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JP5609841B2 - 流量センサ - Google Patents

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JP5609841B2 JP2011226898A JP2011226898A JP5609841B2 JP 5609841 B2 JP5609841 B2 JP 5609841B2 JP 2011226898 A JP2011226898 A JP 2011226898A JP 2011226898 A JP2011226898 A JP 2011226898A JP 5609841 B2 JP5609841 B2 JP 5609841B2
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Description

本発明は、薄肉部としてのセンシング部を有するセンサチップをケースに片持ち支持してなる流量センサに関する。
従来より、この種の流量センサとしては、ケースと、一端側に気体の流量を検出するセンシング部を有し、センシング部よりも他端側にケースに支持される支持部を有する板状のセンサチップとを備えたもの、つまりセンサチップをケースに片持ち支持したものが提案されている(特許文献1参照)。
ここで、センシング部は、センサチップの裏面側に設けられた凹部とセンサチップの表面側にて凹部の底部を形成する薄肉部とにより構成され、センサチップの表面上を流れる気体の流量を検出するものとされている。このようなセンサにおいて、センサチップ裏面の凹部における乱流の発生は、センサ感度に悪影響を与えることが知られている。
これに対して、上記特許文献1の流量センサでは、センサチップの凹部に沿うような凸部を、相対するケース部分に設けることで、上記乱流の発生を防止する構造を提案している。
特開2010−281809号公報
しかしながら、上記特許文献1の構造では、センサチップの凹部とケースの凸部の干渉を防止するために、ケースの凸部について高精度な樹脂成型技術と、センサチップと凸部との精細な位置管理とが必要となり、製造コストが増加する懸念がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、薄肉部としてのセンシング部を有するセンサチップをケースに片持ち支持してなる流量センサにおいて、センサチップを支持するケースを加工することなく、センサチップ裏面の凹部における乱流の発生防止を適切に行うことを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ケース(10)と、一端(21)側に気体の流量を検出するセンシング部(23)を有し、センシング部(23)よりも他端(22)側にケース(10)に支持される支持部(24)を有する板状のセンサチップ(20)とを備え、センシング部(23)は、センサチップ(20)の裏面(20b)側に設けられた凹部(25)とセンサチップ(20)の表面(20a)側にて凹部(25)の底部を形成する薄肉部(26)とにより構成され、センサチップ(20)の表面(20a)上を流れる記気体の流量を検出するものである流量センサにおいて、さらに以下の構成を有するものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、センサチップ(20)の裏面(20b)には、センシング部(22)から支持部(24)に渡って剛体としての板状の裏面側チップ(30)が、凹部(25)を覆うように貼り付けられており、
裏面側チップ(30)の他面(30b)のうち支持部(24)に対応する部位を、ケース(10)に固定して支持させることにより、裏面側チップ(30)の他面(30b)のうちセンシング部(23)に対応する部位がケース(10)とは離れた状態となるように、センサチップ(20)および裏面側チップ(30)がケース(10)に片持ち支持されており、
センサチップ(20)と裏面側チップ(30)との貼り合わせ界面において裏面側チップ(30)側に、凹部(25)を外部に開放する開放孔(31)が設けられており、この開放孔(31)は、裏面側チップ(30)の一面(30a)にて凹部(25)の位置から裏面側チップ(30)の一面(30a)の端部まで延びる溝(32)と、センサチップ(20)とが共同して形成するトンネルとして構成されており、
センサチップ(20)と裏面側チップ(30)とは、同一の材質よりなり、裏面側チップ(30)は、センサチップ(20)の裏面(20b)の全体に貼り付けられていることを特徴とする。
それによれば、センサチップ(20)の凹部(25)は、裏面側チップ(30)で覆われて、センサチップ(20)の裏面(20b)側を流れる気流に、さらされることがないから、当該凹部(25)内で乱流が発生するのを防止できる。
また、凹部(25)は裏面側チップ(30)で覆われているが、開放孔(31)によって外気に開放されているので、温度変化などによる凹部(25)内の圧力変動が抑制される。そのため、本発明によれば、センサ感度の変動を防止して、良好なセンシング特性を確保することができる。
また、センサチップ(20)は裏面側チップ(30)を介してケース(10)に接着されて支持されるが、この裏面側チップ(30)は剛体の板であるから、センサチップ(20)の支持が安定するという効果も期待できる。
このように、本発明によれば、センサチップ(20)を支持するケース(10)を加工することなく、センサチップ(20)裏面(20b)の凹部(25)における乱流の発生防止を適切に行うことができる。また、本発明によれば、センサチップ(20)と裏面側チップ(30)とが同一の材質であるから、互いに貼り付けが容易であり、また、貼り付けられた両チップ(20、30)において線膨張係数の差による変形を回避することができるから、センサ感度の変動防止等が期待できる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の流量センサにおいて、裏面側チップ(30)の他面(30b)のうち支持部(24)に対応する部位は、ケース(10)に接着剤(40)を介して接着されて支持されており、裏面側チップ(30)の他面(30b)は、平坦面であることを特徴とする。
このように、裏面側チップ(30)を、接着剤(40)を介してケース(10)に接着して固定する場合、接着面である裏面側チップ(30)の他面(30b)が、凹凸や穴を有する面であると、接着剤(40)中にボイドが発生しやすいが、本発明では、当該裏面側チップ(30)の他面(30b)が凹凸や穴の無い平坦面であるから、接着剤(40)中のボイド発生防止が期待される。
また、請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の流量センサにおいて、溝(32)は、裏面側チップ(30)の一面(30a)にて1つの端部から凹部(25)の位置を通って他の端部まで延びるものであり、開放孔(31)は、センサチップ(20)の1つの側面(21a、20c)から他の側面(20c、20d、22a)に貫通するトンネルとして構成されていることを特徴とする。
それによれば、開放孔(31)の開口部付近を通る空気流れによって、開放孔(31)内部、ひいては凹部(25)が減圧状態になるのを抑制しやすい。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の流量センサにおいて、センサチップ(20)の一端(21)側におけるセンサチップ(20)の裏面(20b)およびセンサチップ(20)の側面(21a、20c、20d)に対して隙間を有して対向する板であって、センサチップ(20)の表面(20a)上を流れる気体の流れを整える整流板(12〜15)が、ケース(10)に設けられていることを特徴とする。
このような整流板(12〜15)を有する場合、整流板(12〜15)とセンサチップ(20)との隙間からセンサチップ(20)の裏面(20b)側へ気体が流れ、乱流を起こす可能性があるが、そのような場合でも、裏面側チップ(30)の上記作用により乱流防止が行われる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態に係る流量センサの要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)中のA−A概略断面図、(c)は(a)中のB−B概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る流量センサの要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)中のC−C概略断面図、(c)は(a)中のD−D概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサチップおよび裏面側チップを示す概略平面図であり、図3において(a)は第1の例、(b)は第2の例、(c)は第3の例を示す 本発明の第4実施形態に係るセンサチップおよび裏面側チップを示す概略平面図であり、(a)は第1の例、(b)は第2の例を示す。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る流量センサの要部を示す図であり、図1において(a)は概略平面図、(b)は(a)中の一点鎖線A−Aに沿った概略断面図、(c)は(a)中の一点鎖線B−Bに沿った概略断面図である。
本実施形態の流量センサは、大きくは、ケース10と、このケース10に片持ち支持されるセンサチップ20とを備えている。この流量センサは、図1中の矢印Yに示される気体流れの流量を検出するものである。
用途を限定するものではないが、本流量センサは、具体的には、自動車に搭載され自動車用エンジンの吸入空気量や排気量等を測定するエアフロメータ(熱式流量計)として用いられる。
センサチップ20は、シリコン半導体よりなる板状をなすものであり、一端21側に気体の流量を検出するセンシング部23を有し、センシング部23よりも他端22側にケース10に支持される支持部24を有する。このセンサチップ20は、通常の半導体プロセスにより製造される。
ここでは、センサチップ20は、一端21から他端22へ延びる長方形板状をなすものである。このセンサチップ20における各面については、一方の板面を表面20aとし、他方の板面を裏面20bとし、表裏両面20a、20bを連結する両端面21a、22aを含む4個の面21a、22a、20c、20dを側面21a、22a、20c、20dとしている。
ここで、センシング部23は、センサチップ20の裏面20b側に設けられた凹部25とセンサチップ20の表面20a側にて凹部25の底部を形成する薄肉部26とにより構成されている。この凹部25は、シリコンの異方性エッチングなどにより形成されるものである。
さらに、薄肉部26には、図示しないアルミなどよりなる薄膜抵抗体が形成されており、矢印Yに示される気体の流量による当該薄膜抵抗体の温度変化が、当該薄膜抵抗体の抵抗変化として検出される。こうして、センサチップ20の表面20a上を流れる気体の流量が検出されるようになっている。
この抵抗−温度特性(R−T特性)による信号は、センサチップ20に形成された図示しない配線を通じて、センサチップ20に設けられたパッド27から外部に取りだされるようになっている。
パッド27は、アルミなどよりなるもので、ここでは、支持部24にてセンサチップ20の表面20aに設けられている。図示しないが、パッド27は、ケース10等に設けられた回路チップ等よりなる回路部に対して、ワイヤボンディングにより接続されており、これにより、上記信号は、センサチップ20外部に取りだされるようになっている。
ケース10は、例えば、エポキシ樹脂などの樹脂を用いて金型成形されたものであるが、センサチップ20を支持できるものであればよく、材質は特に限定されない。このケース10には、図1に示されるように、気体の流れに沿った表面に凹部11が形成され、この凹部11にセンサチップ20を配置している。
ここで、本実施形態では、センサチップ20の裏面20bには、センシング部23から支持部24に渡って剛体としての板状の裏面側チップ30が、凹部25を覆うように貼り付けられている。
この裏面側チップ30は、センサチップ20と同一の材質よりなるものであり、本実施形態では通常の半導体プロセスにより形成されたシリコン半導体よりなる。ここでは、裏面側チップ30は、センサチップ20よりも薄いが、平面形状および平面サイズが実質同一の長方形板状をなしており、センサチップ20の裏面20bの略全体に貼り付けられている。
具体的には、この裏面側チップ30の一方の板面である一面30aとセンサチップ20の裏面20bとが、陽極接合などにより接合されており、これにより両チップ20、30は貼りあわされて固定されている。
そして、これらセンサチップ20は、支持部24にて裏面側チップ30を介して、ケース10の凹部11の底部に支持されている。具体的には、図1に示されるように、裏面側チップ30の他方の板面である他面30bのうちセンサチップ20の支持部24に対応する部位を、ケース10の凹部11の底部に固定して支持させている。
ここでは、裏面側チップ30の他面30bは、全体が平坦な平坦面であり、この裏面側チップ30の他面30bのうちセンサチップ20の支持部24に対応する部位は、ケース10に対して接着剤40を介して接着されている。この接着剤40は、塗布して硬化させるエポキシ樹脂などよりなる一般的なものである。
なお、センサチップ20の支持部24とは、センサチップ20のうち接着剤40を介してケース10に接触し支持されている部分、すなわち直下に接着剤40が存在する部分である。このようにして、本実施形態では、裏面側チップ30の他面30bのうちセンシング部23に対応する部位がケース10とは離れた状態となるように、これら両チップ20、30はケース10に片持ち支持されている。
このような片持ち支持構成とするのは、センサチップ20をケース10に全面接着すると、両者の線膨張係数が大きく異なるため、センサチップ20に応力が発生し、その応力によってセンサチップ20(特に、薄肉部26形成されているセンシング部23)に歪みが生じるためである。そこで、そのような歪みからセンサチップ20を開放するため、片持ち支持構成とするのである。
また、本実施形態では、センサチップ20と裏面側チップ30との貼り合わせ界面において裏面側チップ30側に、凹部25を外部に開放する開放孔31が設けられている。この開放孔31は、凹部25とセンサチップ20外部とを連通する連通孔として構成されている。
本実施形態の開放孔31は、裏面側チップ30の一面30aにて凹部25の位置から裏面側チップ30の一面30aの端部まで延びる溝32と、センサチップ20とが共同して形成するトンネルとして構成されている。つまり、当該溝32をセンサチップ20が覆うことで形成されるトンネルとして、開放孔31は構成されている。このような溝32は、たとえばエッチングなどにより容易に形成される。
ここでは図1に示されるように、溝32は、裏面側チップ30の一面30aにおいてセンサチップ20の一端21側の端面21aに対応する端部から、凹部25で折れ曲がり、センサチップ20の側面20cに対応する端部に至る平面L字形状の溝32とされている。これにより、本実施形態の開放孔31も、溝32に倣ったL字状のトンネルとして構成されている。
つまり、本実施形態においては、溝32は、裏面側チップ30の一面30aにて1つの端部から凹部25の位置を通って他の端部まで延びるものであり、開放孔31は、センサチップ20における4個の側面21a、22a、20c、20dのうちの1つの側面21aから他の側面20cに貫通するトンネルとして構成されている。
また、本実施形態では、ケース10には、センサチップ20の表面20a上を流れる気体の流れを整える整流板12〜15が、設けられている。ここでは、整流板12〜15は、ケース10を、センサチップ20の他端22(言い換えれば支持部24)側から一端21側まで延長したものであり、ケース10の一部により構成されている。
この整流板12〜15は、センサチップ20の一端21側におけるセンサチップ20の裏面20b、および、センサチップ20の一端21側におけるセンサチップ20の3個の側面(つまり表裏両面20a、20bの端部をつなぐ側面)21a、20c、20dに対して隙間を有して対向する板である。
具体的には、センサチップ20の裏面20bに対向する整流板12、センサチップ20の一端21側の端面21aに対向する整流板13、センサチップ20の両端21、22間に延びる(ここではチップ長手方向に延びる)2個の側面20c、20dにそれぞれ対向する整流板14、15が設けられている。
これら整流板12〜15により、矢印Y方向から流れる気体は、センシング22においてセンサチップ20の表面20a上を効率良く流れ、感度のよい検出が可能とされている。なお、この整流板12〜15は、ケース10とは別体のものであってケース10に接合されるなどにより設けられたものであってもよい。
このような本実施形態の流量センサは、互いに貼りあわされたセンサチップ20および裏面側チップ30を用意し、これをケース10に対して、接着剤40を介して接着し、その後、センサチップ20と外部とを適宜ワイヤボンディングにより電気的に接続することにより形成される。
ところで、本実施形態によれば、センサチップ20の凹部25は、裏面側チップ30で覆われて、センサチップ20の裏面20b側を流れる気流に、さらされることがないから、当該凹部25内で乱流が発生するのを防止できる。
それゆえ、上記特許文献1に示したようにケース側に凸部を設けることなく、上記乱流防止を実現でき、高精度な実装技術や、ケース10の成型精度の高精度化が不要となり、製造コストの削減等に繋がる。
また、凹部25は裏面側チップ30で覆われているが、開放孔31によって外気に開放されているので、凹部25内の圧力を外気圧と同じにしやすくなるから、温度変化などによる凹部25内の圧力変動が抑制される。そのため、本実施形態によれば、センサ感度の変動を防止して、良好なセンシング特性を確保することができる。
また、センサチップ20は裏面側チップ30を介してケース10に接着されて支持されるが、この裏面側チップ30は、センサチップ20を片持ち支持しても実質変形しない剛体の板であるから、センサチップ20の支持が安定するという効果も期待できる。
このように、本実施形態によれば、センサチップ20をケース10に片持ち支持してなる流量センサにおいて、センサチップ20を支持するケース10を加工することなく、センサチップ20裏面20bの凹部25における乱流の発生防止を適切に行うことができる。
また、本実施形態のように、整流板12〜15を有する場合、一般には、気体は、センサチップ20の裏面20b側および側面21a、20c、20d側には流れにくく、多くは表面20a側に導かれるため、上記乱流は発生しにくいのであるが、それでも、整流板12〜15とセンサチップ20との隙間からセンサチップ20の裏面20b側へ気体が流れ、乱流を起こす可能性がある。
特に、センサチップ20の裏面20b側では、ケース10とセンサチップ20との間に生じる隙間は全体に均一ではなく、凹部25が設けられる部分だけ隙間が大きくなっている。つまり、センシング部23を構成する薄肉部26は、エッチング等によりセンサチップ20の裏面20b側に凹部25を設けることで形成されるため、その凹部25の影響によってセンサチップ20の裏面20b側を通る空気の流れに乱れが生じる。
そして、凹部25の内部にも空気が流れ込むため、センサチップ20の裏面20b側へ入り込む空気の流量が多くなると、凹部25に渦流が発生し、その渦流の大きさが流量に応じて変化する。当然、当該流量が多くなる程、渦流も大きくなる。
そして、上記により、薄肉部26に配置された上記薄膜抵抗体への伝熱が不安定となり、当該流量が多くなるに連れて上記R−T特性が変曲するため、センサ出力が安定せず、また流量と電圧が一義的に決まらないという問題が生じる。しかし、本実施形態では、そのような場合でも、裏面側チップ30の上記作用により、乱流防止が行われるため、センサ感度を安定して確保できるのである。
また、本実施形態のように、裏面側チップ30を、接着剤40を介してケース10に接着して固定する場合、接着面である裏面側チップ30の他面30bが、凹凸や穴を有する面であると、接着剤40中にボイドが発生しやすい。しかし、本実施形態では、当該裏面側チップ30の他面30bが凹凸や穴の無い平坦面であるから、接着剤40中のボイド発生防止が期待される。
また、本実施形態によれば、センサチップ20と裏面側チップ30とが同一の材質であるから、互いに貼り付けが容易であり、また、貼り付けられた両チップ20、30において線膨張係数の差による変形を回避することができるから、センサ感度の変動防止等が期待できる。
また、開放孔31が貫通せずに側だけ開口する行き止まりの穴であると、開放孔31の開口部付近を通る空気流れによって、開放孔31内部、ひいては凹部25が減圧状態になりやすいが、本実施形態では、開放孔31を上記したような貫通孔の構成としているから、そのような減圧状態の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、開放孔31は、センサチップ20と裏面側チップ30との境界のうち矢印Yで示される気体流れの上流側に面した部位には、開口していない。そのため、開放孔31に直接気体が流れこむことが防止され、凹部25内の気圧変動抑制の点で好ましい構成とされている。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る流量センサの要部を示す図であり、図2において(a)は概略平面図、(b)は(a)中の一点鎖線C−Cに沿った概略断面図、(c)は(a)中の一点鎖線D−Dに沿った概略断面図である。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
図2に示されるように、本実施形態では上記整流板12〜15を省略した構成としている。そのため、本実施形態のケース10は、センサチップ20の支持部24よりもセンサチップ20の一端21側には延長されておらず、センサチップ20における支持部24以外の一端21側すなわちセンシング部23側は、ケース10よりも付き出た状態とされている。
この場合、上記整流板が存在する場合に比べて、センサチップ20の裏面20b側にも気体が流れやすくなり、上記した凹部25における乱流が発生しやすくなるが、凹部25を覆う裏面側チップ30の効果により、上記第1実施形態と同様、ケース10を加工することなく、センサチップ20裏面20bの凹部25における乱流の発生防止を適切に行うことができる
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係るセンサチップ20および裏面側チップ30を示す概略平面図であり、図3において(a)は第1の例、(b)は第2の例、(c)は第3の例を示す。なお、図3においては、上記パッド27については省略してある。
本第3実施形態では、溝32の平面形状を上記図1とは異ならせることで、それに倣って開放孔31の平面形状を異ならせたもの、つまり開放孔31の平面形状のバリエーションを示すものであり、この点を中心に述べる。
まず、本実施形態の開放孔31も、上記チップ貼り合わせ界面にて裏面側チップ30側に、凹部25を外部に開放するために設けられたものであって、上記図1と同様、裏面側チップ30の一面30aにて凹部25の位置から裏面側チップ30の一面30aの端部まで延びる溝32と、センサチップ20とが共同して形成するトンネルとして構成されたものである。
しかし、上記図1の開放孔31は、センサチップ20の一端21側の端面21aから、凹部25で折れ曲がり、センサチップ20の長手方向に延びる側面20cに至る平面L字形状の貫通孔とされている。それに対して、図3(a)の第1の例に示される開放孔31は、センサチップ20の一端21側の端面21aから、凹部25を通り、センサチップ20の他端22側の端面22aに至るストレートな平面形状の貫通孔とされている。
また、図3(b)の第2の例に示される開放孔31は、センサチップ20の長手方向に延びる一方の側面20dから、凹部25を通り、センサチップ20の長手方向の他方の側面20cに至るストレートな平面形状の貫通孔とされている。
また、図3(c)の第3の例に示される開放孔31は、センサチップ20の一端21側の端面21aから、凹部25で折れ曲がり、センサチップ20の長手方向に延びる両側面20c、20dに至る平面T字形状の貫通孔とされている。
このように、本実施形態の開放孔31は、上記図1のものとは平面形状が相違するが、センサチップ20における4個の側面21a、22a、20c、20dのうちの1つの側面から他の側面に貫通するトンネルとして構成されているという点では、同じである。
そのため、本実施形態の開放孔31によっても、上記図1の場合と同様、開放孔31の開口部付近を通る空気流れによって、開放孔31内部、ひいては凹部25が減圧状態になるのを抑制しやすくなる。
なお、上述したように、本実施形態は、開放孔31のバリエーションを示すものであるから、上記第1実施形態および上記第2実施形態と適宜組み合わせが可能であることはいうまでもない。
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態に係るセンサチップ20および裏面側チップ30を示す概略平面図であり、図4において(a)は第1の例、(b)は第2の例を示す。なお、図4においては、上記パッド27については省略してある。
上記各実施形態では、開放孔31は、センサチップ20における4個の側面21a、22a、20c、20dのうちの1つの側面から他の側面に貫通するトンネルとして構成されていたが、本実施形態の開放孔31は、入口は開口しているが内部は行き止まりのトンネルとして構成されている。
具体的に、図4(a)の第1の例に示される開放孔31は、センサチップ20の一端21側の端面21aに開口し凹部25で行き止まりとなる孔であり、図4(b)の第2の例に示される開放孔31は、センサチップ20の側面20cに開口し凹部25で行き止まりとなる孔である。
これら本実施形態の開放孔31によっても、凹部25を外気に開放し、凹部25内の圧力変動を抑制するという効果は発揮される。本実施形態のような行き止まりの開放孔31を採用するか、上記貫通孔としての開放孔31を採用するかは、使用環境、条件等に応じて適宜決めればよい。たとえば、測定気体の流速が低いような場合などには、減圧状態になりにくいため、本実施形態の構成を採用できる。
また、本実施形態は、開放孔31の形状を変形しただけのものであるから、上記第1実施形態および上記第2実施形態の両方に対して組み合わせが可能であることはいうまでもない。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、裏面側チップ30の他面30bのうち支持部24に対応する部位を、ケース10に固定して支持するにあたって、接着剤40を用いた接着を採用したが、このような接着以外にも、たとえば可能ならば、締結などを採用してもよい。
また、上記実施形態では、貼り付けの容易性や線膨張係数の差による変形回避等を考慮して、センサチップ20と裏面側チップ30とを同一の材質としているが、裏面側チップ30が剛体であれば、これら両チップ20、30を異なる材質のものとしてもよく、上記した乱流発生防止効果、開放孔31の効果、裏面側チップ30による支持安定効果等が発揮されることはもちろんである。
また、センサチップ20および裏面側チップ30の材質については、シリコン半導体以外にも、たとえばその他の半導体、セラミックなどから適宜選択して採用してもよいことはもちろんである。
また、センサチップ20としては、上記した一端21側に薄肉部26としてのセンシング部23、センシング部23よりも他端22側に支持部24を有する板状のものであればよく、上記した長方形板状のセンサチップ20以外にも、種々の多角形板状のものであってもよい。
また、開放孔31としては、裏面側チップ30の一面30aに形成された溝32とセンサチップ20とが共同して形成するトンネルとして構成され、凹部25を外部に開放する孔として構成されたものであればよく、その形状等については、上記図1〜図4に示した貫通孔、行き止まり孔の例に限定するものではない。
また、上記各図では、気体の流れを矢印Yで示したが、流量センサにおいては、センサチップ20の表面20aのセンシング部23上を気体が流れるものであればよく、当該気体の流れ方向は上記矢印Y方向に限定するものではない。
また、上記した各実施形態同士の組み合わせ以外にも、上記各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
10 ケース
12〜15 整流板
20 センサチップ
20a センサチップの表面
20b センサチップの裏面
20c センサチップの側面
20d センサチップの側面
21 センサチップの一端
21a センサチップの側面としてのセンサチップの一端側の端面
22 センサチップの他端
23 センシング部
24 センサチップにおける支持部
25 センサチップの凹部
26 センサチップの薄肉部
30 裏面側チップ
30a 裏面側チップの一面
30b 裏面側チップの他面
31 開放孔
32 溝
40 接着剤

Claims (4)

  1. ケース(10)と、
    一端(21)側に気体の流量を検出するセンシング部(23)を有し、前記センシング部(23)よりも他端(22)側に前記ケース(10)に支持される支持部(24)を有する板状のセンサチップ(20)とを備え、
    前記センシング部(23)は、前記センサチップ(20)の裏面(20b)側に設けられた凹部(25)と前記センサチップ(20)の表面(20a)側にて前記凹部(25)の底部を形成する薄肉部(26)とにより構成され、前記センサチップ(20)の表面(20a)上を流れる前記気体の流量を検出するものである流量センサにおいて、
    前記センサチップ(20)の裏面(20b)には、前記センシング部(23)から前記支持部(24)に渡って剛体としての板状の裏面側チップ(30)が、前記凹部(25)を覆うように貼り付けられており、
    前記裏面側チップ(30)の他面(30b)のうち前記支持部(24)に対応する部位を、前記ケース(10)に固定して支持させることにより、前記裏面側チップ(30)の他面(30b)のうち前記センシング部(23)に対応する部位が前記ケース(10)とは離れた状態となるように、前記センサチップ(20)および前記裏面側チップ(30)が前記ケース(10)に片持ち支持されており、
    前記センサチップ(20)と前記裏面側チップ(30)との貼り合わせ界面において前記裏面側チップ(30)側に、前記凹部(25)を外部に開放する開放孔(31)が設けられており、
    前記開放孔(31)は、前記裏面側チップ(30)の一面(30a)にて前記凹部(25)の位置から前記裏面側チップ(30)の一面(30a)の端部まで延びる溝(32)と、前記センサチップ(20)とが共同して形成するトンネルとして構成されており、
    前記センサチップ(20)と前記裏面側チップ(30)とは、同一の材質よりなり、
    前記裏面側チップ(30)は、前記センサチップ(20)の裏面(20b)の全体に貼り付けられていることを特徴とする流量センサ。
  2. 前記裏面側チップ(30)の他面(30b)のうち前記支持部(24)に対応する部位は、前記ケース(10)に接着剤(40)を介して接着されて支持されており、
    前記裏面側チップ(30)の他面(30b)は、平坦面であることを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
  3. 前記溝(32)は、前記裏面側チップ(30)の一面(30a)にて1つの端部から前記凹部(25)の位置を通って他の端部まで延びるものであり、
    前記開放孔(31)は、前記センサチップ(20)の1つの側面(21a、20c)から他の側面(20c、20d、22a)に貫通するトンネルとして構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流量センサ。
  4. 前記センサチップ(20)の一端(21)側における前記センサチップ(20)の裏面(20b)および前記センサチップ(20)の側面(21a、20c、20d)に対して隙間を有して対向する板であって、前記センサチップ(20)の表面(20a)上を流れる前記気体の流れを整える整流板(12〜15)が、前記ケース(10)に設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の流量センサ。
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