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JP5589401B2 - 刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法 - Google Patents

刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法 Download PDF

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JP5589401B2 JP2010012013A JP2010012013A JP5589401B2 JP 5589401 B2 JP5589401 B2 JP 5589401B2 JP 2010012013 A JP2010012013 A JP 2010012013A JP 2010012013 A JP2010012013 A JP 2010012013A JP 5589401 B2 JP5589401 B2 JP 5589401B2
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Description

本発明は、刃先交換式溝入れ工具及びこれを用いた端面溝入れ加工方法に関するものである。
従来、金属材料等からなる被削材を回転軸線回りに回転させて、この被削材の外周面に形成された段部において回転軸線方向を向く端面に、切削インサートの切れ刃で溝入れ加工を施す刃先交換式溝入れ工具が知られている。例えば、図12に示す従来の刃先交換式溝入れ工具100は、軸状をなす工具本体1の先端部に、断面矩形の棒状に形成された切削インサート30が着脱自在に装着されている。切削インサート30は、棒状をなすインサート本体31の延在方向(図12における上下方向(X方向))の両端部に、一対の切れ刃32を有している。そして、これら切れ刃32のうち工具本体1の先端面から突出された一方の切れ刃32Aが、多段円柱状をなす被削材Wの段部Uにおいて回転軸線WO方向を向く端面Eに溝入れ加工(外径側端面溝入れ)を施す。図12の例では、被削材Wの端面Eは、回転軸線WOに直交するとともに段部Uの外周面(周面)Rの小径部分に隣接して形成されており、一方の切れ刃32Aは、この小径部分に沿うように回転軸線WOに平行にX方向に移動することにより端面Eに対して溝入れ加工する。尚、切削インサート30は、インサート本体31の延在方向及び幅方向の中央を通るとともにこれら延在方向及び幅方向に垂直な高さ方向に延びるインサート高さ軸線C3に関して回転対称、かつ、このインサート高さ軸線C3を含み前記延在方向に直交するインサート仮想平面(不図示)に関して面対称に形成されており、工具本体1の仕様が左勝手か右勝手かに係わらず、両切れ刃32A、32Bを使用できる。
また図12において、一対の切れ刃32のうち他方の切れ刃32Bは切削には供されず、一方の切れ刃32Aが摩耗や欠損等により使用に適さなくなった際に、インサート本体31の取り付け向きを延在方向に反転させることで、該切れ刃32Bが工具本体1の先端面から突出されて溝入れ加工に用いられる。
このようにして、被削材Wの前記小径部分における外周面Rの径方向外方に配されるとともに回転軸線WO方向を向く端面(外径側端面)Eに対して、刃先交換式溝入れ工具100を用いた外径側端面溝入れ加工が行われている。
また、このような溝入れ加工に用いられる他の切削インサートとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特公平7−115251号公報
しかしながら、前述の刃先交換式溝入れ工具100においては、次のような課題を有していた。
切削インサート30は、そのインサート本体31の延在方向(図12に示すインサート長手軸線C1)が被削材Wの回転軸線WOに対して平行であるとともに、被削材Wの外周面Rに対して平行に延びて配置されており、一対の切れ刃32は、外周面Rの小径部分からの距離が互いに同一とされている。このような切削インサート30の配置状態で、一方の切れ刃32Aが被削材Wの前記小径部分から離間されて端面Eに溝入れ加工する際には特に問題はないが、切れ刃32Aが被削材Wの前記小径部分に沿って移動しつつ端面Eに対して溝入れ加工する場合には、他方の切れ刃32Bがこの小径部分に接触して傷付けてしまう。尚、図12に示すように、被削材Wにおいて最も工具本体1の基端側に位置する端面Fから段部Uの端面Eまでの距離(深さ)d1と、他方の切れ刃32Bから端面Eまでの距離L3との関係が、d1<L3である場合には接触は無いが、d1≧L3となると接触することから、被削材Wの形状が制限される上、加工中に前記距離L3が縮小されていき前述の接触が生じることが考えられる。このような接触が生じると、被削材Wの加工精度が確保できないばかりか、未使用の他方の切れ刃32Bが傷んでしまうことになる。詳しくは、図13に示すように、他方の切れ刃32Bにおいて被削材Wの外周面Rの小径部分側に位置するコーナー部43Cが、該小径部分に接触する。このため、図12のような被削材Wの外周面Rに沿った端面溝入れはできなかった。
前述の接触を防止するため、特許文献1に記載された切削インサートにおいては、該切削インサートを前記インサート高さ軸線に関して回転対称に形成する一方で、前記インサート仮想平面に関して面対称には形成しておらず、インサート本体が全体に捩れたように形成されている。これにより、切削インサートを工具本体に装着した際に、他方の切れ刃における外周面Rの小径部分側のコーナー部が、一方の切れ刃における前記小径部分側のコーナー部よりも該小径部分から離間されるようにしている。しかしながら、この場合、工具本体の仕様に合わせて、左勝手用及び右勝手用の切削インサートをそれぞれ用意しなければならず、部品点数が増加して管理が煩雑となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切削インサートの部品点数を増加させることなく、被削材の周面に沿って端面溝入れ加工する場合であっても加工精度を十分に確保できる刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有し、前記切れ刃で前記端面に溝入れ加工する刃先交換式溝入れ工具であって、前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、前記工具本体は、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向へ向けて突出させて、前記切削インサートを装着しており、前記切削インサートは、前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線が、前記一方の切れ刃における一対のコーナー部のうち少なくともいずれかのコーナー部を含み前記工具本体の上下方向に垂直な工具仮想平面に対して傾斜しているとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延びていることを特徴とする。
また本発明は、回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有する刃先交換式溝入れ工具を用いて、前記切れ刃で前記被削材の端面に溝入れ加工する端面溝入れ加工方法であって、前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、前記切削インサートを、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向へ向けて突出させて前記工具本体に装着するとともに、該一方の切れ刃を前記溝入れ方向に沿って移動させることにより前記端面に対して溝入れ加工するときに、前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線を、前記一方の切れ刃における一対のコーナー部のうち少なくともいずれかのコーナー部及び前記回転軸線を含む工具仮想平面に対して傾斜させるとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることを特徴とする。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、切削インサートのインサート長手軸線は、他方の切れ刃から一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次工具仮想平面に接近するように傾斜されている。これにより、例えば、多段円柱状をなす被削材の段部において、回転軸線に平行な外周面を有する小径部分に沿って該被削材の端面に溝入れ加工(外径側端面溝入れ)する場合に、下記のような作用効果を奏する。すなわち、例えば、切削インサートの一方の切れ刃における一対のコーナー部のうち、一方のコーナー部を被削材の前記小径部分の外周面に当接させるように近接配置し、この切削インサートを該小径部分に沿って溝入れ方向に移動させ溝入れ加工するときに、他方の切れ刃における一対の切れ刃のうち一方のコーナー部が小径部分から離間されて、このコーナー部が該小径部分に接触して傷付けてしまうようなことが防止される。また、前述した接触によって、未使用の他方の切れ刃が傷んでしまうようなことが防止される。
また、図12で説明した被削材Wの端面Eの深さd1に係わらず他方の切れ刃の前記一方のコーナー部が被削材の周面から離間されて、このコーナー部が該周面に接触して傷付けてしまうようなことが確実に防止される。
また、一方の切れ刃における一対のコーナー部を、回転軸線に垂直な同一平面内に配置できることから、一方の切れ刃が切削した溝の溝底が回転軸線に垂直に形成されて、溝の加工精度が十分に高められる。
また、各切れ刃がそれぞれ備える一対の側面切れ刃は、インサート本体の延在方向の外側から中央側へ向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるように傾斜して形成されているので、正面切れ刃及びコーナー部が切削した溝の溝壁に側面切れ刃が接触することが防止されて、該溝壁の加工精度が確保される。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記切削インサートを前記インサート本体の側面側から見て、前記インサート長手軸線と前記工具仮想平面とのなす角度θ3が、0°<θ3≦10°に設定されることとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記切削インサートを前記インサート本体の側面側から見て、前記インサート長手軸線と前記工具仮想平面とのなす角度θ3を、0°<θ3≦10°に設定することとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、インサート長手軸線と工具仮想平面とのなす角度θ3が0°を超えて設定されることにより、例えば、被削材の前記小径部分の外周面が回転軸線に平行に形成される場合に、切削インサートの他方の切れ刃における前記一方のコーナー部が該小径部分からその径方向外方に確実に離間されて、この小径部分の加工精度が確保される。また、前記角度θ3が10°以下に設定されることによって、一方の切れ刃の切れ味や刃先強度を十分に高めつつ、切削加工が安定して行える。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記端面は、被削材の外周面における段部に形成されており、前記一方の切れ刃は、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記端面は、被削材の外周面に形成された段部における前記工具本体の基端側を向く端面であり、前記一方の切れ刃により、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、例えば、多段円柱状をなす被削材の段部に、回転軸線に垂直で工具本体側を向く端面が形成されており、この端面に隣接して、回転軸線に平行な外周面を有する小径部分が形成されている場合であっても、溝入れする端面の位置に係わらず、精度の高い外径側端面溝入れが行える。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記工具本体は、前記切削インサートを該工具本体の側方を向く一側面に沿うように配置しているとともに、前記一方の切れ刃を前記先端部の先端面から先端側へ向けて前記溝入れ方向に突出させており、前記工具本体の中心軸線は、前記先端部を通り前記溝入れ方向に延びており、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向を他方の幅方向として、前記切削インサートは、前記他方の切れ刃における前記他方の幅方向とは反対側に位置する一方のコーナー部が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部よりも前記回転軸線から離間されていることとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向を他方の幅方向として、被削材のうち、前記端面に隣接して前記回転軸線方向に立ち上がるとともに前記回転軸線回りに沿って形成された周面に対して、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記周面に沿って前記端面に切り込む前記一方のコーナー部よりも離間して配置し、前記他方の切れ刃における前記他方の幅方向とは反対側に位置する前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部よりも前記回転軸線から離間して配置することとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、他方の切れ刃における一方のコーナー部が、一方の切れ刃における一方のコーナー部よりも被削材の回転軸線から離間されている。これにより、例えば、多段円柱状をなす被削材の段部に回転軸線方向を向く端面が形成され、この端面に隣接して回転軸線に平行な外周面を有する小径部分が形成されている場合に、一方の切れ刃における一方のコーナー部を前記小径部分の外周面に当接させるように近接配置して溝入れ加工するときに、他方の切れ刃における一方のコーナー部がこの外周面から確実に離間される。従って、他方の切れ刃が前記外周面を傷付けてしまうようなことが防止されて、外径側端面溝入れ加工の精度が十分に確保される。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記インサート長手軸線は、前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の下面側へ向けて延びていることとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記インサート長手軸線を、前記工具仮想平面の上側に位置する前記他方の切れ刃から前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、一方の切れ刃のくさび角を大きく設定でき、該一方の切れ刃の刃先強度を十分に確保できる。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記インサート長手軸線は、前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の上面側へ向けて延びていることとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記インサート長手軸線を、前記工具仮想平面の下側に位置する前記他方の切れ刃から前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、一方の切れ刃が被削材の端面に対して鋭く切り込むことになり、切れ味を十分に高められる。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有していることとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具によれば、切れ刃のコーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有しているので、該コーナー部における刃先欠損等が防止される。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記コーナー部は、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃を有し、前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃は、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延びていることとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃と、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃とを有し、前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃を、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延ばして配置することとしてもよい。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、切れ刃のコーナー部には、第1コーナー刃におけるインサート本体の延在方向に沿う中央側の端部と側面切れ刃とを繋ぐ第2コーナー刃が、被削材の回転軸線に対して平行となるように延びているので、一方の切れ刃の正面切れ刃及び第1コーナー刃が切削した被削材の溝壁をこの第2コーナー刃がさらうことになり、該溝壁の仕上げ精度が高められる。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法によれば、切削インサートの部品点数を増加させることなく、被削材の周面に沿って端面溝入れ加工する場合であっても加工精度を十分に確保できる。
本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具と、この刃先交換式溝入れ工具を用いて溝入れ加工を施す被削材とを示す概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具と被削材とを、切削インサートのすくい面に対向する向きから見た平面図であるとともに、切削インサートを上面から見た図である。 本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具と被削材とを示す概略側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具を工具本体の先端側から見た正面図である。 切削インサートを示す斜視図である。 図2における切削インサート30近傍を拡大して示す図である。 図4における切削インサート30近傍を拡大して示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具と被削材とを示す概略側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具の切削インサート近傍を、該切削インサートの正面から見た図である。 切削インサートの切れ刃におけるコーナー部の変形例を示す図である。 切削インサートの切れ刃におけるコーナー部の変形例を示す図である。 従来の刃先交換式溝入れ工具と被削材とを、切削インサートのすくい面に対向する向きから見た平面図であるとともに、切削インサートを上面から見た図である。 図12におけるA部を拡大して示す図である。
(第1の実施形態)
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具10、及び、この刃先交換式溝入れ工具10に用いられる切削インサート30を示している。本実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具10は、軸状に形成され、断面が略矩形をなす工具本体1と、この工具本体1の先端側の端部(先端部)3に着脱自在に装着されて、該工具本体1の先端面1Aから先端側へ向けて切れ刃32を突出させる切削インサート30とを有している。
本実施形態の刃先交換式溝入れ工具10は、略円柱状の被削材Wに外径側端面溝入れ加工を行うものである。詳しくは、本実施形態の被削材Wは多段円柱状をなしており、その大径部分と小径部分との間に段部Uを有している。被削材Wの段部Uには、前記小径部分の外周面Rに隣接するとともに回転軸線WOに直交する円環面からなる端面Eが形成されている。刃先交換式溝入れ工具10は、工具本体1の延在する方向(図示するX方向)を被削材Wの回転軸線WOに対して略平行に配置した状態で、回転軸線WOを中心に回転方向WTに回転する被削材Wの段部Uに工具本体1の先端部3を向け、該段部Uの前記小径部分における外周面Rに沿うように切れ刃32を移動させ、端面Eを切削する。尚、本実施形態では、方向を示す符号X、Y、Zを一部の図中に用いる。ここで、符号X、Yは水平方向をそれぞれ示しており、詳しくは、X方向が被削材Wの回転軸線WOに平行な水平方向を示し、Y方向が回転軸線WOに垂直な水平方向を示している。また、符号Zは鉛直方向を示している。
工具本体1は、鋼材等から形成されており、その先端部3以外の中央部及び基端部が略直方体状をなしてシャンク部2とされている。この刃先交換式溝入れ工具10は、シャンク部2が回り止めされた状態で保持されることにより、図4に2点鎖線で示す工作機械Mに固定支持される。以下の説明においては、X方向のうち、工具本体1の先端側(図2における下側)を一方側、基端側(図2における上側)を他方側と呼ぶことがある。
工具本体1の先端部3は、図2の平面視において概略五角形状をなしており、その先端面1Aから先端側へ突出して上顎部6及び下顎部7が形成されている。先端部3の上顎部6と下顎部7とは、互いに上下方向(Z方向)に対向配置されているとともに、先端面1Aにおいて、回転軸線WOに垂直な方向(図2におけるY方向)のうち一側(図2における左側)の端部に形成されている。また、図3に示すように、先端部3の上面3Aはシャンク部2の上面よりも上方に突出して形成されている。また、工具本体1の先端部3における下面3Bは、その基端部から中央部にかけてはシャンク部2における下面2Bに面一とされており、その先端部が下面2Bよりも一段窪まされている。
また工具本体1は、その先端部3において側方(図2におけるY方向)を向く両側面のうち、前記一側を向く一側面3Cが、シャンク部2において前記一側を向く側面(一側面)2Cに連なっているとともに、上顎部6及び下顎部7の前記一側を向く側面を形成している。詳しくは、一側面3Cは、その基端部が平面状をなしてシャンク部2の一側面2Cに面一に連なっており、その先端部が断面凹曲線状に湾曲するように形成されている。また、先端部3には、前記両側面のうち他側(図2におけるY方向の右側)を向くとともに、一側面3Cに背向するように配置された他側面3Dが形成されている。先端部3の他側面3Dは、その基端部がシャンク部2において前記他側を向く側面(他側面)2Dに面一とされており、中央部から先端部にかけては、先端側へ向かうに従い漸次前記一側へ向かうように傾斜してテーパ状に形成されている。尚、前述した工具本体1の先端部3の形状は一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
図4に示すように、この刃先交換式溝入れ工具10は、工具本体1のシャンク部2における少なくとも下面2B及び他側面2Dを工作機械Mの取付凹部mに当接した状態で、該工作機械Mに支持されている。尚、工具本体1の先端部3における下面3B及び他側面3Dは取付凹部mに支持されていなくても構わない。
また、一側面3Cの前記先端部のうち上顎部6に対応する部分は、上面3Aから下面3Bへ向かうに従い漸次他側面3D側へ向かうように断面凹曲線状に湾曲して形成されている。また、上顎部6において他側面3D側を向く側面は、上面3Aから下面3Bへ向かうに従い漸次他側面3D側へ向かうように断面凸曲線状に湾曲して形成されている。また、一側面3Cの前記先端部のうち下顎部7に対応する部分は、上面3Aから下面3Bへ向かうに従い漸次一側面3C側へ向かうように断面凹曲線状に湾曲して形成されている。また、下顎部7において他側面3D側を向く側面は、上面3Aから下面3Bへ向かうに従い漸次一側面3C側へ向かうように断面凸曲線状に湾曲して形成されている。図4の正面視において、上顎部6及び下顎部7は全体として略弓状に形成されている。
図3の側面視において、先端部3の上顎部6は略三角形状をなし、上顎部6の上面は基端側から先端側へ向かうに従い漸次下面3B側へ向けて傾斜して形成されている。また、この側面視において、下顎部7は略矩形状に形成されている。下顎部7は、上顎部6よりも工具本体1の先端側へ向けて突出されている。これら上顎部6と下顎部7との間には隙間が設けられており、切削インサート30が着脱自在に装着されるインサート取付座4とされている。工具本体1は、このインサート取付座4に切削インサート30を装着して、該切削インサート30を該工具本体1の側方を向く一側面3Cに沿うように配置している。
インサート取付座4は、略直方体穴状をなしており、先端部3の一側面3C側に位置しているとともにX方向に沿って延びている。インサート取付座4は、その先端部及び中央部が、上顎部6と下顎部7との間に位置しているとともにY方向の両側に開口されている。また、インサート取付座4の先端部は、X方向のうち先端側を向く方向(後述する溝入れ方向XA)にも開口されている。また、インサート取付座4の基端部は、上面3Aと下面3Bとの間に位置しているとともに一側面3Cに開口されている。インサート取付座4は、工具本体1の基端側から先端側へ向かうに従い漸次上面3Aから下面3Bへ向けて傾斜するように形成されている。また、インサート取付座4の基端部には、工具本体1の先端側を向く段部4Aが形成されている。
また、インサート取付座4の基端側には、該インサート取付座4よりも幅狭のスリット状をなし、先端面1A、一側面3C及び他側面3Dに開口する締め付け部8が形成されている。締め付け部8は、工具本体1の基端側から先端側へ向かうに従い漸次上面3Aから下面3Bへ向けて傾斜するように形成されている。
また、インサート取付座4において上下に向かい合う天壁面4B及び底壁面4Cは、図4に示すように、先端面1A側から見てそれぞれ凸V字状に形成されている。また、図3に示すように、締め付け部8は、インサート取付座4に対して天壁面4Dと底壁面4Eとの間隔が狭く形成されている。締め付け部8の天壁面4Dには、先端部3の上面3Aに開口するとともにクランプネジ5が挿通される貫通孔5Aが形成されている。また、締め付け部8の底壁面4Eには、貫通孔5Aに同軸とされて内周面に雌ねじ加工が施されたねじ穴(不図示)が形成されている。
また、この刃先交換式溝入れ工具10に装着される切削インサート30は、超硬合金等の硬質材料からなり、図3に示すように、棒状をなすインサート本体31の延在方向(図3の上下方向)の両端部における該インサート本体31の上面(図3において右側を向く面)に一対の切れ刃32を備える、所謂ドッグボーン型の切削インサートである。
ここで、図5、図6等に示す符号C1は、インサート本体31の延在方向に沿うインサート長手軸線を示しており、このインサート長手軸線C1は、インサート本体31において前記延在方向に直交する幅方向の中央を通るとともに、一対の切れ刃32における後述する正面切れ刃41、41の中央をそれぞれ通って延びている。また、符号C2は、インサート本体31の幅方向に沿うインサート幅軸線を示しており、該インサート幅軸線C2は、インサート長手軸線C1に沿うインサート本体31の中央(図中に二重丸で示す部位)を通り、該インサート長手軸線C1に直交するとともに正面切れ刃41に平行に延びている。また、符号C3は、インサート本体31の高さ方向に沿うインサート高さ軸線を示しており、該インサート高さ軸線C3は、インサート本体31の前記中央を通り、インサート長手軸線C1及びインサート幅軸線C2にそれぞれ直交する向きに延びている。
また、切削インサート30は、インサート長手軸線C1に沿うインサート本体31の中央を通るとともに該インサート長手軸線C1に垂直なインサート仮想平面VS1に関して対称(すなわち面対称)に形成されている。また、この切削インサート30は、インサート長手軸線C1及びインサート高さ軸線C3を含み、インサート本体31の上面(図4において上下方向(Z方向)の上方を向く面)及び下面(図4においてZ方向の下方を向く面)の各中央を通るインサート仮想平面VS2に関しても対称(面対称)に形成されている。すなわち、この切削インサート30は、インサート高さ軸線C3に関して回転対称に形成されている。尚、切削インサート30は、インサート仮想平面VS2に関して面対称に形成されていなくても構わない。
また、図5、図7に示すように、切削インサート30は、インサート本体31の上面における前記延在方向の中央部、及び、下面が、インサート長手軸線C1に直交する断面でそれぞれ凹V字状に形成されている。このようなインサート本体31の形状により、切削インサート30がインサート取付座4の先端側に開口する部位において天壁面4B及び底壁面4Cに摺接するように案内され、前記一方側から前記他方側へと挿入される。
図3に示すように、インサート取付座4に挿入された切削インサート30は、インサート本体31の前記他方側の端面が段部4Aに突き当てられて位置決めされる。この状態で、クランプネジ5を締め付けることにより、締め付け部8の天壁面4Dが底壁面4Eへ向けて弾性変形しつつ近づくとともに、インサート取付座4の天壁面4Bが底壁面4Cへ向けて弾性変形しつつ近づいていく。このように、天壁面4D、4Bと底壁面4E、4Cとの間隔が狭められて、切削インサート30が工具本体1の先端部3に固定支持される。
また、インサート本体31の上面においてインサート長手軸線C1方向に沿う両端部には、一対の切れ刃32が配置されている。図6に示すように、切れ刃32は、インサート本体31の延在方向の端縁に形成されて該延在方向に直交する幅方向(図6における左右方向)に延びる直線状の正面切れ刃41と、この正面切れ刃41の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部43と、これらコーナー部43から前記延在方向に沿って該インサート本体31の中央側(内側)に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ直線状に延びる一対の側面切れ刃42とを有している。
詳しくは、一対の側面切れ刃42は、インサート本体31の延在方向の外側から中央側へ向かうに従い漸次幅方向の外側から中央側(内側)へ向かうように傾斜して形成されており、所謂バックテーパが与えられている。
また、インサート本体31の上面における前記両端部は、前記中央部よりも一段後退させられてそれぞれ略四角形状をなしており、一対のすくい面33とされている。すくい面33は、その外周縁のうち前記延在方向の中央側以外の三方が正面切れ刃41及び一対の側面切れ刃42とされている。
また、図5において、インサート本体31の外面のうち上面と下面とを繋ぐ周面には、正面切れ刃41に連なる正面逃げ面51と、一対の側面切れ刃42にそれぞれ連なる一対の側面逃げ面52とが形成されている。正面逃げ面51は、正面切れ刃41から下面側へ向かうに従い漸次インサート本体31の外面から後退するように傾斜して形成されている。また、側面逃げ面52は、側面切れ刃42から下面側へ向かうに従い漸次インサート本体31の外面から後退するように傾斜して形成されている。尚、以下の説明では、インサート本体31において正面逃げ面51が形成された面を切削インサート30の正面、インサート本体31において側面逃げ面52が形成された面を切削インサート30の側面と呼ぶ。
切削インサート30が工具本体1のインサート取付座4に装着されると、図2に示すように、一対の切れ刃32のうち前記一方側(図2におけるX方向の下側)に切れ刃32Aが配置され、前記他方側(図2におけるX方向の上側)に切れ刃32Bが配置される。そして、一方の切れ刃32Aが、工具本体1の先端部3における先端面1Aから先端側へ向けて突出されるとともに被削材Wの端面Eに対向配置され、該端面Eに溝入れ加工を施すようになっている。詳しくは、工具本体1は、一対の切れ刃32のうち一方の切れ刃32Aを、先端部3の先端面1Aから前記X方向のうち符号XAで示される溝入れ方向へ向けて突出させて、切削インサート30を装着している。
また、図2、図4〜図7に符号C2Aで示す向きは、インサート本体31の幅方向(インサート幅軸線C2方向)のうち、一対のコーナー部43A、43B(43C、43D)において被削材Wの小径部分における外周面R側に位置する一方のコーナー部43A(43C)から該外周面R側とは反対側に位置する他方のコーナー部43B(43D)に向かう方向である他方の幅方向を示している。図2の上面視において、切削インサート30のインサート幅軸線C2及び切れ刃32Aの正面切れ刃41は、回転軸線WOに対して垂直とされている。また、図4、図7の正面視において、一方の切れ刃32Aの正面切れ刃41は、被削材Wの径方向に沿うように回転軸線WOに垂直に延びている。すなわち、この切削インサート30は、切れ刃32Aにおいて正面切れ刃41の両端に位置するコーナー部43Aとコーナー部43Bとが、互いに回転軸線WOに直交する同一平面内に配置されている。
ここで、図3、図4に符号VS3で示すものは、切れ刃32Aのコーナー部43A、43B及び回転軸線WOを含む工具仮想平面を表している。尚、この工具仮想平面VS3は、切れ刃32Aにおける一対のコーナー部43A、43Bのうち少なくともいずれかのコーナー部43及び回転軸線WOを含み形成されていればよく、本実施形態のように両コーナー部43A、43Bを含むものに限定されない。すなわち、図4の正面視において、切削インサート30のインサート幅軸線C2及び切れ刃32Aの正面切れ刃41が、前記他方の幅方向C2Aに向かって前記小径部分の外周面Rから離間するに従い漸次回転方向WTの前方側又は後方側へ向けて傾斜して形成されていても構わない。本実施形態においては、工具仮想平面VS3がX−Y水平面内に配置されている。
ただし、切削インサート30のインサート幅軸線C2及び切れ刃32Aの正面切れ刃41を前述のように回転方向WTの前方側又は後方側へ向けて傾斜させた場合には、切れ刃32Aのコーナー部43A、43B同士が回転軸線WOに直交する同一平面内に配置されなくなり、加工する溝の溝底Dを回転軸線WOに垂直に形成できなくなることがある。従って、本実施形態のように、一方の切れ刃32Aの正面切れ刃41が、図7の正面視において被削材Wの径方向に沿うように回転軸線WOに垂直に延びているとともに、該正面切れ刃41の両端に位置するコーナー部43Aとコーナー部43Bとが、互いに回転方向WTに沿う同一位置に配置されていることが好ましい。
また、図2及び図3に符号C1Aで示す向きは、インサート本体31の延在方向(インサート長手軸線C1方向)のうち、一対の切れ刃32A、32Bにおける他方の切れ刃32Bから一方の切れ刃32Aに向かう方向である一方の延在方向を示している。ここで、図2は切削インサート30を工具仮想平面VS3に直交する向きから見た上面図であり、この上面視においては、他方の切れ刃32Bにおける前記他方の幅方向C2Aとは反対側に位置するコーナー部43Cと一方の切れ刃32Aにおける前記反対側に位置するコーナー部43Aとを通る仮想直線が、被削材Wの前記小径部分における外周面Rに重なるように延びているとともに、回転軸線WOに平行とされている。また、切削インサート30のインサート幅軸線C2は、被削材Wの回転軸線WOに垂直に延びている。
尚、図2の上面視において、前記仮想直線が、回転軸線WOに対して傾斜して延びていても構わない。詳しくは、この上面視において、前記仮想直線が切れ刃32A側(前記一方側)から切れ刃32B側(前記他方側)へ向かうに従い漸次回転軸線WOから離間されるように、切削インサート30を該回転軸線WOに対して僅かに傾斜させてもよい。ただし、この場合、切れ刃32Aのコーナー部43A、43B同士が回転軸線WOに直交する同一平面内に配置されなくなり、加工する溝の溝底Dを回転軸線WOに垂直に形成できなくなることがある。
また、図3は工具本体1を一側面3C側から見るとともに切削インサート30をインサート本体31の側面側から見た側面図であり、この側面視において、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、工具仮想平面VS3に対して傾斜しているとともに、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次工具仮想平面VS3に接近するように延びている。詳しくは、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次インサート本体31の上面側(図3における左右方向(Z方向)の右側)から下面側(図3におけるZ方向の左側)へ向けて延びている。またこれにより、切れ刃32Bの正面切れ刃41が、工具仮想平面VS3に対してインサート本体31の上面側(図3におけるZ方向の右側)へ向けて離間されている。そして、図3の側面視において、切れ刃32A、32Bの各正面切れ刃41、41を通るインサート長手軸線C1と工具仮想平面VS3とのなす角度θ3が、0°<θ3≦10°の範囲内に設定されている。尚、前記角度θ3は、0.5°≦θ3≦5°の範囲内に設定されることがより望ましい。本実施形態では、このθ3が例えば3°程度に設定されている。
すなわち、この切削インサート30は、他方の切れ刃32Bにおける一方のコーナー部43Cが、一方の切れ刃32Aにおける一方のコーナー部43Aよりも工具仮想平面VS3に対してインサート本体31の上面側へ離間されている。これにより、図6及び図7において、切れ刃32Bのコーナー部43Cが、切れ刃32Aのコーナー部43Aよりも被削材Wの径方向外方に配置されるとともに回転軸線WOから離間されて、前記小径部分の外周面Rから離間されている。尚、図6の上面視では、実際には切れ刃32Bのコーナー部43Cが前記外周面R上に重なるように位置するところ、説明の便宜上、該外周面Rから離間されているように表している。
また、工具本体1に装着された切削インサート30は、切れ刃32Bが配置される前記他方側から切れ刃32Aが配置される前記一方側へと前記一方の延在方向C1Aに向かうに従い漸次工具本体1の下面3Bへ向かうように傾斜して配置されている。
本実施形態においては、前述の構成を有する工具本体1の切削インサート30が、一方の切れ刃32Aのコーナー部43Aを被削材Wの小径部分における外周面Rに当接させるように近接配置した状態で、該外周面Rに沿って回転軸線WOに平行に工具本体1の先端側へ向け溝入れ方向XAに移動して、切れ刃32Aが段部Uの端面Eに対して外径側端面溝入れ加工する。
以上説明したように、本実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具10及びこれを用いた端面溝入れ加工方法によれば、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、他方の切れ刃32Bから一方の切れ刃32Aに向かう方向である一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次工具仮想平面VS3に接近するように傾斜されている。詳しくは、インサート長手軸線C1が、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次インサート本体31の下面側へ向けて延びており、一方の切れ刃32Aを含む工具仮想平面VS3に対して、他方の切れ刃32Bがインサート本体31の上面側へ向けて離間されている。これにより、本実施形態のように、多段円柱状をなす被削材Wの段部Uにおいて、回転軸線WOに平行な外周面Rを有する前記小径部分に沿って該被削材Wの端面Eに溝入れ加工(外径側端面溝入れ)を行う場合に、下記のような作用効果を奏する。
すなわち、切削インサート30の一方の切れ刃32Aにおける一対のコーナー部43A、43Bのうち、一方のコーナー部43Aを被削材Wの前記小径部分の外周面Rに当接させるように近接配置し、この切削インサート30を該小径部分の外周面Rに沿って溝入れ方向XAに移動させ溝入れ加工するときに、他方の切れ刃32Bにおける一対の切れ刃43C、43Dのうち一方のコーナー部43Cが小径部分(外周面R)から離間されて、このコーナー部43Cが該小径部分に接触して傷付けてしまうようなことが防止される。また、前述した接触によって、未使用の他方の切れ刃32Bが傷んでしまうようなことが防止される。
また、図2に示す被削材Wの端面Eの深さd1に係わらず他方の切れ刃32Bの一方のコーナー部43Cが被削材Wの前記外周面Rから離間されて、このコーナー部43Cが該外周面Rに接触して傷付けてしまうようなことが確実に防止される。
また、一方の切れ刃32Aにおける一対のコーナー部43A、43Bを、回転軸線WOに垂直な同一平面内に配置できることから、一方の切れ刃32Aが切削した溝の溝底Dが回転軸線WOに垂直に形成されて、溝の加工精度が十分に高められる。
また、各切れ刃32A、32Bがそれぞれ備える一対の側面切れ刃42、42は、インサート本体31の延在方向の外側から中央側へ向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるように傾斜して形成されているので、正面切れ刃41及びコーナー部43が切削した溝の溝壁に側面切れ刃42が接触することが防止されて、該溝壁の加工精度が確保される。
また、切削インサート30をインサート本体31の側面側から見て、該インサート本体31の延在方向に沿うインサート長手軸線C1と工具仮想平面VS3とのなす角度θ3が、0°<θ3≦10°の範囲内に設定されている。本実施形態では、被削材Wの前記小径部分の外周面Rが回転軸線WOに平行に形成されていることから、角度θ3が0°を超えて設定されることにより、切削インサート30の他方の切れ刃32Bにおける一方のコーナー部43Cが該小径部分からその径方向外方に確実に離間されて、この小径部分の加工精度が確保される。また、前記角度θ3が10°以下に設定されることにより、切削インサート30は、一方の切れ刃32Aのくさび角β(図3においてすくい面33と正面逃げ面51とのなす角度)を比較的大きく設定して切れ刃32Aの刃先強度を十分に確保しつつも、切削加工が安定して行える。
尚、角度θ3が0.5°≦θ3≦5°の範囲内に設定された場合には、前述の作用効果がより確実に得られる。すなわち、角度が0.5°以上に設定されることにより、切れ刃32Bのコーナー部43Cが外周面Rからより確実に離間される。また、角度θ3が5°以下に設定されることにより、切れ刃32Aの切れ味を確保できる。
尚、図4、図7の正面視において、切削インサート30のインサート幅軸線C2及び切れ刃32Aの正面切れ刃41が、前記他方の幅方向C2Aに向かって外周面Rから離間するに従い漸次回転方向WTの前方側へ向けて傾斜して形成された場合には、一方の切れ刃32Aが切削して生じた切屑が外周面Rとは反対側の段部Uの外側(径方向外方)へ向かうため、切屑が該外周面Rを傷付けることが防止されるとともに、排出性が向上する。また、切削インサート30のインサート幅軸線C2及び切れ刃32Aの正面切れ刃41が、前記他方の幅方向C2Aに向かって外周面Rから離間するに従い漸次回転方向WTの後方側へ向けて傾斜して形成された場合には、切削加工時に一方の切れ刃32Aが受ける切削抵抗の分力は、工具本体1の他側面2Dを工作機械Mに押し付けるように作用する。これにより、切削時の刃先交換式溝入れ工具10の工作機械Mに対する位置が安定するとともに、精度の高い切削加工が安定して行える。
このように、前述した刃先交換式溝入れ工具10を用いた外径側端面溝入れ加工においては、多段円柱状をなす被削材Wの段部Uに、回転軸線WOに垂直で工具本体1の基端側を向く端面Eが形成されており、この端面Eに隣接して、回転軸線WOに平行な外周面Rを有する前記小径部分が形成されていても、溝入れする端面Eの位置に係わらず、精度の高い外径側端面溝入れが行えるのである。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具20について、図8及び図9を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具20の工具本体1を一側面3C側から見るとともに、切削インサート30をインサート本体31の側面側から見た側面図である。図8の側面視において、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、工具仮想平面VS3に対して傾斜しているとともに、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次工具仮想平面VS3に接近するように延びている。詳しくは、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次インサート本体31の下面側(図8における左右方向(Z方向)の左側)から上面側(図8におけるZ方向の右側)へ向けて延びている。またこれにより、切れ刃32Bの正面切れ刃41が、工具仮想平面VS3に対してインサート本体31の下面側(図8におけるZ方向の左側)へ向けて離間されている。そして、図8の側面視において、インサート長手軸線C1と工具仮想平面VS3とのなす角度θ3が、0°<θ3≦10°の範囲内に設定されている。尚、前記角度θ3は、0.5°≦θ3≦5°の範囲内に設定されることがより望ましい。本実施形態では、このθ3が例えば3°程度に設定されている。
すなわち、この切削インサート30は、他方の切れ刃32Bにおける一方のコーナー部43Cが、一方の切れ刃32Aにおける一方のコーナー部43Aよりも工具仮想平面VS3に対してインサート本体31の下面側へ離間されている。これにより、図9において、切れ刃32Bのコーナー部43Cが、切れ刃32Aのコーナー部43Aよりも被削材Wの径方向外方に配置されるとともに、前記小径部分の外周面Rから離間されている。また、工具本体1に装着された切削インサート30は、切れ刃32Bが配置される前記他方側から切れ刃32Aが配置される前記一方側へと前記一方の延在方向C1Aに向かうに従い漸次工具本体1の上面3Aへ向かうように傾斜して配置されている。
本実施形態の刃先交換式溝入れ工具20によれば、切削インサート30のインサート長手軸線C1は、他方の切れ刃32Bから一方の切れ刃32Aに向かう方向である一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次工具仮想平面VS3に接近するように傾斜されている。詳しくは、インサート長手軸線C1が、前記一方の延在方向C1Aへ向かうに従い漸次インサート本体31の上面側へ向けて延びており、工具仮想平面VS3に対して、他方の切れ刃32Bがインサート本体31の下面側へ向けて離間されている。これにより、一方の切れ刃32Aが被削材Wの端面Eに対して鋭く切り込むことになり、切れ味を十分に高めることができる。
詳しくは、角度θ3が、0°<θ3≦10°の範囲内に設定されていることにより、下記の作用効果を奏する。すなわち、角度θ3が0°を超えて設定されることにより、切削インサート30の他方の切れ刃32Bにおける一方のコーナー部43Cが前記小径部分からその径方向外方に確実に離間されて、この小径部分の加工精度が確保される。また、前記角度θ3が10°以下に設定されることにより、切削インサート30は、一方の切れ刃32Aの切れ味を十分に高めつつも、刃先強度を確保できる。
尚、角度θ3が0.5°≦θ3≦5°に設定された場合には、前述の作用効果がより確実に得られる。すなわち、角度が0.5°以上に設定されることにより、切れ刃32Bのコーナー部43Cが外周面Rからより確実に離間される。また、角度θ3が5°以下に設定されることにより、一方の切れ刃32Aのくさび角βを確保でき、切れ刃32Aの刃先強度を高めることができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、前述した実施形態では、工具本体1の先端部3にインサート取付座4が形成されていることとしたが、これに限定されるものではなく、先端部3に着脱可能なヘッド部が装着されているとともに、このヘッド部にインサート取付座4が形成されていることとしてもよい。また、前述した工具本体1の形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
また、切れ刃32の一対のコーナー部43は、前述の実施形態において説明した形状に限定されるものではない。図10及び図11は、コーナー部43の変形例を示している。図10においては、コーナー部43は、凸曲線状をなし、正面切れ刃41及び側面切れ刃42を滑らかに繋ぐ第1コーナー刃44を有している。そして、一方の切れ刃32Aにおけるコーナー部43Aは、このコーナー部43Aに隣接する正面切れ刃41の延長線VL1と第1コーナー刃44におけるインサート本体31の幅方向の外縁部から延長線VL1に向けて延ばした垂線VL2との交点Pを、前記工具仮想平面VS3上に配置している。また図示しないが、コーナー部43Bは、このコーナー部43Bに隣接する正面切れ刃41の延長線と該コーナー部43Bの第1コーナー刃44におけるインサート本体31の幅方向の外縁部から前記延長線に向けて延ばした垂線との交点を、前記工具仮想平面VS3上に配置している。この場合、各コーナー部43における刃先欠損等が防止される。
また図11においては、コーナー部43は、第1コーナー刃44と、該第1コーナー刃44におけるインサート本体31の延在方向に沿う中央側(図11における上方側)の端部と側面切れ刃42とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃45とを有している。切削インサート30を工具仮想平面VS3に直交する向きから見て、第2コーナー刃45は、被削材Wの回転軸線WOに対して平行となるように延びているとともに、前記小径部分の外周面Rに対して平行に延びて形成されている。この場合、一方の切れ刃32Aの正面切れ刃41及び第1コーナー刃44が切削した被削材Wの溝壁をこの第2コーナー刃45がさらうことになり、該溝壁の仕上げ精度が高められる。
また、前述の実施形態では、切削インサート30の切れ刃32Aが、被削材Wの前記小径部分の外周面Rに沿って端面Eに溝入れ加工することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、被削材Wの前記小径部分の外周面Rから離間した端面E部分を溝入れ加工することとしても構わない。本発明の実施形態によれば、被削材Wの前記小径部分に隣接した端面E部分又は離間した端面E部分のいずれを溝入れする場合であっても、高精度の切削加工を行うことができる。
1 工具本体
1A 先端面
3 先端部
3C 一側面
10、20 刃先交換式溝入れ工具
30 切削インサート
31 インサート本体
32 切れ刃
32A 一方の切れ刃
32B 他方の切れ刃
41 正面切れ刃
42 側面切れ刃
43 コーナー部
43A 一方の切れ刃において他方の幅方向C2Aとは反対側に位置する一方のコーナー部
43B 一方の切れ刃において他方の幅方向C2A側に位置する他方のコーナー部
43C 他方の切れ刃において他方の幅方向C2Aとは反対側に位置する一方のコーナー部
43D 他方の切れ刃において他方の幅方向C2A側に位置する他方のコーナー部
44 第1コーナー刃
45 第2コーナー刃
C1 インサート長手軸線(インサート本体の延在方向)
C1A インサート本体の延在方向のうち、他方の切れ刃から一方の切れ刃に向かう方向である、一方の延在方向
C2 インサート幅軸線(インサート本体の幅方向)
C3 インサート高さ軸線(インサート本体の高さ方向)
E 端面
R 被削材の外周面(周面)
TO 工具本体の中心軸線
U 段部
VS1 インサート仮想平面
VS3 工具仮想平面
W 被削材
WO 被削材の回転軸線
XA 溝入れ方向
Z 上下方向
θ3 切削インサートの側面視においてインサート長手軸線と工具仮想平面とのなす角度

Claims (15)

  1. 回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有し、前記切れ刃で前記端面に溝入れ加工する刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、
    前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、
    前記工具本体は、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向へ向けて突出させて、前記切削インサートを装着しており、
    前記切削インサートは、前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線が、前記一方の切れ刃における一対のコーナー部のうち少なくともいずれかのコーナー部を含み前記工具本体の上下方向に垂直な工具仮想平面に対して傾斜しているとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延びていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記切削インサートを前記インサート本体の側面側から見て、前記インサート長手軸線と前記工具仮想平面とのなす角度θ3が、0°<θ3≦10°に設定されることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  3. 請求項1又は2に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記端面は、被削材の外周面における段部に形成されており、
    前記一方の切れ刃は、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記工具本体は、前記切削インサートを該工具本体の側方を向く一側面に沿うように配置しているとともに、前記一方の切れ刃を前記先端部の先端面から先端側へ向けて前記溝入れ方向に突出させており、
    前記工具本体の中心軸線は、前記先端部を通り前記溝入れ方向に延びており、
    前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向を他方の幅方向として、前記切削インサートは、前記他方の切れ刃における前記他方の幅方向とは反対側に位置する一方のコーナー部が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部よりも前記回転軸線から離間されていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記インサート長手軸線は、前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の下面側へ向けて延びていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記インサート長手軸線は、前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の上面側へ向けて延びていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有していることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  8. 請求項7に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記コーナー部は、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃を有し、
    前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃は、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延びていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  9. 回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有する刃先交換式溝入れ工具を用いて、前記切れ刃で前記被削材の端面に溝入れ加工する端面溝入れ加工方法であって、
    前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、
    前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、
    前記切削インサートを、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向へ向けて突出させて前記工具本体に装着するとともに、該一方の切れ刃を前記溝入れ方向に沿って移動させることにより前記端面に対して溝入れ加工するときに、
    前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線を、前記一方の切れ刃における一対のコーナー部のうち少なくともいずれかのコーナー部及び前記回転軸線を含む工具仮想平面に対して傾斜させるとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  10. 請求項9に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記切削インサートを前記インサート本体の側面側から見て、前記インサート長手軸線と前記工具仮想平面とのなす角度θ3を、0°<θ3≦10°に設定することを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  11. 請求項9又は10に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記端面は、被削材の外周面に形成された段部における前記工具本体の基端側を向く端面であり、
    前記一方の切れ刃により、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向を他方の幅方向として、
    被削材のうち、前記端面に隣接して前記回転軸線方向に立ち上がるとともに前記回転軸線回りに沿って形成された周面に対して、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記周面に沿って前記端面に切り込む前記一方のコーナー部よりも離間して配置し、
    前記他方の切れ刃における前記他方の幅方向とは反対側に位置する前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部よりも前記回転軸線から離間して配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記インサート長手軸線を、前記工具仮想平面の上側に位置する前記他方の切れ刃から前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  14. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記インサート長手軸線を、前記工具仮想平面の下側に位置する前記他方の切れ刃から前記一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように延在させることを特徴とする端面溝入れ加工方法。
  15. 請求項9〜14のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
    前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃と、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃とを有し、
    前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃を、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延ばして配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。
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