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JP5621436B2 - 金型及びその製造方法、並びに素子及び光学素子 - Google Patents

金型及びその製造方法、並びに素子及び光学素子 Download PDF

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Description

本発明は、微細凹凸構造を有する素子及び光学素子の成形に好適な金型及びその製造方法、並びにその金型により得られる素子及び光学素子に関する。
光透過系の光学素子において、光の透過率の低減、ゴーストやフレアの発生等を防止するために、光学素子の表面に反射防止処理を施すのが一般的である。反射防止処理として、光学素子の表面に入射光の波長より小さい周期で微細な凹凸を形成することにより、反射防止効果が得られる反射防止構造が挙げられる。反射防止構造は、反射防止膜に比べて優れた反射防止特性を持つことから、近年注目されている。
反射防止構造の形成方法としては、反射防止構造の逆パターンを有する陽極酸化ポーラスアルミナを転写型(成形型)として用いる方法が挙げられる。陽極酸化ポーラスアルミナは一般的には高純度アルミニウム(純アルミニウム)からなる金型基材に、酸性電解液中で陽極酸化することにより、その表面に数10 nm〜数100 nmの周期で細孔が二次元的に配列した構造を有する酸化アルミニウム(アルミナ)の多孔質構造体の層が形成される。この多孔質構造体を樹脂、ガラス等からなる光学素子に転写することにより、反射防止構造が得られる。
高純度アルミニウムは 、不純物が少ないため、陽極酸化処理時に欠陥が生じ難いので、陽極酸化ポーラスアルミナの形成に適している。例えば、特開2005-156695号公報(特許文献1)及び特開2007-086283号公報(特許文献2)には、高純度アルミニウム基板を陽極酸化処理して微細凹凸を形成する方法が開示されている。しかし、高純度アルミニウムは、低硬度であり変形しやすいため、光学素子の射出成形、ガラスモールド等の金型に用いるには強度が十分でない。
また特開2006-053220号公報(特許文献3)ではガラス基板上に、特開2003-043203号公報(特許文献4)ではSi基板上に高純度アルミニウム膜を形成し、陽極酸化処理を行っている。しかし、ガラス基板及びSi基板は脆性が高く、圧力、衝撃、急激な温度変化等に耐えうる強度を持たないため、射出成形による光学素子成形用金型に用いるには適さない。
特開2005-156695号公報 特開2007-086283号公報 特開2006-053220号公報 特開2003-043203号公報
従って本発明の目的は、成形面に複数の細孔を有するポーラスアルミナが形成されているとともに、十分な硬度及び機械的強度を有する成形用金型及びその製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、上記成形用金型により得られる素子及び光学素子を提供することである。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、所定の比率でバルブ金属又はその合金を含有する金型基材の成形面に、上記比率より高い比率でアルミニウムを含むアルミニウム膜を形成し、 陽極酸化処理を行うことにより、陽極酸化処理時に金型材料の溶解が発生せず、成形面に複数の細孔を有するポーラスアルミナが形成されているとともに、十分な硬度及び機械的強度を有する成形用金型が得られることを発見し、本発明に想到した。
即ち、本発明の光学素子及びその製造方法は以下の特徴を有している。
(1) 50%以上99%未満の比率でバルブ金属又は前記バルブ金属の合金を含有する金型基材の成形面に、含有率99%以上の高純度アルミニウムからなるアルミニウム膜を形成し、前記アルミニウム膜に陽極酸化により複数の細孔を有するポーラスアルミナを形成することを特徴とする金型の製造方法。
(2) 上記(1) に記載の金型の製造方法において、前記高純度アルミニウムの純度は99.9%以上であることを特徴とする金型の製造方法。
(3) 上記(1)又は(2) に記載の金型の製造方法において、前記バルブ金属はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス又はアンチモンであることを特徴とする金型の製造方法。
(4) 上記(3) に記載の金型の製造方法において、前記バルブ金属はアルミニウムであることを特徴とする金型の製造方法。
(5) 上記(1)又は(2) に記載の金型の製造方法において、前記金型基材は超々ジュラルミンであることを特徴とする金型の製造方法。
(6) 上記(1)〜(5) のいずれかに記載の方法により製造された金型。
(7) 上記(6) に記載の金型において、射出成形用であることを特徴とする金型。
(8) 上記(7) に記載の金型において、前記複数の細孔は前記金型により成形された素子に使用する光の波長以下の二次元周期で形成されており、もって前記素子に反射防止構造を付与できることを特徴とする金型。
(9) 上記(6)〜(8) のいずれかに記載の金型により成形された素子。
(10) 上記(6)〜(8) のいずれかに記載の金型により成形された光学素子。
バルブ金属は陽極酸化処理により酸化層が形成されるが、一方、バルブ金属以外の金属では酸化皮膜は形成されず金属の溶解が起こる事が知られている。本発明によれば、所定の比率でバルブ金属又はその合金を含有する金型基材の成形面に、上記比率より高い比率でアルミニウムを含むアルミニウム膜を形成し、陽極酸化処理を行っているので、陽極酸化処理時に成形面のアルミニウム膜と同時に金型表面にも酸化層が形成されるため、金型材料の溶解が発生せず、また、形成された酸化層によって成形面のアルミニウム膜と同程度の電気抵抗を有するため、金型に過剰に電流が流れることを防ぐことができ、成形面のアルミニウム膜を安定して陽極酸化処理することができるため、成形面に複数の細孔を有する所望のポーラスアルミナが形成されているとともに、十分な硬度及び機械的強度を有する成形用金型が得られる。
本発明の一実施例による光学素子を示す断面図である。 金型の製造方法を示す図である。 陽極酸化処理装置を示す図である。 本発明の一実施例による光学素子の製造方法を示す図である。 本発明の別の実施例による光学素子の製造方法を示す図である。
[1] 金型
本発明の金型1は、図1に示すように、金型基材10の成形面にアルミニウム膜20が形成されており、アルミニウム膜20には陽極酸化により形成された複数の細孔を有するポーラスアルミナ21が形成されている。ポーラスアルミナ21の複数の細孔は、深さ方向に径がほぼ均一な円柱構造を有する。
アルミニウム膜20は高純度のアルミニウムからなるのが好ましい。アルミニウム膜20の材料として高純度アルミニウムを用いることにより、欠陥がなく、高精度な微細凹凸形状を形成することができる。高純度アルミニウムの純度は99%以上であ、より高精度な微細凹凸形状が要求されるレンズ面用の金型には99.9%以上であるのが好ましい 。
金型基材10はアルミニウム膜20のアルミニウム含有率より低い比率でバルブ金属又はその合金を含む合金(以下、バルブ金属系合金と呼ぶ。)からなる。金型基材10は金型として使用可能な機械的強度及び加工性を有するとともに、アルミニウム膜20と同様、陽極酸化処理により表面に酸化層が形成されるため溶解反応を生じず、また金型への過剰な電流の供給を防ぐため、アルミニウム膜の安定した陽極酸化処理が可能となる。バルブ金属の具体例はアルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)及びアンチモン(Sb)が挙げられる。
金型基材10がアルミニウム(Al)系合金からなる場合、添加される金属としてSi,Fe,Cu,Mn,Mg,Cr,Zn,Zr,Ti,V,Ni,Ga等が挙げられ、金型基材10がタンタル(Ta)系合金からなる場合、添加される金属としてNb,Fe,Ti,W,Si,Ni等が挙げられ、金型基材10がニオブ(Nb)系合金からなる場合、添加される金属としてZr,Al,Sn,Ge,Ga等が挙げられ、金型基材10がチタン(Ti)系合金からなる場合、添加される金属としてAl,V,Si,Fe,Mo,Sn,Zr,Nb,Cr,Mn等が挙げられ、金型基材10がハフニウム(Hf)系合金からなる場合、添加される金属としてSn,Fe,Zr,Cr,Nb等が挙げられ、金型基材10がジルコニウム(Zr)系合金からなる場合、添加される金属としてFe,Cu,Al,Mg,Sn,Cr,Ni等が挙げられ、金型基材10が亜鉛(Zn)系合金からなる場合、添加される金属としてAl,Cu,Mg,Fe,Sn,Pb等が挙げられ、金型基材10がタングステン(W)系合金からなる場合、添加される金属としてNi,Cu,Fe,Mo等が挙げられ、金型基材10がビスマス(Bi)系合金からなる場合、添加される金属としてCd,Sn,Pb,In,Sb等が挙げられ、金型基材10がアンチモン(Sb)系合金からなる場合、添加される金属としてPb,Sn等が挙げられます。金型基材10に添加する物質は上記のものにい限らず、本発明に用いる金型基材10の特性を損なわない範囲で種々の物質を添加可能である。
金型基材10におけるバルブ金属の含有率は、加工性が高く、金型としての強度を有しているように、50%以上99%未満であ、75%以上99%未満であるのが好ましく、85%以上99%未満であるのがより好ましい。バルブ金属の含有率が50%未満であると陽極酸化処理による表面の酸化層の形成が十分でなく、バルブ金属の含有率が99%以上であると金型として使用可能な十分な機械的強度及び加工性が得られない。
金型基材10としてアルミニウム膜20より低い比率でアルミニウム又はアルミニウム合金を含む合金(以下、アルミニウム系金属と呼ぶ)を用いるのが好ましい。高純度アルミニウムが非常に柔らかい材料であるのに対し、アルミニウム系金属は高強度化かつ高硬度化が可能であり、レンズ等の光学素子成形用の金型材として十分使用可能であるとともに、陽極酸化処理により表面に酸化層が形成されるため溶解反応が生じない。
金型基材10に用いるアルミニウム系金属は、Al-Zn-Mg-Cu系のA7075合金(超々ジュラルミン)、Al-Zn-Mg系のA7N01合金及びA7003合金等の7000系アルミニウム合金(JIS規格)、Al-Cu系のA2024(超ジュラルミン)等の2000系アルミニウム合金、Al-Mg系のA5052等の5000系アルミニウム合金が高強度であり好ましい。また金型基材10の他の例としては、チタン系金属としてTi-Al-V系の6-4合金(JIS60種)、Ti-V-Cr-Al-Sn系の15-3-3-3合金等のチタン合金、亜鉛系金属としてZn-Al-Cu-Mg-Fe系の亜鉛合金(ザマーク合金)、タングステン系金属としてW-Ni-Cu系のW-Ni-Fe系のタングステン合金等が挙げられる。
金型1は、ガラスモールド、射出成形等の種々の成形法に用いることができるが、射出成形用であるのが好ましい。
ポーラスアルミナ21の複数の細孔は、金型1により成形される素子に使用する光の波長以下の周期で配置されているのが好ましい。これにより、金型1により素子に転写される微細凹凸構造に反射防止機能を付与すると同時に光の散乱の発生を避けることができる。
[2] 金型の製造方法
図2(a) に示すように、所望の素子の表面のほぼ反転形状を有する金型基材10の表面に真空蒸着法、スパッタリング法等により高純度のアルミニウム膜20を形成する。
図3に示すように、アルミニウム膜20が形成された金型基材10を陽極にセットし、酸性電解液に浸漬し、電圧を印加して陽極酸化処理を施すことにより、図2(b) に示す二次元周期の細孔構造を有するポーラスアルミナ21を形成し、金型1を作製した。陽極酸化処理に用いる電解質としてはシュウ酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
ポーラスアルミナ21の細孔の深さ、幅及び周期は陽極酸化処理時の印加電圧、電流、処理時間、酸性電解液の酸の種類、濃度、温度、処理するアルミの表面積等といった製造条件に相関する。そのため、これらの製造条件を調整することにより、ポーラスアルミナ21の細孔の深さ、幅及び周期を制御することができる。例えば、陽極酸化時に印加する電圧を高くすると周期が大きくなり、陽極酸化の処理時間を長くすると細孔の深さが大きくなる。
陽極酸化処理が終了した段階におけるポーラスアルミナの細孔径は、反射防止構造を転写するには小さいため、ポーラスアルミナ21の細孔径を拡大する処理を行っても良い。例えば、リン酸等の酸に浸漬することにより細孔径を大きくすることができる。酸の種類や濃度、温度、浸漬時間等の処理条件を調整し、転写して得られる構造が所望の光学特性となるよう、細孔径を調整すればよい。例えば、酸への浸漬時間を長くすると細孔の径を大きくすることができる。
陽極酸化処理によりポーラスアルミナを一旦形成し、クロム酸及びリン酸の混酸等の剥離液に浸漬してポーラスアルミナを剥離した後、再び陽極酸化処理を行ってポーラスアルミナ21を形成しても良い。このような前処理を行うことにより、ポーラスアルミナ21の表面状態及び細孔の周期性を調整することができる。
[3] 素子
本発明の金型1を用いて素子2の表面に微細凹凸構造を形成する。具体的には、図4に示すように、金型1に素子2を接触させ、素子2が軟化する温度まで加熱しつつ押圧することにより、素子2にポーラスアルミナ21の細孔構造を転写する方法(熱転写法、ホットエンボス法、熱インプリント法等)が挙げられる。また他の転写方法としては、金型1に溶融した樹脂を射出して硬化させることにより、素子2を成形すると同時に表面に細孔構造の転写を行なう方法(射出成形法)、金型1に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の流動性の高い樹脂を注入し、加熱又は光照射により硬化させることにより、素子2を成形すると同時に表面に細孔構造の転写を行なう方法(キャスティング法)、金型1と素子2とを接触させ、その隙間に流動性の高い熱硬化性樹脂を挿入し加熱により硬化させ、又は光硬化性樹脂を挿入し光照射により硬化させることにより、素子2の表面に細孔構造を転写する方法(特に紫外線硬化型の樹脂を用いた手法をUVインプリント法と呼ぶ。)等が挙げられる。金型1と素子2との離型性を良くするために、フッ素系材料等からなる金型離型剤を金型1の表面に塗布しても良い。
得られた素子2は表面に微細凹凸構造を有する。微細凹凸構造は素子2の両面に設けられていても良い。素子2の微細凹凸構造は複数の円柱状凸部を有し、これらは使用する光の波長以下の二次元周期で配置されているのが好ましい。これにより、入射媒質の屈折率と素子2の屈折率との中間的な屈折率を有する反射防止膜として機能する。円柱状凸部の周期、高さ及び太さを制御することにより、その構造体の実効屈折率及び光学厚さを制御することができるため、従来の反射防止膜と比べて自由度があり、入射媒質及び基材の種類にかかわらず良好な反射防止特性が得られる。
微細凹凸構造は円柱状に限らず、反射防止効果を有するものであれば、円錐、円錐台、角柱、角錐等の構造を有するものでも良い。ポーラスアルミナの細孔形状を工夫し、転写されて得られる形状を先鋭化することにより、構造体の実効的な屈折率が入射媒質から素子にかけて緩やかに変化するような構造を形成しても良い。
素子2は特に限定されないが、光学素子であるのが好ましい。図5に示すように、光学素子2の各面のほぼ反転形状をそれぞれ有する金型1a,1bを用いて、光学素子2の両面に微細凹凸構造を付与しても良い。これにより、光学素子2に良好な反射防止特性を付与することができる。
金型1の円柱状凸部の周期は素子2の材料や入射光の波長によって適宜調節することができるが、使用する波長よりも小さいことが好ましい。円柱状凸部の周期が50〜1000 nmであるのが好ましい。円柱状凸部の高さ及び太さは、素子2の材料や入射光の波長により適宜調節することできる。円柱状凸部の周期、高さ及び太さを制御することにより、その構造体の実効屈折率及び光学厚さを制御することができるため、反射防止膜と比べて自由度があり、入射媒質及び基材の種類にかかわらず良好な反射防止特性が得られる。円柱状凸部の構造は図4及び5に示すものに限らず、反射防止効果を有するものであれば、円錐、円錐台、角柱、角錐等の構造を有するものでも良い。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
超々ジュラルミン[YH75(白銅株式会社製)]からなる25 mm×25 mm×15 mmの金型基材10を使用し、金型基材10の25 mm×25 mmの1面を転写面とし研削・研磨により光学鏡面を形成した。金型基材10の光学鏡面に純度99.99%の高純度アルミニウム膜20を真空蒸着により約1μm成膜した。この金型基材10を17℃の0.3 Mシュウ酸電解質に浸漬し、陽極に電圧60Vを2分間印加し、金型基材10の表面にポーラスアルミナを形成した。この金型基材10をクロム酸及びリン酸の混酸の剥離液に浸漬し、このポーラスアルミナを剥離した。再び同じ条件で30秒間処理し金型基材10の表面にポーラスアルミナ21を形成し、30℃の5wt%リン酸に30分間浸漬して孔径拡大処理を行った。得られた金型基材10を純水により洗浄した後乾燥させ、金型1を作製した。
陽極酸化処理後の金型1の成形面の外観は特に欠陥等はなかった。SEM観察の結果、約150 nmの二次元周期を有する良好な微細凹凸構造が形成されていた。実施例1の金型1を用いて成形した素子は所望の形状および精度を有しており、また、ムラ、散乱等の問題は見られなかった。
実施例2
6-4チタン合金[チタンGRADE5(白銅株式会社製)]からなる25 mm×25 mm×15 mmの金型基材10を使用し、金型基材10以外は実施例1と同様に、金型1を作製した。
実施例1と同様、陽極酸化処理後の金型1の成形面の外観は特に欠陥等は無く、SEM観察の結果、約150 nmの二次元周期を有する良好な微細凹凸構造の形成を確認した。また、実施例2の金型1を用いて成形した素子は所望の形状および精度を有しており、ムラ、散乱等の問題も見られなかった。
比較例1
純度99.99%の高純度アルミニウムからなる25 mm×25 mm×15 mmの金型基材10を使用し、高純度アルミニウム膜20の真空蒸着を行わない以外は実施例1と同様に、金型1を作製した。金型1の外観は実施例1と同様に良好であったが、高純度アルミニウムは強度が小さいため、金型を成型装置へ組み付けるため強固に固定したり、成形時に大きい力や圧力を付加することにより金型形状が変形してしまうため、比較例1の金型1を用いて成形を行った結果、所望の精度の形状を持った素子を作製することができなかった。
比較例2
高純度アルミニウム膜20の真空蒸着を行わない以外は実施例1と同様に、金型1を作製した。SEMで観察した結果、周期約150 nmの微細凹凸が形成されていたが、局所的に数100 nm〜数μmの欠陥が発生していた。また比較例2の金型1を用いて成形した素子には金型の欠陥転写に由来する散乱の発生が見られた。
比較例3
金型基材10の材料として石英ガラスを用いた以外は実施例1と同様に、金型1を作製した。金型1の外観は実施例1と同様に良好であったが、石英ガラスは脆く、強度が小さいため、成型装置に金型を強固に組み付けることができず、また、成形時に必要な力や圧力を付加することができないため、比較例3の金型1を用いて成形した素子は所望の形状および精度を得られなかった。
比較例4
金型基材10の材料としてステンレス鋼[HPM38(日立金属工具鋼株式会社製)]を用いた以外は実施例1と同様に、金型1を作製した。陽極酸化処理時にステンレス鋼の溶解反応が生じ、陽極酸化処理後の金型1の成形面には、溶解反応の影響によってアルミニウム膜の安定した陽極酸化処理が妨げられることが原因と思われる処理ムラが確認された。SEM観察の結果、所望の微細凹凸構造が得られておらず、また形状が不均一であった。
1・・・金型
10・・・金型基材
20・・・アルミニウム膜
21・・・ポーラスアルミナ
2・・・素子

Claims (10)

  1. 50%以上99%未満の比率でバルブ金属又は前記バルブ金属の合金を含有する金型基材の成形面に、含有率99%以上の高純度アルミニウムからなるアルミニウム膜を形成し、前記アルミニウム膜に陽極酸化により複数の細孔を有するポーラスアルミナを形成することを特徴とする金型の製造方法。
  2. 請求項に記載の金型の製造方法において、前記高純度アルミニウムの純度は99.9%以上であることを特徴とする金型の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の金型の製造方法において、前記バルブ金属はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス又はアンチモンであることを特徴とする金型の製造方法。
  4. 請求項3に記載の金型の製造方法において、前記バルブ金属はアルミニウムであることを特徴とする金型の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の金型の製造方法において、前記金型基材は超々ジュラルミンであることを特徴とする金型の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の方法により製造された金型。
  7. 請求項に記載の金型において、射出成形用であることを特徴とする金型。
  8. 請求項に記載の金型において、前記複数の細孔は前記金型により成形された素子に使用する光の波長以下の二次元周期で形成されており、もって前記素子に反射防止構造を付与できることを特徴とする金型。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の金型により成形された素子。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の金型により成形された光学素子。
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