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JP5617611B2 - 引張強度に優れる複合金属箔 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシター(電気二重層キャパシター、レドックスキャパシター、リチウムイオンキャパシターなど)といった蓄電デバイスの正極集電体などとして用いることができる、引張強度に優れる複合金属箔に関する。
携帯電話やノートパソコンなどのモバイルツールの電源に、大きなエネルギー密度を持ち、かつ、放電容量の著しい減少が無いリチウムイオン二次電池が用いられていることは周知の事実であるが、近年、モバイルツールの小型化に伴い、そこに装着されるリチウムイオン二次電池にも小型化の要請がなされている。また、地球温暖化防止対策などの観点からのハイブリッド自動車や太陽光発電などの技術の進展に伴い、電気二重層キャパシター、レドックスキャパシター、リチウムイオンキャパシターなどの大きなエネルギー密度を持つスーパーキャパシターの新しい用途展開が加速しつつあり、これらのさらなる高エネルギー密度化が要求されている。
リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイスは、例えば、電解質としてLiPFやNR・BF(Rはアルキル基)などの含フッ素化合物を含んだ有機電解液中に、正極と負極がポリオレフィンなどからなるセパレータを介して配された構造を持つ。正極はLiCoO(コバルト酸リチウム)や活性炭などの正極活物質と正極集電体からなるとともに、負極はグラファイトや活性炭などの負極活物質と負極集電体からなり、それぞれの形状は集電体の表面に活物質を塗布してシート状に成型したものが一般的である。各電極とも、大きな電圧がかかることに加え、腐食性が高い含フッ素化合物を含んだ有機電解液に浸漬されることから、特に、正極集電体の材料は、電気伝導性に優れるとともに、耐腐食性に優れることが求められる。このような事情から、現在、正極集電体の材料としては、ほぼ100%に、電気良導体であり、かつ、表面に不働態膜を形成することで優れた耐腐食性を有するアルミニウムが採用されている(負極集電体の材料としては銅やニッケルなどが挙げられる)。
蓄電デバイスの製造において、集電体への活物質の塗布は、集電体に高い張力をかけて行われる。また、活物質を塗布した集電体を巻き取る際、集電体には高い張力がかかる。従って、蓄電デバイスの正極集電体として用いるアルミニウム箔にはこうした張力に耐え得る引張強度を有することが求められる。しかしながら、アルミニウムは引張強度に優れる金属では必ずしもないので(現在、正極集電体として用いられている圧延アルミニウム箔の引張強度は160〜230N/mm程度である)、蓄電デバイスの小型化や高エネルギー密度化のために箔の厚みを薄くしようとしても自ずと限界がある。そこでアルミニウム箔の引張強度を高める方法として、箔に鉄と珪素を微量添加する方法が特許文献1において提案されている。しかしながら、この方法によっても、アルミニウム箔の引張強度が劇的に向上するわけではなく、また、この方法には、箔に添加した鉄や珪素が有機電解液中に溶出することによって電池特性に悪影響を及ぼす恐れがあるといった問題がある。
特開平6−101004号公報
そこで本発明は、蓄電デバイスの正極集電体などとして用いることができる、引張強度に優れる複合金属箔を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の複合金属箔は、請求項1記載の通り、アルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔の表面に、含水量が20ppm以下の電解アルミニウムめっき液を用いた電解法によってアルミニウム被膜が形成されてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の複合金属箔は、請求項1記載の複合金属箔において、アルミニウムよりも引張強度に優れる金属が、ニッケル、鉄、銅、チタン、これらの金属のうちの少なくとも1種を含む合金から選択されることを特徴とする。
また、請求項3記載の複合金属箔は、請求項1または2記載の複合金属箔において、電解法に用いる電解アルミニウムめっき液が(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの含窒素化合物を少なくとも含むものであることを特徴とする。
また、請求項4記載の複合金属箔は、請求項3記載の複合金属箔において、ジアルキルスルホンがジメチルスルホンであることを特徴とする。
また、請求項5記載の複合金属箔は、請求項1乃至4のいずれかに記載の複合金属箔において、アルミニウム被膜の膜厚が1〜50μmであることを特徴とする。
また、請求項6記載の複合金属箔は、請求項1乃至5のいずれかに記載の複合金属箔において、引張強度が300N/mm以上であることを特徴とする。
また、本発明の蓄電デバイス用正極集電体は、請求項7記載の通り、請求項1乃至6のいずれかに記載の複合金属箔からなることを特徴とする。
また、本発明の蓄電デバイス用電極は、請求項8記載の通り、請求項1乃至6のいずれかに記載の複合金属箔に電極活物質を担持させてなることを特徴とする。
また、本発明の蓄電デバイスは、請求項9記載の通り、請求項8記載の蓄電デバイス用電極を用いて構成されてなることを特徴とする。
本発明によれば、蓄電デバイスの正極集電体などとして用いることができる、引張強度に優れる複合金属箔を提供することができる。
実施例8における複合金属箔を試験極とした場合のサイクリックボルタモグラムである。 比較例1における市販の圧延チタン箔を試験極とした場合のサイクリックボルタモグラムである。
本発明の複合金属箔は、アルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔の表面に、含水量が20ppm以下の電解アルミニウムめっき液を用いた電解法によってアルミニウム被膜が形成されてなることを特徴とするものである。即ち、本発明は、アルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔を基材として用い、この箔の表面に電解法によってアルミニウム被膜を形成することで、引張強度に優れる複合金属箔を得るものである。
本発明において基材として用いるアルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔としては、例えばニッケル、鉄、銅、チタンなどの金属からなる箔が挙げられるが、これらの金属のうちの少なくとも1種を含む合金からなる箔、例えばニッケルと鉄の合金であるパーマロイからなる箔や、銅とベリリウムの合金からなる箔などでもよい。こうした箔は、例えば圧延法によって製造された市販のものであってよいが、電解法によって製造されたものでもよい。電解法による金属箔の製造は、例えば所定の基材の表面に金属被膜を形成した後、当該被膜を基材から剥離して行うことができる。箔の厚みは、例えば5〜50μmであってよい。
基材として用いる箔の表面へのアルミニウム被膜の形成は、含水量が20ppm以下の電解アルミニウムめっき液を用いた電解法によって行う。電解法によれば、高純度で緻密なアルミニウム被膜を箔の表面に形成することができるので、ピンホールや無めっき部分の発生などの被膜の形成不良に起因して箔が有機電解液と接触することにより、箔を構成する金属が液中に溶出して電池特性に悪影響を及ぼすといった事態を防ぐことができる。めっき液の含水量を20ppm以下と規定するのは、めっき液の含水量が20ppmを超えるとめっき液中の水分がアルミニウムの析出を阻害する要因となり、均一なアルミニウム被膜を箔の表面に形成することができなくなる恐れがあるからである。めっき液の含水量を低減する方法としては、乾燥窒素ガスや乾燥アルゴンガスを用いてめっき液の構成成分となる物質に含まれる水分をパージしてからめっき液を調製する方法や、めっき液の構成成分となる物質を真空雰囲気中で乾燥してからめっき液を調製する方法などが挙げられる。
なお、基材として用いる箔とアルミニウム被膜の密着性を向上させるために、箔を構成する金属に応じた表面処理を箔に対して前処理として行ってもよい。こうした表面処理としては、例えばエッチング処理やストライクめっき処理や化成処理などが挙げられる。
本発明の引張強度に優れる複合金属箔を蓄電デバイス用正極集電体として用いることを想定した場合、基材として用いる箔の表面に形成するアルミニウム被膜の膜厚は、例えば1〜50μmが望ましいが、基材として用いる箔の厚みと合わせた複合金属箔の厚みが50μm以下となる膜厚がより望ましく、30μm以下となる膜厚がさらに望ましい。膜厚が1μmを下回るとピンホールや無めっき部分の発生などの被膜の形成不良が起こりやすくなる恐れがある一方、膜厚が50μmを超えると複合金属箔が厚くなりすぎて集電体として用いることが困難になる恐れがある。
本発明において電解法に用いる電解アルミニウムめっき液は、基材として用いる箔の表面に電解法によって高純度で緻密なアルミニウム被膜を形成することができるものであれば特段限定されるものではなく、例えば塩化アルミニウムとエチルメチルイミダゾリウムクロリドからなるめっき液をはじめとする公知のものであってよい。しかしながら、好適な電解アルミニウムめっき液としては、本発明者らが開発した、(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの含窒素化合物を少なくとも含むものが挙げられる。このめっき液を用いれば、速い成膜速度で延性に富む高純度で緻密なアルミニウム被膜を基材として用いる箔の表面に形成することができる。
上記の電解アルミニウムめっき液に含ませるジアルキルスルホンとしては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルエチルスルホンなどのアルキル基の炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができるが、良好な電気伝導性や入手の容易性などの観点からはジメチルスルホンを好適に採用することができる。
アルミニウムハロゲン化物としては、塩化アルミニウムや臭化アルミニウムなどを例示することができるが、アルミニウムの析出を阻害する要因となるめっき液に含まれる水分の量を可能な限り少なくするという観点から、用いるアルミニウムハロゲン化物は無水物であることが望ましい。
含窒素化合物として採用することができるハロゲン化アンモニウムとしては、塩化アンモニウムや臭化アンモニウムなどを例示することができる。また、第一アミン〜第三アミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ヘキシルアミン、メチルエチルアミンなどのアルキル基の炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができる。ハロゲン化水素としては、塩化水素や臭化水素などを例示することができる。一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩におけるR〜Rで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基などの炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができる。Xとしては塩素イオンや臭素イオンやヨウ素イオンなどのハロゲン化物イオンの他、BF やPF などを例示することができる。具体的な化合物としては、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、四フッ化ホウ素テトラエチルアンモニウムなどを例示することができる。好適な含窒素化合物としては、速い成膜速度で延性に富む高純度で緻密なアルミニウム被膜の形成を容易にする点において第三アミンの塩酸塩、例えばトリメチルアミン塩酸塩を挙げることができる。
ジアルキルスルホン、アルミニウムハロゲン化物、含窒素化合物の配合割合は、例えば、ジアルキルスルホン10モルに対し、アルミニウムハロゲン化物は1.5〜4.0モルが望ましく、2.0〜3.5モルがより望ましい。含窒素化合物は0.01〜2.0モルが望ましく、0.05〜1.5モルがより望ましい。アルミニウムハロゲン化物の配合量がジアルキルスルホン10モルに対し1.5モルを下回ると形成されるアルミニウム被膜が黒ずんでしまう現象(焼けと呼ばれる現象)が発生する恐れや成膜効率が低下する恐れがある一方、4.0モルを超えるとめっき液の液抵抗が高くなりすぎることでめっき液が発熱して分解する恐れがある。また、含窒素化合物の配合量がジアルキルスルホン10モルに対し0.01モルを下回ると配合することの効果、即ち、めっき液の電気伝導性の改善に基づく高電流密度印加でのめっき処理の実現による成膜速度の向上、アルミニウム被膜の高純度化や延性の向上などの効果が得られにくくなる恐れがある一方、2.0モルを超えるとめっき液の組成が本質的に変わってしまうことでアルミニウムが析出しなくなってしまう恐れがある。
上記の電解アルミニウムめっき液を用いためっき処理は、例えば、めっき液の温度が80〜110℃、印加電流密度が1〜20A/dmの条件下、基材として用いるアルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔を陰極として行えばよい(陽極の材質としては例えばアルミニウムを例示することができる)。めっき液の温度の下限はめっき液の融点を考慮して決定されるべきものであり、望ましくは85℃、より望ましくは95℃である(めっき液の融点を下回るとめっき液が固化するのでめっき処理がもはや行えなくなる)。一方、めっき液の温度が110℃を超えると基材として用いる箔の表面に形成されたアルミニウム被膜とめっき液の間での反応が活発化し、アルミニウム被膜中に不純物が多く取り込まれることでその純度が低下する恐れがある。また、印加電流密度が1A/dmを下回ると成膜効率が低下する恐れがある一方、20A/dmを超えると含窒素化合物の分解などが原因で安定なめっき処理が行えなくなったり延性に富む高純度で緻密なアルミニウム被膜が得られなくなったりする恐れがある。上記の電解アルミニウムめっき液の特筆すべき利点は、10A/dm以上の電流密度を印加しても安定なめっき処理が可能なため、成膜速度の向上を図ることができる点にある。なお、めっき処理の時間は、アルミニウム被膜の所望する膜厚、めっき液の温度や印加電流密度などにも依存するが、通常、1〜90分間である(生産効率を考慮すると1〜60分間が望ましい)。
以上のようにして製造される本発明の複合金属箔は、基材としてアルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔を用いているので、例えば300N/mm以上の優れた引張強度を有するとともに、その表面に高純度で緻密なアルミニウム被膜が形成されているので、有機電解液中において安定に存在することができることから、蓄電デバイス用正極集電体として有用である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
参考例1:
厚みが25μmの市販の圧延アルミニウム箔(日本製箔社製)の引張強度を測定したところ、210N/mmであった(島津製作所社製の精密万能試験機:EZTestを用いて測定、以下同じ)。
実施例1:
ジメチルスルホン:無水塩化アルミニウム:トリメチルアミン塩酸塩をモル比で10:3:0.05の割合で混合した後、24時間、乾燥窒素ガスを用いて水分をパージしてから、110℃で溶解させて電解アルミニウムめっき液を調製した。こうして調製されためっき液の含水量は5ppmであった(三菱化学社製の微量水分測定装置:CA−100を用いて測定、以下同じ)。このめっき液を用いて、陽極に純度99.99mass%のアルミニウム板、陰極に厚みが20μmの市販の圧延ニッケル箔(ニラコ社製)を用い、5A/dmの印加電流密度で、めっき液を95℃に保って300rpmの攪拌速度で攪拌しながら電気めっき処理を5分間行い、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった(顕微鏡観察による、以下同じ)。こうして得られた複合金属箔の引張強度は420N/mmであった。
実施例2:
ジメチルスルホン:無水塩化アルミニウム:トリメチルアミン塩酸塩:塩化テトラメチルアンモニウムをモル比で10:3:0.05:1の割合で混合した後、24時間、乾燥窒素ガスを用いて水分をパージしてから、110℃で溶解させて電解アルミニウムめっき液を調製した。こうして調製されためっき液の含水量は20ppmであった。このめっき液を用いて、陽極に純度99.99mass%のアルミニウム板、陰極に厚みが20μmの市販の圧延ニッケル箔(ニラコ社製)を用い、5A/dmの印加電流密度で、めっき液を95℃に保って300rpmの攪拌速度で攪拌しながら電気めっき処理を50分間行い、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が48μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は431N/mmであった。
実施例3:
15A/dmの印加電流密度で電気めっき処理を2分間行うこと以外は実施例1と同様にして、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が4μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は425N/mmであった。
実施例4:
1.5A/dmの印加電流密度で電気めっき処理を50分間行うこと以外は実施例1と同様にして、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が15μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は421N/mmであった。
実施例5:
市販のニッケルめっき液(NI−STK:ワールドメタル社製)を用いたストライクニッケルめっき処理を行った厚みが20μmの市販の圧延ステンレス箔(ニラコ社製)を陰極に用いること以外は実施例1と同様にして、ストライクニッケルめっき処理を行った圧延ステンレス箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は520N/mmであった。
実施例6:
厚みが15μmの市販の圧延ベリリウム銅箔(ニラコ社製)を陰極に用いること以外は実施例1と同様にして、圧延ベリリウム銅箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は540N/mmであった。
実施例7:
乾燥窒素ガス雰囲気下で無水塩化アルミニウム:エチルメチルイミダゾリウムクロリドをモル比で67:33の割合で混合した後、80℃で溶解させて電解アルミニウムめっき液を調製した。こうして調製されためっき液の含水量は10ppmであった。このめっき液を用いて、陽極に純度99.99mass%のアルミニウム板、陰極に厚みが20μmの市販の圧延ニッケル箔(ニラコ社製)を用い、2A/dmの印加電流密度で、めっき液を80℃に保って300rpmの攪拌速度で攪拌しながら電気めっき処理を25分間行い、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が10μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は430N/mmであった。
実施例8:
厚みが20μmの市販の圧延パーマロイ箔(ニラコ社製)を陰極に用いること以外は実施例1と同様にして、圧延パーマロイ箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は均一かつ平滑で、ピンホールの発生などの形成不良は認められなかった。こうして得られた複合金属箔の引張強度は630N/mmであった。
この複合金属箔を試験極、リチウム箔を対極及び参照極とし、電解液に1M LiPF/EC+DMCを用いて擬似電池セルを作製した。電気化学測定装置(HZ−5000:北斗電工社製)を用いてこの擬似電池セルでサイクリックボルタンメトリーを3サイクル行い、その特性を電気化学的に評価した。結果を図1に示す。図1から明らかなように、この複合金属箔を試験極とした場合、1サイクル目においては、4〜6Vの領域で表面のアルミニウム被膜の不働態化に伴う酸化反応が観察されたが、2サイクル目からは安定した挙動を示し、基材として用いた圧延パーマロイ箔の腐食に伴うニッケルや鉄の溶出を示す酸化反応は観察されなかった。以上の結果から、この複合金属箔は、引張強度に優れる蓄電デバイス用正極集電体として好適に利用できることがわかった。
比較例1:
厚みが25μmの市販の圧延チタン箔(ニラコ社製)の引張強度を測定したところ、730N/mmであった。
この圧延チタン箔を試験極とすること以外は実施例8と同様にして擬似電池セルを作製し、その特性を電気化学的に評価した。結果を図2に示す。図2から明らかなように、この圧延チタン箔を試験極とした場合、圧延チタン箔の継続的な腐食に伴うチタンの溶出よって3サイクル目においても4〜6Vの領域で酸化反応が観察されたことから、この圧延チタン箔は蓄電デバイス用正極集電体として利用できないことがわかった。
比較例2:
水を添加して含水量を50ppmに調整した電解アルミニウムめっき液を用いること以外は実施例1と同様にして、圧延ニッケル箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は凹凸が激しく、無数のピンホールが認められた。この複合金属箔を試験極とすること以外は実施例8と同様にして擬似電池セルを作製し、その特性を電気化学的に評価したところ、基材として用いた圧延ニッケル箔がピンホールを通して電解液と接触したことでその継続的な腐食に伴うニッケルの溶出よって3サイクル目においても4〜6Vの領域で酸化反応が観察されたことから、この複合金属箔は蓄電デバイス用正極集電体として利用できないことがわかった。
比較例3:
厚みが15μmの市販の圧延ベリリウム銅箔(ニラコ社製)を陰極に用いること以外は比較例2と同様にして、圧延ベリリウム銅箔の表面に膜厚が5μmのアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の表面は凹凸が激しく、無数のピンホールが認められた。この複合金属箔を試験極とすること以外は実施例8と同様にして擬似電池セルを作製し、その特性を電気化学的に評価したところ、基材として用いた圧延ベリリウム銅箔がピンホールを通して電解液と接触したことでその継続的な腐食に伴う銅の溶出よって3サイクル目においても4〜6Vの領域で酸化反応が観察されたことから、この複合金属箔は蓄電デバイス用正極集電体として利用できないことがわかった。
応用例1:本発明の引張強度に優れる複合金属箔を蓄電デバイス用正極集電体として利用した蓄電デバイスの作製
実施例1で得た複合金属箔を正極集電体として利用し、その表面に正極活物質を塗布したものを正極として、自体公知の構成を有する蓄電デバイスを作製した。
本発明は、蓄電デバイスの正極集電体などとして用いることができる、引張強度に優れる複合金属箔を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。


Claims (9)

  1. アルミニウムよりも引張強度に優れる金属からなる箔の表面に、含水量が20ppm以下の電解アルミニウムめっき液を用いた電解法によってアルミニウム被膜が形成されてなることを特徴とする複合金属箔。
  2. アルミニウムよりも引張強度に優れる金属が、ニッケル、鉄、銅、チタン、これらの金属のうちの少なくとも1種を含む合金から選択されることを特徴とする請求項1記載の複合金属箔。
  3. 電解法に用いる電解アルミニウムめっき液が(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの含窒素化合物を少なくとも含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の複合金属箔。
  4. ジアルキルスルホンがジメチルスルホンであることを特徴とする請求項3記載の複合金属箔。
  5. アルミニウム被膜の膜厚が1〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の複合金属箔。
  6. 引張強度が300N/mm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の複合金属箔。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の複合金属箔からなることを特徴とする蓄電デバイス用正極集電体。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の複合金属箔に電極活物質を担持させてなることを特徴とする蓄電デバイス用電極。
  9. 請求項8記載の蓄電デバイス用電極を用いて構成されてなることを特徴とする蓄電デバイス。


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