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JP5600386B2 - 板状水酸化カルシウムの製造方法 - Google Patents

板状水酸化カルシウムの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、板状水酸化カルシウムの製造方法に関する。
従来より、板状の水酸化カルシウムを製造する方法として、種々の提案がなされている(例えば特許文献1〜4)。
特許文献1に開示されている板状水酸化カルシウム結晶の製造方法は、ギ酸などの弱酸を含む水溶液中で酸化カルシウムを水和させるものである。特許文献2に開示されている方法は、酸化カルシウムを水和させるに当たり、強酸の金属塩や多価アルコールを添加した状態で水和温度が所定温度を超えないように維持するというものである。特許文献3に開示されている方法は、カルシウム塩水溶液にアルカリ水溶液を添加して水酸化カルシウム結晶を生成析出させる際に多価アルコールを添加するというものである。
特許文献4に開示されている方法は、消化槽で混合した酸化カルシウムと消化水の混合物を濃縮槽に溜め、次いで分離装置に供給して所定の水酸化カルシウム懸濁液を抜き出し、残りの水酸化カルシウム懸濁液を濃縮槽に戻すことで、消石灰結晶を成長させるというものである。
特公昭63−24939号公報 特公昭63−37053号公報 特開2000−7329号公報 特開2006−273598号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜3の手法は、水酸化カルシウムの生成反応の際に、酸やアルコールなどの添加剤を別途添加することが必要である。また、特許文献4の手法では、分離や濃縮などの操作を別途必要とする。このため、何れの従来手法においても、製造コストを考慮した有用なプロセスとは言い難い。
また、何れの従来手法をもってしても、得られる水酸化カルシウムの大きさは、結晶の板面長さがせいぜい数十μm程度であり、これ以上(例えば100μm以上)の板面長さを持つ粗大板状水酸化カルシウムを製造することまでを開示するものではない。
発明が解決しようとする課題は、結晶の板面長さが例えば100μm以上の板状水酸化カルシウムを製造コストを考慮した有用なプロセスで製造することができる板状水酸化カルシウムの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明に係る板状水酸化カルシウムの製造方法は、水酸化カルシウムの懸濁液を準備する第1の工程と、前記懸濁液を第1の温度状態におく第2の工程と、前記懸濁液を前記第1の温度よりも低い第2の温度状態におく第3の工程と、前記第2の工程と前記第3の工程を繰り返し経験させる第4の工程とを、含む。そして、第2の工程では、水酸化カルシウムの懸濁液を第1の温度状態におくことで、懸濁液の溶媒成分の一部を気化させ、第3の工程では、気化した溶媒成分を凝縮させた凝縮液を懸濁液に戻すことで、懸濁液を前記第2の温度状態におき、第4の工程では、水酸化カルシウムの懸濁液の加熱を継続することで、第2の工程と前記第3の工程を繰り返し経験させる。
上記発明において、第1の温度(T1)は、例えば95〜105℃の範囲、すなわち沸騰(高温)状態となる温度とすることができる。
上記発明において、第2の温度(T2)は、第1の温度より低ければよく、例えば85〜90℃の範囲、すなわち準高温(若しくは低温)状態となる温度とすることができる。
上記発明において、第4の工程では、少なくとも10回、第2の工程と第3の工程を繰り返し経験させることができる。
上記発明により製造される水酸化カルシウムは、板面長さ(L)が100μm以上の粗大板状結晶であり、雲母様の光沢を発現させる性質を有する。
上記発明により製造される水酸化カルシウムの平均アスペクト比は、例えば10以上であり、好ましくは100以上である。
上記発明によれば、酸やアルコールなどの添加剤を別途添加することや、分離や濃縮などの別操作を必要とすることなく、板面長さ(L)が大きな(例えば100μm以上の)板状水酸化カルシウムを製造することができる。すなわち上記発明によれば、板面長さの大きな板状水酸化カルシウムを製造コストを考慮した有用なプロセスで製造することができる。
以下、上記発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る板状水酸化カルシウムの製造方法に用いることができる装置の一例を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る板状水酸化カルシウムの製造方法に用いることができる一例としての製造装置1は、蒸留容器2を含む。蒸留容器2には、処理対象とされる水酸化カルシウム懸濁液が導入される。
蒸留容器2の下部には、加熱装置4が配置されている。加熱装置4は、蒸留容器2の底部を加熱し、これにより蒸留容器2内に導入された水酸化カルシウムの懸濁液を所定温度に間接加熱可能に構成されている。
なお、蒸留容器2には、導入される懸濁液の液温を測定するための温度センサ(図示省略)を設けることもできる。温度センサとしては、例えば熱電対などが挙げられる。温度センサによって懸濁液の液温が検出されると、その結果はコントローラ(図示省略)に送られる。コントローラは、例えばCPU、ROM及びRAMなどで構成され、温度センサからの出力結果に基づいてその時点での懸濁液の液温を算出し、表示装置(図示省略)などに表示指令を送出する。なお、本実施形態では、コントローラは、温度センサからの出力結果に基づいて加熱装置4を制御し、蒸留容器2内の懸濁液に対する昇温速度を変動させるように構成することもできる。
蒸留容器2の上部主口22には抽出管6が気密接続されている。抽出管6は、後述の還流冷却器8から戻された凝縮液を貯留する凝縮液貯留部62と、この凝縮液貯留部62での貯留量が所定量に達した場合に貯留した凝縮液を蒸留容器2へ還流させる還流管64と、凝縮液貯留部62をバイパスして配置される蒸気管66とを含む。なお、還流管64には、凝縮液の還流を停止するためのコックを設けてもよい。これにより、加熱濃縮時にコックを閉じることで、装置1をエバポレータとして使用することもできる。
抽出管6の上部には、内部で蒸気を冷却し凝縮させる還流冷却器8が接続されている。還流冷却器8は、抽出管6の上部空間と気密接続される内側管82と、内側管82の外側に設けられた外側管84との二重管構造を含み、さらに内側管82と外側管84の間に形成される冷却水通路86を有する。
次に、上記装置1を用いて板状水酸化カルシウムを製造する方法の一例を説明する。
(1)まず、図2のステップ(以下「S」と略記する。)1にて、処理対象たる水酸化カルシウムの懸濁液を準備する(第1の工程)。
水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH))は、例えば酸化カルシウム(生石灰、CaO)の水和反応により得られる不定形粒子を用いることができる。
酸化カルシウムは特に制限されず、例えば炭酸カルシウム(石灰石、CaCO)を仮焼したものが一般的であるが、好ましくは乾式粉砕されたもの、例えばケージミル、バイブロミル、ボールミルなどで粉砕されたものなどが挙げられる。
酸化カルシウムの水和方法としては、酸化カルシウムに対する水の量を多くして水和する湿式法や、酸化カルシウムに対し水の量を理論値の1.5〜3倍加えて水和する乾式法の何れも採用することができる。水和温度は、例えば10〜40℃程度の範囲で適宜選択することができる。
本実施形態では、水酸化カルシウムとして、例えばJIS特号消石灰などを原料とし、これを水中に添加することで得られる懸濁液を用いることができる。
懸濁液中の水酸化カルシウムの濃度は、例えば3〜20重量%程度の範囲で適宜選択される。濃度が低すぎると、最終的に得られる水酸化カルシウムの板状結晶の収量が少なくなりすぎるため経済的ではない。濃度が高すぎると、水酸化カルシウム懸濁液の粘度が上昇し、操作に不具合を起こしたり、不定形粒子の混入が多くなる傾向があるため好ましくない。
(2)次に、図2のS2にて、準備した水酸化カルシウムの懸濁液を第1の温度状態におく(第2の工程)。
第1の温度(T1)は、例えば90〜110℃、好ましくは95〜105℃とする。すなわち、懸濁液が常温から沸騰状態となる温度にまで懸濁液の温度を上昇させ、この第1の温度状態を所定時間(例えば1〜2時間程度)、保持する。
この状態を実現するために、本実施形態では、準備した水酸化カルシウムの懸濁液を蒸留容器2内に導入する。導入量は、蒸留容器2の容量に応じて適宜決定すればよい。次に、加熱装置4を作動させて蒸留容器2内の懸濁液を間接加熱し、当該懸濁液の温度を上記T1に至るまで上昇させて懸濁液中の溶媒成分を沸騰、気化させる。
なお、懸濁液を常温から沸騰状態に至るまで要する時間は、加熱装置4の加熱能力や昇温速度、蒸留容器2内に仕込まれる懸濁液量などに依存し、特に限定されないが、例えばおよそ1〜3時間程度である。例えば100gの懸濁液を昇温速度約0.7℃/分で加熱した場合、沸騰状態に至るまで要する時間は、約110分である。ここまでの工程が第2の工程に相当する。
(3)次に、図2のS3にて、準備した水酸化カルシウムの懸濁液を第1の温度よりも低い第2の温度状態におく(第3の工程)。
具体的には、(2)の沸騰状態を所定時間継続することで、懸濁液中の溶媒成分は気化する。気化した溶媒成分は、抽出管6の蒸気管66内を通過し、還流冷却器8の内側管82内へと至る。内側管82内へ導入された気化溶媒成分は、冷却器8の通路86内を流れる冷却水と熱交換し、内側管82内で冷却(凝縮)されて液化する。液化した凝縮液は、抽出管6の凝縮液貯留部62へと流下する。凝縮液貯留部62に流下した凝縮液は、本実施形態では所定量に達するまでここにとどまり、この所定量を超えると、サイフォンの原理で還流管64内を通過し、やがては蒸留容器2へと戻される。
本実施形態では、蒸留容器2へ凝縮液が戻された後、蒸発容器2内に存在する懸濁液(戻された凝縮液を含む)の液温を温度センサを用いて検出する。検出結果はコントローラへ送られ、その時点での液温が表示装置に表示される。
本実施形態では、この時点での懸濁液の液温は、例えば90℃前後の準高温状態とされ、これにより蒸留容器2内の懸濁液を第2の温度(T2)状態におくことを実現する。ただし、加熱装置4の作動を継続する場合、つまり加熱を継続する場合には、懸濁液がこのような準高温状態で存在する時間は短時間(例えば十数秒〜数分程度)である。ここまでの工程が第3の工程に相当する。
(4)次に、上記(2)と上記(3)を繰り返し経験させる(第4の工程)。
具体的には、例えば加熱装置4による蒸留容器2の加熱を継続してもよいし、あるいは上記(3)の間、加熱装置4の作動を中断し、所定時間(1〜2時間程度)経過後に加熱装置4を作動させ、蒸留容器2の加熱を再開してもよい。
繰り返し経験回数は、多くなればなるほどよい。具体的には、例えば10回以上、好ましくは50回以上、より好ましくは100回以上、繰り返し経験させることが望ましい。繰り返し回数が多くなるほど、得られる板状水酸化カルシウムの板面長さが大きくなる傾向があり、好ましい。
特に本実施形態では、蒸留容器2に仕込んだ懸濁液の、加熱装置4による昇温速度が高ければ高いほど好ましい。なぜならば、第1の温度の状態(沸騰状態)に至るまでの時間が短縮され、これに伴い、単位時間当たりの上記繰り返し経験回数が増加する。その結果、より短時間で所定板面長さ以上の板状水酸化カルシウムを製造することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、第1の工程にて準備した水酸化カルシウムの懸濁液に対し、第2の工程と第3の工程を繰り返し経験させる(第4の工程)。これにより、水酸化カルシウムの溶解・析出が繰り返され、結晶成長が促進される。その結果、板面長さ(L)が100μm以上(好ましくは300μm以上、より好ましくは500μm以上、さらに好ましくは1mm以上)の板状水酸化カルシウムを得ることができる。
本実施形態で得られる板状水酸化カルシウムは、上述したように、板面長さLが100μm以上の粗大板状結晶であり、雲母様の光沢を発現させる。
板面長さLを測定する方法は、特に限定されないが、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)による測定などが好ましく使用される。
本実施形態で得られる板状水酸化カルシウムの平均アスペクト比(=板状粒子の板面の長さ /厚さの平均値)は、例えば10以上であり、好ましくは100以上、より好ましくは200以上である。
本実施形態で得られる板状水酸化カルシウムは、板面長さLが100μm以上の粗大板状結晶であり、建築における白壁材用(例えば漆喰用塗料など)や、製紙用コーティング材としてコート紙の光沢、平滑性、印刷性を向上させるための無機フィラーなど、幅広い分野に使用されることが期待される。
なお、本実施形態で得られる板状水酸化カルシウムは、一次粒子レベルを意図しており、一次粒子の凝集体である二次粒子状態を想定してはいない。
以上、上記発明の一実施形態について説明してきたが、上記発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、上記発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば上述した実施形態では、第4の工程において、第2の工程後に第3の工程を行い、これを繰り返すこととしているが、第3の工程後に第2の工程を行い、これを繰り返すこともできる。
以下、実施例に基づいて上記発明を具体的に説明する。ただし、これらの実施例により上記発明の範囲が限定されることはない。
《実施例1》
まず、水酸化カルシウム懸濁液として、JIS特号消石灰(奥多摩工業社製)5gを水に溶かし、100gとしたものを準備した(第1の工程。図2のS1参照)。
次に、準備した懸濁液を、図1に示す装置1の蒸留容器2に導入した後、加熱装置4を作動させ蒸留容器2を加熱した。ただし、本例では、蒸留容器内の懸濁液温度を測定するため、蒸留容器には三口フラスコを使用し、そのうちの一つに熱電対を設置し、フラスコ内に導入直後の懸濁液の液温を測定した。その結果、25℃であった。もう一方の口は封印した。
加熱開始後、約110分で、懸濁液の溶媒成分(水)の沸騰状態に達した。本例では、この状態で約75分放置した(第2の工程。図2のS2参照)。この沸騰状態を放置することで、懸濁液中の溶媒成分は気化する。上述したように、気化した溶媒成分は、抽出管6の蒸気管66内を通過し、還流冷却器8の内側管82内へと至り、通路86内を流れる冷却水と熱交換することで内側管82内で冷却されて液化する。液化した凝縮液は、抽出管6の凝縮液貯留部62へと流下し、ここで所定量に達すると還流管64内を通過し、やがては蒸留容器2へと戻される。
凝縮液が戻された直後に、蒸留容器2内の懸濁液(戻された凝縮液を含む)の温度(液温)を測定したところ、90℃であった。凝縮液が戻された後も加熱装置4の作動を継続した。その結果、懸濁液は再び温度上昇を開始し(90℃前後の状態は十数秒程度。第3の工程。図2のS3参照)、上記第2の工程を実行した後、上記第3の工程を実行し、これらの操作を15回繰り返した(第4の工程。図2のS4参照)。
そして、蒸留容器2内の水酸化カルシウム粒子を回収した。回収した水酸化カルシウム粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した結果を図3に示す。図3に示すSEM画像では、回収した水酸化カルシウム粒子は、板状結晶で、厚さが約10μm、板面の最大長さが約100μmの一次粒子であることが確認できた。また、目視にて外観を評価したところ、雲母様の光沢を発現していることが確認できた。
《実施例2》
実施例1と同様の、第2の工程と第3の工程の繰り返し操作を50回行った後、回収した水酸化カルシウム粒子をSEMにて観察した結果を図4に示す。図4に示すSEM画像では、回収した水酸化カルシウム粒子は、板状結晶で、厚さが約40μm、板面の最大長さが約400μmの一次粒子であることが確認できた。また、目視にて外観を評価したところ、雲母様の光沢を発現していることが確認できた。
《実施例3》
実施例1と同様の、第2の工程と第3の工程の繰り返し操作を90回行った後、回収した水酸化カルシウム粒子をSEMにて観察した結果を図5に示す。図5に示すSEM画像では、回収した水酸化カルシウム粒子は、板状結晶で、厚さが約60μm、板面の最大長さが約800μmの一次粒子であることが確認できた。また、目視にて外観を評価したところ、雲母様の光沢を発現していることが確認できた。
《実施例4》
実施例1と同様の、第2の工程と第3の工程の繰り返し操作を130回行った後、回収した水酸化カルシウム粒子をSEMにて観察した結果を図6に示す。図6に示すSEM画像では、回収した水酸化カルシウム粒子は、板状結晶で、厚さが約40μm、板面の最大長さが約1100μmの一次粒子であることが確認できた。また、目視にて外観を評価したところ、雲母様の光沢を発現していることが確認できた。
《比較例1》
還流冷却器8の通路86内への冷却水の導入をストップし、気化溶媒成分が凝縮しない状況で、準備した水酸化カルシウムの懸濁液の処理を行った。本例では、気化した溶媒成分は凝縮しないので、懸濁液は実質的に沸騰状態(第2の工程に相当)のみを経験することになる。
本例では、還流する凝縮液が存在しないので、蒸留容器2を加熱装置4にて所定時間加熱すると、蒸留容器2内部の懸濁液の気化溶媒成分がなくなり、最終的には蒸発乾固した水酸化カルシウム粒子のみが残された。
本例では、蒸留容器2内に残存する水酸化カルシウム粒子を回収し、実施例1〜4と同様にSEMにて観察した結果を図7に示す。図7に示すSEM画像では、回収した水酸化カルシウム粒子は、厚さが約8μmの板状結晶であることが確認できたが、板面の最大長さは約8μmであり、実施例1〜4と比較して明らかに小さいサイズのものしか得られていないことが確認できた。また、目視にて外観を評価したところ、雲母様の光沢を発現しているが不均一であることが確認できた。
図1は水酸化カルシウムの製造に用いることができる一例としての製造装置を示す概要図である。 図2は本実施形態に係る水酸化カルシウムの製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図3は実施例1で得られた水酸化カルシウム粒子のSEM画像(倍率は400倍)である。 図4は実施例2で得られた水酸化カルシウム粒子のSEM画像(倍率は125倍)である。 図5は実施例3で得られた水酸化カルシウム粒子のSEM画像(倍率は80倍)である。 図6は実施例4で得られた水酸化カルシウム粒子のSEM画像(倍率は60倍)である。 図7は比較例1で得られた水酸化カルシウム粒子のSEM画像(倍率は8000倍)である。
符号の説明
1…板状水酸化カルシウムの製造装置、2…蒸留容器、22…上部主口、4…加熱装置、6…抽出管、62…凝縮液貯留部、64…還流管、66…蒸気管、8…還流冷却器、82…内側管、84…外側管、86…冷却水通路。

Claims (3)

  1. 水酸化カルシウムの懸濁液を準備する第1の工程と、
    前記懸濁液を第1の温度状態におく第2の工程と、
    前記懸濁液を前記第1の温度よりも低い第2の温度状態におく第3の工程と、
    前記第2の工程と前記第3の工程を繰り返し経験させる第4の工程とを、含み、
    前記第2の工程では、前記懸濁液を前記第1の温度状態におくことで、前記懸濁液の溶媒成分の一部を気化させ、
    前記第3の工程では、前記気化した溶媒成分を凝縮させた凝縮液を前記懸濁液に戻すことで、前記懸濁液を前記第2の温度状態におき、
    前記第4の工程では、前記懸濁液の加熱を継続することで、前記第2の工程と前記第3の工程を繰り返し経験させることを特徴とする板状水酸化カルシウムの製造方法。
  2. 請求項1記載の板状水酸化カルシウムの製造方法において、
    前記第1の温度が95〜105℃であることを特徴とする板状水酸化カルシウムの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の板状水酸化カルシウムの製造方法において、
    前記第2の温度が85〜90℃であることを特徴する板状水酸化カルシウムの製造方法。
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