JP5604938B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、上述の酸化物半導体を半導体活性層としたフレキシブル薄膜トランジスタのゲート絶縁層としては、例えば、スパッタ法を用いて室温成膜した酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の単膜又はそれらを積層した膜が用いられている(特許文献1参照)。
上記の問題は、ゲート絶縁層を原子層堆積法やプラズマCVD法を用いて形成する場合にも当てはまる。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、プラスチック基板を採用した薄膜トランジスタにおいて、低温形成が可能であり、かつ絶縁性と柔軟性を併せ持つ膜を用いたゲート絶縁層を設けることにより、信頼性の高い薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記絶縁基板が可撓性のプラスチック基板であり、
前記ゲート絶縁層は、前記絶縁基板上に下部層と該下部層上に積層された少なくとも一層以上の上部層とがこの順で形成されてなり、前記下部層が、炭素含有酸化シリコンを含む材料からなり、該下部層の炭素濃度が、15atm%以上40atm%以下となるように真空紫外光CVD法により形成され、
前記上部層の少なくとも一層が、スパッタ法、原子層堆積法、又はプラズマCVD法で形成されていることを特徴としている。
ここで、真空紫外光CVD法で酸化シリコンを形成する場合、有機シリコン化合物のシロキサン等を材料として形成する。その際、材料ガスが完全に分解するのではなく、一部は分解されて生成された反応活性種がマイグレーションし、フローしながら膜を形成するため、材料ガスに含まれるSi−CH3等も膜中に多く含まれる。このため、真空紫外光CVD法で成膜したゲート絶縁層は400℃以上の高温アニールを行わない場合、一層だけでは十分な耐電圧性を持たせるのが困難な場合がある。
そこで、前記上部層として、スパッタ法、プラズマCVD法、原子層堆積法のいずれかを用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシナイトライド、酸化アルミニウムのいずれか一種の化合物を形成することで、十分な耐電圧を持つゲート絶縁層が形成された薄膜トランジスタを得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、前記下部層(炭素含有酸化シリコン膜)を形成後、150℃以上200℃以下で熱処理を行うことにより、前記下部層の炭素濃度を変化させずに、耐絶縁性を向上させた薄膜トランジスタを得ることができる。前記熱処理温度が150℃未満であると、絶縁性が低下することがある。また、前記熱処理温度が200℃を超えると、前記絶縁基板及び前記下部層の基材としての耐性を低下させることになる。
請求項4に係る発明によれば、前記下部層の抵抗率が1.0×1011Ω・cm以上であることで、ゲート絶縁層全体として十分な絶縁性を呈し、ゲートリーク電流が抑制された薄膜トランジスタを得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、前記下部層の膜厚が、前記ゲート絶縁層の膜厚の1/2以上4/5以下であることで、ゲート絶縁層全体として特に優れた絶縁性を呈し、ゲートリーク電流が抑制された薄膜トランジスタを得ることができる。
請求項6に係る発明によれば、前記半導体活性層が金属酸化物半導体からなるので、優れたトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。
請求項7に係る発明によれば、前記金属酸化物半導体が、In、Ga、及びZnの少なくとも一種を含むことで、特に優れたトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法によって製造されたことを特徴としている。
図1は本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法の一実施形態によって得られる薄膜トランジスタの構成を示す断面図である。また、図2は、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法の一実施形態を示す断面図である。
絶縁基板10には、例えば、ガラス基板やプラスチック基板を用いることができる。
プラスチック基板としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフェン、トリアセチルセルロース、ポリビニルフルオライドフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、耐候性ポリエチレンテレフタレート、耐候性ポリプロピレン、ガラス繊維強化アクリル樹脂フィルム、ガラス繊維強化ポリカーボネート、透明性ポリイミド、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。
これらの基板は、単独で使用することもでき、二種以上を積層した複合基板を使用することもできる。また、ガラス基板やプラスチック基板上に樹脂層、例えばカラーフィルタが形成された基板を使用することもできる。
ゲート電極11、ソース電極14、及びドレイン電極15の各電極の材料としては、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn2O4)、酸化カドミウムスズ(Cd2SnO4)、酸化亜鉛スズ(Zn2SnO4)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)等の酸化物材料が好適に用いられる。
ゲート絶縁層12は、下部層12aと上部層12bで構成される。ゲート絶縁層12の厚さは50nm以上2μm以下とすることが好ましい。下部層12aは真空紫外光CVD法により形成される。
ここで、真空紫外光CVD法を用いて成膜した膜は、マグネトロンスパッタ法等を用いて形成された膜と異なり、高い自己平坦化特性を持つ。
真空紫外光CVD法において絶縁基板10の材料や表面形状によらず膜が形成されるのは、表面反応によって膜が形成されるのではなく、気相中で光分解して発生したラジカル等の反応活性種が、表面をマイグレーションしフローしながら堆積し、薄膜が形成されるためである。
このように、絶縁基板10の表面の凹凸を低減させるようにゲート絶縁層12(下部層12a)を形成することで、平坦なゲート絶縁層12−半導体活性層13界面が得られ、トランジスタ特性を向上させた薄膜トランジスタ1を得ることができる。
また、真空紫外光CVD法は、マグネトロンスパッタ法とは異なり、例えば、酸化シリコンを成膜する場合、100nm/min以上という非常に速い成膜が可能な方法である。よって、成膜速度の大きい光CVD法を用いてゲート絶縁層の一部を成膜することで、製造コストを低減させることができる。
前記下部層の炭素濃度が15atm%未満であると、ゲート絶縁層の絶縁性を維持できるが、該ゲート絶縁層の柔軟性が著しく低下し、前記下部層の炭素濃度が40atm%を超えると、ゲート絶縁層の柔軟性が維持されるものの、該ゲート絶縁層の絶縁性の悪化をもたらすこととなる。
下部層12aの抵抗率は1.0×1011Ω・cm以上が好ましく、より好ましくは1.0×1012Ω・cm以上である。抵抗率が1.0×1011Ω・cmより小さいと、ゲート絶縁層12全体として十分な絶縁性を呈することができず、ゲートリーク電流が増大するため、良好な素子特性を得ることができない。
下部層12aの膜厚は、ゲート絶縁層12全体の膜厚の1/2以上であることで、十分な曲げ耐性を持つゲート絶縁層12を形成することができる。
さらに、下部層12aの膜厚をゲート電極11の膜厚よりも厚くすることで、ゲート電極11の形状の起伏や絶縁基板10とゲート電極11の段差を平坦化し、絶縁破壊が生じにくい信頼性の高いトランジスタを得ることが可能となる。
上部層12bを構成する材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシナイトライド、酸化アルミニウムが特に好ましい。また、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、ハフニウムアルミネート、酸化ジルコニア、酸化チタン等も挙げることができ、これらの材料を用いることでゲートリーク電流を抑制するために十分な絶縁性を得ることができる。
半導体活性層13の材料としては、例えば、亜鉛、インジウム、スズ、タングステン、マグネシウム、ガリウムのうち一種類以上の元素を含む酸化物が挙げられる。酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛ガリウムインジウム(In―Ga―Zn―O)等公知の材料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの材料の構造は単結晶、多結晶、微結晶、結晶/アモルファスの混晶、ナノ結晶散在アモルファス、アモルファスのいずれであってもかまわない。半導体活性層の膜厚は少なくとも10nm以上が望ましい。10nmより小さいと島状成長により膜中に半導体が形成されていない部分が生じるという問題が起こりうる。
次に、薄膜トランジスタ1の製造方法について図2を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、スパッタ装置等を用いて、絶縁基板10上にゲート電極11を形成(成膜)する。
次に、図2(b)に示すように、真空紫外光CVD装置を用いて、酸化シリコンを含む材料からなる下部層12aを、絶縁基板10及びゲート電極11を覆うように形成(成膜)する。
そして、下部層12aを形成(成膜)後、下部層12aが上面に形成された絶縁基板10に対して熱処理を行う。この熱処理は、150℃以上で熱処理を行うことが好ましい。このような熱処理を行うことにより、より絶縁性に優れたゲート絶縁層が得られる。
上部層12bは、スパッタ法、プラズマCVD法又は原子層堆積法で形成されることが好ましいが、真空蒸着法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、ホットワイヤーCVD法等の方法を用いても構わない。これらの上部層12bは膜の成長方向に向けて組成を傾斜したものもまた好適に用いることができる。
このようにして形成された下部層12a及び上部層12bがゲート絶縁層12を構成する。
半導体活性層13は、スパッタ法、パルスレーザー堆積法、真空蒸着法、CVD法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成される。これらの方法のうち、スパッタ法、パルスレーザー堆積法、真空蒸着法、CVD法で形成されることが好ましい。スパッタ法では、RFマグネトロンスパッタ法、DCスパッタ法、イオンビームスパッタ法が挙げられ、真空蒸着では、加熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング法が挙げられ、CVD法では、ホットワイヤーCVD法、プラズマCVD法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上部層12bを複数層形成した場合、複数の上部層12bのうち、半導体活性層13と接する層と、半導体活性層13の成膜方法は同一であるとより好ましい。同一チャンバー内で連続成膜を行うことで、優れた素子特性を持ち、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。
その後、図2(e)に示すように、蒸着法によりソース電極14及びドレイン電極15を半導体活性層14上に形成(成膜)して、薄膜トランジスタ1が得られる。
図3は、本発明に係る薄膜トランジスタの他の実施形態における構成を示す断面図である。
図3に示すように、薄膜トランジスタ1は、他の実施形態として、絶縁基板10と、該絶縁基板10上に形成されたゲート電極11と、ゲート電極11上に該ゲート電極11を覆うように形成された下部層12aと、下部層12a上に形成された上部層12bと、該上部層12b上に形成されたソース電極14及びドレイン電極15と、ソース電極14及びドレイン電極15のそれぞれの一部を覆うように形成されてソース電極14及びドレイン電極15のそれぞれに接続され、上部層12b上に形成された半導体活性層13とを備えているボトムゲート−トップコンタクト型の薄膜トランジスタとしてもよい。本実施形態においても、下部層12a及び上部層12bがゲート絶縁層12を構成し、絶縁基板10に接する下部層12aが真空紫外光CVD法で成膜される。
(実施例1)
実施例1では図4に示すような薄膜トランジスタ1を以下のようにして作製した。
絶縁基板10としてPEN基材(帝人デュポン社製Q65,厚さ125μm)上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いてITOを80nm成膜し、フォトリソグラフィー法を用いたエッチングによりゲート電極11を形成した。ITO成膜時の投入電力は100W、ガス流量はAr=50SCCM、O2=0.1SCCM、成膜圧力は1.0Paとした。
下部層の膜厚を300nm、上部層12bの膜厚を100nmとした以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。下部層12aの抵抗率は実施例1と同様、1.3×1012Ω・cmであった。また、X線光電子分光装置を用いて求めた下部層12aの炭素濃度も実施例1と同様、30atm%であった。このようにして作製された実施例2の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
下部層12aの膜厚を320nm、上部層12bの膜厚を80nmとした以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。下部層12aの抵抗率は実施例1と同様、1.3×1012Ω・cmであった。また、X線光電子分光装置を用いて求めた下部層12aの炭素濃度も実施例1と同様、30atm%であった。このようにして作製された実施例3の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
下部層12aの成膜後の熱処理条件を変更した以外は実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。熱処理は80℃で3時間、大気中で行った。下部層12aの抵抗率は1.3×1011Ω・cmであり、炭素濃度は30atm%であった。このようにして作製された実施例4の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
下部層12a成膜時のオクタメチルシクロテトラシロキサンの流量を、3SCCMとした以外は実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。熱処理条件は150℃で3時間、大気中で行った。半導体パラメータアナライザ(Keithlay製 SCS4200)を用いて求めた下部層12aの抵抗率は3.4×1011Ω・cmであり、炭素濃度は15atm%であった。
下部層12a成膜時のオクタメチルシクロテトラシロキサンの流量を10SCCMとした以外は実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。熱処理条件は150℃で3時間、大気中で行った。半導体パラメータアナライザ(Keithlay製 SCS4200)を用いて求めた下部層12aの抵抗率は1.9×10−12Ω・cmであった。形成した下部層12aの炭素濃度は40atm%であった。
上部層12bとして原子層堆積装置を用いてAl2O3を成膜した以外は、実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。Al2O3は基板温度を150℃とし、トリメチルアルミニウムとH2Oを原料として成膜した。なお、下部層12aの抵抗率は実施例3と同様、1.3×1012Ω・cmであった。また、X線光電子分光装置を用いて求めた下部層12aの炭素濃度も実施例3と同様、30atm%であった。このようにして作製された実施例5の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
上部層12bとして平行平板プラズマCVD装置を用いてSiO2を成膜した以外は、実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。SiO2は基板温度を120℃とし、ヘキサメチルジシロキサン(50℃)をガス流量5SCCM、O2をガス流量50SCCM流し、投入電力100W、成膜圧力20Paとして成膜した。なお、下部層12aの抵抗率は実施例3と同様、1.3×1012Ω・cmであった。また、X線光電子分光装置を用いて求めた下部層12aの炭素濃度も実施例3と同様、30atm%であった。このようにして作製された実施例6の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
図3において上部層12bとして平行平板プラズマCVD装置を用いてSiNを成膜した以外は、実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。SiNは基板温度を120℃とし、シランをガス流量100SCCM、アンモニアをガス流量50SCCM、N2をガス流量1SLM、H2をガス流量1SLMとして流し、投入電力100W、成膜圧力200Paとして成膜した。下部層12aの抵抗率は実施例3と同様、1.3×1012Ω・cmであった。また、X線光電子分光装置を用いて求めた下部層12aの炭素濃度も実施例3と同様、30atm%であった。このようにして作製された実施例9の薄膜トランジスタ1のトランジスタ特性を表1に示す。
図3において下部層12aの成膜後の熱処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にして薄膜トランジスタ1を作製した。形成した下部層12aの抵抗率は1.0×1011Ω・cmであり、炭素含有量は30atm%であった。
薄膜トランジスタ1を、直径2cmの筒に10回繰り返し巻きつける試験を行った後に、半導体パラメータアナライザ(Keithlay製,SCS4200)を用いて実施例10の薄膜トランジスタ1の素子特性を測定した結果、移動度は7cm2/Vs、ソース/ドレイン電極間に10Vの電圧が印加されたときのON/OFF比は3桁、ゲート電圧20V時のゲートリーク電流は3.6×10−9Aであり、実施例1と比較するとゲートリーク電流の値は大きいが良好な素子特性を示した。
比較例1では、図5に示すように、ゲート絶縁層12を単層とした薄膜トランジスタ100を作製した。具体的には、ゲート絶縁層12(上部層12b)としてRFマグネトロンスパッタ装置を用いてSiONを400nm(投入電力500W、Ar=50SCCM、O2=20SCCM、成膜圧力1.0Pa)の膜厚で成膜した以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタ100を作製した。このようにして作製された比較例1の薄膜トランジスタ100のトランジスタ特性を表1に示す。
表1に示すように、薄膜トランジスタ100を、直径2cmの筒に10回繰り返し巻きつける試験を行った結果、ゲート絶縁層の一部が絶縁基板10から剥離し、素子特性を測定することは不可能であった。
ゲート絶縁層12を単層とし、ゲート絶縁層12(下部層12a)として真空紫外光CVD装置を用いてSiO2を400nm(投入電力100W、成膜圧力10Pa)の膜厚で成膜した以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタ100を作製した。このようにして作製された比較例2の薄膜トランジスタ100のトランジスタ特性を表1に示す。
表1に示すように、薄膜トランジスタ100を、直径2cmの筒に10回繰り返し巻きつける試験を行った後に、半導体パラメータアナライザ(Keithlay製,SCS4200)による素子特性の評価中に素子の絶縁破壊が生じ、比較例2の薄膜トランジスタ100の素子特性を評価することはできなかった。
下部層12a成膜時のオクタメチルシクロテトラシロキサンの流量を1SCCMとした以外は実施例3と同様にして薄膜トランジスタ100を作製した。熱処理条件は150℃で3時間、大気中で行った。下部層12aの抵抗率は1.9×1012Ω・cmであり、炭素濃度は10atm%であった。
作製した薄膜トランジスタ100を、直径2cmの筒に10回繰り返し巻きつける試験を行った後に、半導体パラメータアナライザ(Keithlay製 SCS4200)を用いて素子特性を測定した結果、ゲート絶縁層12の一部が絶縁基板10から剥離し、素子特性を測定することは不可能であった。
下部層12a成膜時のオクタメチルシクロテトラシロキサンの流量を15SCCMとした以外は実施例3と同様にして薄膜トランジスタ100を作製した。熱処理条件は150℃で3時間、大気中で行った。下部層12aの抵抗率は8.3×1010Ω・cmであり、炭素濃度は50atm%であった。
作製された薄膜トランジスタ100を、直径2cmの筒に10回繰り返し巻きつける試験を行った結果、素子特性の評価中に素子の絶縁破壊が生じ、薄膜トランジスタ100の素子特性を評価することはできなかった。
このようにして得られた薄膜トランジスタは、信頼性が高く、製造コストを低減させたという特性を生かして、電子ペーパー、LCD、有機ELディスプレイ等のスイッチング素子として利用できる。また特にフレキシブル基材を基板とするフレキシブルディスプレイや、ICカード、ICタグ等にも広く応用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
10 絶縁基板
11 ゲート電極
12 ゲート絶縁層
12a 下部層
12b 上部層
13 半導体活性層
14 ソース電極
15 ドレイン電極
Claims (8)
- 絶縁基板上にゲート電極を形成し、前記ゲート電極及び前記絶縁基板上にゲート絶縁層を形成し、該ゲート絶縁層上に半導体活性層を形成し、該半導体活性層に接続されたソース電極及びドレイン電極を前記ゲート絶縁層上に形成するボトムゲート型薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記絶縁基板が可撓性のプラスチック基板であり、
前記ゲート絶縁層は、前記絶縁基板上に下部層と該下部層上に積層された少なくとも一層以上の上部層とがこの順で形成されてなり、前記下部層が、炭素含有酸化シリコンを含む材料からなり、該下部層の炭素濃度が、15atm%以上40atm%以下となるように真空紫外光CVD法により形成され、
前記上部層の少なくとも一層が、スパッタ法、原子層堆積法、又はプラズマCVD法で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記下部層を形成後、150℃以上200℃以下で熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記上部層の少なくとも一層が、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシナイトライド、及び酸化アルミニウムのいずれか1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記下部層の抵抗率が1.0×10 11 Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記下部層の膜厚が前記ゲート絶縁層の膜厚の1/2以上4/5以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記半導体活性層が、金属酸化物半導体からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記金属酸化物半導体が、In、Ga、及びZnの少なくとも一種を含む金属酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法によって製造されたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
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