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JP5587168B2 - 医療器具用洗浄剤組成物 - Google Patents

医療器具用洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、医療器具用洗浄剤組成物及び医療器具の洗浄方法に関する。
医療器具は使用後に洗浄、消毒した後に再使用されている。洗浄が不十分であると、消毒効果が下がることから、医療器具用洗浄剤としては、高い洗浄力が必要である。一方、医療器具の中にはアルマイト等、腐食しやすい材料を用いた部材も使用されている。医療器具は繰り返し洗浄消毒し再使用されるが、洗浄により表面に腐食が生じると、医療器具が再使用できなくなってしまうという問題があった。特に、内視鏡のような非常に高価な医療器具では、著しい問題となる。
特許文献1には、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルカノールアミン、無機アルカリ剤を含有する医療器具用洗浄剤組成物が開示されている。このような洗浄剤を用いると、繰り返し洗浄していると次第にアルマイト部分に腐蝕を生じてしまう。アルマイト等の腐食防止を目的とした技術として、特許文献2には、アルカリ成分と3〜8価の多価アルコール等の特定の水酸基含有成分とからなるアルカリ洗浄剤が開示されている。しかしながら、フォトレジスト等の半導体用に原液で使用されるタイプの洗浄剤であり医療器具洗浄では、50〜1000倍に希釈して使用することから、この組成は医療器具洗浄に用いても、洗浄力とアルマイト防食を両立することはできない。特許文献2は液晶パネル等の電子部品の洗浄に用いられる洗浄剤であり、また希釈することなく使用されるものである。一方、医療器具洗浄機では、洗浄剤は、100〜500倍に希釈して使用することが一般的であり、使用方法、濃度が全く異なる。特許文献3には、特定の二塩基酸、アルカノールアミン、ケイ酸塩を含有する添加剤を、アルミニウム製品の洗浄剤に用いることが開示されている。しかし、特許文献3のアルカリ洗浄剤組成物は、凝固血液などの固着タンパク汚れを十分に洗浄することはできない。このように、医療器具洗浄機用洗浄剤として凝固血液の洗浄力に優れ、かつアルマイト等の金属防食性に優れたものは、従来、見出されていなかった。
特開平2009−144070号公報 特開2004−2778号公報 特開2008−297469号公報
本発明の課題は、洗浄力に優れ、かつアルマイト等の金属防食性に優れた医療器具用洗浄剤組成物及び医療器具の洗浄方法を提供することである。
本発明は、(A)アルカノールアミン〔以下、(A)成分という〕3〜30質量%、(B)非イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕0.5〜20質量%、(C)4価以上の多価アルコール〔以下、(C)成分という〕3〜50質量%を含有する医療器具用洗浄剤組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の医療器具用洗浄剤組成物を水で50〜1000倍に希釈した希釈洗浄液を用いる、医療器具洗浄機による医療器具の洗浄方法に関する。
本発明によれば、洗浄力に優れ、かつアルマイト等の金属防食性に優れた医療器具用洗浄剤組成物及び医療器具の洗浄方法が提供される。
<医療器具用洗浄剤組成物>
〔(A)成分〕
本発明の(A)成分はアルカノールアミンである。(A)成分のアルカノールアミンは、変性固着を起こした血液汚染物に対して効果を発揮するとともに、汚れ負荷が多くなった際のpHの低下を抑制する緩衝剤としても作用する。アルカノールアミンとしては、一般式 N(R1)(R2)(R3) で表されるものが挙げられる。R1はOH基を1〜3含む炭素数1〜8の炭化水素基であり、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルカノール基である。R1は、炭素数2〜4のアルカノール基が好ましく、R2、R3としては、水素原子が好ましい。前記一般式のアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリスヒドロキシアミノメタン等が挙げられ中でも、洗浄力の点からモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシアミノメタンが好ましく、モノエタノールアミンが変性血液汚れの除去性能が高く最も好ましい。
(A)成分の含有量は、洗浄液の安定性及び変性血液汚れの除去性能の観点から本発明の医療器具用洗浄剤組成物中、3〜30質量%であり、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは7〜20質量%の範囲である。
〔(B)成分〕
本発明の(B)成分は非イオン界面活性剤である。(B)成分の非イオン界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール、アルキルアミンオキシド、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸サッカライドエステル、アルキルポリサッカライド、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。タンパク質汚れの除去効果の観点から、下記(1)〜(4)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。
(1)下記一般式(1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテル
RO−(AO)s−H (1−1)
(Rは炭素数6〜24の炭化水素基、Aは炭素数2〜4のアルカンジイル基を示す。sはアルカンジイルオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜40の数である。)
(2)下記一般式(2−1)〜(2−2)で表されるポリアルキレングリコール
HO−(EO)o−(PO)p−(EO)q−H (2−1)
HO−(PO)p−(EO)q−(PO)r−H (2−2)
(EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数を表し、それぞれ独立して3〜100の数である。)
(3)炭素数6〜16の炭化水素基を有するアルキルアミンオキサイド
(4)炭素数6〜12の炭化水素基を有するアルキルグリセリルエーテル
(1)のポリオキシアルキレンエーテルにおいて、一般式(1−1)のR基は直鎖又は分岐鎖の炭化水素であり、飽和又は不飽和の炭化水素であり、洗浄性、泡特性の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜24であり、6〜18が好ましく、8〜14がより好ましく、8〜10が更に好ましい。Aは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、洗浄性、泡特性の観点から、炭素数2又は3が好ましい。sはアルカンジイルオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜40の数であり、2〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。また、複数のアルカンジイル基が含まれる場合には、付加形態は、ブロック付加であってもランダム付加であっても両方が混在していてもよい。
(1)の好適なポリオキシアルキレンエーテルとして、下記一般式(1−1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−1)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、lは1〜20、mは0〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
一般式(1−1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテルのR基は、直鎖でも分岐鎖でもよいが、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜18であり、6〜14が好ましく、更に8〜14がより好ましい。また、lは1〜20の数であり、2〜15の数が好ましく、2〜10の数がより好ましい。mは0〜20の数であり、1〜20の数が好ましく、2〜15の数がより好ましく、2〜10の数が更に好ましい。またlとmの比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。EO及びPOの付加形態は、ランダム付加であってもブロック付加であっても良い。
(2)の一般式(2−1)、(2−2)で表されるポリアルキレングリコールにおいて、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数であり、それぞれ独立して3〜100の数であり、5〜30の数がより好ましい。また(o+q)/pの比又はq/(p+r)の比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。一般式(2−1)、(2−2)で表されるポリアルキレングリコールは、例えば、プルロニック、プルロニックRという商品名でBASF社から入手可能である。
(3)のアミンオキシドは、少なくとも1つの炭素数6〜16の炭化水素基を有しており、炭素数6〜14が好ましく、炭素数8〜12がより好ましい。炭化水素基はアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基を有するアミンオキサイドが好ましい。また、炭素数6〜16の炭化水素基以外の置換基は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
(4)のグリセリルエーテルは、炭素数6〜12の炭化水素基を有するものであり、炭化水素基は好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10である。炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基である。
一般に、医療器具洗浄機、特に内視鏡洗浄機に関しては、洗浄時の水温に温度管理がされていないものが多い。常温で洗浄した場合には、特に泡が問題にならない場合でも、水温が低くなると、泡が消えにくくなる。
一方、洗浄力を高めるために、洗浄機の中では常に高圧で噴出された水が循環しており、非常に泡立ちやすくなっている。泡がたつと、泡により超音波や水流の物理力が緩和され、医療器具表面に伝わりにくくなり洗浄力が低下する。それだけではなく、医療器具の洗浄機に備えられている洗浄水の供給や排出を感知するための水位センサーの誤感知を起こし、洗浄が停止してしまう。また、RO水や、イオン交換水など極端に硬度が低い水を使用したときにも同様の問題が見られる。そのため5℃の低硬度の水を使用した場合でも泡立ちが抑制されていることが好ましい。
このような観点から非イオン界面活性剤としては、(1)〜(4)の非イオン界面活性剤の中では、タンパク質汚れの除去効果の観点から、(1)〜(3)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましく、(1)〜(3)を適宜併用して用いてもよい。また、(1)から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤がより好ましい。なかでも、(1)の非イオン界面活性剤のうち、一般式(1−1)中のRが炭素数6〜16の炭化水素基である非イオン界面活性剤が好ましく、Rは炭素数8〜14がより好ましく、より更に炭素数8〜14で分岐鎖を有するものが好ましい。
(B)成分の含有量は、洗浄力の観点から本発明の医療器具用洗浄剤組成物中、0.5〜20質量%であり、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは3〜8質量%の範囲である。
〔(C)成分〕
(C)成分の4価以上の多価アルコールは、ヒドロキシ基を分子中に4〜10個有する化合物が好ましく、窒素原子を含まないものが好ましい。また、(C)成分の炭素数は4〜12、更に5〜8が好ましい。(C)成分としては、ソルビトール、キシリトール、グルコース、エリスリトール、ペンタエリトリトール、トレハロース、マルチトール、スクラロース、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタンテトラオール、ヘキサンテトラオール、オクタンテトラオール、テトラヒドロキシベンゼン等が挙げられる。(C)成分は糖類が好ましく、糖アルコールから選ばれる多価アルコールがより好ましい。また、(C)成分は、還元性のないものが、経時におけるアルカノールアミンとの反応による洗浄剤の着色を防ぐという点から好ましい。さらに、アルマイトの防食の点からより好ましくは、ソルビトール、キシリトールである。
(C)成分の含有量は、アルマイトの防食の観点から本発明の医療器具用洗浄剤組成物中、3〜50質量%であり、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましく10〜30質量%の範囲である。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、金属の腐食を防ぐためには(A)成分に対して十分な量の(C)成分が必要であり、(C)/(A)質量比、すなわち(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比が、0.5以上、更に1〜10、より更に1〜3であることが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、(A)〜(C)成分を高温でも分離することなくより安定に配合できる観点から、(D)炭素数2〜8で、分子中に1〜2個のヒドロキシ基を有する化合物から選ばれる可溶化剤〔以下、(D)成分という〕を含有することが好ましい。(D)成分としては、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4の低級アルコール、メチルセロソルブなどを用いることができるが、好ましくは、炭素数3〜8でヒドロキシ基を分子中に2個有する化合物である。ヒドロキシ基を分子中に2個有する化合物としては、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、ジブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等が挙げられる。(D)成分の含有量は、配合安定性の観点から本発明の医療器具用洗浄剤組成物中、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは5〜30質量%の範囲である。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、タンパク質に対する洗浄性を上げる観点から、酵素を含有することができる。酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等があげられ、中でもプロテアーゼ、更にアルカリプロテアーゼが好ましい。
アルカリプロテアーゼとしては、好ましくは中性からアルカリ側に至適pHが存在するものであれば如何なる酵素でもよく、またこの条件を満たす複数のアルカリプロテアーゼを組合せて使用することが可能である。アルカリプロテアーゼはBacillus SPに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましく、中でも、Bacillus Halodurans、Bacillus clausiiに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましい。市販されているアルカリプロテアーゼとしては、ノボザイムズジャパン社から入手できるアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、エスペラーゼ、カンナーゼ、オボザイム、ジェネンコア・インターナショナル社から入手できるプラフェクト、プロペラーゼなどがある。また特開2007−61101号公報に記載されたアルカリプロテアーゼも好適に使用できる。
また、本発明で用いる希釈洗浄液中、アルカリプロテアーゼの含有量(タンパク質分解活性)は、固着タンパク質除去効果及びコストの観点から、希釈洗浄液1kgあたり、0.01〜200PUが好ましく、0.05〜100PUがより好ましく、0.1〜50PUがさらに好ましく、0.5〜20PUが特に好ましい。
なお、タンパク質分解活性(PU/g)は次の方法により測定される。
1w/v%の濃度でカゼイン(ハマーステイン:メルク社)を含む50mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.5)1mLを30℃で5分間保温した後、0.1gの酵素溶液と混合し、30℃で15分間反応を行う。反応停止液(0.11mol/Lトリクロロ酢酸−0.22mol/L酢酸ナトリウム−0.33mol/L酢酸)2mLを加え、室温で10分間放置する。次に酸変性タンパク質をろ過(No.2ろ紙;ワットマン社製)し、ろ液0.5mLにアルカリ性銅溶液[1w/v%酒石酸カリウム・ナトリウム水溶液:1w/v%硫酸銅水溶液:炭酸ナトリウムの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液溶解物(炭酸ナトリウム濃度2w/v%)=1:1:100(V/V)]2.5mLを添加し30℃、10分間保温する。さらに、希釈フェノール試薬[フェノール試薬(関東化学社製)をイオン交換水で2倍に希釈したもの]0.25mLを加え、30℃で30分間保温後、このサンプルの660nmにおける吸光度を測定する。また、上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えたものをブランクとして同様に吸光度を測定する。次にサンプルとブランクとの吸光度差により、遊離してきた酸可溶性のタンパク質分解物量(チロシン換算された量)が得られ、これを反応時間(本条件の場合:15分)及び酵素溶液量(本条件の場合:0.1g)で除して、タンパク質分解活性値を求めることができる。なお、1PUは、上記の反応条件において1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性タンパク質分解物を遊離する酵素量とする。
この他にも、本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、金属封鎖剤、防食剤、着色剤、賦香剤、粘度、調整剤、可溶化剤等の成分を必要に応じて含有することができる。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物の形態は、液体(分散粒子を含んでいてもよい)であることが好ましい。液体の場合、本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、水を好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは15〜30質量%含有する。また、液体でかつ水を含有する場合、本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、25℃のpHが好ましくは10〜13、より好ましく10.5〜12.5、更に好ましくは11〜12である。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、そのまま使用してもよいが、通常、該洗浄剤組成物を水で希釈して調製した希釈洗浄液を洗浄に用いる。希釈倍率は限定されないが、通常50倍〜1000倍程度に希釈することが想定される。洗浄力には、洗浄時のpHも重要であり、本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、水で200倍に希釈した希釈液のpHが25℃で9.5以上、更に10.0以上であることが望ましい。また、200倍希釈液のpHの上限値は内視鏡や医療器具に用いられている金属類の腐食防止の観点から12以下が好ましい。
本発明の対象となる医療器具としては、剪刀、鉗子、鑷子などの鋼製器具類、カテーテル、チューブ、バイトブロックなどの樹脂製器具、硬性もしくは軟性内視鏡等が挙げられる。本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、内視鏡用が好ましい。また、これら医療器具の自動洗浄機用であってもよく、内視鏡の自動洗浄機用であることがより好ましい。
<医療器具の洗浄方法>
本発明の医療器具の洗浄方法では、上記本発明の医療器具用洗浄剤組成物を水で50〜1000倍に希釈した希釈洗浄液を用いて、医療器具洗浄機により医療器具を洗浄する。希釈洗浄液は、(B)成分を0.002〜1質量%含有することが好ましい。また、希釈洗浄液のpHは、9〜12、更に9.5〜11.5、より更に10〜11が好ましい。このような(B)成分含有量やpHとなるように本発明の医療器具用洗浄剤組成物を水で希釈することが好ましい。
表1の医療器具用洗浄剤組成物を調製し、以下の方法で洗浄性とアルマイト防食性を評価した。結果を表1に示す。なお、pHは、堀場製作所製 pHメータ F−21を用いて測定した。
<洗浄性>
テフロン製のテストピースに、グリセリン、血清、ムチン、小麦粉、サフラニンからなるEN/ISO15883-5 Annex Rに記載のモデル汚れを10mg/cm2の割合で塗布し、室温で1時間乾燥させたものを実験に用いた。洗浄は、オリンパスメディカルシステムズ(株)製内視鏡洗浄消毒器OER-2内に固定し、洗浄時間を10分に設定し洗浄を行った。洗浄終了後、テストピースを取り出し、別に用意した水槽中のイオン交換水を用いて穏やかにすすいだ。乾燥後、目視で汚れの残留があるかを判定した後、目視で残留が認められないものに関しては、Coomassie Protein Assay Reagent(タンパク質定量キット添付の試薬、Thermo Scientific社製)に3分間浸漬後(CBB染色)、イオン交換水で充分濯いだ後の染色状態で下記の判定基準に従い判定した。尚、試験にあたっては5枚のテストピースを用い、結果はその平均値とした。
判定基準
5:目視でも、CBB染色後でも汚れの残留がほとんどみられない。
4:目視では残留が認められないが、CBB染色では、一部にタンパク質の残留が認められる。
3:目視では残留が認められないが、CBB染色では、全面にタンパク質の残留が認められる
2:目視でも僅かに残留が見られる
1:目視で多くの血液の残留が認められる
評価点4以上であれば、再使用にあたっては問題ないレベルであり、良好に洗浄できたものと判断する。
<アルマイト防食性>
医療器具用洗浄剤組成物を0.5質量%になるようにイオン交換水で希釈し、20gwpガラス製スクリュー管No.7容量50mLに入れ、予め秤量した縦50mm、横20mm、厚み1mmのアルマイト標準試験板(日本テストパネル社製)を、約半分浸漬された状態で、50℃で4日間保存した。保存後、試験板を取り出し、流水中でよく洗浄した後、十分に乾燥させた後、秤量し質量変化を測定した。質量変化が7mg以下のものは、通常の洗浄においては、アルマイトの防食に大きな問題はないものと判断される。
Figure 0005587168
・非イオン界面活性剤:一般式(1−1−1)中、Rが炭素数12〜14の分岐鎖アルキル基、lが7、mが7.5、EOとPOがEO、POの順でブロック配列した非イオン界面活性剤(ソフタノール7085(日本触媒(株)製))

Claims (7)

  1. (A)アルカノールアミン3〜30質量%、(B)下記一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤0.5〜20質量%、(C)4価以上の多価アルコール3〜50質量%を含有する医療器具用洗浄剤組成物。
    RO−[(EO) l /(PO) m ]−H (1−1−1)
    (Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、lは1〜20、mは1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
  2. (C)/(A)質量比が0.5以上である請求項1記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  3. (C)/(A)質量比が10以下である請求項1又は2記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  4. 水で200倍に希釈した希釈液のpHが25℃で9.5以上である請求項1〜3何れか1項記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  5. (C)が、糖アルコールから選ばれる多価アルコールである請求項1〜の何れか1項記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  6. (D)炭素数2〜8で、分子中に1〜2個のヒドロキシ基を有する化合物から選ばれる可溶化剤を含有する請求項1〜5の何れか1項記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の医療器具用洗浄剤組成物を水で50〜1000倍に希釈した希釈洗浄液を用いる、医療器具洗浄機による医療器具の洗浄方法。
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