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JP5616566B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、屈折率(nd)が1.50〜1.65、アッベ数(νd)が50〜65の範囲の光学定数と400℃以下のガラス転移点(Tg)を有する光学ガラスに関する。
リヒートプレス成形によってガラス成形品を製造する場合、非常に高い温度を必要とするため、熱処理炉の早期劣化をもたらし、安定生産に支障がある。このため、ガラス材料の粘性流動温度が低いほど、すなわちガラス転移温度(Tg)が低いほど低温でリヒートプレス成形が可能であり、熱処理炉に対する負荷を低減できる。ここで、「粘性流動温度」とは、粘性流動が起こる温度であり、おおよそガラス転移温度と同じ温度になることが当業界において公知である。
精密プレス成形によって、非球面レンズのようなガラス成形品を得るにあたっては、金型の高精度な成形面をレンズプリフォーム材に転写するために、加熱軟化させたレンズプリフォーム材を高温環境下でプレス成形することが必要であるので、この際使用する金型も高温に曝され、また、金型に高いプレス圧力が加えられる。そのため、レンズプリフォーム材を加熱軟化させる際及びレンズプリフォーム材をプレス成形する際に、金型の成形面が酸化、侵食されたり、金型成形面の表面に設けられている離型膜が損傷したりして金型の高精度な成形面が維持できなくなることが多く、また、金型自体も損傷し易い。そのようになると、金型を交換せざるを得ず、金型の交換回数が増加して、低コスト、大量生産を実現できなくなる。そこで、精密プレス成形に使用するガラス及び精密プレス成形に使用するレンズプリフォーム材のガラスは、上記損傷を抑制し、金型の高精度な成形面を長く維持し、かつ、低いプレス圧力での精密プレス成形を可能にするという観点から、できるだけ低いガラス転移温度(Tg)を有することが望まれている。
従来、低いガラス転移温度を有するガラスとしては、PbOあるいはTeO含有させたものが知られているが、これらの成分は環境上好ましくない成分であり、またアッベ数(νd)が小さくなりやすい。また、PbOを含有せずに低ガラス転移温度を実現したガラスとしては、例えばP−RO−RO系が知られているが、この系は低いガラス転移温度を得るべくRO成分を増加させているため、化学的耐久性が良好でないといった欠点がある。
この点を改善すべく、Laを含有させて化学的耐久性を向上させたP−B−Al−RO−RO系ガラスが、特開昭60−171244号公報に記載されているが、モールドプレス性という観点からすると、数値の限定が不十分であり前記の諸条件を満たす組成の実施例も開示されていないため、モールドプレスという目的には必ずしも合致し得ない。
特開2004−217513にはP−RO(R=Li,Na,K)−ZnO−BaO系が記載されているが、この公報に具体的に開示されている光学ガラスは、ZnOの含有量が多いため、熱安定性に欠け、例えば熔融ガラスからモールドプレス用プリフォームを作製する際に失透が生じやすく、作業効率が悪いという不利益があった。さらに、この公報に記載されたガラスは比較的多量のNb、Bi、WOを含有するため、着色することが多く、光線透過率が悪化しやすいという欠点があった。
特開2004−315324にはP−RO(R=Li,Na,K)−BaO系が記載されているが、この公報に具体的に開示されている光学ガラスは、MgO含有量が多いため、比較的高いガラス転移温度(Tg)のガラスしか得られないという不利益があった。
特開2002−211949にはP−BaO系が記載されているが、この光学ガラスはB,Al,ROなどを多量に含有し、かつZnO,RO成分が少量であるため、軟化点が高くなるという不利益があった。
特開2004−168593にはP−ZnO−BaO系が記載されているが、この光学ガラスは希土類酸化物を多く含有するため、屈折率が大きいものしか得られないという不利益があった。
特開平2−124743にはP−ZnO系が記載されているが、この光学ガラスは化学的耐久性を向上させるためにAl成分の含有量が多すぎ、屈伏点(At)が高いものしか得られないという不利益があった。
特開昭60−171244号公報 特開2004−217513号公報 特開2004−315324号公報 特開2002−211949号公報 特開2004−168593号公報 特開平2−124743号公報
本発明は、低いガラス転移温度を有し、化学的耐久性にも優れ、環境上好ましくない物質も含まない、モールドプレス性の良い、光学ガラスを提供するものである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意試験研究を重ねた結果、P、BaO、ZnO、アルカリ成分等の各成分を特定の割合で含有させることにより、環境上好ましくない物質を含まずとも屈折率(nd)が1.5〜1.65およびアッベ数(νd)が50〜65の範囲の光学定数を有し、ガラス転移温度(Tg)が400℃以下であるガラスを作成することができるようになり、かつ、そのようにして作製されたガラスは精密モールドプレス性が極めて良好であるということを見いだし、本発明に至ったものである。
さらに、本発明者は、上記所望の光学定数を調整するにあたり、Nb、Bi、WOを少量しか含有させなくとも可能としたことにより、光線透過率を良好に保つことができた。
本発明の第1の構成は、屈折率(nd)が1.50〜1.65およびアッベ数(νd)が50〜65の光学恒数を有し、ガラス転移点(Tg)が339°C以下である光学ガラスであって、アルカリ金属酸化物を3種以上含有し、酸化物基準の質量%で、SiO、B及びAlの合計含有量が1%以下であり、かつ酸化物基準の質量%でNb,Bi、WOの合計含有量が1%以下であり、必須成分として酸化物基準の質量%で、
40〜55%
BaO 24〜40%
ZnO 5〜14%及び
Sb 0.1〜10%
を含有し、
Pb及びTeを含まないことを特徴とする光学ガラスである。
本発明によればガラス転移温度が400℃以下となることにより、従来より低温での成形が可能となるため、金型の表面酸化による消耗が減少させ、金型の寿命を延ばすことが可能となる。さらにこのTgを有する光学ガラスは、ステンレス型による成形も可能となり、結果として製造コストを格段に低減することができる。
本発明の第の構成は、酸化物基準の質量%で、RO成分(RはBa、Ca、Mg、Sr及びZnからなる群より選択される1種以上)の合計含有量に対するZnOの含有量の比が0.2以上である前記構成の光学ガラスである。
本発明の第の構成は、酸化物基準の質量%で、Sbの含有量が1.5%以上であることを特徴とする前記構成1または2の光学ガラスである。
本発明の第の構成は、前記構成1〜の光学ガラスを精密プレス成形してなる光学素子である。
本発明の第の構成は、前記構成1〜の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームである。
本発明の第の構成は、前記構成のプリフォームを精密プレス成形してなる光学素子である。
上記構成を採用することにより、本発明の光学ガラスは溶融プリフォーム成形ならびにモールドプレス性の良い光学ガラスとして好適である。
本発明のガラスを用いて溶融滴下法によりプリフォームを得、このプリフォームをモールドプレス成形してレンズを製造することによって、所望の光学恒数と化学的耐久性や耐失透性やプリフォーム成形性やモールド成形性を得つつ、更に従来より低温での成形が可能なため、金型の表面酸化による消耗が減少し、結果として製造コストを格段に低減することができる。
本発明の光学ガラスについて、所望の各物性について説明する。
本発明の光学ガラスは、光学設計上の要求から1.50〜1.65の屈折率(nd)およびアッベ数(νd)が50〜65が最も好ましい。従来、この光学定数を実現するために様々な組成のガラスが用いられてきたが、いずれも光学定数は満たすものの転移点(Tg)が400℃を超えるものが多く、精密プレス成形の際にステンレス等の安価な材料を使用することができず、コストが大きくなるという問題があった。本発明の光学ガラスにおいては、これら公知のものに比べいっそう低い転移点(Tg)が要求されているため、好ましくは400℃以下、より好ましくは370℃以下、最も好ましくは350℃以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、その成形品が光学素子として使用できなければならないため、光線透過率が高いほうが好ましい。具体的には、光線透過率が80%になる最短波長(λ80)が370nm以下であることが好ましく、365nmであることがより好ましく、360nmであることが最も好ましい。
本発明の光学ガラスにおいて、各成分の組成範囲を前記のとおり限定した理由を以下に述べる。以下、本明細書中においては特に断らない限り、ガラス組成の含有率は全て酸化物基準の質量%で表すものとする。
本明細書中において「酸化物基準」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が熔融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の質量の総和を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
はガラスを形成するのに必須な成分であるが、その量が少ないと耐失透性を悪化させやすく、多すぎると化学的耐久性が低下しやすくなる。したがって、好ましくは40%、より好ましくは42%、もっとも好ましくは44%を下限とし、好ましくは55%、より好ましくは53%、最も好ましくは51%を上限とする。
BaOは光学恒数の調整のために重要な成分であるが、その量が少なすぎるとその効果が十分ではなく、多すぎると所望のガラス転移温度が得られにくくなる。したがって、好ましくは20%、より好ましくは22%、もっとも好ましくは24%を下限とし、好ましくは40%、より好ましくは38%、最も好ましくは36%を上限とする。
ZnOはガラス転移温度を低下させる効果があり、また光学恒数の調整のため添加し得るが、その量が少なすぎるとその効果が十分でなく、また多すぎると化学的耐久性が悪化すやすくなる。したがって、好ましくは5%、より好ましくは7%、もっとも好ましくは9%を下限とし、好ましくは20%、より好ましくは17%、なお、化学的耐久性と所望のアッベ数を維持するためには、特に14%以下の含有量であることが好ましい。
Sbは脱泡のためだけでなく、光学恒数の調整のために重要な成分であるが、その量が少なすぎるとその効果が発揮されにくく、多すぎると所望のガラス転移温度が得られにくい。したがって、好ましくは0.1%、より好ましくは1.0%、もっとも好ましくは1.5%を下限とし、好ましくは10%、より好ましくは7%、最も好ましくは5%を上限とする。
LiOはガラス転移温度を下げる効果を有する必須成分であるが、その量が少なすぎるとその効果が得られにくく、多すぎると耐失透性が急激に低下しやすくなる。したがって、好ましくは1%、より好ましくは1.3%、最も好ましくは1.5%を下限とし、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%を上限とする。
NaOはガラス転移温度を下げる効果を有するが、その量が少なすぎるとその効果が得られにくく、多すぎると耐失透性が急激に低下しやすくなる。したがって、好ましくは1%、より好ましくは1.5%、最も好ましくは2%を下限とし、好ましくは10%、より好ましくは8%、最も好ましくは7%を上限とする。
Oはガラス転移温度を下げる効果を有するが、その量が少なすぎるとその効果が得られにくく、多すぎると耐失透性が急激に低下しやすくなる。したがって、好ましくは1%、より好ましくは1.5%、最も好ましくは2%を下限とし、好ましくは10%、より好ましくは8%、最も好ましくは7%を上限とする。
なお、本発明においてはアルカリ金属酸化物を3種以上含有させるほうが、1種又は2種含有させる組成に比べ、非常にガラスの安定性が良く、耐失透性が良好であることがわかっている。よって、製造工程において安定に高い歩留りで製造するためには、アルカリ金属酸化物を3種以上含有させることが好ましい。
は耐失透性向上のために添加しうる成分であるが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、好ましくは3%、より好ましくは2.5%、最も好ましくは2%を上限とする。なお、Tgを350℃以下に設定したい場合には、特に1%以下、より好ましくは0.4%以下、最も好ましくは0.3%以下の含有量であることが好ましい。
SiOは光学恒数を調整するために添加し得るが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、好ましくは2%、より好ましくは1.5%、最も好ましくは1%を上限とする。
Alは化学的耐久性を向上させるために添加しうる成分であるが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、好ましくは3%、より好ましくは2.5%、最も好ましくは2%を上限とする。
、SiO及びAlの含有量の合計が大きくなりすぎてもガラス転移点が高くなる傾向にあり、所望のガラスが得にくくなる。従ってこれら成分の合計含有量は1%以下、より好ましくは0.9%以下、最も好ましくは0.8%以下となる。
は光学恒数の調整のため添加し得るが、その量が多すぎると耐失透性が悪化し、また所望のガラス転移温度を得ることができなくなる。したがって、好ましくは3%、より好ましくは2.5%、最も好ましくは2%を上限とする。
Laは比較的少量で化学的耐久性を向上させる効果があり、また光学恒数の調整のため添加し得るが、P系ガラスにおいて、急激に耐失透性を悪化させる成分でもある。したがって、好ましくは1.5%、より好ましくは1.3%、最も好ましくは1%を上限とする。
Gdは化学的耐久性を向上させる効果があり、また光学恒数の調整のため添加し得るが、P系ガラスにおいて、急激に耐失透性を悪化させる成分でもある。したがって、好ましくは1.3%、より好ましくは1%、最も好ましくは0.8%を上限とする。
TiOは光学恒数を調整するために添加し得るが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%を上限とする。
Taは光学恒数を調整するために添加し得るが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、好ましくは10%、より好ましくは8%、最も好ましくは7%を上限とする。
MgO、CaO、SrOの各成分は光学恒数を調整するために添加し得るが、その量が多すぎると所望のガラス転移温度が得られない。したがって、これら各成分はそれぞれ好ましくは5%、より好ましくは4.7%、最も好ましくは4.5%を上限とする。
この中で特に本発明のようなP、BaO、ZnOを主成分とするガラスでは、アルカリ土類金属酸化物の中でも特にMgOは含有量が高くなるとガラス転移温度(Tg)を著しく上げてしまう傾向にある。本発明の光学ガラスでは特に400℃以下、より好ましくは350℃以下という低いTgが要求されるため、MgOの含有量は特に上限を1%とすることが特に好ましい。
また、Tgが350以下となるようなガラスを安定に製造する場合には、RO成分(RはBa、Ca、Mg、Sr及びZnからなる群より選択される1種以上)合計含有量に対しZnOの含有量の比が0.2以上、より好ましくは0.21以上、最も好ましくは0.22以上であることが好ましい。
ZrOは化学的耐久性を向上させる効果があり、また光学恒数を調整するために添加し得るが、その量が多すぎると耐失透性が急激に低下する。したがって、好ましくは3%、より好ましくは2%、最も好ましくは1.5%を上限とする。
Nb、BiおよびWOは屈折率を上げるために添加しうるが、その反面、透過率を悪化させる原因となり得、特に短波長側での透過率を急激に悪化させる要因となる成分である。従って本発明の光学ガラスにおいては。これらの成分の合計は3%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは含有させるべきではない。
鉛化合物は、精密プレス成形時に金型と融着しやすい成分であるという問題並びにガラスの製造のみならず、研磨等のガラスの冷間加工及びガラスの廃棄に至るまで、環境対策上の措置が必要となり、環境負荷が大きい成分であるという問題があるため、本発明の光学ガラスに含有させるべきではない。
F成分は、熔融ガラスからガラス塊を作る際に脈理を発生しやすくするため、好ましくは含有しない。
As、カドミウム及びトリウムは、共に、環境に有害な影響を与え、環境負荷の非常に大きい成分であるため、本発明の光学ガラスに含有させるべきではない。
さらに本発明の光学ガラスにおいては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Eu、Nd、Sm、Tb、Dy、Er等の着色成分は、含有しないことが好ましい。ただし、ここでいう含有しないとは、不純物として混入される場合を除き、人為的に含有させないことを意味する。
本発明のガラス組成物は、その組成が質量%で表されているため直接的にmol%の記載に表せるものではないが、本発明において要求される諸特性を満たすガラス組成物中に存在する各成分のmol%表示による組成は、概ね以下の値をとる。
35〜50%
BaO 18〜30%
ZnO 7〜30%
Sb 0.05〜5%
0〜5%
Al 0〜7%
LiO 3〜20%
SiO 0〜3%
0〜2%
La 0〜1%
Gd 0〜1%
TiO 0〜7%
Ta 0〜3%
MgO 0〜8%
CaO 0〜10%
SrO 0〜10%
NaO 2〜15%
O 1〜10%
ZrO 0〜3%
本発明の光学ガラスにかかる実施例(No.1、No.3〜No.20)の組成、参考例(No.2)、および従来の光学ガラスの比較例(No.A〜D)の組成を、これらのガラスの屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移点(Tg)(°C)、λ80(nm)の測定結果とともに表1〜表5に示す。表中の各成分の含有率は全て酸化物基準の質量%で表記されている。
表1〜5に示した本発明の実施例のガラス(No.1、No.3〜No.20)は、いずれも、燐酸塩、正燐酸、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等の通常の光学ガラス用原料を表1〜表4に示した所定の組成となるように秤量し、混合したバッチ原料を、白金坩堝等に投入し、組成による溶融性の相違に応じて1000〜1200°Cの温度で約3〜5時間溶融し、攪拌均質化した後、金型等に鋳込み徐冷することにより、容易に得ることができた。屈折率(nd)及び、アッベ数(νd)は徐冷降温速度を−25°C/hにして得られた光学ガラスについて測定した。
ガラス転移温度(Tg)は日本光学硝子工業会規格JOJIS08-2003(光学ガラスの熱膨張の測定方法)に記載された方法により測定した。ただし、試料片として長さ50mm、直径4mmの試料を使用した。
光線透過率が80%になる最短波長(λ80)は、厚さ10mmの試料について、その反射損失を含む分光透過率曲線から求めた。
Figure 0005616566
Figure 0005616566
Figure 0005616566
Figure 0005616566
Figure 0005616566
表1〜表4に見られるとおり、本発明の実施例のガラス(No.1、No.3〜No.20)は、所望の屈折率を有しつつ、350°C以下のガラス転移点(Tg)を有することができた。
さらに、本発明の実施例のガラス(No.1、No.3〜No.20)は、いずれも、屈折率(nd)が1.5〜1.65、アッベ数(νd)が50〜65までの範囲内の光学定数を有していた。
上記本発明の実施例のガラスは、いずれも、溶融性が良好であり、化学的耐久性も良好であった。
本発明のガラスを用いて溶融滴下法によりプリフォームを得、このプリフォームをモールドプレス成形してレンズを製造することによって、所望の光学恒数と化学的耐久性や耐失透性やプリフォーム成形性やモールド成形性を得つつ、更に従来より低温での成形が可能なため、金型の表面酸化による消耗が減少し、結果として製造コストを格段に低減することができる。

Claims (6)

  1. 屈折率(nd)が1.50〜1.65およびアッベ数(νd)が50〜65の光学恒数を有し、ガラス転移点(Tg)が339°C以下である光学ガラスであって、アルカリ金属酸化物を3種以上含有し、酸化物基準の質量%で、SiO、B及びAlの合計含有量が1%以下であり、かつ酸化物基準の質量%でNb,Bi、WOの合計含有量が1%以下であり、必須成分として酸化物基準の質量%で、
    40〜55%
    BaO 24〜40%
    ZnO 5〜14%及び
    Sb 0.1〜10%
    を含有し、
    Pb及びTeを含まないことを特徴とする光学ガラス。
  2. 酸化物基準の質量%で、RO成分(RはBa、Ca、Mg、Sr及びZnからなる群より選択される1種以上)の合計含有量に対するZnOの含有量の比が0.2以上である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 酸化物基準の質量%で、Sbの含有量が1.5%以上である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラスを精密プレス成形してなる光学素子。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  6. 請求項5のプリフォームを精密プレス成形してなる光学素子。
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