を予め複数設定し、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量が、当該複数の範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該アンバランス量が属する範囲に当該回転機械が属するとし、第2のアンバランスデータUdについて、アンバランス量の範囲を予め複数設定し、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量が、当該複数の範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該アンバランス量が属する範囲に当該回転機械が属するとする。
上述の(C3)の方法を採用する場合には、ステップS9では、第1のアンバランスデータUbについての前記各範囲毎に、該範囲に属する前記各回転機械についてそれぞれステップS7で生成した複数の前記関係式に基づいて、上述と同様に、第1のアンバランスデータUbに対応する新たな影響係数α1,b、α2,bを求め、第2のアンバランスデータUdについての前記各範囲毎に、該範囲に属する前記各回転機械についてそれぞれステップS7で生成した複数の前記関係式に基づいて、上述と同様に、第2のアンバランスデータUdに対応する新たな影響係数α1,d、α2,dを求める。
図5は、本発明の第3実施形態による影響係数取得方法を示すフローチャートである。この第3実施形態による影響係数取得方法では、以下の点を上述の第2実施形態から変更し、その他の点は、上述の第2実施形態と同じである。
第3実施形態によると、図5のように、ステップS3を行った後、ステップS4へ進む前に、ステップS11を行う。
ステップS11において、同じ回転機械(すなわち、現在、図5の処理を行っている回転機械)について、ステップS3を設定回数(2回以上の回数)だけ既に行っている場合には、ステップS12へ進み、そうでない場合には、ステップS4へ進む。ステップS4へ進んだ場合、その後の処理について、上述のステップS61を省略する以外は上述と同じである。すなわち、ステップS6の判断がNOである場合には、ステップS6の次に、ステップS61を行うことなくステップS3へ戻る。
さらに、ステップS12において、第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転機械の回転体13を回転させ、この状態で、振動センサ5が、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、演算器9が、振動データa2,m,nを生成する。
ステップS9において上述した(C1)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量との和もしくは平均値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該和もしくは平均値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において上述した(C2)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量と、第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値が、予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、当該大きい方の値が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
ステップS9において上述した(C3)に従う場合には、第1の参考用アンバランスデータUbについては、当該第1の参考用アンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータUbについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第1の参考用アンバランスデータUbが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとし、第2の参考用アンバランスデータUdについては、当該第2の参考用アンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータUdについて予め設定した複数の前記範囲のうちいずれの範囲内に属するかを判定し、第2の参考用アンバランスデータUdが示す当該アンバランス量が属する範囲に現在対象としている回転機械が属するとする。
なお、第1の参考用アンバランスデータUbについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第1のアンバランスデータUbに対応する基本影響係数α1,b、α2,bがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS13で使用する基本影響係数α1,b、α2,bは、初期影響係数α1,b、α2,bであり、第2の参考用アンバランスデータUdについて回転機械が属すると判定した前記範囲に関して、第2のアンバランスデータUdに対応する基本影響係数α1,d、α2,dがステップS9で未だ算出されていない場合には、今回のステップS13で使用する基本影響係数α1,d、α2,dは、初期影響係数α1,d、α2,dである。
例えば、ステップS13で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS13で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量との和もしくは平均値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS13で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量と、ステップS13で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量とのうち大きい方の値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS13で算出した第1のアンバランスデータUbが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータ用のしきい値以下であり、かつ、ステップS13で算出した第2のアンバランスデータUdが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータ用のしきい値以下であるかを判断する。この場合、好ましくは、第1のアンバランスデータ用のしきい値は、第2のアンバランスデータ用のしきい値と異なるのがよい。
ステップS14における前記判断が、YESである場合には、当該回転機械を出荷し、次の回転機械についてステップS1から本実施形態の方法を実施する。すなわち、回転機械の番号を示す上述のmの値を1つ増やしてステップS1を行う。
一方、ステップS14の判断がNOである場合には、ステップS15へ進む。
一方、ステップS15の判断がNOである場合には、ステップS16へ進む。
a1,m,p−a1,m,q=α1,b×(−ΔMbpq)+α1,d×(−ΔMdpq) ・・・(24)
a1,m,r−a1,m,s=α1,b×(−ΔMbrs)+α1,d×(−ΔMdrs) ・・・(25)
a2,m,p−a2,m,q=α2,b×(−ΔMbpq)+α2,d×(−ΔMdpq) ・・・(26)
a2,m,r−a2,m,s=α2,b×(−ΔMbrs)+α2,d×(−ΔMdrs) ・・・(27)
また、上式(24)〜(27)において、p、q、r、sは、ステップS11で使用した前記設定回数以下の値である。pはqより大きく、rはsよりも大きい。また、p≠rとq≠sとの少なくとも一方が成り立つ。なお、振動データaの添え字qまたはsが0の場合は、当該振動データは、ステップS1で生成した振動データである。好ましくは、前記設定回数は2であり、pは2であり、rは1であり、qとsは0である。
ΔMbpq=ΣAbi(cosθbi+jsinθbi) ・・・(28)
ここで、jは虚数単位であり、bは、第1の切削対象部13aにおける切削データであることを示し、Σは、iに関する総和を示し、iは、qより大きくp以下である各整数である。また、式(28)において、Abiは、i回目のステップS3で第1の切削対象部13aを切削した質量と、第1の切削対象部13aにおいて当該切削を行った位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θbiは、i回目のステップS3で第1の切削対象部13aを切削した周方向位置を示す位相である。ただし、i=0は、ステップS3が未実施であることを示すので、i=0の場合、Abi=0である。
ΔMdpq=ΣAdi(cosθdi+jsinθdi) ・・・(29)
ここで、jは虚数単位であり、dは、第2の切削対象部13bにおける切削データであることを示し、Σは、iに関する総和を示し、iは、qより大きくp以下である各整数である。また、式(29)において、Adiは、i回目のステップS3で第2の切削対象部13bを切削した質量と、第2の切削対象部13bにおいて当該切削を行った位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θdiは、i回目のステップS3で第2の切削対象部13bを切削した周方向位置を示す位相である。ただし、i=0は、ステップS3が未実施であることを示すので、i=0の場合、Adi=0である。
ΔMbrs=ΣAbi(cosθbi+jsinθbi) ・・・(30)
ここで、jは虚数単位であり、bは、第1の切削対象部13aにおける切削データであることを示し、Σは、iに関する総和を示し、iは、sより大きくr以下である各整数である。また、式(30)において、Abiは、i回目のステップS3で第1の切削対象部13aを切削した質量と、第1の切削対象部13aにおいて当該切削を行った位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θbiは、i回目のステップS3で第1の切削対象部13aを切削した周方向位置を示す位相である。ただし、i=0は、ステップS3が未実施であることを示すので、i=0の場合、Abi=0である。
ΔMdrs=ΣAdi(cosθdi+jsinθdi) ・・・(31)
ここで、jは虚数単位であり、dは、第1の切削対象部13aにおける切削データであることを示し、Σは、iに関する総和を示し、iは、sより大きくr以下である各整数である。また、式(31)において、Adiは、i回目のステップS3で第2の切削対象部13bを切削した質量と、第2の切削対象部13bにおいて当該切削を行った位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θdiは、i回目のステップS3で第2の切削対象部13bを切削した周方向位置を示す位相である。ただし、i=0は、ステップS3が未実施であることを示すので、i=0の場合、Adi=0である。
戻ったステップS3での切削後の手順は、上述と同じである。
図6(A)は、上述の実施形態による影響係数取得装置10を、回転機械としての過給機20に適用した場合を示す。
アンバランスデータUdは、アンバランスが存在する周方向位置(複素数Udの偏角に相当)とアンバランス量(複素数Udの絶対値に相当)とからなるベクトルと見なせるので、アンバランスデータUdを、それぞれ、アンバランスが存在する周方向位置(ベクトルの向き)とアンバランス量(ベクトルの大きさ)とからなる複数のベクトル成分に分解することができる。
例えば、上述の第2実施形態と第3実施形態では、第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で振動と回転角を計測して振動データを生成し、さらに、第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で振動と回転角を計測し振動データを生成したが、代わりに、図7のように、前記支持体3における別々の箇所に、それぞれ、第1および第2の振動センサ5a,5bを取り付けておいてもよい。この場合、次のように行う。
ステップS1において、回転機械の回転体13を回転させ、この状態で、前記回転体13を支持する支持体の振動を第1および第2の振動センサ5a,5bにより計測するとともに、角度センサ7により回転体13の回転角を計測し、第1の振動センサ5aで計測した振動と角度センサ7により計測した回転角とに基づいて演算器9により振動データa1,m,n(ただし、ステップS1ではn=0である)を生成し、第2の振動センサ5bで計測した振動と角度センサ7により計測した回転角とに基づいて演算器9により振動データa2,m,n(ただし、ステップS1ではn=0である)を生成する。ステップS4、ステップS12も同様である。この場合、振動データaの添え字1は、当該振動データが第1の振動センサ5aで計測した振動に基づいて生成されたことを示し、振動データaの添え字2は、当該振動データが第2の振動センサ5bで計測した振動に基づいて生成されたことを示し、振動データaの他の添え字は、上述と同じである。この変形例1の振動データa1,m,n、a2,m,nが、それぞれ、上述の第2実施形態または第3実施形態における振動データa1,m,n、a2,m,nに置き換えられる。
ただし、この場合、上述の[数3]において、a10は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、a20は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、a1bは、第1の切削対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、a1dは、第2の切削対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、a2bは、第1の切削対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、a2dは、第2の切削対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データである。
上述では、切削対象部の切削は、軸方向に行われたが、半径方向に行われてもよい。
上述では、初期影響係数を、試し錘を用いて回転体13にバランス変化を与えることで取得したが、初期影響係数を、回転体13を切削することで回転体13にバランス変化を与えることで取得してもよい。
Claims (6)
- 回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得方法であって、
(A)回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した振動データと基本影響係数とに基づいてアンバランスデータを算出し、
(C)前記アンバランスデータに基づいて、前記回転体を切削し、
(D)その後、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(E)前記(A)と(D)で生成した振動データと、前記(C)で行った切削のデータと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を取得し、
(F)前記(A)〜(E)を、同じ機種の複数の回転機械について行い、これらの回転機械について前記(E)でそれぞれ取得した複数の関係式に基づいて、当該機種に関する新たな影響係数を求める、ことを特徴とする影響係数取得方法。 - 前記新たな影響係数を求めた後、当該新たな影響係数を前記基本影響係数として、前記機種と同じ新たな回転機械について前記(A)〜(E)を再び行う、ことを特徴とする請求項1に記載の影響係数取得方法。
- アンバランスデータにより示されるアンバランス量の範囲を予め複数設定しておき、
前記各回転機械毎に、該回転機械について前記(B)で算出したアンバランスデータによるアンバランス量を含む前記範囲を判定し、該範囲に該回転機械が属するとし、
前記(F)では、前記各範囲毎に、該範囲に属する前記各回転機械について前記(E)で生成した複数の前記関係式に基づいて、新たな影響係数を求める、ことを特徴とする請求項1または2に記載の影響係数取得方法。 - 前記(A)では、
(A−1)回転機械の回転体を第1の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(A−2)次いで、回転機械の回転体を第2の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(B)では、前記(A−1)と前記(A−2)で生成した振動データと前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
前記(C)では、
(C−1)第1のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第1の切削対象部を切削し、
(C−2)第2のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第2の切削対象部を切削し、
前記(D)では、
(D−1)回転機械の回転体を第1の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
(D−2)次いで、回転機械の回転体を第2の回転速度で回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を計測するとともに、回転体の回転角を計測し、計測した振動と回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(E)では、前記(A−1)と(A−2)と(D−1)と(D−2)で生成した振動データと、前記(C−1)と(C−2)で行った切削のデータと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を生成する、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の影響係数取得方法。 - 第1および第2の振動センサを、それぞれ、前記支持体における互いに異なる箇所に取り付けておき、
前記(A)では、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を第1および第2の振動センサにより計測するとともに、回転体の回転角を角度センサにより計測し、第1の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、第2の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(B)では、前記(A)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
前記(C)では、
(C−1)第1のアンバランスデータに基づいて、前記回転体における第1の切削対象部を切削し、
(C−2)第2のアンバランスデータに基づいて、前記回転体を第2の切削対象部を切削し、
前記(D)では、回転機械の回転体を回転させ、この状態で、前記回転体を支持する支持体の振動を第1および第2の振動センサにより計測するとともに、回転体の回転角を角度センサにより計測し、第1の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、第2の振動センサが計測した振動と角度センサが計測した回転角に基づいて振動データを生成し、
前記(E)では、前記(A)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(D)で第1の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(D)で第2の振動センサが計測した振動に基づいて生成した振動データと、前記(A)、(C)、(D)を行った前記回転機械に関する影響係数との関係式を生成する、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の影響係数取得方法。 - 前記(A)〜(D)を行った前記回転機械について、前記(D)の後、
(a)前記(D)で生成した振動データと前記基本影響係数とに基づいてアンバランスデータを算出し、
(b)当該アンバランスデータが示すアンバランス量がしきい値より大きい場合には、当該アンバランスデータに基づいて、当該回転機械の前記回転体を切削し,
(c)その後、当該回転機械について、アンバランス量が前記しきい値以下になるまで、振動データの生成、アンバランスデータの算出、該アンバランスデータに基づいた回転体の切削を繰り返し、これにより、回転体の切削を設定回数だけ行ったら、当該回転機械について行った切削のデータと当該回転機械について生成した振動データとに基づいて、当該回転機械に関する差し替え用の影響係数を算出し、
(d)該差し替え用の影響係数と当該回転機械について最後に生成した振動データとに基づいてアンバランスデータを算出し、
(e)当該アンバランスデータに基づいて、当該回転機械の前記回転体を切削する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の影響係数取得方法。
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